ショートソード【安価】 (4)

原作:色々

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鉄の盾(くろがねのたて)。

この組織は世に跋扈する魔物を全て駆逐することを目標としている。

それは人々の明るい未来のため。

黒斬秋刀は鉄の盾の四流メンバーである。

五等級で格付けされた組織の下から二番目の位置。

だがしかし黒斬は相当の場数を踏んだベテランであった。

黒斬「今度の仕事はロッドの地か…」

黒斬「彼処は酒が美味いんだよな」

記憶の中にある酒の味を思い出し舌鼓を打つ。

馬車はガタガタと揺れながら目的の地までゆっくりと前進していた。

隣の席に座るまだ幼い少年が呆れた口調で黒斬を咎めた。

山本「今回の仕事が終わるまでアルコールは禁止ですよ師匠」

黒斬「堅いこと言うなよ」

彼は黒斬の一番弟子にして唯一の弟子である山本拓郎だ。

山本は師匠である黒斬を信頼している。

だが酒癖の悪さに関してはほとほと嫌気が指していた。

気分を切り替える為に別の話題を持ち出す。

山本「それにしても師匠」
山本「仕事の件ですが大空に浮かぶ純白の城を調査せよって一体何の事でしょうね?」

黒斬「言葉の通りだろ」

山本「真面目な話ですよ?」

黒斬「嘘だと思うなら外を見てみろ」
黒斬「十中八九アレがそうだろ」

山本「…!」

山本が馬車から外を伺うと確かに遠くの方に宙に浮かぶ純白の城が見えた。

黒斬「どうもあの城を見るからに嫌な予感がする」

黒斬「今回は大仕事に成りそうだ」

山本「あんな大きな建物が宙に浮かべるなんて」
山本「飛行石が幾らあっても足りないぞ…!」

興奮気味に山本は脳内で飛行城の原理について考え始めた。

御者が間もなくロッドの町に到着する旨を伝える。

黒斬「なぁ山本」

山本「はい?」

黒斬「あの城に潜入し調査するのが今回の目的だ」

山本の笑顔が曇った。

山本「ロッドに飛行船はありますか?」

黒斬「無いな」
黒斬「仮にあったとしても貸し切りなんて予算オーバーもいいとこだ」

少し考えてから山本は結論を告げた。

山本「無理でしょ」

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