【ガルパン】みほ「……」麻子「……」 (30)

みほ「私たちあんこうチームは仲良しです」

みほ「というより大洗の戦車道履修者は基本仲良しです」

みほ「イジメやハブといったことは一切ないのですが」

みほ「どんなコミュニティにもグループというものは必ず存在します」

みほ「仲の良いクラスや部活でもあまり喋ったことのない人、詳しく知らない人はいるものです」

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―――戦車道練習後

優花里「五十鈴殿、ちょっといいですか。来季の予算についてなんですが」

沙織「あ、私も話あるんだ」

華「わかりました。お茶でもしながらお話を聞きましょう」

沙織「てなわけでごめん麻子、今日一緒に帰れないや」

優花里「西住殿すみません。会合に参加しないといけないので」

麻子「おぉ、わかった」

みほ「うん。頑張ってね」

麻子みほ「……」

みほ「帰ろっか」

麻子「そうだな」

……

みほ(私たち5人にも暗黙のグループというものが存在します)

みほ(もちろん5人で遊びに行ったりご飯を食べたりすることはあります)

みほ(でも基本的には私と優花里さん、麻子さんと沙織さん、そして華さんはどちらかのグループと合流して下校しています)

みほ(しかし3人が生徒会に所属してからはそれが崩れつつあります)

みほ(3人で生徒会の打ち合わせをすることが多くなり、私と麻子さんが2人になることが少なくないんです)

麻子「……」

みほ「……」

みほ「……お」

みほ(おばあさん、の話していいのかな)

みほ(もし今おばあさんの具合悪くて麻子さんその話題したくなかったらどうしよう……)

みほ「腹すいたなー。何か食べていかない?」

麻子「あぁ。いいぞ」

……

「いらっしゃいませ!」

麻子「……なんだここは」

みほ「ここね華さんとよく来るお店なんだ。家系ラーメンって言うんだけど」

麻子「女子高生が学校帰りにラーメンか……沙織となら絶対に来ないお店だ」

みほ「麺は硬めで味は濃いめで。あと大ライスお願いします」

「かしこまりました。お客様は?」

麻子「両方普通。ご飯は小で」

「かしこまりました」

……

みほ「はい、お水」

麻子「ありがとう」

みほ「……」

麻子「……」

麻子(また沈黙だ)

麻子(沙織はずーっと喋ってるから適当に相槌を打っていればよかったが)

麻子(根暗二人だと会話に困る)

麻子「ぼ」

麻子(今更西住さんにボコの話を振ってもいいのだろうか)

麻子(私ってボコの話題さえ出しときゃ喜ぶって思われてるのかな?って思われたらどうしよう)

麻子「乳飲みたいな」

みほ「え、母乳!?お母さんのおっぱいてこと!?」

麻子「あぁ、私の母は母乳が出ない体質らしくてな。市販のミルクで育ったんだ」

みほ「へぇー、そうなんだ……」

麻子「西住さんは飲んだことあるか?」

みほ「多分あると思う……」

麻子「どんな味がした?」

みほ「いや覚えてないかな、もう15年以上前だよ」

麻子「そうか」シュン

みほ「あっ!そうだ!沙織さんが母乳が出て出て仕方ないって言ってたよ!今度飲ませてもらったら?」

麻子「本当か!」

みほ「うん!……多分」

みほ(ごめん沙織さん、気合で母乳出して)

……


麻子「ラーメンなかなか来ないな」

みほ「ちょうど夕食時に来ちゃったからね」

麻子「……」

みほ「……」

みほ「そ」

みほ(あっ、そど子先輩の話しちゃダメだ!)

みほ(麻子さん、そど子先輩が風紀委員を引退してから張り合いがなくなったって落ち込んでたんだよね)

みほ(沙織さんがそど子ロスそど子ロスって執拗にイジッて最後は無視されてたの覚えてる)

みほ「ニックブーム!」

麻子「……?」

みほ「ソニックブーム!」

麻子「……」

みほ「そ、そにっくぶーむ……」

麻子「はどーけん……」

みほ「そ、ソニックブーム!!」

麻子「竜巻せんぷーきゃく」

みほ「ソニックブーム!!!」

「おまたせしましたー」

みほ「あっ、来た来た」

麻子(なんなんだ今のやりとりは……まるで意味がわからん。熊本の女子高生の流行りなのか?)

みほ(よかった。麻子さんも察してくれたみたい)

……

みほ「ズルズルズルズル」

みほ「はふはふはふっ」

麻子「……ズルズル」

みほ「おいしーい!あ、漬物入れるの忘れてた」

麻子「西住さん、私多分食べきれないからこのご飯やる」

みほ「何言ってるの麻子さん!ここはご飯おかわり無料だよ!」

みほ「すみません、ご飯おかわりお願いします」

「はい。サイズはどうしますか?」

みほ「大でももう一回おかわりするんで大の大盛りで」

「かしこまりました!」

みほ「あっ、硬めの替え玉もお願いします」

「はい」

麻子「いっぱい食べるんだな」

みほ「うん。最近華さんの量に追いつけるようになってきたの」

麻子「そうか」

麻子(そういえば西住さん、ちょっと太ってきてるな)

麻子(五十鈴さんはそこまで太ってる印象はないから痩せの大食いなんだろう)

麻子(でも西住さんは明らかに代謝が追いついてない量を食べてる)

麻子(これは…指摘してあげた方がいいのか?)

麻子(沙織相手だったら気軽に言えるんだが……)

麻子(沙織が実践してるダイエット法だけでも教えてあげようかな)

麻子「ダ」

みほ「ん?」

麻子(いやダメだ!そんなこと話して仲がこじれることも考えられる)

麻子「ダージリンさんが西住さんのこと好きらしいぞ」

みほ「そ、そうなんだ。嬉しいな」

麻子「いや、友達や戦友としてではなく女性として好きだと言っていた」

みほ「えぇ!?」

麻子「私が言ったって言わないでくれよ」

みほ「いや、誰にも言わないけどさ……」

……

みほ「ふぅ、食べた~」

麻子(替え玉3玉、ご飯おかわり3回)

麻子(これ過食症じゃないのか?)

みほ「じゃあ夕飯の買い物して帰ろっかな」

麻子「は?これから夕飯食べるのか?」

みほ「うん」

麻子「いや、それは……」

みほ「え?なにかおかしいかな」

麻子(おかしいだろ、明らかに!)

麻子(これ言ってあげた方がいいのか?いや言わないとダメだ)

麻子「に、西住さん。ちょっと話が」

みほ「うん」

麻子「今の西住さんは明らかに食べ過ぎだ。これ以上食べたら生活習慣病になりかねない」

みほ「え……?そ、そんな大袈裟だよ」

麻子「大袈裟ではない。成長期ということを差し引いても一回分の食事量じゃない」

麻子「この一食で成人女性一日分のカロリーを優に超えてる」

みほ「……わかった。あ、あとさ私も麻子さんに言いたいことがあったんだ」

麻子「なんだ?」

みほ「スカートが上に引っかかってパンツ丸見えだよ」

麻子「はぁぁ!?」バッ

麻子「な、なんで言ってくれなかったんだ!」

みほ「いや、なんか指摘しづらくて」

麻子「こういうことはすぐ指摘するもんだ!バカなのか!?」

みほ「……」カチン

みほ「いやぁー、麻子さんって陰キャじゃん?そういうことして目立とうとしてんのかと思った」

麻子「……」カチン

麻子「へぇー、黒森峰で友達一人もいなかったくせに大洗じゃ陽キャ気取りか?」

みほ「いたし!友達いたし!」

麻子「どうせ気遣われてたんだろ?西住流のご令嬢だもんな」

みほ「違うし!普通に話せる子いっぱいいたし!」

麻子「どーだか、話せる子って表現がぼっちそのものだな」

みほ「そっか。陰キャの麻子さんは沙織さん以外話せる人いないもんね。ごめんごめん」

麻子「うるさい!」ツネッ

みほ「な、何するの!」ツネッ

麻子「……離せ」

みほ「私はまだ6割の力しか出してないけど。ってか麻子さん力弱いね、全然痛くない」

麻子「私はまだ5割だ」

みほ「じゃあ私は4割」ヒリヒリ

麻子「残念、今3割に落とした」ヒリヒリ

………



優花里「西住殿、申し訳ございません。今日も生徒会の集まりが……」

沙織「ごめーん麻子。今日も一緒に帰れないかも」

みほ「そっかぁ。わかった」

麻子「了解」

麻子「おい、帰るぞ[ピザ]。今日は私のおすすめのスイーツ食いに行くぞ」

みほ「うわっ、麻子さんいたの!?影薄過ぎて気付かなかった。いいねスイーツ」

沙織優花里華「……」

優花里「なんか」

沙織「あの二人」

華「めちゃくちゃ仲良くなってますね」

……



麻子「沙織ぃ」

沙織「はいはい。もーう、何甘えてんのよ」

麻子「沙織沙織沙織ぃ……」チュパチュパ

沙織「ちょ、ちょっと!な、なに、んっ///」

麻子「あれ、母乳出ないのか……?」

沙織「出るわけないでしょ!」


おわり

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