【ガルパン】×【十津川警部シリーズ】山陽・東海道殺人ルート (23)


このスレは【ガールズ&パンツァー】と【西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ】のコラボSSです。以下事前の注意

・あくまで元ネタは西村京太郎の小説ではなく、渡瀬恒彦主演の「十津川警部シリーズ」です。
・ネタバレ含みます。
・ガルパン登場人物に一部不快な描写があるかもしれません。
・オリキャラ注意です。

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9/22 16:00 熊本駅

小西「ああ、警部、小西です。今から夜行で帰ります。お土産も買ったんで期待しててください」

十津川『分かった。無駄足になってすまないな』

小西「いえいえ、これじゃほとんど旅行気分ですよ。幸い2人用の個室が取れまして、4人用よりはマシですね。じゃ」



エリカ「よし!全員いるわね!行くわよ!」


生徒「「「はい!」」」


9/22 16:00 熊本駅

小西「ああ、警部、小西です。今から夜行で帰ります。お土産も買ったんで期待しててください」

十津川『分かった。無駄足になってすまないな』

小西「いえいえ、これじゃほとんど旅行気分ですよ。幸い2人用の個室が取れまして、4人用よりはマシですね。じゃ」



エリカ「よし!全員いるわね!行くわよ!」


生徒「「「はい!」」」

連投になってしまった……


「6番乗り場の列車は特急はやぶさ、東京行きです」


小西「えーと、2号車の1番……ここか」


ガヤガヤガヤガヤ


小西「!?」


それはある種異様な光景であった。古い寝台列車に同じ制服姿の女学生たちがゾロゾロと乗り込んできたのだから。小西は咄嗟に自分の個室に入り、立て籠ることにした。


16:21 はやぶさ2号車車内


コンコン

車掌「すみません、切符を拝見します」

小西「ああ、はいはい……車掌さん、この号車、みんな同じ学校の生徒さん?ああ、切符どうぞ」

車掌「ええ、黒森峰女学園の戦車道の子たちだよ。郷土の誇りです」

小西「へえ……」


車掌「ああ、切符ありがとうございます」


小西「どうも……」



ガタン!ガタン!


小西「なんだ……?」


コンコン

小西「すみません、大丈夫ですか?」


??「きゃっ!」

??「お、男の人……?」

小西「ああ、ごめんなさい。物音がして、気になりまして」

??「私たち、3人でここ使ってるので、上のベッドに荷物置こうとしたんです。そしたら、なかなか届かなくて」

小西「あぁ、なるほど。ちょっといいかな?いよいしょっと」

??「わっ!すごい!ありがとうございます!」

小西「いえいえ、これぐらい」

山本「ああ!申し遅れました!私、山本紀子です」

斉藤「斉藤恵です!」

米内「米内夏乃です。ありがとうございました」

小西「ご丁寧にどうも、小西です」

山本「小西さん、お一人なんですか?」

小西「ああ、出張の帰りでね」


しばし時間が経ち

小西「へぇ、じゃあ君たちは戦車に乗るわけじゃないんだ」

山本「ええ、でもやりがいがありますよ」

米内「戦車道に携われてるだけでもいいんです」

斉藤「ほんとほんと、怪我した私たちがこうして残れただけでも感謝しないとね」


エリカ「何してるのあんたたち……」

山本「た、隊長!」

斉藤「す、すみません!ちょっと手伝ってもらって話し込んで……」

エリカ「……あんたたち、そんなに怖がる必要ないでしょ?旅の醍醐味ってことで見逃すわよ」

米内「はーっ……」


小西「今のが、隊長さん?」

山本「はい、逸見エリカさん。私たちと同い年の1番腕のある子です」


19:43 博多駅

???「……………」


『2番乗り場の列車は特急さくら、東京行きです』


女はさくらに乗り込み……


20:30 はやぶさ車内

小西「もうこんな時間かぁ」

山本「そろそろお開きにしましょうか」

米内「小西さん、ありがとうございます」

小西「いやいや、お話楽しかったよ。荷物下ろす時、また手伝うよ。東京だからお互いゆっくりしよう」

斉藤「ありがとうございます!」


列車について解説①

特急はやぶさ
東京~熊本間。モデルは80年代後半~90年代前半ごろ、単独運転の頃をを想定。その後さくらと併結になり、末期の四年間は富士と併結となった。ガルパンの世界では戦車道とかで公道封鎖が割とあるでしょうから、この手の長距離列車がしっかり生き延びている、ということにしてください。

特急さくら
東京~長崎・佐世保間。時代モデルははやぶさと同じ。はやぶさと併結してからは佐世保行きが廃止になり、さくらの分割能力のある列車を用いて事実上熊本行きのはやぶさと長崎行きのさくらで分けていた。


9/23 9:25 はやぶさ車内

小西「こんな早くから荷物下ろすのかい?まだ横浜の前だよ?」

斉藤「ええ、後で慌てたくありませんから」

山本「本当にありがとうございます、小西さん」

米内「ありがとうございます」

小西「良いって、よいしょぉ!じゃあ、これでいいかな」

斉藤「何から何まで本当にすみません」

山本「ありがとうございました」

小西「本当に良いって、試合まで頑張ってね?」

米内「はい!」


10:25 警視庁捜査一課

小西「戻りました、おはようございます」

十津川「お帰り」

亀井「どうだった?

小西「はあ、結局念のため被疑者の母親に探りを入れましたが、佐々木刑事の班が取り調べた以上のことは出てきませんでした」

亀井「そうか……まあ立件に足る証拠は出てきたし、気分転換になったろ?」

小西「ええ、それに帰りの列車でちょっと良い思いをしまして」

西本「良い思いって、これですか小西さん?」

小西「戦車道の黒森峰の子たちと同じ列車に乗りました」

安原「あら、すごいじゃない!一昨年までの九連覇は凄かったわよ」

十津川「それじゃ、定時で上がったらみんなで飲みに行くか」


十津川のナレーション(以下十津川n)「だがその話は無かったことになった。小西が登庁してから2時間も経たないうちに、東京についた特急さくら号の車内から乗客の遺体が発見され、我々はその捜査にあたることになった』

西村京太郎サスペンス
十津川警部シリーズ55

山陽・東海道殺人ルート


夜に続きます。


12:30 田町車両センター 特急さくら車内

三田村「被害者は花谷菜々51歳、免許証を持ってました。電話で家族に確認したところ、主婦のようです。死亡推定時刻は昨夜の夜10時から12時ごろですね」

十津川「主婦、ねぇ」

亀井「旅行にしちゃ、いやにカチッとした格好だな……」

西本「葬式でしょうか?」

村川「喪服には少し派手すぎる気がします」

小西「じゃあ、同窓会は考えられませんかね」

十津川「うーん……同窓会なら招待状とかあるんじゃないか?そういうもんは出てきてないだろう?」

安原「今のところは」

十津川「どうもしっくりこないな」




十津川「……………携帯だ」

亀井「携帯ですか?」

十津川「携帯の履歴に、何か残ってないか?」

安原「……ありました!列車に乗ってから、『東條先生』という番号にかけています。ちょうど被害者が博多から乗ってからすぐですね」


十津川「こっちからかけてみよう」

安原「……………話し中ですね」

亀井「うーん……」


十津川n「だがその日の夕方、思いもよらない一報が飛び込んできた。電話の主、東條武彦の屋敷から女性秘書の絞殺遺体が発見されたのだ」


16:40 成城1丁目 東條邸


西本「被害者は富永絢香47歳。東條氏の秘書をしています。東條氏は去年まで全国戦車道協会の理事長をしていまして、現在でも発言力は健在です」

亀井「それで、帰宅したら秘書の遺体を見つけたってわけか」

十津川「死亡推定時刻は?」

西本「今日の14~15時ですね。16時過ぎに東條氏が旅行から帰ってきて発見、通報したとのことです」


十津川「……東條さん。二、三お伺いしたいのですが、よろしいですか?」

東條「はい、どうぞ」

十津川「あなた、花谷菜々さんとお会いになる約束を?」

東條「はい、今日の夕方からの予定でした。それが何か?」

十津川「彼女、殺されました。東京行きの列車で」

東條「なんですって!?」

十津川「そもそも、戦車道協会の元理事長のあなたと、一介の主婦の花谷さんがなぜわざわざ会う約束を?」

東條「……刑事さんはご存知ないようですな。花谷さんは戦車道の有力校の黒森峰女学園のPTA会長でしてな。その彼女から会いたいと電話があったんで、私も旅行を切り上げて戻ってきたんです」

十津川「PTA会長?わざわざですか?」

東條「流石に4強の一角ともなれば、無碍にはできなくて」


十津川n「筋は通っていたが、私は釈然としないものを感じた」



明日に続きます。


翌日 捜査一課

小西「東條武彦という男ですが、なかなか悪い噂が出てますね。全国戦車道協会理事長は引退してますが、発言力は健在。世界大会誘致に向けた発言はもちろんですが、隠れて政治家と会っていたという噂もあります」

亀井「2人が死んだ時間のアリバイはどうなってる?」

村川「花谷殺害時刻は旅館にいたと言っていますが、証明するものはありません。富永殺害時刻も飛行機の上だと言っていますが、ホテルはその随分前にチェックアウトしていますし、早い便で東京に戻って殺害することは可能だと思われます」

十津川「動機はあるのか?そこまでやる動機は」

西本「こう考えればどうですかね。花谷はPTA会長で、言わば地元でもそれなりの立場です。地元の政治家と東條の癒着を知って問いつめるために上京するつもりだったところを殺された」

安原「その場合、富永の役目は?」

西本「確かめた時に癒着を認めた、つまり東條にとっては裏切り者だから殺したと考えれば筋は通ります」

十津川「よし!とりあえず東條を張ろう。西本と三田村は東條を見張ってくれ。他のみんなは東條の証拠その他怪しい話を探るんだ」


十津川n「だが、程なくして東條の無実は証明される形となった。熊本行き寝台特急はやぶさの車内から女性の絞殺死体が発見されたと言う熊本県警からの連絡があったのはその日の午後のことだった」


捜査一課

亀井「被害者は黒島佳奈子、49歳。クロシマドローン株式会社の社長で、黒森峰女学園の戦車道の試合観戦の帰りだったそうです。ちなみに、その生徒たちも同じはやぶさに乗り合わせています」

十津川「カメさん、それがどうしてこっちの殺しと繋がるんです?」

亀井「彼女の会社は日本戦車道連盟にドローンを納入している、言わばお得意様です。有名校のPTA会長、前理事長秘書、関連企業の社長と、3人の殺しが戦車道で繋がるわけです」

十津川「なるほど……」

清水「そうなると、犯人も必然的に戦車道になんらかの形で関わる可能性が高いですね」

十津川「戦車道ね……ここ最近、戦車道に関わる大きな出来事と言ったら、あの『大洗の奇跡』かな?」


十津川n「大洗の軌跡。それは文科省の計画により廃校になりかけていた大洗女子学園が、全国戦車道大会で次々とジャイアントキリングを果たしながら優勝し、その後の大学選抜チームとの殲滅戦をも制してついにその廃校を取り消させたという事件であった」


続きます

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