アイドルヒーローズ(ライジング)の世界線のお話
4周年記念PVの後日談的な感じ
n番煎じだろうけど許して
あずさと莉緒が本当にに司令官、副司令官なのかは知らない
その他勝手な追加設定もあるので合わない人はブラバ推奨
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*ヒーローズ本部地下 トレーニングルーム*
百合子「…唐突だね」
海美「まあまあ、いつものことじゃん」
翼「えー何その反応!二人は興味ないの?」
海美「いやー、気にならない訳じゃないけどさ」
海美「普通に考えたら、やっぱりあずささんじゃないのかな」
翼「百合子ちゃんもそう思う?」
百合子「私はなんとも…というよりそもそも」
百合子「司令達が現場に出て戦うのを見たことないじゃない」
百合子「…この間までは」
翼「………」
???「ほらほら、そんな顔しないの」
海美「!」
のり子「あの時に各々、実力不足を痛感したからこうやって修行してるんでしょ?」
のり子「完璧で完全な勝利とは言えなかったかもしれないけど、得たものは確かにあった…違う?」
海美「違わない!」
翼「そんなことないです!」
百合子「違いません」
のり子「分かってるならそれでよし。この話は終わり!」
翼「は~い……あれ?」
翼「でもでも、トレーナーさんなら何か分かりませんか?あずささんがどれくらい強いのか」
のり子「あたし?うーん、あたしもあくまで体術とキネティックパワーの基礎を教えられるだけだから、あんま現場に出ないし。分からないな」
海美「…"だけ"って言うほど弱くないよね絶対」ヒソヒソ
百合子「うん」
のり子「あんた達よりは経歴も長いけど、それでもあの二人の現役時代はよく知らないや。ごめんね」
翼「と、とんでもないです!」
海美「…ん?あ!そういえば百合子はあの時直接莉緒さんと戦ったじゃん!」
のり子「え、マジで」
百合子「あー………そうでしたっけ」
翼「もう、百合子ちゃん!そうならそうと早く言ってよー」
百合子「ご、ごめん?」
百合子「けど、正直デストルドーに操られてた期間のことはあんまり覚えてないの」
百合子「夢というか、ただ映像を見てる感じで、ひどく現実味がなくて…」
海美「まあ、覚えてないものはしょうがないよ。気にしないで百合子!」
翼「無事に元に戻れてほんとによかったよね」
百合子「…ありがと。翼、海美」
翼「けど、そうなるとふりだしに戻っちゃった」
海美「私も本格的に気になってきたよ」
百合子「今の実力はさて置き、当時のことを知っている人となると…誰だろう」
海美「そりゃあ第一・第二世代のヒーローズだろうけど」
翼「む~、誰がいつ入ったかなんて分かんないよー!」
海美「私達は一番下だから皆先輩だしねー」
百合子「それにその世代となると、副司令クラスの幹部の方々ばかりだろうし」
海美「そう気軽には話せないか~」
のり子「…いや、そうでもないかもよ」
翼「?」
*屋上*
このみ「で、私に話を聞きに来たってわけね」
翼「そうなんです!」
百合子「このみさんが私達と同期ではないのは存じ上げていたんですが」
海美「まさか莉緒さんと同世代だったなんて知らなかったよ!」
このみ「ふーん…」
このみ「ねえ、どうして私と副司令が近い世代かもしれないと思わなかったのかしら?」ニッコリ
翼「? そんなの見ても分かグマメッ」
海美「えーそりゃあ見た目がモガガグッ」
百合子「そ、それはこのみさんが、ヒーローズ創設期からご活躍なさっているとは到底思えないほど綺麗な方だからに決まってますよ!」
このみ「あら、そう?そう言われると悪い気はしないわね。ふふっ」
翼・海美「プハッ!」
翼「それはそうとこのみさん、二人について教えて下さいよ~」
このみ「まあ話すのはやぶさかではないけれど、人の能力をペラペラ喋るわけにもいかないのよね…特に司令達のは」
海美「あ、そっか」
百合子「言われてみれば当たり前でしたね…」
このみ「それに私も、二人が本気で◯しあってどちらが勝つかは分からないわ」
海美「!!? ゲホッゴホ、む、咽せっ」
百合子「ちょ、ちょっとこのみさん」
このみ「あら?そういう話じゃなかったかしら」
海美「いや、間違っちゃいないんだけどさ…合ってもないけど」
翼「いくらなんでも言い方が怖過ぎますー!」
このみ「ごめんなさいね、ちょっとしたジョークよジョーク」
三人(心臓に悪い…)
百合子「…だけど、今ので大まかな位置付けが分かりました」
海美「このみさんの言葉を信じるなら、昔からの付き合いである人から見ても」
百合子「指令・副指令の間にそこまで圧倒的な実力差は無い」
翼「口ぶりからしてあずささん達の固有能力も知ったうえでの判断みたいだし」
海美「問題はこの拮抗が私達よりどれくらい上のレベルでのものなのか」
百合子「そしてその要因が、単に能力の相性によるものなのか。それとも…」
翼「気になるけど、さすがにそこまで聞くのはダメですよね~」チラ
海美「せめて前者だけでも知りたいなー」チラ
百合子「こ、こら二人とも」
このみ「…ふふ」
このみ「まあまあいい推理ね。ご褒美にもう一つだけヒントをあげるわ」
翼「わーい!」
海美「そうこなくっちゃ!」
百合子「済みません、このみさん」
このみ「あくまでほんの一部だけどね。……そうねえ」
このみ「…ねえ皆、"この四人"でトーナメントをした場合、誰が一番になるか分かるかしら?」
翼「はい?」
百合子「…私、翼、海美、このみさんで。ってことですか?」
このみ「そ。場所は人気のない野原、武器の使用は無しとしてね」
海美「そんなの、考えるまでもなく百合子じゃないの?……悔しいけど」
翼「もー、それが一体どうしたっていうんですか?」
このみ「あら、それが答えでいいかしら?」
百合子「待って下さい!」
海美「! 百合子どしたの?」
百合子「違います。…勝ち残るのは、私じゃないです」
海美「え」
翼「な、なんで?百合子ちゃん」
海美「ハッ!もしかしてわたし」 百合子「違うよ」
海美「もう、せめて最後まで言わせてよ!」
百合子「一応言っておくと、翼にも負けるつもりはないからね」
翼「む~、いつか絶対追い越してやるんだから!」
海美「って、ちょっと待ってよ。それじゃあこの中で一番強いのって…」
百合子「うん。まず間違いなくこのみさん…ですよね?」
このみ「ええ、正解よ」
海美「……」
このみ「二人はなんだか不服そうね?」
翼「そりゃあそうですよ!納得いきませんー!」
百合子「海美も翼も落ち着いて。冷静に考えればすぐ分かるよ」
百合子「巨大化したこのみさんに私達が勝てると思う?」
海美「え"っ…それは…………無理だけど」
翼「けどそんなの反則ですよ!勝てっこないじゃないですか!」
このみ「あら、"武器の使用"はしていないはずだけど?」
翼「う~~……海美ちゃ~ん」
海美「おぉよしよし」ナデナデ
このみ「ふふ、イジワル言ってごめんなさいね」
このみ「でも実際、一対一で正面から戦う場合、あなた達が私に勝つのはまだ無理よ」
このみ「…三対一だとどうなるか分からないけどね」
海美「…ねえ、その話とあずささん達の強さはどういう関係があるの?」
百合子「……まさか」
このみ「察しがいいわね、百合子ちゃん。あなたの思ってる通りよ」
このみ「少なくともあの二人は、仮に私がデストルドー側の人間だったとしても問題無く対処できる程度には強いわよ」
このみ「全力で抵抗したとしても、もってせいぜい一分くらいがいいとこね」
三人「…」ゴクリ
このみ「今、『じゃあどうして普段上官達が直接戦わないのか』みたいなことを思ってるでしょ」
翼「そ、そんなことは」
このみ「いいのよ翼ちゃん。逆の立場だったら私だってそう考えるもの」
このみ「でもね、例えば私の巨大化能力は、皆が思っている以上に危うい力なの」
このみ「街中で考えなしに使おうものなら、下手をすれば敵よりも甚大な被害を出す羽目になるわ」
海美「…」
このみ「本当ならより強力な力を持つ私達が全ての案件をこなせればいいんだけど…」
このみ「司令も副司令も、そして私も。皆色々な事情があって現場に出られない訳があるの」
このみ「分かってくれ、なんておこがましいことは言えないけれど、頭の片隅にちょこっと置いといてくれると…嬉しいわ」
三人「…はい!」
このみ「……はぁーあ、歳とると何でもかんでも愚痴や説教に繋げちゃうから嫌ね」ノビー
このみ「ごめんなさい、変な話につき合わせちゃって」
百合子「い、いえ!…先に無配慮な話題を持ちかけたのは私達ですので」
翼「あの、このみさん!」
このみ「ん。どうしたの?改まって」
翼「いつか…ううん、すぐに、このみさん達が心配する必要のないくらい」
海美「私達、強くなってみせるから!絶対!」
百合子「だからこれからも、ご指導お願いします…!」
このみ「…ええ、期待してるわ」ニコッ
???「……ふふっ」
このみ「…さてと、長話の聞き役で体が固まってると思うから、おまけでもう一つ」
このみ「司令についてのヒントをあげるついでに軽く運動しましょっか」
百合子「?」
このみ「今から90秒以内に、三人のうち誰かが私の頭に触れたらそっちの勝ち。ルールはこれだけよ」
海美「ちょちょ、ちょっと待ってよこのみさん!」
翼「運動はいいですけど、それのどこがヒントに」
このみ「このコインを弾いて、足下に落ちたら始まりだからね」テクテク
百合子「…二人とも、今は指示に従ってみよう。このみさんにも考えがあるはずだから」
海美「…百合子がそう言うなら、別にいいけど」
翼「これって要するに鬼ごっこですよね?結構久しぶりかも!」
このみ「じゃあいくわよー。…三人とも」ピン
このみ「頑張ってね」
―――――――――――――――キィン
コインが弾かれる
思っていたよりもずっと高く上がっている
今のうちに状況を整理しておこう
私達がいるのは屋上
そこそこ広いが、サッカーコートよりは狭いはずだ
三人それぞれとこのみさんとの距離はほぼ同じ、目測15メートル
私達自身は2メートルほどの間隔で横並び
コインが落ちてくる
…普通に考えれば一人くらいサボっても彼女を捕まえられるだろう
しかし、先の言葉は暗に「全員で、本気で捕まえてみろ」と言っていたように思えた
そして「できるものなら」とも
これで司令官の何が分かるのかは見当もつかない
…考えるのもここまでにしておくか
今は目の前に集中――――
コインが地面に触れた
両脚にキネティックパワーを集め、思いきり地面を蹴る
訓練で何度も練習したこの力の基本操作の一つだ
一般人からすると瞬間移動しているように見えるらしいが、正体はただの"凄い速いスタートダッシュ"である
しかし今回の相手は同じ力の使い手
このみさんがどこに逃げたかをすぐ確認し、次の一歩で軌道修正を???
思わず目を疑う。それもそのはず
動いていない?馬鹿な
たかだか10メートル超なんて、私達にかかれば文字通り一瞬で詰められる
この鬼ごっこは瞬発力と状況判断力のテストではないのか
何か秘策でもあるのだろうか
ここまで思案してようやく違和感に気付く
長い。長過ぎる
距離がではない。体感時間が、だ
一瞬で移動できるという言葉に偽りはない
現に私達と司令官との距離は残り2メートルもない
これはもしや、死ぬ直前のスローモーション?走馬灯?
一体何が起きているんだろうか
もう一度、前方を注意深く見る
……………え?
「し、司令か」「あぇ、あず」「うわわっ」
言い終わる前に
横から二人の声が聞こえた、と思う前に
私達はもといた方向へ吹っ飛ばされていた
【1秒経過】
なんとか空中で体勢を立て直し、着地
途端に湧き上がってくる疑問で脳内が埋め尽くされる
いつ現れた?どこにいた?どうやって来た?
他の二人も動揺しているらしく、前を見たまま固まっている
…なるほど。『ルールはこれだけ』とはこういうことか
実力行使の容認は当然ながら、相手が一人であるとも全く言っていない
実際の戦闘に通ずるものがある
敵の数、勝利条件等の状況把握を怠るのは致命的なミスに直結する
ただのゲームとは全くの別物だと反省していると
「はーい、10秒経過よー」
呑気なこのみさんの声
制限時間の存在もすっかり忘れている体たらくだ
マズいな。思った以上に自分は焦っているらしい
【12秒経過】
一瞬だが、さっきの一撃でなんとなく察した
一人で敵う相手じゃない
三人で相手をしていたら足止めとは言えない
ならば取れる選択肢は明白だ
「翼!海美!わた」
「百合子ちゃん、駄目よ?敵の前で余所見をしては」
………え?あっ、私、死―――
「はあああああっ!」
「やあああっ!」
二人が背後から奇襲するが、司令は見もせずに回避した
「百合子ちゃん!」
「大丈夫!?百合子!」
「うん……でも、こっちに来る間にこのみさんの所へ行ってれば私達の勝ちだったのに」
少し震える声を誤魔化し、精一杯の強がりを言う
「へ?あ、あーそっか…そういえばそうかも」
「しょうがないじゃん!体が勝手に動いちゃったんだから!」
「あはは…二人とも、ありがと」
二人ならそう返してくれると分かっていた
そしてそんな二人だからこそ、私は心から信頼できるのだろう
「うふふ、青春っていいわね」
「……30秒経過ー」
【30秒経過】
「いける?百合子」
「うん、もう大丈夫。それで作戦についてなんだけど、手短に言うと」
「私と百合子ちゃんで足止め、海美ちゃんがこのみさんの所へ」
「ただし直前まで三人であずささんを倒すと思わせる様に、でどう?」
「! ど、どうして…」
「いつまでも百合子に頼りっぱなしじゃいけないからね!」
「じゃあ行くよ!3、に」
「あら、どこへ行くの?」
後ろから声がする
【46秒経過】
この展開も想定内ではある。決して嬉しくはないが
「海美、行って!!」
バリアを全開にして振り返ると
「いい判断よ百合子ちゃん」
いつの間にか棒…いや、杖を手にしていた
司令が普段から持っている物だが、まさか武器だったとは
「頑張って耐えてね」
そう言い終わるや否や、目にもとまらぬ速さで連撃が繰り出される
「ぐうぅっ…!」
このままでは叩き破られるのも時間の問題だ
すると、視界の隅、司令の後方にいる翼と目が合う
………ウィンクされた
【52秒経過】
ぞわり
嫌な予感がする
"身を屈めないとヤバい"
わざとバリアを解くと司令は警戒して一瞬動きを止めた
が、すぐに杖を振り下ろしてくる
とっさに両腕を交差して防ぐ
ガギン!!
「!…拘束具を防具代わりに」
「翼!!」
そのまま後ろに倒れ込んだ直後
「ギガ・キネティックスラッシュ!」
巨大な刃が頭上を通り過ぎていった
【57秒経過】
驚異的な反応速度でガードした司令官だが、不意を突かれたせいか横へすっ飛んでいく
飛んでいく先に偶然あった物置小屋が盛大に破壊された
ひとまず安心、翼に一言文句を言いに行ってやろう
なんて悠長なことをしている暇なんてない
鬼ごっこを続けている二人はどこに……いた
遮蔽物がほとんどない屋上で助かった
再び足に力を溜め、海美のいる方へ駆け出す
少し離れて走る翼をちらりと見ると、手刀・ウィンク・舌出しの三連コンボ
………後でデコピンの刑だ
【1分2秒経過】
本来なら司令はもうとっくに追いかけて来れるはずだ
ハンデのつもりかは知らないがもうしばらくは手を出してこないらしい
ならば有難く甘えさせて頂こう。時間も多分残り少ない
「海美!」
「!」
よほど集中していたらしく、声をかけてようやく私達に気付く
このみさんも凄い驚いている…当たり前か
まさか司令を退けてくるとは思わなかったのだろう
申し訳ないが、このまま一気に終わらせたい
【1分8秒経過】
改めて三対一で、司令がいつ現れるか気にしつつではあるが、鬼ごっこをして得心した
三人の中で一番足が速い海美をもってしても、何故今の今まで捕らえられなかったか
このみさんが海美より速いのではない
ただ、身のこなしと速さの緩急の付け方が私達よりずっと上手いのだ
高いキネティックパワーの技術、完璧なフェイントのタイミング、etc...
司令が彼女に近付く者を無視し、こちらの数減らしにのみ動いていたのも道理だ
完全に侮っていた
もしも最後まで彼女と海美の一対一が続いていたら負けていただろう
とはいえ今はこちらに数的有利がある
加えて彼女のスタミナにも限界がきているはず、と思った矢先
「これで…終わりですっ!」
「捕まえたぁっ!」
挟み撃ち。逃げ道の先には私
無事試験クリア、と安堵する、と
「80秒ーー!」
絶叫
「はーい」
絶望
【1分21秒経過】
頭をフル回転させる
司令は翼と海美を見ている
こうなるともはや私とこのみさんの一対一と同義だ
幸い二人が彼女の進行方向を制限してくれている
だが海美からあれだけ逃げ続けた彼女のことだ
今、確実に捕まえるには
否、悩んでいる暇はない
まだ無駄な消耗が大きく、加減もうまくできない新技を使うしかない
思わず叫んだ
「風よ!!」
【1分22秒経過】
簡単にいうと、キネティックパワーを放出しただけ
ただし"ありったけ"を"真っ直ぐに"
この力を遠距離攻撃として使う際は、多少なりとも"溜め"が必要になる
一般人ならまだしも、同じ力の使い手にただぶつけてもせいぜいがそよ風を感じるレベルだ
逆に言えばその程度には力が伝わる
ならばぶつける量を膨大にしてはどうだろうか、というのがこの技を考えた経緯だ
結果として長所は"溜め"が要らず、技の出が早いこと
短所は……一つ挙げるならば、"凄い疲れる"
現に私は今、へたり込んでしまって動けない
実戦で使うにはまだまだ改善が必要だ
…新技に限らず、この抜き打ち試験で分かった課題はあまりに多い
「お疲れ様。百合子ちゃん」
「……有難うございました、司令官」
【1分30秒経過】
「それにしても最後は見事だったわ。完敗ね」
「結果としてうまくいきましたが、9割9分賭けでした。…とても実力とは言えません」
「それでも、よ。ほら、二人はあんなに喜んでるじゃない」
ちらりと指差された先を見ると
「百合子ちゃ~ん!」
「百合子ー!」
二人が駆けて来ていた
翼は大きく手を振りながら
そして、海美は晴れやかな笑顔で
対称的にふくれっ面をするこのみさんを抱えながら―――――
【1分48秒経過】
【勝者:マイティセーラーズ】
【1分21秒経過時点:海美主観】
どうしよう。あずささん来ちゃった
もう残り10秒もないのに
どうにかしてこのみさんの近くに行けないかな…
うわわめっちゃこっち見てる!
「風よ!!」
!…百合子の声だ
多分このみさんがそっちに逃げたから戦ってるんだよね
…よし、せめて私も精一杯あずささんを足止めしよう
気合入れていくよ!集中!
あ、このみさんが飛んできた
でも焦っちゃいけない
まずはしっかり連携をとらなくちゃね
………………
"このみさんが飛んできた"?
………
こ、こういう場合はどうすればいいのかな
取り敢えずキャッチすればいい、よね?
…大丈夫だよね
……爆発とかしないよね?
うわっ!?な、なにこの風!
……ダメだ、踏ん張れないっ
あっ、そうか
このみさん、自分で飛んできたんじゃなくて、"飛ばされて"きたんだ
だからあずささんも対応できてないんだ
ていうかあずささん、耐えてるよ。凄いね
あー、空を飛んだことはいっぱいあるけど
風に吹き飛ばされるのは初めてだなー…
違う違うそうじゃない!もう時間ないよ!!
翼…も飛ばされてる
どっちがこのみさんに近いかな、ってそれも違う!
私は私にできることをやるだけだ
うーん、強風の中じゃうまく方向調整できないや
……チャンスは一回しかない
足に力を込めて、踏み込む!
「―――――と、ど、けええぇぇぇぇぇぇえ!!」
思いきり手を伸ばした
【1分27秒経過】
ひとまずここまで
一応まだ続くかも
いつになるかは未定
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