絵里「メイド喫茶!」 (23)
絵里「ん~久し振りの休日だったけど…。一人で買い物って言うのも結構疲れるものね。この帽子…何で買ったんだろう…。お店で見た時はオシャレに見えたんだけどな。不思議」
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絵里「それにしても歩き疲れたわ。どこかで休憩でも…」
「メイド喫茶○○」
絵里「ここは…ことりがバイトしてた…。あれ?まだ時々お店に出てるんだっけ?今日もいるかな?そうだ!この帽子を目深に被って…ふふっ、こっそり見てみようかしら」
カランコロン カラーン
いらっしゃいませ~。ご主人様!
絵里(一人で来ると結構緊張するわね)
ガシャーーーン
「何やってるの!!!」
「申し訳ありません。店長さま!!」
絵里「なんか…騒がしいわね。何があったのかしら…」
メイドA「いらっしゃいませ~。お客様は何名様ですか?」
絵里「あっ、えっと、一人…ん?」
メイドB「凛ちゃん!その受け答えは少し違うんやない?」
メイドA「ダメ?」
絵里(り、凛と希!?何で?どうしてこのお店に?)
希「お客様じゃなくてご主人様やろ?それにいらっしゃいませじゃなくてお帰りなさいませや!いくら臨時とは言えバイト代を頂くんやからちゃんしなきゃあかんよ」
凛「うん」
絵里(臨時…?ことりに頼まれたのかしら?)
凛「じゃあ、改めて。お帰りなさいませ、ご主人様!」
希「そう!それや!」
凛「えっと…ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも…」
絵里「え?」
希「凛ちゃん。それはちょっとちゃうんやない?」
凛「ん~メイドって難しいにゃ~」
希「凛ちゃん!人数を聞いて席まで案内しないと」
凛「あっ、そっか!えっと…ご主人様は何様ですか?」
絵里(いや…名が抜けてるから!オーソドックスな間違いを…)
希「………」
絵里「え?」
希「あの…どこかでお会いした事あります?」
絵里「いえ…人違いじゃないですか?」←低音
凛「希ちゃん知り合いなの?」
希「人違いみたい」
凛「ふ~ん。知らない人の事をご主人様って言うのってなんか変な感じだよね?」
絵里(それがメイド喫茶だから…そう言うコンセプトだから)
希「まあ…あれやん?ウチ等はメイドとして働きてお金を頂く訳やからその時点で主従関係は出来てる訳やし」
凛「お金だけの関係なのかぁ」
絵里(間違いじゃないけど言い方!!!こっちに聞こえてるからね!)
凛「えっと…おタバコはお吸いになりますか?」
絵里「いえ…」
希「凛ちゃん。このお店は全面禁煙やから」
凛「そっか!このお店は全面禁煙です!」
絵里(だから吸わないって。高校生だから!まあ…帽子被ってるから分からないかもしれないけど)
希「って言うか凛ちゃん。ここはファミレスとは違うんやからそう言うのは聞かなくても良いと思うよ?」
凛「確かに。よく見るとファミリーで来てる人なんて居ないもんね。家族で来る人なんて居ないよね」
絵里(それは分からないじゃない!)
凛「じゃあ、席まで案内をすっるにゃーーーー!)
絵里(やっと座れる…疲れた…)
凛「こちらになります」
絵里「どうも…」
凛「ごゆっくり」
絵里「さてと、何を注文しようかしら。コーヒー800円…ことりには悪いけど高い。コーヒーに800は出せないなぁ。とりあえず…すいませーーん」
穂乃果「はい?どうしました?」
絵里(えっ!?穂乃果まで!?希と凛に続き穂乃果まで…)
穂乃果「あのぉ…どうされました?)
絵里「このスペシャルパフェって…どう言った…」
穂乃果「えっと…スペシャルパフェですか?あ~…すいません。聞いて来ます」
絵里「あっ、分からないならいいのよ」
穂乃果「申し訳ありません。ご主人様」
絵里「えっと…じゃあ、このブラックサンデーは…」
穂乃果「え~……黒い…黒いのかな~」
絵里「分からないのね」
穂乃果「すいません…」
絵里「いや、怒ってないから。オススメは?何が美味しいのかしら?」
穂乃果「え~っと…お店を出て15分くらい歩いた所に穂むらって言う老舗の和菓子屋さんがあるんですけどそこのお饅頭は美味しくてオススメです!はい!」
絵里「ここのお店のオススメを聞いてるんだけど!!何ちゃっかり自分家の宣伝してるのよ!!!」
穂乃果「へ?私が穂むらの看板娘だって知ってるんですか?」
絵里「えっ、いや…あはは」
穂乃果「ふむ。穂むらが有名なのか私がμ'sのお陰で有名になったのか」
絵里「そ、そうそう!μ'sの大ファンなのよ!」
穂乃果「あ~そうなんだぁ!最初に言ってくださいよ!このイケズ~」
絵里「いけず!?」
穂乃果「いや~今日はμ'sのメンバーのことりちゃんのお願いで臨時でバイトしてるんですよ。だからオススメと言われてもアレなんですけど実は今日だけ特別メニューがあるんですよ!」
絵里「そ、そうなんだ。じゃあ、それを頼もうかしら」
穂乃果「はい、かしこまりました。花陽スペシャル入りましたーーーーー!!!!」
絵里(いや、居酒屋か!入った事ないけど!)
穂乃果「じゃあ、少しお待ち下さいね」
絵里「はい。って言うか花陽スペシャルって…」
カランコロンカラーン
凛「お帰りなさいませご主人様…って海未ちゃん!!」
海未「……ご機嫌よう」
凛「あれ?今日は弓道部の練習じゃなかったの?」
海未「終わったので…」
凛「そうなんだ」
海未「はい」
凛「じゃあ、取り敢えず席まで案内するよ。こっちです海未お嬢様」
海未「海未お嬢様…」
絵里「……」
凛「ここです」
海未「はい…」
絵里(海未…)
穂乃果「あ~海未ちゃん!!来てたんだ!!」
海未「穂乃果。メイド服が似合っていますね」
穂乃果「ありがと~海未ちゃん!あっ!記念に一緒に写真撮ろうか!」
海未「大丈夫ですか?お仕事の方が…」
穂乃果「大丈夫、大丈夫!」
海未「じゃあ…」
穂乃果「チェキ入りました~」
海未「へ?」
希「了解で~す。じゃあ、海未ちゃんこっちに来てな~」
海未「あ、あの…」
穂乃果「海未ちゃんこっちだよ。こっち」
絵里(手段がエグい…。うわっ、チェキって500円もするんだ。海未からしたら幼馴染と写真を撮るのに500円…)
希「はーーーい!じゃあ、撮るよ~。ラブアロ~~!!!」
穂乃果「シューーート!!」
カシャ
海未「なっ!?」
希「はい。撮れたよ」
海未「………ありがとうございます」
絵里(海未…可哀想…)
凛「お待たせしました。花陽スペシャルです」
絵里「あっ!来た…ってこれ…お茶碗いっぱいの白いご飯に梅干し…確かに花陽スペシャル…」
凛「シェフの方からご説明をしたいとの事なのですがよろしいでしょうか?」
絵里「説明?」
凛「はい」
絵里「ど、どうぞ」
絵里(ここは高級レストランか何かですか?)
花陽「いらっしゃいませ。この度は花陽スペシャルを注文頂きありがとうございます。お客様がご注文頂いたのが初めてです」
絵里(随分とハキハキと喋るわね。花陽…)
花陽「花陽スペシャルの説明をしていきたいのですが。まず、お米を炊く所からこだわっていまして。高級感炊飯器を使用し高火力、可変圧で特A評価の魚沼…」
絵里「ちょっと待って」
花陽「な、何でしょうか?私何か…」
絵里「えっと…全部説明していくの?」
花陽「はい!出来れば!」
絵里「ご飯冷めちゃうし…遠慮しておこうかな」
花陽「でも…白米を美味しく食べるにはお米の事を深く理解して…」
絵里「いや…本当に大丈夫よ。今度聞くから」
花陽「今度?」
絵里「いえ…何でも」
花陽「じゃあ…説明は本当に大丈夫ですか?」
絵里「ええ。有り難いけど」
花陽「分かりました…」
凛「かよちん。落ち込まないで。凛がいつか時間が空いてる時に聞いてあげるから」
花陽「ありがとう。凛ちゃん」
絵里(いつかって永遠に来ないものなのよね)
絵里「はあ…結果、ご飯を食べただけね。梅干し食べれないし…。はあ…喉乾いちゃった。すいません」
真姫「……はい?」
絵里(えっ!?まさかの真姫まで…)
真姫「何ですか?」
絵里「いえ…あの…飲み物を…」
真姫「飲み物?」
絵里「えっと…コーヒーを…」
真姫「…かしこまりました」
絵里「一応ご主人様なのよね…私?」
チョイチョイ
絵里「へ?」
凛「ご主人様…今の子はツンデレ要員なので決してご奉仕が出来ない訳じゃないですよ」
絵里「ツンデレ要員?」
ゴツン
凛「痛っ」
真姫「余計な事を言わない。私だってメイドくらい出来るわよ」
凛「本当に?」
真姫「当然よ、ご主人様。コーヒーになります」
絵里「ありがとう」
凛「ご奉仕するなら飲ませてあげたら?」
真姫「はあ?」
絵里「いや、大丈夫よ?自分で出来るから」
凛「真姫ちゃん…もしかして出来ないの?」
真姫「で、出来るわよ!見てなさい!ご主人様、失礼します」
絵里「いや、ちょ、待って。ゴホッ…あつ、あっつ。熱い」
真姫「あっ、ご、ごめんなさい。どうしよう…私…」
絵里「だ、大丈夫よ。平気だから。そんな顔しないで」
真姫「うう…本当にごめんなさい…」
凛「真姫ちゃんがデレたにゃ」
絵里(デレたんじゃなくて罪悪感に苛まれてるんでしょ。真姫は何だかんだで真面目だから)
ブーーーー
絵里「え?な、何?暗っ…急に暗く…何が始まるの?」
凛「これからイベントが始まります」
ワンダーゾーン君に呼ばれたよ~走って来たよ~きっと不思議な~夢が始まる~
絵里「え?ワンダーゾーン?この声は…ことり?」
あ~は~じまる~よ。
パァァァ
絵里「あっ!明るく…」
メイド「ワンダーゾーン~君に~」
穂乃果「いや~いい歌だよね~」
凛「流石ことりちゃんの歌詞だにゃー」
花陽「そうだねぇ」
メイド「ワンダーゾーン。君に呼ばれたよ走って来たよ~」
絵里「いや誰っ!!!!」
希「ことりちゃんかと思ったやろ~えりち?」
絵里「本当よ。ことりの声にそっくりじゃない」
希「ビックリした?」
絵里「したわよ。もう」
希「えりちもまだまだやね」
絵里「そうね…って、え?」
希「ふふん。そんな帽子でバレてないとでも思った?」
穂乃果「あっ!絵里ちゃんだ!」
凛「本当だにゃ!」
花陽「花陽スペシャル頼んでくれたの絵里ちゃんだったんだぁ!」
絵里「ちょっと待って?いつから…」
希「ん~席に通した辺りかな?」
海未「来ていたなら教えてくれれば良かったのに…一人で入るの緊張したんですから…」
穂乃果「全くだよ」
絵里「ごめん。あの…所でことりは?」
穂乃果「ことりちゃんに接客して欲しいなら指名しなきゃダメだよ。呼んでくる?指名料かかるけど」
絵里「指名って…」
凛「伝説のメイド。ミナリンスキーだもんね」
真姫「よくよく考えると凄いわよね。この短期間で伝説って…」
絵里「確かに…」
希「所でえりち」
絵里「何?」
希「その帽子ダサいよ?」
絵里「何で買ったのかしら…」
にこ「メイド喫茶○○。よろしくおねがいしまーす。メイド喫茶でーす。よろしくお願いしまーす。なんで、にこがチラシ配りなのよ~」
ことり「ごめんね、にこちゃん」
ー完ー
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