ﾜｰﾜｰ

未央「やーライブ盛り上がったねー」

卯月「ファンのみなさんも楽しんでくれたようでよかったです」

凛「そうだね…あ、プロデューサー」

P「三人ともご苦労様」

未央「やあやあプロデューサーくん！　私たちのライブどうだったかな？」

卯月「結構よくできたと思うんですけど…」

凛「どう……だったかな」

P「ばっちりだったよ。見てるこっちも楽しくなったさ」

未央「だよねだよね！」

卯月「よかったです！」

凛「安心した……」

P「残りの出番は最後だけだからしばらくゆっくりしててくれ」

未央「さっ、しまむー休みにいこー！」

卯月「あ、未央ちゃん、ま、待ってー」

凛「……じゃあまた、後で」

P「……ああ」

――――――
―――――
――――

「……Pさん？」

P「な、なんだまゆか、驚かせないでくれ……」

まゆ「すみません、驚かせたつもりはなかったんですけど……」

P「いや、こっちも悪かったな……少しぼーっとしてた」

P「でも、どうしたんだ？　まゆの出番はもう少し先だろう？」

まゆ「Pさんに会いに来た……が理由ではダメですか？」

P「それは……」

まゆ「うふふっ、ごめんなさいPさん。そんなに深い意味があるわけではないんです。ただ自分を落ち着けるために、Pさんと少し話せたら……っと思っただけなんです」

P「まゆはいつだって落ち着いてると思うが……」

まゆ「それは違いますよ」

まゆ「まゆが活躍することで、喜んでくれる人がいるから、まゆはどんなに怖くても前に進めるんです」

まゆ「……だけど、これってとっても重いですよね」

P「……」

まゆ「だからPさんは私に気を遣わなくてもいいですよ。私が勝手に頑張ってるだけですから」

まゆ「私はあなたの“モノ”です。Pさんがまゆをどういうふうに扱っても大丈夫ですよ」

P「まゆ……そんなこと言わないでくれ……」

まゆ「…Pさんならそういうと思ってました。でも、覚えていてください、私があなたのモノだということを…」

まゆ「もう出番なので行ってきますねPさん♪」

P「まゆ……」

――――――
―――――
――――

卯月「プロデューサーさんに褒めてもらえてよかったね」

未央「うん、計画は順調に進行中かな。そろそろ次の段階にいくときだよ、しぶりん！」

凛「次の段階って？」

未央「ずばり、プロデューサーをデートに誘う！」

凛「デ、デートって……」

未央「もっとプロデューサーにしぶりんを意識してもらわないと、このままじゃあ進行しないよ」

卯月「プロデューサーさんと仲がいい未央ちゃんがいうならそうなのかも……。でも、デ、デートはなかなかハードルが高いんじゃ」

凛「う、うん。卯月と未央が一緒じゃダメかな？」

未央「それじゃあ意味ないよ！　プロデューサーとの関係を変えるためには、ちゃんと二人でいかないと」

凛「うっ、わかったよ。頑張ってみる」

未央「その意気だよ！」

卯月「頑張って凛ちゃん！」

実は今、私と未央ちゃんで凛ちゃんの恋の応援をしてるんです！
凛ちゃんの相談をみんなで考えながら、未央ちゃんにいろいろ手回しをしてもらって二人の仲を進めるためにいろいろやっています

ことの始まりは凛ちゃんからの相談ごとでした

凛「…ちょっと二人に相談があるんだけど、この後時間ある？」

卯月「珍しいですね、凛ちゃんからの相談ごとなんて」

未央「確かに、いつも私としまむーの愚痴とか相談ごとに付き合ってもらってるけど、しぶりんからはあんまりそういうのなかったね。あ、時間なら大丈夫だよ」

卯月「私も大丈夫です」

凛「ありがとう。あの、ちょっと話しにくいことなんだけど……」

未央「ｺﾞｸﾘ」

卯月「ｺﾞｸﾘ」

凛「私、プロデューサーのことが好きみたいなんだけど、どうしたらいいのかな？」

未央「な、なんだってー！！」

卯月「えー！！」

凛「あ、ごめん。やっぱり二人にいうことじゃなかったよね…」

未央「いやいやそういうわけじゃあないんだけど、ね、しまむー」

卯月「う、うん。単純に驚いてしまったというか、凛ちゃんからそういう話を受けるとは思ってなかったので……」

未央「で、しぶりんはプロデューサーが好きってことだけど……」

卯月「つ、付き合いたいってことですか？」

凛「で、出来れば…」

凛「だけど、どうしたらいいかわからなくて……二人に相談してみたんだけど」

未央「むむむ、どうするべきですかな卯月隊員？」

卯月「私ですか！　えーと、凛ちゃんのこと応援してあげたいですけど、具体的な話になると……」

未央「うーんそうだね。それにプロデューサーはたぶん私たちのことアイドルとしか見てなさそうだしなー」

凛「やっぱり、無理かな……」

未央「諦めたら、そこで試合終了だよ、しぶりん！　大変だろうけど私たち微力ながら応援するよ！」

卯月「そうです！　応援します！」

凛「ありがとう、二人とも」

こうした私たちは凛ちゃんの恋の応援をすることにしたんです
少しずつでもプロデューサーさんに近づけるように、いろいろやってきました
そして、今度はデート作戦というわけです

未央「デートするにしても、しぶりんもプロデューサーも忙しいからね」

卯月「そうですね」

未央「休みがあっても、他の子と約束してることもほとんどだし、本当にいつ休んでるんだろ…」

凛「本当にね。でも、そうしたらどうすれば…？」

未央「そこでこの中で一番忙しくない未央ちゃんが探りを入れてくるよ！」

凛「そんな自虐……」

卯月「未央ちゃん大丈夫ですか？」

未央「ダイジョー、ブイ！　大船に乗ったつもりで待っててよね」

卯月「頑張ってください！」

凛「未央、お願い」

未央「任せといて！」

――――――
―――――
――――

未央「プロデューサー！　たのもー！」

P「おいおい何事だよ」

未央「いやいやー、お仕事頑張ってますね旦那」

P「どういうキャラ設定なんだよ…」

未央「んー、深い設定はないよ！　あ、仕事大丈夫なの？」

P「自分から突っ込んできてどの口が……」

P「まぁ、別に緊急のものはないし、休憩にちょうどいいよ」

未央「ありがとう！　さっすがプロデューサー！」

P「で、どうしたんだ」

未央「ん？」

P「なんか用事があったんじゃないのか？」

未央「いや別に、ただ暇だったから」

P「この野郎…」

未央「えへ☆　お茶入れてくるから待っててよ」

P「おいっ、未央、って行っちまった……お菓子でも用意するか」

未央「お待たせー、あ、お菓子じゃん気が利くー」

P「好きなの食え、後、お茶ありがとな」

未央「どういたしまして。あ、これもらいー」

P「あ、それは俺も狙ってたのに…」

未央「早いもの勝ちだよ！　って言いたいところだけど、半分こしよ」

P「いいのか？」

未央「いいのいいの、一緒に食べた方がおいしいよ♪」

P「ありがとな」

未央「いいってことよ。それでさー、この前……」

細かい事かもしれないけど卯月はそんなに敬語使わないぞ

――――――
―――――
――――

未央「やっぱりプロデューサーと話すと楽しいね」

P「ん、そうか？」

未央「なんだー！　プロデューサーは未央ちゃんと話せて楽しくないのかー！！」

P「楽しいさ。ただ、そういえば、こうやって話すのも久しぶりだなって思ってさ」

P「仕事では会うけど、こうしてゆっくり話すわけじゃないからな」

未央「そうなんだよねー。プロデューサーともみんなとも忙しくてあんまり話してる時間が取れないんだよね……あ、ユニットのしまむーやしぶりんは別だけど」

未央「未央ちゃんはそこそこ時間あるだけにちょっとさみしいですよ……」

P「……」

P「ごめんな」

未央「え？」

P「未央にももっと大きな仕事もってくるからな」

未央「また、そんなこと言って…」

未央「大丈夫だってプロデューサー。約束してくれたじゃん私をトップアイドルにしてくれるって、私はそれを信じてるから」

未央「ちょっとさびしいって言っただけなのに、気にしすぎだよ」

>>11
すいません。大目に見てください
以降気をつけてみます

未央「お仕事はみんなには及ばないけど、とっても増えたし、今、とっても楽しいよ♪」

未央「だから、私に人気が出ないのは私の力不足だよ」

P「未央…」

未央「それに……それは言わない約束でしょ、お爺さん♪」

P「そうだったね、婆さん」

P未央「ぷ」

P未央「あははは」

未央「はー、まったく……それよりもプロデューサーはちゃんと休んでんの？　みんな以上にプロデューサーは忙しいでしょ」

P「……まぁ、休んでるよ」

未央「なんだー！　その間は！　手帳見せろー！！」

P「あ、おい」

未央「ふむふむ、一応休みはあるのか」

P「一応って…」

未央「だって、だいたいみんなとの約束が入ってんじゃん」

P「う、まぁそうだが…」

未央（ふむふむ、この日のしぶりんは夕方からのレッスンだけだからいけるかな？）

P「別に、みんなと遊んでても疲れは取れるんだよ」

未央「便利な体だね。でも、プロデューサーの体は一つしかないんだから、みんなのためにも体は大事にしてね」

P「わかってるよ」

未央「おっーと、そろそろレッスンの時間だ」

未央「プロデューサー、付き合ってくれてありがとね☆」

P「おう、俺も楽しかったぞ。レッスン頑張れよ！」

未央「はーい」

――――――
―――――
――――

未央「で、この日なら他の子との約束も入ってなかったし、夕方のレッスンまで時間があるし、ちょうどいいかなって」

卯月「それならいけそうだね。どうかな凛ちゃん？」

凛「うん、それならいいかも」

未央「しぶりん、約束するなら早く、だよ。いつ他の子からの約束がくるかわからないし」

凛「そうだね……明日の仕事の後、言うよ」

卯月「頑張って！」

凛「うん」

卯月「はぁ」

卯月「未央ちゃんはあんなに凛ちゃんのこと手伝ってるのに私は応援しか出来てないなぁ…」

未央「とりゃー！！」

卯月「わ！　未央ちゃん」

未央「どうしたしまむーそんな顔して？」

卯月「あの、えーと……」

未央「……しまむーの応援はちゃんとしぶりんの力になってるよ☆」

卯月「未央ちゃん……」

未央「それに、しまむーの仕事はこの後に待ち構えてるんだよ」

卯月「え、なんだろう？」

未央「ま、それはしぶりんがちゃんとデートの約束をできてからね☆」

「「「お疲れ様です」」」

P「お。三人ともお疲れさん、今日はこれで終わりだなご苦労様」

未央「はいはーい。ちょっと私たちあっちでしゃべってるから」

P「おうわかった」

未央「…しぶりん、準備はいい？」

凛「準備って…」

卯月「私たちはこっちの物陰から見守ってるから！」

凛「ありがとう、二人の応援無駄にしないから」

未央「頑張って！」

卯月「応援してるから！」

凛「プロデューサー、ちょっといい？」

P「ん、どうしたなんかあったか？」

凛「えーと、お願いがあるんだけど」

P「うん」

凛「あの、今度、一緒に出掛けて欲しいんだけど……」

P「遊びの誘いってことか？」

凛「そ、そう」

P「うーん、出来れば行きたいけど、最近、みんな忙しいし、未央や卯月と一緒に予定合わせるのはなかなかつらいな」

凛「そうじゃなくて…」

P「ん？　奈緒と可憐のほうだったか？　そっちも結構きついんだが…」

凛「ふ、二人で出かけたいんだけど…」

P「俺と凛でってこと？」

凛「…うん」

P「スケジュールはっと…」

凛「この日プロデューサー休みだよね」

P「ああそうだけど、凛の都合は…」

凛「私その日は夕方からのレッスンだけだから、朝から遊ぶんじゃダメかな？」

P「ふむ。うん、いいぞ。じゃあその日に一緒に出掛けるか」

凛「いいの？」

P「悪いことなんてないよ、遊び行くのにさ。誘ってくれてありがとな」

凛「…うん」

未央（やったねしぶりん！）

卯月（よかったね、凛ちゃん！）

P「詳しい予定はどうする？」

凛「またあとでメールするよ」

P「了解っと」

ｺﾞﾄ　まゆ「Pさんお茶をどうぞ」

P「ま、まゆ」

未央（ま、まゆちゃん！）

卯月（あわわわわ）

まゆ「凛ちゃんとお出かけですか？」

P「あ、ああ」

まゆ「ｸｽｯ、お二人で楽しんできてくださいね」

P「へっ？」

凛「……ありがとう、まゆ」

まゆ「いえいえ、それでは」

凛「私も行くねプロデューサー。後でまた連絡するから」

P「わかった…」

P（……）

P（……お茶おいしいな）

凛「ふぅ」

卯月「よかったね、凛ちゃん！」

未央「まゆちゃんが出てきたときにはどうなるかと思ったけど……よかったよかった！」

凛「ありがとう、二人のおかげだよ」

卯月「そんなことないよ。私なんてなにもしてないし……」

未央「じゃーん！　ここで、次の作戦を発表します」

未央「次の作戦はしまむーによるしぶりんの勝負服コーディネート作戦です！」

卯月「あ、あの」

未央「しぶりんのデートが成功するかは、君の手にかかっているのだ！」

凛「…よろしくね、卯月」

卯月「わ、私、頑張ります！」

卯月（ありがとう二人とも）

凛「デートのときってどんな服がいいんだろう？」

未央「プロデューサーならなんでも似合ってるとかいいそうだしなぁ……」

卯月「いろいろ考えてみたんだけど、私が考える凛ちゃんのかわいさが伝わる服を選んでみました」

凛「じゃあちょっと着てみるよ」

未央「はてさてどうなるか」

卯月「未央ちゃん私のセンスを疑ってるの！」

未央「そ、そういわけじゃないよ」

未央（しまむーは天然さんだから、たまに変なのが出てくるのが心配なんだよね。水着の時のスクみずとか……）

ｼｬｱｰ

凛「ど、どうかな？」

未央「こ、これは！！」

卯月「どうでしょう未央ちゃん！」

未央（丈の短いレースのついたワンピースに、花柄のアクセント…）

未央「かわいい……」

凛「そ、そう？」

卯月「凛ちゃんはクールでかっこいいイメージですけど、こういうふんわりした感じも似合うと思ったんです！」

未央「うん、しまむー、しまむーいいじゃん！　少し不安だったけどしまむーに任せて正解だね☆」

凛「あんまりしない格好だからちょっと恥ずかしいけど……」

卯月「大丈夫です、バッチリ似合ってます。それより未央ちゃん！　さっきの言葉どういうこと！」

未央「いやーははは。うん、これならプロデューサーもいちころだね！」

凛「そうだとうれしいな…」

――――――
―――――
――――

未央「もうしまむー機嫌直してよ、私のアイス一口あげるから…」

卯月「そんなことでは、私の気持ちは動きません！」

未央「って食べてるし……あー！　全部食べないでよー！！」

卯月「ﾓｸﾞﾓｸﾞ凛ちゃん、デートの予定はもう考えたの？」

凛「うん、一応は……」

凛「午前中は近くの公園でハナコを連れて散歩に付き合ってもらって、午後は買い物でも付き合ってもらおうかなって」

卯月「うんうん、いいんじゃないかな。ほら、未央ちゃんも突っ伏してないでちゃんと聞いてあげないと」

未央「ううっ、誰のせいだと……」

未央「はぁ…、でも、これだといつもみんなで遊ぶのと同じ感じだね」

凛「ダメかな？」

未央「ダメじゃないけど、もう少しインパクトがあったほうがいいかも…プロデューサーの心を鷲掴みにするような」

凛「一応、プロデューサーが喜んでくれそうなことは考えてあるんだけど……」

卯月「なになに？」

凛「えーと、お昼用にお弁当を作っていこうと思ってるんだけど……」

未央「おー！　いいね！」

卯月「いいなー、私も凛ちゃんのお弁当私も食べてみたいなー」

凛「こ、今度ね」

卯月「やった！」

未央「私も！」

凛「わかってるよ……」

未央「やったね！　でも、これでプロデューサーのハートも胃袋もがっちりつかめそうだね！」

凛「まだ、作ってないけどね」

卯月「私たちにできることがあったら手伝うから！」

未央「うんうん」

凛「未央はただの味見役じゃないの？」

未央「ぐぬぬぬ、しぶりんまで私に厳しい」

凛「冗談だよ」

卯月「あははは」

凛「あんまり時間はないけど、頑張っておいしいお弁当作るよ」

まゆ「Pさんご飯出来ましたよ」

P「おーありがとう。机の上片づけるからちょっと待ってくれ」

実は、今日はまゆが夕食を作りに来てくれている
といっても初めてではない
どうやって知っているのかわからないが、俺の仕事が早く終わるときはこうやってまゆが夕食を作りきてくるのがもう習慣になってしまった

P「今日もおいしそうだな」

まゆ「普段あんまりPさんが食べない和食にしてみました♪」

P「どうしてそれを知ってるんだ」

まゆ「冷めないうちにどうぞ♪」

P（スルーされてしまった）

P「うん、すごくおいしいよ。実家の味を思い出すよ」

まゆ「とっても嬉しいです♪」

――――――
―――――
――――

まゆ「来週の休みは凛ちゃんとのお出かけですよね？」

P「ああそうだよ」

まゆ「Pさんは大丈夫としか言わないですけど、休みに少しは人との約束入れないで休んでくださいね」

P「俺が休みのことを話すとみんなそんなことを言うな」

まゆ「それだけ、みんなPさんのことが大事なんですよ」

P「……まゆは休みの日とかにみんなと遊びに行ったりするのか」

まゆ「まゆは外よりお家で過ごすほうが好きなので、休みの日はお料理の勉強をしたり、編み物をしたりしてますよぉ」

P（そういえば、前にマフラーとか手袋をもらったな）

まゆ「別にみんなと仲が悪いわけではないです。みんなとっても優しいですから、こんなまゆにもよくしてくれますし……」

P「誰と仲がいいんだ？」

まゆ「そうですねぇ……かな子ちゃんや智絵里ちゃん、響子ちゃんともよくお話ししますよ。あ、杏ちゃんも仲良くしてくれます」

P「あ、杏が？」

P（意外だな）

まゆ「でも、一番仲がいいのは……凛ちゃんでしょうか」

P（えっ）

まゆ「くすっ、驚きました？」

P「あ、ああ。あんまり話したりしてるとこも見てないしな」

まゆ「事務所でお話しは確かにあんまりしてませんね。でもメールや電話はよくしますよ」

P「……」

まゆ「凛ちゃんは私と似ているところがありますから、気が合うのかもしれません」

P「どちらかというと正反対のイメージだが」

まゆ「容姿や性格はそうかもしれませんけど、考え方とか似ているところが多いんですよ」

P「へー」

まゆ「たぶん、今事務所の中で喧嘩できるとしたら凛ちゃんとだけですよ」

P「お、穏便に頼むぞ」

まゆ「うふふ、そんなことしませんよ」

まゆ「ただ、凛ちゃんは私の一番仲がいい友達ですけど、私の憧れでもあるんです」

まゆ「Pさんが言ったように私と凛ちゃんのイメージはほとんど逆です」

まゆ「凛ちゃんはかっこよくて、クールで、だけど優しくて、とってもしっかりしていて、強くて……そしてPさんに頼りにされている」

まゆ「だからこそ、凛ちゃんには絶対負けたくないんです」

P「そっか……」

まゆ「はい♪」

――――――
―――――
――――

P「そろそろ帰る時間じゃないのか？　送ってくよ」

まゆ「それなんですけど、Pさん……今日は泊めてくれませんか？」

P「ダメに決まってるだろ」

本当はこの提案がされることは最初から分かっていた
だってくるときの荷物がいつもと違ったから

まゆ「本当にダメですか？」

P「ダメだ」

まゆ「本当の本当にダメですか？」

P「……」

まゆ「……」

P「……今日だけだぞ」

まゆ「はい♪」

まゆが泊まるのも実は初めてではない
泊まるほうは今日で二回目だけど……
最初の一回はまゆが上京してきたときだ
女子寮の準備が間に合わず、ホテルに泊まってもらおうと思ったが、まゆがホテルを嫌がったため、俺の家に泊めることになった

P（プロデューサーとしては最悪だな……）

まゆ「そんなこと思わないで下さい。まゆのわがままなんですから」

P「っ……まゆはなんでもわかるんだな……」

まゆ「なんでもはわからないですよ。Pさんのことだけです♪」

まゆは本当に俺がダメといったときは、はじめの一回で引き下がる
俺のことをよくわかってるからだ

「本当にダメなことははっきり言ってください」

プロデュースをはじめてすぐのときにまゆが俺に言った言葉だ
彼女はそれを完全に守る

まゆ「すーすー」

P「こんなところで寝て……」

P「よいしょっと」

P（まゆは軽いな）

まゆの両親は早くに亡くなっている
優しい祖父と祖母に育てられたと言っているが、彼女は愛情に飢えている
その飢えが、相手に対する過剰な愛情と自分を愛して欲しいという形となって表れてるのだろう
初めて泊めたときに、寝ている彼女が両親のことを呼びながら泣いているの見てから、どうしてもまゆを甘やかしてしまう

P（どうにかしないとな）

P「よいせっと」

まゆ「んっ」

P（裾が掴まれているな）

まゆ「……P…さん…行か…ないで…」

まゆ「……嫌いに……ならないで……」

P（……横で寝るかな）

P「おやすみ……まゆ」

卯月「もう明日なんだよ未央ちゃん、大丈夫かなぁ」

未央「それしぶりんに言ってあげなよ……」

卯月「でも、明日のことで大変なのかもしれないのに、電話するのも…」

未央「まあねぇ……でも、明日のことはしぶりんのこと信じるしかないよ」

卯月「ううっ、そうなんだけど」

未央「お弁当の試作品も食べさせてもらったけど、おいしかったし、楽しいデートになればいいけど…」

卯月「うまくいくといいね…」

未央「……」

未央「……だけど、本当にいいのかな？」

卯月「え？」

未央「いやー、私たちはしぶりんと仲がいいし、相談もされた間柄だから、しぶりんを応援してるけど、事務所にはプロデューサーを好きなのはまゆちゃん以外にもきっといるでしょ」

未央「恋だけじゃなくて、アイドルもだけど、ライバルで競争なんだから順位が付いちゃうのは当たり前だし、しかたないんだけど、やっぱり思っちゃうよね。これでいいのかどうか」

卯月「……」

卯月「大丈夫だよ」

未央「うん」

卯月「大丈夫！　みんな優しいから、きっとみんな納得してくれるし、みんな幸せになれるよ！」

卯月「だから、大丈夫！」

未央「えへへ、やっぱりしまむーと話してると安心するなー」

卯月「へ？」

未央「しまむーはこないだ心配してたよね。自分がしぶりんの役に立ててないんじゃないかって」

未央「だけど、やっぱりそんなことない」

未央「しまむーはいてくれるだけで、なんだかみんなが安心するんだ」

卯月「そ、そうかなぁ……なんだか照れるなぁ//」

未央「まさに、しまむーの普通力（ふつうぢから）のなせる業だよ！　あまりの普通さにみんなに安定と安心を与えるんだ！」

卯月「ちょっとー！！　未央ちゃん！」

未央「えへへ、しぶりんうまくいくといいね」

卯月「うん」

未央「とりあえず、私たちは明日仕事だからまずはそれを頑張ろう！」

卯月「わわ、そうでした」

未央「というわけで、お休みしまむー」

卯月「おやすみなさい、未央ちゃん」

ﾋﾟ

卯月「凛ちゃん……頑張って」

ここまでです
総選挙が終わるまでには、終わらせたい……