提督「さて、作戦内容を伝える」

提督「日向、なぜお菓子を取られるかわかるか？」

日向「それはトリックオアトリート、と言われるからだろう」

提督「そうだ、その通りだ」

提督「つまり、トリックオアトリートと言えばお菓子が貰える訳だ」

提督「なら俺も貰えるはずだよな？」

日向「つまりこうか？『やられる前にやる』」

提督「まぁ、そうなるな」


日向「……なぁ君、君みたいな奴の事をなんて言うか知ってるか？」

提督「なんだよ」

日向「畜生って言うんだ」

提督「うるせえ、とにかく明日実行だからな、覚えておけ」

【10月31日】

日向「なぁ君、本当にやるつもりなのか？今からコンビニ行けばまだ間に合うぞ」

提督「いいや、実行するね」 コンコン

提督「ほら、来た」

日向(ああ…面倒くさい奴だ)


暁「司令官!入るわよ!」ガチャ

提督「おお、暁か」

暁「司令官、日向さん、今日は何の日か知ってる？」

日向「ハロウィン、だな」

暁「そうよ！だからね…トリックオアトリート!」

日向「ほら、瑞雲クッキーだぞー、私のお手製だ」

暁「日向さんありがと!」

暁「ほら司令官、トリックo提督「トリックオアトリート」

暁「へ？」

提督「へ？じゃなくてトリックオアトリートだよお菓子出せお菓子を」

暁「いや、でも、その…」

提督「じゃなきゃイタズラかなぁー！」

暁「で、でも、今もらったクッキーしかないし…」

提督「あるじゃねえか…クッk日向「オラァ！」 ドグシャ

日向「すまないな、さらにクッキーをやるから許してくれ」

暁「え、ええ…大丈夫よ、レディーだから」

暁「そろそろ帰るね？」ガチャ



提督「前が見えねェ」

>>日向「畜生って言うんだ」

違うぞ日向、こういうのは「大人気ないガキ」と言うんだ

日向「とりあえず、私は今から少し外出するが、今のような事はやめろよ？」

提督「おう、やらねえよ」

日向「やったらやったで色々あるからな、かくごしておけよ」ガチャ


提督「さて、次の標的は誰かな」


提督「探しに行くのもいいか」

〈食堂〉
提督(さぁーて…誰がかかるかねぇ）

摩耶「おっ、提督じゃねえか！」

提督(おやおや？今の俺に近づくなんてまさに飛んで火に入る夏の虫！ネギが鴨を背負ってきたようなモンだなァ！)

秋津洲(呼んだかも！？）

提督(こいつ直接脳内に…！)

提督「摩耶か、その様子だとハロウィンを楽しんでるようだな」

摩耶「アタシは別にいいって言ったんだけどよ、姉貴たちがな…」

提督「いいじゃねえか、その狼女似合ってるぞ」

摩耶「そうか？まあ、ありがとな」

提督「おうよ、所で何か言う事はないか？」

摩耶「おっ、言って欲しいんだな？」ウズウズ

提督(こいつ結構ノリノリじゃねえか）

提督「ああ、頼む」

摩耶「トリックオアトリーt提督「トリックオアトリートォ！」


摩耶「へ？」

提督「お菓子くれなきゃイタズラするぞー」

摩耶「いやお前なんも仮装してない…」

提督「イタズラするぞー」ｻﾜｯ

摩耶「ひゃあっ！おい！やめろ！」

提督「イタズラー」ｻﾜｯｻﾜｯ

摩耶「」ﾌﾟｯﾂｰﾝ

摩耶「オラァ！」ﾊﾞｯ

提督「グハァ！」ﾊﾞｷﾊﾞｷﾊﾞｷｨ


暁「あ、あれは、ココナッツバックブリーカー！？こんな所でお目にかかれるなんて…」

響「暁、早く行こう」

電「お菓子もいっぱいもらったのです」

雷「部屋に戻って食べるわよ！」

暁「今行くわ」

提督「なんとか生き延びた…」

多摩「提督どうかしたにゃ？」

提督「多摩か、なんでもないぞ」

提督「犬のコスプレか…」

多摩「何か問題でもあるにゃ？」

提督「いや、どこにも」

多摩「そうかにゃ」

多摩「そういえば提督、トリック…」

提督(読めたッ！馬鹿めと言って差し上げるぜ！）

高雄(私のセリフを使われるのはちょっと…）

提督(こいつ直接脳内に…！）

提督「トリックオアt…」

多摩(日向が言っていたのはこの事だったかにゃ…一発お灸でもすえてやるかにゃ）ｼｭｯ

提督「トリィィィ！！」ｽﾊﾟｧﾝ


暁「あのしなやかな蹴りッ！猫のように身のこなしが軽く、体が柔らかい多摩さんにしかできない芸当ね…まさに柔よく剛を制すって感じ、見られて今日は幸運だわ…」ｶﾞﾁｬ

電「青葉さんのマフィン美味しいのです」

響「電、私にもくれないか」

雷「暁、このクッキー美味しいわ！」

暁「本当？なら、そろそろお茶を淹れるわね」ﾊﾞﾀﾝ


提督「痛え！」

提督「おいコラ多摩ァ！痛えじゃねえ多摩「トリックオアトリートにゃ」

提督「ハッ！」

多摩「話は日向から聞いてるにゃ」

多摩「今後100年はこんな事しない、って程度に痛めつけるから覚悟を決めておくにゃ」

提督(まずい…俺の身がもたない)

提督(病院送りになるのはマジで避けたい)

提督(そこで問題だ！　多摩からどうやって逃げるか　3択－一つだけ選びなさい 　答え①ハンサムの俺は突如反撃のアイデアがひらめく 　答え②仲間がきて助けてくれる 　答え③逃げられない。　現実は非情である。)

提督(もちろん①を選びたいッ！何か…ポケットに何か入ってないのか！？)

提督(ネズミのオモチャ…多摩は猫、行けるッ！）

提督「おらよっと！」ﾎﾟｲｯ

多摩「ふざけるのも大概にするにゃ」

提督「ケパァ！」ﾄﾞﾎﾞｫ

提督(鳩尾はダメだッ…意識が…）

提督(答えー③…③…③)ﾄﾞｻｧ


多摩「やれやれ…これに懲りたらもうやめる事をお勧めするにゃ」

提督「生きてるわ…命まだあったわぁ…」

島風「…｣ﾃｸﾃｸ

提督(次のターゲットみーっけた）

提督(前回はなまじ相手のトリックオアトリートを待っていたからダメだったんだ）

提督(次は先手を取るッ！）

提督「島風ｪ！」

島風「お？」

提督「ト 島風「トリックオアトリート」

提督(速いッ！）

島風「提督おっそーい！」

提督「は、はは…これはやられたな…」

島風「ほら、提督お菓子お菓子」

提督「いや、悪いが今は持ち合わせてなくてな」

島風「じゃあイタズラ？」

提督「それもよして欲しいな」

島風「それじゃあハロウィンが成立しないじゃないですかー！」

島風「ほら、チョコ、ギブミーチョコレート！」

提督(まずい…不意打ちなら勝てると思っていた故に想定外）

提督(このまま何も出せなければイタズラをされてしまうッ！）

提督(安定のポケットの中身探しで何か見つけられないか…？）ｶﾞｻｯ

提督(あったッ！なんかわからんがくらえ！)

島風「ねー、まだですかー？」

提督「これでもくらえ！｣



島風「鰹節…ふざけてる？」

提督「俺にとってはお菓子なのでセーフ」

島風「ふーん、まあいいや」

提督「なら俺はこの辺で…」

島風「提督」

提督(まさか)

島風「トリックオアトリート」

提督(にゃ、にゃにぃー！？俺はこれ以上食べ物を持ち合わせてないぞ！）ぐにゃあ～

雷「あれは…」

電「２連トリックオアトリートなのです」

響「知っているのかい？雷、電」

雷「ええ、自分の気に入らないお菓子を貰った時に発動する悪魔の所業よ…」

電「普通の人なら良心の呵責が邪魔をして、やらないはずなのです」

雷「これを喰らったが最後、徹底的に搾取されるか、それともイタズラを食らうかの地獄の二択を迫られるわよ…」

暁「お茶が入ったわー！」

響 雷 電「はーい」


提督(絶望…圧倒的絶望…打開策も無い)

島風「ほぉーら提督、お菓子！」

提督(仕方ない…ここは正直に打ち明けるしか)

提督「すまない、本当に持っていないんだ」

島風「…」

島風「ならイタズラだね」

島風「ちょっと着いてきてね」ｸﾞｲｯ

提督「おい、俺はどこに連れていかれるんだ…？」

島風「んー、少なくとも『安心』なんてない所かな」

提督「うわああああ！！！」


〈とある部屋〉

島風「連れてきましたー！」

？？？「良くやった、瑞雲チョコをやろう」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

島風「わーい！」

島風「それじゃ、失礼しましたー！」ｶﾞﾁｬ


提督「…やめろ、ほんのちょっとの出来心だったんだ」

提督「許してくれ、日向」

日向「…」

日向「なあ、私はさっき部屋を出る時になんて言ったと思う？」

提督「…!」ﾊｯ

日向「そう、『色々』あると言ったな」

提督「やめろ、やめてくれ」

日向「覚悟は出来たか？」

提督「…」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ


「私は出来てる」

提督「オレのそばに近寄るなああ──────！」


部屋<ｳﾜｧｧｧｧｧ!!




提督…再起不能 全治３ヶ月の怪我を負う。
艦隊の指揮は日向が行ったため、
業務には支障なし

第六駆逐隊…お茶会を楽しんだ

日向…ジャック・オーランタンにこっそり瑞雲型の物を紛れ込ませた

摩耶…ギャグ「七日で一週間」を披露したらウケた