このSSはデレマス二次創作作品でありフィクションです。実在の人物・団体などとは一切関係ありません。
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──事務所前──
凛「ん? 男の人が事務所の前に立ってる」
凛「あのー。うちに何か御用ですか?」
??「まぁそもそもなんでアイドルじゃないのに気にしなくちゃいけないんだろうね」
??「っていう反骨心と心に決めた女の子がいますよっていう魔除けとしての意味合いもありますが、前者の方が意味合いとしては強いです」
??「嘘ついて人気を得ても個人的には詐欺と同じじゃんと思ってしまうので」
??「正直に生きたい」ブツブツ
凛「……!?」ゾワッ
バタン!
未央「やっほーしぶりん。どったの青い顔して」
凛「いや……なんか事務所の前に変な男の人がいて……」
未央「変な男の人ー? テレビ局とか出版社の人じゃないの?」
凛「ううん、あんな人見たことなかったし……なんか物騒なこと呟いてたし」
未央「あはは、しぶりんってば大袈裟だな。どれ、扉に耳を当てて聞いてみよう」
??「まぁそもそもなんでアイドルじゃないのに気にしなくちゃいけないんだろうね」
??「っていう反骨心と心に決めた女の子がいますよっていう魔除けとしての意味合いもありますが、前者の方が意味合いとしては強いです」
??「嘘ついて人気を得ても個人的には詐欺と同じじゃんと思ってしまうので」
??「正直に生きたい」
未央「うわキッショ!」
未央「ごめん、想像以上の気持ち悪さだった」
凛「うん……」
未央「早いとこ通報しよっか。あんなとこにいられても邪魔だし」
凛「あー、ちょっと待って。万が一誰かの知り合いだったりするかもしれないし。もう少し様子見ない?」
未央「えー、あんなのと知り合いの人なんているかなぁ」
ガチャ
楓「……」
未央「あ、楓さん」
凛「おはようございます」
楓「おはようございます。……あの、事務所の前にいた方なんですけど」
未央「はい」
楓「お2人とも大丈夫でしたか? こう言ってはなんですが、とても気味の悪い方だったので……」
凛「別に何もされなかったよ」
楓「なら良かったです。……あの方は、どうして聞いてもいない余計なことをブツブツとつぶやいているのでしょう」
未央「さあね。彼には彼の世界があるんじゃない?」
凛「……」プルルルル
未央「誰に電話してんの?」
凛「卯月。今日は事務所に来ない方がいいよって伝えようと思って。……でも出てくれないな」
バタン
美嘉「……」
未央「あ、次は美嘉ねえだ」
未央「やっほー美嘉ねえ。その顔色はもしかしなくても事務所前の──」
美嘉「な、なんなのあいつ。マジでキモいんだけど」
未央「あはは、やっぱり!」
美嘉「すれ違っただけで鳥肌立った。なんなのあいつ、今すぐ消えて欲しい。本当ムカつく」
未央「おぉ。聖人たる美嘉ねえにここまで言わせるなんてよっぽどだね」
美嘉「別に聖人じゃないし……それに、あんなこと言ってたら、そりゃ怒るに決まってんじゃん」
未央「言ってること?」スッ
??「まぁそもそもなんでアイドルじゃないのに気にしなくちゃいけないんだろうね」
??「っていう反骨心と心に決めた女の子がいますよっていう魔除けとしての意味合いもありますが、前者の方が意味合いとしては強いです」
??「嘘ついて人気を得ても個人的には詐欺と同じじゃんと思ってしまうので」
??「正直に生きたい」
未央「うわぁダメだ。気持ち悪くて恥ずかしくって扉に当てた耳がかゆい」
美嘉「あのいいぶりからしてさ、あいつには自分のことを思ってくれてるファンがいるってことでしょ」
美嘉「それを何、”魔除け”って。あんたのことを純粋に応援してくれてたファンの気持ちはどうでもいいわけ?」
美嘉「あいつにどんな事情があったかは知らないよ。でもさ、応援してくれる人の気持ちを「魔物」でひとくくりにしてさ、自分が心に決めた女の子以外はどうでもいいモブキャラですよみたいな態度はなんなの。主人公ぶってんじゃねーよカス」
未央「まあまあ美嘉ねえ。それくらいにして」アハハ
美嘉「アイドルとして、アタシが一番許せないタイプだわあいつ」
未央「でも美嘉ねえは偉いよ。ちゃんとあの人の言葉を聞いて怒ってたんだ。私は生理的嫌悪感でそれどころじゃなかったもん」
凛「……」
楓「どうかしましたか凛ちゃん?」
凛「……いや、卯月電話出てくれなくて心配でさ。多分マナーモードなんだ。……このままだと事務所に来ちゃう」
楓「卯月ちゃんはああ見えて大人な一面もありますから、ちゃんとあの人をスルーできますよ」
凛「そうかな……」シュン
楓「……」
楓「それよりも私は、凛ちゃんの方が心配です」
凛「私……?」
楓「なんだかすごく傷ついてるようですから。まるで『信頼していた大切な人に裏切られた』みたいな顔をしていて……」
凛「…………」
楓「こんなことは言ってはなんですが……世の中なんてそんなもんなんですよ。凛ちゃん」
楓「美嘉ちゃんも言ってましたが、この世に聖人なんていないんです。いくら信頼感のある人物だろうと、それは同じです」
楓「つい調子に乗ってしまったり、つい自己顕示欲が出てしまったり」
楓「つい自分を特別だと思い込んでしまったり、つい似合ってもないパーマをあててしまったり……」
楓「どれもこれも人間として当たり前のことなんです。純粋な凛ちゃんには少し早かったかもしれませんが、世の中なんていうのはそういう人間の持つ気持ち悪さといつも隣り合わせなんですよ」
楓「前を向きましょう。いい勉強になったじゃないですか」
凛「楓さん……!」
楓「まあそれでもあれは度を超えて気持ち悪いですけどね」クス
凛「ふふふっ」
ガチャ
卯月「みなさん、おはようございますっ」ニコ
美嘉「卯月!」
未央「しまむー! 良かった、心配してたんだよ!」
卯月「心配?」
未央「事務所の前に気味の悪い人が立ってたじゃん。しまむー驚いちゃうんじゃないかーって!」
卯月「? 確かに人は立ってましたけど、でも気味悪くなんかないですよ!」
未央「えぇ……しまむー正気?」
凛「ま、まさか。変なこと言われて言いくるめられたんじゃ……」アワワ
卯月「違いますよっ。会えばみんなだってわかるはずです。入ってきてくださーい! 」
……ガチャ
凛「え?」
美嘉「あー!」
未央「わっ!」
楓「まあ!」
卯月「うふふ」
全員「プロデューサー!!」
おわり
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