少女「む～……。ともちゃん、この問題分かんない……」

女友達「どれどれ～？｣ﾋﾟﾄｯ

少女「……くっつきすぎ」

女友達「くっつかないと手元が見えないでしょ？｣ﾑｷﾞｭ

少女「触りすぎっ！｣ｸﾞｲｰｯ

女友達「んぇ～……しぃのけちー」

少女「けちじゃないもん。ほら、宿題に集中してよ」

女友達「教えてほしいんでしょ？ なら対価が必要じゃん。身体で払うやつ」

少女「さっきお菓子あげた！ 食べたいっていうから買ってあげたっ！」

女友達「あたしはしぃが食べ──んがっ！？」

少女「教えてくれないなら黙っててよ！ もうっ……！」

女友達「そんな怒らないでよ～。ちゃんと教えてあげるってば。ね？ 分からないとこ見せて♪」

少女「……うん」

女友達「えーっと？ この問題？ ここはね～、こうして～──」

少女「ふんふん……。ん～……。う～ん……？ あっ！」

女友達「……んふふ。分かった？」

少女「すごい！ 分かった！ 分かったー！」

女友達「それじゃあこの問題の答えは？」

少女「こう、だよねっ！」

女友達「うんうん、合ってるよ～♪」

少女「えへへ……ありがと」

女友達「は～……嬉しそうにするしぃもかわいいなぁ……」

少女「次の問題やるから静かにしててね」

女友達「それ終わったら構ってくれる？」

少女「うるさいです」

女友達「ちぇー。つまんないの～。いいですよ～ゴロゴロしてるから～｣ｺﾞﾛﾝ

少女「服、シワになっちゃうよ｣ﾁﾗｯ

女友達「めちゃくちゃにしてもいいよ♪」

少女「……ふんっ、だ｣ﾌﾟｲｯ

女友達「なんか面白いものないかな～。エロ本とか｣ｺﾞｿｺﾞｿ

少女「……ないよ」

女友達「貸したげよっか？ あたしのやつ」

少女「いらない」

女友達「なるほど。エロ動画派か」

少女「……」

女友達「じょーだんじょーだん♪ イライラしてたら宿題終わらないぞ☆」

少女「はぁ～……｣ﾊﾟﾀﾝ

女友達「あれ？ やめちゃうの？」

少女「集中できないもん。誰かさんのせいで」

女友達「あらら？ あたしが気になっちゃって集中できない感じ？」

少女「気に障る感じ。ちょっとイライラした」

女友達「なでてあげよっか。いい子いい子～って」

少女「やだよ。髪くしゃくしゃになっちゃうし」

女友達「そうそう、髪といえばさ」

女友達「しぃ、結構髪伸びてきたよね｣ﾋﾟﾄｯ

少女「ちーかーいー！｣ｸﾞｲｰｯ

女友達「まーまー。宿題はやめちゃったんだし、いいじゃないの｣ﾋﾟﾄｯ

少女「……」

少女「……変かな？」

女友達「髪？ 全然、全然！ めちゃくちゃかわいいよ！」

少女「む～……。どんな髪型にしてもおんなじこと言うくせに……」

女友達「あははっ、まぁね～。だってどんな髪型でもかわいいし♪ かわいいかわいい～♪｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

少女「ん……やだってば……｣ﾍﾟｼｯ

女友達「でもさ、ほんとに似合ってるよ。長いの、すっごくいいと思う」

少女「そう？ 似合ってるなら……うん、よかった♪」

女友達「似合ってるのもそうなんだけどね？ 今のしぃ、あたしの好みにぴったしハマっちゃってるんだ～」

少女「……ふぅん？ じゃあ今までは好みじゃなかったんだ？」

女友達「うっわ、意地悪だ……！」

少女「ねぇ、どうなの？」

女友達「まぁ……そうだね。髪型だけで言うならあんまり好みじゃなかった。かわいかったけども」

少女「正直すぎっ｣ﾌﾟｲ

女友達「誠実なの｣ﾑｷﾞｭｰ

少女「言い方変えただけでしょー｣ｸﾞｲｰｯ

女友達「むぐぁ～……抱きつかせろー……」

少女「…………は～ぁ、もう切れないじゃん」

女友達「んぇ？ なになに？ なんて？」

少女「私も長いの気に入ったって言ったの」

女友達「おぉ～、そりゃ嬉しい。ずっとあたし好みのしぃでいてね～♪｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

少女「別にともちゃんのためじゃないし｣ﾍﾟｼｯ

女友達「あたしはどうかな？ ちゃんとしぃ好みの女の子になれてる？」

少女「どうかな。自分の行動を振り返ってみたら？」

女友達「誠実で。愛情が深くて。しぃが困ってる時は必ず助けてあげて～」

少女「変態で？ 気持ちが重くて？ 意地悪してからじゃないと手伝ってくれなくて？」

女友達「えー、そんな風に思ってたのぉ……？」

少女「……うそ。思ってないよ｣ﾆｺｯ

女友達「ぁ、う……ふ、不意打ちはずるいって……」

少女「えへへ……♪」

女友達「ハッ……！ これ知ってる！ ツンデレだ！」

少女「違うし」

女友達「あ～、うん。違うよね。しぃはデレデレだもん。恥ずかしがり屋さんなだけで｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

少女「そ、そうじゃなくて……！｣ﾍﾟｼｯ

女友達「ちなみにあたしもデレデレ。似た者同士？ 類トモ？ やっぱ波長が合ってるのかな」

少女「わ、私は……」

少女「……デ、くらいだもん」

女友達「あははっ♪ デレデ、ぐらいはあるでしょ～？」

少女「はぁ～……もぉ、またともちゃんのペースに乗せられてる……」

女友達「んふふ、このまま身を任せてみない？」

少女「もう乗らないよ」

女友達「ねっ。ハグしてい～い？」

少女「だめ」

女友達「ダメ？」

少女「だめだよ……」

女友達「しちゃお｣ﾑｷﾞｭｯ

少女「……」

女友達「しちゃった♪」

少女「……｣ｷﾞｭ

女友達「抵抗しないんだ？」

少女「……ばか」

女友達「もっと素直になってくれてもいいのに。せっかく二人っきりなんだからさぁ」

少女「だって恥ずかしいし……それに……」

女友達「まだ付き合ってもないしね。まだ、ね」

少女「つ、付き合うのはやっぱり抵抗が……」

女友達「あたしはしぃが好き。しぃもあたしが好き。ほら、好き同士なのに」

少女「う～……言わないでよぉ……」

女友達「ふふ、今だってお互いはっきり言ってないだけで付き合ってるみたいなものじゃん？」

少女「それはそうだけどっ。まだちゃんとお友達の範囲で止まれてるもん！ 誰かに見られてもそこまで恥ずかしくないし……」

女友達「人の目が気になるならさ、こうして二人の時だけでもいいんだよ？ 学校では今まで通りの友達でいればいいの。ねっ？」

少女「でも、付き合ったら……付き合い始めちゃったら……きっと……」

女友達「……しぃ？」

少女「…………我慢、できなくなっちゃう｣ｷﾞｭｰｯ

女友達「……」

女友達「付き合おう、しぃ。あたしと付き合って」

少女「え……？ き、聞いてた……？ やっぱり付き合うのは──」

女友達「もう我慢できないよ。……ごめん、あたしが先に限界来ちゃった」

少女「……｣ｽﾘｽﾘ

女友達「好き。好きだよ。外ではあたしが気をつける。しぃに辛い思いはさせないから」

女友達「……あたしの恋人になってください」

少女「ともちゃんに……｣ﾎﾟｿｯ

少女「ともちゃんに我慢なんてできないでしょ？ どうせすぐいっぱいいっぱいになっちゃうよ」

女友達「そ、そんなことないよ？」

少女「だからねっ、私も手伝うから！ 一緒に我慢して、それで二人の時だけ……」

少女「それでもいいなら…………つ、付き合う？」

女友達「……あはっ！｣ﾑｷﾞｭｰｯ

少女「えへへ……今まで我慢させてごめんね？」

女友達「しぃだってずっと我慢してくれてたんでしょ？ お互い様だよ、気にしない気にしない♪」