【艦これ】気心の知れた仲 (13)
――執務室――
大井「はぁ、ったく……こんなに散らかして」
大井「いくら執務に追われてるからって、環境を整えないと良い仕事ができるわけないでしょ」グチグチ
大井「それを片付ける私も私だけど」
大井「えっと、このまとめた書類は……確か向こうの棚に……」
大井「よいしょっ」グッ
プッ
大井「!」
大井「……っ」カァァ
大井(だ、誰も……いないわね?)キョロキョロ
大井(危なかった。今の音聞かれたら、その人の記憶を抹消しなきゃいけないわ)
大井(にしても、ちょっとお腹に力を入れただけで出るって……恥ずかしい……!)
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大井(一旦書類を置いて)ドサッ
大井(換気しないと……)スタスタ
ガチャ
提督「食った食ったー」
大井「!!」
大井「て、提督……もうお昼食べたんですか?」
提督「ああ。ん? 部屋を片付けてくれてたのか」
提督「ありがとう大井…」
大井「なるべく喋らないでください」
提督「は?」
大井「喋らないでください」
大井(匂いが届いちゃったら最悪よ……!!)
大井(今のうちに窓を開けて)ガラガラ
提督「あー……ごめん、何か気に障るようなこと…」
大井「呼吸もしないでくださいね」
提督「呼吸も!?」
提督「俺、相当酷いことしたんだな」
大井「違いますよ! あ、口呼吸ならいいです!」
提督「???」
大井(怪しまれてる! 当然よね)
大井(まあいいわ、今のうちに空気を入れ替えるのよ)ブンブン
提督「手をブンブン振り回して何してるんだ」
大井「空気の入れ替えです、ほこりっぽいので」
提督「そうか?」スンスン
大井「!!」
大井「吸わないでったら!!」スタタタッ
ガバッ
提督「んぐ!?」
大井「言ったじゃないですか、口呼吸限定です! 鼻でしちゃダメ!」カァァ
提督「大井っ、息が……できなっ……!!」
大井「口でしてください! 鼻は抑えてます!」
提督「はーっ、はーっ……な、何なんだよ一体」
提督「別に匂いなんてしなかったぞ」
大井「それでもです! しばらくはこのままでお願いします!」
提督「……?」
――――
提督「大井、そろそろ仕事しないと……」
大井(5分も経てば、もういいわよね?)
大井「そうですね。頑張ってください」パッ
提督「えっ、もう息してもいいのか」
大井「はい。換気できたと思うので」
大井「というか提督、部屋汚いですよ? 定期的に片付けないと」
提督「だよな……まずは掃除するか」
大井「そうしてください。手伝いますから」スタスタ
大井「この書類って向こうの棚ですよね?」
提督「うん、運んでくれるか」
大井(ふぅ……今度はお尻を引き締めて)
大井(気を抜かないようにするわ)グッ
大井(よしよし)スタスタ
ブッ
大井「!!」
提督「……ごめん」
大井「提督」
提督「ははは、気が抜けてたよ」
提督「まあ俺と大井の仲だ。気にしないでくれ」
大井「!」
提督「ちょうど窓開けててよかったな」
大井「……」
大井(提督と私の仲……)
大井(そうよね。もう何年も一緒の鎮守府で過ごしてるんだし)
大井(今更おならくらい聞かれたって)
大井(バカみたいだわ、私)フフ
大井「提督」
提督「ん?」
大井「臭いです。健康にも気をつかわないと病気になりますよ」
提督「そんなにか?」
大井「体のサインを見逃しちゃいけません。野菜とってますか?」
提督「俺は肉食系だからな」
大井「全く、屁理屈こねて……」
提督「……」
提督「なあ大井、もしかして」
提督「さっき俺に口呼吸しろって言ったのは…」
大井「!!」
大井「違います!」
提督「え」
大井「提督と一緒にしないでください! 私はこんなところで」
大井「絶対におならなんてしませんからっ!」
提督「そ、そうか……」
大井(うう……やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい……!)
おわり
久しぶりの大井っちss
短いですが読んでくださった方、ありがとうございます
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