クロウ「何か横髪が折れかけてるぞ」
遊星「どうやらヤケガニに酷似した症状を患ってしまったようだ」
ブルーノ「蟹の甲羅が柔らかくなったり剥げかけたりする蟹の病気だよね遊星」
遊星「ああ」
ジャック「正月だというのに十六夜は何をやっているんだ」
クロウ「知らねえよ。学生だからハメを外しちまうんだろ」
ブルーノ「遊星」
遊星「動けそうに無いからジャックが担当してくれ」
ジャック「正月はゆっくりしたい」
遊星「無職に正月は無い。違うか?」
ジャック「無職とて正月気分を味わいたい」
遊星「無職に正月は必要無い。そもそも叩けば埃の出る身体をしているくせに人並みの幸せは必要無い」
ジャック「何だと!?」
ブルーノ「やけに好戦的だね遊星」
クロウ「チャームポイントの髪型が崩れて内心怒ってんだろ。デュエリストは髪型が命だからな」
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遊星「いいから行ってくれ」
ジャック「断る」
遊星「アキが可哀想だと思わないのか」
ジャック「酷だと思うが十六夜の事だから自ら突っ込んだ可能性もあるだろ」
遊星「確かにアキは羞恥心の欠片も無い!だがすぐに全裸になる俺達が言えた義理か!?」
ジャック「・・・」
遊星「さあ行くんだ」
ジャック「たかが病気程度で動かぬ奴に命令される筋合いは無い」
遊星「・・・」ゴソゴソ
ジャック「そうやって道具で俺を制圧する気か」
遊星「・・・」
ジャック「拳で来い」
遊星「いいだろう」
ブルーノ「ど、どうしようクロウ」
クロウ「無視しとけよ。あいつらの喧嘩なんて腐る程見てきたっつうの」
遊星・ジャック「デュエル!!」
龍亞「頑張れアキ姉ちゃん!」
龍可「もう少しよ!」
アキ「・・・」ピョンピョン
ボマー「あれはアキだ」
プラシド「何をやっているんだ」
鬼柳「ヒャーハッハッハ!!!さすが遊星が惚れた女だぜ!」
プラシド「遊星が惚れた女?そんなバカな話があるか」
鬼柳「いいや事実だぜ、なあ?」
ボマー「遊星は心身共に男前だが奇人変人の部類に入るから片想いだと私は推測している」
プラシド「あんな破廉恥な格好をした女の何処がいいんだ」
鬼柳「おーい!門松肛門に突き刺して、何の遊びだ?」
龍可「屋根から落ちて肛門に突き刺さったのよ」
龍亞「スッポリとね!」
鬼柳「だってよ!」
アキ「・・・」ピョンピョン
鬼柳「ヒャーハッハッハ!!!あの顔見ろよ!凄え形相だぜ!!」
ボマー「笑い事ではない。我々も後を追うぞ」
遊星「・・・今日はお前の勝ちだな」
ジャック「これで66勝150敗30引き分けだ」
ブルーノ「ジャック負け越してるんだね」
クロウ「あいつら0歳児と1歳児の時から喧嘩してたらしいからよ」
ブルーノ「ふーん」
龍亞「遊星!」
龍可「何やってるの!」
アキ「・・・」ピョンピョン
クロウ「プッ」
鬼柳「邪魔するぜ!」
遊星「これは酷いな、やはり全裸のようだ」
ジャック「十六夜のあの腹回りは何だ?とても10代とは思えんぞ」
遊星「だからコルセットを巻いているんだろ」
龍可「アキさんがオバさん臭いのは今に始まった事じゃ無いでしょ!」
龍亞「そうだよ!」
ジャック「それで、どうする気だ」
遊星「引っこ抜けばいいんじゃないか」
クロウ「全然抜けねえぞ!」
遊星「・・・」
ジャック「頑固な門松だ」
遊星「ブルーノ」
ブルーノ「どうしたの遊星?」
遊星「クリスマスツリーを持って来てくれ」
ブルーノ「クリスマスツリーを?何で」
遊星「門松とクリスマスツリーは古来より因縁のある相手だ」
ジャック「そういえばマーサも同じ話をしていたな」
遊星「早く!」
ブルーノ「わ、わかった」
クロウ「でもクリスマスツリーが門松を追い出せるのか?」
遊星「ライバルが目の前に居れば門松も肛門の中で大人しくはしていない」
ジャック「ハブとマングースがお互いを見かけたら戦い始める原理だ」
クロウ「本当に博識だな遊星は」
プラシド「俺も遊星が目の前に居れば確かに飯時でも戦いたくなる心理だな」
ブルーノ「持って来たよ!」
遊星「聞け門松!お前の因縁の相手を持ってきたぞ!!」
アキ「・・・」ピョンピョン
門松「・・・クリスマスツリー」
ヒョコヒョコ
ジャック「出て来たぞ!」
遊星「さあ戦え!戦わなければ生き残れないぞ!」
クリスマスツリー「ダラァッ!!」
門松「シャァッ!」
ゴロゴロゴロゴロゴロゴロ
ジャック「転がって行ったぞ」
遊星「一件落着だな」
クロウ「そういえば何で全裸なんだ?」
龍可「新春全裸オナニーよ」
龍亞「常識だよ」
遊星「そうだったな。すっかり忘れていた」
翌日
クロウ「牛尾の奴が事故ったらしいぜ」
ジャック「事故?」
クロウ「ああ」
ブルーノ「どうして」
クロウ「何か転がって来た門松とクリスマスツリーに接触して全身打撲の全治3日の怪我だって」
ジャック「それは酷いな」
クロウ「全身包帯だらけで正月休みがパーだって嘆いていたぜ」
ブルーノ「気の毒に」
遊星「一つ言える事は道端に門松やクリスマスツリーを置かないという事だ」
ジャック「不法投棄は犯罪だからな」
遊星「みんなも注意した方がいい。いつ何時クリスマスツリーや門松が牙を剥くかわからないのだからな」
遊馬『俺のお年玉がキンタマに変わっちまった!』 カイト「何だと?」に続く
カイト「お年玉がキンタマだと?」
遊馬「ほら」
コロコロ
カイト「キンタマだな」
小鳥「アストラルにもお年玉がキンタマになる現象がわからないんだって」
アストラル「君はどう思う」
カイト「わかるわけがないだろ」
アストラル「そうか・・・」
カイト「小鳥は」
小鳥「私のは普通よ」
カイト「という事は遊馬のお年玉だけがキンタマなのか」
遊馬「ああ」
シャーク「何かの嫌がらせじゃねえのか?」
小鳥「あけましておめでとう!」
シャーク「日を跨いだだけで挨拶変える意味ってあんのか?」
アストラル「私に聞かれても困る」
カイト「お年玉キンタマ現象か・・・」
シャーク「ちょっと見せてみろよ」
遊馬「ほら」
カイト「他のは変わってないのか?」
遊馬「っぽいな」
シャーク「誰に貰ったんだ」
遊馬「坂口とかいうAV評論家」
シャーク「AV評論家が何で」
カイト「遊馬の母親は伝説的なAV女優だという事を忘れたのか」
シャーク「そういやそうだったな」
カイト「AV評論家の坂口といえば錬キン術師の資格を持っていたな」
アストラル「錬キン術師といえばキンタマを他の物体に変える事のできる」
シャーク「ホシはAV評論家の坂口って事か」
カイト「第1の容疑者だ。行くぞ」
遊馬「おう!」
シャーク「じゃあ俺はⅣやドルべ呼んでくるぜ、徹底的に追求してやるぜ!」
遊馬「かっとビングだ!俺!!」
「!?」
カイト「お年玉キンタマ現象の重要参考人として引っ張りに来た・・・その必要は無いな」
小鳥「どうして?」
カイト「あの顔はキンタマにしたって顔をしている」
小鳥「さすが天才カイト!」
遊馬「何で俺のお年玉をキンタマにしたんだ!ぬか喜びじゃねえか!!」
「君のお母さんの・・・いや未来さんのファンだからさ」
遊馬「ファンだからって、何で!」
「君が未来さんにキンタマを見せれば、きっと未来さんはAVの世界に来てくれるって信じていた・・・」
遊馬「うちの母ちゃんはキンタマ見たぐらいでAVの世界には帰らねえ!!」
カイト「6年近く御無沙汰だったな。遊馬の両親は」
「ど、どうして君は」
小鳥「カイトに知らない事はないんだよ。そうだよねカイト」
「完敗だ・・・」
アストラル「どうしてキンタマを見たぐらいで」
カイト「あの年頃の人妻はムラムラするものだ。清楚な顔して変態なのが九十九未来の特徴だと遊馬の父親が俺の親父に話していた」
シャーク「もう終わっちまったのか!?」
カイト「ああ」
Ⅳ「久しぶりだから気合入れたってのに」
アリト「強かったか?」
カイト「ただのAV評論家だ」
ミザエル「ガッカリだな」
遊馬「そういえばカイトとシャークに父ちゃんがお年玉だって言ってたぜ」
シャーク「お前の親父さんが?」
カイト「何故だ」
小鳥「日頃から遊馬の面倒見てくれてるからじゃない?」
カイト「どうする」
シャーク「くれるなら貰っとこうぜ」
ベクター「俺のはねえのか?」
アストラル「九十九夫妻はベクターが嫌いらしいぞ」
小鳥「この街じゃ徳之助くんと委員長の次に嫌われ者だって有名よ」
ベクター「どうせなら1番にしろよ。何が悲しくて、あんな奴らより下なんだよ」
カイト「これは」
シャーク「・・・おっさん!」
一馬「ついにおっさんと言われてしまったか!」
未来「そういう年代ですから、私達は」
アストラル「シャーク!」
小鳥「失礼な事を言うと璃緒さんに告げ口するからね!」
シャーク「チッ」
遊馬「そりゃ怒りたくなるぜ。だって白紙のカードだぜ?」
カイト「白紙だな」
小鳥「でもカイトはボンボンだから問題無いよね」
カイト「・・・」
一馬「話はここからだ。それは私がアストラル世界で拾ったカードでね」
シャーク「アストラル世界?」
一馬「そう、アストラル世界」
カイト「本題を話してくれ」
一馬「その2枚のカードをうちの未来のマンコに挿入する」
カイト「マンコに挿入?まさか遊馬が通過した」
シャーク「別名・希望道に突っ込むってのか!?」
未来「カイトくん!凌牙くん!」
カイト「先ずは俺からやる」
未来「さあ!」
カイト「一つ約束してほしい。九十九未来のAV復帰を望んでいる奴が居る・・・だから」
未来「わかったわ」
カイト「すまない」
ズブブ
シャーク「珍しく下手に出やがってよ」
未来「次!」
シャーク「しかし20の娘が居る見た目に見えないぜ」
未来「今でもAVに通用するかしら?」
シャーク「そんなの知らねえよ・・・俺らガキだからよ」
ズブブ
一馬「未来の胎内で熟成した2枚のカードがやがて彼らを助ける希望になるだろう」
アストラル「さすがです」
小鳥「やっぱり遊馬のお母さんだけあって凄いね!」
遊馬「自慢の母ちゃんだぜ!」
翌日
小鳥「カイトとシャークのカードは遊馬の弟か妹になるのかな?」
遊馬「小鳥」
小鳥「・・・」
遊馬「人の母親を何だと思ってんだ?」
小鳥「ごめんなさい・・・」
遊馬「あいつら本物のバカだぜ。父ちゃんを含めてな」
エド『年賀状にウンコを塗りたくられる事件?』 十代『そこら中で被害者が出てるらしいぜ』に続く
エド「どういうのだ」
十代「これ」
エド「くっさ!ウンコじゃないか!?」
十代「だからウンコっつったろ?」
エド「それで僕にどうしろと?」
十代「カイザーがタイに居るムエタイの帝王とデュエルするとか言って旅立っちまってさ」
エド「無職のお前と科学者崩れの三沢それに何かとか関わりたがる万丈目が居るだろ」
十代「いいじゃんか、ケチケチすんなよ」
エド「僕はプロだ。いい加減に成長しろ」
十代「プロプロって最近お前の順位下がってるって評判だぜ。ほら」
エド「くっさ!だからウンコを顔に近づけるな」
十代「来いよエド!」
エド「・・・わかったからウンコ付き年賀状を顔に近づけるのはやめてくれ」
十代「よし決まり!」
万丈目「デュエリストは上下関係に厳しいから後輩のお前が来るのは必然的だぞ」
三沢「そうだぞエド」
エド「何処から出てきたんだ」
十代「原因はわからねえのか?」
三沢「日本各地で起こっている」
万丈目「日本各地?神業だぞ」
十代「神業・・・」
三沢「神業か」
エド「ウンコの神・・・まさかな」
十代「居るわけねえよ」
万丈目「当たり前だろ」
三沢「ハニヤスビコ」
十代「は?」
万丈目「お前の親戚か?」
三沢「糞の神だ」
エド「ウンコの神!?ま、まさか」
三沢「エドは英国人だから知らないと思うが日本神話にはゲロや小便の神だって居る」
十代「陰毛の神は?」
万丈目「どうせ居るんだろ」
三沢「それは居ない」
十代「居ねえのか・・・」
エド「そのハニヤスビコとかいう神の仕業なのか?」
十代「どうなんだ三沢」
万丈目「呼び出せ十代!」
十代「俺!?」
万丈目「お前の力は神に匹敵する程なのだろ!?だったら呼び出せ!」
十代「無茶苦茶だな、お前も」
万丈目「このまま行けば日本の年賀状はウンコに侵食されるのだぞ!」
十代「心配するなよ。すぐに操られたり闇堕ちする万丈目はともかく俺は平気だから」
万丈目「何だと!こっちはこっちで毎日鍛えているのだぞ!!」
エド「できるのか?神なんて」
十代「ちょっと試してくる」
シュッ
万丈目「得意の瞬間移動か」
エド「神との対話なんて奴もいよいよ人としてどうかして来たな」
三沢「3年生の頃から、あんな感じなんだろ?」
万丈目「年々パワーアップしているらしい」
エド「・・・」
コネコネ
十代「おっす」
ハニヤスビコ「・・・」
十代「ウンコ捏ねて陶器を作ってんのか?」
ハニヤスビコ「うむ」
十代「あんたが日本各地の年賀状をウンコ塗れに」
ハニヤスビコ「左様」
十代「何でまた」
ハニヤスビコ「誰もわしを崇めようとせんからじゃ」
十代「アマテラスとかツクヨミなんかに比べたら知名度低いもんな・・・でもな覚えてる奴だって居るんだぜ?」
ハニヤスビコ「・・・」
十代「上手く言えねえけど覚えられてるから偉いってわけじゃないんだ。神って大体偉いじゃねえか、そう思わねえか?」
ハニヤスビコ「・・・」
十代「とりあえず俺らは覚えておくよ。それと拝むからよ・・・だから年賀状のウンコを全部解いてくれねえか?」
ハニヤスビコ「・・・」
十代「頼むぜ。唯一無二のウンコの神様」
シュッ
エド「戻って来た」
万丈目「話をつけに来たのか。神と」
十代「ああ」
三沢「アッサリとやってのけたのか?」
十代「決まってるじゃねえか!」
エド「相変わらず吹っ飛んでいるというか、何というか」
十代「ほら」
エド「だから顔に近づけるのは」
三沢「年賀状からウンコが消えてるぞ!」
十代「だから言ったろ?話せばわかるって」
万丈目「俺が言っても変わらなかっただろうな」
三沢「いや十代だから可能なのであって・・・ん!」
十代「おお!?」
万丈目「何だ!肛門がムズムズするぞ!?」
エド「今度は何なんだ!!」
十代「どうだエド!」
万丈目「俺達の肛門に何があるんだ!?」
三沢「答えてくれエド!!」
エド「・・・カード」
万丈目「カード!?」
三沢「何故カードが!」
十代「引っこ抜いてくれ」
エド「言われるまでも無い」
三沢「待って!優しくしてくれ!!」
十代「歯医者と一緒で一瞬じゃねえか」
万丈目「アホ抜かせ!死んでしまうわ!!」
エド「・・・」
十代「エド!」
万丈目「ええい!好きにしろ!!」
三沢「そっとだぞ!」
エド「こいつらが先輩だという事を実感できないのが理解できた気がする・・・あまりにもバカすぎるんだ。3人とも」
十代「ティマイオスの眼」
万丈目「クリティウスの牙」
三沢「ヘルモスの爪」
エド「何でお前達の肛門にカードが」
十代「ハニヤスビコがくれたんじゃねえか?こいつら」
万丈目「見たことも聞いた事も無いカードだ」
三沢「何も書いてないぞ」
エド「所詮はウンコの神だ。役に立たないカードだろう」
十代「おい!どういう意味だエド!!」
万丈目「まさかと思うが1人だけ貰えなかったから僻んでいるのか?」
エド「そんな僻みは無い!」
三沢「まあまあ」
エド「そんな得体の知れないカードより僕は既に千里眼グループに新しいカードを託される予定でね」
十代「新しいカード?何だそりゃ」
エド「原始的なウンコより最先端の科学を僕は行っている!!」
万丈目「そんな高らかと宣言せんでもいいだろうに」
三沢「負けず嫌いなんだろうな」
エド「全く余計な時間をくった」
「エド」
エド「会長・・・例のカードは」
「今完成したぞ」
エド「これが宇宙の闇の波動と光の波動を受けた2枚のカード」
「闇はダークエンド・ドラゴンそして光はライトエンド・ドラゴン」
エド「宇宙の波動の力をコントロールできるのは地球広しと言えども、いや宇宙中でも僕と十代以外に居ない」
「だが一つ問題があってな」
エド「問題?」
「これは君が遊城十代の言っていたシンクロモンスターを基礎に作ったカード故に召喚に必要なモンスターが存在しないんだ」
エド「チューナーモンスター?」
「融合もシンクロもモンスター同士のセックスみたいなものだから、君の初体験はいつだったかな?」
エド「僕はプロです。初体験も早かったですよ」
「うむ」
エド「チューナーモンスターはとりあえず創造するとして」
「今回はかなりの出費をしたぞ、軽く億はくだらない」
エド「毎回思うが何が悲しくて1枚のカードで億の値をつけなきゃいけないんだ」
数日後
十代「いやー今度はヤバかったぜ」
ユベル「そうかな?いつもに比べたら」
十代「相手は神だぜ?ヤバいヤバい」
ユベル「点数をつけるとしたら」
十代「60点」
ユベル「60点?どうして」
十代「今回は話のわかる神だったから良かったけど、キレた神だったら殺されてたぜ」
ユベル「なるほどね」
十代「ガッチャ!ウンコの神の名は一生忘れないぜ!」
怪奇!柚子の肛門から現れた初夢モンスター・一富士二鷹三茄子に続く
柚子「」
遊矢「柚子!しっかりしてくれ!!」
権現坂「いきなり柚子の肛門からあんなモンスターが出現するとは」
「ナース!ナース!」
月影「あれは正月にしか出現しないと言われている一富士二鷹三茄子!」
沢渡「んだそりゃ」
月影「富士のようなドッシリとした体躯に鷹の素早さと茄子の鳴き声を掛け合わせたモンスターだ!」
勝鬨「ここは自分が行こう」
沢渡「梁山泊の力を見せてやれ!」
勝鬨「ぐわあああああああああああああああああああああ」
月影「勝鬨!」
権現坂「あの勝鬨がアッサリと!?」
遊矢「柚子!」
柚子「」
「ナース!ナース!」
沢渡「あんなのどうすんだよ」
数十分前
遊矢「あけましておめでとう!」
柚子「おめでとう!」
沢渡「新年早々イチャイチャしやがってよ、何とかしろよ幼馴染」
権現坂「古き良き健全な付き合い方だと思う」
月影「拙者の調べによると」
勝鬨「下らん!自分としては遊矢には男と男の拳と拳を交えた死闘をだな」
沢渡「他の連中は?」
権現坂「黒咲はエクシーズ次元にて新春凧揚げ大会に参加しているらしい」
月影「何でも6年連続王者らしい」
権現坂「シンジはシンクロ次元にて年末の乱痴気騒ぎの中心に立ちユーゴと共に留置所だ」
月影「Dホイールを焼くわセキュリティをドブ川に叩き落すわと派手にやったそうだ」
権現坂「デニスは除夜の鐘に頭を108回叩きつけられて病院に居る」
月影「さらに追い打ちをかけるように黒咲がバットで滅多打ちにされ邪気退散と称してガソリンをかけられ焼かれた故に意識不明の重体らしい」
沢渡「黒咲とシンジは居ねえのか、デニスは別に知ったこっちゃねえけど」
勝鬨「遊矢!何だその体たらくは!?しまいには怒るぞ!」
柚子「あっ・・・」
遊矢「どうした柚子?」
柚子「アンギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
遊矢「柚子!?」
バリブルルルルルルルルルルルルルルルルルーンバリドリイイイイイイイイインンバリタンク
沢渡「な、何だ!?」
権現坂「末吉だ」
月影「拙者も」
勝鬨「自分も」
沢渡「大変な事になったぞ!」
柚子「」
遊矢「柚子!柚子!!」
「ナース!ナース!」
遊矢「な、何だこいつは!」
権現坂「正体不明のモンスター!」
勝鬨「これは一体」
沢渡「それから随分経ったが何もしねえぞ」
権現坂「逃げたぞ!」
「ナース!」
月影「このまま野に解き放たれたら大変な事になるぞ」
勝鬨「何とかせねばな」
北斗「な、何だったんだ?」
刃「変なモンスターが」
真澄「柚子!」
権現坂「新年早々すまないが手を貸してくれ」
刃「いいぜ!」
沢渡「こら!リーダー気取りも大概にしやがれ」
権現坂「遊矢があのような状態ならば俺達が動かねばなるまい」
沢渡「だから何で」
月影「権現坂は副将だ」
沢渡「チッ」
権現坂「手分けして一富士二鷹三茄子モンスターを探すぞ!」
沢渡「出て来い!」
権現坂「あのモンスターは柚子の肛門から出現したのだったな」
月影「うむ」
勝鬨「帰巣本能・・・」
権現坂「俺達が実家に帰るように奴もまた!」
月影「だったら柚子の肛門の前に張れば」
権現坂「張り込みはデュエリストの基本だ!」
沢渡「三バカはどうすんだ?」
権現坂「捜査の基本は足」
月影「彼らもランサーズみたいなものだから修行にはちょうどいい」
勝鬨「竹刀は弱いぞ」
権現坂「それはお前が強すぎるだけだろうに」
勝鬨「関係ないわ!」
月影「彼らが追い、我々が張り込む」
権現坂「まさに二重の罠」
北斗「何処にも居ないよ」
刃「出て来いモンスター!!」
真澄「・・・黒咲さん」
刃「黒咲さん?黒咲さんがどうしたんだ」
真澄「どんな鳥でも夜になれば自分の巣に帰るって」
刃「は?」
北斗「帰巣本能!」
真澄「そうよ!」
刃「?」
北斗「だったら話は早いね」
真澄「柚子の肛門の前に待ち伏せよ!」
刃「意味不明なんだけどよぉ」
北斗「肛門だよ刃!」
刃「???」
真澄「急いで!」
刃「ここがいい奴は言ってる意味が暗号っぽくて理解不能だぜ」
遊矢「柚子・・・」
権現坂「遊矢!柚子の肛門を拡げるんだ!」
遊矢「そんな事できるわけないだろ!!」
権現坂「馬鹿者!!!」
バシッ
遊矢「何するんだ!」
権現坂「俺とて好きで柚子の肛門を見たいわけではない・・・だが・・・だがな!」
沢渡「柚子の肛門が無ければ俺達は負けちまうんだよ。しっかりしろよリーダー!!」
遊矢「くっ・・・」
権現坂「いいな遊矢」
「ナース!ナース!」
勝鬨「戻ってきたぞ!」
遊矢「わかったよ・・・ごめんな柚子」
柚子「」
沢渡「来やがれモンスター!」
権現坂「貴様が肛門に再び入る瞬間が最後だ!!」
遊矢「zzz」
遊矢「一富士二鷹三茄子・・・」
柚子「夢見てるのね、初詣行こうと誘ったのに」
遊矢「ふふふ」
柚子「よっぽど楽しい夢なのかな?」
遊矢「柚子の肛門・・・」
柚子「!?」
遊矢「肛門・・・」
柚子「な、何て夢見てるのよ!!」
遊矢「うわっ!?」
柚子「遊矢!」
遊矢「え?一富士二鷹三茄子は!」
柚子「そんなの居ないわよ!初夢が・・・そんな変態じみたものなんて!」
遊矢「俺だって好きで見たわけじゃない!信じてくれ!!」
柚子「フン」
遊矢「柚子!」
遊矢「あ、あけおめ」
権現坂「何だその顔は!?」
遊矢「柚子に叩かれた」
沢渡「朝っぱらから、てめえらは」
遊矢「酷い初夢でさ」
権現坂「どんな夢だ」
遊矢「権現坂が柚子の肛門を拡げようとしてた」
月影「・・・」
権現坂「そんなけしからん事を俺がすると思っているのか!!」
遊矢「史上最悪の初夢だったよ」
月影「寝取りというやつなのか?」
勝鬨「わからん」
沢渡「今年は厄年なんじゃねえのか?」
遊矢「どうなんだろうな」
権現坂「俺はせんぞ!決してしないぞ!!」
遊矢「幸先不安な始まりだ」
翌日
ユート「隼!瑠璃の肛門に異常はないか!?」
黒咲「何の話だ」
ユート「肛門だ!」
黒咲「肛門?」
ユート「瑠璃の肛門を調べさせてくれ!」
黒咲「馬鹿!」
バシッ
ユート「隼・・・」
黒咲「頭がおかしいんじゃないか?」
ユート「・・・すまない」
黒咲「凧揚げ大会の景品をお前にやろう」
ユート「これは人気熟女AV女優・十五夜ナツの熟女大戦/ファントム・アヌスじゃないか」
黒咲「それを見て元気を出せ」
ユート「ありがとう隼」
遊馬の家の近所で喫茶店営業を行う人妻ブラックマジシャンガールのマナを襲う影
『恐怖のテレホン・セックス魔』に続く
プルルル
マナ「もしもし?」
「ハァハァ・・・」
マナ「何だろこの人」
「奥さん・・・今どんな格好してるの・・・?俺、裸なんだよぉ」
マナ「へ、変態!」
ガチャッ
マナ「お師匠様が実家に帰ってるのに」
プルルル
マナ「はい!」
「奥さん…奥さん…」
マナ「何よ、この人!」
ガチャッ
マナ「完全な変態ね・・・」
プルルル
プルルル
プルルル
六十郎「なるほど、性的な悪戯電話が」
マナ「はい・・・」
遊馬「絶対に許せねえよ!なあ!!」
カイト「下らん」
シャーク「俺らをしょうもねえ件で呼び出すんじゃねえ!」
小鳥「嫌だからって六十郎のおじいちゃんのとこに持って行かなくたっていいでしょ!」
シャーク「好きで持って来たわけじゃねえよ」
カイト「爺さんが俺達の分の木像を作ってくれると言っていてな」
小鳥「弟子じゃないのに?」
六十郎「遊馬の弟子はわしの弟子じゃよ。ほら」
カイト「いい銀河眼の光子竜だ。Ⅴが三沢六十郎は世界でも五本の指に入ると言っていた理由がわかる」
シャーク「何で俺のはシャクトパスなんだよ!!」
六十郎「電話番号を変えればいいんじゃよ。のう闇川」
闇川「はい」
遊馬「さすが六十郎のじいちゃんだぜ!」
アストラル「相変わらずの知恵者だ」
翌日
マナ「はあ・・・」
六十郎「何と!?電話番号を変えても電話がかかって来ると!」
マナ「ええ・・・」
遊馬「マハードがとっちまっててんやわんやの大騒ぎだってよ」
小鳥「そりゃテレフォンセックスなんて誰だって勘違いするよ」
六十郎「よろしい。次はわしが受け取ろう」
闇川「師匠」
六十郎「安心せい」
カイト「・・・」
シャーク「やめとけよ。年寄りが俺らの真似すると怪我するぜ」
六十郎「なあに若いもんには負けんよ」
シャーク「年寄りの冷や水って言うしな」
カイト「あんたはどうなんだ闇川」
闇川「私は師を信じるまで」
カイト「どうやら俺達の出る幕は無さそうだな」
シャーク「最初から乗り気じゃねえよ!」
プルルル
マナ「来ましたよ!」
「奥さん…」
六十郎「こら!このような悪戯電話はやめんか!!」
「・・・」
六十郎「お前!奥さんにセックスしましょうとしつこく言ってるんだな!」
「・・・」
六十郎「聞いておるのか!!」
「・・・あんた名前は」
六十郎「決闘庵の三沢六十郎」
「そうかい」
ガチャッ
六十郎「・・・切れたぞ」
マナ「六十郎さんのお説教が効いたのかも」
六十郎「妙な胸騒ぎがするが・・・」
マナ「後はお師匠様と仲直りするだけ!」
プルルル
マナ「はい!」
「三沢六十郎…セックスしましょう」
マナ「え!?」
マハード「どうした」
マナ「お、お師匠様」
「三沢六十郎…セックスしましょう」
マハード「貸せ!もしもし!いい加減にしないと黒魔導をぶち込むぞ!」
「三沢六十郎…セックスしましょう」
マハード「三沢六十郎!?何故あなたが!!」
「三沢六十郎…セックスしましょう」
マハード「けしからん老人だ!相談に乗っておきながら変態電話をかけるとは!!」
「三沢六十郎…セックスしましょう」
マハード「宣戦布告という奴だな!今すぐ向かってやる!!」
マナ「お師匠様!」
マハード「あなたには恩義がある・・・だが不埒な輩は成敗してやる!」
マナ「とりあえず遊馬達に連絡しないと」
遊馬「どうなんだカイト?」
カイト「よく留守電をしておいたな」
遊馬「何かわかったのか?」
カイト「これは六十郎の音声を繋げ合わせた偽装だ」
マナ「そうだったのですか・・・」
カイト「遊馬こいつを当たれ」
遊馬「誰だこいつ?」
カイト「この街でテレホン・セックスの罪で捕まったのは3人居る。うち2人は服役中だ」
アストラル「この男が3人目の?」
カイト「こいつは1年前に出所した森浦という男だ」
小鳥「でも何で同じ事をするんだろ?足がつくのに」
カイト「この性癖は治るものではない」
シャーク「おい!連れて来てやったぜ!」
マハード「くっ・・・だったら森浦という男を成敗してやる!」
カイト「こいつは六十郎のヤマだ」
アストラル「あの人に任せよう」
シャーク「しかし、てめえの情報収集能力だけには脱帽するぜ」
カイト「そうか」
マハード「いいか?六十郎が犯人を捕らえたら私とオーバーレイして黒魔導を浴びせるんだ」
黒コナミ「・・・」
遊馬「黒いコナミ?」
シャーク「野郎はコナミ6兄弟の5番目らしいぜ」
黒コナミ「・・・」
マハード「お前の言う通りだ。成敗してやる!」
シャーク「二言目には成敗成敗って、何時代の奴だ」
カイト「・・・」
遊馬「六十郎じいちゃんは捕まえる事ができるのか?」
アストラル「あの人なら可能だろう。場所は」
小鳥「伝書鳩を飛ばしたから大丈夫!」
シャーク「伝書鳩?電話持ってねえのか!」
アストラル「あるが伝書鳩の方が早い」
遊馬「そうだぜシャーク」
シャーク「んなわけねえだろ」
六十郎「奴じゃな」
闇川「お待ちを」
六十郎「案ずるな。森浦!」
「!?」
六十郎「悪戯電話をし剰えわしの声を語りテレホンセックスをした罪でしょっ引かせてもらうぞ!」
「くっ」
六十郎「待て!」
「こんな所で捕まってたまるか!」
六十郎「逃がさんぞ、お前だけはわしの手で捕らえてくれる!」
闇川「・・・」
シュッ
グサッ
「ぎぇっ!?」
六十郎「もう逃げられんぞ!観念せい!!」
森浦「テレホンセックスしただけで・・・何で何度も捕まらなければならないんだ!!」
六十郎「やかましい!他人に迷惑をかけて被害者ぶるんじゃない!!」
クルポッポー
遊馬「鳩が帰って来た」
アストラル「どうやらテレホンセックス魔を捕らえたようだな」
小鳥「やった!」
マハード「コナミ!オーバーレイするぞ!!」
シャーク「うるせえぞ原始人!少しは黙れねえのか!!」
マハード「原始人ではなくて古代人だぞ」
シャーク「一緒だよ!」
マナ「無事に解決して良かったですよ」
カイト「ああ」
遊馬「じゃあ帰ろうぜ」
マハード「私の腹の虫がおさまらないぞ」
シャーク「だったら刑務所にでも殴り込めよ」
マハード「よし」
黒コナミ「・・・」
カイト「やりたければ勝手にやってろ。やれば捕まるのは確実だがな」
翌日
アストラル「電話という便利な道具がある故に生まれた犯罪か」
遊馬「テレホンセックスじゃねえよ。野郎がやってるのはテレホンレイプだぜ」
遊馬らの世界で起こっているテレホンセックスによる犯罪は年々増加している
ネオドミノシティで発生した通り魔事件
『白い手袋をした通り魔』に続く
クロウ「ったく遊星もジャックも洗濯物ぐらい自分で洗えってんだ!何が悲しくてコインランドリーに野郎のパンツを洗いに」
「キャアアアアアアアアア!!!」
クロウ「何だ!?」
「通り魔よ通り魔!」
「こいつは酷い」
「ううっ・・・」
クロウ「おい!しっかりしろ、おい!」
ブロロロロロロロロロロロ
「・・・」
クロウ「危ねえ目つきしやがって、こんな所で車なんて転がすなってんだ」
「せ、背中」
クロウ「背中からバッサリと切られてやがる。でも安心しろよ、命に別条は無いから」
「救急車が来たぞ!」
「おーい道を開けろ!」
クロウ「背中からじゃ犯人のツラを見られるわけがねえよな・・・」
数日後
遊星「さっき昨日通り魔があってな、被害者は太ももを刺されていたそうだ」
ジャック「確か数日前にもクロウが」
クロウ「同一犯なのか?」
遊星「特徴はジャージ姿だったがクロウの時は目撃者が居なかった。模倣犯か同一犯なのか」
ブルーノ「大変だよ!今度は殺人だ!!」
遊星「何!?」
ジャック「何だと!?」
クロウ「何だって!?」
遊星「殺人?どうして」
ブルーノ「何でも寿司屋の店員さんが足を切りつけられて、追いかけたんだって・・・そしたら」
ジャック「返り討ちにあったって事か」
ブルーノ「うん」
遊星「現場は」
ブルーノ「数日前と昨日起きた通り魔事件の場所らしいよ」
ジャック「遊星」
遊星「現場に向かおう」
クロウ「牛尾も居るだろうしな」
遊星「牛尾はどう思う」
牛尾「俺はだな・・・」
ジャック「これは俺達への挑戦状かもしれん・・・心当たりがある」
クロウ「あ?あの車」
牛尾「ありゃ大物政治家のボンの車だ。そいつも議員でよ」
「・・・」
クロウ「おい!てめえ、最初の現場にも居たな!なあ!!」
「は?」
牛尾「やめろクロウ」
クロウ「2度目は知らねえが3度目の現場にも居た!てめえがやったんじゃねえのか!?」
「何の証拠がある?それに動機は?そんなものは捜査の初歩だろ」
牛尾「どうもすんませんでした」
「気をつけてくださいよ、牛尾課長補佐」
牛尾「はい」
クロウ「待ちやがれ!」
牛尾「やめろっつってんだろ!」
クロウ「絶対に野郎が犯人だ・・・」
遊星「クロウの推理では返り血を浴びたジャージを洗い近場の銭湯で臭いを落としたと」
クロウ「三つの通り魔事件にはコインランドリーと銭湯が近場にある。こいつは2度も俺の前に姿を見せやがった」
ブルーノ「だからって、何を根拠に」
クロウ「目だよ」
ブルーノ「目?」
クロウ「ありゃ人を傷つけても何とも思わねえ目だぜ。なあ遊星」
遊星「確かに目つきの悪い男だった。だがなクロウ」
ジャック「遊星!連れて来たぞ!!」
白コナミ「・・・」
バスター・ブレイダー「どういう真似だ!」
ジャック「こいつがバスター・ブレイダーと共に街を闊歩する姿を見かける。バスター・ブレイダーと言えば竜殺しの戦士・・・竜と言えば」
遊星「今までの騒動は俺達を中心に居た・・・だが今回の事件は何かが違うぞ」
ジャック「どういう意味だ」
遊星「俺の読みでは無差別通り魔事件だ。そして第三の犯行にて死人が出た」
ジャック「・・・」
遊星「彼らは無実だ。仮にバスター・ブレイダーが通り魔だとしても俺達をおびき寄せる為の切りつけ行為には刀は不恰好すぎる」
ブルーノ「そもそもジャージ姿だしね」
ジャック「違うのか・・・」
クロウ「しかしカーリーが野郎の取材をしていたとは思わなかったぜ」
カーリー「議員の?あの人は異常なんだから!」
クロウ「異常?」
カーリー「この前も取材でインクこぼしちゃってね、彼のスーツを汚しちゃったの」
クロウ「ふーん」
カーリー「そしたら鬼の形相で怒るのよ!確かに私も汚しちゃったのは悪いと思うけど」
クロウ「いきなりか?」
カーリー「いきなりよ」
クロウ「・・・」
カーリー「何でも元婚約者の話じゃ異常なまでの綺麗好きで数ヶ月前に母親が亡くなってから言動が少しずつ変になっていったんだって」
クロウ「・・・」
カーリー「どうしたの?」
クロウ「その婚約者っての何処に住んでるんだ」
カーリー「えーっと」
クロウ「・・・」
クロウ「婚約者の話じゃ野郎はデート中にチャリに足元を汚されて執拗に汚れを落としてたんだとよ」
ジャック「綺麗好き?それでは証拠にならんぞ」
クロウ「それが返り討ちにあった寿司屋の店員だ」
ジャック「寿司屋の店員だと!?」
クロウ「2番目の被害者は喫茶店のウェイトレスで客の太ももにコーヒーをこぼしちまったらしい」
遊星「何故それが議員だと」
クロウ「顔が売れてるだろ。あの議員」
ブルーノ「じゃあ最初の被害者も」
クロウ「通りすがりの男に泥を飛ばしちまったらしいぜ。これも」
遊星「あの議員・・・最初の被害者が議員に泥を飛ばした箇所は」
クロウ「背中?相手も覚えてなくてよ。単純に議員の顔しか覚えてねえんだと」
遊星「2番目の被害者は太ももを刺され3番目の被害者は足を切られた・・・これは通り魔の犯行」
ジャック「そしてクロウの言う議員が汚された箇所は太もも、足・・・」
クロウ「・・・奴が汚した相手を狙ってるってんならカーリーが危ねえ!」
ジャック「カーリーが危ないだと!?」
遊星「俺達もクロウの後を追うぞ!」
クロウ「カーリー!返事しろ!!」
ジャック「電話にも出んぞ!」
遊星「・・・」
ブルーノ「まさか通り魔の」
ジャック「そんなバカな話があってたまるか!」
ブオオオオオオオオオオオンンン
キキッ
遊星「お前は」
バスター・ブレイダー「例の通りに議員の姿があったぞ」
ジャック「何故それを俺達に」
白コナミ「・・・」
バスター・ブレイダー「我々が濡れ衣を着せられたままじゃ無性に腹が立つ!それが」
ブルーノ「でも何で危険な場所に!」
ジャック「カーリーは好奇心旺盛だからだ!」
バスター・ブレイダー「これで我々が犯人ではないな!」
遊星「最初から疑っていたのはジャックだけだ」
バスター・ブレイダー「・・・」
カーリー「ここが最近多発してる通り魔の犯行現場か・・・誰も居ない」
ギランッ
カーリー「まあ考えても見れば、こんな危険な場所に」
ジャック「カーリー!」
カーリー「ジャック!?」
ジャック「前に走れ!」
カーリー「え!?」
ジャック「早くしろ!」
「チッ」
ブルーノ「逃げたよ!」
カーリー「ぎ、議員!?いつの間に私の後ろに」
遊星「飛べクロウ!」
クロウ「言われるまでもねえ!」
カーリー「ま、まさか本当に議員が」
ジャック「連続通り魔事件の犯人だ」
クロウ「オラァ!ジタバタするんじゃねえ!!」
「くっ・・・くそぉ・・・!」
数日後
牛尾「邪魔するぜ」
遊星「また事件か?」
牛尾「あの議員の事でちょっとな」
クロウ「動機は何だってんだ?」
牛尾「知りてえか」
ジャック「ああ」
牛尾「服を汚されたからだってよ」
ジャック「たったそれだけでか!?」
牛尾「それで奴はこんな事を吐きやがった」
「私の服を汚すような不始末は、お母さんが許さない。私はお母さんに代わって罰を与えただけだ・・・」
牛尾「ってな」
クロウ「そんな理由で寿司屋の兄ちゃんは殺害されたってのか?あいつも浮かばれねえぜ・・・」
遊星「・・・」
クロウ「俺がもっと早く野郎を捕まえてたら殺される事も無かったんだけどよ」
ブルーノ「クロウ!」
遊星「しばらくは1人にしてやろう」
ブルーノ「うん・・・」
クロウ「・・・」
ザワザワ
クロウ「奴が捕まって人もまた戻って来たって感じだな・・・」
「汚れてしまった・・・このままじゃ、お母さんに叱られてしまうな」
クロウ「!?」
クロウ「・・・気のせいか」
クロウ「異常者ってのは社会の至るところに潜んでるのかもしれねえな・・・」
法の網の目をくぐり抜けレイプを行う鬼畜エリートと万丈目の戦い
『六法全書を抱えた狼』に続く
三沢「レイプ魔?」
万丈目「五条って男を知ってるか?」
三沢「五条?」
万丈目「10年に1度の逸材とか言われている検察官だ」
三沢「あの男がレイプ魔!?」
万丈目「それも一件や二件では無いらしい」
三沢「・・・証拠は」
万丈目「俺は一週間ほど前に女の悲鳴を聞き走り出した。そこに衣類をズタズタにされた女が転がっていたな」
三沢「だが」
万丈目「その女の証言で検察官の五条だとわかった。女は被害届を出すと言ったんだが」
三沢「言ったんだが?出したんじゃないのか?」
万丈目「不起訴だと・・・その日その女は自殺した」
三沢「・・・」
万丈目「あの獣を俺の手で仕置してくれる!」
三沢「万丈目!相手は検察官なんだぞ!!」
万丈目「プロデュエリストの俺には関係ない話だ!」
三沢「あいつ・・・」
万丈目「おい!」
「ん?あなたはプロデュエリストの万丈目さん」
万丈目「吐け!このレイプ魔!!」
「レイプ魔?私が?ハハハ!何を仰る」
万丈目「惚けるな!」
ガシッ
「暴力はいけませんよ、プロデュエリストが」
万丈目「何て力だ・・・こいつ!」
「初対面の人にレイプ魔呼ばわりされるとは」
万丈目「貴様がレイプした女は投身自殺をした!何とも思わんのか!!」
「?」
万丈目「他にもあるぞ!あの女の事で貴様を調べ上げている内に5人だ!5人の女がレイプされたと名乗りあげた!」
「それはきっと、私を妬む者の差し金でしょうえねぇ」
万丈目「流産したものもいたのだぞ!!」
「ですからレイプ魔じゃありませんよ。いい加減にしてください」
万丈目「しらばくれるな!!」
三沢「ほら行くぞ」
万丈目「くっ・・・」
三沢「あの検察官は知力でも体力でもお前を上回っているのだぞ」
万丈目「それがどうした!」
三沢「五条検察官はデュークンドーの達人らしいぞ」
万丈目「デュークンドーと言えばデュエルとジークンドーを掛け合わせた」
三沢「レイプされた被害者が居るのは事実・・・だがな、2度目は無いぞ」
万丈目「・・・」
三沢「1度目は留置所で済んだが・・・次に五条検察官に手を出せば」
万丈目「だったら、どうすればいい!!」
十代「気力だぜ」
三沢「いつの間に!?」
十代「その五条ってのにゲロさせるんだよ。自らの口から」
万丈目「自らの口から・・・」
十代「所詮は五だ。根性だけなら万の方が数万倍強いぜ!」
万丈目「食らいついてやる・・・奴が全てを吐くまで・・・俺は!」
十代「それでこそ万丈目準だぜ!」
数日後
「・・・万丈目さん」
万丈目「随分とめかし込んでいるな、何処へ行く」
「お見合いですよ」
万丈目「レイプ魔がか」
「・・・」
万丈目「レイプ魔が見合いか?」
「しつこい・・・あなたはしつこすぎる」
万丈目「スッポンの万丈目を知らんのか!レイプ魔!!」
「フッ」
万丈目「どんな時でも張り込んでやる!貴様が吐くまでな!」
「いいでしょう・・・ですが私ではない」
万丈目「いいや貴様だ。レイプ魔の分際で見合いなど100年早い!」
万丈目「所詮は五!万の万丈目には勝てんという事を見せてくれる!!」
「・・・」
万丈目「そういうわけだ。見合いにでも行って来いレイプ魔」
三沢「い、いいのか?こんな勝手に」
十代「バレなきゃ問題ねえよ」
三沢「しかし検察官と言われるだけで立派な家というか」
十代「ほら」
三沢「こ、これ」
十代「相当の余裕でもあんのか?検察官ってのは」
『強姦日記』
三沢「・・・」パラパラ
十代「どうも万丈目の言ってた人数以上に被害者は居そうだぜ」
三沢「この最後の女性が自ら命を絶ったと言ってた・・・」
十代「腐ってやがるな」
三沢「これは重要な証拠だ!早速」
十代「待った!」
三沢「ど、どうして」
十代「こいつは万丈目が解決する事だ。俺らは大人しくしてようぜ」
三沢「し、しかしだな」
十代「こんな外道に根負けする万丈目ではない」
ガラガラッ
「ま、万丈目」
万丈目「さんを付けろ」
「この人は」
「い、いえ別」
万丈目「世間知らずのお嬢様か?いいか!こいつはレイプ魔だ!!」
「レ、レイプ魔!?」
「おい!」
万丈目「お前もやめておいた方がいいぞ!こんなレイプ魔の妻になる事だけは!!」
「貴様ァ!!」
万丈目「怒っているのか?レイプ魔風情にも怒りという感情があるんだな!!」
万丈目「嫁になるなら勝手になればいい!だがな、こいつは臆病者のレイプ魔!あんた以外の女と寝るぞ!」
万丈目「いいや違うな!その覚悟が無いだけの腰抜けだ!」
「こっちへ来い!」
万丈目「図星を突かれて焦っているのか?所詮レイプ魔はレイプ魔・・・何がエリート検察官だ」
ドスッ
万丈目「うっ・・・」
「これがお前と私の格の差だ!プロだろうが何だろうが知力も腕っ節も私の方が優っている!!」
万丈目「手を出したな・・・レイプ魔・・・」
「社会的地位のある私とプロデュエリストというだけのお前をどっちが信用する!このピエロめ!!」
バキッ
「プロプロと言うが所詮、貴様はピエロ!何に取り柄も待たん奴ではないか!!」
ゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッゴスッ
「わかったか!わかったら消えろ!私の前から!!」
万丈目「ククク・・・お前は異常者だ・・・」
「き、貴様・・・」
万丈目「異常者は異常者でも中途半端の異常者だ・・・自分より弱い奴を虐げる事しかできん!どうしようもない奴!」
万丈目「エリート検察官?笑わせるな!エリートなど他にも大勢居る!お前は甘やかされて育った馬鹿だ!」
万丈目「正直に言え・・・レイプでしか愛情表現ができんのだろ?腰抜け!臆病者!」
「私を・・・舐めるな!」
万丈目「うぐっ・・・貴様は獣だ・・・ヤりたければ、母親を襲え・・・それともお前の母親が淫売だから、お前が産まれたのか・・・」
万丈目「そうだとすれば性欲の化身だな・・・親父は誰だ?わからんだろうな・・・淫売な母親から産まれたエリート検察官じゃ」
「ま、万丈目!!」
「ハァハァ・・・」
万丈目「おい・・・こいつを見ろ・・・この写真を・・・!」
「ヒッ」
万丈目「見ろ!目を背けるな・・・こいつを見ろ!!」
「な、何なんだこいつは・・・」
万丈目「お前はこの女に何をした・・・言ってみろ!!」
「な、何もしていない・・・何もしていない!!!」
万丈目「嘘をつくな・・・お前がレイプしたのだろう・・・レイプしたんだな!!」
「ち、違う!」
バシッ
万丈目「吐け・・・レイプ魔・・・貴様は何人犯した・・・言え・・・言え!!」
「うわああああああああああああああああああ」
万丈目「逃げるな・・・!」
「あっ・・・ああああ」
万丈目「吐け!!!」
「わ、私が・・・私が犯した!!私が犯したんだ!!!」
「ハハハ・・・気絶してる・・・私とした事が」
バサッ
「これは・・・私の日記」
十代「自尊心ってやつが強いとボロが出るもんだな検察官の兄ちゃん」
「こ、こんなものは証拠にならんぞ!」
三沢「万丈目は録音していたようだな。それに俺はお前が万丈目を一方的に殴る瞬間を撮影していた」
「だから何だ!私はいつだって守られて来た!家からも社会にもだ!!」
十代「おいおい自分の立場ってのがわかってねえようだな?この地球上の何処にもてめえの居場所はねえぞ」
三沢「証拠は腐るほど揃っている。被害者も次から次へ名乗りあげるだろうな」
十代「仮に釈放されたって、今度は俺がお前を追い詰めるぞ・・・最後の最後まで追い詰めてやるよ」
「・・・」
十代「そしてお前が万が一、罪を償って出所したって俺はお前を追い詰める・・・はっきり言って俺は万丈目よりキツいぜ」
「・・・」
十代「何処へ行こうが何をしようが絶対に許せねえ・・・てめえはエリートなんかじゃねえ!ただの惨めで憐れな最低の犯罪者だぜ!!」
「あああああああああああああああああああああああああああああ」
十代「やっぱ万丈目は根性があるな」
三沢「お前に張り合える数少ない男だからな万丈目は」
数日後
万丈目「仇は討ったぞ」
三沢「・・・」
十代「・・・」
万丈目「その後エリート検察官の五条は囚人らにレイプされ首を括って死んだ」
十代「行こうぜ万丈目!」
万丈目「因果応報・・・悪事を働けば必ず悪事が自分の身にも降りかかるという事だ」
ボクシンググローブ型のコンドームを装着し行われる棒闘《ポコチング》
熱々と隆起する男根を聳え勃たせ九十九遊馬(13)は今その舞台に勃つ
次回『グローブをハメろ!』
遊馬「これがポコチングのグローブか」
アストラル「アメリカでは大人気の競技らしいが」
遊馬「ふーん」
小鳥「それが何でこの街に」
カイト「こっちでも流行るかどうか試したいんだろう」
シャーク「くだらねえ事もを考えやがるぜ」
遊馬「チンポを勃起させて、コンドームをはめる」
カイト「どうだ」
カポッ
遊馬「さあ戦おうぜ!カイトが来るか?それともシャークか!」
シャーク「てめえやってやれよ」
カイト「お前がしろ」
シャーク「・・・アリトでも呼んでくるか」
カイト「あいつは遊馬と感性が似てるからな」
遊馬「どうだアストラル!」
アストラル「どうと言われてもな・・・」
遊馬「行くぜアリト!」
アリト「来い!!」
ペチペチ
ペチペチ
ペチペチ
アストラル「合計で頬に十五ペチを受けたら敗北するのか」
小鳥「十五ペチって?」
アストラル「ああ!」
小鳥「フックの事ね」
アストラル「チンバッチではポイントは稼げないらしい」
小鳥「チンバッチって?」
アストラル「ああ!」
小鳥「ジャブの事ね」
カイト「何が流行るかわからんものだな」
シャーク「ああ」
遊馬「チンポビンビング!!!」
その後ポコチングはハートランドでも流行の遊びになった
ペチペチ
ペチペチ
ペチペチ
鉄男「ぬわああああああああああああああああああああ」
遊馬「やったぜ!」
小鳥「デュエルでもポコチングでも遊馬に勝てなくなったのね、鉄男くん」
アストラル「・・・」
シャーク「変な連中が遊馬を見張ってる?」
ベクター「ああ」
カイト「遊馬だけか」
ベクター「遊馬だけっぽいぜ」
カイト「例のチンピラ撲殺事件の件かもな」
シャーク「ポコチングで顎を砕かれて顔射されて死んだってあれか?」
ベクター「ポコチングを極めてるのは遊馬ぐらいだからな、警戒されてんじゃねえか?」
カイト「・・・」
シャーク「・・・」
カイト「撲殺されたのは南ハートランド管内で姿を現す川口とかいう奴だ」
シャーク「おい!てめえら何か知らねえのか!?」
「いや俺らは」
シャーク「正直に言え!」
「天下のシャークさんに嘘なんて」
カイト「川口が撲殺死体で発見された時の状況を教えろ」
「・・・」
「・・・」
シャーク「教えろって言ってんだよ!舐めてんのか!?」
カイト「まさか内輪揉めで殺したとか言うんじゃないだろうな」
「・・・」
シャーク「俺らの遊馬が何か見張られてんだよ!てめえらが原因かもしれねえじゃねえか!!」
「そんな言いがかりな!」
シャーク「うるせえ!!」
カイト「怒鳴るな。はっきり言って、お前はうるさすぎる。鮫は吠えない生き物だろ」
シャーク「ジョーズは一回吠えた事があるんだよ」
カイト「奴は外国産でお前は国産の鮫だろ」
カイト「どうやら川口は内輪揉めで殺されたようだったな」
シャーク「野郎らも自首するって言ってたし・・・これで」
ベクター「こんな所に居たのか?探しちまったよォ」
シャーク「何だ?」
ベクター「例の怪しい奴らが遊馬に接触してきてよ」
シャーク「てめえ!何で早くそれを言わねえんだ!!」
ベクター「お前らが何か勘違いしてどっか行っちまうからなんじゃないの?」
カイト「すぐに行く」
シャーク「チッ」
ベクター「早く行かねえとヤバいかもな!」
シャーク「呑気な事言いやがって!」
カイト「・・・」
ベクター「しっかし野郎らも遊馬が好きだよなァ~」
ベクター「俺もだけどよ」
カイト「遊馬!」
シャーク「無事か!?」
遊馬「何だよ2人揃って」
カイト「・・・そいつは」
アストラル「国際デュエル警察の人らしい」
シャーク「それが何で遊馬に」
遊馬「俺をスカウトしに来たらしいぜ」
シャーク「スカウト!?」
「我々はポコチングを用いてテストをしていたのです」
カイト「テスト?」
「世界各国でエリート中のエリートを集めデュエルマフィアらと戦うためのね」
小鳥「エリート?そんな中で遊馬が居たら霞んじゃうよ!」
「確かに彼はエリートとは程遠い位置の人間だが気合と根性・・・尚且つ大和魂を持っている」
遊馬「全てがかっとビングに詰まってるんだぜ!」
アストラル「この街を出て羽ばたくか遊馬」
遊馬「でもな・・・」
カイト「行って来い遊馬」
遊馬「いいのか?」
シャーク「いい話だと思うぜ。国際デュエル警察なんて滅多に入れるもんじゃねえしよ」
小鳥「じゃあ私も!」
カイト「またしゃしゃり出るのか?いい加減にしろ」
シャーク「少しは大人しくしてろってんだ!毎回毎回お前は」
小鳥「何よ!私が居なきゃ遊馬は何もできないのよ!」
シャーク「ウダウダ言ってると焼き鳥にして食っちまうぞ!」
小鳥「・・・死ね」
シャーク「このアマ・・・!」
カイト「お前の道はお前が決める事だ。ただし家族とよく相談してな」
遊馬「任せとけって!」
アストラル「この世界を救った遊馬ならスカウトされるのも必然だ」
遊馬「世界各国って事は勉強しなきゃいけないんじゃねえのか?」
アストラル「普段から多国籍のアークライトの三兄弟やカイトと会話してるんだから大丈夫だと思うぞ」
遊馬「それもそうか!」
Ⅴ「そうか遊馬が」
Ⅳ「って言ってたぜ」
Ⅲ「寂しくなりますねえ・・・」
ドルべ「何かメラグとⅣの距離が近い気もするが」
ミザエル「そうか?」
アリト「あ、実は」
璃緒「アリト」
アリト「うーっす」
ベクター「遊馬か・・・」
ギラグ「俺らも街から出て羽ばたく日も来るんだろうぜ」
アリト「って言っても帰って来るんじゃねえか?」
ドルべ「だがしばらくはお別れだぞ」
ベクター「まあ何だ。カイトとナッシュが居るし平気平気」
ミザエル「そんな事でいいのか?遊馬は確かにドジで間抜けな面もあるが」
ベクター「ドジなのはお前じゃねえか」
ミザエル「貴様!」
ドルべ「やめろミザエル」
数日後
遊馬「じゃあな!」
Ⅲ「元気でね遊馬」
Ⅳ「風邪引くんじゃねえぞ」
Ⅴ「ちゃんと家族には定期的に連絡を入れるように」
ドルべ「えーっと・・・頑張れ!」
璃緒「応援してますわ!」
ギラグ「外国の奴らはガタイがヤバいから、舐められんじゃねえぞ!」
アリト「ヤバいと思ったら俺を呼べよ!」
ミザエル「か」
ベクター「そんじゃあな!」
アストラル「行こうか」
遊馬「またな!」
ミザエル「私だけ言いそびれたぞ!」
Ⅳ「居るんだよ、間が悪い野郎って」
アリト「目の前に居るんだよな」
ミザエル「この扱いは何だ・・・」
Ⅳ「こんな所に居たのか?挨拶は」
カイト「湿っぽいには好かん」
シャーク「あの飛行機で行ったんだよな」
Ⅳ「確かあの便のはずだぜ」
カイト「世界に羽ばたくかっとビングか」
シャーク「なーに元気に帰って来るさ」
カイト「遊馬ならな」
『戸籍のないデュエリスト』に続く
シャーク「ド派手にやりやがったな」
カイト「ハートランドに構える戸川組を襲撃するとは只者じゃないな」
シャーク「戸川って言えばホモビを違法で売買してやがる極悪ヤクザ」
カイト「・・・」
シャーク「何か見つけたのか?」
カイト「毛髪だ」
シャーク「毛髪?事務所なんだから毛髪の一本ぐらい」
カイト「結構長い髪の毛だが」
シャーク「長髪のヤクザだって居るだろ」
カイト「あれを見ろ」
『髪型は短髪またはパンチを当てるべし』
シャーク「そう来たか」
カイト「こいつは殴り込みをかけた奴の毛髪だと俺は予想している」
シャーク「何処のどいつだ?俺ら以外にこんな派手な事ができる奴は」
カイト「それはこいつに聞くまでだ」
シャーク「チッ、スカしやがって」
翌日
シャーク「何だって?」
カイト「該当者不明だ」
シャーク「は?」
カイト「毛の持ち主は何処の誰でも無いという事だ」
シャーク「一発でわかるんじゃねえのかよ」
カイト「科学が発達したが故に毛髪一本、爪の欠片でわかるのが今の時代だ」
シャーク「プライバシーも何もあったもんじゃねえな」
カイト「それが該当しないんだ。何処の誰とも」
シャーク「出生届出してねえってやつじゃねえの?」
カイト「かもしれんな」
シャーク「何処行くんだ」
カイト「入院中の戸川の幹部の口を割らせる」
シャーク「好きにしろよ、俺はドルべらと他をあたるぜ」
カイト「クリスらにも連絡を入れておけ」
シャーク「リーダー気取りかよ、あの野郎は」
カイト「俺は天城カイトだ」
「・・・」
カイト「吐け」
「・・・」
カイト「事務所を襲った奴の風貌を教えろ」
「・・・」
カイト「お前の事は調べてある。谷岡だったな」
「!?」
カイト「十数年前にあるドラフト1位の大学野球の雄とその後輩2人を事務所でレイプし反撃にあったそうだな」
「・・・!」
カイト「貴様はその際に肛門から発砲された。生死を彷徨う大怪我を負ったそうだな」
「・・・」ガクガク
カイト「以来お前は拳銃を持てずに怯えている・・・俺が突っ込んでやろうか?」
カイト「大砲だろうと何だろうと肛門にぶち込んでやる。さっさと吐け!」
「・・・そ、そいつは全身黒ずくめの男だった」
カイト「そうか、わかった」
カイト「黒ずくめ・・・まさか、奴じゃないだろうな」
ザッ
カイト「・・・やはりお前だったか」
ユート「・・・」
カイト「理由は何だ」
ユート「それは言えない」
カイト「何故だ」
ユート「これは俺の問題なんだ。だから」
カイト「違うな。ここはハートランド・・・俺達の管轄だ」
ユート「・・・」
カイト「理由を言え」
ユート「あるホモビデオを探している」
カイト「ホモビデオを?」
ユート「俺たちと共に修羅場をくぐり抜けた男がたった1度の過ちで出てしまったホモビデオだ」
カイト「・・・訳を聞かせろ」
ユート「かつてレジスタンスには三浦という知将が居た」
カイト「・・・」
ユート「三浦はレジスタンスの資金を稼ぐために己の身を差し出した・・・そのホモビデオが」
カイト「この街に流出し戸川組が所持していると」
ユート「多分な」
カイト「その三浦は?」
ユート「俺や隼と同年代の鈴木と木村という2人のデュエリストを庇い凶弾によって倒れたよ」
カイト「・・・」
ユート「変な話をしてしまったな。すまない」
カイト「・・・」
ユート「しかし見つからないものだ。事務所を二つほど潰したというのに」
カイト「手入れ」
ユート「手入れ?」
カイト「南ハートランド署がハートランドに構える戸川組や竜神会の事務所を数日前に手入れした」
ユート「という事は」
カイト「もしあるとすれば南ハートランド署の署内に三浦のホモビデオがあるかもしれない」
ユート「どうだカイト」
カイト「後丁寧にシールが貼ってある。ヤクザの癖にマメな奴らだ」
ユート「三浦・・・これで、あなたも成仏できる」
カイト「良かったな」
ユート「今更だが元気そうで良かったよ」
カイト「半年ぶりの再会になるか」
ユート「そんなに経つのか・・・」
カイト「・・・」
ユート「・・・」
「誰だそこに居るのは!」
カイト「逃げるぞ」
ユート「あ、ああ」
カイト「追う側の俺達が追われる側になるなんてな」
ユート「たまにはいいんじゃないか?」
カイト「・・・そうだな」
カイト「・・・」
ユート「・・・」
カイト「・・・巻いたか?」
ユート「おそらく」
カイト「そうか」
ユート「ありがとうカイト」
カイト「どうりでわからんはずだ。こいつはこの世界も住人ではないからな」
ユート「どうした?」
カイト「黒咲は居ないのか」
ユート「いや」
カイト「あいつ笑ってるか?」
ユート「時々暴れ回っているが元気だぞ」
カイト「あいつらは」
ユート「あの2人か?彼らも元気だ」
カイト「・・・そうか」
ユート「君は彼らが本当に好きなんだな」
数日後
シャーク「何だ呼び出して?」
Ⅳ「何かあったのか?」
カイト「遊馬とアストラルの抜けた穴は大きい」
Ⅳ「今更か?それをカバーすんのが俺らじゃねえのか」
カイト「遊馬以上のデュエルの腕とアストラル並のキレ者が居たら・・・どうする」
シャーク「遊馬レベルなら結構居るじゃねえか」
Ⅳ「アストラル並のキレ者はカイトじゃねえか」
カイト「俺は案外熱くなりやすい。あいつは上手くカバーできる」
シャーク「・・・それって」
カイト「そいつは腕っ節もある。だがナイーブで温和すぎる性格だ」
Ⅳ「頓知やってんじゃねえんだ!さっさと答えを言えよ」
カイト「出て来い」
シャーク「嘘だろ・・・」
Ⅳ「お前・・・」
ユート「久しぶりだな」
カイト「国際デュエル警察に出向した遊馬の後任はこいつだ」
ユート「代わりが無く元気そうで」
シャーク「てめえ!」
ユート「な、何だ」
シャーク「驚かせやがって!来てるなら連絡しろってんだ!!」
ユート「すまない・・・」
シャーク「ユートが居るって事は・・・あいつも」
カイト「居ない」
シャーク「居ねえのか・・・」
Ⅳ「ビシッとしろよ。お前は本当にいつ見ても元気を失った遊馬みてえな顔してんな」
シャーク「絶望の遊馬ってとこだろ」
ユート「何で毎回会うたびに根暗扱いされるんだ・・・」
『未亡人Ⅰ ハートランドに舞い降りた熟女』に続く
カイト「名医だと?」
Ⅳ「何だそりゃ」
ベクター「小耳に挟んだ情報じゃサウスタウンって街から来たんだとよ」
アリト「男か?女か?」
ミザエル「どっちでもいいだろ」
アリト「良くねえよ!どっちなんだ!?」
ベクター「年齢は39歳」
アリト「おお!」
ベクター「おっぱいがデカい美人で未亡人だとよ。何でも6年前に旦那が死んでるとか」
アリト「おお!!」
ベクター「ちなみに子供は居ねえそうだ」
アリト「おお!!!」
シャーク「うるせえな、こいつは」
アリト「行こうぜ!見学しによ!」
シャーク「どうするよ」
カイト「どっちでもいいぞ。俺は」
アリト「楽しみだな!生きる元気の源っていうかよ?なあ!」
ミザエル「少しは黙れないのか」
ベクター「メラグが暇そうにしてたぜ」
Ⅳ「あ?か、関係ねえだろ」
ベクター「数年先にはナッシュの義弟ってか?」
Ⅳ「まだ何もねえだろ!付き合ってもねえ!」
シャーク「吠えてんじゃねえぞ!うるせえんだよ!」
アリト「おいユート!お前ももっと近くに来いよ」
ユート「あ、ああ」
カイト「・・・」
ユート「どうかしたのか?」
カイト「3日後にこの街で国際首脳会議があるのは知っているな」
シャーク「それがどうかしたってのか?」
カイト「この時期に他所から引っ越してくる・・・妙だとは思わないか」
シャーク「お得意の推理か?てめえは名探偵にでもなったつもりかよ」
カイト「いいから聞け」
ベクター「いいじゃねえかよ。話してみろって」
カイト「この地球上の中心都市がこのハートランドなのは知ってるな」
シャーク「んな事は常識じゃねえか」
アリト「早く行こうぜ!」
ベクター「その国際首脳会議は過激派組織・黒の義勇軍が狙ってるって噂だろ?お前も噂を信じる質なんだな」
カイト「首脳会議には当然のように俺の親父も出席するからな」
ミザエル「黒の義勇軍?何だそれは」
Ⅳ「世界各地で爆破テロを起こしてやがる頭のおかしいテロリストってやつだ。何でも元は」
カイト「エクシーズ反対派のデュエリストらによって誕生した組織だ。それが時の流れと共に爆破テロを行う外道に成り下がった」
シャーク「チッ、時代について行けねえ集団じゃねえか!しかもエクシーズのイメージカラーを組織名にしやがって!」
ミザエル「その女医と何の関係があるんだ」
カイト「黒の義勇軍の一員なのかもしれないな」
シャーク「そいつは考えすぎじゃねえか」
カイト「だといいがな」
アリト「おーい!早くしようぜ!!」
ユート「君は本当に明るいな、遊馬みたいだ」
アリト「仕方ねえだろ!見てえんだから」
ユート「ああ」
アリト「ここか?」
ベクター「ここだ」
アリト「何か病気とか怪我しねえかな」
ミザエル「お前にはアンポンタン病という立派な病があるだろ」
アリト「あ?喧嘩売ってんのか!?」
アキ「ちょっと、うるさいわよ!病院の前で」
アリト「ヤッホー!!」
Ⅳ「た、確かに凄えわ・・・なあ?」
ユート「情報通のベクターの言う通りだ・・・」
シャーク「黒の義勇軍・・・じゃねえのか!?」
アキ「な、何!?」
Ⅳ「落ち着け凌牙!お前は本当に血の気が荒いっていうか何っつうか」
シャーク「てめえもじゃねえか!最近やけに大人しくなりやがって!!」
ベクター「恋しちゃったのォ」
Ⅳ「うるせえぞ!パカパカ口開きやがって!!」
カイト「名は」
アキ「十六夜アキ」
カイト「だったらデュエルしろ。もし黒の義勇軍なら俺は街を守るため、女でも容赦せんぞ」
ユート「エクシーズ次元にも十五夜ナツというAV女優が居てな」
アリト「似てんのか?」
ユート「少し違う」
アリト「違うのか・・・」
アキ「先攻は私から、ドロー!」
アキ「私はローンファイア・ブロッサムを攻撃表示で召喚!そしてローンファイア・ブロッサムをリリースしデッキから姫葵マリーナを特殊召喚!」
アキ「カードを2枚伏せて、ターンエンド!」
ミザエル「どうだカイト」
カイト「まだ何とも言えん・・・だからこそ見極める!ドロー!!」
カイト「魔法『フォトン・サンクチュアリ』を発動!フォトントークン2体を特殊召喚!」
カイト「そしてフォトントークン2体をリリースしフォトン・カイザーをアドバンス召喚!フォトン・カイザーが召喚に成功した事でデッキから2体目のフォトン・カイザーを特殊召喚!」
カイト「さらに魔法『銀河遠征』を発動!デッキから銀河眼の光子竜を特殊召喚!」
カイト「レベル8の銀河眼の光子竜とフォトン・カイザー2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!超銀河眼の光子龍!!」
シャーク「最初からフルスロットルだな、あいつ」
カイト「ターンエンド」
ミザエル「何か考えがあるのか?攻撃を仕掛けないとは」
カイト「勝ち負けではない。炙り出す事が目的だ・・・黒の義勇軍の一員なら関係は無いがな」
アキ「私のターンコピー・プラントを攻撃表示で召喚!」
アキ「コピー・プラントの効果で姫葵マリーナと同じレベルに変更!」
アキ「レベル8の姫葵マリーナとコピー・プラントでオーバーレイ!エクシーズ召喚!森羅の守神アルセイ!!」
ベクター「おっとこいつは」
ミザエル「どうやら疑惑は解けたようだな」
カイト「黒の義勇軍ならば決してエクシーズは使わん・・・連中は古い思想に取り憑かれた亡霊らしいからな」
アリト「んな事はどうだっていいぜ!」
ユート「どうでもは良くないと俺は思うが」
ミザエル「さあカイト」
カイト「・・・しかし、この女の眼は何だ?何か思いつめているような」
シャーク「おいカイト!」
ユート「しかし遊馬は改めて考えると偉大だな」
ユート「一癖も二癖もある彼らを纏めているのだから」
ベクター「なーにデュエルの腕だけなら遊馬より上だぜ。あいつとやりあった俺やカイト、ナッシュが言ってんだから」
Ⅳ「気合は負けてけどな」
ユート「・・・」
アキ「私が黒の義勇軍?」
ミザエル「だと思ったが違うようだ。そうだなカイト」
カイト「ああ」
ミザエル「何か腑に落ちない事でもあるのか?」
カイト「・・・この写真は」
アキ「触らないで!」
カイト「・・・」
アリト「セクハラすんなよ」
カイト「俺は写真立ての写真を見ていただけだ」
アリト「怪我した時はここに来ればいいんだよな?」
アキ「ええ」
アリト「やったぜ!」
カイト「・・・」
ミザエル「待てカイト!」
ユート「カイト!」
シャーク「ほっときゃいいのによ。2人揃って」
Ⅳ「薄情なのもあれだけどな」
ミザエル「何だと言うんだ?カイト」
カイト「あの女が黒の義勇軍の一員ではない事はわかった。だが・・・」
ミザエル「だが?」
カイト「あの女の瞳の奥にはもっと重大な何かを秘めている感じがする」
ミザエル「それは」
カイト「知らん」
ミザエル「単なる思い過ごしだと私は思うが」
カイト「・・・」
ユート「未亡人・・・だとベクターは言っていたが」
カイト「サウスタウンの出身者か」
ミザエル「妙な粗探しはやめてやれ」
カイト「珍しいな、他人に無関心なお前が十六夜アキの肩を持つとは」
ミザエル「そういうわけではない」
カイト「感情に流されていては捜査はできんぞ」
ミザエル「貴様!」
ユート「やめてくれミザエル」
ミザエル「・・・」
翌日
カイト「サウスタウン・・・」カタカタ
ユート「・・・」
カイト「わざわざ俺の部屋に来てなんだ?見張っているのか」
ユート「何を調べてるんだ」
カイト「未亡人という理由が引っかかってな」
ユート「そんなの旦那さんが亡くなったから」
カイト「こいつを見ろ」
ユート「誰だ?この科学者は」
カイト「あの写真に写っていた男だ。十中八九こいつが十六夜アキの旦那」
ユート「・・・まさか君は彼女が旦那さんを殺害したと思っているのか?そんなバカな!」
カイト「たった1度会っただけで信用できるのか?あいつを」
ユート「君は非情すぎる・・・病死あるいは不慮の」
カイト「この科学者は実験中の事故で死んだ。ニュースでもやっていたな」
ユート「知り合いなのか?」
カイト「知り合いではないが有名な男だ」
ユート「まさか事故の裏に彼女が絡んでいるとでも!?」
カイト「根拠はないが調べているだけだ。2度も3度も言わせるな」
ユート「君の頭脳は確かに優秀だ・・・しかしな!」
カイト「あの眼は何かを秘めている・・・必ずな」
ユート「カイト!」
カイト「用が済んだら帰れ」
ユート「俺は無実だと信じる!俺だけじゃない・・・凌牙達だって!!」
カイト「どっちでもいい。ただ真実を知りたいだけだ」
ユート「それがもし彼女を傷つける事だったら・・・」
カイト「その時はその時だ」
ユート「だったら勝手にしてくれ!」
カイト「もうすぐ国際首脳会議だ。怪しい奴が居たら注意しろ」
ユート「今の俺には黒の義勇軍より君の方が極悪人に見えるぞ」
カイト「・・・」カタカタ
ユート「くっ・・・」
『未亡人Ⅱ 疑惑の熟女』に続く
シャーク「放っておけよ。あいつは病気なんだよ」
ユート「凌牙!」
シャーク「調べ上げて違ってたら野郎が赤っ恥かくだけだろ」
ユート「・・・」
シャーク「そのカイトは」
ユート「自室に篭っていたが」
シャーク「だったら動き出してるかもな」
ユート「サウスタウンに飛んだというのか?だが遠いぞ」
シャーク「あいつの家にギャラクシーアイズ・ジェットってとんでもねえ自家用ジェット機があるんだよ。あれがあれば1時間もかからねえだろ」
ユート「俺は・・・彼女本人に聞いてくる」
シャーク「ユート!」
ユート「・・・」
シャーク「あんまり深入りすんなよ」
ユート「・・・君はどっちだと思う」
シャーク「どっちだっていいぜ。まあ白だと思うけどよ」
ユート「それを聞いて安心したよ凌牙」
シャーク「あいつもカイトもよくのめり込めるよな・・・」
カイト「ここが十六夜アキらの自宅だった場所か」
「ええ」
カイト「科学者は実験中の事故で死んだと」
「突然の爆発でしてね・・・」
カイト「女房の方は?」
「ちょうど買い物に出ていて助かったと」
カイト「・・・」
「あなたもドクターを疑っているのですか?」
カイト「少しな」
「実は地元警察も疑っているのですよ。彼女がやったのではないかって」
カイト「というのは」
「若い頃の彼女は札付きのワルでしてね。旦那さんと出会って更正したとか」
カイト「・・・」
「それに科学者が亡くなる前日に激しく言い争う声が聞こえましたよ」
カイト「前科持ちだったのか」
「ええ」
カイト「・・・」
ユート「失礼します」
アキ「あらいらっしゃい。どうかしたの?」
ユート「・・・」
アキ「?」
ユート「カイトはあなたを疑っています」
アキ「カイト?あのコートを着た変な髪型の」
ユート「ええ」
アキ「何故?」
ユート「そ、それは」
アキ「ひょっとして、この」
ユート「・・・まあ」
アキ「前に住んでた場所でも言われたわ。私が夫を殺したって」
ユート「・・・」
アキ「ここにも居場所は無いようね・・・迫害されて、そして」
ユート「俺はやっていないと信じています」
アキ「そう・・・ありがとう」
ユート「違う。この人は何にもやってない。絶対に」
カイト「16歳の時に暴走集団ブラックローズを率いて地元警察との大抗争の末に鑑別所送りか」
「彼女の暴れっぷりと言えば長年勤務をしている我々の間でも語り草ですよ」
カイト「疑っているのか?」
「私はこれと言って・・・あ、そう言えば」
カイト「どうした?」
「見た事も無い連中が捜査を引き継いでましたね。我々地元警察を追い出して」
カイト「科学者・・・あの男が何の実験をしていたのか知っているか?」
「私達には何も、あっと驚く物がもうすぐ完成だって言ってましたね。物静かでしたが心の優しい人でしてね・・・」
カイト「・・・」
「あなたはどうして十六夜アキをそこまで」
カイト「真実だ」
「真実?」
カイト「どうやら戻って、本人から直接聞く必要があるな。世話をかけたな」
「あ、はい」
カイト「札付きのワルと言われた女が隠している真実・・・か」
シャーク「帰って来たのか?早えなジェット機は」
カイト「ああ」
シャーク「どっちだ」
カイト「何がだ」
シャーク「あ?十六夜アキだよ」
カイト「まだ真実を俺は知らない」
シャーク「てめえはどう思ってんだ?」
カイト「俺か?」
シャーク「ああ」
カイト「どっちでもいいだろ」
シャーク「良くはねえだろ!人の一生がかかってるかもしれねえんだから!」
カイト「・・・」
シャーク「もし白だったらどうすんだ!責任取れんのか!!」
カイト「その時は謝罪する」
シャーク「謝罪で済めばいいけどな。少しは他人の気持ちってのを考えろ!」
カイト「・・・」
カイト「邪魔するぞ」
ユート「カイト」
カイト「単刀直入に聞く。お前の夫は何の実験をしていた」
アキ「・・・」
カイト「それは人に言えないような悪魔の」
アキ「違う!」
カイト「・・・」
アキ「あの人のやっていた実験は世の中のための実験だった・・・」
カイト「その実験とは何だ」
アキ「デュエルニウムよ」
カイト「デュエルニウム?あのプルトニウムの数十倍の力を持つやつか」
アキ「ええ・・・」
カイト「聞かせろ。何があった・・・こいつは実験の事故とは思えん」
ユート「もういいだろカイト!」
カイト「言え!」
アキ「・・・あれは亡くなる前日の夜だった」
アキ「何処からか実験を知った連中からの脅迫を受けた」
カイト「・・・」
アキ「私は警察に届けようと言ったがあの人はダメだって言った。理由はわからないわ」
カイト「言えば、お前の命は無い。とでも言われたんじゃないか?」
アキ「・・・」
カイト「死んだ男はお前を守るために実験内容と自分自身を吹き飛ばした・・・俺はそう思う」
アキ「どうして」
カイト「大切な者を守るためなら人は鬼でも悪魔にでもなる・・・そして自分の命を捨ててでも傷つけてもな」
アキ「・・・」
カイト「どんな奴でも結局はそんなものだ。自己を犠牲にしてでも助けたいって事だろ」
ユート「その脅迫した奴らは一体」
カイト「デュエルニウムは新エネルギーになると言われているが・・・世間ではデュエルニウムは危険な代物だと思われている」
ユート「・・・」
カイト「戦時中に使用されたデュエルニウム爆弾の悲劇をお前は知っているか?あの破壊力を」
ユート「いや」
カイト「こっちの次元では2度使われているそうだ。最も俺達が生まれる遥か大昔の話だがな」
カイト「疑って悪かったな。すまない」
アキ「いいのよ別に、私も昔は疑われるような悪い事してたからね」
カイト「一つ約束してくれ」
アキ「?」
カイト「俺は嫌悪されても構わん。だがなユートらを嫌いにならないでやってくれ」
ユート「・・・」
アキ「・・・」
カイト「そして俺達は傷だらけになる傾向がある。迷惑はかけると思うが」
アキ「私は医者よ、怪我人も病人も歓迎よ」
カイト「ああ・・・そうだったな」
ユート「カイト」
カイト「邪魔したな」
ユート「悪かったなカイト」
カイト「普通の奴なら俺のやり方には怒りを覚えるだろ」
ユート「いや俺は」
カイト「帰るぞ」
カイト「・・・」
ユート「・・・」
シャーク「仲直りしてんのか?早えな、こいつらは」
カイト「・・・」
ユート「・・・」
シャーク「な、何だよ」
ユート「家の前でずっと見張ってたな」
シャーク「知らねえ」
カイト「居ただろ。お前」
シャーク「居ねえよ!」
カイト「・・・」
ユート「・・・」
シャーク「何だその眼は!」
カイト「お前も中々のお人好しだからな」
ユート「口は悪いが根は」
シャーク「うるせえ!少しは黙りやがれ!!」
数日後
ユート「今日は、えーっと」
シャーク「国際首脳会議があるから身回ろうぜ」
Ⅳ「好きだよな、お前らも」
アリト「仕方ねえだろ?俺ら警察より役に立ってんだから」
ギラグ「そこいらのSPより俺らの方が強いぜ」
Ⅲ「デュエリストだもんね」
ミザエル「カイトは?」
シャーク「カイト!何処行った!?」
Ⅳ「遅刻じゃねえか?」
ユート「カイトでも遅刻するんだな」
シャーク「弛んでじゃねえか?あの野郎は!」
『未亡人Ⅲ 爆破60分前の熟女』に続く
カイト「それは何だ」
アキ「小包よ」
カイト「見ればわかる・・・何なんだこれは」
ゴソゴソ
アキ「車のラジコン模型?」
カイト「触るな!」
アキ「!?」
「御機嫌ようハートランドのデュエリスト諸君」
カイト「何故ここがわかった」
「最近の君達の溜まり場は専ら、ここだと調べはついていてね」
カイト「こいつはラジコン爆弾・・・ラジコン爆弾と言えば過激派・黒の義勇軍」
「この街の支配者であるDr.フェイカーの御子息である君に頼みたい」
カイト「国際首脳会議のある会場まで案内しろという事か?断ると言ったら」
「そのラジコン爆弾で吹き飛ばす。その爆弾の威力はここの診療所から近隣全土まで吹き飛ぶ威力だ」
カイト「わかった。迎えを寄越せ」
「ありがとう」
カイト「面倒な事になったな・・・」
シャーク「邪魔するぜ」
アキ「・・・」
シャーク「カイトは」
アキ「さ、さあ」
シャーク「・・・」
アリト「居ねえのか?何だってんだ」
ギラグ「模型だ」
アキ「触らないで!」
ギラグ「お、おう」
ベクター「ナッシュ」
シャーク「小型マイクとカメラ・・・」
Ⅳ「こいつは」
ユート「それなら仕方がない。外へ出ようか」
シャーク「そうだな」
ベクター「邪魔したな!」
ユート「様子が変だったな」
シャーク「あのラジコンは爆弾だ」
アリト「爆弾!?」
シャーク「カイトはあそこに居た。絶対にな」
ギラグ「わかるのか?」
シャーク「仁義だ」
アリト「仁義?」
シャーク「ああ」
Ⅳ「じゃあ何で嘘ついてんだ」
ベクター「爆弾の威力は知らねえが派手に吹き飛ぶだろうぜ」
シャーク「敵の目的が国際首脳会議だったらフェイカーの息子のカイトを狙うのが筋だ」
アリト「殺されちまったってのか!?」
シャーク「いやカイトを通じて各国首脳を殺る気だ」
Ⅳ「どうするよ凌牙」
シャーク「カイトと女医は俺らにとっちゃ人質みてえなもんだ。嗅ぎつけられないように」
Ⅳ「ユートの奴は先に行っちまったぞ」
シャーク「あの新米・・・勝手に動きやがって!俺らもやるぞ!!」
カイト「目的は何だ」
「各国首脳を殺害しエクシーズ召喚という召喚法を無くすのだ!そして我々が」
カイト「もういい」
「さっさと案内しろ」
カイト「一つ聞きたい」
「どうした」
カイト「革命の先には何があるんだ」
「我々の勝利」
カイト「お前は、いやお前たちは相当頭が鈍いようだな」
「こいつ!」
カイト「その古臭い頭で考えてみろ。お前達のやっている事の無意味さを」
「案内しろ!無駄口を叩くな!」
カイト「この街で俺達に喧嘩を吹っかけるとは愚かな連中達だ」
「・・・」
カイト「爆弾より派手なデュエリストが大勢居るという事を忘れるな」
「ここだな」
カイト「ああ」
ガチャッ
Ⅴ「・・・」
「だ、誰も居ない!?」
「首脳達は」
カイト「よく気がついたなクリス」
Ⅴ「礼なら凌牙に言うんだな」
「だ、騙したのか」
カイト「知るか、他の連中は」
Ⅴ「どうせ彼らが無茶苦茶にしてるだろう。うちのⅣも凌牙も血の気が多いからな」
カイト「ああ」
「くっ」
カイト「観念しろ。お前達の負けだ」
Ⅴ「あまり派手にやるんじゃないぞ」
カイト「わかっている」
シャーク「いっちょ上がりだぜ!」
Ⅳ「ああ・・・わかった」
シャーク「何だって?」
Ⅳ「あっちも終わったとよ」
アリト「やったぜ!」
ユート「ああ」
シャーク「これで首脳会議もとんとん拍子で進むだろうぜ」
Ⅳ「そういや何か忘れてんだよな」
シャーク「忘れてる?何を」
ユート「爆弾」
アリト「それじゃねえか!」
シャーク「こっちの始末は任せたぞ!ユート、Ⅳついて来い」
Ⅳ「誰に命令してんだ!」
ユート「放置なんてしておいたらドカンだぞ」
シャーク「当たり前じゃねえか!」
Ⅳ「誰が解体すんだ!」
シャーク「知らねえよ!!」
シャーク「大丈夫か!」
カイト「どうした?」
シャーク「どうしたじゃねえだろ。爆弾は」
カイト「解体しておいた」
ユート「先に解体しておけば」
カイト「すれば近隣一帯が吹き飛んでいたらしいからな」
シャーク「って言ってもあと1時間は残ってたな」
カイト「ああ」
シャーク「黒の義勇軍なんだろ」
カイト「ああ」
シャーク「何か言ってたか?」
カイト「自分達は末端の兵士だとか言っていたが」
シャーク「チッ」
ユート「だったら頭は」
カイト「まだ引っ付いたままだ。最も次は容赦せんがな」
シャーク「どういう事だ」
カイト「俺たちのようなガキに舐められちゃ革命なんぞできんだろ」
カイト「どうだ」
アキ「どうって?」
カイト「いや爆弾で死ぬ気でもあったか、どうか聞こうと思ってな」
アキ「どうして?」
シャーク「こういうのって定番だからよ」
ユート「後追い自殺的な」
アキ「そんなのするわけないでしょ」
シャーク「・・・」
カイト「それと一つ言い忘れていた。ようこそハートランドへ」
シャーク「俺達は熟女には優しいんだぜ」
ユート「よろしく」
アキ「ええ!」
ユート「これにて一件落着だな」
カイト「しばらくはな」
シャーク「そう、しばらくは」
カイト「しかし良くわかったな」
シャーク「何が?」
カイト「俺の危機だ」
シャーク「付き合い長えんだから仕方ねえだろ」
カイト「いや仕方ないは理由にならん」
シャーク「チッ」
ユート「絆じゃないか」
シャーク「誰の」
ユート「君たち2人の」
カイト「気色悪い言い方はやめろ」
シャーク「俺らはホモか」
ユート「すまない」
カイト「・・・」
シャーク「たまにイラっとする事を言いやがるな。お前は」
ユート「・・・」
数日後
シャーク「こいつらが先日脱獄した連続糞爆破テロの」
ドルべ「糞山、ゲリ、ブリブリットニ、スカトロスキー、便盛々」
ベクター「どいつもこいつも一気に脱獄しやがってよ」
ミザエル「目的は何だ?」
ドルべ「糞テロだろうな」
ギラグ「そりゃそうだろうぜ」
璃緒「大変よ!現糞輸送車が襲撃されたわよ!」
シャーク「やっぱり来やがったか!!」
『群青色のデュエリスト バリアン七皇を統べる者』に続く
シャーク「現糞輸送車の糞の量は」
ドルべ「6t程らしい」
ミザエル「糞テロを発生させる気なのか」
シャーク「間違いねえよ」
ギラグ「連中の潜伏先がわかれば簡単なんだがよ」
カイト「邪魔するぞ」
シャーク「聞いたかよカイト!」
カイト「糞の5人組は前々から広域指定暴力団の針尾組と密接な関係にある」
シャーク「針尾の事務所だな!」
カイト「まだ決まったわけじゃない」
シャーク「ぬか喜びさせやがって、何の用だよ」
カイト「頼まれていた新兵器が完成したぞ、バリアンの秘密メカだ」
ミザエル「完成したのか」
カイト「ついて来い」
アリト「しかしカイトの頭の良さと手先の器用さは神がかり的だよな」
ギラグ「科学者の息子だからじゃね?」
アリト「そりゃそうか」
カイト「こいつだ」
ミザエル「これが」
カイト「名はバリブルーン」
シャーク「バリブルーン・・・誰が乗る」
ミザエル「どうやらバリブルーンは私を求めているようだ」
ドルべ「ちょっと待て」
ミザエル「どうした」
ドルべ「何故ミザエルが」
ミザエル「だからバリブルーンが私を」
ドルべ「飛行機なんだから私に譲っても問題は無いだろ?違うのか!?」
璃緒「やめなさいドルべ」
ドルべ「こうやってサブリーダーの地位が徐々に遠ざかって行くんだな」
シャーク「武のミザエルと智のドルべの二枚看板だって言ってんじゃねえかよ」
アリト「いじけんじゃねえ!」
ギラグ「運動神経悪いんだから、こういう乗り物は無理じゃね?やめとけやめとけ」
ドルべ「くっ・・・いつか返り咲いてやる」
ミザエル「何て眼をしているんだ・・・」
ミザエル「こちらミザエルだ。どうするナッシュ」
シャーク「針尾の事務所にミサイルぶち込んでやれ」
ベクター「あらら~!過激だねナッシュ」
シャーク「ヤクザ者ってのは俺らツッパリを何かと目の仇にしやがるからな」
アリト「それに針尾組を叩き潰せば他のヤクザ連中だってビビるだろうぜ」
ギラグ「糞の5人組は死刑確定だしな」
シャーク「戸川組、竜神会、梶田組、響組、黒姫興業それに針尾組」
璃緒「発達した街だからか極道がよく集まって来ますわ」
シャーク「こっちにはバリブルーンがある!目に者を見せてやろうぜ!!」
ベクター「下手すりゃ過激派の黒の義勇軍の仕業だと思い込んでヤクザと過激派の全面戦争になるかもしれねえしよ」
シャーク「共倒れだ。って事だよなドルべ?」
ドルべ「あ、ああ」
璃緒「でも派手にやれば警察だって」
シャーク「俺はバリアン七皇のトップ!警察だろうが何だろうが誰にも口出しはさせねえ!」
シャーク「ぶっ放せミザエル!」
ミザエル「了解!」
シャーク「フハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
翌日
Ⅳ「針尾組の事務所が大爆発か、怪我人が大勢に死者は0だってよ」
シャーク「チッ」
Ⅳ「ヤクザと死刑囚だけあって頑丈な肉体してんだな」
シャーク「てめえ新聞読めんだな」
Ⅳ「あ?喧嘩売ってんのか」
シャーク「最近てめえが璃緒と密会してるってアリトの奴がポロっと吐いてくれてよ」
Ⅳ「だから何だ」
シャーク「誰の許可で妹に手を出してんだ!この野郎」
Ⅳ「許可?兄貴の許可が居るってのか?俺は弟の揉め事に口出しはしねえぞ」
シャーク「妹と弟じゃな・・・天と地ほどの差があんだよ!!」
Ⅳ「て、てめえ!いきなり殴りかかってくる奴があるか!」
シャーク「うるせえ!」
Ⅳ「聞け凌牙!俺は別に」
シャーク「ヤンキー舐めんなよ!」
Ⅳ「いってえな・・・喧嘩の数ならこっちだって負けはしねえんだ・・・海外の喧嘩ってのを見せてやるよ!」
シャーク「Ⅳ!ぶっ殺してやるよ!」
ミザエル「空のパトロール中に見かけたんだが」
Ⅴ「これは酷いな・・・」
ミザエル「凄惨な現場だろ?私も驚いている」
Ⅴ「これは千首領街の名産品ではないか」
ミザエル「千首領街?何だそれは」
Ⅴ「ここから遠く離れた場所にある古き良き街並みを残している場所だ」
ミザエル「・・・しかし酷いな」
Ⅴ「千首領街では年に1度か2度観光客が行方不明になるそうだ」
ミザエル「それとこれと関係があるのか?」
Ⅴ「わからん。だが遺体の主は千首領街に観光に行ったのだろうな・・・」
ミザエル「・・・」
Ⅴ「被害者は絞殺された上に頭を斧で割られている・・・まるで獣のような奴だ」
ミザエル「ならば街の何処かに殺人犯が!」
Ⅴ「それはわからない。もしかしたら遺体の主を追い千首領街からやって来ただけで帰ったかもしれない」
ミザエル「・・・」
Ⅴ「私は弟達を連れて千首領街へ行く。この街はカイトと七皇それにルーキーのユートに任せた」
Ⅳ「凌牙の野郎・・・全力でぶん殴りやがって」
Ⅲ「喧嘩するほど仲が良いって事ですよ」
ドンッ
Ⅳ「悪い」
「こちらこそ」
Ⅳ「ん?おっさん!財布落としたぜ!」
「あ、すんません」
Ⅳ「いい歳して財布に名前札ぶら下げてんのか?望月か」
「おふくろに良く言われましてね。もう、ずっと子供の頃に」
Ⅲ「望月って十五夜のお月様ですよね?月って名のつく人には特別な意味合いがあるのですよねⅣ兄様」
Ⅳ「この街の人間にしちゃ地味な格好だぜ」
「いや俺は千首領街から用事を済ませに」
Ⅳ「あの田舎臭いとこか」
「それじゃ」
Ⅲ「失礼な物言いしすぎですよ。歳上の人に」
Ⅳ「獣みたいな目つきしてんな、あいつ」
Ⅲ「?」
Ⅳ「何でもねえよ」
シャーク「相談だ?誰の」
璃緒「凌牙のよ・・・」
シャーク「俺の相談をⅣに!?ふざけんなよ!」
璃緒「ふざけてないわ!」
シャーク「言ってみろよ。何か」
璃緒「・・・近親相姦よ」
シャーク「は?」
ドルべ「こら!そう言うのはダメだと言ってるじゃないか!!」
ギラグ「うるせえぞ!」
ドルべ「・・・」
シャーク「意味がわからねえよ・・・とりあえずⅣと璃緒に何もねえってわかったから別にいいか」
『赤い拳闘士 三つの十字架』に続く
アリト「おーっす」
ユート「何だ君か」
アリト「何だはねえだろ!」
ユート「・・・」
アリト「何だよ、ボケっとして」
ユート「張り込みだ」
アリト「ふふふ・・・張り込みってお前」
ユート「・・・」
アリト「睨むな睨むな!俺も手伝ってやんよ!」
ユート「すまない」
アリト「遊馬なら5秒で突入する事をこいつは・・・」
ユート「・・・」
アリト「そういやアストラルっぽい時もあるよな。1人ゼアルってか?まあ遊馬以上でアストラル並なら」
ユート「どうかしたのか?」
アリト「何でもねえよ」
アリト「誰が居るんだ?あのアパートに」
ユート「針尾組のチンピラだ」
アリト「チンピラ?殴りこもうぜ」
ユート「アパートなんだから他の住民に迷惑がかかるぞ」
アリト「関係なくねえか?何でまた針尾の奴を」
ユート「遊馬の友人の太一がカツアゲされた」
アリト「太一・・・だったら尚更ぶん殴ってやろうぜ!」
ユート「あまり騒ぎを大きくしない方がいい。針尾組だって先の凌牙らの襲撃で苛立ってるんだ」
アリト「ぶっ潰せばいいんだよ!」
ユート「なるべく争いは起きない方がいいと俺は思っている」
アリト「ふーん」
ユート「・・・」
アリト「お前は本当に何っつうか穏やかっつうのか、な?」
ユート「そうか?」
アリト「遊馬と一緒で仏系男子ってやつだな」
ユート「よくわからないが・・・」
アリト「したらカイトの奴あの診療所の手伝いしてんだよ」
ユート「そうなのか?」
アリト「カイトなりの罪滅ぼしなんじゃねえかな?あいつは口下手だけど筋は通すタイプだから」
ユート「・・・」
アリト「それにカイトは母ちゃん居ねえから歳上の女には敬意を払うんだろな。ドロワのババアがいい例だぜ」
ユート「彼は優しいからな」
アリト「カイトはカイトで色んな者背負ってるからな・・・」
ユート「過去の所業ってやつか?」
アリト「らしいぜ。あいつやナッシュはそれを十字架だって言ってる」
ユート「・・・」
璃緒「あ、買い物サボって!」
アリト「やっべ」
ユート「今日はめかしこんでるな。デートか?」
璃緒「違うわよ」
アリト「Ⅳの純情を弄んだ。悪女よ悪女」
璃緒「・・・」
アリト「す、すんません」
ユート「三好直人弁護士?」
璃緒「凌牙が度々お世話になってるのよ」
ユート「彼は札付きのワルだからな」
アリト「・・・面白え話してやろうか」
ユート「ああ」
アリト「こいつはナッシュから聞いたんだけどよ。ナッシュが1年の頃だ」
ユート「・・・」
アリト「その時の学園の頭がナッシュを袋にしたんだそうだ。可哀想にナッシュは太ももを刺されちまってよ」
ユート「太ももを?」
璃緒「今でも両の太ももに傷跡があるのよ」
ユート「それで」
アリト「そこで終わるナッシュじゃねえ1人ずつ闇討ちしてボコボコにしたらしくてな・・・頭なんて悲惨なもんだったらしいぜ」
ユート「・・・」
アリト「頭のドス奪い取ってな。こう手を重ね合わさせて地面に突き刺したんだ。動けねえだろ?そうなっちまったら」
ユート「あ、ああ」
アリト「そこから相手が血だるまになるまで蹴り続けたんだとよ。怖えだろ?頭は前歯全部イかれちまうし以来ビビって引き篭もってるってよ」
ユート「・・・」
璃緒「そんな悪魔のような凌牙を弁護して下さったのが三好弁護士よ。凌牙は反抗的だけどね」
ユート「・・・」
璃緒「って話よ」
アリト「驚いたろ」
ユート「そういう問題じゃないぞ!」
アリト「メラグも大変だよな」
ユート「近親相姦は反対だぞ」
璃緒「!?」
ユート「あまりにも人道に反してる!」
璃緒「でも!」
ユート「いい加減にするんだ!近親相姦をしていいのは神様ぐらいだぞ!」
璃緒「そんなのユートには関係無いでしょ!」
ユート「考え直すんだ。君は錯乱してるぞ」
「ヤバっ」
アリト「針尾のチンピラが逃げたぞ!」
ユート「とりあえず口論は後にしよう!待て!!」
「いつも御協力感謝します!」
ユート「どうも」
璃緒「さっきの続きよ」
ユート「君は何というか・・・わかるだろ」
璃緒「人それぞれよ。石頭ね」
ユート「石頭・・・俺は石頭じゃないぞ」
璃緒「いいえ石頭よ!」
ユート「くっ・・・」
アリト「やべえな、喧嘩勃発じゃねえか」
璃緒「・・・」
ユート「・・・」
アリト「ユート!いいじゃねえか?ナッシュとメラグって兄妹にしとくには勿体ねえんだぞ!」
ユート「倫理的な問題だ」
アリト「メラグ!」
璃緒「アリトは黙っていなさい」
アリト「・・・」
璃緒「くっ」→0
ユート「・・・」
アリト「久しぶりに見たな真紅眼幻影騎士団」
璃緒「もう1度!」
ユート「えぇ・・・」
璃緒「何度でもやるわ!」
ユート「落ち着いてくれ」
璃緒「こうでもしなければストレス発散ができませんわ!」
アリト「ただでさえ問題児だらけの七皇の面倒見てんもんな」
璃緒「誰が1番の問題児」
アリト「お、俺」
璃緒「さあ!」
ユート「・・・わかった。何度でもやろう!」
アリト「メラグ!夕飯は誰が作るんだよ!」
璃緒「少し黙って!」
アリト「お、おう!」
「それじゃまた」
シャーク「チッ」
ギラグ「誰よ、あいつ」
シャーク「三好だよ。三好直人」
ドルべ「あの法曹界の大御所が君の面倒を見てくれてるなんてな」
シャーク「余計なお世話だぜ」
ドルべ「そう言うな。心配してくれてる大人が居るって幸せな事だぞ」
シャーク「うるせえぜ!バリドリーンに乗れねえ奴は黙ってろ!!」
ドルべ「・・・」
シャーク「あ、悪りい」
ドルべ「ついに本音が出たな・・・」
シャーク「ネチネチ言うなよ。お前は智将なんだからよ」
ドルべ「私が腕っ節が弱いから気を使ってるんじゃないのか?ナッシュ・・・」
ベクター「ユートが針尾のとこのチンピラ引っ張ってたぞ」
ギラグ「それどころじゃねえよ」
ベクター「何やってんだ?あれ」
ギラグ「トサカにきちまったんだよ。とうとうな」
ユート「・・・」
璃緒「・・・」
アリト「腹減ったよ!なあメラグ!」
璃緒「・・・」
ユート「辞めにしよう」
璃緒「・・・そうね」
アリト「やったぜ!」
ユート「そう言えば君がご飯を」
璃緒「誰も作らないから」
ユート「苦労してるんだな」
アリト「そうでもねえさ」
ユート「さっきの十字架の話だが」
アリト「ん?」
ユート「遊馬の十字架は」
アリト「カイトとナッシュの十字架かが遊馬の十字架だぜ」
ユート「そうか・・・」
シャーク「もうすぐ璃緒帰って来るからよ。機嫌治せよな」
ドルべ「・・・」
ベクター「見ろよナッシュ」
アリト「おーい!」
シャーク「ユート・・・!」
ギラグ「おいナッシュ」
シャーク「ユート!」
ユート「な、何だ!?」
シャーク「今度はてめえが璃緒に手を出してんのか!?アァン!?」
ユート「違う違う!」
シャーク「紳士ぶってる野郎が1番怪しいんだよ!ちょっと来い」
璃緒「ちょっと2人とも」
ベクター「放っておけよ男同士なんだから」
アリト「拳と拳のぶつかり合いで理解できるってもんだぜ」
璃緒「・・・」
『女教師Ⅰ ハートランド学園の卒業生 』に続く
カイト「遊馬の学園に?」
ユート「新しく着任するそうだ。先生が」
カイト「そうか」
ユート「決闘庵の木像・・・」
六十郎「左様」
ユート「この2体のモンスターは特に雰囲気が違う」
六十郎「フレイム・ウィングマンとネオス・・・」
ユート「・・・知ってるかカイト」
カイト「ハートランド学園を卒業した男のモンスター達だったな」
六十郎「その男は遊馬のような男じゃった。一つ違うところは天才だったという事かのう」
ユート「天才」
六十郎「デュエルの腕は天下一品じゃったぞ」
ユート「その男は今」
六十郎「卒業と共に消息不明・・・今も何処かでデュエルでもしているのであろう」
ユート「遊馬のような男で天才とは」
六十郎「勉学は苦手でもデュエルは天才的」
ユート「そういう事か・・・」
ユート「君は学校に行かないのか?」
カイト「放っておけ」
ユート「尋ね人の写真か」
カイト「行き先を告げる事なく消える奴が居るような御時世だからな」
ユート「枕田ジュンコ・・・10年前から行方がわからないか」
アリト「おーい!大変だぞ!!」
カイト「どうせ着任した教師がお前好みだとかだろ」
アリト「さすが!」
ユート「君のパターンは何となく把握できるからな」
アリト「へへへ」
カイト「熟女か?人妻か?」
アリト「脚の綺麗な金髪の巨乳」
カイト「そう来たか」
アリト「歳は24だっけな?興味あるか?ねえよなカイトは」
カイト「無いな」
アリト「だったら聞くなよ、お前ってマジで硬派だよな。だから女にモテねえんじゃねえの?」
カイト「お前に関係無い」
アリト「そういやナッシュが言ってたけどよ、お前ドロワのおばちゃんに惚れられてたんだって?」
カイト「ああ」
アリト「何で」
カイト「知るか」
ユート「俺が思うにドロワの趣味がそういう怪しい方向なんだと思っている」
アリト「ふーん」
カイト「あれで俺の一つ上だ」
アリト「エイプリルフールには早えぞ?まだまだ春は先だってのに!」
カイト「あいつゴーシュのマネージャーになってから老け込んだからな」
ユート「元は」
カイト「二十代後半」
ユート「今は」
カイト「三十代後半」
ユート「実年齢は」
カイト「19」
ユート「それは嘘だ」
アリト「大嘘だな」
アリト「ゴーシュは少年って感じするけど、ドロワはどう考えたって」
ユート「カイトが童顔だから相対的に見て老けている可能性だってあるぞ」
アリト「そりゃねえよ。じゃあドロワが制服着てみろよ」
ユート「AVだな」
アリト「だろ?AVなんだよ・・・AV女優もやってっけどさ」
カイト「偽熟女のドロワと本物の熟女の遊馬の母じゃ雲泥の差がある」
アリト「遊馬の母ちゃんには負ける・・・アキさんは出ねえのか?ハンパねえだろ」
ユート「君は仲が良かったな。例の黒の義勇軍の一件から」
カイト「日給1000円」
アリト「ヤってんの」
カイト「お前は璃緒に教えられないのか?ちゃんとした男女交際があってこその」
アリト「だったらソープはどうなんだ!」
カイト「それは俺の管轄外だ」
ユート「理想のカップルだな。君の言ってる事は」
アリト「お前もナッシュもあいつらの事が好きだったもんな・・・遊馬達は」
カイト「デュエリストじゃない小鳥は相応しくない。俺と凌牙は断固反対するぞ」
ユート「小鳥の未来には強大な壁が二つもそびえ立ってるな・・・」
カイト「大体小鳥はデュエルのセンスはかなりある。それをフライパン頼りで攻撃するのは何故か理解できん」
アリト「デュエリストじゃねえのに何で頑丈なんよ?」
ユート「デュエルの知識もある」
カイト「遊馬の幼馴染だから自然と頑丈になっていくんだろ」
アリト「ミザエルも言ってたな。自分のエネルギー弾を喰らってピンピンしてたのは小鳥ぐらいだと」
カイト「ただ遊馬は一つだけ許せない事があるそうだ」
ユート「許せない事?」
カイト「小鳥の髪型は側頭部のリボンで作られてると子供の頃から信じていたらしい」
ユート「違うのか?」
カイト「元からの髪型だそうだ」
アリト「あ、あの変な髪型が元から!?嘘だろ!」
カイト「事実だ。あの奇妙奇天烈な髪型は元々らしい」
ユート「あんな変な髪型が・・・ありえない」
カイト「そういう嘘が許さないんだろ遊馬は」
ユート「・・・」
アリト「嘘はいけねえよ嘘は」
アリト「失礼するぜ」
ユート「この人が」
アリト「何たって学園の卒業生らしいぜ」
明日香「あなたが天城カイトくんね」
カイト「ああ」
明日香「街を守る三本柱の内、たった1人で行動する頭脳派」
アリト「三本柱?俺らとⅢら・・・そういやカイトは1人で行動してんもんな」
明日香「デュエルよ」
カイト「いいだろう」
アリト「お前よぉ~ズルくねえか?デュエルの相手がおっぱいばっかで、ズリいだろ」
カイト「そんなこと俺が知るか」
アリト「ロクな死に方しねえぞ!」
カイト「見苦しい嫉妬はやめろ」
アリト「メラグのぺったんこ見てる俺の身にもなれってんだ!」
ユート「可愛いだろ璃緒」
アリト「可愛いけど貧相すぎんだろ?何っつうかよ」
ユート「リチュア・・・儀式使いとは珍しい」
アリト「儀式次元とかあんのか?青い服着たパンチパーマのユージとか」
ユート「そいつは居ないと思う」
カイト「悪いが俺は負けるわけにはいかんのだ」
明日香「その理由は!」
カイト「遊馬が俺を負かすまでは誰にだって負ける気はしない」
明日香「さすがは天城カイトくん・・・」
アリト「精神年齢60歳前後らしいぞ」
カイト「余計なことを言うな」
アリト「家で盆栽育ててるって顔してんだろ?そういう男なんだよ」
明日香「・・・そうなの」
カイト「俺が育てるとしたら紅茶の葉だ」
アリト「育ててんのか!?お前ん家って金持ちだもんな」
カイト「育てるとしたらの話だ」
明日香「・・・」
カイト「銀河眼の光子竜皇で攻撃!!」
カイト「理由を聞かせろ」
明日香「あなたの力を借りたい」
カイト「俺の力を?」
明日香「10年前に行方不明になった友人を探してほしい」
カイト「・・・」
ユート「ひょっとして尋ね人の張り紙の」
明日香「彼女の名は枕田ジュンコ」
アリト「枕田ジュンコ!?」
カイト「知り合いか」
アリト「この学校で化けて出る女子生徒の霊だって遊馬が昔言ってたな」
明日香「・・・」
カイト「言っておくが10年前に行方不明になってるなら死んでるぞ」
ユート「カイト!」
明日香「覚悟はできてるわ。何故消えたのか・・・知りたい」
ユート「家出とかじゃないのか?」
カイト「アリトが言う枕田ジュンコの霊・・・もし事実なら学園内で死んだか殺されたかの2択だ」
ユート「君は霊を信じるのか?」
カイト「俺は幾度となく死んでるからな。そういうのは信じる質だ」
カイト「・・・」
ユート「君は調べるのが好きだな」
カイト「明日香が言うには最後に目撃したのは帰り道で別れたところ・・・」
ユート「・・・」
「その事件なら覚えてるよ」
カイト「何?」
「我々としても連続誘拐殺人事件の一つとして取り扱ったんだけどねえ・・・」
カイト「何だそれは?」
「ん?10年前に起きた事件だよ。少女達が誘拐された時には必ず赤のフェアレディが付近で止まってるって」
カイト「そこまで知りながら何故?」
「それがプツリと消えてしまったんだ」
カイト「このリストに乗ってるのが容疑者候補だった連中か」
ユート「何かわかったのか」
カイト「いいやサッパリだ」
ユート「そうか・・・」
カイト「この中の誰かが連続誘拐殺人事件の犯人か。そして人知れず誘拐殺人を起こす方法を思いついた殺人鬼だ」
翌日
アリト「ハートランド学園の七不思議の一つが顔切り魔」
ギラグ「お前そういうの好きだよな」
ミザエル「それは何だ?」
アリト「何でも顔を切りつけるんだとよ。女限定に」
アンナ「お、脅かすんじゃねえよ」
アリト「心配すんなよ。アンナは雌ゴリラだから」
アンナ「てめえ!」
ドルべ「女の子に失礼だぞ。だから君はモテないんだ」
アリト「そいつは悪かったな!ナンバー3!」
ベクター「ケケケ」
ドルべ「わ、笑うな!」
アリト「その霊は死ぬほどしつこいらしくてよ。切れなかったら追っかけ回してくるそうだぜ」
『女教師Ⅱ 墓場から来た女』に続く
カイト「こいつが数日前発見された身元不明者の複顏模型だ」
シャーク「ふーん・・・知らねえや」
ユート「白骨遺体だったんだろ?」
カイト「ああ」
ユート「他には何か」
カイト「わからん」
シャーク「わかんねえのかよ」
カイト「・・・これは学園の生徒手帳だな」
シャーク「それがどうしたよ」
カイト「10年前に在籍していた生徒のようだな」
シャーク「てめえが嗅ぎ回ってるってあれか?」
カイト「さあな」
シャーク「それがどうしたよ」
カイト「一緒に埋まってた」
シャーク「まあ頑張れよ」
カイト「何処へ行く」
シャーク「てめえから貰った容疑者候補だった連中の中に針尾の奴が居た。今は幹部様だとよ」
明日香「夜の学校って不気味ね」
カイト「おい」
明日香「!?」
カイト「何をやってるんだ」
明日香「宿直よ。あなたは」
カイト「調べ物を」
明日香「ジュンコ?」
カイト「10年前に消えた生徒は何人居る」
明日香「何人って言われてもね・・・確か」
「3人」
明日香「3人だったはずだけど、ジュンコ含めてね・・・大騒ぎだったなぁ」
カイト「誰か居るぞ」
明日香「え?」
カイト「俺たち以外に居る」
明日香「だ、誰が」
カイト「そんなこと俺が知るか」
シャーク「おい!てめえに一つ聞いておくぞ。10年前に殺したな!!」
「し、知らねえよ!」
シャーク「と呆けてんじゃねえ!正直に言いやがれ!!」
「本当に何も知らねえ!」
シャーク「嘘ついてんじゃねえ!!」
ユート「やめるんだ凌牙」
シャーク「だったら何で容疑者候補だったんだ」
「さ、さあ」
シャーク「その人を舐め腐った眼はなんだ・・・何か知ってんな!!」
「・・・」
シャーク「ギタギタにしてでも吐かせてやるよ!こっち来い!」
ユート「凌牙」
シャーク「こいつは絶対に何か知ってやがる。後始末は任せたぞ」
ユート「そんな無茶苦茶な!」
シャーク「この街でシャークに上等こいた奴は死あるのみだぜ」
カイト「本当に居るのか?霊が」
キラッ
明日香「危ない!」
ガッ
カイト「どうやら霊でも何でも無いな・・・剃刀か?」
「フーフー」
明日香「顔切り魔・・・」
カイト「何だそれは」
明日香「アリトくん達が話してたのよ、七不思議って」
カイト「お前の時代にはあったのか?顔切り魔の噂は」
明日香「・・・あった。私が3年の頃にそういう噂が」
カイト「顔切り魔は女・・・そうだな」
明日香「え、ええ」
カイト「だったら出鱈目だな」
明日香「どういう事?」
カイト「こいつは女じゃない。男だ!」
カイト「酷い顔だな、焼け爛れている」
明日香「うっ・・・」
カイト「答えろ。顔切り魔」
「フヘヘヘヘ」
カイト「・・・気が狂ってるのか?」
明日香「そ、それ!」
カイト「何だ」
明日香「腰にぶら下げてるの・・・」
カイト「これか?沢山あるが」
明日香「一つはジュンコのよ・・・」
カイト「枕田ジュンコ・・・そうか、人知れず連続殺人を起こしているのではなかったのか」
明日香「ど、どういう意味?」
カイト「こいつは完全に気が狂っている。理由はわからんがな」
明日香「・・・」
カイト「これで解決って事になるのか」
シャーク「お、居たな。やっとわかったぜ」
カイト「もう片はついた」
シャーク「片付いたのかよ」
カイト「ああ」
ユート「誰だったんだ」
カイト「そいつは完全に気が狂っていた」
ユート「何故」
カイト「呪いなのか、それとも」
シャーク「呪い?」
カイト「大勢の人間を殺してきたんだ、顔切り魔を知っているな」
シャーク「あの七不思議の」
カイト「そいつが犯人だった。女装したな」
シャーク「何年も前から潜伏してたんだな・・・気味が悪いぜ」
ユート「・・・」
カイト「死より残酷な気狂い・・・被害者の念が殺人鬼を顔切り魔に仕立て上げたのだろう」
シャーク「なあ顔切り魔って顔が焼け爛れてたんじゃねえか?」
カイト「ああ」
シャーク「さっきボコボコにした奴がポロっと言っててな」
カイト「・・・」
ユート「かなり強制的な吐かせかただったが」
シャーク「何か知り合いが妙な夢見始めて頭がおかしくなって顔面を焼いちまったんだとよ」
カイト「そいつが顔切り魔だな」
シャーク「確かそいつの名前は」
カイト「もういい」
シャーク「聞かなくてもいいのか」
カイト「いいだろ。これ以上はな」
ユート「・・・」
シャーク「そいつは裁かれることも無く終わってくんだろな・・・」
カイト「あの精神状態では無理だろう」
ユート「何とも後味の悪い事件だったな・・・」
翌日
アリト「昨日は大変だったんだろ?先生」
明日香「うん」
アリト「酷な話だよな。何っつうか」
明日香「ううん長年の謎も片付いたし私は・・・」
ギラグ「もういいじゃねえか」
ミザエル「蒸し返すのもあれだろ」
アリト「そ、そうだな」
明日香「ほら席について!」
ベクター「だとよ。先生怒ってんぜ」
アリト「はいはい」
ドルべ「君は大人になった方がいいぞ」
アリト「うるせえな」
ドルべ「うるさいとは何だ!」
アリト「すっかりキレやすくなっちまってるぜ」
カイト「ここが奴の寝ぐらか、相当散らかってるな」
ユート「・・・」
カイト「特に目星証拠品は無いが」
ユート「何だこれは」
カイト「手斧だ」
ユート「血がこびり付いている」
カイト「かなり古いものだな。千首領街と刻んである」
ユート「千首領街?」
カイト「クリス達が向かった街だ」
ユート「こ、この斧で」
カイト「知らんな」
ユート「・・・」
カイト「3人か・・・誰の声だったのだろうな」
ユート「?」
カイト「いや俺の話だ」
その日病院の屋上から顔切り魔は転落死した
『女教師Ⅲ 無銭飲食の教え子』に続く
太一「本当にやってないんだって!」
カイト「・・・」
太一「何で俺が無銭飲食なんて・・・何で俺が!」
カイト「落ち着け」
太一「で、でも!」
ユート「彼は」
カイト「遊馬の同級生だ」
シャーク「いつもドジ踏む可哀想な野郎でよ」
太一「助けて!このままじゃ俺・・・」
カイト「こいつがドジを踏む原因は」
シャーク「徳之助」
カイト「あの陰険眼鏡か」
シャーク「ああ」
カイト「だったらそいつを叩くか」
シャーク「それしかねえだろ」
徳之助「知らないウラ!」
カイト「知らんそうだ」
シャーク「あ?知らねえ?どの口が言ってんだ!アァン!?」
徳之助「こ、今回だけは違うウラ」
カイト「違うそうだ」
シャーク「こいつは全部ウソでできてっからよ・・・なあ徳之助?」
徳之助「・・・」
シャーク「さっさと言えよ。てめえがやったんだろ!」
ユート「違うと言ってるんだ。信じよう」
シャーク「温いな・・・お前も」
ユート「彼は遊馬が更生させたんだろ。だったら」
シャーク「こいつは何やったって平気な顔して悪事働くんだよ!」
徳之助「へ、偏見ウラ!」
シャーク「偏見じゃねえだろ!ちょっと来いよチビザル!!」
徳之助「ウラアアアアアアアアア」
カイト「・・・」
カイト「そういうわけだ」
明日香「は?どういう意味よ!」
カイト「太一が無銭飲食で捕まり徳之助が影で糸を引いているそうだ」
明日香「うちの学園の生徒が・・・まさかそんな」
カイト「まだ何とも言えんがな」
明日香「会ってくるわ」
カイト「誰に」
明日香「太一くんと徳之助くんに」
カイト「やめておけ」
明日香「何故!」
カイト「こいつは俺達の仕事だ。教師なら大人しく待っていろ」
明日香「自分の教え子が」
カイト「それにお前はかつての友人の件もあるだろ」
明日香「だったとしても引き下がれない!」
カイト「だったら勝手にしろ」
カイト「確かに太一は飯代を払わずに」
「はい」
カイト「いきなり店から飛び出して走り出したと」
「そうでしたね。確か」
カイト「こいつは一緒だったか?」
「あ、この子も一緒でしたね」
カイト「こいつは」
「先に出ちゃいましたね」
カイト「性根の腐った徳之助なら太一を言いくるめ飯代を払わせるまでの魂胆は読めた・・・だが」
ユート「どうだ進展は」
カイト「特に無いが」
ユート「無いのか」
カイト「凌牙は」
ユート「徳之助を散々、殴りつけてたが」
カイト「奴は日頃の行いが悪い。自業自得だ」
ユート「しかしな」
カイト「それに徳之助には何の情も沸かん」
ユート「遊馬の友達だと言うのに」
カイト「・・・もう1人居たな」
ユート「もう1人?」
カイト「孝」
ユート「誰だ?」
カイト「遊馬達が委員長と呼んでる奴だ」
ユート「あの坊ちゃん刈りの」
カイト「知らなかったのか?」
ユート「彼は地味だから」
カイト「徳之助の次にセコい手を使うのは孝」
ユート「あんな地味な男が」
カイト「可能性はある」
ユート「だったら早くしないと」
カイト「どうせ凌牙が向かってるだろ。嫌ってるからな奴らの事を」
ユート「恐ろしい男だ・・・」
カイト「・・・」
ユート「先生・・・」
明日香「どうなの?」
カイト「犯人候補は2人居る。徳之助と孝だ」
明日香「ふーん」
カイト「まさかと思うが生徒がやったわけじゃないと」
明日香「等々力くんよ。やったのは」
カイト「何?」
ユート「どうやって」
明日香「ボロボロの徳之助くんを保護したら吐いてくれたわ」
カイト「徳之助の嘘かもしれんぞ。あいつは嘘つきの達人だ」
明日香「友達を売っても?」
カイト「徳之助の手口を何度か俺も凌牙も目撃した。あいつは更生不可のタイプだ」
明日香「・・・そう思うの?」
カイト「ああ」
ユート「・・・」
太一「そうそう!委員長がエクシーズチラつかせてさ俺も欲しいから勢いよく走り出したら」
シャーク「オラ!てめえはどんだけドジなんだ!?金払ってから店出ろよ!」
太一「主人も警察も凄い剣幕だったから・・・つい」
シャーク「ったくよ。遊馬が心配する理由もわかるぜ」
明日香「ほらね」
カイト「孝は」
シャーク「あいつなら太一と入れ替わりで檻の中よ」
カイト「・・・」
徳之助「だ、だから言ったウラ!俺じゃないって」
カイト「・・・」
徳之助「ど、土下座するウラ!」
カイト「太一を使う遊びは誰が考えた」
徳之助「な、何の話かサッパリ・・・ウラ」
カイト「嘘をつくな、全て吐き出せ」
徳之助「・・・俺」
カイト「やはりお前だったのか、いつまでたっても進歩のない奴だな」
ユート「君はどうして太一を目の敵に」
徳之助「は、反応が面白いウラ」
シャーク「遊馬は海外、鉄男は入院中・・・ナンバーズクラブはダメダメだな」
ユート「あの眉毛の無い女の子は」
カイト「あんな色物が纏める力を持ってると思うのか?」
シャーク「あいつが喋ってる姿を見たことがねえ」
徳之助「ふんウラ」
カイト「どうだ」
明日香「何が」
カイト「これがハートランドの生徒達だ」
明日香「確かに変わり者が多い気がする」
カイト「凌牙のような大物から徳之助のような小物まで千差万別に集まっている。妙な奴がな」
シャーク「俺が大物?珍しいじゃねえか、褒めるなんて」
カイト「撤回するミザエルが大物だ」
シャーク「撤回してんじゃねえぞ!」
明日香「いつの間にか変な街になったのね・・・」
カイト「すぐに慣れる。そうだろユート」
ユート「あ、ああ」
シャーク「慣れねえのか?」
ユート「・・・慣れてるぞ」
シャーク「何で目が泳いでんだよ」
カイト「困った事があれば誰かに聞け・・・と言っても故郷だったな」
明日香「昔は変な人って言っても語尾にザウルスやドンをつける子ぐらいだったのに」
カイト「そいつは今」
明日香「ホモビ男優に堕ちたわ」
シャーク「ハートランド育ちの恥晒しだぜ」
カイト「まあ頑張れ」
明日香「あの子って上から目線よね」
ユート「謙虚なカイトは逆に嫌だが」
シャーク「あれがカイトスタイルって事だろうぜ」
数日後
Ⅴ「望月根治?」
「前科3犯の男でして、この街じゃ有名ですよ」
Ⅲ「Ⅳ兄様!」
Ⅳ「あ?」
Ⅲ「望月!」
Ⅳ「望月・・・あのおっさんか!」
Ⅴ「知り合いか?」
Ⅲ「この前すれ違ったのですよ。僕とⅣ兄様が」
Ⅳ「俺の手で必ず探し出してやるぜ・・・待ってろよ殺人鬼!!」
『魔物』に続く
Ⅴ「最初の犯罪は僅か9歳の時だ。自分の住む家の両隣の老夫婦を手斧で虐殺した」
Ⅳ「そんなのが出てんのか!?シャバに」
Ⅴ「何でも20まで施設暮らしだったらしい」
Ⅳ「イかれてやがる・・・」
Ⅴ「そのとき行われた精神鑑定では責任能力はあるが些細な事で憤慨し爆発する型そして人間としての憐みの心が全くない凶悪犯にありがちなタイプを同時に併せ持っているそうだ」
Ⅲ「施設に出た後も暴力沙汰で2回捕まってますね」
Ⅴ「知られていないだけで、何人もの人間が犠牲になっている」
Ⅳ「じゃあハートランドで起こった惨殺も」
Ⅴ「逃げた獲物を追いかけた望月が行ったんだろう」
Ⅳ「何処に住んでんだ」
Ⅴ「どこですか?お巡りさん」
「うちでもあまり関わりたくはないのですよ。あいつには」
Ⅳ「ビビんなよ、戦えよ!俺らは連続殺人鬼よりもヤバい奴らと」
Ⅴ「無茶を言うな」
Ⅲ「みんながみんな、僕達と同じ特殊な力を持っていないのですから」
Ⅳ「・・・」
ゴンゴン
「はい?」
Ⅳ「てめえは川田だな」
「え、ええ」
Ⅳ「望月の仕事仲間で特に親しいらしいな」
「誰ですか?」
Ⅴ「南ハートランド署の刑事だ」
Ⅲ「刑事です」
Ⅳ「いくら田舎だからって通じるのかよ?」
「でもこの人ってプロデュエリストの」
Ⅳ「ほらバレてるじゃねえか」
Ⅴ「よく似た男だ。望月の事について聞きたいのだが」
Ⅳ「野郎は殺人鬼だ」
「さ、殺人鬼!?そんなバカな!」
Ⅴ「・・・上がらせてもらうぞ」
Ⅲ「お邪魔します」
Ⅳ「窓の外見ても田んぼに山・・・都会暮らしの俺には見慣れない光景だぜ」
「・・・」
Ⅳ「田舎のくせに綺麗な姉ちゃんも居るんだな。少し雰囲気が璃緒っぽい」
Ⅴ「Ⅳ」
Ⅳ「悪りい悪りい」
Ⅲ「あれ?手斧ですよね」
「触るな!」
Ⅴ「この手斧は大切な物なのか?そういえば望月の最初の事件も手斧だったと資料に記載されていたな」
「・・・」
Ⅴ「望月を捕らえるにも証拠が不十分だ。だから」
「・・・あの人は獣だ。入れる檻なんて何処にも無い」
Ⅲ「・・・」
「あの人が言ってた。自分と対等に渡り合える奴が違い内に来るって・・・そこの顔に傷のある刑事が来るって」
Ⅳ「マジで刑事って信じてるぞ」
Ⅲ「シッ」
Ⅴ「聞かせてもらおうか、君と望月の関係を」
「絞殺して手斧で頭を割る・・・これは望月さんが教えてくれた事だ」
Ⅴ「何故」
「決まってるだろ!完全に息の根を止めるためだよ!!」
Ⅴ「・・・」
「それが手段なんだ。どうせ狙うなら観光客がいい・・・足がつかねえもん」
Ⅳ「てめえ・・・どういう脳みそしてんだ!!」
Ⅲ「Ⅳ兄様!」
Ⅴ「言いたい事はわかった。お前もまた連続殺人鬼だな」
「何とでも言えばいいよ」
Ⅴ「望月は」
「・・・後ろ」
Ⅲ「い、いつの間に!」
Ⅳ「避けろ兄貴!」
「一気に3人!バラバラに刻んでやる!」
Ⅳ「バラバラにされる前にぶっ飛ばしてやるよ!」
「狭い・・・部屋が狭いぞ!」
Ⅳ「何て眼してやがるんだ・・・こいつは」
Ⅴ「Ⅲ!川田が逃げたぞ!」
Ⅲ「地元警察と協力して追いかけます!」
「やっぱりあんたか!来ると思ったよ。ようこそ千首領街へ」
Ⅳ「来たくて来たわけじゃねえよ」
「あんたら兄弟か?」
Ⅳ「ああ」
「あんたは次男?」
Ⅳ「それがどうした」
「ククク・・・そうか、次男か」
Ⅳ「何笑ってんだよ」
「もう1人居るんじゃないか?四兄弟とか」
Ⅳ「アークライトは3兄弟なんだよ」
「そうかいそうかい。3兄弟ね・・・」
Ⅳ「来るなら来いよ。プロの喧嘩ってのを見せてやるよ」
「いいよな兄弟って」
Ⅳ「ブツブツ言ってんなよ!おっさん」
「身なりも良いしね・・・お坊ちゃんだろ?」
Ⅳ「この野郎・・・」
Ⅴ「油断するなⅣ」
「ずーっと一緒だったんだろ?ずーっと」
Ⅳ「それが何だ」
「俺ら田舎者には考えられない暮らしをしてそうだ・・・次男の坊ちゃん」
Ⅳ「俺はⅣだ。テレビ見たことねえのか?」
「降参」
Ⅳ「は?」
「降参するよ。勝てそうに無いから」
Ⅳ「からかってんのか!」
「ほら連行しなよ。極東チャンピオン」
Ⅳ「やっぱ知ってんじゃねえか・・・この野郎!」
Ⅴ「Ⅳ!」
Ⅳ「連行する前にしこたまぶん殴って半殺しにしてやんよ!止めんじゃねえぞ兄貴!」
Ⅲ「という訳なので手配してください」
「わかりました!」
署長「困りますな、勝手な事をされちゃ」
Ⅲ「ですが千首領街には最低でも望月と川田って2人の殺人鬼が」
署長「・・・」
Ⅲ「わかってくれますか?」
署長「・・・果たして2人だけなのでしょうかね」
Ⅲ「え?」
署長「この街は呪われている。もう何年も前から」
Ⅲ「それはどういう意味ですか?」
署長「手斧ですよ、ハートランドの刑事さん」
Ⅲ「手斧?」
署長「この街では手斧による惨殺事件が年に2度は発生していましてね」
Ⅲ「年に2度・・・」
署長「決まって手斧による事件なのですよ」
Ⅲ「どうなっているんだ。この街は」
「さっさと歩け!」
「御協力感謝いたします」
Ⅴ「いえハートランドで発生した事件なので」
「おーいⅣ」
Ⅳ「気安く呼ぶんじゃねえよ」
「忘れるなよ。88発だ」
Ⅳ「何言ってんだ」
「お前に殴られ蹴られた回数だよ。プロなら覚えないと」
Ⅳ「だから何だってんだ?脱獄してでもやり返すってか!?」
Ⅴ「挑発はやめろⅣ」
「脱獄?いいね脱獄・・・」
Ⅳ「どうせ死刑確定だ。檻の中で残り少ねえ人生を満喫してろよ!殺人鬼にはお似合いのファンサービスだぜ!!フハハハハハハハハハハ」
Ⅴ「・・・」
「じゃあね」
Ⅴ「これが連続殺人鬼・望月根治との最初の出会いだった」
翌日
Ⅲ「川田だけは逃走したままですね」
Ⅴ「ああ」
Ⅳ「とりあえず川田を捕まえたらハートランドに帰ろうぜ。ここは空気が悪すぎる」
Ⅲ「そういえば昨日、署長さんが気になる事を言ってましたよ」
Ⅴ「気になる事?」
Ⅲ「この街では手斧による事件が年に2度は発生してるとか」
Ⅴ「手斧?他の凶器ではなく手斧で?」
Ⅲ「はい」
Ⅴ「望月も川田も手斧・・・手斧か」
Ⅲ「不気味ですよね」
Ⅳ「どうだっていいぜ」
Ⅴ「どうでもは良くないだろ」
Ⅲ「何処へ?」
Ⅳ「パトロールだよ。川田の奴を捕まえて、さっさと帰ろうぜ」
Ⅳ「プロデュエリストのⅣが女子中学生にフられる・・・何だこの記事!?」
Ⅳ「ダチの妹の近親相姦の悩み聞いてただけで、何で記事になってんだよ・・・ふざけんなよ」
Ⅳ「ったくよ・・・何だこりゃ?」
Ⅳ「おいおい下着かよ・・・結構デカいな。アンナに比べりゃ小せえ・・・いや同じぐらいか?」
Ⅳ「ドロワ並・・・か?アキや明日香はランク12だから置いといて」
「都会人が下着泥棒をしているぞ!」
「これだから都会は信用できねえ!」
「袋叩きにしちまえ!」
Ⅳ「こんなクソ田舎で下着泥棒の容疑をかけられてたまっかよ!」
「あんた紳士じゃなかったのかよ!」
「見損なったぞ!」
Ⅳ「いつの頃からか本性が赤裸々に晒されちまってるぜ・・・どうなってんだよ」
『ある出逢い』に続く
「大変ですよ!」
Ⅲ「どうしたのですか?」
「Ⅳさんが街の人達に捕まって」
Ⅲ「ついにやりましたね」
Ⅴ「やると思ったよⅣなら」
「極東チャンピオンで刑事さんなのにですか?」
Ⅴ「ビッグ3」
「ビッグ3・・・?」
Ⅲ「一匹狼の天城カイト、バリアン七皇を率いる神代凌牙そして僕たち3兄弟」
Ⅴ「そのビッグ3の中でも中心人物がカイトと凌牙それに弟のⅣ」
「そんな中心人物がどうして」
Ⅴ「同時に問題児トリオなんだ」
Ⅲ「Ⅳ兄様は一体どんな罪で」
「下着泥棒です」
Ⅴ「なるほど下着泥棒か」
Ⅲ「重罪ですね・・・」
Ⅲ「どうします?」
Ⅴ「行くしか」
瑠那「お久しぶりⅤ」
Ⅴ「君は瑠那か?」
瑠那「ええ」
Ⅲ「誰です?」
Ⅴ「Ⅲはまだ小さかったからな。Dr.フェイカーの助手の1人だ」
Ⅲ「Dr.フェイカーの?そういう趣味ありそうですもんね」
Ⅴ「Ⅲ」
Ⅲ「つい本音が」
Ⅴ「君がこの街に居るなんて」
瑠那「調査の一環でね。あなた達は」
Ⅴ「連続殺人鬼の望月根治を追って」
瑠那「新聞に乗ってた?まさかあなた達が」
Ⅴ「ああ」
Ⅲ「何たって刑事ですもんね」
瑠那「Dr.フェイカーやカイトは」
Ⅴ「みんな元気だ」
Ⅲ「色々ありましたけどね」
瑠那「そう・・・」
「あ、あの」
Ⅴ「そうだ!すっかり忘れていた」
瑠那「何かあったの?」
Ⅴ「うちの弟が」
Ⅲ「極東チャンピオンなのですよ」
瑠那「まさか極東チャンピオンのⅣ!?」
Ⅲ「罪状は下着泥棒」
Ⅴ「いい歳して下着泥棒なんだ・・・」
瑠那「そういえば私のブラが1着」
Ⅴ「いくら君でも弟に濡れ衣をかけるのは許さないぞ」
瑠那「いえ私は別に」
Ⅴ「Ⅳに確認をとってくるか」
Ⅳ「来てくれたか兄貴」
Ⅴ「下着を盗んだそうだな」
Ⅳ「盗んだんじゃねえよ。拾ったんだ」
Ⅴ「そういうのを盗んだと言うんだ!」
Ⅳ「少しは信じろよ!!」
Ⅴ「馬鹿者!」
バシッ
Ⅳ「何しやがんだ!」
Ⅴ「今のは死んだ母様の分だと思え!」
Ⅳ「・・・」
瑠那「下着って黒っぽい?」
Ⅳ「おう」
瑠那「私のよ・・・」
Ⅴ「Ⅳ!」
Ⅳ「だから俺じゃねえって言ってんだろ!」
Ⅴ「連続殺人鬼を追って遥々未開の地に訪れたというのに・・・お前は下着泥棒とは」
Ⅳ「だからしてねえって言ってんだろ!」
「大変です!」
Ⅲ「どうかされましたか!?」
Ⅳ「よく走る巡査だな」
「川田が見つかりました!」
Ⅴ「川田が?何処で」
「それが女子中学生を人質に中学校で立て籠もってます!」
Ⅳ「あのイカレ野郎!」
Ⅴ「Ⅳのお仕置は後にしてだ」
Ⅳ「必要ねえだろ!」
Ⅲ「凶悪犯・望月を捕らえた矢先に・・・」
Ⅳ「いい加減にしろよ。っつうか、てめえのか!?なあ!」
瑠那「そうよ」
Ⅳ「ちゃんと管理しろよ!俺が疑われちまってるじゃねえか!!」
瑠那「全て風が悪いのよ。それと拾ったあなたが」
Ⅳ「生意気な女だな!女ってのは全員こんなのか!?ええ!」
Ⅲ「まあまあ」
「この!何もかんもお終いだ!!」
Ⅲ「錯乱してますね」
Ⅳ「元々なんかおかしかったろ」
Ⅴ「・・・」ゴソゴソ
Ⅲ「一体何を」
Ⅴ「狙撃しよう」
Ⅳ「そ、狙撃!?」
Ⅴ「一発で撃ち落とす」
Ⅲ「なるべく脚にしてあげてください。殺人鬼でも人間なのですから」
Ⅳ「本気か」
Ⅴ「ちゃんとライセンスは所持している」
Ⅲ「20歳になると拳銃の所持が許可されますからね。勿論、ライセンスは必要ですが」
Ⅴ「川田!罪を償うなら今だぞ!」
「やかましい!!」
Ⅴ「ならば撃たねばならないな」
バァンッ
「」
Ⅴ「撃たれた勢いで落下するとは」
Ⅳ「殺人鬼に人権はねえよ」
Ⅲ「これで千首領街の2人の殺人鬼は片付きましたね」
Ⅴ「ああ」
Ⅳ「どんぐらい居たんだ?」
Ⅴ「一週間ぐらいか」
Ⅳ「どうりでハートランドが恋しいわけだぜ」
Ⅲ「では早速身支度をしましょうか」
瑠那「下着は?」
Ⅴ「すっかり忘れていた」
Ⅳ「蒸し返してんじゃねえよ。返せばいいんだろ!」
Ⅲ「・・・」
Ⅳ「何だよその眼は」
Ⅲ「いえ」
Ⅳ「どうなってんだ。うちの兄貴と弟は」
Ⅳ「・・・あれ」
Ⅴ「どうした」
Ⅳ「何処やったんだ?おかしいな・・・ねえぞ」
瑠那「無くしちゃった!?まさか」
Ⅴ「食べてないだろうな」
Ⅳ「食わねえよ!」
Ⅲ「弁償ですね」
Ⅳ「しなきゃいけねえのか?」
瑠那「当たり前よ」
Ⅳ「て言うか誰だ?」
Ⅴ「Dr.フェイカーのかつての助手だ」
Ⅳ「あの爆裂頭のおっさんも好色だよな。こんな女雇ってよ」
Ⅲ「好きなのですよ」
瑠那「小さかった子達もこんな風になるのね」
Ⅴ「反抗期真っしぐらな年代だからな」
Ⅲ「準備できましたよ!」
「ありがとうございました!」
Ⅳ「頑張れよ巡査」
「あなた達との出会いを生かし私としても」
Ⅲ「はい!」
瑠那「・・・」
Ⅳ「な、何だ」
瑠那「下着」
Ⅳ「わかってるっつうの後で送っとくからよ」
瑠那「信用できるの?」
Ⅴ「Ⅳは義理と人情は貫くぞ」
Ⅳ「しかし璃緒に何か雰囲気が似てるよな」
Ⅲ「未練ですか」
Ⅳ「未練じゃねえよ」
Ⅴ「では出発だ!」
Ⅲ「その後僕達は幾度となく千首領街へ足を運ぶ事になる。連続殺人鬼との戦いのために・・・」
数日後
Ⅴ「着いたな」
Ⅳ「この街も変わらねえな」
Ⅲ「そんなオーバーな」
カイト「帰って来たな」
シャーク「遅えぞ」
Ⅳ「こっちは連続殺人鬼と戦ってたんだぜ」
Ⅲ「それとⅣ兄様が下着を盗みました」
Ⅳ「だから違うってんだろ!」
シャーク「男だから仕方ねえよ」
Ⅳ「近親相姦の片割れは黙っとけよ」
シャーク「てめえ!」
『熟女に群がる青少年』に続く
カイト「今ハートランドで1番人気のスポット」
ユート「十六夜診療所・・・」
カイト「世も末だな」
シャーク「そうでもねえだろ。あっちも儲かって最高じゃねえか」
カイト「どいつもこいつも本当に怪我や病気で行ってると思ってるのか?」
シャーク「アリトの事か?仕方ねえだろ。自然体なんだからよ」
カイト「未亡人の39歳に肉感的な身体つきの熟女・・・エクシーズ使いの好みだ」
ユート「いや俺は遊馬のお母さんの方がいい」
Ⅳ「フハハハハハ!!!本気か?お前」
ユート「あ、ああ」
シャーク「瑠璃に怒られるぞ」
ユート「いや瑠璃は瑠璃だ。例えば君達に彼女が居たとしてAVを見るだろ?男とはそういう生き物だと俺は思っている」
Ⅳ「何か言ってるぞ、この黒い奴」
シャーク「慣れない環境で頭がパーになっちまってんだろ」
カイト「だがユートの考えには一理ある」
ユート「カイト・・・君って男は」
カイト「一般的な考えだ」
シャーク「そりゃ遊馬のおふくろは凄えと俺は思うぜ。なあ」
Ⅳ「あれで20の娘が居るんだぜ?ハンパじゃねえよ」
カイト「なのにドロワは遊馬の母親より老け込んでる」
ユート「それは君にも原因があるんじゃないか?」
カイト「何故だ」
ユート「君とドロワとゴーシュは古い付き合いだったな」
カイト「ああ」
ユート「例えばドロワがかつては年相応の見た目だとしても豪快なゴーシュや寡黙なカイトと一緒だったらどうなる」
シャーク「老けるな。精神的にイライラする」
ユート「そうだ。遊馬のような太く強靭な精神力ならば上手く立ち回れるが・・・ドロワは遊馬じゃない」
Ⅳ「お前本当にここがいいよな。レジスタンスでもリーダーだったろ?」
ユート「いや俺は暗い性格だから行動的な隼が周りを纏めていた」
シャーク「黒咲か・・・随分と会ってねえよな」
カイト「半年だな」
Ⅳ「あの野郎の事だから元気に大暴れしてるだろうぜ」
ユート「不器用で友達作りの下手な隼も彼らや遊馬とは一緒にバカな事ばかりしていたな・・・」
ユート「そして俺は思う。熟女の中の熟女は九十九未来さんだと」
シャーク「だってよ。どうよ」
Ⅳ「俺はアキがいいと思うぜ。何たってあれだろ?なあカイト」
カイト「悪いがどっちも興味が無い」
シャーク「嘘ばっかついてんな。話に混じってるくせによ」
カイト「凌牙」
シャーク「何だ」
カイト「遊馬の母親のマンコにカードを突っ込んだ話を奴にしてやるか」
シャーク「馬鹿野郎!できるわけねえじゃねえか!!」
カイト「何故だ」
シャーク「ユートがキレるぜ。お前も知ってるだろ?あいつがブチギレた時の事を」
カイト「本命は瑠璃で好みは遊馬の母親だ。何が問題ある」
シャーク「てめえがユートの立場だったらどうすんだ!」
カイト「知らん」
シャーク「何が知らんだ。この野郎だけは何考えてっか理解不能だぜ」
Ⅳ「何話してんだ?」
シャーク「何でもねえよ」
未来「あら?今日も元気にみんなで屯してるのね」
ユート「あ、どうも」
未来「そうそう!そういえばカイトくんと凌牙くんのカードが」
シャーク「ストップ!母ちゃんストップだぜ!」
未来「?」
カイト「着々と育ってるようだな。子宮の」
シャーク「やめろってんだよ!」
Ⅳ「そういやカイトと凌牙が」
シャーク「ベラベラ喋ってんじゃねえ!」
ユート「どうした」
シャーク「お前もあっち行ってろよ!」
未来「今日は一体何の相談?」
ユート「社会情勢について討論を」
Ⅳ「嘘つけよ。熟女がどうとか人妻がどうとか言ってやがったじゃねえか、このムッツリレジスタンスは」
ユート「シッ!」
シャーク「てめえも何とかしろよ・・・頭おかしいんじゃねえか?」
カイト「無駄に焦るお前が悪い。義理人情に厚いというのも不便な事だな」
Ⅳ「見ろよユート」
シャーク「イキイキしてやがる。いつも半分死にかけな顔してるくせに」
カイト「歳上への憧れ」
シャーク「あ?」
カイト「男なら1度はあるはずだ。それと俺達にだってな」
シャーク「・・・」
Ⅳ「おふくろか・・・」
カイト「だからユートの気持ちもわからんでもないがな」
シャーク「けど勃起してんぞユート」
Ⅳ「大した事はねえ」
カイト「似ている奴は異常なまでの巨根だというのに」
シャーク「パンパンじゃねえか」
Ⅳ「今晩の夜のお供は遊馬のおふくろか」
カイト「・・・賭けるか」
シャーク「どうせ賭けになりはしねえよ」
Ⅳ「3人とも同じ考えだろうからな」
ユート「・・・」
シャーク「おいムッツリレジスタンス」
ユート「そういうのはやめてくれ」
Ⅳ「俺らなら未だしもお前は生々しいからマジでやめろ」
ユート「君達に関係ないだろ」
シャーク「関係あるだろ。ダチなんだから」
ユート「それはわかってる」
Ⅳ「ダチって言っても今のこいつは勃ちだけどな」
ユート「だからやめてくれ」
カイト「上下黒」
ユート「上下黒?」
カイト「遊馬の母親の下着だ」
ユート「そ、そうか」
シャーク「そうこうしてる内に着いちまったよ。十六夜診療所に」
Ⅳ「すっげえ人集りだ。俺らとタメぐらいの奴が多すぎだろ」
ユート「不健全だ」
シャーク「そりゃお前だろ」
ユート「上下黒か・・・」
シャーク「繁盛してるじゃねえか」
Ⅳ「どうだハートランドでの生活は」
アキ「みんな下心丸出しの変態揃いだけどね」
カイト「男だから仕方が無い」
アキ「・・・」
ユート「これは勃起してるんじゃないぞ」
アキ「違うわ」
ユート「違うのか・・・」
アキ「さっき彼とよく似た格好してる男の子が来てね、探してたわよ?」
カイト「どういう奴だ」
アキ「背は高くて目つきが悪くて」
シャーク「赤いスカーフ巻いてる奴」
アキ「うん」
Ⅳ「おい凌牙そいつって」
シャーク「十中八九黒咲だ。間違いねえ」
黒咲「・・・」
カイト「お前がこっちへ来る時に立ち寄る場所は公園」
シャーク「鳩に餌をやりにな」
Ⅳ「ジジイじゃねえんだからよ」
ユート「隼!」
黒咲「久しぶりだな。それと鳥類は大事にしろ」
シャーク「うるせえな。金魚すぐに死なしそうな顔しやがって」
Ⅳ「やめろやめろ。お前らの喧嘩は長引くんだから」
カイト「元気そうだな」
黒咲「ああ」
カイト「それと何か重大な事があるという顔をしている。次元を超えるなんて滅多やたらにできなくなったからな」
黒咲「遊馬は」
ユート「国際デュエル警察に出向した」
黒咲「あの遊馬が・・・成長したんだな」
カイト「重大な話とは何だ」
黒咲「ちょっと来い」
シャーク「何だってんだ。こいつ」
カイト「コブラ?」
ユート「隼!それは本当なのか!?あのコブラが!!」
シャーク「誰だそいつ」
ユート「エクシーズ次元の壊滅に一役買ったと言われている爆弾のプロフェッショナルだ」
カイト「そいつがこっちに」
黒咲「デニスの口を割らせ奴を追っていてな。どうやら逃げ込んで来たらしい」
シャーク「・・・爆弾のプロだって言ったな」
黒咲「そいつは黒の義勇軍に所属していた生粋の過激派だ。知っているだろ?」
シャーク「元黒の義勇軍ならコブラってのはこの次元の出身者か?」
Ⅳ「許せねえ・・・エクシーズ使いのくせに融合の手先になりやがって!」
カイト「黒の義勇軍・・・ヤクザと違って全体像が掴めないのが難点だが」
黒咲「奴の事だ。こっちで大規模な爆破テロでも始めるのだろう」
カイト「そいつが今まで制作した爆弾の種類を知りたい」
黒咲「そう来ると思ってリストに纏めておいた」
カイト「さすが黒咲隼」
シャーク「ランサーズの両翼って言われてるだけあるぜ」
Ⅳ「ああ」
黒咲「姿を消すのは毎度の事だがカイト達と行動していたとは」
ユート「すまない」
黒咲「気にするな。ところで何故、内股なんだ」
ユート「・・・知りたいか?」
黒咲「ああ」
ユート「勃起したんだ。未来さんで」
黒咲「・・・」
ユート「これでいい、下手に隠すから皆が俺をいじるんだ。こうやって正直に言えば」
黒咲「・・・」
ユート「隼?」
黒咲「お前は頭脳明晰で穏やかな心を持ち、その笑顔で多くのエクシーズ民やレジスタンスを救った」
ユート「どうしたんだ改まって?」
黒咲「さっきのお前の笑顔には戦慄したぞ。何を得意気になっているんだ」
ユート「・・・」
黒咲「だが遊馬の母親で勃起するのは男として正常だ。瑠璃には内緒にしておくかが遊馬の母親の話は俺かカイト達だけにしろ。あまりに失望させるな」
ユート「ああ・・・わかったよ」
黒咲「仕方が無い事だ」
『爆弾魔Ⅰ 逃亡者』に続く
数日後
シャーク「竜神会幹部の結婚式で死者40人以上の騒ぎ・・・」
ユート「・・・」
カイト「生き残った連中の話では何かが破裂してそこから記憶が無いと言っていたが」
黒咲「細菌爆弾だ」
Ⅳ「細菌爆弾?」
黒咲「俺達が追っているコブラなら容易に作る事ができる」
カイト「ならば竜神会幹部らを死に至らしめたのはコブラの犯行だと」
黒咲「多分な」
シャーク「竜神会と特に抗争を起こしてるのは戸川と針尾だ。俺はアリトらと連中の事務所に行ってくる」
Ⅳ「じゃあ俺らは聞き込みに行ってくるぜ。現場百見ってな」
ユート「俺もそれとなく探りを入れてみる」
黒咲「お前はどうする」
カイト「俺は細菌の成分を聞きに行く」
黒咲「もう手を回しているのか?」
カイト「早い段階で終わらせた方がいいだろ」
カイト「ボツリヌス菌?」
アキ「それとよく似た菌ね。これを見て」
カイト「症状は」
アキ「ボツリヌス菌の症状と似ているけど、即効性があるわ」
黒咲「ちょっと見せてみろ」
カイト「・・・」
黒咲「こいつか・・・」
カイト「知ってるのか?」
黒咲「アカデミアの奴らはこれをサイバー菌と呼んでいた。悪魔のような細菌だ」
カイト「やはりコブラか」
黒咲「間違いなくコブラだ」
カイト「こいつの予防薬は」
アキ「これは未知の細菌よ。時間がかかる・・・」
カイト「だったら大至急作ってくれ」
黒咲「早く探さねばな」
カイト「コブラの第二の犯行が行われる前に」
シャーク「正直に言えよ!おい・・・おい!!」
「またお前達か・・・」
ミザエル「お前達は西からの流れ者だったな。この街で地位を得るには派手にやるしかない」
ギラグ「そのために黒の義勇軍やコブラと手を組んだんじゃねえのか?」
「俺らは腐ってもヤクザだ!何が悲しくて過激派なんかと!」
シャーク「俺らから見れば一緒なんだよ!てめえらは街のゴミじゃねえか!!」
ドルべ「拳銃がこんなにもあるな・・・恐ろしい連中だ」
シャーク「敵対してる針尾なら竜神の連中を殺したくて殺したくて仕方がねえ!そうじゃねえのか!?」
「だ、だったら黒姫興業に聞き込んで来い!奴らの構成員の中には元黒の義勇軍のメンバーが何人か居るんだぞ!」
シャーク「あ?それがどうしたってんだ」
ベクター「俺らからすりゃヤクザも過激派も関係ねえってうちのリーダー様が言ってんだろ?」
シャーク「もし黒姫興業が絡んでるってんなら針尾もヤバいだろうな・・・情報提供しろよ」
「新世界商事株式会社だよ・・・最近黒姫興業の奴らが大物を迎え入れたって若い衆が言ってたぜ」
シャーク「新世界商事?何だそれ」
ドルべ「近い将来に起こる戦争対策の為の支援がどうとか言う会社だったが」
シャーク「危ねえ宗教じゃねえか」
Ⅴ「本当に見たのか!?」
「ええ確かに大柄な男が黒姫興業に出入りしてる所を」
Ⅲ「この写真で間違いありませんね?」
「はい」
Ⅳ「黒咲に写真貰っといて正解だったな」
Ⅴ「他に情報は無いのか?」
「ほい」
Ⅴ「あなたは本当にがめついな」
「こっちだってそれで生計立ててるんだから」
Ⅳ「ちゃんと真面目に働けよ!子供居るんじゃねえのか!?」
Ⅲ「前に会った時は情報屋稼業から足を洗うって」
「へへへ」
Ⅴ「石さんはダメだ。気の良い島さんにこれから情報を聞こう」
「ちょっと待った!ちゃんと教えますって、本当にケチなんだから・・・」
Ⅳ「そいつが世間の常識なんだよ!」
ユート「・・・」
明里「これが新世界商事の情報よ。あそこは前々から怪しいし明らかに怪しげな男が入ってたかマークされてるって評判よ」
ユート「そうですか」
明里「それとお母さんなら留守だけど」
ユート「・・・何の話ですか」
明里「遊馬の友達の不良集団がバカ騒ぎしてるの聞いたけど、君がね・・・」
ユート「違います」
明里「遊馬の友達の中じゃ眼鏡の子と同じぐらい常識があるって思ってたのに、1番ヤバイなんて」
ユート「無実です」
明里「じゃあオナニーはするの?」
ユート「しますよ」
明里「・・・」
ユート「言っておきますがね。俺だって男なのであって」
明里「・・・」
ユート「遊馬が恐る理由もわかる・・・この人は怖い」
カイト「新世界商事だな。わかった」
黒咲「新世界商事?」
カイト「黒姫興業というハートランド内の五大ヤクザ組織の一つだ。新世界商事は黒姫興業の息がかかっている」
黒咲「新世界商事・・・ちょうどいいな」
カイト「まさか新世界商事のチャリティーが行われているとは」
黒咲「竜神会への攻撃はデモンストレーションみたいなものだ」
カイト「そして黒の義勇軍は容赦なく無関係な人間も殺しにかかる・・・となると」
黒咲「この公園で第二の犯行が行われる可能性もあると」
カイト「そうだ。黒の義勇軍と黒姫興業は繋がっていたとはな」
黒咲「名前で何となくわかるだろ?」
カイト「大規模テロ・・・お前が過激派ならどういう手を使う」
黒咲「一網打尽にするなら地面に爆弾などを仕掛け一気に破壊するが細菌爆弾ならば・・・」
カイト「風に乗れば何人もの人間が犠牲になる・・・もし俺達の推理が違っていたとしても」
黒咲「風船だ、あそこにある風船を破裂すれば!」
カイト「何百人もの命が犠牲になる!」
黒咲「全員避難しろ!ここは危険だぞ!!」
「何ですかあなた達は!」
カイト「この風船を調べさせてもらう」
黒咲「・・・」
「・・・」
カイト「妙な真似はするな。ここで破裂すればお前も死ぬぞ」
「な、何の事やら」
黒咲「こいつを知っているな」
「・・・」
カイト「当たりだな。第二の犯行はこれで防げた」
「くっ」
カイト「時代に置いていかれた負け犬共が図に乗るな」
「黙れ!エクシーズ召喚のお陰で古き良きデュエルは穢されたんだ!」
カイト「そんな事は知らん。お前達はただの過激派だ」
黒咲「こいつは何処だ!さっさと吐け!!」
「こ、この人は」
カイト「これで芋づる式で黒姫興業も黒の義勇軍も潰れていくな・・・後はコブラだけだ」
シャーク「邪魔するぜ」
「何だね君たちは」
シャーク「黒姫興業の黒岩だな。ほら逮捕状だ」
「た、逮捕状!?子供なのにか?」
シャーク「神代凌牙を知らねえのか」
「か、神代凌牙といえば7人でヤクザ相手に大暴れする・・・あの」
シャーク「鬼すらビビる地獄鮫ってのは俺の事よ」
ベクター「プフッ」
ドルべ「ナッシュ・・・」
ミザエル「カイトと黒咲がコブラの第二の犯行を食い止めたが・・・コブラは何処だ」
「コブラ?何の事やら」
シャーク「口を大きく開けろよ。口に中に釘放り込んでぶん殴ってやるから」
「君達にそんな権利があるのかね!横暴だぞ!!」
シャーク「ヤクザに人権なんてねえんだよ。何だったら全面戦争するか?七皇VS黒姫興業でよぉ」
ベクター「御自慢の幹部連中もみんなパクられちまうんだぞ?どうするよ組長さん」
「とんでもない悪ガキ集団だ・・・」
翌日
ユート「黒姫興業一斉摘発か」
Ⅳ「息のかかった新世界商事もガサ入れされるんだとよ。終わりだな」
カイト「いいや終わっていない」
黒咲「まだコブラが残っている」
シャーク「結局居場所もわからなかったんだな」
Ⅳ「姿を消しちまった」
カイト「・・・」
黒咲「何処へ」
カイト「サイバー菌の予防薬が出来上がってる時間だ」
シャーク「予防薬?誰が」
カイト「十六夜女医」
シャーク「さすが医者で科学者の嫁だった女だぜ」
ユート「では俺も」
黒咲「こら」
ユート「もっと俺を信頼してくれ・・・」
カイト「これが予防薬だな」
アキ「うん」
カイト「この小包は何だ?」
アキ「さあ?置いてあって」
カイト「まさか前のようなラジコン爆弾じゃないだろうな」
アキ「そんなまさか!」
パカッ
カイト「・・・爆弾だ」
アキ「!?」
カイト「しかも、こいつは周囲の静電気量を感知しリミッターを超えると爆発する仕組みになっているバリアブル・コントロール爆弾だ」
アキ「ど、どうしてここに」
カイト「コブラだ、コブラが予防薬の作成を嗅ぎつけ吹き飛ばすために送り込んだんだ」
アキ「じゃあ・・・」
カイト「この部屋の扉が開いた瞬間に爆発するぞ・・・注意しろ」
『爆弾魔Ⅱ 追跡者』に続く
黒咲「わかった。何とかする」
ユート「どうした隼?」
黒咲「十六夜診療所にバリアブル・コントロール爆弾が送り込まれた」
シャーク「・・・は?」
黒咲「早い話が爆弾だ」
シャーク「コブラだな!?」
黒咲「まずは居場所を探すぞ。と言ってもカイトは爆弾を解体せねば助からないが」
Ⅳ「何でだよ」
黒咲「バリアブル・コントロール爆弾は周囲の静電気量に感知する代物だからな」
シャーク「コブラの野郎・・・」
黒咲「もう逃がさん!この俺が必ず捕まえてくれる!」
シャーク「融合次元のクソッタレ何かにこの街は好きにさせねえ!」
Ⅳ「ぶっ殺してやるよ」
ユート「コブラがこの街に居る以上は逃げる事はできないはずだ」
黒咲「奴は袋のネズミという事だ」
カイト「・・・」
アキ「本当に器用ね」
カイト「・・・」
アキ「亡くなった夫もあなた並に器用だった」
カイト「・・・」
アキ「それにしても2度も爆弾に巻き込まれるなんて」
カイト「・・・」
アキ「3度目ね、思い返せば」
カイト「少し黙れ」
アキ「・・・」
カイト「お前の夫は実に優秀な科学者だった。俺もそう思う」
アキ「・・・」
カイト「長生きしろ。夫の分まで」
アキ「うん」
カイト「ついでに婚活でもしろ。39歳ならまだまだ若い」
黒咲「居場所が何処かわからん」
ユート「・・・」
黒咲「コブラのあの見た目と髪型で幾度となく捜査網を掻い潜り姿を消している・・・となると」
ユート「下水道は」
黒咲「あり得る話だ」
ユート「もう一つは誰かが匿っている場合だ」
黒咲「共犯者か?もうアカデミアの残党などスタンダードに残ってるバカ2人とエクシーズ次元の復興をさせている猿ぐらいだぞ」
ユート「こんな噂を聞いた事がある。アカデミアの体制を嫌い離反した者が別の次元に行ったと」
黒咲「まさか」
ユート「ここにも居るんじゃないか?離反者が」
黒咲「・・・」
ユート「アカデミア出身者の特徴は」
黒咲「人を人とは思わぬドス黒い意思と平気で人を裏切る鬼畜のような連中」
ユート「そうだ」
黒咲「あのクズ共が・・・ここは破壊させんぞ!」
ユート「行こう隼」
黒咲「手がかり0だな」
ユート「凌牙達は」
黒咲「今日は梶田と響の事務所を襲撃すると言っていたぞ」
ユート「ライフワークみたいになってるぞ」
黒咲「Ⅳらは案の定、情報屋のおっさん連中に聞き込んでいる」
ユート「彼らが1番まともじゃないか」
未来「ユートくん!」
ユート「あ、どうも」
黒咲「おい」
未来「今日もまた捜査?遊馬不在だと大変でしょ」
ユート「ええ」
黒咲「こいつを知っているか?」
未来「この人・・・佐藤さんの家に入り浸ってる人よ」
黒咲「佐藤さんの?誰だそれは」
ユート「さすが輝望道から遊馬を産み落とした女性だ」
黒咲「産道だな」
ユート「いや輝望道だ」
ユート「産道じゃ卑猥すぎると俺は思う。それに遊馬はアストラルの半身だから輝望道が適していると」
黒咲「その佐藤というのは」
プルルルルルルルル
黒咲「失礼」ピッ
ユート「佐藤とは何者ですか?」
未来「まだ明里が中学生だった時のハートランド学園の生徒でね。明里の同級生の下着を片っ端から盗んで解雇されたのよ」
ユート「元教師・・・」
未来「それから銭湯の煙突の上によじ登り自分は神だとか叫んで放尿し懲役2年の判決で服役してたらしいのよ」
黒咲「ユート?元気だぞ。ああ・・・ユートがおかしい?明るくなったんだから大丈夫だ」
ユート「例えば佐藤はエクシーズ嫌いじゃありませんでしたか?」
黒咲「瑠璃的には遊馬らのノリにはついて行けないだろうと思うが・・・そうだな遊馬はいい子だな」
未来「エクシーズを見ると発狂するからやりたい放題してやるが口癖だって明里が」
ユート「佐藤は怪しいな・・・」
黒咲「随分前に鉄男がお前に色目を使った?あの身の程知らずのデブは俺が制裁してやる・・・わかった。切るぞ」
ユート「瑠璃は何て?」
黒咲「ユートはカッコいい」
ユート「ありがとう・・・」
ユート「やはり未来さんはエクシーズの母だな」
黒咲「女の勘とは恐ろしいものだ」
ユート「?」
黒咲「いや」
プルルルルルルルル
黒咲「もしもし」
カイト「俺だ」
黒咲「そっちはどうだ」
カイト「解体しておいた」
黒咲「俺達は佐藤という男の家の前に居る。3丁目の佐藤だ」
カイト「わかった」
ユート「カイトは無事なのか?」
黒咲「すぐに来るそうだ」
ユート「さっきから凌牙達と連絡がつかない」
黒咲「あいつはあいつで派手にやっているのだろ」
黒咲「佐藤!何処だ!!返事をしろ!」
ユート「コブラを出せ!」
黒咲「・・・」
ユート「・・・」
黒咲「静かだな」
ユート「いや・・・ここだ!」
シュパッ
黒咲「・・・その巨体で姿を隠せるものなのか?コブラよ」
コブラ「エクシーズのクズ共は忍者を知らんのか」
ユート「ここにはお前を匿っていた佐藤が居たな」
黒咲「そんな事はどうだっていい!細菌爆弾にバリアブル・コントロール爆弾・・・この異常者め」
コブラ「これも全て勝利のためよ。何人死のうが関係無い」
黒咲「貴様の脳みそは腐っているのか?融合は半年の前に敗北している」
コブラ「何を世迷言を」
黒咲「戦況は逆転した。今や融合が狩られる側へと回ったのだ。少しは無い頭を振り絞って考えろクズめ」
コブラ「くっ!」
コブラ「こうなれば」
カイト「動くな」
黒咲「間に合ったようだな」
カイト「お前達が大声で言い争っているからか近所の連中が通報していたようだぞ」
コブラ「クソ!」
カイト「逃がさん!」
黒咲「待て!」
ユート「何処へ逃げるというんだ。最早逃げ道など無いと言うのに」
コブラ「捕まってたまるか・・・捕まってたまるか!」
カイト「何かブツブツ言ってるぞ」
黒咲「奴には逃げ道は無い」
カイト「そうだな。あれとすれば」
黒咲「地獄か檻の中だけだ」
コブラ「融合がエクシーズに・・・負けるわけ・・・」
黒咲「ずっと逃走中だったお前には理解できんだろうな」
カイト「どんな事があろうとも最後には正しい方が勝つという事だ。お前たち外道の融合なんぞ最初から負け犬だという事だ」
ユート「・・・」
シャーク「ユート!」
Ⅳ「コブラが捕まったってのはマジか?」
ユート「ああ」
アリト「何処に居るんだ?」
ユート「あれを見てくれ」
シャーク「あいつら・・・」
黒咲「来るのは遅すぎるぞ奴ら」
カイト「いつもの事だ」
コブラ「・・・」
カイト「これで全てが」
黒咲「いや佐藤が残っている」
カイト「こいつの仲間だったな」
黒咲「この男から全ての情報を引き出してくれる」
カイト「覚悟しろよコブラ」
コブラ「・・・」
数日後
カイト「コブラは吐いたのか?」
黒咲「いや」
カイト「・・・」
アリト「カイト!黒咲!」
シャーク「辛気臭い顔しやがって」
Ⅳ「少しは骨休みしろよ」
カイト「だそうだ」
黒咲「俺もしばらくはいる身だ。少し休息をするか」
『ハートランド学園・覗き魔日記』に続く
アリト「フヘヘヘ」
カイト「何がおかしい」
黒咲「・・・」
アリト「だってよ、何っつう格好してんだ?何だこれ」
ギラグ「プッ」
黒咲「笑うな」
Ⅲ「うわぁ・・・」
ドルべ「ここまで制服が似合わない者が居るのだろうか」
ミザエル「居ないだろうな」
アンナ「酷い格好だぜ!」
シャーク「2人揃ってコスプレか?似合わねえな」
カイト「・・・」
黒咲「・・・」
シャーク「んだよ」
カイト「こいつに比べたらマシか」
黒咲「ああ」
シャーク「てめえら・・・!」
ドルべ「どういう風の吹き回しなんだ」
カイト「こいつを拾ってな」
ドルべ「日記・・・」
カイト「面白い事に学園の生徒の事が細かく記載されている」
シャーク「悪趣味な野郎も居るもんだぜ。どれどれ」
『神代凌牙は今日も妹に言い寄っていた男をボコボコにした。彼は学園のゴミだ』
シャーク「おい!何処のどいつだ!!」
ミザエル「落ち着けナッシュ!たかが日記だぞ」
『3年の転入生のミザなんとかはお高く止まっていてウザい。ドラゴンのキーホルダーが気持ち悪い』
ミザエル「己・・・!私だけではなくドラゴンを侮辱するか!!」
シャーク「ミザエル!」
ミザエル「成敗するしかあるまい!」
ドルべ「ナッシュ!ミザエル!」
シャーク「・・・」
ミザエル「・・・」
黒咲「俺達はこの持ち主の日記から異常性を見出し潜入捜査をしようと考えた」
『神月アンナは九十九遊馬の椅子の台を念入りに舐めまわしている』
アンナ「こ、この野郎・・・俺の秘部を!」
ドルべ「確かに妙だ」
ギラグ「何が?」
ドルべ「これを見てくれ」
『3年のドルべとかいう奴は優等生のくせに神代璃緒のパンツの匂いを嗅いでいた』
ドルべ「どう思う」
アリト「変態じゃねえか」
ドルべ「そう、変態なんだ」
シャーク「認めやがったな。後でボコボコにしてやるから覚悟しろ!」
ドルべ「私がメラグのパンツの匂いを嗅いでいたのは女子更衣室・・・この日記の主は覗き魔だ」
カイト「確かにそうだな」
黒咲「覗き魔ならばドルべやアンナの秘密を知る事が可能だ」
ミザエル「覗き魔以前にこいつはどうかしてるぞ」
ドルべ「君はバリアン七皇のサブリーダーのポジションを狙っているのか?妙な因縁をつけるのはやめてくれ!」
ミザエル「・・・すまない」
カイト「だが学園の生徒は大勢居る。簡単に見付け出すのは難しいぞ」
アリト「ユートは?」
黒咲「今日も遊馬の母親を観察している。気になると何か観察するのが奴の悪い癖だ」
アリト「変態じゃねえか」
黒咲「違う。生真面目なんだ」
ギラグ「お前だってかなりの変態だぞ」
ミザエル「例の天上院先生の乳ばかり凝視している。勃起すればトイレに篭る」
アリト「バーカ!ギラグも一緒だっつうの!」
ギラグ「ああいうタイプは教師になっちゃならねえ!青少年の性に対する考え方が変わっちまうぞ!」
シャーク「てめえら少しはカイトを見習えよ。こいつが勃起した事なんて」
黒咲「ある」
シャーク「あるわけねえ・・・あったな」
黒咲「スタンダードに行けば勃起するぞ、こいつは」
アリト「あーわかる気がするぜ」
ミザエル「硬派一筋18年の天城カイトが勃起した原因とは」
カイト「・・・女子中学生のパンチラだ。何か問題あるのか」
アリト「ねえよ。それが普通の男の反応ってやつだぜ」
黒咲「それよりも日記の事だ」
カイト「ハートランド学園に変態は何人居る」
シャーク「ほぼ全員じゃねえか」
ドルべ「全員だな」
ミザエル「ドルべも」
ドルべ「ミザエル」
ミザエル「・・・」
カイト「全員が変態」
黒咲「捜査は難航しそうだな」
ベクター「いーや簡単な事があるじゃねえの」
カイト「何処から出てきた」
ベクター「細かい事は気にするなよ」
黒咲「簡単な事というのは」
ベクター「筆跡鑑定」
黒咲「カイト!」
カイト「その手があったか・・・!」
シャーク「結果はどうだった」
カイト「覗木見太郎という生徒を知ってるか?小学校5年生の時に覗きで引っ張られている」
アンナ「そいつなら徳之助と同じクラスだぜ」
アリト「また徳之助か」
Ⅲ「彼はろくでなしの代名詞だから」
シャーク「遊馬が甘やかすからな。あのコバンザメ野郎を」
黒咲「覗木見太郎を引っ張るか」
「わああああああああああああああああああああああああああ」
カイト「悲鳴?」
黒咲「何か事件か!?」
シャーク「あっちの方角だ!」
アリト「行こうぜ!」
ギラグ「こう学園で何か事件起こるとワクワクするよな!」
Ⅲ「それは不謹慎だと思うよ」
ミザエル「遅いぞドルべ!」
ドルべ「ま、待ってくれ!」
カイト「おい!」
明日香「カイトくん?」
黒咲「何があったんだ」
明日香「不審者よ」
ギラグ「お前」
黒咲「俺を見るな」
アリト「こいつ覗木見太郎だ」
カイト「不審者とはこいつか?」
明日香「ううん違うけど」
黒咲「どういう奴だ」
明日香「眼鏡をかけていてロン毛の・・・何処かで見た事あるのよね」
黒咲「眼鏡のロン毛」
ギラグ「・・・」
ミザエル「私を見るな」
アリト「・・・」
ドルべ「ハァハァ・・・な、何だ?何か私がしたのか」
黒咲「こいつか」
明日香「そう!この人よ」
シャーク「誰だこいつ」
カイト「こいつはコブラと共謀していた佐藤浩二だ。知っているだろ?元この学園の教師だ」
明日香「・・・思い出した!私達が卒業して随分後にクビになったって」
カイト「お前が居た頃の佐藤はどういう奴だった」
明日香「地味で目立たなかったかな」
アリト「その佐藤ってのは何で覗木の奴を?」
カイト「覗木が狙われたのか?」
明日香「彼は気絶しただけよ。何か私に襲いかかって来た気がするわ」
ギラグ「何か理由あるんじゃねえか?男取っ替え引っ替えしてるとか」
アリト「散々、貢がせた挙句にポイってか?」
明日香「あなた達!」
黒咲「どう思うカイト」
カイト「・・・」
カイト「恨まれる理由は」
明日香「無いと思いたいけど・・・」
黒咲「学生時代に佐藤とは」
明日香「あまりに関わらなかったし」
カイト「・・・」
黒咲「・・・」
シャーク「何か陰険そうな野郎だし下らねえ事なんじゃねえの?」
カイト「夜道に気をつけろ」
明日香「え?」
カイト「こいつは何かあるな」
黒咲「佐藤は何らかの事をあの教員に嗅ぎつけられた・・・」
カイト「多分な」
アリト「ストーカーじゃね?俺はストーカーしねえけど」
ギラグ「お前ならどうするよ」
アリト「真っ直ぐ行って押し倒す!」
ミザエル「バカだな、こいつは・・・」
翌日
黒咲「それでどうすんだ」
カイト「佐藤の行方か」
黒咲「俺が思うに、あの女を囮に使うというのはどうだ」
カイト「俺は反対だ」
黒咲「何故だ」
カイト「あいつは最近、行方不明の友人の死の真相を知ったばかりだ」
黒咲「甘いな」
カイト「何?」
黒咲「その甘さが命取りになる場合もあるのだぞ」
カイト「何とでも言えばいい。俺は断固反対だ」
黒咲「・・・」
『目撃者Ⅰ 狙われた女教師』に続く
ユート「囮?それはダメだぞ」
黒咲「いいや俺はやるぞ」
ユート「・・・ところで隼に聞きたい事がある」
黒咲「どうした」
ユート「十六夜アキと天上院明日香を俺は何処かで見た事がある」
黒咲「何処にでも居る熟女と教師だぞ」
ユート「・・・いや居ないだろ。AVの世界じゃあるまいし」
六十郎「それはわしも気になっていた」
ユート「六十郎さん」
六十郎「あの2人がハートランドに来てから決闘庵の木像が輝き始めている」
黒咲「木像も下心を持つ時代か」
六十郎「左様」
ユート「いや違うと思う」
黒咲「ユートが向かってくれ」
ユート「隼は」
黒咲「俺には佐藤を捕まえる責務がある」
カイト「・・・」
ミザエル「カイト」
カイト「ミザエルか」
ミザエル「ストーカーか?」
カイト「違う」
ミザエル「実はな」
カイト「言うな。察しはついている」
ミザエル「だそうだジンロン」
カイト「ジンロンだと?」
ジンロン「ここじゃよ」
カイト「何故お前が」
ジンロン「2体のドラゴンじゃよ」
カイト「2体のドラゴン?」
ジンロン「うむ」
カイト「・・・」
ミザエル「2体のドラゴン・・・ドラゴン使いとしては神秘的な響きだ」
ユート「これは」
六十郎「お馴染み真紅眼の黒竜と青眼の白龍じゃよ」
ユート「確かに輝いている」
六十郎「どう思う」
ユート「六十郎さんや隼の言う通り木像が彼女らに下心を抱く事を」
六十郎「あるぞ」
ユート「俺が木像の立場なら2人には反応しないが」
六十郎「というのは?」
ユート「デカければいいものじゃない。基準としては瑠璃や柚子ぐらいのサイズがベストだ」
六十郎「・・・若いというのに先を見据えておるのか」
ユート「そうです。あれは歳を取れば垂れて最悪のケースに陥るパターンだ。いくら何でも」
六十郎「さすがは遊馬の友でありライバルでもある男の1人だ。形は違えどしっかりしている」
ユート「そもそも俺は」
カイト「ユートの言う通りだ」
六十郎「お主達も来たのか」
ジンロン「そうじゃよ」
カイト「真紅眼と青眼のドラゴンはデュエル史に於ける祖のような存在だったな」
ミザエル「ドラゴン大百科の3頁にそう記述されている」
カイト「赤と黒・・・青と白か」
ユート「何か気になる事でも」
カイト「つい最近、俺はアキの若い頃の写真を見た。グレていた頃のな」
ミザエル「それがどうしたというのだ?」
カイト「赤と黒の服を着ていた」
ミザエル「・・・」
カイト「そして明日香の世代の制服は青と白の制服だった・・・」
ミザエル「まさかカイト」
カイト「人知を超えた乳のデカさ・・・巨乳と言うには余りにも形容し難い大きさを持っている」
ユート「おっぱいは人間が最初に口にする神聖なものだ・・・まさかカイト」
ミザエル「さらに2人はカイトと親しい間柄だ。私を上回る唯一無二のドラゴン使いのカイトの・・・」
ジンロン「ドラゴンとドラゴンは引き合うのじゃよ。かつてギャラクシーアイズとオッドアイズが引き合ったように」
ユート「強大なおっぱいを持つ2人は、そんなバカな」
ミザエル「あり得るのか!?」
カイト「本人達は気がついて居ないと思うが高確率で2体のドラゴンの化身だ」
ユート「・・・」
ミザエル「2人がドラゴンの化身とは」
カイト「・・・」
ユート「そうなった場合はどうなるんだ」
カイト「普通の人間として生きればいいだろ。化身だろうと何だろうと」
ユート「・・・」
ミザエル「どうしたユート」
ユート「いや何でも」
「おい!デュエルしろよ!!」
ユート「ユーゴ・・・」
カイト「お前に似た奴だったな?それがどうした」
ユート「いやユーゴには四人の兄弟分が居るらしいんだが」
カイト「それがどうした?」
ユート「彼らにはドラゴン使い特有の痣があるそうだ。真っ赤な模様のような」
ミザエル「色々なドラゴン使いが居るのだな」
カイト「ああ」
ユート「ところでカイト」
カイト「・・・」
ユート「隼は無茶をするぞ」
カイト「いくら奴でも」
ユート「するぞ」
カイト「・・・するな」
ユート「だから天上院先生を佐藤から守らないと」
カイト「ああ」
ミザエル「しかし意外な事もあるものだな」
ジンロン「うむ」
六十郎「何やら不吉な予感がしてならんのう」
ユート「俺達を含めた四人のドラゴン使い、そしてカイトとミザエルにユーゴの兄弟分達か」
ミザエル「・・・」
ジンロン「・・・」
ユート「・・・」
佐藤「は、離せ!」
黒咲「大人しくしろ」
明日香「佐藤先生・・・どうして」
佐藤「き、君は僕に会ったのに挨拶すらしなかった!そんなに僕は影が薄いか!?」
明日香「どういう事?」
黒咲「お前はコブラと共謀していたな」
佐藤「それがどうした!エクシーズの奴が何人死のうが僕には関係無い!」
黒咲「お前も腐ってもこの次元で暮らしていた」
佐藤「ここのガキ共は何一つとして僕のいう事を聞かない!死んで当然だ!!」
カイト「理解不能だな」
黒咲「捕まえたぞ」
カイト「たったそれだけか?他にも理由はあるだろ」
佐藤「し、知らん!」
カイト「さっさと吐け」
黒咲「痛めつけてやるか」
カイト「死なない程度にやってやれ」
佐藤「だ、だから天上院くんは僕が引ったくりする瞬間を」
カイト「見たのか?」
明日香「さあ?」
カイト「そういうわけだ」
黒咲「バカな奴だな」
佐藤「コブラさえ来なければ僕の人生は・・・クソ!」
黒咲「そのコブラの情報をリークしたのはデニスという小狡い奴だ。お前達は自分が助かりたければ平気な顔をして仲間を売る」
佐藤「そ、それがどうした」
黒咲「この世は弱肉強食の世界だ。不意打ちでエクシーズに勝ち意気がったお前達は今や負け犬」
佐藤「アカデミアは・・・?」
カイト「とっくの昔に崩壊している」
黒咲「昔こんな奴が居たな。勲章に拘り自分のミスで片目と仲間を失った愚か者が」
佐藤「バ、バレット・・・コブラは言っていた。何処かで生きていると」
カイト「そいつもとっくの昔に死んでいる。負けたのはお前達だ」
黒咲「後の処分は法で裁かれろ。終わりだ」
カイト「無様に生きていろ。所詮お前達は狩られる側の連中だ」
明日香「まさか佐藤先生が外道の巣窟って言われている融合次元の出身者なんて」
カイト「あそこも今や崩壊寸前だ」
黒咲「指導者を失い内紛が彼方此方で発生しているそうだ」
カイト「何人かは祖国を捨て他の次元に逃げ込んでいるそうだがな」
黒咲「連中の事だ、ロクな生き方はできんだろう」
明日香「・・・」
カイト「お前に話しておきたい事がある。お前とアキに」
明日香「私とアキさんに?」
カイト「場所と日時は後日伝える」
明日香「ちょっと!」
カイト「いいな」
黒咲「立て!」
佐藤「今度は反撃するぞ・・・こっちにはな!」
黒咲「こっちには人間として最悪だがスパイとしては最高のゲスが2人も居る。どう足掻いても奴らは助かりたいが為にお前達を売るぞ」
佐藤「何て最悪な奴らだ・・・融合のプライドは無いのか」
黒咲「プライド?そんな物は蟻が運べる程度の重さだろ。最初から無いに等しい」
翌日
ユート「連れて来たぞ」
遊矢「カイト・・・!」
ユーゴ「こいつがカイトか?」
ユート「ああ」
カイト「・・・」
ユーゴ「信じられねレベルの無愛想さだな」
カイト「よく来れたな」
ユート「俺の肩に掴まってな・・・結構体力を使うぞ」
遊矢「俺達を呼び出した理由は?て言うか半年ぶりだけど遊馬は」
カイト「質問は後だ。お前達は見届けていろ」
『目撃者Ⅱ 銀河眼と真紅眼』に続く
アキ「・・・」
明日香「・・・」
ユーゴ「すっげえ!すっげえ!!」
カイト「アリトみたいな奴だな」
ユート「元気者なんだ」
明日香「それで何なの?」
アキ「話って」
カイト「お前達は幻のドラゴンの化身だ。多分だがな」
アキ「!?」
明日香「!?」
ユーゴ「ドラゴンの化身?あんな化身が居たら勃起しちまうっての!」
カイト「少し黙れ」
ユーゴ「うるせえな!それが男の性だってんだよ!!」
ユート「・・・」
カイト「それを俺が今からユートとのデュエルで見せてやろう。内に秘めた力をな」
ユート「ドロー!自分フィールドに罠カードが存在しない事で幻影騎士団シェード・ブリガンダインはセットされたターンに通常モンスターとして召喚する事ができる!」
ユート「俺は2体の幻影騎士団シェード・ブリガンダインを守備表示で特殊召喚!」
ユート「レベル4の幻影騎士団シェード・ブリガンダイン2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!竜魔人クィーン・ドラグーン!!」
ユート「そして魔法発動!『紅玉の宝札』手札からレベル7のレッドアイズモンスターを墓地へ送りデッキからカードを2枚ドロー!その後デッキからレベル7のレッドアイズモンスターを墓地へ送る」
ユート「さらに俺は竜魔人クィーン・ドラグーンのオーバーレイ・ユニットを一つ使う事で墓地のレベル5以上のドラゴン族モンスターを特殊召喚する事ができる。真紅眼の黒竜を特殊召喚!」
ユート「カードを2枚伏せてターンエンド」
アキ「・・・」
ユーゴ「すっげえよな」
明日香「・・・」
ユーゴ「こっちもすっげえよ」
遊矢「ユーゴ」
ユーゴ「いいじゃねえの別に」
遊矢「だからって」
ユート「君は何かあるとはしゃぐな。少しは黙ってくれ」
ユーゴ「こっちは異界の地でデカいおっぱい見て嬉しいんだよ!」
ユート「すまないなカイト」
カイト「ドロー!」
カイト「ドロー!オーバーレイ・スナイパーを通常召喚しオーバーレイ・ブースターを特殊召喚!」
カイト「そしてオーバーレイ・スナイパーとオーバーレイ・ブースターをリリースし手札から銀河眼の光子竜を特殊召喚!」
カイト「魔法『フォトン・リード』を発動!手札から銀河の魔導師を特殊召喚!」
カイト「さらに魔法『銀河遠征』を発動!デッキからフォトン・カイザーを特殊召喚!」
カイト「レベル8の銀河眼の光子竜と銀河の魔導師とフォトン・カイザーでオーバーレイ!エクシーズ召喚!超銀河眼の光子龍!!」
ユート「・・・」
カイト「どうだ?内なる何かが目覚めただろ」
アキ「身体が熱いわ」
明日香「私も・・・」
ユーゴ「だったら脱げばいいんじゃねえか?なあ!」
カイト「勝手にしろ」
遊矢「いやダメだから!常識考えてくれよカイトも」
カイト「そんな常識は知らん」
ユーゴ「知らねえよ」
ユート「言い争いはやめるんだ!脱げばいいじゃないか!」
遊矢「ユート!お前まで」
ユート「脱いだって誰も傷つかないし、みんなが笑顔になれると俺は思っている」
カイト「さあ来いユート」
ユーゴ「お、おい遊矢!デッキが光ってるぞ!」
遊矢「ほ、本当だ!?」
カイト「確か奴のデッキにも」
ユート「青眼の白龍が入っている」
カイト「ギャラクシーアイズ、オッドアイズ、レッドアイズそしてブルーアイズ」
ユート「ドラゴン達の共鳴か」
ユーゴ「どうにも賢い連中の話ってのは理解不能だぜ」パシャッ
遊矢「何やってるんだ?」
ユーゴ「写真撮ってんだよ」パシャッ
遊矢「何で」
ユーゴ「脱いでるから」
遊矢「いや理由にならないぞ」
ユーゴ「俺らにはあるんだよ」
遊矢「何で」
ユーゴ「スケベだからに決まってんだろ!」
遊矢「・・・」
数日後
シャーク「あ?遊矢に会ったってのか?何で俺を呼ばねえんだよ」
カイト「すぐに帰った」
シャーク「俺を呼ばねえ理由にはならねえだろ」
カイト「・・・」
シャーク「おいカイト」
カイト「そんな事を俺に聞くな」
シャーク「元気してたのか?」
カイト「ああ」
シャーク「柚子は?柚子は居なかったのか?」
カイト「単品だ」
シャーク「チッ、単品かよ。あいつは言いたかねえがエクシーズの救世主だったからよ」
カイト「真ドン・サウザンドの事か?」
シャーク「二十四の次元を統一しようとしたからな。遊矢と柚子が居なけりゃ俺らは死んでたぜ」
カイト「それは俺達エクシーズとスタンダードだけの功績か?」
シャーク「そうだったじゃねえか!何言ってんだお前は」
カイト「俺がずっと引っかかってた事をお前に話す」
シャーク「シンクロ?そりゃ知ってるが・・・融合が俺らに手を?」
カイト「ああ」
シャーク「んなわけ・・・」
カイト「ブラックミストやハートランド以外にもドン・サウザンドの配下が居ただろ」
シャーク「プロフェッサーとロジェとかいうアホそうな奴だろ?それが何だってんだ」
カイト「誰が倒した」
シャーク「ハートランドやブラックミストは遊馬らでドン・サウザンドは俺達2人と遊矢達」
カイト「ロジェとプロフェッサーは」
シャーク「そういや誰だ・・・あいつらぶっ倒したのは」
「これぞ究極の融合!お前が私の目の前に現れなければ私の栄光は続いていた!」
「お前のような悪党はいつか滅びる。長官にしては三流の考えだな」
「全次元制覇のため!究極生命体の私の力だ!!」
「究極だろうと何だろうと頭についてる装置は生身じゃねえ!そこがお前の弱点だ!!」
シャーク「変な頭の奴と変じゃねえ頭の奴・・・誰だこいつら」
カイト「俺も思い出せん」
シャーク「別にいいじゃねえか?誰だって」
カイト「・・・そうだな」
璃緒「わかったわ。ユートはちゃんと見張っておくから」
ユート「・・・」
璃緒「それじゃあね。お兄さんによろしく」
ユート「瑠璃か」
璃緒「うん」
ユート「・・・」
璃緒「瑠璃も心配してたわ、エクシーズの弾けっぷりに毒されないかって」
ユート「されてない」
璃緒「・・・ところでユートはカイトに」
ユート「それはドラゴン使いだけの秘密だ。ミザエルにはLINEを送ったが」
璃緒「ふーん・・・」ピッ
ユート「まさか瑠璃に」
璃緒「頼まれてるから」
ユート「隼は約束を守っているぞ!」
璃緒「だって黒咲さんじゃないから」
ユート「さすが地獄の鬼すら土下座する凌牙が怖がる妹だけの事はある・・・」
璃緒「へえカイトに、さすが遊矢軍団の知恵袋ね」
ユート「たまたまだ」
璃緒「あ、それと瑠璃からの伝言」
ユート「瑠璃から?」
璃緒「人妻に熱を上げるのもいいけど、あまり周りに合わせないでユートらしく居てねだって」
ユート「・・・」
璃緒「いい子ね、瑠璃は」
ユート「遊馬も同じ事を言っていた。瑠璃は可愛いと」
璃緒「あの男色家の遊馬が!?」
ユート「ああ」
璃緒「男しか興味の無い硬派で熱血漢の遊馬が小鳥さんよりも瑠璃を」
ユート「小鳥は出しゃばりすぎるから嫌だと言っていた」
璃緒「何度も注意したんだけどね。でも好みは自由だから」
ユート「小鳥は嫉妬深い?」
璃緒「女性が遊馬に色目を使えば自前のフライパン拳法で病院送りよ」
ユート「小鳥・・・まるで狂犬じゃないか」
シャーク「昔は遊馬のが先輩だったっけ?そんな話してたよな」
カイト「そうだったな」
シャーク「ああ」
カイト「後輩の遊矢が先輩の遊馬を上回るか」
Ⅳ「社会図だな」
シャーク「社会図?」
Ⅳ「後から入って来た後輩が気がつけば自分の上司になっちまったってやつだ」
シャーク「ああ・・・」
カイト「そもそも一つ上の遊矢が遊馬を追い抜くのは必然的」
シャーク「あんなボケっとしてるくせに俺とタメなんだぜ?笑っちまうよ」
Ⅳ「チンポのサイズは負けてるじゃねえか、デュエルだって負け越しなんじゃねえの?」
シャーク「チンポは勝てねえよ。ありゃ何だ?ランク12だぞ」
カイト「柚子が死ぬ」
シャーク「もう死んでるんじゃねえか?半年経てば」
カイト「あの2人が交尾している想像ができるか」
シャーク「できねえ・・・」
Ⅳ「フハハハハハハハ!!!」
ユーゴ「それでよカイトってのが偉く強えんだって!」
ジャック「それもスタンダードか?」
ユーゴ「エクシーズ次元の兄弟次元だって、何だっけな」
遊星「ZEXAL次元」
ユーゴ「それだ!」
クロウ「知ってんのか?」
遊星「頭に浮かんだ」
シンジ「天才かよ、お前って奴は本当に」
ブルーノ「みんな!謎のデュエリストが出現したよ!」
ジャック「何だと!?」
遊星「何!?」
クロウ「何だって!?」
『七色のデュエリスト バリアン七皇』に続く
シャーク「・・・何処だここ」
ドルべ「わからん」
アリト「おいおい・・・どうすんだよ?」
ギラグ「この歳で迷子はゴメンだぜ」
ミザエル「原因は時空竜だ」
アリト「てめえのドラゴンの世話ぐらいちゃんとしろってんだ!」
ミザエル「貴様!」
ドルべ「やめろミザエル」
ミザエル「・・・」
璃緒「ベクターが居ないわ」
シャーク「あいつの事だ。どっかフラフラしてんだろ」
アリト「見た事のねえバイクだぞ」
シャーク「ああ」
「おい!」
シャーク「この街も穏やかじゃねえ野郎が多そうだぜ」
アリト「ド派手にやってやるか」
ドルべ「すぐに喧嘩を売るのはやめてくれ・・・」
「こ、この街にはですね、色んなDホイーラーのチームがあるんですよ」
シャーク「で?」
璃緒「また喧嘩して」
アリト「簡単に口開いたからいいじゃねえか」
ドルべ「・・・」
「中でも炎城ムクロさん率いるチームスカルフレイムは大所帯でしてね。この街でも2番目のチームで」
シャーク「大所帯で2番目か?1番はどんだけ居るんだよ」
「5人です」
ギラグ「5人!?そりゃ吹かしじゃねえだろな」
「ち、違いますよ!」
ミザエル「私達のような少数精鋭の集団なのだろう」
シャーク「何て名だ」
「チーム5D's」
アリト「5D's?」
ギラグ「強えって感じはしねえよな」
シャーク「話せよ」
「はい・・・」
「リーダーの名は不動遊星」
シャーク「不動遊星・・・」
「サブリーダーのジャック・アトラス」
ミザエル「ジャック・アトラス・・・」
「チームの切り込み隊長のクロウ・ホーガン」
璃緒「クロウ・ホーガン・・・」
「核弾頭のシンジ・ウェーバー」
ギラグ「シンジ・ウェーバー・・・」
「そして新星のユーゴ」
アリト「ユーゴ・・・」
「この5人が喧嘩でもデュエルでも負け無しの集団でしてね」
シャーク「・・・何処に居るんだよ。そいつら」
「えーっとですね」
璃緒「何するの凌牙」
シャーク「この街のツッパリとハートランドのツッパリで腕比べしてやろうかって思ってよ」
アリト「ナイスなアイデアだぜ!」
ドルべ「君達は何を考えて居るんだ・・・」
シャーク「ネオドミノシティか」
ミザエル「何故私の時空竜がここへ呼び寄せたのだろうか・・・」
「見つけたぞ、私の半身」
シャーク「何か言ったか?」
ギラグ「いや何も」
シャーク「海沿いなんだな・・・」
「何でも太古の昔には海皇ポセイドンがこの海域を支配してたらしいですよ」
シャーク「くっだらね」
アリト「帰り道わかるのか?」
ミザエル「・・・」
アリト「シカトすんなよ、ロン毛」
ミザエル「誰がロン毛だ!」
ドルべ「事実だミザエル」
ミザエル「・・・」
シャーク「さっさと案内しろよ」
「わ、わかりましたよ」
遊星「派手に暴れまわったと」
「酷いもんっすよ!特に赤いのと青いのが異様に強くてね」
ジャック「名前は」
「アリトだのナッシュだって」
クロウ「アリトとナッシュ?」
シンジ「聞かねえ名だな」
ユーゴ「それ遊矢から聞いたことがあるぜ」
ジャック「例のあいつか?」
ユーゴ「何でも半年前に出会った次元を超えた2人のライバルの1人だってよ」
シンジ「それがド派手にやったってのか?」
クロウ「俺達の庭で!」
ジャック「遊星」
ユーゴ「どうすんだ!」
遊星「売られた喧嘩は借金してでも買うのが俺達の流儀だ」
ユーゴ「だったら決まりだぜ!」
クロウ「そいつら見つけ出したボコボコにしてやろうぜ!」
「ここっす」
シャーク「邪魔するぜ!」
リン「お客さん?遊星なら居ないけど」
シャーク「瑠璃!」
アリト「柚子!」
ギラグ「久しぶりだな!イメチェンか?」
璃緒「うーん何か違う気が」
ドルべ「髪の色が違わないか?」
ミザエル「半年も会ってないんだ。元からこんなのだろ」
ドルべ「それもそうだな」
リン「瑠璃?柚子?違うけど」
シャーク「遊矢は!?あの野郎は何処に居る!」
ブルーノ「ちょっと待って!人違いだよ人違い」
シャーク「人違い?そっくりじゃねえか!」
ブルーノ「僕も疑問に思ってたんだよね。ユーゴの言う自分達にそっくりな子達って」
シャーク「聞かせろよ」
アリト「遊矢柚子とユート瑠璃以外にも似てるのが居るんだな」
ブルーノ「ユーゴは時々何かの拍子で呼ばれるんだって」
シャーク「何だ柚子じゃねえのか」
ブルーノ「友達?」
シャーク「ダチじゃねえよ!」
ギラグ「好みのタイプなんだと」
シャーク「違うってんだよ!」
アリト「だから遊矢をライバル視してるって話だぜ」
シャーク「誰がライバルだ!あの野郎は・・・イラっとさせるんだよ!癇に障るっていうかな!!」
ブルーノ「へえ」
シャーク「その信じられねえって顔は何だ?」
ユーゴ「堂々と殴り込みか!?」
アリト「遊矢だ!」
ユーゴ「遊矢じゃねえ!俺はユーゴだ!!」
遊星「・・・」
シャーク「こいつが頭だな。変な髪しやがって」
遊星「酷い髪型だ」
遊星「ナッシュだな。どうやらお前がリーダー格」
シャーク「ナッシュじゃねえよ。神代凌牙だ」
ベクター「隙あり!」
ジャック「何だこいつは!?」
遊星「目的は」
シャーク「それはミザエルにでも聞いてみろ」
遊星「ミザエル?」
ミザエル「タキオンが輝き出したぞ!」
クロウ「遊星!」
シンジ「俺らの痣もだ!」
遊星「七色のデュエリスト集団か」
シャーク「バリアン七皇だ!覚えとけ!!」
フッ
ジャック「消えた!?」
クロウ「何だったんだ奴らは」
遊星「バリアン七皇と神代凌牙か・・・」
リン「家の中で暴れて!また怒られるわよ!!」
シンジ「肝っ玉母ちゃんが怒ってるぞ」
クロウ「何とかしろユーゴ!」
ユーゴ「ブルーノ!」
ブルーノ「ぼ、僕!?」
ジャック「どう思う遊星」
遊星「只者じゃない」
ジャック「ああ」
遊星「遊矢・・・榊遊矢か」
ジャック「連れて来れんのか」
ユーゴ「それが無理なんだってよ。何かの邪魔が入るとか」
遊星「巨根だったな」
ユーゴ「バカみたいにデカいぞ」
ジャック「巨根の遊矢か」
遊星「ユーゴそっくりの遊矢もドラゴン使い、そしてロン毛の少年もまたドラゴン使い・・・」
ジャック「奇妙な話だ」
シャーク「ミザエル!もう一回だ」
ミザエル「共鳴しない」
シャーク「チッ」
ベクター「久しぶりに見た面だぜ」
ドルべ「知り合いか?」
ベクター「いいや別に」
ドルべ「変な奴だ」
ミザエル「またドラゴンの導きがあれば出会えるさ」
アリト「今度出会った時は」
シャーク「必ずリベンジしてやるぜ!」
璃緒「はあ・・・」
『弁護士・ラブホテル密会事件』に続く
数日後
ベクター「遊星も案外あっさりと書き換えられるんだな。やっぱ十代の奴がずば抜けてヤバいんだろうな」
ミザエル「不動遊星・・・遊星か、やはり私達は何かが記憶から抜け落ちていたんだ」
ベクター「あれれ~?石頭のミザちゃんも解るのか?」
ミザエル「貴様!」
ドルべ「やめろミザエル」
ミザエル「・・・」
シャーク「何だこの記事は!」
アリト「ど、どうしたんだナッシュ!?」
シャーク「こいつを読んでみろ!」
アリト「えーっと・・・漢字が読めねえ」
璃緒「三好弁護士が女性とホテルに」
ギラグ「男なんだから別にいいじゃねえか?何キレてんだナッシュ」
シャーク「良くねえだろ!誰だ適当な記事書きやがって!」
璃緒「凌牙!」
アリト「行っちまったよ」
ベクター「ナッシュはあの調子だ。俺は俺で調べてみるか」
シャーク「舐めんなよ!こっちは昔のただのワルじゃねえんだ!」
璃緒「事務所の前で怒鳴って」
シャーク「何んだよ」
璃緒「助けたいのね?」
シャーク「どうだっていいだろ」
ドルべ「正直に言ってくれ」
シャーク「・・・あいつは担当する奴をホテルに連れ込んだりするような男じゃねえ」
璃緒「それぐらいわかってるわよ」
シャーク「借りは返すのは俺の主義だ。調べてやってくれ」
ドルべ「君は相変わらず情に厚いな」
シャーク「そんなんじゃねえよ」
璃緒「アリト!ギラグ!」
ギラグ「俺らはパシリかよ」
アリト「パシリか!」
璃緒「・・・」
アリト「行くぞギラグ!」
ギラグ「おう!」
翌日
ギラグ「ほら」
シャーク「早えな」
ギラグ「早くしねえとメラグがうるせえからよ」
アリト「鬼婆だからな」
ドルべ「・・・」
シャーク「これが三好と会ってた女の情報か、何々」
ドルべ「19歳の時に通り魔に襲われ子供ができてしまったのか」
アリト「その子供を捨てて荒んだ生活を送ってたんだとよ」
ギラグ「何でも女の弁護を担当してたらしいぜ。窃盗だったかな?」
シャーク「窃盗?」
ドルべ「現在は27歳なのか、過去を引き摺っているのだろう。気の毒に」
ギラグ「そうか?俺は必死で這い上がろうとしてると思うぜ」
ドルべ「どういう事だ?」
ギラグ「こいつを見てみろよ」
ドルべ「?」
ドルべ「19で子供を孕まされ、やけになって水商売に走ればずるずると転落コースを辿るのが普通だ」
ミザエル「最初はバーそしてキャバクラ」
ギラグ「ここまではよくあるケースだろ?」
ドルべ「パチンコ屋、ラーメン屋、スナック、喫茶店、クリーニング屋、洋品店、本屋」
ミザエル「そしてレストラン、ブティック」
アリト「何っつうか上手く言えねえけどよ、頑張って這い上がろうとしてるって感じしねえか?」
ドルべ「しかし窃盗をしたのならば結局は過去を引き摺っている」
ミザエル「気の毒だが荒んだままなのだろう」
アリト「てめえら優等生にはわからねえだろうな。頑張ってる奴の気持ちが」
ドルべ「そうは言ってない」
シャーク「・・・窃盗か」
ドルべ「何か引っかかるのか?」
シャーク「三好が女の事については何も言わなかった。そりゃ個人情報ってのは大事だがよ」
ドルべ「三好弁護士は庇っているのか?彼女を」
シャーク「多分な」
ギラグ「何のため」
シャーク「その女にあって来る」
シャーク「・・・」
「・・・」
シャーク「俺は見ての通りの中学生だ。だが神代凌牙って名なら知ってるよな?」
「こ、この街の守護者と言われてる三つの勢力の」
シャーク「その頭だ」
「・・・」
シャーク「ホテルに入ったんだってな」
「・・・」
シャーク「理由は」
「そ、それは」
シャーク「捨てたガキの事なんじゃねえのか?」
「・・・」
シャーク「三好はヤクザから恨みを買ってるって聞いた事があんだよ。ヤクザ絡みだろ?」
「私は窃盗なんてやってません・・・窃盗をしたのは針尾組の情婦・・・その濡れ衣を私に」
シャーク「理由はガキか?」
「8年前の通り魔が今では針尾組の構成員・・・もし断れば今を生きている私の子供を・・・」
シャーク「わかったよ。三好の事もあんたの事も丸く収めてやるよ」
「こ、このガキ!」
シャーク「8年前だ。何処のどいつだ!」
「な、何の話だ・・・」
シャーク「誰だっていいぜ!片っ端からぶっ潰してやるよ!」
「このガキ!ヤクザにだって人権あんだぞ!」
シャーク「ねえよ!」
「うちの系列ばかり狙いやがって・・・何か恨みでもあんのか!!」
シャーク「恨み?街のゴミ掃除してやってんだよ!少しは感謝しやがれ!!」
シャーク「俺から見れば針尾だろうと竜神だろうと関係ねえ!!」
「や、野郎・・・」
ギラグ「拳銃を持ち出すなんて関心できねえな」
アリト「やっぱ殴り込んでたか」
シャーク「どうしてわかったんだ」
アリト「例の姉ちゃんがちょっとな」
ギラグ「これで針尾系列の事務所に殴り込むのは何度目だ?」
シャーク「さあな!とりあえずボコボコにして2度と立ち直れねえようにしてやるぜ!!」
ベクター「妙だな。やっぱり・・・」
ユート「どうしたベクター?珍しいな君が考え事をしてるなんて」
ベクター「あん時、俺が見た景色はネオドミノの景色じゃねえ・・・そしてハートランドもだ」
ユート「・・・君も気がついていたか」
ベクター「遊矢とオーバーレイできるユートなら次元を超える事は可能だ。だったら黒咲は」
ユート「オーバーレイしたんだ。この次元とエクシーズ次元が」
ベクター「やっぱりな」
ユート「日に日に景色が変わっている。見たような次元だから気がつかない人が多いが」
ベクター「・・・」
ユート「みんながみんな半年前の激戦を忘れかけているようだ。スタンダードとエクシーズ以外は」
ベクター「こいつはドン・サウザンドの最後の呪いだ」
ユート「最後の呪い?」
ベクター「消滅する寸前で徐々に俺らデュエリストの記憶を書き換えてやったって事だ。あいつなら死んでも俺らに復讐してえだろうからな」
ユート「復活するのか?」
ベクター「もう死ねえよ。完璧に消滅しちまった」
ユート「前々から不思議で仕方がなかった。君はどうして察しがいいんだ?」
ベクター「そりゃベクターだからよ」
シャーク「ケリつけて来てやったぜ」
「・・・」
シャーク「どうだ?」
「君って男は」
シャーク「俺の拳はてめえの為には振るわねえ!仲間のために振るうもんだぜ」
「しかし殴り込みはやり過ぎだぞ」
シャーク「ヤクザには丁度いい薬だぜ」
「・・・」
シャーク「じゃあな弁護士先生」
「待った!」
シャーク「あ?」
「こういうやり方は良くないが・・・デュエリストなら仕方がないかな」
シャーク「そんなの常識じゃねえか」
「すまないな」
シャーク「てめえの為にやったわけじゃねえよ。あの女の為にやってやったんだよ」
シャーク「しかし街並みが変わってるな。元からこんなのか?」
Ⅳ「凌牙!」
シャーク「何だ?旅行にでも行くのか」
Ⅳ「千首領街」
シャーク「また何かあったのか?」
Ⅳ「猟銃による大量殺人だってよ」
シャーク「てめえも大変だな」
Ⅳ「お前も来るか?」
シャーク「何で俺が」
Ⅳ「あそこは殺人鬼の街だぜ。これで3人目だ」
シャーク「だから何だ?」
Ⅳ「ビビってんだろ」
シャーク「ビビってねえよ!」
Ⅳ「本当かよ?だってお前」
シャーク「上等だ!行ってやろうじゃねえか!!」
Ⅳ「本当に単純な野郎だな。こいつだけは」
璃緒「そう、じゃあ帰って来ないのね」
ドルべ「ナッシュか?」
璃緒「何か千首領街に行って来るって」
ギラグ「さっき派手にやったばかりじゃねえか」
ベクター「デュエリストの本能ってやつだろ」
ギラグ「落ち着きねえからな。うちのリーダーは」
ドルべ「また私を置いて行くのか・・・」
ベクター「じゃ俺も帰らねえから、しばらく」
アリト「おいおい何処に行くってんだ?」
ベクター「真実を知りに行くんだよ。このままじゃやべえ事になりそうだからな」
アリト「?」
ベクター「俺らは仲良くしすぎたんだ。それが元で結構ヤバい事になるかもしれねえぞ」
アリト「何言ってんだこいつ」
『ある決意』に続く
シャーク「田舎臭えな」
「Ⅳさん!」
Ⅳ「元気そうだな巡査」
「Ⅴさん達は先に」
Ⅳ「兄貴達は行動が早いな・・・」
シャーク「何か見てるぞ」
瑠那「・・・」
Ⅳ「ジロジロ見んじゃねえ!」
シャーク「何かやったんだろ?」
Ⅳ「事故だ事故」
シャーク「事故?」
瑠那「彼が下着を盗んだのよ」
シャーク「おいおい極東チャンピオン様よォ!」
Ⅳ「包茎は黙ってろよ」
シャーク「てめえは俺のチンポ見た事あんのか!」
Ⅳ「ムキになってやがる。マジで包茎なんじゃねえか?この野郎」
ベクター「いてて、次元移動ってこんなに尻に来るもんか?痔になっちまうよ」
ユート「どうやら俺や遊矢達は本当に特別なようだ」
ベクター「・・・元気そうだな遊矢」
遊矢「久しぶりベクター」
柚子「半年も経ってるのね」
ベクター「お前らは覚えてるか?覚えてるよね、お前らなら」
遊矢「ま、まあ覚えてるよ。あんな濃厚な日々を忘れるなんて」
ベクター「さすがドン・サウザンドの奴が1番恐れた奴だ。じゃあ言うぞ、沢渡らは覚えてねえよな?」
遊矢「あいつが1番仲が良かった万丈目さんを忘れててさ」
柚子「権現坂だって尊敬してた遊星さんを忘れちゃって」
ベクター「だが俺らの事は覚えてる。そうだな?」
柚子「うん」
ユート「どういう事だ?」
ベクター「半年前の戦いが全て俺らの次元に集中してたからだよ。考えてもみろよ」
ユート「そういえば」
遊矢「確かに」
ベクター「だろ?だから俺らの住む次元はヤバくなっちまってんだ」
Ⅳ「島田寅夫?」
Ⅴ「その男が第3の殺人鬼だ」
Ⅲ「どうも島田寅夫は普段は温厚な人物らしいです。ですが」
Ⅳ「何かあるのか?」
Ⅲ「1度逆上すると手がつけられない程に暴れるらしいです」
Ⅴ「何でも中学の時に同級生を手斧で大怪我させたようだ」
Ⅳ「また手斧か・・・」
Ⅴ「ああ手斧だ。連続殺人鬼はみんな千首領街の手斧を持っている」
シャーク「そういやカイトが探してた連続殺人鬼の住処にも千首領街の手斧があったって言ってたな」
Ⅳ「島田は?」
Ⅴ「現在逃走中らしいが」
シャーク「さっさと探して帰ろうぜ。ここは薄気味悪い」
Ⅳ「俺が知ってる限りじゃ3人も」
「大変です!島田が護送車を襲撃しました!!」
Ⅳ「やりやがったな!」
シャーク「とんでもねえ野郎だぜ」
ベクター「ってわけだ」
遊矢「集まりすぎた影響で二十四の次元のバランスが崩れて」
ユート「遊馬達の次元が崩壊寸前なのか!?」
ベクター「ああ」
柚子「物知りね」
ベクター「地獄耳のベクター知らねえ事はねえんだよ」
遊矢「俺はどうすれば」
ベクター「決まってんだろ?あまり互いの事を干渉しねえようにするんだよ。特に俺らの次元は戦いの舞台になりすぎた」
遊矢「半年も経ったっていうのに」
ベクター「噂じゃお前はエクシーズばかり使うんだってな。もっと満遍なく使えよ」
遊矢「1番使い易いし1番想い出が大きいから」
ベクター「カイトとナッシュか?好きだよな2人を」
柚子「私も2人は」
ベクター「そうだよな。あのコンビ何かとお前らを気にかけてたもんな」
遊矢「あの日俺達は再び再会する約束をしたんだ。なのに」
ベクター「永遠の別れじゃねえんだ。たまに会えばいいんだよ、それにお前らは俺らだけじゃ太刀打ちできねえ奴を倒しちまったんだから」
Ⅳ「派手にやったな」
Ⅴ「6人とも猟銃で撃たれているな」
Ⅲ「護送中の犯罪者まで」
「実は1人だけ逃走しまして」
Ⅳ「1人?何処の誰だ」
「あの望月根治です」
Ⅳ「望月!?」
シャーク「知り合いか?」
Ⅳ「俺が前にパクった殺人鬼だ。ムカつく野郎でな」
Ⅲ「島田と望月は何か関係でも?」
「全くの偶然でしょうな。島田もとんでもないことをしてくれましてよ!」
Ⅳ「望月は必ず俺を狙ってくる」
シャーク「根拠は?」
Ⅳ「奴は俺に捕まった時に必ず仕返してしてやるって眼してやがった」
シャーク「飽きねえな。他人に恨まれる事」
Ⅳ「うるせえ」
ベクター「ミザちゃんが言ってたなぁ、ドラゴンがどうとかって」
遊矢「それは俺も聞いてる」
ベクター「ドラゴン使いが次元を救うかもな」
遊矢「?」
ユート「それとエクシーズ次元と遊馬の次元がくっ付いた事は」
ベクター「それは都合がいいぜ」
柚子「どうして?」
ベクター「鈍いなァ~!何で次元が二十四か知らねえのか?」
柚子「?」
ベクター「モンスターの種族の数だ」
ユート「あー成る程」
ベクター「ドン・サウザンドもハゲもロジェとかいうのも全次元制覇が狙いだったろ?」
遊矢「うん」
ベクター「一つの次元には必ず強大な力を持つ何かがあるんだよ」
ユート「ヌメロンコード」
遊矢「赤き竜」
柚子「心優しい闇の波動」
ベクター「ちゃんとわかってるじゃねえか」
ベクター「だから対になってる次元同士がくっ付いたら二十四の次元の持つ超デュエルエナジーは永遠に選られねえってわけだぜ」
柚子「でも居るの?そんな悪い人達が」
ベクター「世の中悪者ばっかだぜ!」
ユート「まあ何というかエクシーズ次元の復興を手伝ってくれそうだ。ハートランド民は」
ベクター「ハートランド市民は大地震が来てもボーッとしてるからな。小鳥や遊馬が能天気で寛大だろ?」
ユート「言われてみれば」
ベクター「悪党の目論見もパーってわけだ」
柚子「・・・」
ベクター「そういうわけだ!」
遊矢「これからどうするんだ?」
ベクター「俺は帰るが」
権現坂「遊矢!街にモンスターが現れたぞ!」
遊矢「じゃ俺は行くよ!」
ベクター「頑張ってんな、あいつも」
ユート「事件が起これば、あんな感じなんだ」
Ⅳ「待て!」
シャーク「こんなクソ田舎で追いかけっこさせやがって!」
「く、来るな!」
「相手は猟銃を持ってるんですよ!」
Ⅲ「大丈夫ですよ。あの2人なら」
「しかし」
Ⅴ「大丈夫」
「プロと同じスピードで追っかけ回すなんて普通じゃない」
Ⅴ「普通じゃないな」
Ⅲ「ですね」
「何者ですか?」
Ⅴ「神代凌牙」
「まさかシャークってあだ名の」
Ⅲ「はい!」
「あれが地獄の鬼でも逃げ出すと恐れられている極悪鮫の神代凌牙か・・・」
「俺は悪くねえ!俺は悪くねえんだ・・・」
Ⅳ「何が悪くねえだ!」
「ひ、人を殺さなきゃ生きてけねえんだ!」
Ⅳ「頭おかしいんじゃねえか!!」
Ⅴ「一つ聞きたい。この手斧は君の家にあった」
「そ、それ!それ!」
シャーク「一発ぶん殴ってやるぜ!」
Ⅴ「これは何を意味するんだ?答えろ」
「し、知らねえよ」
Ⅲ「知らないって・・・」
「ただ、そいつを見ると無性に殺したくなるんだよ!」
シャーク「こいつマジでヤバい奴だ」
Ⅳ「あ、ああ」
「俺は悪くねえ!!!」
Ⅳ「猟銃持って暴れたくせに何が悪くねえだ!」
Ⅲ「これでカイトが追っていた連続殺人鬼と合わせて四人が手斧を所持していた。何なんだこの街は」
シャーク「ふぅ・・・」
Ⅳ「情けねえな。疲れてんのか?」
シャーク「うるせえ!」
Ⅳ「お前は帰ってもいいんだぜ?」
シャーク「その望月って野郎をこの眼で見るまでは帰れねえよ」
Ⅳ「ったく、好きにしろ」
瑠那「物騒ね。あなたが捕まえた望月根治が逃げ出したなんて」
Ⅳ「てめえも街から出た方がいいぜ。ここは狂ってやがる」
瑠那「そうはいかないわ。まだ調査が残ってるから」
シャーク「お前に気があるんじゃねえか?」
Ⅳ「気があったら下着を盗んだぐらいでウダウダ言わねえだろ」
シャーク「やっぱ盗んだのか」
Ⅳ「盗んでねえよ!」
『逆襲』に続く
Ⅳ「見ろよ。不気味な月だぜ」
シャーク「真っ赤な満月か」
Ⅴ「不吉な予感がする」
Ⅲ「望月って満月なのですよね」
シャーク「教えてくれよ。望月の事を」
Ⅳ「あいつは獣だ」
シャーク「獣?」
Ⅴ「この街で観光客を何人も殺している。そしてハートランドでも1人だ」
Ⅲ「狙うのは女性ばかり」
シャーク「狂ってんな」
Ⅳ「言っとくが猟銃持って暴れ回ってた島田なんて可愛いもんだぜ」
シャーク「・・・」
Ⅳ「ビビってんのか?」
シャーク「どうだろうな。だが普通じゃねえんだろ」
Ⅳ「あいつの眼は本物の狂気だぜ」
シャーク「お前はどうすんだ?」
Ⅳ「狙いが俺なら奴の寝床にでも行ってくる」
Ⅲ「1人で?」
Ⅴ「場所はわかるのか?」
Ⅳ「どうせ奴が住んでた家に居るだろ」
シャーク「Ⅳ!」
Ⅳ「心配してるのか?」
シャーク「たかが殺人鬼にお前がやられるわけがねえからな」
Ⅴ「では私達も」
Ⅲ「はい」
シャーク「お前らも何処か行くのか?」
Ⅴ「望月のルーツを改めて調べてみる」
シャーク「・・・」
Ⅲ「凌牙は?」
シャーク「仕方ねえからⅣと行動してやるか」
Ⅳ「結局来るのかよ」
シャーク「いいじゃねえか」
シャーク「気味が悪いな」
Ⅳ「・・・」
シャーク「お前も拘ってんだな」
Ⅳ「奴は兄弟がどうとか言ってやがった」
シャーク「兄弟でも居るんじゃねえか?」
Ⅳ「縁起でもねえ事を言うんじゃねえよ」
シャーク「・・・」
ザッ
Ⅳ「望月・・・!」
「人の家に勝手に入るなんて不法侵入だろ?それでもプロかい!」
Ⅳ「脱走した理由は」
「殺し損ねた奴を殺すためよ」
Ⅳ「てめえも手斧が好きだな。ええ?望月!」
「ガキの頃からこいつだけは俺の仲間だったよ。家族も居ねえ・・・」
Ⅳ「てめえみたいな獣に家族なんて必要ねえんだよ!」
「ボンボン育ちのお前さんにはわからんだろうなァ!」
Ⅴ「望月・・・望月」
「あまり望月に深入りしない方がいいですよ」
Ⅲ「わかってますよ」
「何でも望月達はこの街の有力者の隠し子とか」
Ⅴ「望月達?」
「はい」
Ⅲ「達と言うのは」
「小耳に挟んだだけですよ」
Ⅴ「この手斧を売っていた店は5年前に潰れているのか・・・これは」
Ⅲ「何かありましたか?」
Ⅴ「手斧を販売していたのは望月の母だ。望月は母一人子一人で生活してたようだ」
Ⅲ「実の母を殺すなんて・・・」
Ⅴ「巡査の言っていた望月達とは一体何なんだ?」
Ⅲ「・・・」
Ⅴ「そして手斧に隠された因縁とは一体なんなんだ」
Ⅲ「知ってる限り四人の殺人鬼が所持してましたからね」
Ⅳ「それで母親を殺したってのか!」
「あんなのは母親じゃねえ!クズだ!」
Ⅳ「母親の有り難みってのを知らねえのか!?」
「知らねえな!あいつは俺をクソみたいな眼で見やがった!俺だけじゃねえ!」
Ⅳ「てめえは本物のクソだぜ」
「いい眼だ!俺そっくりじゃねえか?もしかしてもう1人居るんじゃねえか?」
Ⅳ「あ?」
「俺に俺自身が居るようにお前にもお前自身が!」
ガラッ
Ⅳ「後ろは崖か・・・」
「どうする?どうするんだ!このまま斬られるか・・・落っこちるか!」
Ⅳ「来いよ」
「くたばりやがれ!!」
Ⅳ「てめえに生きてる価値はねえ・・・くたばるのは、てめえの方だ!!」
サッ
「ああああああああああああああああああああああああああああああああ」
Ⅳ「てめえは感情任せに突っ込んで冷静さがねえ・・・自分から崖下に落ちるなんて殺人鬼に相応しいマヌケな最後だ」
翌日
シャーク「頭パックリ割れてるな」
Ⅳ「ああ」
シャーク「殺人鬼もこうなっちまったら救いようがねえな」
Ⅳ「こいつはクズだ。死んで当然のな」
シャーク「俺達は聖人じゃねえしな。殺す覚悟でかかって来る奴は望み通り殺してやればいいって事だぜ」
Ⅳ「てめえは鬼か」
シャーク「悪党にかける情けなんてあんのか?」
Ⅳ「ねえよ」
シャーク「そんなもんだろ。マゴマゴして、殺されるなんて俺は御免だぜ」
Ⅴ「望月は死んだようだな」
Ⅳ「バカな野郎だ。てめえから落ちちまうんだからよ」
Ⅲ「君は望み通り殺してやればいいって言ってたけど、本気なの?」
シャーク「それで大切な者を失いたくはねえよ。俺やカイト、お前ら三兄弟が言えた義理じゃねえだろ?」
シャーク「俺らはこの手で何人も罪の無い奴を傷つけた。特に俺はあの時な・・・」
Ⅳ「・・・」
シャーク「だったらこんな外道に罪の無い連中が殺されるぐらいなら俺は手を汚してやるよ。命を弄ぶ野郎は許せねえんだ」
Ⅳ「それにしても兄貴は何で神妙な顔してんだ?」
Ⅴ「望月には腹違いの兄と弟が居る」
Ⅳ「!?」
Ⅲ「Ⅴ兄様が署長を脅しかけて無理矢理聞いたのですよ。兄と弟の事を」
Ⅴ「2人は生まれてすぐに里子に出されたそうだ」
Ⅳ「・・・奴と俺が似ている事ってのは境遇だったのか」
Ⅴ「兄の亀造もまた連続殺人で逃亡中」
Ⅲ「弟の勃男は銀行を襲撃し逃亡中」
シャーク「極悪三兄弟・・・か」
Ⅴ「腹違いだと言うが兄弟の絆はかなり強固・・・狙いは」
Ⅳ「俺だってのか?」
Ⅲ「もし兄と弟が望月を倒した事を知れば復讐は僕たち三兄弟に向くはずです」
Ⅳ「だったら千首領街にいつまでも居るわけには行かねえよ」
Ⅲ「ですね」
Ⅴ「この街には世話になった。これ以上は連続殺人鬼のために街を傷つけるのは心苦しい」
シャーク「囮になるってのか?」
Ⅳ「それしか道はねえと思う。それしかな」
Ⅳ「腹違いって言ったけど親父は何者だよ」
Ⅲ「この街の有力者らしいです」
Ⅳ「だったら」
Ⅴ「叩き潰すというのか?」
Ⅳ「権力者だろうと何だろうと関係ねえだろ!」
Ⅴ「それは無理な話だ」
Ⅳ「何でだよ」
Ⅴ「望月が既に始末したようだ。今朝方死体で発見された」
Ⅳ「・・・」
Ⅴ「誰が悪で何が悪なのかわからない時代だ」
Ⅲ「・・・」
シャーク「帰ろうぜ」
Ⅲ「望月の遺体は」
シャーク「地元警察には連絡してんだろ?だったらそれでいいじゃねえか」
Ⅳ「こいつのツラはこれ以上見たくはねえよ」
Ⅴ「・・・」
Ⅲ「・・・」
Ⅳ「じゃあな千首領街」
瑠那「・・・」
Ⅳ「てめえも帰った方がいいぜ?ここは危ねえとこだ」
瑠那「調査が終わり次第、引き上げるわ」
Ⅳ「そうか」
シャーク「こんな時代か」
Ⅲ「僕達は戦って戦って戦い抜いた先に何があるのでしょうか」
シャーク「知るかよ」
Ⅴ「凌牙」
シャーク「んだよ」
Ⅴ「さっきカイトから連絡があってな」
シャーク「ああ」
Ⅴ「エクシーズ次元とここが完全にオーバーレイしたそうだ」
シャーク「だったら戻ったら復興の手伝いしてやろうぜ。なあⅣ」
Ⅳ「あ、ああ」
シャーク「この色ボケ野郎」
Ⅳ「・・・」
ミザエル「ではナッシュ不在の為、この私が」
ドルべ「待て!」
ミザエル「どうしたドルべ」
ドルべ「ちょっとリーダー気取りじゃないか?サブリーダーは私だぞ」
アリト「細かい事はいいんだよ!」
ドルべ「良くない!」
ギラグ「すぐにムキになりやがってよ」
ドルべ「私がナンバー2なんだ!昔からずーっと!」
ミザエル「・・・」
『白い智将 バリアンのサブリーダー』に続く
ミザエル「別に誰がサブリーダーでも関係無いだろ」
ギラグ「智のドルべと武のミザエルって」
ドルべ「だったら君達は私を本当に智将だと思っているのか?」
アリト「俺は思ってねえよ。俺は」
ドルべ「ほら」
ギラグ「余計な事を言いやがって」
ドルべ「そうだな。カイトから与えられたバリブルーンだってミザエルが所持している」
ミザエル「・・・」
アリト「乗ればいいじゃねえか」
ドルべ「鍵が無い」
ギラグ「乗らせてやれよ」
ミザエル「ドルべの運動神経では乗りこなせないぞ」
アリト「プッ」
ドルべ「いやに君は噛み付くな」
ミザエル「そっちこそ」
ギラグ「こういう時にメラグは何処に行っちまったんだ」
璃緒「それは?」
カイト「バリアンボール」
璃緒「バリアンボール?」
カイト「こいつは蹴り上げる事でお前達のデュエルエナジーを吸収し弾丸のように蹴っ飛ばすボールだ。相手は一溜まりも無い」
璃緒「へえ」
カイト「これはお前が所持しろ」
璃緒「ドルべが持ってた方がいいんじゃない?」
カイト「ダメだ」
璃緒「どうして?」
カイト「無くすだろ。あいつはドジだ」
璃緒「言われてみれば・・・」
カイト「だから渡す」
璃緒「わかったわ」
カイト「ついでに言っておくがトドメは凌牙だ」
璃緒「凌牙のキック力はエクシーズ随一だものね」
カイト「そういうことだ」
ドルべ「・・・」
ミザエル「・・・」
ギラグ「いい加減にしろよ!喧嘩ばっかしやがって!」
ドルべ「私が言いたいのは」
アリト「そもそもサブリーダーって言うかリーダーってメラグじゃねえの?」
ミザエル「何だと?」
アリト「メラグが居ないと誰が飯作るんだ?俺はメラグが居ないと遅刻しちまうぜ」
ギラグ「こいつ目覚ましじゃ起きねえよな」
ドルべ「・・・」
アリト「それに七皇の中で喧嘩強えのって俺とギラグそれにナッシュじゃねえか」
ミザエル「腕っ節の問題ではない!」
ドルべ「君達が街中で喧嘩沙汰を起こすからメラグだって苦労しているのは忘れたのか!?」
アリト「うるせえな!」
ミザエル「時にドルべよ。この次元に隠された騒動を知っているか?」
ドルべ「いや知らん」
ミザエル「だったら私とベクターだけだな。どうだドルべ」
ドルべ「くっ・・・」
シャーク「おい!」
カイト「何だ帰って来たのか」
璃緒「どうだった?」
シャーク「どうもこうもねえよ。それよりベクターから話は聞いたな?」
カイト「ああ」
シャーク「バリアン代表気取りやがって!誰の許可でスタンダードに行きやがったんだ!」
カイト「お前が帰ってくるとハートランドに騒がしさが帰って来た感じがするな」
シャーク「遊馬には負ける」
カイト「その遊馬だが帰って来るぞ」
璃緒「遊馬が?」
カイト「国外追放らしい」
シャーク「何しやがったんだ・・・」
カイト「何でも小鳥が派手にやらかしたそうでな。遊馬はめでたくクビになったらしい」
シャーク「また小鳥か・・・何処か行ったと思ったら遊馬のとこか」
璃緒「恋する乙女は強いのよ」
シャーク「ストーカーじゃねえか!」
カイト「あいつの事だから宇宙の果てでも追いかけて来るぞ。ストーカーすれば二十四次元最強の女だ」
シャーク「何で遊馬の成長の邪魔しやがるんだ!!」
シャーク「どうにかならねえのか?あいつは何かと」
カイト「原因はお前にもあるだろ」
シャーク「俺に?」
カイト「お前が小鳥に遊馬の側に居てやれと言ったから今あんな感じになった」
シャーク「限度があるだろ」
カイト「ああ・・・限度があるな」
璃緒「昔は普通の女の子だったのに悪影響を与えられたのよね」
シャーク「誰の?」
璃緒「2人」
カイト「こいつが1番酷い」
シャーク「てめえには負ける」
璃緒「・・・」
シャーク「俺が遊馬担当でてめえが小鳥担当じゃねえのか!」
カイト「バカを言うな。俺が遊馬で小鳥はお前だ」
シャーク「・・・」
カイト「・・・」
璃緒「どっちもどっちね」
ドルべ「そもそも私は」
ギラグ「ウダウダうるせえな・・・」
アリト「間をとって俺がサブリーダーでもいいんだぜ?」
ミザエル「どっちにしても面倒な事には間違いない」
ベクター「そんじゃ俺でもいいんだぜ」
ミザエル「こいつは何処から出てくるんだ」
ギラグ「見ろよカイトとナッシュも言い争ってるぜ」
ドルべ「やめるんだ!」
シャーク「揃いも揃って何処に行くんだ?」
ドルべ「復興の手伝いを」
シャーク「どうすんだカイト」
カイト「・・・」
シャーク「おい!」
カイト「行くに決まってるだろ」
シャーク「あの野郎!リーダー気取りか!?」
アリト「あっちでもこっちでもリーダーは誰か揉めてやがるよ」
ギラグ「そういう歳頃なんだろ。俺らガキなんだから」
遊馬「これはこっちか?」
ユート「ああ」
アストラル「しかしオーバーレイしたとはな。どうりで地球の面積が広くなった気もするが」
シャーク「遊馬!」
遊馬「おお!」
アリト「帰って来やがったな」
遊馬「ほらボーッとしてないで手伝ってくれよ!」
Ⅳ「行動が遅えんだよ」
シャーク「さっき別れたばっかじゃねえか!何やってんだ」
黒咲「俺が捕まえた」
Ⅲ「暇そうだからですって」
シャーク「そりゃそうだ」
カイト「見ての通りの暇人三兄弟だな」
Ⅳ「てめえらに言われる筋合いはねえ」
遊馬「ほら手伝えよ」
シャーク「こいつは相変わらず元気だな」
カイト「ああ」
カイト「どうだった遊馬」
遊馬「国際デュエル警察?」
シャーク「感想言えよ」
遊馬「楽しかったぜ」
アストラル「小鳥が面倒を起こさなかったらな」
カイト「・・・」
シャーク「・・・」
遊馬「そっちは?」
カイト「相変わらずだ」
シャーク「何も変わらねえよ」
遊馬「ふーん」
アストラル「ベクターから聞いたがエクシーズの地は崩壊寸前らしいな。私とした事が気がつかなかった」
カイト「これからは遊矢の助けは無いぞ。大丈夫か?」
遊馬「平気だぜ!って言うか俺のが先輩なんだから」
シャーク「ちょっと危なっかしいけどな」
遊馬「へへへ」
アストラル「かなり危なっかしい」
遊馬「俺だってドン・サウザンド倒したじゃねえか!」
カイト「長い長い戦いの果てに俺達は再び再会の約束をした」
シャーク「落ち着いたら行けばいいじゃねえか、あいつ俺らとばっか遊んでやがるからエクシーズばっか使わねえだろ」
黒咲「言われてみれば」
ユート「何かとエクシーズを使いたがるな」
Ⅳ「さてと」
シャーク「何処行くんだ」
Ⅳ「スタンダード」
カイト「人の話を聞いていないのか」
Ⅳ「ユート肩貸してくれよ」
ユート「そんなこと言われたって困る」
シャーク「だったら俺を連れてけよ!野郎には借りが沢山残ってやがるからな!」
ユート「君達・・・」
カイト「どうしようも無い連中ばかりだ」
黒咲「ああ」
アリト「じゃあ俺だ!俺も行くぜ!あそこは飯が上手いから」
遊馬「待てよ!俺が行きたいぜ!なあアストラル!!」
アストラル「・・・」
ドルべ「まるで纏まりが無いのがエクシーズ使いの特徴なんだろうな・・・」
ミザエル「何処か好戦的で後先の考えない連中ばかりだ。私達を含めてな」
ドルべ「誰がリーダーとかではなく横の繋がりってやつなんだな。リーダーがどうとか馬鹿馬鹿しい・・・」
終
ユート「完全に遅刻だな」
ユーゴ「おい!」
ユート「ん?」
ユーゴ「ハートランド学園っての知ってるか?」
ユート「俺が通っている学園だが」
ユーゴ「ラッキー!」
ユート「君は?」
ユーゴ「俺か?俺は見ての通りの転校生よ」
ユート「転校生なのか?」
ユーゴ「俺は不動ユーゴ!お前は?」
ユート「九十九ユート」
ユーゴ「乗ってけよ。遅刻すんだろ?」
ユート「ああ」
ユーゴ「それじゃ行くぜ!」
続く
ユーゴ「フハハ!面白えな」
ユート「何を笑っているんだ君は」
ユーゴ「だってよ俺の担任さ」
ユート「あの先生はプロデュエリストの龍亞選手の妹さんだぞ。双子の」
ユーゴ「知ってる知ってる!でもよ・・・プフフ」
ユート「何が言いたいんだ」
ユーゴ「絶壁じゃねえか!乳無しだぜ!」
ユート「・・・」
ユーゴ「あれで成人してるんだもんな・・・成長しねえんかな」
ユート「それで君は笑っていたのか!?」
ユーゴ「おう」
ユート「・・・」
ユーゴ「俺が前に住んでた街なんて右も左もおっぱいおっぱいでよ。ハートランドは」
璃緒「ユート!」
ユーゴ「小せえな・・・」
璃緒「彼は」
ユート「転校生のユーゴだ」
ユーゴ「よろしく!」
璃緒「よ、よろしく」
ユーゴ「同じ孤児院?何だ俺と一緒じゃねえか」
ユート「君も孤児なのか」
ユーゴ「おう!」
璃緒「元気な人ですわ」
ユート「・・・しかし君がシンクロ使いで良かったよ」
ユーゴ「何で?」
ユート「この学園は移動教室時に於いてエクシーズコース、シンクロコース、融合コース、儀式コース分かれている」
ユーゴ「そりゃ説明されたよ」
ユート「そうか」
ユーゴ「お前は何だ?」
ユート「エクシーズ」
ユーゴ「何だエクシーズか」
ユート「そもそも儀式は誰も受けたがらない」
ユーゴ「融合は?」
璃緒「ユーゴと融合・・・似てる」
ユーゴ「融合じゃねえ!ユーゴだ!」
ユート「そういうのはいいから」
ユーゴ「何だよ冷めてんな」
ユーゴ「へえ2人だけか」
ユート「ああ」
璃緒「1人はかなり変わり者で滅多に学園にも姿を現さなくて」
ユート「更に薄気味悪くて誰も近寄らないんだ。だから融合の授業を受けて居るのは1人だけなんだ」
璃緒「しかも良くない噂がありますわ」
ユーゴ「良くない噂?」
ユート「前に同じく融合コースの授業を受けていたデニスという同級生が居て事故死したんだ。デュエル中のな」
ユーゴ「気の毒な奴だぜ」
ユート「そのデニスを事故に見せかけて殺したという噂だ」
ユーゴ「ふーん・・・」
権現坂「あくまで噂だがな」
ユーゴ「おっさんが混じってるぞ」
ユート「彼はこう見えても俺達と同い年なんだ」
ユーゴ「本気かよ?このおっさんが」
権現坂「けしからん!何だこいつは!」
ユート「転校生だ。君と同じシンクロ使いなんだ」
ユーゴ「よろしく」
権現坂「そうか、だが俺はおっさんではないぞ」
素良「こんな所に居た!探したよ!」
ユーゴ「今度はガキか?」
ユート「この子がもう1人の融合使い」
素良「うわっ・・・そっくり2人とも」
ユート「俺と彼が?」
ユーゴ「似てねえよ」
素良「そうかな?」
璃緒「権現坂くんに何か用事?」
素良「また狙われたんだよね。融合狩りに」
ユーゴ「融合狩り・・・俺の街でも聞いた事があるぜ!」
権現坂「手当たり次第に融合使いに襲いかかる猛禽類のようなデュエリストだと聞いた事があるぞ」
ユート「今も居るのか?」
素良「ううん!逃げ切ったよ」
ユーゴ「物騒な街だぜ。俺が住んでいた街も同じ感じだったけどな」
ユート「・・・」
素良「やっぱり似てるよね?」
権現坂「髪型が違うぞ」
素良「ハゲたらそっくりじゃん!」
ユーゴ「なあ相棒」
ユート「相棒?俺が?」
ユーゴ「いいじゃねえか!細かい事は」
ユート「・・・」
ユーゴ「嫌そうな眼しやがって、俺とデュエルしようぜ!」
ユート「デュエル?」
ユーゴ「いいだろ?」
ユート「別に構わないが」
ユーゴ「だったらデュエルしようぜ!」
ユート「ああ」
ユーゴ「そう来なくちゃな!ところで、あの姉ちゃんはお前のこれか」
ユート「いや彼女には想い人が居る。双子の兄だがな」
ユーゴ「そいつも学生か?」
ユート「今は特別少年デュエル刑務所に収監されている」
ユーゴ「兄貴に惚れてんのか?そいつは面白いぜ!」
ユート・ユーゴ「デュエル!!」
権現坂「俺は許さんぞ」
璃緒「そんな事を言われてもね・・・」
ユート「ドロー!俺は幻影騎士団ラギッドグローブを攻撃表示で召喚!そして幻影騎士団サイレントブーツを特殊召喚!」
ユート「レベル3の幻影騎士団ラギッドグローブと幻影騎士団サイレントブーツでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク3!幻影騎士団ブレイクソード!!」
ユート「ラギッドグローブの効果でブレイクソードの攻撃力は1000アップ!カードを2枚伏せてターンエンド!」
ユーゴ「ドロー!SRパチンゴーカートを攻撃表示で召喚!そしてパチンゴーカートの効果を発動!手札から機械族モンスターを墓地へ捨てる事で相手モンスター1体を対象に、そいつを破壊する!ブレイクソードを破壊だ!」
ユート「・・・ブレイクソードが破壊された事で同じレベルを持つ幻影騎士団モンスターを特殊召喚する事ができる!幻影騎士団サイレントブーツと幻影騎士団ラギッドグローブを特殊召喚!」
ユート「この効果で特殊召喚された幻影騎士団モンスターのレベルは一つ上がる!さらに罠発動!『ワンダー・エクシーズ』」
ユート「レベル4の幻影騎士団サイレントブーツと幻影騎士団ラギッドグローブでオーバーレイ!エクシーズ召喚!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」
ユーゴ「魔法『スピードリバース』を発動!パチンゴーカートの効果で墓地へ捨てたSR三つ目のダイスを特殊召喚!」
ユーゴ「レベル4のSRパチンゴーカートにレベル3のSR三つ目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!レベル7!クリアウィング・シンクロ・ドラゴン!!」
素良「ほら似てる」
権現坂「今度は何だ?」
素良「顔も体格もモンスターだって似てる!」
権現坂「うーむ言われてみれば似ている気もするが」
ユーゴ「やっぱドラゴン使いだったんだな」
ユート「そのようだ」
ユーゴ「だったら・・・クリアウィング・シンクロ・ドラゴンで攻撃!」
ユート「罠発動!」
素良「・・・」
ユーゴ「何だってんだ!クソ!」
ユート「・・・」
ユーゴ「・・・」
権現坂「だが性格が違うぞ」
素良「そうだよね。光と闇っていうか」
ユーゴ「次は負けねえ!」
ユート「君がこの街にいる限り勝敗は常に」
ユーゴ「やめろやめろ、話が長くなりそうだしな」
ユート「・・・」
ユーゴ「あれ?璃緒どこ行ったんだ?」
ユート「授業だろう」
ユーゴ「何だよ授業か!それ言えよ!」
ユート「君が無理にデュエルを催促するから出れなかった」
ユーゴ「おっさんとチビもか?可哀想にな・・・」
ユート「いや君が」
権現坂「うーん似ているが似てないな」
素良「同じ顔は3人居るって言うしね。ユートとユーゴそれにあいつだって・・・」
権現坂「あいつか・・・」
ユート「君も怒られてしまうぞ。転校早々に遅刻なんて」
ユーゴ「安心しろよ。大丈夫だぜ」
ユート「根拠は」
ユーゴ「ねえ」
ユート「な、無いのか」
ユーゴ「どうにかなるだろ。そう思わねえか?」
ユート「・・・」
ユーゴ「美人なんだよなぁ・・・でもねえんだよ」
ユート「大きければいいという問題ではないんだぞ」
ユーゴ「だってよ璃緒より小せえんだぜ?大人のくせによ」
ユート「それは俺も何となく感じていたが・・・」
ユーゴ「一回り上だろ?やべえよ」
ユート「実家はかなり裕福だそうだ」
ユーゴ「ありゃ悪霊の呪いだよ。お前もそう思うだろ?」
素良「僕は子供だからわからないよ」
ユーゴ「とか言ってるぜ?男のくせに」
ユート「人それぞれ・・・とは言ってられんな」
ユーゴ「俺の生まれ育った街じゃ迫害されるレベルだぜ」
翌日
ユート「・・・」
ユーゴ「おーい!」
ユート「朝から元気だな」
ユーゴ「そりゃ元気よ」
ユート「Dホイールは?」
ユーゴ「ペッタンコに乗って来るなって説教されてな」
ユート「ペッタンコ?」
ユーゴ「担任のあだ名」
ユート「先生の・・・君はどう思う?」
権現坂「俺に話を振るのか!?」
ユーゴ「硬派だよな。おっさんは」
権現坂「まだおっさんというか!俺はお前と同い年だ!!」
ユーゴ「わかったわかった!」
権現坂「それでいい」
ユート「・・・」
ユーゴ「何っつうか気持ちのいい朝だぜ」
続く
ユーゴ「・・・」
ユート「立たせられてるのか?」
ユーゴ「全然気持ちのいい朝じゃねえ」
ユート「原因は」
ユーゴ「うちのクラスにパソコン得意なのが居てな。コラ画像作ってもらったんだよ」
ユート「コラ画像?」
ユーゴ「メリッサ・クレールって知ってるか?」
ユート「あの落ち目のグラビアアイドルか」
ユーゴ「それのヌードを頼んでさ・・・そしたらペッタンコの奴が没収だってよ!ありゃ僻みだぜ僻み!」
ユート「どうせ脱ぐぞ」
ユーゴ「何で知ってんだよ?」
ユート「見た感じ彼女はAV行きになるかタレントになると俺は予想している」
ユーゴ「だったらAV行かせろよ」
ユート「無茶苦茶だな」
ユーゴ「それが俺のいい所よ」
ユート「まあ頑張れ」
ユーゴ「何が頑張れだよ。やいペッタンコ!てめえの乳がねえからって俺を廊下に立たすんじゃねえ!」
ユート「あまり大声を出すと怒られるぞ」
ユーゴ「上等だぜ!俺は誰にも負ける気がしねえ!」
権現坂「ほら口を開けるんだ」
ユーゴ「あーん」
権現坂「やめんか気色悪い!」
ユート「まだ立ってたのか。しかもバケツを持たされているなんて」
ユーゴ「おう」
権現坂「口答えばかりするから先生が怒ってな。見ろ」
ユート「タンコブか」
ユーゴ「いきなり頭を殴打だぜ。あのペッタンコめ・・・」
ユート「だから君が弁当を食べさせて」
権現坂「うむ」
ユート「・・・」
ユーゴ「酷いと思わねえか?転校生の頭を叩くは廊下に立たすなんて」
権現坂「静かにしろ。また聞かれたら大変だぞ」
ユーゴ「わかったよ。あーん」
権現坂「だ、だからやめろと言っているだろうが」
ユーゴ「絶対に嫁の貰い手がねえタイプだね。なあユート」
ユート「先生は綺麗だから人気だぞ」
ユーゴ「まあ綺麗って事は認めてやるよ。俺が立たされてるのに他の奴らは勃ってやがるのか、不公平だぜ」
権現坂「放課後までは長いぞ。早く弁当を食べろ」
ユーゴ「あーん」
素良「あいつ先生怒らせたんだ」
ユート「ああ」
素良「面白い奴だよね。これで1人友達ができたよ」
ユート「・・・」
素良「僕って飛び級で学園に通ってるし融合使いだから学園に友達居ないもん」
ユート「・・・」
素良「君や権ちゃんに璃緒それに」
ユート「凌牙か」
素良「いつ出所するの?」
ユート「派手に暴れたからな。もう少し時間がかかるだろう」
素良「そうなんだ。でも凌牙が特別少年デュエリスト刑務所に入れられたのは」
ユート「あいつの事だな。俺だって奴は憎い」
素良「遊城ユーリ・・・あいつは」
ガサッ
ユート「ん?」
黒咲「遊城ユーリと言ったな」
素良「こ、こいつ!融合狩りだよ」
ユート「何者だ」
黒咲「お前達に名乗る名など無い。デュエルだ!」
ユーゴ「そりゃ俺も悪いと思ってるよ?でもなペッタンコ」
龍可「そのペッタンコって言うのはやめて!」
ユーゴ「いいじゃねえかペッタンコで!なあ!」
「そうだ!」
「ユーゴの言う通りだ!」
「ペッタンコ!ペッタンコ!」
権現坂「転校生というのにクラスを一丸にさせるとは」
委員長「しかし権現坂くん!どうして龍可先生にみんなは歯向かうのでしょう!」
権現坂「虐めてみたいのだろう。思春期の男子にはよくある事だ」
委員長「なるほど!」
ユーゴ「でもさペッタンコってプロの兄貴とヤってんだよな?そうだよな!」
「俺も聞いた事があるぞ!龍亞さんの初体験は妹だってすっぱ抜かれてた!」
「これは近親相姦だ!」
「俺達にもヤらせろ!」
ユーゴ「マジか?いやー龍亞って言えばジャックとクロウに並ぶシンクロ使いのトップだからさ・・・どうだった?」
龍可「私は処女よ!男性と1度も付き合った事なんてないわ!」
ユーゴ「嘘だ!絶対嘘だ!!」
「二十歳超えの処女なんて居てたまるか!」
「現代社会舐めるな!」
龍可「くっ・・・」
ユート「強い・・・」
黒咲「ハッ!」
ユート「またライズ・ファルコンによるコンビ攻撃か!?」
黒咲「貴様達も遊城ユーリの仲間だな!」
ユート「俺達を奴と一緒にするな・・・!」
素良「ど、どうしよう!」
璃緒「何の騒ぎ!?」
素良「いきなり襲いかかって来て」
璃緒「ユート!何をやってるの!」
ユート「こっちも反撃するしかないな・・・ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」
黒咲「ドラゴン使いか」
ユート「お前の攻撃は上空からの攻撃からの拳による連続攻撃・・・只者じゃないな」
黒咲「地上のデュエリストなど生温い!貴様のデュエルには鉄の意志も鋼の強さも感じられない!」
ユート「地上のデュエリスト・・・」
璃緒「何処かで見た事があると思ったら・・・」
素良「知ってるの!?」
璃緒「彼は黒咲隼!全国児童暗算選手権の優勝者よ!」
ユート「全国児童暗算選手権の優勝者だと!?」
黒咲「かつての俺の栄光を知っているとはな!地上もまだまだ捨てたものじゃないようだ」
ユート「その全国児童暗算選手権の優勝者が何を考えて融合狩りを」
黒咲「そんな事に知って何になる」
璃緒「何年か前に姿を消したって聞いたけど」
ユート「・・・」
黒咲「吐けば見逃してやる。遊城ユーリは何処だ!」
ユート「・・・」
黒咲「どうした!」
ユート「前から不思議に思ってたが何で結構騒がしいのに誰1人として見向きもしないのだろうな」
璃緒「能天気だからね・・・この街の人達って」
ユート「黒咲隼」
黒咲「何だ!?」
ユート「どうやら俺もお前も奴には恨みを持っている!だから仲間じゃないんだ!」
黒咲「ならば居場所は何処だ」
ユート「奴の居所は知らないんだ。全てが謎に包まれている!恨みを抱いているのなら知っているだろ!」
黒咲「遊城ユーリは遊城コンツェルンの後継者・・・それ以外の事は不明」
ユート「ただ一つ言える事は冷酷無慈悲の悪魔のような奴だ。権力を振りかざし何だってやる男!」
黒咲「・・・興醒めだ。お前達に攻撃を加えたとしても何も意味は無いだろう」
ユート「わかってくれたようだ・・・」
素良「う、うん」
黒咲「邪魔したな」
璃緒「待ちなさい!」
黒咲「何だ」
璃緒「いきなり襲撃するなんて!謝罪ぐらいしなさい!」
黒咲「こいつは男と男の戦いだ。女には」
バシッ
黒咲「・・・」
璃緒「アンタ頭がおかしいわ!」
黒咲「気の強い女だ」
ユート「2人とも」
黒咲「お前の名は」
ユート「九十九ユート」
黒咲「女」
璃緒「神代璃緒よ」
素良「僕は」
黒咲「お前がどういう恨みを抱いているかは知らんが遊城ユーリは俺の獲物だ」
ユート「何が君をそこまで」
黒咲「言う必要なんてあるのか?馬鹿馬鹿しい」
素良「あいつ完全にスルーしたよね」
ユート「いいじゃないか、そんな事ぐらい」
璃緒「そうよ。命あっての物種って言うぐらいだから」
ユート「黒咲隼か・・・久しぶりに見たな。あの闘争心の塊のような眼は」
璃緒「凌牙やⅣに似てるって?」
ユート「ああ・・・ちょっと待ってくれ」
璃緒「え?」
ユート「Ⅳ?」
璃緒「Ⅳだけど」
ユート「凌牙からの手紙にⅣには気をつけろ。あいつは俺が居ない間に璃緒にちょっかいを出すと」
璃緒「そ、それがどうかしたの?」
ユート「君と凌牙は両想いだぞ。浮気になるんじゃないか?」
璃緒「べ、別にいいでしょ!友達なんだから」
ユート「Ⅳは確かに俺が子供の頃に自転車を直して貰った恩もある。施設にはⅣの父が多額のお金を寄付してくれているが」
璃緒「こ、この話は終わりよ!」
素良「兄妹同士ってマズいんじゃないの?」
ユート「だったら2人の薬指の指輪はどうなるんだ?」
素良「うーん・・・」
ユート「そういうのは大事だと俺は思っている」
権現坂「聞いたぞ」
ユート「情報が早いな」
権現坂「妙な男がユートを襲撃したと」
ユート「ああ」
権現坂「どうだった?」
ユート「強かったよ。かなりな」
権現坂「そうか・・・」
ユーゴ「それよりもな!」
ユート「何かやらかしたのか?」
権現坂「一種の暴動だ」
ユート「暴動・・・」
ユーゴ「ペッタンコに引っ叩かれたぜ」
ユート「何て言ったんだ?」
ユーゴ「兄貴とヤったんだろって!」
ユート「それで?」
ユーゴ「私は処女よ!何て言ってさ」
ユート「兄と妹でも超えてしまう場合だってあるんだ」
ユーゴ「ふーん」
権現坂「また何か勘違いしとるのか」
ユーゴ「お前も大変だったんだな」
ユート「ああ」
ユーゴ「そうかそうか」
ユート「君も先生を挑発するのは」
ユーゴ「嫌だね」
ユート「どうして」
ユーゴ「売られた喧嘩は買うのが常識だぜ!」
ユート「売ってるのは君の方だぞ・・・」
続く
来月からリセットして今はダラダラひっそりとやりたい感じ
ユーゴ「マジで言ってんのか!?」
ユート「落ち目のグラビアアイドルのメリッサがハートランドに来る」
ユーゴ「やったぜ!なあ!」
権現坂「俺は別に」
素良「僕もそんなに」
ユーゴ「お前ら!璃緒のねえ乳見て頭がおかしくなったんじゃねえか!?」
ユート「シッ」
ユーゴ「いつ来るんだ?」
ユート「今日らしい」
ユーゴ「今日!?」
ユート「ああ」
ユーゴ「何処で」
ユート「南ハートランドのパチンコ店だ」
ユーゴ「あそこか!」
素良「知ってるの?」
ユーゴ「よく行くからな」
権現坂「学生の身でありながらパチンコ店へ行くとは」
ユーゴ「細かい事はいいんだよ!ほら行くぞ行くぞ!」
メリッサ「こんな田舎で巡業するなんて・・・私もいよいよ」
ユーゴ「メリッサ!」
メリッサ「はいはーい!」
ユート「実物で見ると・・・確かに」
璃緒「・・・」
ユート「いや別に君が小さいと言っているんじゃないぞ。Ⅳだって大きい方がいいんじゃないかと」
璃緒「・・・」
ユート「もういいだろユーゴ・・・何処だユーゴ」
素良「パチンコやってるよ」
権現坂「ユーゴ!」
メリッサ「変な子達」
チチチチチチチチチチ
素良「何の音だろ」
ユーゴ「離せよ!」
権現坂「お前って奴は」
璃緒「この音って・・・まさか」
ユート「爆弾だ!」
権現坂「爆弾だと」
ユート「みんな下がれ!!」
チチチチチチチチチチ
ユート「おかしい・・・まだ聞こえるぞ」
権現坂「・・・近くだ」
ユート「近く?何処にあるんだ」
チチチチチチチチチチ
権現坂「・・・そこだ!」
メリッサ「わ、私!?」
権現坂「その水着に爆弾が仕掛けられている!」
ユーゴ「よっしゃー!!」
璃緒「やめなさい!」
ユーゴ「危ねえだろ!爆発したらどうすんだ!!」
璃緒「あなたからは下心が丸見えですわ!」
ユーゴ「ですわって語尾はヤクザかお嬢様しか使っちゃならねえんだ!どっちも該当しねえじゃねえか!!」
璃緒「だからって水着をどうするつもりなの!?」
ユーゴ「剥ぎ取ってやるんだよ!そんで解体してやるんだ」
璃緒「それは私がやるわ。さあメリッサさん」
ユート「ほら見ろ怒られたじゃないか」
ユーゴ「さすがの俺でもいじけちまうよ。あんな扱いされりゃ」
璃緒「でも何で爆弾なんて・・・」
メリッサ「そういえば随分前から脅迫状が」
ユーゴ「脅迫状?」
メリッサ「早くAVに出ろとか何とか」
ユーゴ「出ろよ」
メリッサ「嫌に決まってるでしょ!」
ユート「だがAVは選ばれし者だけが立ち入れる聖域のような場だぞ」
メリッサ「脱ぐのは・・・ちょっとね」
ユート「君の事は色々と調べてみたよ。彼氏とのハメ撮りが2度も流出したんだってね」
メリッサ「うん・・・」
ユート「きっとAVに出ろという神の思し召しなのだろう。俺はそう思っている」
メリッサ「・・・」
ユーゴ「いい声してるしな。だよな権現坂」
権現坂「だから俺に振るなと言っておろうが!」
ユーゴ「素良は」
素良「僕は子供だからわからないや」
ユーゴ「みーんな自分を隠してやがるぜ。だよな璃緒!」
璃緒「変態」
ユーゴ「その冷めた眼をやめろ!傷つくんだから」
ユーゴ「これからはグラビアアイドルじゃねえんだ。AV女優として見ることができるんだな」
ユート「ああ」
素良「どうしてユートはメリッサが来るって事を?」
ユート「ネットだ」
権現坂「ネットか」
ユート「ネット仲間のファルコンに聞いたんだ」
ユーゴ「変な名前だな!」
ユート「ハンドルネームだ。ちなみに俺はファントム」
ユーゴ「プッ」
ユート「何がおかしい」
ユーゴ「だ、だってよ!ファントムってお前!」
権現坂「確かにファントムは酷い」
素良「う、うん」
ユート「だったら君はどうする?」
ユーゴ「ユーゴ」
ユート「それではハンドルネームにならないぞ!」
ユーゴ「隠し事が嫌いなんだよな・・・」
ユート「そういう問題じゃないぞ・・・」
数日後
龍可「今日の授業は」
ユーゴ「先生!」
龍可「・・・ユーゴくん」
ユーゴ「是非とも見て欲しい物があるっす!いいっすか?」
龍可「は、始めて先生ってユーゴくんが」
ユーゴ「じゃあ見ようぜ」ピッ
メリッサ「オォン!アォン!ンアッー!!!!!」
龍可「な、何よこれ」
ユーゴ「何ってAV女優になったメリッサの初作品だぜ」
龍可「AV・・・」
ユーゴ「道徳的っていうか保健体育っていうか?ほら騎乗位で揺れるおっぱいなんて力学的なんとかみたいな?」
「いいぞユーゴ!」
「ハートランド学園一の男子生徒だ!」
ユーゴ「どうよ先生!」
龍可「この変態バナナ頭!」
ユーゴ「イテッ!何しやがんだ、このペッタンコ!」
委員長「僕が思うにユーゴくんの言い分は一理あると思いますね」
権現坂「どうなっとるんだ、奴の頭の中身は」
ユート「落ち目のグラビアアイドルが聖域に!堕天使メリッサ・クレールの初体験」
ユーゴ「ってAV」
ユート「それを流したと」
ユーゴ「まあな」
ユート「・・・」
ユーゴ「どうせお前の事だからAVなんて」
ユート「俺は人妻や熟女物のAVを好んでいるが君は」
ユーゴ「何でもいいぜ」
ユート「だったらこれを」
ユーゴ「魔法熟女エスパー・フウコの淫らな日常・・・何だこれ?」
ユート「これは毎週金曜日の8時からやっている特撮番組なんだ、世界初の特撮とAVの合作でな」
ユーゴ「お、お前も妙な性癖持ってんのな」
ユート「主演の奥平風子は一見普通の人妻だが夜になると」
ユーゴ「・・・」
素良「どっちもどっちだね」
続く
その後ユーリという強大な敵にユートとユーゴらは立ち向かう事になった
ユーリ「君達が最近街で噂の名コンビなんだってな」
ユート「名コンビ?」
ユーゴ「文句あっか!」
ユーリ「どうする?2人で来るのかな」
ユート「無論」
ユーゴ「2人でやってやるよ!」
ユーリ「じゃあ始めるか・・・デュエル!」
ユート「あいつ性格は僻んでるがデュエルの腕はかなりだぞ」
ユーゴ「問題ねえよ。あんな野郎の1人や2人!」
ユート「そうだな。君とのコンビなら負ける気がしない」
ユーゴ「それにあんな野郎より強大な敵やデュエリストは沢山居るぜ!」
ユート「俺達はようやく登り始めたばかりだからな」
ユーゴ「この果てしなく遠いデュエル坂をよ」
終
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