※08年の深夜ドラマ『ロス:タイム:ライフ』と『コードギアス』のクロス。
※元のアニメと辻褄の合わない箇所や捏造箇所があるかもしれません、それでも大丈夫な方はどうぞ。
『どんな選手にも、ドアが永遠に閉まったままということは決してない。』
―――元フランス代表 ジネディーヌ・ジダン
―――エリア11、イケブクロ駅ビル内。
シャーリー「…私はルルが好き。貴方はどう?」
ロロ「好きだよ。たった一人の兄さんだもの。」
シャーリー「貴方は味方なのね、ルルの…」
ロロ「……。」
シャーリー「お願い、私も仲間に入れて。私もルルを守りたいの。取り戻してあげたいの、ルルの幸せを…」
シャーリー「妹のナナちゃんだって一緒に…」
ロロ「……!」
シャーリー「―――!?」
バン…――――――
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―――
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ロス:タイム:ライフ -Life in additionaltime-
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――――――
―――
シャーリー(こんなの嘘よ…まさかロロに撃たれるなんて…)
シャーリー(私が撃たれたって聞いたら…ルル絶対悲しむよね…)
シャーリー(何で…こんな事に…?)
………………
………………
………………
シャーリー(それにしても…弾がまだ来ないけど…?)
………………
シャーリー(目を開けても…大丈夫かな…?)パチリ
シャーリー「!?」
ロロ「――――――」
シャーリー(銃弾が…宙に浮いてる…!?)
<additional time → 01:19:00:00>
主審「」ピーッ!
シャーリー「!?」ビクッ
副審1「…。」ビシッ
副審2「…。」ビシッ
第4審判「…。」 [1:19]
<LIVE>
実況「さあ今表示されました、シャーリー・フェネット選手のロスタイムは1時間19分です!」
解説「いやー、彼女の年齢の割には結構時間が短いですね?」
<Profile>
シャーリー・フェネット -SHIRLEY FENETTE-
18歳・A型・蟹座
職業:学生
所属:私立アッシュフォード学園
記憶を書き換えられた回数:2回
死因:銃殺
実況「残された時間は僅か、人生のロスタイムを使って一体何を清算するのでしょうか!」
解説「過去、様々なドラマがロスタイムに起きていますからね、最後まで諦めてはいけません。」
実況「ところで、よく見るとプロフィールの中に『記憶を書き換えられた回数』とありますが…?」
解説「うーん、記憶を書き換えられるって何か怖いな…」
シャーリー(何なの…この黄色い服を着た人達…!?)
ボールボーイ(黒子)「……。」
シャーリー「!?」
実況「おっと、シャーリー選手が持っていた拳銃が宙に浮いていますね!?」
解説「えっ?あれって黒子が持ってるんじゃないですか?」
実況「えーっと…私には見えませんよ?」
解説「いわゆる、刑事ドラマによくある現場確保ってやつか…」
実況「さて、ここは一旦主審がシャーリー選手を促します!」
主審「」ピピッ!
シャーリー「…あ、あの…貴方達は…誰…?」
主審「……。」
シャーリー「ねえ、何も喋らないの…?」
主審「……。」ユビサシ
シャーリー「えっ…?」チラ
ロロ「――――――」
シャーリー(私に向けられた銃口……まさか)
シャーリー「やっぱり私…ロロに撃たれて……」
主審「」コクッ
シャーリー「そんな………」
実況「ああっと、シャーリー選手、その場に崩れ落ちてしまった!」
解説「無理はありません。死というものを簡単に受け入れるのは難しいですからね。」
シャーリー「私、死んじゃったんだよね?……これから一体どうしたら良いの…?」
主審「」ピピッ
シャーリー「えっ…」
実況「おっと、ここで主審が電光掲示板を指さします!」
解説「多分この世界観にサッカーがあるか微妙ですが、ここから状況をどう理解できるかですね。」
第4審判「…」 [1:19]
シャーリー「…1時間19分…?」
主審「……。」
シャーリー「…でも、この時間って一体…?」
第4審判「…。」 [1:18]
シャーリー(…時間が減ってる…!?)
シャーリー「あの…よく分からないけど…これって、私に残された時間…?」
主審「」コクッ
シャーリー「でも私、どうしたら…」
主審「」フッフッ
シャーリー「走れ、って…?」
主審「」コクッ
第4審判「…。」 [1:18]
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―――
実況「さてシャーリー選手、いったん駅ビルを出てようやく動き出しましたが…」
シャーリー(どうしよう…私、死んじゃったんだ…)トボトボ
副審1「…。」ゾロゾロ
副審2「…。」ゾロゾロ
第4審判「…。」ゾロゾロ [1:11]
主審「……。」ピッピッ!
シャーリー「……。」
主審「」
実況「…どうも足取りが重い感じが否めませんね?」
解説「うーん、味方と思っていた選手に撃たれたショックが大きいですからね…」
実況「主審も急ぐよう促しますが全く効果がありません!」
―――プルルル…
シャーリー(…電話?)
実況「おっと、ここで電話が掛かってきたようですね?」
スザク『…シャーリーか?』
シャーリー「…スザク君?」
スザク『君を安全なところに退避させようとしていたはずだが…まさか君、ルルーシュを捜していたのか?』
シャーリー「……。」
シャーリー(そっか…私、ルルを探しに来てたんだっけ…)
スザク『とにかくこれ以上近付くのは危ないから、すぐに―――』
シャーリー「ごめん、私にはもう、時間がないの…!」
スザク『…時間がない?』
シャーリー「…実は私…さっき撃たれちゃって…」
主審「!!」ピピピピピピ!!
シャーリー「!?」
主審「」イエローカードビシッ
実況「おっと!早くもシャーリー選手に1枚目のイエローカード!」
解説「死んだことを他人に伝えるのはいけませんからねー、今のは勿体ない!」
実況「なお、累積2枚で次の人生、生まれ変われなくなってしまいます!」
解説「ちょっとこれで今後やりづらくなりましたよ?」
シャーリー「えっ…撃たれたこと言っちゃダメなの!?」
主審「」コクッ
シャーリー「ちょっと待って!?そういうのって最初に言ってくれなきゃ…」
スザク『…シャーリー?今誰と話してる?』
シャーリー「あっ、ごめん…」
スザク『撃たれたってどういうことだ?…思えば今日ずっと様子がおかしいが―――」
シャーリー「…と、とにかく、今は時間がないから一旦切るね!?」
スザク『おい、ちょっと―――』
―――ピッ
第4審判「…。」 [1:09]
シャーリー(ごめんね、スザク君…私、ルルの為に行かなきゃ…!)
シャーリー「…っ!」ダッ
審判団「「!」」
実況「さあ何かを思い出したのか、一気に走り出しました!」
解説「これは見事なサイドチェンジダッシュ!」
実況「このままピッチ上を駆け巡るシャーリー選手、一体何処へ向かおうというのか!?」
―――――――――
――――――
―――
―――エリア11、イケブクロ駅ホーム付近。
ジェレミア「私には、理由がある。忠義を貫く覚悟が…確かめなければならぬ真実が…」
ルルーシュ「バカな!動けるはずが…」
シャーリー「…。」タッタッタッ
シャーリー(居た…けどもう一人いる…?)
実況「どうやら辿り着いた先は駅ホーム付近のようですね?」
解説「どうも誰かを探していた感じですね。」
実況「ただこの状況ではどうも動きづらいか!?」
シャーリー(どうしよう、ルルを助けたいけど…銃もあの場所で浮いてて今は無いし…)
シャーリー(とりあえず、隠れてないと危ないかな…?)
解説「ここは一旦隠れて様子を見守るようですね?」
主審「」ゼエゼエ
副審1「」クタクタ
副審2「」ハァハァ
第4審判「」クタクタ [0:58]
実況「ここで審判団もようやく到着!ただ審判団、ここにきて疲れてきてませんか!?」
解説「いやーこれは酷いですね。こういう時こそ猫除け飲めばいいのに。」
実況「でもこの世界観に猫除けは多分無いと思いますよ?」
シャーリー「……。」
―――――――――
――――――
―――
ジェレミア「ルルーシュよ、お前は何故ゼロを演じる?祖国ブリタニアを…実の父親を敵に回す?」
ルルーシュ「俺が…ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだからだ。」
ジェレミア「はっ…!?」
ルルーシュ「俺の父・ブリタニア皇帝は、母さんを見殺しにした。」
ルルーシュ「その為にナナリーは目と足を奪われ、俺達の未来まで……」
シャーリー「……。」
第4審判「…。」 [0:56]
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――――――
―――
ルルーシュ「ジェレミア・ゴットバルトよ、貴公の忠節はまだ終わっていない筈。そうだな?」
ジェレミア「イエス・ユア・マジェスティ。」
シャーリー「……。」
第4審判「…。」 [0:53]
シャーリー(良かった…ルルは助かったのね…でも…)
副審1「…。」
ジェレミア「それはそうと…この近くに人の気配が…?」
シャーリー(…気付かれた!?)ビクッ
審判団「「!?」」
ルルーシュ「人の気配…?」
シャーリー(どうしよう…一旦離れなきゃ…)
シャーリー「…っ!」ダッ
審判団「「!」」ダッ
………
ルルーシュ「シャーリー…?」
―――――――――
――――――
―――
シャーリー「……。」
第4審判「…。」 [0:41]
実況「さて、駅ホーム付近を離れたシャーリー選手ですが…それ以降全く動きがありませんね?」
解説「うーん、何か思うところがあるのでしょうか?」
シャーリー「やっぱりルルが黒の騎士団のゼロだったことは間違いなかったんだけど…」
主審「…。」
シャーリー「ルルは…あんな世界でずっと一人で戦ってたんだね…」
副審1「…。」
シャーリー「でも、どうしよう…時間はそんなに多くないし…」
第4審判「…。」 [0:41]
シャーリー「どうしたら…ルルの本当になってあげられるのかな…?」
副審2「…。」
シャーリー「……。」
―――――――――
――――――
―――
シャーリー『死んで罪を償おう?私も一緒に死んであげるから…』
シャーリー『もう終わりにしよう、ルル…』
シャーリー「……。」
シャーリー『ルル…私、人を撃っちゃたの…』
ルルーシュ『…俺のせいだ、シャーリーは何も悪くない。』
シャーリー『ルルのことも撃った…』
ルルーシュ『…俺は生きてる。俺が許す。』
シャーリー『お父さんが死んだのに…』
シャーリー「……。」
ルルーシュ『…俺が全部忘れさせてやる。』
シャーリー『まさか…』
ルルーシュ『シャーリー、お父さんの事はすまなかった。もし、生まれ変わることができたら君に…』
シャーリー『ルル……駄目えええええええええ!!!!!!!!!!』
シャーリー「……。」
主審「…。」
第4審判「……。」 [0:40]
シャーリー(どうしよう…涙が…)ボロッ…
審判団「「…!?」」アタフタ
シャーリー「ごめんね、審判さん…急に色々と思い出しちゃって…」ボロボロ…
副審2「…!」ササッ
シャーリー「ハンカチ…貸してくれるの…?」
副審2「……!」コクッ
シャーリー「…ありがとう」
副審2「……。」イエイエ
実況「副審、上手く機転を利かせていますね。」
解説「紳士的な対応で素晴らしいです。」
シャーリー(そうだよね…そのことも全部含めて私はルルを許したんだっけ…)
シャーリー(やっぱり…思いをちゃんと―――)
???「あの…すみません…」
シャーリー「…えっ?」
妊婦「タクシー…呼んでもらえますか…」
シャーリー「えっ…妊婦さん…!?」
妊婦「さっきイケブクロ駅で騒ぎがあったから…急いで逃げてきたんだけど…駄目…産まれちゃう…!」
シャーリー「!?」
シャーリー(ま、待って…何でこんな時に…!?)
第4審判「……。」 [0:38]
シャーリー(どうしよう、助けたいけど、このままだと時間が無くなっちゃう…)
ルルーシュ「…ああ、ジェレミアはもう敵ではないからな…誤射しないように頼む。」
―――ピッ
ルルーシュ「…シャーリーか!?」
シャーリー「ルル…!?」
ルルーシュ「シャーリー…さっきイケブクロ駅のホームで見かけたけどどうしたんだ?本来ならとっくに避難してたはずだが…」
シャーリー(気付いてたんだ…)
シャーリー「ごめん…そ、それより、駅で逃げ遅れた妊婦さんがタクシー呼んで、って…」
ルルーシュ「妊婦…!?」
妊婦「あの…早く…タクシーを…!」
ルルーシュ「わかった、俺がすぐに連絡を入れる…エリア11なら確か日本人もタクシー受け入れは問題ないはずだ…」
シャーリー「私たちはどうしたら良いかな…?」
ルルーシュ「…確か、『ラマーズ法』じゃなかったか?『ヒッヒッフー』ってするやつだったと思うが…」
シャーリー「わかったわ…妊婦さん、いまタクシー呼んでますから、頑張りましょう…!」
妊婦「はい…!」
―――――――――
――――――
―――
―――ブロロロロ…
シャーリー「良かった…まさかあれからすぐに旦那さんが駆けつけてくれるなんて…」
ルルーシュ「そうだな…」
シャーリー「…!」チラッ
第4審判「……。」 [0:15]
シャーリー(残り15分…)
ルルーシュ「すまない、シャーリー。俺はこれから急ぐ必要がある…」
シャーリー「待って、ルル…」
ルルーシュ「……。」
シャーリー「さっき、イケブクロ駅のホームでずっと隠れて聞いていたけど…ルルって…本当はゼロなんだよね…?」
ルルーシュ「…っ!?」
シャーリー「それに…本当は…お父さんがブリタニア皇帝なんだよね…?」
ルルーシュ(…まさか、シャーリーもジェレミアのギアスキャンセラーに―――)
ルルーシュ「シャーリー、まさか―――」
シャーリー「待って…ルルはあの時私のお父さんを死なせたかもしれないけど…でも、私の中ではもうとっくに許した事なの…!」
ルルーシュ(えっ……!?)
シャーリー「その上で聞いてほしいの、お願い…!」
ルルーシュ「……。」
―――――――――
――――――
―――
シャーリー「…今日、私が誰も信じられなくなって、一度転落しそうになった時に、ルルは『誰も失いたくない』って言ってたよね…」
ルルーシュ「……ああ。」
シャーリー「それを聞いて、私も思ったの…ルルを一人っきりにさせたくないって…!」
ルルーシュ「……。」
シャーリー「私は何もできないかもしれないけど…少しでもルルの為に力になれることがあったらと思って…スザク君振り切って無理してここまで来て…」
ルルーシュ「そうか……」
主審「…。」
第4審判「……。」 [0:12]
ルルーシュ「…シャーリー、もう正直なことを話す。」
シャーリー「…うん。」
ルルーシュ「少し前、シャーリーが俺を撃とうとしたあの時……あの後、俺はゼロだと分からないように…君にギアスを掛けていたんだ。」
シャーリー「ルル…。」
ルルーシュ「…本当にあれはすまなかった。」
シャーリー「もう良いの、あの時のことは…」
ルルーシュ「えっ……?」
シャーリー「それに…そこまでしてルルがナナちゃんのことを思って動いているのなら…私はルルのこと、ずっと信じてるから…!」
ルルーシュ「シャーリー……」
主審「」ピピッ!
シャーリー「?」
主審「」ユビサシ
第4審判「……。」 [0:10]
シャーリー「戻らなきゃ…いけないの…?」
主審「」コクッ
ルルーシュ「…シャーリー、そこに誰かいるのか…?」
シャーリー「いいえ、何でもないわ…多分ここにいたら危ないかもしれないし、そろそろ私も行くね…」
ルルーシュ「そうか…気を付けて戻ってくれ。」
シャーリー「うん……」
第4審判「……。」 [0:10]
シャーリー「ねえ、ルル…」
ルルーシュ「…?」
シャーリー「あの時も言ったけど…ルルのこと、いつか…本当に好きにさせてみせるからね…!」
ルルーシュ「……。」
シャーリー「……。」
ルルーシュ「ああ…!」
―――タッタッタッ…
………
シャーリー(………さよなら、ルル…)
主審「」ピピッ
第4審判「……。」 [0:09]
シャーリー「そうね…そろそろ行きましょう…」
―――――――――
――――――
―――
実況「1時間19分のロスタイムを戦い抜いたシャーリー選手が、元の場所へと戻って参りました。」
解説「…彼女らしい、素晴らしいプレーでした。」
ロロ「――――――」
シャーリー「……。」
第4審判「……。」 [0:01]
シャーリー「最初に撃たれた時と…同じ場所に立てばいいのね…」
主審「……。」コクッ
シャーリー「でも…あれで良かったんだよね…?」
主審「……?」
シャーリー「私は黒の騎士団でも何でもないし…結局ああいう形でルルを支えてあげる事が精一杯だったから…」
主審「」ポン
シャーリー「え…?」
主審「…。」フルフル
シャーリー「励まして…くれてるの…?」
主審「…。」コクッ
シャーリー「…ふふ、ありがと。」ニコッ
主審「……。」ニコッ
シャーリー「少しだけでも…ルルの力になることは出来たかな…!」
副審1「……。」
副審2「……。」
第4審判「……。」 [0:01]
シャーリー(どこからか秒針の音が聞こえてきた…)
シャーリー(ロスタイムを上手く使えたかはわからないけど…)
シャーリー(また生まれ変わっても、ずっと貴方と一緒に居られるよね……!)
実況「…無情にも、時は過ぎていきます。」
[0:00]
ピッ,ピッ,ピィ---ッ…
実況「シャーリー・フェネット選手のロスタイムが今、終わりました…!」
<おまけ:ゼロレクイエム編>
主審「」ピーッ!
ルルーシュ「!?」
副審1「…。」ビシッ
副審2「…。」ビシッ
第4審判「…。」 [3:34]
実況「さあ表示されました!ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアのロスタイムは3時間34分です!」
解説「いやー、ゼロレクイエムの真っ只中にロスタイムですかー」
実況「さあルルーシュ選手、残された時間で一体人生の何を清算するのか!?」
ルルーシュ「ロス…タイム…!?」
つづかない
とりあえずこれで終了です。
他ジャンルでも誰をロスタイム対象にするか考えていましたが、今回のパターンだと個人的には書くの相当難しかった…
それではもっとロスタイムライフのSSが増えることを願いつつ、完結報告しておきます。
このSSまとめへのコメント
ルルーシュのロスタイム3時間34分
な阪関無