注意
このSSは非常に頭の悪い内容になっています。
そういうのが嫌いだったりガチのツッコミを入れちゃう人は見ないで下さい。
後、筆者の書くペース配分がクソだと思われます。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495648425
事務所の一室
P「ふぅ~、アイドル達が帰ってくる前に任務完了、あいつらにバレる前に証拠隠滅の片付け片付け~っと」
志希「ふにゃ~、志希ちゃんベリーハングリー、プロデューサー何か食べさせてって…おや?おやおや?」
P(!?志希にゃんに見られちゃった、俺の人生ここで終了の合図か!!)
P(どうしよ、まだ志希にゃんにしか見られてないし今のうちに口を封じておくかそれとも…)
P「………」
志希「ん~、志希ちゃん今日はハンバーグが食べたいな~」
P「…え~っと、志希にゃん、いや一ノ瀬さん?この状況でその台詞なのかな?」
志希「うん、だって元々知ってたし」
P「…え?マジで?」
志希「まじマジ~、他のアイドルも何人かは薄々気づいてるみたいだし…」
P「ちなみにバレてた理由とかは?」
志希「匂い!」
P「いやそれ志希にゃんだけだろ!?」
志希「う~ん、正直あたしも他の子がどうして知ってるのかわからないなー」
P「ははは、天才の志希にゃんにもわからない事があるんだね」
志希「まあねー」
P「あははは、えーっと、志希にゃんはハンバーグが食いたいんだっけ?」
志希「その通り!」
P「ならここの後始末手伝ってくれ」
志希「了解~」
P「あ、ちょっと待て」
志希「何かな?」
P「勿論、この事は黙っててくれるんだよね」
志希「いいよー、今までも黙ってたし」
P「ならOKだ」
数分後
P「ふぅ、お疲れ様、流石志希にゃん上手だったね、実は初めてじゃ無かったり?」
志希「にゃはは、初めてだよ、ちょっと知識があっただけー」
P「そっかー」
志希「ちなみにちなみにプロデューサーはさ、何でこんな事をしてるのかな?」
P「…趣味」
志希「そっかー」
P「………」
志希「じゃじゃ、プロデューサー志希にゃんとご飯を食べにレッツゴー」
P「ちょっと志希にゃん!?事務所の中で走ると怒られるから、主に俺が」
志希「にゃははは」
P(本日の報告、どうやら俺の秘密はこの事務所のアイドル達には何となくバレてたらしい
実は俺が殺人鬼でこれまで何人も人を殺していた事が…
ま、志希にゃんは黙っててくれるらしいし、どうするかは明日考えるとしよう、そうしよう)
P「みんなお疲れ様~」
奏「プロデューサーさん」
P「ん、どした?奏ちゃん」
奏「プロデューサーさんはこれから何処に行くのかしら?」
P「えーっと、トイレだけど」
奏「ふぅん、トイレね、いつも仕事が終わるとそのトイレに行ってるみたいだけど?」
P「ルーチンワークみたいなもんだよ、ほら業界人にもそんな感じの人いるでしょ?」
P「俺、もう行っていいかな?正直な話ちょっと我慢してるんだよね」
奏「まだプロデューサーさんと話がしたいし、私も着いて行ってもいいかしら?」
P「えぇ~、ごめん長い方なんだよ、その後お話とかなんか嫌でしょ」
奏「別に私は構わないけど」
P「奏ちゃん男前!でもPくんは女々しい恥ずかしがり屋さんなんだよ、わかってくれたまえ」
奏「本当はトイレで何をしているの?」
P「今日の奏ちゃん、そう言うデリカシーのない事言ってくるよね」
奏「いいでしょ?プロデューサーさんが相手なんだったら」
P「まあ、他の人にそんな事聞いて回るよりかはマシかな」
奏「そ、」
奏「で何してるの?」
P「奏ちゃん本当はわかってて聞いてるでしょ?」
奏「ふふっ、プロデューサーさんが声に出して言う所が聞いてみたいのよ?」
P「奏ちゃんってば小悪魔」
P「でも性格は悪魔より悪いみたい」
奏「じゃあプロデューサーさん」
奏「実際にしてる所を見せてよ」
P「要求の難易度が上がってませんか!!!」
奏「ふふ、これは冗談じゃないわよ」
P「いつもみたいな小悪魔ジョークであって欲しかった」
奏「プロデューサーさんが悪いのよ、そんなに頑なだと虐めたくなっちゃうじゃない」
P「奏ちゃんもそう言う事に興味が湧いてくる年頃なのはわかるけどさ、やっぱ嫌だ」
奏「何故かしら?」
P「恥ずかしい」
奏「あら、そうなの?」
P「うん、なんて言うのかな~、食事をしている時の口元を凝視されている様な謎の羞恥感って言うか~まあそんな感じ」
P「みられるのが好きって人も結構多いらしいけど、俺は何かやなんだよね」
奏「でも昨日は志希に見られてたんでしょ」
P「!?」
奏「安心して、志希はプロデューサーさんとの約束を守って何も言っていないから」
P「うちのアイドル達の謎の情報網がめちゃくちゃ怖い件について!!!」
P「何でそんな事まで知ってるのさ?」
奏「私が教えると思う?」
P「だろうね、でもいつかどの辺りまで調べられてるかは確認するべきなのはわかったよ」
奏「えー、志希には見せるどころか手伝って貰ったんでしょ、プロデューサーさん」
P「うぐ、そ、それを言われると何とも言えないが…」
奏「でしょう」
P「で、でも志希が見たのは終わった後だけだし、手伝ったのも後片付けだけだし!」
奏「事後でも事実は事実よ、ね?」
P「事後とか言うなぁ!」
P「はぁ、わかったよ、今日だけ特別な」
奏「ありがと、プロデューサーさん」
P「振り切れる自信が無くなっただけだよ…」
奏「あら、そんな情けなくてこの後大丈夫なの?」
P「それとこれとではまた訳が違うんだよ」
奏「ふふっ、それは頼もしいわね」
P(本日の報告、何と言うか流れで奏ちゃんの前で人を[ピーーー]事になりました。
女の子が見てる前で必死こいて人間をズタズタにしている自分の姿がとても恥ずかしかったけど奏ちゃんはとても満足そうだったかな。
その後も奏ちゃんに流されて、結局後片付けを奏ちゃんに手伝って貰う事になった。
奏ちゃんも初めてにしてはそれなりに筋は良かったけど昨日の志希にゃんと比べると見劣る位の手際だったかな。
もしかすると志希にゃんはこっちの方面でもジーニアスなのかも知れないね。
それでも奏ちゃんの手際の良さは初めての時の俺より遥かに見れるものだったので最近の若い子はTVやゲームなんかの影響かで俺ら世代とは何かデキが違うのかも知れないなと思ったよ。
今日の成果は思った以上にアイドル達に俺の秘密が知れ渡っている様だと言う事くらいかな?
でもみんなこの事をお巡りさん達に報告したりしない辺りそこまで早く手を打つ必要もないかもね、まあそこら辺は明日考えるよ、うんそうする)
P「ほぇ~、やっぱウサミンめっちゃ可愛えぇ、見てるだけで日々の疲れが癒されるぅ~」
杏「うわぁー、プロデューサーいい年したおっさんがしちゃいけない顔してるよ?」
P「おっさんちゃうもん!まだ20代前半なんだからなっ!!」
杏「どっちにしてもいい年した大の男がしていい顔じゃないよ」
P「だってウサミンがめっちゃ可愛なのがいけないんだ!だよね、ウサミン」
菜々「えぇ、菜々ですか!?…確かにプロデューサーさんに可愛いって言って貰えるのは嬉しいですけどその…」
杏「ほら菜々ちゃんのこの気まずそうな顔みてわかったでしょ?
プロデューサーのデレ顔は気持ち悪いんだってさ」
菜々「杏ちゃん!?菜々も別にそこまで酷いとは…い、いえプロデューサーさん違うんですよ、そこまでと言うのはその何と言うか…」
P「ぐぬぬ~、杏許すまじ!明日からお前に休みがあると思うなよ」
杏「そ、そんなぁ~、横暴だぞー」
P「くははは、嫌なら俺の顔を褒める言葉を言ってみろ、まあ貴様のプライドが邪魔しなければの話だがな」
杏「プロデューサーイケメン!プロデューサーカッコいい!プロデューサー素敵!」
菜々「プライドのプの字も無い!?」
P「よし、明日から好きなだけ休んでいいぞ」
杏「やったぁー」
菜々「プロデューサーさん、本当にそれで良いんですか!?」
菜々「それとコーヒーを淹れて来たのでどうぞ」
P「ウサミンありがと、流石何処かの誰かと違って気がきくぜ」
杏「うるさいぞー」
菜々「はい、プロデューサーさんが今日も遅くまで頑張れる様にカフェイン多めにしてますよ」
P「?うん、ありがとう」
杏「そういえばプロデューサー」
P「どうしたよ、杏」
杏「朝来た時、プロデューサーの机の上に置いてあった荷物、危なっかしいから私が回収してたんだ」
P「荷物?そんな物置いて帰った覚えなかったんだけどな~」
杏「プロデューサーの物忘れが激しくなったんじゃないの?」
P「だから年寄りちゃうもん!!」
杏「とりあえずはいこれ、まあ荷物って程の物でもないけど…」
P「おう、ありがとな」
P「!?」
P(ここ数日で何回アイドル達に驚かされたか知らないが…これは…)
P「なあ、杏、これが本当に今朝俺の机の上にあったのか?」
杏「だからそう言ってるじゃん」
杏「この事務所、子供もまだ沢山居るんだから、もうそんな危ない物放置するなよー」
P(確かにこれは俺の物だ、俺の愛用しているナイフが三本)
P(毎日家に持ち帰っては手入れをしている筈なのに何故…)
P「一応確認だけど杏がこれを引っ張り出して来たんじゃないよな?」
杏「はぁ?そんな事する訳ないじゃんめどくさい」
P「ちなみに杏、これ俺が何に使う道具か知ってるか?」
杏「さあ?まーでも見た所まんまサバイバルナイフだし、キャンプとかにでも使うのかな?」
P「流石杏、よくわかったな、褒めてつかわすぞ」
杏「いや、逆にそんな物他の何に使うんだって話でしょ」
P「…だな、確かにそうだ」
P「杏、ウサミン、俺ちょっと今日は体調が悪いっぽいから早退させて貰う、後でちひろさんに言ってて」
ウサミン「大丈夫ですか?プロデューサーさん、気おつけて下さいね」
杏「あー、プロデューサーだけズルいぞ!」
P「悪いな、杏、でも本当に体調が悪いんだよ…」
杏「ちぇ、わかったよ、でもプロデューサーが休んだ分はまた私も休ませて貰うからな」
P「はいはい」
P(早いところ俺のナイフを奪ってわざわざ返した犯人を探さないとな)
P(帰る前に志希にゃんと奏ちゃんに一応話を聞いてみたけど収穫無しか)
P(やっぱり家でこのナイフに何かそれらしい痕跡があるか調べるしかないな)
まゆ「あれぇ?プロデューサーさんですかぁ?今日は予定より早いお帰りなんですねぇ、それとおかえりなさいです」
P「うん、事務所で色々とあってね、何でまゆが俺の家に居るのかまず聞きたい所だけど、とりあえずただいま」
まゆ「そういえば、今晩の夕食にと思ってカレーを作っているんですよぉ」
P「だから家に入った時から凄くいい匂いがするのか、俺の為になのかな?悪いね」
まゆ「いえいえ、まゆが好きでしている事なのでぇ」
P「でもよくうちのセキュリティと言うか罠に引っかからないで家に上がれたね、下手したら死んでも可笑しくない様なものも用意してた気がするんだけど」
まゆ「はい、確かに大変でした、本当はもっと早くプロデューサーさんの家でプロデューサーさんのお世話ができる様にしたかったのですが、毎日少しずつこの家の罠を無力化していたら昨日の夜辺りにまで時間が掛かってしまいました」
P「ほう、毎日少しずつ罠を無力化ね…、確かにそういう手段を一切想定してなかったよ、流石だねまゆ」
まゆ「はい、ありがとうございます」
P「俺はまゆのそういう困難を努力や道のりの長いステップで乗り越えていく姿勢凄く好きだよ」
まゆ「本当ですかぁ、まゆ感激です」
P「でもさっきの話で一つ聞きたい事が、いや違うね聞き捨てならない事があったんだけど」
まゆ「何でしょうかぁ?まゆにお答え出来る事ならなんでもお答えしますよぉ」
P「まゆ、『昨日の夜』頃に俺の家に上がりこめる所まで罠を解除したって言ってたよね?」
まゆ「はい」
P「それじゃあさ、昨日の夜に俺の家から何か持ち出したりしなかった?」
まゆ「あー、はい、プロデューサーさんが愛用しているサバイバルナイフを三本ほど借りさせて貰いました」
P「何故そんな事をしたのか説明とか出来るかな?理由によっては俺も色々考えないといけないみたいだからさ」
まゆ「はい」
まゆ「何故プロデューサーさんのナイフをお借りしたかですよね?それはですねぇ、お恥ずかしい話なんですどぉ、昨日プロデューサーさんの家にやっとお邪魔する事が出来た時にですねぇ、少しだけ気持ちが昂ぶってしまって」
まゆ「悪いとはわかっていながらも、プロデューサーさんが普段から愛用している道具を何か拝借出来ないかと思ってしまってついやってしまいましたぁ」
まゆ「そして今朝頃に冷静になって事務所に返して置いたと言う事になりますね」
P「ちなみに返すのが家にじゃなくて事務所だったのは?」
まゆ「入れ違いになるといけないかと思いました」
P「結果的に凄く要らない、気遣いになったよ!」
まゆ「そうでしたか、すみません」
P「後、俺が愛用しているって言ってたけど、じゃあこのナイフを普段俺がどんな用途でどんな風に愛用しているのか知ってるって事だよね?」
まゆ「もちろんです」
P「そうか、まあそうだろうね、じゃないとわざわざ撲殺の日に限って、無くなっても気付き難いナイフが無くなる訳ないもんな」
まゆ「そうですね、Pさんが毎週この日はそうする事を知っていました」
P「まゆ、今俺が何を考えてるかわかる?」
まゆ「いえ、まゆも流石にプロデューサーさんの考えまでは読めませんので」
P「俺は今まゆをどうするものかと考えてるんだよ」
P「俺の趣味についてよく知ってる事についてもだし、何より俺の道具に無断で触って持ち去った事についてもだ」
P「このままただで帰していいのかどうか…」
P「はっきり言うと俺はまゆに今ここで消えて貰うかどうかを冷静に考えているんだ」
まゆ「そんな事をですか?それならプロデューサーさんの好きな様にすればいいと思いますよぉ」
P「それ本気で言ってる?」
まゆ「はい、まゆはプロデューサーさんにだったらこの命も身体もその全てをいつでも奪われてもいいと思っていますよぉ?」
まゆ「むしろまゆの全てを奪って欲しいくらいです」
まゆ「そのナイフでまゆを切り裂きその中身を全部引きずり出してまゆの恥ずかしい所も醜い所も全てプロデューサーさんの目に焼き付けて欲しいですし」
まゆ「今日が撲殺の日でしたら、最後のその時までプロデューサーさんの力を強さを鈍器越しに感じながら朽ちたいです。
だってそれはもうプロデューサーさんの抱擁を受けながら息絶えるのと同義ですから」
まゆ「まゆはそれがプロデューサーさんの手によるものであるのならば、例えどんな手段で命を摘まれようと構いません、その全てを幸せに感じる事が出来ますよぉ」
まゆ「なので、どうぞ、プロデューサーさんはまゆにしたい事をしてもいいんですよ?」
P「………」
P「んーやめた」
P「まゆに消えて貰うのはやっぱやめだ」
まゆ「どうしてですか?まゆでは役不足だったのでしょうかぁ?
それならまゆは…」
P「いや違うよ、むしろその逆かな」
P「まずまゆが俺の家に居た時に問答無用で俺が消せなかった時点でそうだったんだろうし」
P「殺人鬼が相手の生死について真剣に考えてる時点でもやっぱりまゆには死んで欲しくなかったんだよ」
P「そりゃまゆが警察に俺の事を通報しようとしたり悪意を持って道具を奪ったりしたら何の躊躇いも無くなるんだろうけど」
P「そうじゃないなら自分の担当するアイドルが、まゆが明日から居なくなると思うと俺はちょっと寂しいなと思っただけ」
P「だから少なくとも今日はそんな事したくない気分になった」
まゆ「プロデューサーさん、そこまでまゆの事を考えてくれて…」
P「まあ、それこそ本当に自分の担当アイドルの一人だからね」
まゆ「それでも嬉しいです」
P「あ、でももう無断で道具とか持ってちゃ駄目だからな」
まゆ「わかりました」
まゆ「無断でなければいいんですね」
P「あ、これあんまりわかってないやつかも」
P「まあいいか、それがまゆだし、そう言う所が魅力なんだろうね」
P「まゆ、長話でお腹が空いたんだけどもうそのカレーは食べれるのかな?」
まゆ「はい、いつでも食べられますよ」
P「じゃ、一緒に食べようぜ、食べながら今後の約束事をゆっくり決めていこうじゃないか」
まゆ「はい」
本日の報告、色々とトラブったけど何とか丸く収まった。
唯一残った問題は軽いノリで杏に休みを与えると言う事に肯定的な返事をしてしまった事かな、杏に臨時休暇を与える日取りとその日の杏の穴を埋めれるアイドルを選ばねば…
成果で言うと大漁だったのは確かだね、まゆが洗いざらい話してくれたお陰でどの程度のアイドルが俺の秘密を知っているのか、そしてどう言った経緯でその事実を知る事になったのかが何となくわかってきた。
わかってきたと言う事は問題解決も近いと言う事だ。
いやそもそも俺がこれまでアイドル達に秘密がバレていると知らなかっただけでそれまでの生活には何ら支障はなかったのだから実は問題なんて最初からなかったのかも知れない。
要するに何が言いたいかって言うとこの問題は別に後回しでもよくなってきたと言う訳だ。
後回しで良いのならまた問題になった時に考えよう、そうした方が楽だから
直接的なグロ描写とかは書かない様にしてるけどそれでも駄目なのだろうか?
結構本気で悩んだけどとりあえず偉い人に怒られるまではこっちで続けてみようと思う
文香「…あのプロデューサーさんのご趣味のお話を聞かせて貰いたいのですが…宜しいでしょうか?」
P「いいよ」
早めの本日の報告、今日は久しぶりに平和な一日を過ごせた気がする。
お昼に文香と趣味の話に花を咲かせていたらレッスンに遅刻して二人揃って怒られた。
今日は特に考える事もないから気楽にでいいや
P「まあ俺みたいな奴の話が面白いかどうかは別として文香の好きな事を何でも聞いてくれ」
文香「…ありがとうございます」
文香「その…ご趣味はいつから何でしょうか?きっかけになるような出来事などもあれば、是非」
P「んー、いきなり難しい質問だね」
文香「…まだ平凡な質問の部類だと思うのですが」
P「質問自体はよくある質問なんだろけど、そもそも俺がこの趣味について人に話した事がまずないに等しいからさ、なんか普通に受け答えが難しい」
P「まあそれでも頑張って答えてみるよ、まずいつから始めたかは、覚えてないよ、だからきっかけみたいなのもない」
文香「覚えてない…ですか」
P「うん、もっと厳密に言うと、少なくとも中学生の頃は絶対にそういう事に手を出してなくて、プロデューサーとしての仕事に就いた時には絶対にこの趣味無しでは生きられなくなってたのは確かだ」
P「本当にそこら辺の記憶は曖昧かな」
文香「…私には経験が無いので確かな事は解らないのですが、そういった経験の記憶は普通、鮮明に残る物ではないのでしょうか?」
P「普通はでしょ?こんな趣味を持ってる人間がまず普通な訳がないしさ」
P「他の人達からみたらこれが特別な行為なのかも知れないけど、俺からしたら生理現象みたいなもんだし」
P「そんな俺からしたら、日々の自分が欠伸をする回数に興味がない、とかそんな考えとそれは同義なんだよ」
P「だからそんな劇的な理由も動機もなく、気付いたら自分がこんなどうしようもない人間になってたってだけの話」
文香「そうなのですか…」
P「そうなんだな」
文香「…本の中に描かれるような物語とはかなり違うんですね」
P「案外つまらないでしょ?」
文香「いえ、興味深いです」
P「そうなんだ、文香が楽しそうで俺も嬉しいよ」
文香「次の質問をしてもよろしいでしょうか?」
P「バッチコイ、なんとなく今ので俺の趣味に関する質問への受け答えのノリが掴めた気がするしな」
文香「どの様な相手が好みだとかそう言うものはあったりしますか?」
文香「言うなれば拘りの様なものは」
P「相手には拘りみたいな物はないよ」
文香「相手には、ですか」
P「うん、俺は老若男女問わずどんな人間も同じように楽しめる人間だけど、でもやり方に関しては少し拘りがあるタイプなのかも知れないと思う所がちょっとあってね」
文香「思う?」
P「なんと言うか、曜日でやり方と道具を変えるっていう変な習慣が身について抜けないんだ」
文香「曜日毎に…面白いですね」
P「まあ、これは自分でも変な感じだとは思ってるし、何回か変えようとはしてみたんだけど直らなかったな」
P「いや、と言うよりかは、変えた時から歯の間に取れない食べかすが詰まってる時みたいな妙な不快感がずっと続いて、それから何も手につかなくなる時期があったからこの習慣を戻したってのが正解か」
P「とりあえずこの習慣は外せないって事だね」
文香「ふふふ、確かにそこまでのものなら、それは拘りと言えるかも知れませんね」
P「要するに結論は「これが俺の美学だ」みたいな拘りはないけど、ルーチンワーク的な意味合いの拘りはある、と言う事で」
文香「わかりました」
P「ただ」
文香「?」
P「相手への拘りはないとは言ったものの、相手にしたくないって言う意味合いの拘り、好みならあるかも」
文香「そうなのですか」
P「うん」
文香「それでその相手にしたくない拘り、好みとはどう言ったものなのでしょうか?」
P「お前達、アイドルだよ、そこ相手には手を出したくないかな」
文香「私たちアイドル…」
P「これも正確に言うとこの事務所の俺の担当アイドルのお前達な!
だから職業がアイドルの人間なら特別手を出さないとかそう言う意味ではないよ」
文香「ちなみに理由は…」
P「気持ちが乗らない」
文香「そうなんですか?」
P「うん、この前さ、色々あってまゆに殺意を向けようとしたんだけどその時に気付いたんだ」
P「昔から俺は肉親や友達、会社の同僚みたいな世間では身内と呼ばれる人達に対して絆みたいなモノを感じる事の出来ない人種なんだよ」
P「でも自分の担当するアイドル達にはいつからかは解らないけど何となくそういう心の繋がりみたいなモノを感じる瞬間があると言うか…」
P「まあ、そういうのが柵になって気持ちが乗って来ないんだ」
文香「プロデューサーさんは、気持ちが乗らない相手にはそういった事は実行出来ないんですか?」
P「いや出来るよ、必要があれば案外簡単に出来ると思う」
P「ただ俺にとってこれは食事みたいなモノなだけであって、生きる為に必要のない食事までは取りたくないって話」
P「気持ちの乗る相手に欲望をぶつけないと欲求が満たされない」
P「だからどう頑張っても気持ちの乗らないお前達には出来れば手を出したくないってだけ」
文香「…興味深い考え方です。プロデューサーさんはどんな本よりも読み解く事が難しく、しかし不思議な魅力に包まれている…そんな今まで見た事のないような面白い人ですね」
指摘ありがとう 次から気をつける
遊びと言いながら全然楽しそうに殺人してない
かと言って悪いというほど罪悪感も感じていない
殺人をレイプや盗撮に変えても特に違和感のないのが致命的
やはり「悪い遊び=殺人でした!」を早々にネタバレしたのが失敗だったと思う
>>36
コメントありがとう このSSをよく読んでくれた的を射た指摘だと思うよ
一応解説をすると、遊びと言う程に殺人に楽しみがなく悪いと口では言う程に罪悪感がないからこそ、このPの行為に皮肉的な意味を込めての『悪い遊び』と言う表現を使わせて貰っているかな
殺人を他の犯罪に変えても違和感がないのが致命的だと言うのはその通り、別に他の犯罪じゃなくても夜中にラーメン食べるとか膝カックンとか魚を捌くとかに殺人を置き換えても違和感がない様に書いてるから
理由はこのPはさっきも言った通り殺人を悪いとも楽しいとも思ってない上でそもそも殺人と言う行為に執着心がないにも関わらず殺人をすると言う矛盾孕んでいるからかな
結局Pは欲求(ストレス)を発散する事が出来れば執着心のない殺人じゃなくても何でも良い、置き換えが効く事の筈なのにそれでも殺人をするって言う、致命的なまでに人間としては狂った存在なんだよって感じ
他のものに置き換えられるじゃないか、うん確かに置き換えられるけどそれでも殺人をするからこいつは頭が可笑しいんだって事、もう理屈とかじゃないPは頭が可笑しいんだ。
悪い遊びの正体明かすの早すぎ、それはぐうの音も出ない俺の書き手としての能力不足と早く言っちゃいたい欲望に負けた。
一応これで解説終わり
このSS読んでる人たちに改めてお願いしたいんだけど、このSSの内容に対するツッコミとかは話の腰を折るかもだからあんまりしないで欲しい(普通のコメントとか別に大丈夫だけど)
お願いします
P「そう言えば文香はどうなの?」
文香「どうとは何がでしょうか」
P「俺みたいなヤバい奴を前にして怖くなったりしないの」
文香「…そういう事ですか」
P「うん、ちょっと気になってね、志希にゃんとか奏ちゃん、まゆ辺りは、元から本人達が浮世離れしてるような存在だからこれまで気にしなかったけど」
P「冷静に考えると、俺みたいな狂人を狂人と理解したままに普通に会話してるって異常な事だよね」
P「その辺りどういった心情なのかな~とか思っちゃったり、怖くないなら軽蔑とか蔑みみたいな感情があったりするのかな?」
文香「言われてみれば確かにそうですね、私も本の中ではよくある話なので余り意識をしていませんでしたが、この状況、普通に考えると異常な事なんですよね」
P「だね」
文香「…難しいものですね。考え方や行為については確かな恐怖を感じているにも関わらず、それがプロデューサーさんのものだと理解していると不思議とそういった感情が薄れていく気がします。何故でしょうか?」
P「何故なんだろうねー、俺もわかんない、」
文香「…………」
P「……………」
文香「…プロデューサーさん」
P「どしたの、文香」
文香「もう少しだけ、お話してもよろしいでしょうか」
P「いいよ、文香とお喋りするのは楽しいからね」
文香「はい、ありがとうございます」
この後、レッスンに遅刻してめっちゃくちゃ怒られた。
志希「あ、プロデューサー発見!」
志希「クンカクンカ…。隠しきれない、プロデューサーの天然コロン~♪」
P「その台詞が匂いの元を知っての言葉だと思うと気味が悪いね」
志希「にゃはは、匂いの大元凶がそれ言っちゃうー?」
P「てか俺そんな臭う?毎日しっかり熱消毒はしてるし出かける前も念入りに消臭剤を掛けているんだけれども」
志希「まあ~、志希ちゃんだから匂うだけだよねー」
P「それを聞いて安心したよ、この変態さんめ」
志希「変態じゃないよー、志希ちゃんは天才の変態なのだ」
P「よりタチが悪いじゃないか」
志希「にゃーっはっは!」
P「で、志希にゃん何の用、俺を探してたみたいだけど、例の夜お楽しみに連れてけとかだったらお断りだからな」
志希「おー、今日のプロデューサーはお厳しい?」
P「志希にゃんを連れてったら、いつ奏ちゃんとかに嗅ぎつけられるかわかったもんじゃないからな」
志希「あたしだけに~?」
P「そんな上手い事言ったつもりはありません」
志希「ふふふ、安心して、今日はそういう気分じゃないから」
P「じゃあ何の用なのかな?」
志希「飛鳥ちゃんについて何だけど」
志希「うーん、ここではちょっと話したくないにゃあ~、プロデューサー場所変えよ」
事務所の一室
P「最近飛鳥の様子が何かおかしい?」
志希「そうそう、最初はフレちゃんが気づいたんだけどね~」
志希「ここ最近、飛鳥ちゃんが妙に暗いというかテンション低い感じだったからさ、あたしがテンションアゲよーって言ったら無視されちったの」
P「飛鳥がミステリアスな雰囲気を醸し出してるのも、志希にゃんが飛鳥に無視されるのもいつもの事なんじゃないの?」
志希「だーかーら、そこがいつもと違うんだってばー」
P「そんな事俺に言われてもなー」
志希「あーん、飛鳥ちゃんのテンションの低さもいつもとはベクトルが違う感じだったし、それにあのコはあたしの事をないがしろにはするけど無視は絶対しないコなんだってー」
P「おう、そうなのか」
志希「そーなの」
P「仲良いんだな」
志希「にゃはは、でしょ~」
P「それで」
志希「イケないイケない、志希ちゃんとした事が話が逸れてた」
志希「それでみんなで飛鳥ちゃんを尾行する事にしたんだけどー」
P「なんでこの事務所は何か困るとまず尾行する思考に辿り着く奴らばっかなんだよ」
志希「そういうコをプロデューサーが集めて来たからとしか…」
P「なにそれ、全部俺の所為みたいになってるじゃん」
志希「だね~」
志希「それでさ、尾行してたら見ちゃったんだよね…」
P「ん?どうした?要領が得ないけど」
志希「んーっと、なんと言うか私達が見たって言うのが…」
志希「飛鳥ちゃんが仔猫を殺してる所なんだよね」
P「えーっと、それってもしかしなくても俺関連事案だったりする系?」
志希「これが残念ながら違うみたい」
P「残念って」
志希「もしそうだったら、問題の原因の元であるキミをどうこうすればいいだけの話だから簡単だったのにねー」
P「何それ超怖いんだけど」
志希「ははは、安心して半分位は冗談かも知れない」
P「半分が冗談である保障すらしてくれない志希にゃんマジ鬼畜ね」
志希「まあ、そもそも飛鳥ちゃんはプロデューサーの悪い本性を知らないはずだし」
P「らしいね、自分調べでもまゆ調べでも飛鳥に知られているって結果に至ってなかっただけに話を聞いた瞬間はちょっと驚いたくらいだ」
P「それでも結局俺の事は関係なかったんだろ?なら何故、俺の所にわざわざそんな話をしに来たんだよ?」
P「わかんないけどそういうデリケートな問題こそ志希にゃん達に任せればどうこうなりそうなもんだと俺は思うけど」
志希「自分のアイドルの事なのに無責任だねー」
P「それは違うぞ?適材適所ってやつさ」
志希「最初はあたし達が話を聞いてあげようって話になったんだけどね、この事務所には猫どころじゃ済まない大人が居るしこういう問題は、そういう大人の言葉の方が響いたりするのかなーっと思って今日は会いにきた訳」
P「結局志希にゃん達も俺に投げてるじゃん、無責任じゃねー」
志希「にゃはは、それは違うぞ?適材適所ってやつさ、返し~」
志希「いいでしょ?プロデューサー、みんなもなんだかんだ言ってキミの事を信頼してるって事なんだからさ」
志希「ここはこの美少女アイドル、一ノ瀬志希ちゃんに免じてお願い聞いてほしいなー」
本日の報告、志希にゃんにお願いごとをされた。
内容は、なんでも最近気持ちが沈んでいるらしい飛鳥が仔猫を殺している所を目撃したらしく、そのことについて俺から話を聞いてやって欲しいとのことだ。
そういえば志希にゃんには話を聞いてから具体的にどうしろとは言われなかったな。
話を聞いた後、相談なりに乗ってやればいいのか、はたまた猫殺しに同調して俺の世界に引き込んでやればいいのか、どうしたものだろうか
まあ、可愛いアイドルからのお願いだ、とりあえず明日まで考えておこう。
P「飛鳥、お前猫を殺してるよな」
飛鳥「!?」
P「なぜ知ってるんだって顔だな」
P「いや、俺が直接見たとかそんなじゃないぜ?それにお前が迂闊すぎて厄介事になったって訳でもない」
P「なんでも志希にゃんやらフレちゃんが最近のお前の様子がおかしいのを心配してつけていたらお前の行為を目撃したらしい」
飛鳥「・・・」
P「どうした?飛鳥、何か言ったり弁明したりしないのか?」
飛鳥「ボクは・・・
P「あ、いつもみたいに聞こえのいい言葉とか全てを悟ったみたいな態度で話をはぐらかすなよ」
P「俺はお前の話が聞きたいんだからな」
飛鳥「・・・」
P「んー、やっぱ、だんまりか」
P「気持ちはわかるんだけどね、俺もいきなりこんな一方的に色々言われたら言葉に詰まるかもしれないし」
P「だから俺が一方的に話す。お前は俺の話を聞いて何か言いたくなった時に話をしてくれ」
更新再開する
飛鳥「……その必要はないよ、ボクが話す」
P「………」
P「お、マジか、正直「俺が一方的に話す。」とか勢いでカッコつけてたものの、このまま飛鳥が黙ってたらどうしようかとヒヤヒヤしていた所だったぜ」
飛鳥「キミは最低なヤツだな……」
P「うん、知ってる。普段の柄でもなく俺があんな風に真剣に諭すみたいな感じで行けば、優しい飛鳥は俺に無理させない為にも自分から話してくれると確信してやってたし」
飛鳥「本当に最低だよ……」
P「まあ、そこは俺が飛鳥の優しさを信じていたという事でね?許してくれよ、な」
飛鳥「そんな自分勝手な事を言って、またボクが口を閉ざす可能性をキミは考えてないのかい?」
P「考えてないね、さっきも言ったけど飛鳥の事を信じてるからな」
P「とか言われたら、飛鳥は何だかんだ言って相手に心を開いちゃう優しい子だって知ってるし絶対に喋ってくれると思ってる。俺はその優しさを最大限利用しているんだよ。」
P「だから仮にそんな考えがあるとしても諦めろ。俺みたいな悪い大人は飛鳥がどうすれば話をしてくれるかなんて承知の事なんだよ。」
P「悪いな、いちいち俺が余計な事を言わなきゃ、この話ももっとスムーズに格好よくいい話風に進むんだろうけどさ、それは俺の本音じゃないし飛鳥に失礼だと思ってな」
飛鳥「あれは数週間前の事だったかな…」
P「え、いきなり本題に入っちゃうの?」
飛鳥「これ以上キミの話を聞いてたらこっちが参ってしまうからね、結局殆ど一方的にキミが話ているじゃないか、大人は嘘つきばかりだ」
P「ははは、大人げないのが大人だからな」
飛鳥「もういいから黙っててくれ」
飛鳥「数週間前、ボクは猫が車に轢かれる瞬間を目撃した」
飛鳥「その猫は身体中が血塗れになってひしゃげていて死んでいた…轢かれと言ったが押し潰されたと言った方が正しい表現だったのかも知れない様な惨状だった。 」
飛鳥「見た時はゾッとしたよ、今回は猫だったけど、もしこれが人間だったら自分だったらどうなっていたか想像しただけで恐怖で体が竦んだ…」
飛鳥「しばらく呆然として、気が付いた時にはその車は何処かに消えていた。
今思えばそれも後のボクの行動に影響を出したのかも知れないな、そんな惨状を生み出した張本人が一番にその場から消えて、また平然とした顔で車に乗っている。
この現状を目の当たりにして世界が180度変わって見えたよ。」
飛鳥「これまでだって知識としては蓄えていた事で当たり前の事だと理解ってた筈の事だったのに、この世界の其処彼処が凶器と成り得る物に囲まれていて、いつその脅威が自分に牙を剥いて絶命するかも知れないと言う事を…その一件でリアルに感じたんだ…」
飛鳥「人によっては些細な出来事だったのかもしれないけれど、ボクにとってはそれが劇的な出来事で、その日からこの出来事が頭から離れなくなっていた」
飛鳥「それからは自分なりに思考を働かせ色々な事を思い悩んだりして見たは良いが結局ドツボにハマってこの様さ」
飛鳥「気付いた時には小さな猫にボクが手に掛けていた。」
飛鳥「そこに至るまでの思考も沢山あった筈なのによく覚えていない、重要な事だった気もするし些細な事だった気もする。
ただボクは自分の目の前で死んでしまった猫をみて安心していた」
飛鳥「少なくとも今日はボクの番じゃないと思えた気がして…ね」
飛鳥「最低だ…」
飛鳥「勿論、罪悪感が無かった訳じゃない。しばらくして死なせてしまった猫の事を思うと胸が痛くなる、心が張り裂けそうになる。友達や家族だって居たのかも知れないのに、それを身勝手な理由で奪った自分が許せない気持ちが溢れて消えてなくなりたくなる」
飛鳥「そして、こんなボクはこの世界に生きるのには向いてないのかも知れないと気付いてしまった…」
飛鳥「…それが今回の一件の全てだよ、本当はもっと語るべき事があるのだろうし、弁明すべき事とあるのだろうけど、ボクが語る事、ボクの言い訳はここまでだ。」
P「ん、そうか」
飛鳥「キミはどう思った?こんなつまらない理由で、生き物を、命を奪ってしまったボクの事を…」
P「んー、飛鳥に対する配慮とかデリカシーとか優しさを抜いて、素直な感想、俺の思いを言葉にするなら…」
P「俺は素直によかったなと安心しているよ」
飛鳥「!?何を言ってるんだい、キミは」
飛鳥「ボクがどんな思いで…キミにこの話をしたと思っているんだ!」
P「まあ、待て、怒らないで、最初に配慮とか諸々しないって言ったじゃん」
P「だから俺の話を聞いてくれ、頼むよ、プリーズ?」
P「聞いた後に怒るなり焼くなり煮るなり、なんなら俺を殺しても良いから、な?」
飛鳥「なんだい、最後のそれは冗談なら悪質にも程が…
P「冗談じゃないぞ?
本当に気が収まらなかった場合は好きにして良い、これに嘘偽りはない、だから聞いてくれ」
飛鳥「わかった…そこまで言うならしばらく話を聞いてやるよ」
P「ありがとな、ならせいぜい俺は自分なりに命乞いでもさせて貰うとするよ」
P「まず俺は飛鳥にこの話を聞きに行くにあたって、猫を殺した事についてどうこう言うつもりで来てはない」
P「俺は命に対する価値観とかそういうのが周りとはズレてるから、そういう事で他人を説教する資格はないからな」
P「それでも飛鳥の話を聞きに来たのは辛そうだと伝え聞いたからだ」
P「だから飛鳥から話を聞いた時は素直に俺は安心したよ」
P「飛鳥がもしも、楽しくて猫を殺していたら俺はそれを黙認していただろうし、猫が憎くてやってたとしたら今後飛鳥の目に映る猫を全て俺が消していただろうからな」
P「でも実際は悦楽の為でもなければ憎しみの為でもないんだろ?
むしろ飛鳥は死なせた事を後悔していた。」
P「お前はただ安心したかったんだよな」
P「それなら大丈夫だ。飛鳥には心配してくれる仲間や友達がいるから、最初は難しいかも知れないけど、時間を掛ければまたこれまでみたいな、いつか来る死を忘れられる様な安心のある日常を迎えれるようになる」
P「猫の事は自分でどうにか決着をつけるしかないだろうけど、飛鳥ならきっと乗り越えられるはずだ」
P「それでも辛い事があるなら俺に言え」
P「それで飛鳥の心が救われるなら俺がなんでもしてやろう。
そもそもの原因に当たる例の車の運転手を見つけ出して葬ってやるし、今後猫を見るたび辛くなるならそれこそさっき言ったみたいに全ての猫を消して回るよ」
P「まあ、本当にそんな事頼まれたら本格的にお巡りさんに捕まっちゃうから困るけど、それでも俺は飛鳥の為にそれを絶対に実行するよ」
P「だから少しずつでいいから、いつもの飛鳥に戻って行こうぜ、な?」
飛鳥「………」
飛鳥「また、そう言えばボクを諭せると思って言っているのかい?」
P「いいや、これは俺の口から勝手に出てきた言葉だぞ?」
P「一応、五分位考える時間があれば飛鳥を完璧に口説き落とせる位完璧な文言を思いつける自信はあるが、あの状況で五分くれとは言いづらいしな」
飛鳥「そうか」
P「?やっぱりもっといい感じのやつのが良かった?それなら五分くれれば辛い事全部忘れられるような耳障りのいい言葉を見繕うけど」
飛鳥「その必要はないよ」
P「そっか」
飛鳥「ただ・・・」
P「ただ?」
飛鳥「しばらくそこに…ボクと一緒に居てくれないかな?」
P「わかった」
P「……んーっと、飛鳥、飛鳥さん?俺何か話とかした方がいい?なんか静かだしちょっと夕陽とか沈みかけて変な雰囲気になって来てるし、ちょっと盛り上がる様な話とか…」
飛鳥「あー、もうキミって奴は…なんでそんなに残念な奴なんだよ」
飛鳥「いいから、キミはボクが満足するまで黙ってそこでジッとしといてくれ!」
Pの自宅
P「ただいまー」
まゆ「プロデューサーさん!?お帰りなさい、今日も予定より随分と早いですねぇ」
P「あぁ、今日やる予定だった書類仕事を明日に後回しにしたからな」
まゆ「それはどうして・・・」
P「まゆ、お前に会う為だよ」
P「この前の一件があった時に毎回我が家のセキュリティを破られるのもどうかと思って、まゆに合鍵を渡してから、毎日俺の家に来て色々してくれているみたいだけど、敢えてすれ違いで帰っているのか中々顔を合わせる事がなかったろ?」
P「だから今日は早めに帰ってまゆに会おうと思ってな」
まゆ「まゆの為に・・・嬉しいです。」
まゆ「でもよりわからなくなりました、どうしてまゆに?」
P「それはだな、さっき言ったみたいにここ最近は俺の居ない間に色々と家の事とかを、してもらってる事へのお礼が言いたかったのと、」
P「この前まゆと話をして色々自分のことに気づかせて貰った事が、今日も含めて最近自分の身になってると実感する事が妙に多くてな、こっちもお礼も言いたくなったんだよ」
P「ありがとな」
まゆ「そんな・・・家の事はまゆが勝手にしている事ですし、この前の事もまゆがプロデューサーさんに迷惑をかけてしまって申し訳ないと思っているのに・・・お礼を言われるなんて・・・」
P「嫌だったか?」
まゆ「とんでもありません!嬉しいです。嬉しいですけどぉ・・・まゆ突然こういうのは、経験がないので、ちょっとびっくりしちゃってぇ・・・」
まゆ「とにかく嫌ではありませんでしたから///」
P「ははは、まゆは面白いな」
まゆ「もう、プロデューサーさんは」
P「どうだ?まゆ、今日も一緒に晩飯食っていかないか?どうせ今日も何か作ってくれているんだろ?」
まゆ「はい、それはいいんですが・・・今日もプロデューサーさんが帰って来る前に邪魔にならないよう先に帰るつもりだったので夜ご飯が一人分しかありません」
P「んー、そうか、ならこうしようぜ、その一人分を半分ずつ二人で分けて食おう」
まゆ「半分ずつ分けてですか?」
P「おう、勿論まゆが嫌なら外食でもいいけど」
まゆ「いえ嫌じゃありませんよぉ」
P「そうか、それで半分ずつ食べて足りなかったらコンビニにでも行って適当に何か買ってまたそれを二人で食おう、偶にはそんな質素な晩飯も悪くないだろ?」
まゆ「はい!」
P「じゃあ、早速準備をしよう、あとさっき言ったお礼も言葉とは別に何か贈るなり何かしてやるから考えといてくれよ」
本日の報告、昨日言ってた飛鳥の件は無事解決した。
実は予定とはだいぶ違う感じで丸く収まったので、昨日の夜にこっそり読んでいた秘策の秘伝書『困った子供の?り方』が火を噴く事がなかったので少し残念だった。
今度杏を叱る時にでも活用してみようかな。
夜はまゆを驚かす為に早めに帰って二人で晩飯を食った。
それなりに楽しい時間を過ごせたと思う。
そんな感じで今日は建設的な一日を過ごせたかな。
これでまた思考を停止した夜を過ごしながらゆっくり眠れると思うと幸せだ。
Prrrr Prrrr
P「ん?こんな時間に電話」
P「もしもしプロデューサーです。はい、はい」
P「飛鳥が帰って来ていない、ですか」
本日の報告追加、どうやら今日はまだ報告しないといけない出来事があるみたいだ。
暗い部屋
飛鳥「ん、ここは・・・」
狂人「やあ!やっと起きたみたいだね!」
飛鳥「キミは一体・・・」
狂人「あー!そういう喋りは要らないから黙ってて!」
狂人「かわりに僕が君にとって重要な事を言うからよく聞いてね!」
狂人「まず君は今僕に監禁され拘束された状態にある!」
狂人「次に君はこれから非常に嬉しい事に死んでしまう事になります!」
飛鳥「……………」
狂人「おーっとストッープ!今「何故こんな事を」的なしょーもない事を聞こうとして僕の言葉を途切れさせようとしたなー!」
狂人「喉の動きとかでわかるんだぞー!これまでに何人やってきたと思っているんだ!」
飛鳥(そんなどうでもいい事知らない…)
狂人「その「知らねーよ」みてーな顔もムカつくから禁止!後でそのキレーな顔はちゃんと叩き割ってやるから反抗的な顔全般禁止!」
飛鳥(こいつ頭が可笑しい)
狂人「いやー!君わかってるー?!もし相手が心無い普通の殺人鬼だったら苦しむ間もなく秒で死んでる所なんだよ!」
狂人「僕がとても優しい殺人鬼だから良いものを…!そこにつけ上がって調子に乗ったりしてない?!そんなに生き急がなくても心ある殺人鬼の僕が後で君をたっぷり苦しめながら何時間もかけてゆっくり死ぬ様にしてあげるから!」
狂人「よかったな!僕がこんなに優しく思いやりに溢れ器の大きい人思いの聖人君子みたいな殺人鬼で」
狂人「要するに君が今息吸って吐いてられるのも!偏に僕のお陰だかんなー!そこんとこわかっとけよ!」
飛鳥(気持ち悪い…)
狂人「で!話を戻すけど三つ目!君が今日死ぬ理由だけど!まあ察しついてるよな!ちょい前位に君は理不尽なことに罪なき小さな命を奪った!」
飛鳥「!?」
狂人「そんな巨悪を!人々の良心、正義の人殺しである所の僕が裁きを下してやると言う簡単な勧善懲悪的シナリオな訳だ!」
狂人「これまでにも僕は万引き犯や詐欺師予備軍とも言える嘘つき、人に害を及ぼす酔っ払い、数々の悪を滅ぼし!潜在的に数多くの人々を救ってきた!」
狂人「そんな英雄であるこの僕が!悪である君をありとあらゆる暴力の限りを尽くし!後悔の渦の中で死に至らしめてやろう!」
飛鳥(これが報いなのか…こんな奴に殺されてしまう事が…)
狂人「クカカカ!どうだ?これで大体の説明が終わったぞ!僕は悪人を始末する時は必ずこの説明をしてから君達悪党にしっかりと---------------------------キリトリ----------------------------
P「飛鳥大丈夫か?」
飛鳥「プロデューサー?」
P「飛鳥が帰って来ないって言う連絡が来て心配して色んな所を探してたんだぜ?」
P「こんな所で何してたんだよ?」
飛鳥「それは…」
P「って何その拘束!?手とか足とかめっちゃ縛られてるけど…」
P「あれ?実は俺、担当アイドルの見ちゃいけない秘密を見ちゃった系なのかな?これは…」
P「じゃあ、この首無しさんは飛鳥の彼氏さんか何かだったり…?」
P「ごめん、そういうプレイだとは知らずに…来た時なんとなく飛鳥が嫌そうな顔してるなと思ったから思わずそいつの首を刎ねちゃったぞ…」
P「いや、最近の若い子達は進んでるねー、うん大丈夫、もしかしたら今からでも頑張れば首はくっ付くかも知れないから、救急車を呼べば…」
飛鳥「違うから!そんなんじゃないよ、ボクはそいつに攫われて殺されそうになっていただけだ!」
飛鳥「だから変な誤解をしないでくれ」
P「そうか、飛鳥が家に帰れてなかったのは、こいつのせいだったのか」
/
/
/
キ
狂 リ 人
ト
リ
/
/
/
P「そうと解っていれば少しは灸を据えてやったのに、飛鳥に夢中で一瞬で終わらせてしまった…」
飛鳥「プロデューサー?」
P「?そうだったな、早くその拘束を解いてやらないとな、任せとけ直ぐに解いてやるぞ」
飛鳥「それもそうだけど、そうじゃなくてだね…」
P「足の拘束を解く時に下からの眺めが際どくなるのが気になる感じか?でもそれは言いっこなしだと俺は思うぞ?」
飛鳥「それも違う、と言うか今そんな事を言われたからそのせいで本当に気になってきたじゃないか!」
P「じゃあ、飛鳥、何だって言うんだよ?」
飛鳥「キミは今人を殺したのに何でそんなに平然として居られるんだい?」
飛鳥「それにあの手際の良さ、聞く話じゃ人間に限らず生き物の首や身体を両断するにはそれなりの力と技がいるって言うけど、それをあんな手慣れた様子で…キミは一体何者なんだ?」
P「おっと、もしかしなくてもこれはまた秘密がバレちゃった感じか」
本日の追加報告、突然居なくなった飛鳥は何と俺とは別の殺人鬼に攫われていたらしい。
実際は飛鳥に聞いただけの話だし、殺人鬼が最もありとあらゆる状況を想定し神経を研ぎ澄ませる殺しの現場で、あれ程無警戒に意味のわからない自分語りをしていたあいつが本当に殺人鬼だったのかは、本当の所はもうわからない。
案外キャラ作りがヘタクソななんちゃって殺人鬼だったのかも…
そんなこんなで紆余曲折あり飛鳥を救出するまでは良かったものの
途中の経緯から俺の正体がバレてしまった。
ちょっと前までにしていた話が話なだけに中々に気まずい感じになってしまっし
それから飛鳥に色々説明して弁解するのに朝まで時間が掛かって結局不眠不休で働く事になり散々な日になりました。
まゆ「プロデューサーさぁん」
P「どうした、まゆ」
まゆ「昨日プロデューサーさんのスーツの中からぁ、まゆ、興味深い物を見つけてしまったんですよぉ」
まゆ「これは一体何なのでしょうかぁ?まゆに説明してくれませんかぁ?プロデューサーさん」
P「そ、それは…!?」
飛鳥「………」
奏「………」
早めの本日の報告、まゆが俺のスーツの中から女の子とイチャイチャ出来るお店のカードを見つけて来た。
上司から半ば無理やり押し付けられたものなのだが、その場に居た飛鳥と奏も含めてめっちゃくちゃ蔑みの目を向けられて心が痛すぎた。
奏「ふーん、上司から無理やり、ね」
P「そうなんだよ、これでわかってくれただろ?」
奏「でも受け取ったのは事実よね」
まゆ「ですねぇ。」
P「な、何でそうなるんだよ!?それにほら?まだ使ってないじゃん、セーフだよセーフ」
飛鳥「どうだが、こう言う物は一枚見つかると何十枚もあるとはよく言うし、実は他の物をまだ隠し持っている可能性は充分にあるとボクは思うが」
P「何そのゴキブリみたいな理屈!?」
P「お前達だって本当はわかっているだろ?俺に限ってそんな事はないって」
奏「そもそもやましい事がないなら何故そんなに必死になるのかよくわからないわ」
P「お前達が怖すぎるんだよ!」
まゆ「うふふ、まゆ達が怖い?ですかぁ、面白い事を言いますねぇ」
まゆ「プロデューサーさんがその気になればまゆ達なんて力ですぐ負けちゃうんですよぉ?」
P「そういう所がめちゃくちゃ怖えーんだよ」
飛鳥「それに必要も無いのにそんな物を持つ時点でボクは有罪でいいと思うが」
P「いくらなんでも酷すぎる…」
飛鳥「なら何故捨てなかったんだい?」
P「いや、貰い物だし…捨てるのはちょっと気が引けるだろ?」
P「それにだ!冷静に考えればおかしくないか?」
P「仮に俺がいやらしい気持ちでこのカードを持っていたとしてもお前達には一切関係のない事じゃないか!」
まゆ「…………」
飛鳥「…………」
奏「……………」
まゆ「ふふふ…今日のプロデューサーさんは本当に面白い事を言いますねぇ」
奏「ふぅん、そういう事、言っちゃうの?」
飛鳥「今日と言う今日は…」
P「あー、ごめん今のやっぱ無し、俺の失言だった。」
P「って言うのはやっぱ無し?」
三人「………………」
P「だよな、なら俺は…」
P「全力で逃げる!!」
まゆ「プロデューサーさん!?」
奏「ちょっと!」
飛鳥「逃さないぞ」
P「ぎゃー、誰かこの可哀想なプロデューサーを助けてくれー」
志希「にゃはは、やっぱりあたし達のプロデューサーは面白いね~」
文香「ですね、普段はこんなにも何処にでも居そうなプロデューサーさんだと言うのに…」
志希「そこが面白いんだよ」
文香「最近、プロデューサーさんを題材に本を書こうとしているのですが…」
志希「なにそれ、凄く楽しそう見せてみせて」
文香「ただ」
志希「ただ?」
文香「プロデューサーさんの事を全て書いた筈なのに、本になりませんでした。」
志希「あはは、ナニそれ~」
文香「見て頂ければ解って貰えます。」
志希「ふふふ、確かにこれじゃあ本にはならないね」
文香「はい」
志希「でも志希ちゃんは好きかな。飽きないし」
文香「それは良かったです」
ある所にアイドルをプロデュースする殺人鬼が居ました。
その方は特に更生する事も無ければ、人の手による裁きや天罰を受ける事もなく、
今日も人を殺しながら、のらりくらりとアイドル達と楽しく暮らして居ます。
おわり
ラストがやっつけみたいな感じになって申し訳ないと思っているがこれで終わり
本当はもう少し書きたいアイドルとの絡み、シーンはあったもののちょっとモチベーションが保たなくてこんな感じになった。
書き終わって、少し分かり難いかもと思った部分の説明をすると
本日の報告の後からの話は、そのまま次の日だったり一気に数日飛んでたり一応主人公であるPの日常にエピソードと言える物がある日がピックアップされて続いてるの、話の案外重要そうなシーンが所々抜けてるのは仕様です。
後は一応このSSのテーマは物語性のある話ではなくちょっとブラックな日常系SSって感じを目指しているのでもうちょっと丁寧に書いていてもオチはこんな感じになってました。
最後にここまで付き合ってくれた人みんなありがとうございます。
機会があれば続きも書くかも
このSSまとめへのコメント
は?
つまんね。何したかったんだ?
何これ?
キモッ