Ⅴ「ついに私も働く時が来たようだ」
カイト「…そうか」
Ⅴ「トレードマークの長髪もバッサリ斬り落とし…」
Ⅳ「良く言うぜ。何社も何社も落ちてたくせに」
Ⅴ「カイトもそろそろ将来を決めるべきだぞ」
カイト「…」
Ⅳ「学者なんて食ってけねえぞ?プロの世界に来いよ」
Ⅴ「いいや堅実に働いた方がカイトらしい」
カイト「俺の道は俺が決める」
Ⅴ「そんな事を言っていると私のように働きたくても働けない病にかかってしまう。今この場で決断すべきだ」
カイト「…」
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翌日
カイト「結局答えが見つからぬままか」
アストラル「カイト!こんな所に居たのか!」
カイト「アストラル…何故お前が」
アストラル「この世界を新たな危機を伝えに来た」
カイト「新たな危機?」
アストラル「そうだ。だが遊馬が見つからなくてな」
カイト「あいつは修学旅行らしいぞ」
アストラル「学生らしい生き方をしているのか遊馬も」
カイト「凌牙らバリアン連中は施設入りだ。街で派手に暴れてな」
アストラル「こんな時に遊馬もシャークも不在とは…」
カイト「俺1人で十分だ。言ってみろ」
アストラル「アカデミアと呼ばれる組織」
カイト「知らんな」
アストラル「そこの首領が様々な世界のデュエリストの毛を狩る毛狩りを行っているそうだ」
カイト「毛狩りだと?そのアカデミアは」
アストラル「私の掴んだ情報では既に到着しているようだ」
カイト「毛狩りに何の意味があるんだ」
アストラル「それは私にもわからない」
バレット「聞け!我らがプロフェッサーはスキンヘッドであらせられる。故にデュエリストはハゲで無くてはならぬのだ!」
カイト「暴論だな」
バレット「むっ!貴様は天城カイトだな」
カイト「お前もそこに居る兵隊連中も頭髪があるようだが」
バレット「これはヅラだ」
カイト「お前達の都合何ぞでハゲを増やすわけには行かん」
バレット「フッ…この数で我々に勝てるとでも」
カイト「雑魚は群れようと所詮は雑魚だ。そいつ以外はな」
「…」
アストラル「見た事も無いD・パッドだな。それにD・ゲイザーも見当たらない」
バレット「私達をバカにしているのか?ならば人海戦術も怖さを思い知るがいい!」
ゾロゾロ…
バレット「行け!そして身の程知らずの天城カイトをハゲにしてしまえ!」
アストラル「これを受け取れカイト」
カイト「…」
「兵隊程度では奴には勝てぬ」
バレット「いいや勝つ!私なら間違いなくこれだけの数を相手にすれば敗北する」
「…」
バレット「大体雇われ者が私に意見などするんじゃない。私はプロフェッサーの右腕だぞ」
「…」
「甘く見すぎたようだな」
バレット「くっ…」
カイト「お前達が装着しているこいつは使えるな」
バレット「先生!お願いします!」
「…」
カイト「お前のような男が毛を狩る理由は何だ」
「守るべき者の為」
カイト「ならばお前の守るべき者ごと破壊してやる」
バレット「待て!それでもお前は人間か?たかが毛狩りでこいつは…」
「言うな」
カイト「俺には無関係だ」
「彼の言う通りだ。お互い引けぬ戦いがある」
バレット「やめろ。プロフェッサーの怒りを買うぞ」
カイト「名は」
亮「丸藤亮…人は俺をカイザーと呼ぶ」
アストラル「あっちの巨体とは比べ物にならない…恐らくミザエル並の実力者」
カイト「デュエルでケリを付ける」
亮「望むところ」
バレット「愚か者め…何処までも忌々しい男だ」
「た、隊長…このままでは我々は」
バレット「ま、待て…何か手がある筈だ」
「こ、こうなればカイザーと天城カイトが装着しているデュエルディスクを狂わせ次元の果てにでも飛ばしてやりましょう」
バレット「それだ…奴を失うのは我らにとっても痛手だが…死んでもらうしかあるまい」
亮「先攻は俺からだ!」
カイト「…」
アストラル「敵の動きが怪しいぞ」
カイト「好きにやらせておけ」
アストラル「しかしカイト」
亮「魔法『サイバー・レヴシステム』を発動!自分の手札または墓地からサイバー・ドラゴンを1体選び特殊召喚する。俺は手札からサイバー・ドラゴンを特殊召喚!」
亮「カードを1枚伏せてターンエンド!」
カイト「俺のターン!」
バレット「準備完了か!?」
「い、いえ狂わせるにしてもどうやるか…」
「我ら部隊は科学にはからっきしですし」
バレット「くっ…ならば」
「奥の手ですね隊長」
バレット「袋叩きしかあるまい!立ち上がれアカデミアの戦士よ!全軍突然!!」
「オオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド
アストラル「どうするカイト」
カイト「…」
亮「俺の邪魔をする気かバレット」
バレット「愚問だな。任務達成こそが使命!」
亮「貴様…それでも戦士か」
バレット「戦士である前に1人の社会人だ!大体サイバー流とかいう意味不明な流派を掲げているが常識のある大人が見れば単なる危険人物だぞ!」
アストラル「今のうちに撤退しよう」
カイト「丸藤亮…次こそはケリをつける」
零王「…」
ドクトル「ククク…所詮は脳みそまで筋肉で出来ているバレットだ。いつかは失敗する事が見えていた」
バレット「な、何だと!?」
ドクトル「ですよねプロフェッサー」
零王「下らぬ争いはやめろ」
バレット「も、申し訳ありません」
ドクトル「…」
零王「バレットの力そしてドクトルの知恵…お前達が力を揃えれば遊城十代とて敵では無い。いいやあらゆる世界のデュエリストすらも屈服する」
バレット「私はこういう奴は嫌いです」
ドクトル「私も力押しを好む野蛮人は無理ですね」
零王「少しは協調性というものは無いのか?」
ドクトル「ありません」
バレット「お言葉ですがドクトルと手を組むぐらいなら腹を切った方がマシかと」
零王「そんな事を言っていると全世界毛狩り計画は達成できんぞ!それでもいいのか!?」
バレット「それは…」
ドクトル「…」
零王「そうだろ?ならば戦闘軍団と科学軍団で力を合わせよ!」
バレット「それとこれとは話が別ですよプロフェッサー!」
ドクトル「こんな軍人共とは手を組めません」
亮「天城カイトとの決着は俺がつける。お前達の手は借りぬ」
零王「どいつもこいつも…もういい。シンクロ世界のロジェに期待しよう」
バレット「ロジェ?あのポンコツが向かったのか」
ドクトル「あいつは昔から何を考えているのかサッパリだ。しかしロジェの手柄は我ら科学軍団の手柄だよ。ヒヒヒ」
バレット「愚かな男だ。ロジェはお前なんかより強かな奴だぞ?平気な顔をして仲間を裏切るタイプの人間だ」
アストラル「あれから数日か」
カイト「…」
アストラル「君は何を考えている?」
カイト「何もだ」
アストラル「…」
カイト「だが一つ言える事がある。俺には結局デュエル以外に無いと言うことだ」
アストラル「カイト…」
カイト「1度はデュエルを捨てようとした男が結局はデュエルにしがみ付いている」
アストラル「いいやそれが人間だ」
カイト「奴らの次なる座標はシンクロの世界と記載されている」
アストラル「こんな機密情報をデュエルディスクとやらに残しているなんて」
カイト「俺の親父やドン・サウザンドに比べれば楽な相手だろ」
アストラル「だが次の相手は組織だ。数だけなら群を抜いている」
カイト「所詮は数だけだ」
アストラル「行くのか」
カイト「お前はどうする。遊馬の帰りでも待つか」
アストラル「いいや着いて行こう。遊馬ならそうする」
カイト「[ピーーー]ば帰れぬぞ」
アストラル「伊達に何度も死んでないさ」
カイト「…好きにしろ」
アストラル「そうさせてもらう」
カイト「シンクロ…どういう世界かは知らんが毛狩りなどと言う下らん野望を止めてやる」
カイト「準備はできた」
アストラル「ハルトやフェイカーには何も告げずに行くのか」
カイト「ああ」
アストラル「…」
ドルべ「カイトとアストラル?珍しい組み合わせだ…いやいや何故にアストラルが居るんだ?ナッシュが少年院に入れられている間に何か良からぬ事でも」
カイト「その前にお前と決着を付けねばならぬな」
ドルべ「私か…?」
亮「…」
カイト「随分と早い再会だな」
亮「待つのも待たせるのも嫌いでな」
カイト「今日は奴らは居ないのか」
亮「我々の戦いに奴らなど必要なかろう」
カイト「…」
ドルべ「新しい敵なのか?全身黒ずくめでまともな人間じゃない…そもそもまともって何なのか?」
カイト「先攻は俺がもらう。魔法『フォトン・サンクチュアリ』を発動。自分フィールドにフォトントークンを2体守備表示で特殊召喚する。そして攻撃力2000のフォトントークン2体をリリースし手札から銀河眼の光子竜を特殊召喚!」
カイト「カードを1枚伏せてターンエンド」
亮「俺のターン!」
ドルべ「カイトが腕にくっ付けているあれは何だ?妙だ…何故だかわからないが妙な疎外感を感じる。まるで時代の流れに乗り遅れているような…」
アストラル「さっきから君は何を言っているんだ」
ドルべ「ひ、久しぶりだなアストラル」
アストラル「カイトから聞いたぞ。シャーク達が派手な事をしたと」
ドルべ「お陰でナッシュもベクターもアリトもギラグもミザエルも前科持ちになってしまったよ。とほほ」
アストラル「…そうか」
カイト「少し黙っていろ」
亮「サイバー・ドラゴン・ツヴァイを攻撃表示で召喚!サイバー・ドラゴン・ツヴァイは手札の魔法カードを見せる事でこのカードのカード名はサイバー・ドラゴンとして扱う」
亮「そして魔法『エヴォリューション・バースト』を発動!相手フィールドのカードを1枚選び破壊する!」
カイト「…」
亮「但しこのカードを発動するターン、サイバー・ドラゴンは攻撃ができない」
ドルべ「毛狩り!?」
アストラル「ああ」
ドルべ「私も色々な悪党を見て来たが今までで1番狂っているぞ」
亮「魔法『融合』を発動!手札のサイバー・ドラゴンとサイバー・ドラゴン・ツヴァイを融合!融合召喚!サイバー・ツイン・ドラゴン!!」
亮「サイバー・ツイン・ドラゴンは1度のバトルフェイズ中に2度の攻撃が可能!」
カイト「…」
亮「さらばだ天城カイト…天に滅せよ」
アストラル「そう簡単には行かないのがデュエルだ!」
カイト「手札からクリフォトンを墓地へ送りライフを2000払う事でこのターン俺への如何なるダメージは通用せぬ」4000→2000
亮「…」
カイト「お前と違って俺は背負うモノなど何も無い。だからと言って手加減などせん」
ドルべ「何か訳ありなのか」
アストラル「そうらしい」
ドルべ「やったぞカイト!あの怪しい男の手札は0になった」
亮「カードを2枚伏せターンエンド」
カイト「俺のターン!銀河眼の雲篭を攻撃表示で召喚。銀河眼の雲篭の効果を発動!このモンスターをリリースし自分の手札または墓地から銀河眼の雲篭以外のギャラクシーアイズモンスターを特殊召喚する。俺は墓地の銀河眼の光子竜を特殊召喚」
カイト「バトルだ。銀河眼の光子竜でサイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃!」
亮「そうはさせん!速攻魔法『融合解除』を発動!」
カイト「ならば対象はサイバー・ドラゴン・ツヴァイに変更するまで」
亮「罠発動!『アタック・リフレクター・ユニット』自分フィールドのサイバー・ドラゴンをリリースし手札またはデッキからサイバー・バリア・ドラゴンを特殊召喚する!サイバー・ドラゴンをリリースしデッキからサイバー・バリア・ドラゴンを特殊召喚!」
カイト「攻撃を防がれたか」
亮「サイバー・バリア・ドラゴンが攻撃表示の場合、1ターンに1度攻撃を無効にできる」
カイト「ターンエンド」
亮「俺のターン!魔法『アイアンドロー』を発動!自分フィールドのモンスターが機械族効果モンスターが2体のみの場合発動できる。自分はデッキから2枚ドローできる」
カイト「…」
亮「悪く思うな。恨みなど微塵も無い…だが君を倒し毛狩りを遂行せねば俺の妻の命が危ないのだ」
ドルべ「既婚者らしいぞ」
アストラル「さっきから妙に私に絡んでくるな」
ドルべ「話し相手が全員檻の中じゃな…遊馬達も修学旅行で」
亮「手札の魔法カードを見せる事でサイバー・ドラゴン・ツヴァイをサイバー・ドラゴンとして扱う!そして魔法『オーバーロード・フュージョン』を発動!自分フィールド・墓地から機械族・闇属性モンスターによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスターをエクストラデッキから特殊召喚する!俺はフィールドのサイバー・ドラゴン・ツヴァイ、サイバー・バリア・ドラゴンそして墓地のサイバー・ドラゴンとサイバー・ツイン・ドラゴンを除外!」
亮「現れろ…キメラテック・オーバー・ドラゴン!!」
アストラル「恐ろしい男だ…」
亮「キメラテック・オーバー・ドラゴンの攻撃力と守備力は素材となったモンスター×800ポイントになる!だがそれだけでは終わらない!魔法『リミッター解除』を発動!自分フィールドの機械族モンスター全ての攻撃力はターン終了時まで倍になる!!」
ドルべ「アストラル…彼に着いて行く奥さんってどういう人間なんだろうな」
アストラル「デュエルに集中するんだ。そんな悩みは後で聞く」
亮「そしてキメラテック・オーバー・ドラゴンは素材となったモンスターの数だけ相手モンスターに攻撃が可能となる。その数4連打!」
カイト「…」
亮「そんな事をせずとも一撃で君は敗者となる。そして君の毛を狩り俺は帰る」
カイト「やって見ろ」
亮「終わりだ!エヴォリューション・レザルト・バースト!!」
カイト「罠発動!『反射光子流』自分フィールドのドラゴン族・光属性モンスターが攻撃対象にされた時に発動!その攻撃対象モンスターの攻撃力はダメージステップ終了時まで攻撃モンスターの攻撃力分アップ!」
アストラル「攻撃力6400となったキメラテック・オーバー・ドラゴンの攻撃力を上乗せする事で銀河眼の光子竜の攻撃力は9400!」
ドルべ「さ、さすがはミザエルの終生のライバル…」
カイト「弾き返せ!銀河眼の光子竜!!」
亮「…ターンエンド」4000→1000
カイト「俺のターン」
亮「見事だ。さすがはアカデミアが恐れたエクシーズ世界三勇士の1人」
カイト「何の話かは知らんが俺の勝ちだ。銀河眼の光子竜でダイレクトアタック…何か言い残す事はあるか」
アストラル「このデュエルでは死なないぞカイト」
亮「願うなら」
カイト「破滅のフォトン・ストリーム!!!」
亮「ぐわあああああああああああああああああ」1000→0
ドルべ「な、何て無慈悲な…」
カイト「死なぬのなら遺言を聞く必要も無い」
亮「強い男だ。完敗だよ天城カイト」
カイト「毛狩りの目的は何だ」
亮「さあな俺にもわからない…だが」
カイト「だが?」
亮「他の世界へも侵略の手を伸ばしたという事はただらぬ事情があるに違いない」
カイト「…」
亮「これから君は何処へ行く」
カイト「次の奴らの攻撃目標はネオドミノシティとかいう所だろ。そこへ行き迎え討つ」
亮「そんな事をしなくても殴り込めばいいんじゃないか?君の実力なら」
カイト「敵は多勢だ。闇雲に挑んでも何は体力を消耗しライフが尽きる」
アストラル「その世界にもカイト達のように恐れられているデュエリストは居るのか」
亮「確かシグナーとかいう6人のデュエリスト…それに鬼柳京介という恐ろしい男が居るそうだ」
アストラル「ならば彼らと同盟を組むべきだなカイト」
カイト「…」
カイト「お前はこれからどうする」
亮「敗者に帰る場所などはない」
アストラル「そうか…君の奥さんも心配だろうな」
ドルべ「アストラルが見えているのか」
亮「ああ」
ドルべ「身内以外で見る事ができるデュエリストが居るとは」
カイト「そろそろ行くか」
亮「…」
カイト「どうせやるなら徹底的にやってやればいい」
亮「それは君が俺より若いから言える事だ…俺は」
カイト「あんたの女房はデュエリストか」
亮「ああ」
カイト「なら少しの事では死なんだろうな」
ドルべ「言ってる事が無茶苦茶だぞカイト!大体毛狩りをする連中なんだぞ?普通の神経じゃない」
カイト「やるなら俺に手を貸せ。断るなら故郷にでも帰れ」
亮「君は…強いんだな」
カイト「…準備はいいなアストラル」
アストラル「君とのコンビは気苦労が多そうだが…君は信頼のできる男だ」
亮「俺も…嘗ての誇りを取り戻してみるか」
カイト「目的はネオドミノシティ」
亮「ああ」
ドルべ「私も手を貸すぞ。カイト、アストラル」
カイト「家にでも帰ってろ」
ドルべ「!?」
「プロフェッサー!」
零王「何だ」
「丸藤先生が裏切りました」
バレット「くっ!いつかは裏切ると思っていたが…私が直々に抹殺してくれる!」
ドクトル「私の虫で洗脳してやる方が効率がいいよ」
零王「静まれ」
ドクトル「いよいよ私の虫の出番ですね」
バレット「出撃命令を!この私が奴の頭をハゲにしその首を持ち帰りましょう!」
零王「奴め…中々の策士よ」
バレット「と言いますと」
零王「わからぬか」
ドクトル「成る程そういう事ですか」
バレット「…は?」
零王「奴は仲間になったフリをし毛を狩るつもりだ」
ドクトル「人質が居る男が簡単に裏切ると思っているのか?これだから筋肉バカは」
バレット「その根拠は」
零王「私ならそうする」
バレット「ぐぬぬ…プロフェッサーが仰るのなら或いは」
零王「最後に笑うのは我らアカデミア!全世界が我にひれ伏す日も近い!」
バレット「勿論ですとも」
零王「バレットよ。オベリスクフォースを率いてネオドミノシティへ侵攻せよ!」
バレット「はっ!やはりロジェ何ぞ信用はできません。こいつのような科学者タイプというのはコソコソ隠れてばかりで」
零王「仲間同士での揉め事は許さんぞ。何度も言うがお前の力とドクトルの知恵が揃えば誰であろうと…行ってしまったか」
「バレット隊長は人の話を聞きませんからね…」
クロウ「どうなってやがるんだ?今日はブルーノの命日だぞ」
龍可「みんな忙しいから仕方ないでしょ」
クロウ「なーにが忙しいだよ。俺だって忙しいんだよ」
龍可「…」
クロウ「龍亞は?あいつはどうしたんだよ」
龍可「さあ」
クロウ「ガキの頃はニコイチだった双子がこの有様だ。いよいよ俺らも終わりって事だな」
龍可「もうこんな時間か…ごめんねクロウ」
クロウ「どいつもこいつも」
ドスッッ
クロウ「あ?」
亮「墓石を倒してしまったな。転送装置というのはこれだから」
カイト「墓の真価は地面の中の死体だ。問題は無い」
亮「常識が無いのか君は」
クロウ「安心しろよ。そいつは鷹栖って看守の墓だぜ」
カイト「お前の知り合いか」
クロウ「知り合いじゃねえけど鼻毛の抜きすぎでくたばったって都市伝説レベルのマヌケ野郎よ」
カイト「…」
クロウ「クソ暑いってのにコートかよ。しかも2人…ジャック以外にも居るんだな。季節感のねえ奴ってのは」
アストラル「…」
クロウ「それに何だ?この見るからに怪しい幽霊は…水色の幽霊なんて聞いた事もねえよ」
亮「俺の名は丸藤亮…気軽にカイザーと呼んでくれ」
クロウ「気軽に呼べるあだ名じゃねえだろ!」
クロウ「はあ…毛狩りね」
亮「信用できないかも知れないが」
クロウ「信じろっていうのが無理だぜ。毛狩りってお前…」
亮「危機は君の隣に迫っている」
クロウ「病院行った方がいいぞお前」
亮「真実だ」
クロウ「俺の仲間に医者が居てよ。紹介してやろうか?」
亮「冷静になって聞いてほしい」
クロウ「冷静にならなきゃダメなのはお前の方じゃねえか!ここがヤバいんじゃねえか!?」
亮「どうなっても知らないぞ」
クロウ「知らねえも何も毛狩りだなんて信用できっかよ!」
亮「確かに信用はできない。だがな…ところで君は」
クロウ「クロウ・ホーガン」
カイト「信用できんだろうな」
クロウ「当たり前じゃねえか!何を信じろってんだ!?」
カイト「だったらハゲにでもなるんだな」
クロウ「あ?」
カイト「こいつに話したとしても無意味だ。理解力が無い」
アストラル「常人なら信じないと思うが」
カイト「デュエリストに常人など居ない」
アストラル「言われてみれば」
クロウ「何なんだあいつら…腹の立つ連中だぜ」
亮「いいのか」
カイト「放っておけばいい」
クロウ「って話があってよ」
アキ「毛狩り?」
クロウ「信用できっか?て言うか何で墓参りに来なかったんだよ。今日はブルーノの命日だぜ?」
アキ「ごめんなさいね。急患が入って」
クロウ「急患?」
アキ「ええ…クラゲに刺された人が運び込まれたのよ。それも12人」
クロウ「バカも居るもんだぜ」
アキ「それが不思議なのよね」
クロウ「何が?」
アキ「12人ともお揃いのマスクと格好をしてたのよ」
クロウ「何だそりゃ」
ピンポーン
アキ「誰かしら」
クロウ「遊星じゃねえか?いや遊星がインターホン鳴らすわけが」
カイト「…」
亮「不動遊星という科学者に会いに来た」
アキ「夫なら仕事で」
クロウ「セールスか?そんなの…」
カイト「お前」
クロウ「こいつらだ!こいつらがさっき話してた得体の知れない連中だ!」
亮「失礼だな。俺は丸藤亮でこっちの礼儀知らずが天城カイトだ」
クロウ「あだ名はカイザーらしいぜ。そっちのノッポ」
アキ「あだ名の範疇を超えてるわね」
アストラル「別れて2時間で再び再会か…何か運命的なものを感じる」
バレット「弱ったな…まさか転送先が海だったなんて」
凌牙「面倒な事に巻き込まれたぜ」
バレット「感謝するぞ」
凌牙「勘違いするんじゃねえよ。たまたま海に落ちて俺が泳ぎが得意だったって事だぜ」
バレット「それでも感謝したい」
凌牙「ドルべが差し入れたデュエルディスクっての脱獄どころか変な街に来ちまったぜ」
バレット「脱獄?」
凌牙「訳ありなんだよ」
バレット「お互い苦労しているようだ」
凌牙「俺は神代凌牙だ。お前は」
バレット「バレット」
凌牙「お前は平気なのかよ?クラゲに刺されて」
バレット「鍛え方が違う。お前は」
凌牙「鮫がクラゲにやられっかよ」
バレット「そうか…いや待てよ。神代凌牙…はっ!敵ではないか!?」
凌牙「何が面白い拾い物だよ。シャバの空気吸えても知らねえ街じゃ話にならねえっての」
バレット「くっ!」
キキッ
「不審者発見」
凌牙「何だてめえ?」
「デュエルチェイサーを知らんのか」
凌牙「知らねえよ…そのナリは白バイ警官か?」
「怪しい奴め!デュエルで拘束させてもらうぞ」
凌牙「やって見ろよ…生憎俺は国家権力ってやつが大っ嫌いなんだよ!」
凌牙「先攻は俺からだ!俺はモンスターを裏守備表示でセットしカードを2枚伏せてターンエンド!」
「私のターン!」
ピピピ…
「デュエルチェイサー017」
017「長官!?」
「あの男は只者ではありません。油断はしないように」
017「はい…アサルト・ガンドッグを攻撃表示で召喚!ターンエンド」
「まさかバレットも居るとは相変わらずの筋肉バカのようですが」
バレット「何やら悪口が聞こえるぞ」
凌牙「俺のターン!ビッグ・ジョーズを攻撃表示で召喚!バトルだ!ビッグ・ジョーズでアサルト・ガンドッグを攻撃!」
017「ううっ…」4000→3800
「そうは行きませんよ」
017「アサルト・ガンドッグが戦闘で破壊された時に発動!デッキから任意の数だけアサルト・ガンドッグを特殊召喚する!私はデッキからアサルト・ガンドッグを特殊召喚!」
凌牙「ビッグ・ジョーズが攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に除外される。そして罠発動!『ゼロ・フォース』自分フィールド上に存在するモンスターが除外された時に発動!フィールド上に存在する全てのモンスターの攻撃力を0にする!」
凌牙「ターンエンド」
017「私のターン!アサルト・ガンドッグをリリースし手錠龍を守備表示でアドバンス召喚!」
バレット「デュエルをしている場合じゃないぞ!間違いなく大勢で私達をしょっぴく気だ!」
凌牙「こっちは堂々とデュエルしてんだよ」
バレット「そ、そうだが…」
凌牙「だったら黙って見てろおっさん!」
バレット「言っておくが何が起こっても知らんぞ…戦場をくぐり抜けた私の第六感が囁いている!あの白バイ警官の背後には胡散臭い奴が居ると!」
凌牙「うるせえぞ!海に叩き落とされてえのか!?」
バレット「そんな事じゃ私は死なないぞ」
凌牙「チッ」
凌牙「ポリ公野郎に軍人のおっさんにヘンテコマスク集団…ついてねえぞ」
「援軍が到着するまで後12分と39秒…」
凌牙「ツーヘッド・シャークを攻撃表示で召喚!そして魔法『アクア・ジェット』を発動!自分フィールドの水族・魚族・海竜族1体を選択し発動!選択したモンスターの攻撃力を1000ポイントアップ!ツーヘッド・シャーク!手錠なんざ噛み切っちまえ!!」
017「手錠龍の効果を発動!このモンスターが相手モンスターの攻撃で破壊された時、このカードを装備カード扱いとしそのモンスターに装備する!そして装備されたモンスターの攻撃力を1800ポイントダウンさせる!」
バレット「ほら見ろ言わないこっちゃない」
凌牙「少しは黙れねえのか!ツーヘッド・シャークは1度のバトルフェイズで2度の攻撃が可能!」
017「相当国家権力に恨みがあると見える」
凌牙「てめえには関係ねえだろ。ターンエンド」3800→3400
017「私のターン!手札のモンタージュ・ドラゴンは手札からモンスターを3体送る場合のみ特殊召喚ができる!そして墓地へ送った3体のモンスターのレベルの合計×300ポイントアップする!レベル4のアサルト・ガンドッグ、レベル3のガード・ドッグ、レベル3のゴロゴルの合計!攻撃力は3000だ!」
017「不審者め!これが終わりだ!モンタージュ・ドラゴンでツーヘッド・シャークを攻撃!」
凌牙「くっ」4000→1400
017「そして手錠龍が装備されたモンスターが墓地へ送られた時、自分フィールドに手錠龍を特殊召喚する!その伏せモンスターを破壊してくれる!」
凌牙「1800何てケチな真似しねえよ。てめえが破壊したモンスターはシャクトパス!シャクトパスが相手モンスターとの戦闘で破壊され墓地へ送られた時、このカードを装備カードを扱いとしてそのモンスターに装備!装備されたモンスターの攻撃力は0になり表示形式ができねえ!」
017「なっ…」
「勝たなくてもいい。その男を捕らえなさい」
017「あの巨体は」
「海にでも落としてやりなさい。あいつは目障りだ」
017「ターンエンド!」
凌牙「俺のターン…ドロー!」
バレット「ど、どうだ」
凌牙「てめえに心配される必要もねえよ」
バレット「はっきり言って一心同体みたいなもんだぞ」
凌牙「ハンマー・シャークを攻撃表示で召喚!」
凌牙「ハンマー・シャークの効果を発動!自身のレベルを一つ下げ手札から水属性・レベル3以下のモンスターを特殊召喚する!トライポッド・フィッシュを特殊召喚!」
凌牙「ターンエンド」
017「私のターン!手錠龍を守備表示に変更しモンタージュ・ドラゴンでトライポッド・フィッシュに攻撃!」
バレット「終わった…辺境の地で獄中生活を送るなんて…」
凌牙「罠発動!『ポセイドン・ウェーブ』相手モンスターの攻撃宣言時に発動!相手モンスター1体の攻撃を無効にし自分フィールド上に魚族・水族・海竜族モンスターが表側表示で存在する場合、その数×800ポイントのダメージを与える!」
017「な、何だと!?」3400→1800
凌牙「へっ」
017「ターンエンド!」
凌牙「俺のターン!レベル3のハンマー・シャークとトライポッド・フィッシュでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ブラック・レイ・ランサー!!」
017「攻撃力2100だと?それでは到底…」
凌牙「そいつはどうかな。オーバーレイ・ユニットを一つ使う事でフィールド上に存在するモンスター1体を選択し発動!選択したモンスターの効果をエンドフェイズ時まで無効にする!」
017「効果を無効…はっ!」
凌牙「てめえのモンスター効果で攻撃力を上げたモンタージュ・ドラゴンの攻撃力は0!丸裸にしてやったぜ!」
バレット「神代凌牙!ま、周りを見ろ!」
凌牙「白バイだらけじゃねえか…」
「時間は稼げましたね。ありがとうデュエルチェイサー017」
017「ち、長官…」
「しかし敗者は必要無い。潔く敗北し消えなさい」
「そんな!私は」
凌牙「とりあえずお前は終わりだ。おっさん!手を貸せ」
バレット「いいだろう。アカデミア最高幹部の実力を警官共に味合わせてやる」
凌牙「バトルだ!ブラック・レイ・ランサーでモンタージュ・ドラゴンを攻撃!!」
017「うわああああああああああああああああ」1800→0
凌牙「次はてめえらだ。かかって来い!」
アストラル「!」
カイト「どうした」
アストラル「シャーク…シャークがこの世界に来ている」
カイト「あいつは塀の中だ。来る事など」
アストラル「毛狩り集団が残したデュエルディスクは幾つか残っていた」
カイト「大方ドルべ辺りが凌牙にデュエルディスクの差し入れでもした…わけが無いか」
亮「君達の仲間か」
アストラル「頼りになる男なんだ。神代凌牙と言って」
亮「神代凌牙…知っている」
アストラル「だろうな」
クロウ「しつけえ奴らだぜ。今度は遊星の家に来やがるなんて…」
カイト「…」
クロウ「訳のわからねえ事にあいつらを巻き込むんじゃねえよ」
アストラル「聞いてくれ私達は同盟を結びに来た。そうだなカイト」
カイト「違う」
アストラル「…違うのか!?」
カイト「俺はそんな事は一言も言ってない」
アストラル「では何故この世界に」
カイト「俺の五体に流れるドラゴン族使いの血がこの世界に呼び寄せた」
クロウ「このガキ!舐めたこと言いやがって!!」
アストラル「やめないか2人揃って」
亮「彼の言う通りだ。ここは人通りが多いから…そもそもさっきの家で話し合えば」
クロウ「それが嫌だから追い出したんだろうが!」
亮「それはすまない事をしたな」
クロウ「クソ…どいつもこいつも話がまるで噛み合わねえ」
クロウ「今も昔もこういう路地裏ってあるんだな」
カイト「…」
クロウ「こいつだけは言っとくぜ!俺はプロだ」
カイト「プロもアマも関係ない。デュエリストは常に平等だ」
クロウ「無機質な野郎かと思ってたがよ…わかってるじゃねえか」
カイト「…」
クロウ「じゃあ始めるか?俺が勝てばあいつらに関わるんじゃねえ!俺が負けたら」
亮「俺達の仲間になる」
クロウ「勝手に決めやがって…ま、それでいいぜ」
カイト「なら始めるか」
トニー「俺らの縄張りに何か変なのが居るぞ」
デイモン「変なの?ありゃクロウ・ホーガンだぜ」
トニー「クロウ?サテライト魂を忘れちまったカラス野郎か」
デイモン「そういう事だわな」
クロウ「何だてめえら」
トニー「俺らを知らねえとさ」
デイモン「仕方ねえよ。おっさん世代にゃ俺らを知るなんて無理な話だぜ」
亮「彼は俺に比べたらおっさんではないぞ」
デイモン「俺らは新世代デュエリストだよ」
トニー「不動遊星にジャック・アトラス?とっくの昔に終わっちまったボンクラ共よ!」
クロウ「この小太り野郎…誰がボンクラだって!?」
デイモン「あんた達だぜ」
クロウ「おい!お前の相手は後だ!この世間知らずのコンビは俺が倒す!」
カイト「好きにしろ」
シンジ「お前らじゃ勝てねえよ」
デイモン「シンジ!」
トニー「けどよシンジ!」
シンジ「間違いなく負けるぜ?それも入院コースは確定だろうな」
トニー「…」
デイモン「…」
シンジ「ダチが無礼な事しちまったな。申し訳ねえ」
クロウ「お前…」
シンジ「プロが口車に乗っちゃいけねえよ。俺らみたいなガキなんかにさ」
カイト「…」
シンジ「お前ら先に帰ってな」
トニー「けどよ!」
デイモン「俺らが新しい風をこの街に」
シンジ「レジェンドは敬うもんじゃね?」
デイモン「つまらねえ奴に成り下がったな!」
トニー「それがコモンズの頭か!?」
シンジ「ったくよ。じゃクロウさんよ来てくれねえか」
クロウ「何処にだよ」
シンジ「ファミレス」
クロウ「何じゃそりゃ」
シンジ「ファミリーレストランだぜ」
クロウ「それぐらい知ってんだよ!何で俺がお前と茶なんか」
シンジ「不動博士が連れて来てくれってさ」
クロウ「不動博士…遊星?お前遊星の知り合いか!」
遊星「久しぶりだな」
クロウ「何が久しぶりだよ。ブルーノの命日だぞ!?」
遊星「知ってる。悪かったなシンジ」
シンジ「いいって事よ」
カイト「…」
遊星「今この場で頼りになるのはクロウだけだ。今この街はロジェという男に支配されている」
クロウ「ロジェ?知らねえな」
亮「ジャン・ミシェル・ロジェ…組織の幹部クラスだ」
遊星「その人の言う通りだ。謎の組織が俺達の世界にも降り立った」
クロウ「おいおい…お前もか?」
遊星「信じられないかも知れないが事実だ」
クロウ「で?何をしろって」
遊星「ロジェは収容所に隔離されている囚人または素質のあるデュエリストを人体改造し己の兵士にしている」
アストラル「毛狩りではないのか?」
遊星「毛狩り?まさか」
亮「いや組織は毛狩りを重要視している。人体改造なんて真似は」
クロウ「ちょっと待てよ。牛尾は?イェーガーは?」
遊星「連絡がつかない」
クロウ「俺とお前でか」
遊星「いいや俺は身動きが取れない状態だ。下手に動けばアキの身に危険が迫る」
クロウ「そんな重要な話をファミレスでするか普通」
遊星「逆に人目の多いファミレスで重大な話をする奴は居ないだろ」
アストラル「裏をかいたわけか…カイト並の天才だ」
クロウ「話はわかったぜ。俺はどうすりゃいい」
遊星「ロジェの計画を潰し倒す」
クロウ「シンプルな話だぜ」
遊星「本当は龍亞も呼ぶつもりだったが」
クロウ「連絡がつかねえんだろ?何処で何やってんだか」
シンジ「兄ちゃんはあれで強え男よ。言わなくても知ってるわな」
クロウ「さっきから気になってたんだけどよ。こいつ誰なんだ」
遊星「シンジ・ウェーバー…1年前この街にやって来た男だ」
クロウ「へえ…龍亞の事も知ってるのか」
遊星「龍可が教えた生徒だからな」
クロウ「生徒?まだ大学生だろ」
遊星「元々龍可は天才デュエリストと呼ばれていた。だがデュエルをする機会に恵まれず気がつけばデュエルから身を引いてしまった」
クロウ「やっぱりな。デュエリストっぽく無くなったもんな」
遊星「だが俺は才能を風化させるのもマズいと思ってな。あの日…俺とアキの結婚式だったな。全員が集まった最後の日は」
クロウ「ジャックが余興でバーニングソウルしちまって教会丸焼けにしちまったもんな」
遊星「俺は燃え盛る炎の中で龍可に助言をした。教える側に回ればいいと」
クロウ「…本当にそんな状況でか!?」
遊星「いや普通に二次会でだが」
クロウ「微妙な嘘つきやがって」
遊星「その方がドラマチックだと思わないか」
クロウ「何処がだよ!あの騒ぎで俺はマスコミに追っかけ回されたんだぞ!」
遊星「そんなこんなで近所の子供達にデュエルを教え始めた。このシンジは龍可の知識を教え込まれた最初のデュエリストなんだ」
クロウ「真面目な龍可の教え子にしちゃ軽くねえか」
遊星「基本的に最近の若者だからな」
クロウ「大体話はわかったぜ。で?どうやってロジェを倒すんだ」
遊星「今度行われるフレンドシップカップと呼ばれる大会に奴は現れる」
クロウ「簡単な事じゃねえか…ぶっ倒すんだろ」
遊星「いいや奴は優勝者にトロフィーを贈呈する時にしか現れない」
クロウ「良く知ってるじゃねえか」
遊星「何せ週一でやってるぐらいだ。今まで9回行われていて9回とも現れている」
クロウ「それで何するんだ?」
遊星「雑賀が調べた奴の全貌を暴露する」
クロウ「けどプロの俺が出るんじゃ色々目立つんじゃねえか」
遊星「カップラーメンマンの格好で出てくれればバレないさ」
クロウ「あ、あれか?他にねえのかよ!?」
遊星「コスチュームがこれしか残ってなかった」
クロウ「仕方ねえ…背に腹は変えられねえってやつだ」
遊星「それと神代凌牙という男を知っているか」
カイト「ああ」
遊星「ついさっき情報が入ってな。エクシーズと呼ばれる召喚を使うデュエリストが捕獲されたようだ」
カイト「俺がエクシーズ使いだとわかるのか」
遊星「君からは俺達の知らないオーラが流れている。半分は勘だが」
アストラル「仕方が無い。私達はシャーク救出に専念しよう」
クロウ「何だか知らねえがよ。お互い面倒な事に巻き込まれてんだな」
カイト「…」
クロウ「この一件が終わったらケリでもつけようぜ」
カイト「俺が覚えていたらな」
クロウ「生意気な野郎だぜ」
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