モバP「美羽が誕生日なんだ」未央「そうだね」 (25)



モバP(以下P)「矢口美羽がそろそろ誕生日なんだ」

未央「なんでフルネームで言いなおしたの?」

P「ぐっちーへのプレゼントをどうしようかと思ってな」

未央「呼び方を統一してくれない?」

P「みうみう?」

未央「なんで新しく増やしたの?」

P「プロデューサーは好きに呼んじゃだめか!?」

未央「好きにしなよもう」



P「冗談は置いといて」

未央(仕切り直した)





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P「美羽のプレゼントなんだけど、その相談を未央に乗って欲しいんだ」

未央「ほう、良い選択ですなあ。なんと言ってもみうみうと私は親友ですからな! プロデューサーが一番最初に頼って当然だよねー」




P「あー……うん、そう。最初、最初」


未央(最初じゃないパターンだこれ)

P「すまない未央! 最初に頼ったわけじゃないんだ!」

未央(自分からばらした!?)

未央「いや、いいって別に……」


P「別にお前に頼る気がなかったわけじゃないんだ。ただ優先度の問題というか答えが見つからなかったら未央でいいかな? 位ってわけじゃなくて!」


未央「プロデューサー黙って。怒るよ?」





P「あれだよ。本田未央は切り札なんだよ。ポーカーやババ抜きのジョーカー的な!」

未央「ジョーカーの扱いま逆だよね? その二つ」

P「親友としては辛いだろうが……」

未央「だから別に怒ってないんだけど。私以外には誰に聞いたの?」


P「最初は日菜子と亜子に聞こうと思ったんだよ」

未央「ブエナ・スエルテの二人に?」


P「ただ、亜子に聞いたとしてもさ……」





亜子『そりゃあPちゃん! お金でしょ 御金!』マニーマーク




P「って満面の笑みで答えるのは見え見えだろ」

未央「亜子ちゃんもわきまえると思うよ普通に?」





P「で、日菜子に相談しようとも思ったんだけど」





日菜子『ああ……誕生日……素敵ですね……二十歳の誕生日にやってくる邪悪な魔女。怯える日菜子を王子様が……妄想が止まりません……』ムフフ




P「って話を聞いてくれないだろうし」

未央「それは普通にありえそうだね」



P「で、それならって久美子に聞いてみようかとも思ったんだが」

未央「くみちーにも聞かなかったの?」

P「ああ、久美子だと――」



久美子『美羽くらいの年ならリップやチークとかかな? 美羽は指も綺麗だしマニキュアとかもありだね。いっそネイルサロンに言ってキレイに着飾るのとかは! あ、でもコスメよりスキンケア系の方がいいかなー。それだったら――』




P「俺が渡すには女子力が高すぎるにプレゼントになりそうで……」

未央「まあ、確かに……」





P「だから加奈に聞いたんだ」

未央「あれ? 私の前にいまかなに聞いたんだ?」

P「なんだかんだ美羽と仲良いしな」

未央「いまかなはなんて?」

P「それは――」




加奈『美羽ちゃんへのプレゼントですか? プロデューサーからのプレゼントなら、なんでも喜んでくれますって!』




P「って言われた」

未央「おおー。流石いまかな、素晴らしいまでの模範解答だね」


P「なんでもってのが一番困るんだよ! 子供に今日の晩飯なにがいい? って聞いたらなんでも! って答えられて悩む全国のお母さんお父さん祖父母の皆さまの気持ち考えたことあるのか!」

未央「いいじゃん。実際なんでもいいと思うし。普通にお菓子でもあげれば?」



P「しかしなぁ……」

未央「しかしなに?」



P「普通のものじゃあ……こう、おもしろくないじゃん?」

未央「プロデューサーもみうみうに毒されてるね」


P「まて、それだと美羽がアイドルなのにひたすらに笑いを求める迷走キャラみたいじゃないか」


未央「プロデューサー分かってていってるでしょ?」

P「まあそれは冗談として、プレゼントなんだけど」

未央(また仕切り直した)




P「どんなプレゼントなら面白いと思う?」


未央(仕切り直ってなかった)





未央「あくまで面白さを求めるなら……うーん。ダジャレとか?」


P「俺が仕事辞めるんです的な嘘をつく奴か」

未央「それはドッキリだね」

P「未央看板持つ? ネタばらしの看板」

未央「もうドッキリでもなく辞めちゃえば?」

P「辛辣」

未央「じゃなくて。ダジャレ的なプレゼントというか」




P「みかんの上にあるみかん」

未央「つまりみかんだね。アルミ缶の上に乗せて」




P「それか、いっそダジャレのネタをプレゼントするのもありか?」

未央「あ、いいんじゃない。ダジャレネタ。考えるの大変って言ってたし」

P「で……どんなのがいい」

未央「そこまでは知らないよ」

P「俺だってダジャレなんて分かんないからな……」

未央「それなら誰かに聞いてみれば? ダジャレのネタを沢山持ってそうな人」

P「おいおい、アイドル事務所にそんな人……」ハハハ




楓「ダジャレのネタ……ですか?」

P「はい、ここはやっぱり楓さんかと」

未央(まあ、だよねー)




楓「ネタと言われましても……そういうものは、ゆっくり一晩ネターら思いつくかも」

未央「おお、流石楓さん」パチパチ

楓「いえいえ、お粗末で様です」テレテレ

P「なにか教えてもらえないですかね。一つだけでも」

楓「簡単に思いついたものでいいなら、よろしいですが……でもどうしてダジャレのネタを教えてほしいんですか」

未央「いやあ、みうみうが誕生日で、そのプレゼントにどうかなって」



楓「美羽ちゃんに……ですか?」

未央(? 雰囲気が変わった?)



楓「申し訳ないですが、それなら教えることはできません」フルフル

P「え、どうしてですか!?」

未央(もしかして楓さん……みうみうのこと嫌い……とか?)

楓「どうしてとは……愚問です、プロデューサーさん」

未央(楓さんがいつになく真剣だ。ちょっと怖いぐらい……)

P「と、いうと……」


楓「美羽ちゃんは……ライバルですから」

P「……ライバル?」

未央(あ、読めたぞ先が)




楓「そう、果てしなきダジャレライバルなんです……!」



P「……はあ」

楓「気の抜けた返事をしないでください。私は真剣です。本気と書いてマジと読むぐらいですから」

未央「えっと……つまり、ライバルに塩は送れないってことですか?」

楓「それもありますが……私は美羽ちゃんのダジャレそのものを尊敬しているのです」

P「尊敬、ですか?」

楓「一生懸命捻って生み出されるダジャレとは、流れ星のように儚く美しいものなのです。美羽ちゃんの輝きが……私はとても楽しみで」

未央「楽しみで?」




楓「つまり……ファン、なんでしょうね。美羽ちゃんの」

未央(恥ずかしそうに頬を染めて……)



楓「ですから申し訳ありませんがお手伝いはできません……あとこのことも美羽ちゃんには内緒でお願いします。ばれたらちょっと、悔しいですからね」

未央「あ、はい」

楓「では。未央ちゃん、プロデューサーさん」




  ガチャン

P「……切磋琢磨しあえる関係……言いもんだな」ウンウン

未央「磨き合ってるのはダジャレだけどね」


ーー



P「ダジャレが使えないとなるとなー」

未央「あ、なら物まねは? みうみう。物まねにも興味あるって言ってたよ」


P「なるほど、じゃあ友紀だな」

未央「なんでユッキー!?」



P「いやー、ほら。神主打法とか……知らない?」

未央「知らないけど野球系なのは伝わったよ」

P「そういう細かい系の物まね、美羽は好きそうじゃないか?」

未央「まー、確かに……確かに?」




友紀「物まね? いやあ、でもあたし野球系しか無理だよ?」

P「うん、それは分かってる」

友紀「ならどれがいい? キャッツの歴代四番? それともエース? 負けた時の監督の表情シリーズ? 時期は高度成長期? バブル? 平成前半? 21世紀? 野球創成期?」

未央「分類広!」

友紀「当然! アイドルだからね!」

未央「アイドルは物まね芸人じゃないよ?」



P「とりあえず分かりやすいのがいいかな。美羽にもできそうな」



友紀「え、美羽ちゃんに教えるの?」

未央「あれ、ダメなのユッキー?」

P「まさか友紀も美羽と物まね芸を切磋琢磨しあってるのか?」

友紀「プロデューサーなに言ってるの?」

未央「なにか理由があるの?」

友紀「理由というか」

P「というか?」




友紀「まえに教えようとしたら、普通に拒否されたから」


未央「あー……」

P「それは駄目そうだな、普通に」



――


P「結局よさそうなのが見つからなかった……」

未央「焦らなくていいんじゃない。まだ少し時間があるしさ」

P「まあ、な……」

未央「いまかなも言ってたじゃん。プロデューサーからのプレゼントなら、どんなものでもみうみうは喜ぶって。未央ちゃんも保証するよ!」

P「……うん、そうだな! まだ時間はある」

未央「そうそう!」



P「その間に、ダジャレか物まねを極めてみるよ!」

未央「ストップ。ストップ」

P「ありがとう、助かったよ未央!」

未央「ちょっと、ちょっとプロデューサー?! ……行ってしまった」



―――
--

未央「で、結局どうなったの、プロデューサー?」


P「俺にダジャレと物まねセンスがないことは分かった……」

未央「あ、そう……」

P「ていうかそもそも物まねってなんだよ。物まねプレゼントって意味分かんねえよ」

未央「私も帰り道で思ったよ。提案しといてなんだけど」


P「という訳でまあ、無難な方向でまとまった」

未央「どうなったの?」

P「これだ」スッ

未央「缶コーヒー? なんでも喜ぶとはいったけど、流石に缶コーヒーってどうなの」

P「まあまあ、これはダミーだよ。ちょっと落ち込んだところに本命を渡すんだ」

未央「なるほど、ちょっと落して上げる。いいんじゃない?」

P「ただ、これだと面白さがな……」

未央「面白さは忘れよ?」



   ガチャ

美羽「おっはよーございまーす!」

未央「あ、おはよーみうみう」

P「おはよう」

美羽「未央ちゃん、プロデューサーさん! 今日はなんとですね……私の誕生日なんですよ!」

P「うん、おめでとう」

美羽「ありがとうございます! ですからーそのー」モジモジ

P「はいはい、誕生日プレゼントだろ?」

美羽「あるんですか!」

P「もちろん。ほら」スッ


美羽「これって……缶コーヒー?」


未央(分かりやすいくらい目を丸くしてる)




P「ああ、ダメか?」

美羽「いえ、駄目じゃないんですけど……」

P「プレゼントって言うのは渡す形式が大事なんだよ。大人になると、どんなものを渡すかは重要じゃない。渡すことそのものに意味があるんだからな」

P(もっともらしいことを言ってみたがまあ限度あるよな。流石に缶コーヒーは――)


美羽「そういうことですか……!」

P「ん?」



美羽「大人扱いしてくれたんですね。すっごく嬉しいです!」

P「え」

美羽「この缶コーヒー、大事にしますね! ああ、大事にするのも子供っぽいかな? でも嬉しいんでやっぱり大事にします!!」




P「えっとだな、美羽」

美羽「なんですか?」キラキラ

未央(喜びオーラに溢れている)

P「えっと……」

美羽「……?」キラキラキラキラ



P「……喜んでくれて、よかったよ」

美羽「はい! じゃあわたし、レッスンあるんで!」

P「お、おう」



未央「行っちゃったね、みうみう」

P「……」

未央「……」

P「……」


未央「……本命のプレゼント、どうするの?」

P「……どうしよう」

未央「さあ?」



P「……」

未央「……」

P「……」

未央「……」


P「……なんていうか」

未央「うん?」

P「敵わないな、美羽には」

未央「うん……そうだね」






――モバP「美羽が誕生日なんだ」未央「そうだね」《終》

美羽、誕生日おめでとう。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます。

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