環いろは「・・・やちよさんの、ばかっ」 (11)
いろは「ふふっ///」
いろは(着ちゃった/// BiBiのデートコーデ特集でやちよさんが着ていた服・・・///)
いろは(やちよさんと二人でお出かけする日にこの服を着ちゃったら、さすがに、意識している、ってやちよさんに気が付かれちゃうよね・・・?)
いろは(で、でも、実際意識しているんだし・・・気が付いてほしいというかなんというか・・・///)モジモジ
やちよ「いろは。準備いい? そろそろ出るわよ」
いろは「あっ、はいっ。今行きます」
やちよ「あらっ、いろは。その服―――」
いろは「っ・・・///」
いろは(や、やっぱり大胆すぎたかな・・・? な、なんて思われてるかな・・・? き、緊張する・・・///)
やちよ「―――今日は風が強いから、それじゃ寒いわよ。私の上着貸してあげるから、これを羽織っておきなさい」ファサッ
いろは「えっ・・・。あ、はい・・・」
いろは「・・・・・・・」
いろは(・・・やちよさんの、ばかっ)
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いろは(今日はやちよさんと初めて会った日からちょうど一年)
いろは(いつもお世話になっているから何か贈り物をしようと思って、ブロッサムに行ってお花を買ってきたけど・・・)
いろは(今になって冷静になって考えてみると・・・。こ、このお花はちょっとやりすぎちゃったかな・・・?)
いろは(や、やっぱり贈るのやめようかな・・・? やちよさんがお仕事から帰ってくる前に片付けた方がいいかも・・・)
やちよ「ただいま」
いろは「あはゃ?! お、おかおか、お帰りなひゃい、や、やちよさ、ん・・・」
やちよ「? 何を動揺しているの? あら、いろは、その花は?」
いろは「あっ! え、えと、あの・・・あ、ううっ・・・! や、やちよさん、このお花もらってください・・・!」
やちよ「あら、私に? ありがとう」
いろは(勢いで渡しちゃった・・・!)
やちよ「赤いバラの花ね。1、2・・・全部で12輪あるわね」
いろは(有名な花言葉だから絶対気が付いちゃうよね・・・?)
いろは(あうう・・・。心の準備も何もなしに渡しちゃった・・・。断られたらどうしよう・・・)
いろは(で、でも・・・ちゃんと受け入れてくれるかもしれないし・・・///)
いろは(緊張する・・・/// やちよさん、どう受け取るかな・・・?)
やちよ「でもね、いろは。私にこうして花を送ってくれるのは嬉しいけど、あんまり気遣わなくてもいいのよ」
やちよ「自分のお小遣いなんだから、ちゃんと自分のために大切にお金を使いなさいね」
いろは「えっ・・・。あ、はい・・・」
いろは「・・・・・・・」
いろは(・・・やちよさんの、ばかっ)
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やちよ「すー・・・すー・・・」
いろは(あっ、やちよさん、リビングで寝ちゃってる)
いろは「いつもお疲れ様です、やちよさん」
いろは「よし、起こさないようゆっくりと、風邪ひいちゃうから部屋に運ばないとね」
やちよ「すー・・・すー・・・」
いろは「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
いろは「やちよさん。こ、今夜は月が綺麗・・・です、よ・・・・////」ボソッ...
やちよ「ん・・・・?」パチッ
いろは「あっ・・・!」
いろは(やちよさん起きちゃった! ど、どうしよう、今の聞かれちゃったかなっ?! ああもう、いきなりなんてこと言っちゃったの私!?)
いろは(で、でも・・・いずれ言わないといけないことだったし・・・・)
いろは(それに今は、静かな夜で、リビングで2人きり。告白する雰囲気としては間違ってないよね・・・?)
いろは(うんっ、私は間違ってない・・・! やちよさん、お返事を聞かせてっ・・・!)
やちよ「あっ、いけない、今日は天気が良かったから洗濯物をたくさん干したんだったわ。まだ取り込んでない。ちょっと行ってくるわ」
いろは「へっ・・・? あ、う・・・。そ、それじゃあ、私も手伝いますよ・・・」
やちよ「ありがとう。でも大丈夫よ。もう夜遅いし、子供は早く寝なさい」
いろは「えっ・・・。あ、はい・・・」
いろは「・・・・・・・」
いろは(・・・やちよさんの、ばかっ)
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撮影スタジオ
カメラマン「次、正面お願いしまーす」
やちよ「はい」
スタイリスト「ヘアメイク整えますね」
やちよ「はい」
いろは「わあ・・・・」
いろは(お仕事中のやちよさんから、家に忘れ物をしたって連絡があって、私がこのお仕事場まで届けに来たけど・・・)
いろは(働いているやちよさん、かっこいいなあ・・・)
いろは「・・・・・」
いろは(普段のやちよさんは、時々子供みたいで可愛いところもあるけど、こうしてたくさんの大人に囲まれてお仕事をしているやちよさんを見ると、やっぱり大人の女性なんだなあ、って思わされる)
いろは(子供なのは私の方。私なりに頑張ってやちよさんにアプローチしても、やちよさんは全然気が付いてくれないし、いつも私を子供扱いばっかり・・・・)
いろは「・・・・・」
いろは「はあ・・・。やっぱり私って、やちよさんと比べたら、全然魅力ないんだなあ・・・」
やちよ「そんなことないわよ」
いろは「ひゃっ?! やちよさん・・・・?! えっ、さ、撮影は・・・?」
やちよ「今は休憩中。それより、いろははとても魅力的よ」
いろは「あ、う・・・。ほ、本当ですかあ・・・?」
やちよ「本当よ」
いろは「・・・・例えば、どんなところが魅力的ですか?」
やちよ「ん~、そうねえ。いろははかわいい」
いろは「か、かわいいっ・・・。そ、そんなっ、かわいいって、誰にも言えるじゃないですかあ・・・」
やちよ「いろはにはいろはにしかないかわいいがあるわよ」
いろは「・・・・? それってなんです?」
やちよ「いろはが私と二人で出かけるときに、いろははBiBiのデートコーデ特集で私が着ていた服を着て、私の気を引こうとしたり」
いろは「・・・・・・・・・・・へっ?」
やちよ「私と出会って一年目の日に、『私と付き合ってください』の花言葉がある12輪の赤いバラを私に贈ってくれたり」
いろは「えっ、えっ・・・!? やちよさん、気付いてた・・・?!」
やちよ「私がリビングで寝たふりをしているときに、『愛しています』って、私に囁いてくれたり」
いろは「あっ、うっ・・・?!////」
やちよ「そうやって直接的に好意を伝えないで、遠回しに好きって言ってくれる奥ゆかしいいろはがかわいいわ」
いろは「はっ、なっ・・・・////」
やちよ「それと、そんないろはのかわいいアプローチにわざと気が付いてないふりのイジワルをすると、しゅん としちゃういろはもかわいいから、ついついもっとイジワルしたくなっちゃうし」
いろは「んんっ?! イジワルで気が付いてないふりをしてたんですかっ?!///」
< 七海さーん! そろそろ再開でーす!
やちよ「はーい! 今行きまーす!」
やちよ「それじゃ―――」スッ....
いろは「えっ・・・・?」
ちゅっ☆
やちよ「―――行ってくるわね。私のかわいいいろは。愛してるわ」ニコッ
いろは「・・・・・っ?!」
いろは「っ~~★□※@?!?!///////」カァ
いろは「・・・やちよさんの、バカーッッ!!////////」
おわり
ありがとうございました。
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