鞠莉「Shit Fire」 (20)
・ラブライブ!サンシャイン!!SS
・半年ぶりに書きました。
・鞠莉の口調が微妙です。
・キャラ崩壊(?)
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パァン! パァン!
男「Ahhhhh!!!」
男「Wait!! I'm sorry!! Please forgive me!!」ガタガタガタガタ
男「I must go back home!! My family wait...」
「Shit!!」
パァン!
男「Ah...」ドサッ
「………」
ピピピピピ…
「もしもし?」
「今終わったわ。いつも通り、後処理はよろしくね」
「…もう次の仕事?ちょっとは休みたいんだけど」
「…わかってる。場所は?」
「…Oh」
「…OK、帰って準備しておくわ」
「………」ピッ
鞠莉「……2年ぶりね」
・・・・・・・・・
私は小原鞠莉。現役女子高生兼理事長兼スクールアイドル。
…兼、ヒットマン。
肩書きが多くて凝っちゃいそう。
でもこの中だと、実はヒットマンが一番長いの。
小原グループは表向きにはホテル経営ぐらいしかしてないんだけど、裏では闇世界の依頼を請け負うことで経営が成り立ってるわ。
私も小学生の頃からずっとそのための教育を受けてきたの。
気配を消す方法、銃の取り扱い、格闘術、色仕掛け……。
本当に、いろいろやってきたわ。
16歳になったら裏世界に身を投じるのがパパとの約束で、私は留学って周りに偽って、数々の依頼をこなしてきたわ。
ヒットマンって名乗るぐらいだからまあ暗殺がメインなんだけど、私はターゲットが命乞いしてきてもそれを聞き入れずに[ピーーー]ことにしてるの。
聞いて情が移ってしまったら依頼に支障が出るからね。
その様があまりにも無情に見えたみたいで、ついた通り名が「Shit Fire」
10代の女の子につけるには、ちょっとダサくてセンスが無くない?
その「Shit Fire」に来た今回の依頼は、ある殺し屋の始末。
つい3ヶ月ぐらい前から仕事を投げ出して日常に溶け込んでるんだとか。
追手には腕の立つ殺し屋たちが雇われたらしいんだけど…みんな返り討ちに遭っちゃったみたい。
そこで、私の出番ってわけね。
まったく、そんな危険人物の所に一人娘を送り込むなんて、何を考えてるのかしら?
鞠莉「依頼を受けてから数ヶ月。そろそろ、動かないとね…」
浦の星女学院
教室
鞠莉「果南?」
果南「ん?どうしたの?」
鞠莉「今日の練習は無しって、さっきダイヤから」
果南「へ?どうして?」
鞠莉「さぁ?ダイヤなりに考えがあるんじゃない?」
果南「ふーん…。分かった。じゃあ鞠莉、今日は一緒に帰らない?」
鞠莉「あー、実は理事長としての仕事が溜まってて…」
果南「えー?ちゃんと進めなきゃダメじゃん」
鞠莉「I'm Sorry...」
果南「英語でごまかさないのー」
果南「じゃあ今日は1人で帰るね。また明日」
鞠莉「OK、また明日」
鞠莉「…よし」
私は何も復学するために戻ってきたんじゃないわ。
目的は、ターゲットとの接触。
ターゲットの性格、趣味嗜好、あとは癖とか、本人について自分の目で調べてから行動に移すのが私のやり方。
でも今回は、ちょっと仲良くなりすぎちゃったかも?
情が移りきらないうちに、早く片付けなきゃね。
人払いは済んだ。今日この屋上には、誰も来ない。
…ただ、1人を除いて。
「鞠莉さん、話って?」
そら来た。
ごめんね、悪気は無いの。
依頼だから、しょうがないのよ。
鞠莉「…単刀直入に言うわ」
鞠莉「私、あなたを始末するつもりよ」
「…ふーん」
「まあ、そんな気はしてたけどね」
鞠莉「あら、気づいてたの?」
「うん。ていうか、鞠莉さん自分で名乗ってたじゃん」
「Shit Fireって」
鞠莉「…ふふっ、あなたほどの人にも知ってもらえてるなんて、光栄ね」
「そりゃ知ってるよ。自分を狙ってきそうな人の事ぐらい」
「それに、初めて会った時からなんとなく分かってたんだ」
「この人は私と同じ匂いがする、って」
「体に染み付いて取れない、血の匂いがね」
鞠莉「…さすが、歴戦の猛者は違うわね」
鞠莉「でもそれも今日までよ」
鞠莉「…曜」
曜「………」
彼女が今回のターゲット。
渡辺曜。17歳。
高飛び込みの強化選手であると同時に、スクールアイドルでもある。
そして、数ヶ月前までは伝説の殺し屋。
全ての仕事を1人でこなし、決して誰とも組まない事から、ついた通り名が「You Solo」。
…通り名付ける人たち、もっとセンスを磨いた方がいいわね。
鞠莉「最後に聞かせて。どうして裏世界から逃げようと思ったの?」
曜「私に勝ったら教えてあげる」
曜「ほら、話してたら日が暮れちゃうよ?」
曜「…始めよっか」フッ
鞠莉「!」
鞠莉「消えた…?いえ、これは…」
鞠莉「後ろッ!!」バッ
ガッ!
曜「ふうん、Shit Fireは銃使いって聞いてたけど、接近戦もできるんだね」
鞠莉「そのくらいできなきゃここまで生きてないもの」チャッ
曜「!」バッ
パァン! パァン!
曜「あっぶなー…。流石、容赦無いね」
鞠莉「油断は禁物よ?」チャッ
パァン!
曜「あっぶないって!」
鞠莉「ちゃんと避けてるじゃない」
曜「障害物が無いから狙いやすいってわけだ…。ちょっと分が悪いね」ダッ
鞠莉「待ちなさい!」ダッ
曜「と見せかけてっ!」ヒュッ
鞠莉「!?」
曜「せいっ!!」ドガッ
鞠莉「うぐぅっ!?」ゲホッ
鞠莉(逃げるフリして、蹴りを入れてくるなんて…)
曜「おっ、上手く入ったねぇ~」ケラケラ
鞠莉「かはっ、はぁっ、はぁっ…」
鞠莉「…このっ!!」
パァン! パァン!
曜「おっととと!」ヒュッ
曜「ほらほら、あんまり頭に血がのぼると、狙いが合わないよ?」
鞠莉「黙りなさい!!」ダッ
曜「へえ」ダッ
ガッ!! ドガッ!! シュババババ!!
曜「真っ向勝負なら私のスピードについてこれるなんて…。すごいね」
鞠莉「どうも!!」チャッ
曜「!!」ガッ
パァン!
曜「……いったぁー」ツー
曜(鞠莉さんの銃撃、常に急所を狙ってくる。脳天コースだったかな)
鞠莉「私がトリガーを引くより早く手を出せるなんて、反射神経も物凄いわね」
曜「伊達に1人で生き抜いてないよ」
鞠莉(…さて)
鞠莉「このままじゃラチがあかないわね」
曜「?」
鞠莉「奥の手、使わせてもらうわよ」チャッ チャッ
曜「新しい銃だね。二丁拳銃?でもその程度じゃ…」
鞠莉「それは……」スッ
バァン!!!!!!
曜「いっ!!?」キーン
曜(うるさぁっ!?耳が…!!)
鞠莉「どうかしら!!」
パァン! パァン!
曜「ぐぅぅっ!!?」
曜(しまった…!!)ダッ
鞠莉「逃さないわ!!」
パァン! パァン! パァン!
曜「ぎゃっ!!」ドサッ
鞠莉「ふう…。やっとまともに当たった」
鞠莉「右足の腱を撃ち抜いたわ。もうこれで素早くは動けない」
鞠莉「チェックメイトね」チャッ
曜「…ずるいよ鞠莉さん。あんなの猫騙しと一緒じゃん」
鞠莉「ふふっ、猫騙しも立派な戦術よ」
鞠莉「音だけに特化して、わざと暴発するように作ったの。使い切りだけど、有効だったでしょ?」
曜「ビックリしたけどさー…。納得いかない…」
鞠莉「納得いかなくても、これでもう終わりよ」
鞠莉「…ねえ、曜。最後に1つ教えてくれない?」
鞠莉「なぜあなたはそこまで1人に拘るの?何か理由でもあるの?」
曜「………」
鞠莉「まあ、あなたの家が裏世界に身を置く家系じゃないのは知ってるけど、探せばパートナーぐらいいくらでも…」
曜「………だよ」
鞠莉「?」
曜「…必要無いからだよ」
曜「だって、私………」
「1人で十分強いから」
鞠莉「!?」ゾクッ
鞠莉「後ろッ!?」バッ
・・・
鞠莉「消え……ッ!?」バギィッ!!
曜「ダメだよ鞠莉さん、まだトドメを刺してないのに背を向けるなんて」
鞠莉「うぐぁぁっ!!?」ドサッ
曜「それとも、後ろに誰かいた?」
鞠莉「カハッ、ハァッ、ハァッ、ッ…!!?」
曜「…これが、私の本気」
曜「You Duo」
曜「弱い相手には使わない。私自身、久しぶりに使ったよ」
鞠莉「どういう、こと…!?」
曜「簡単に言えば、視線誘導と腹話術かな?」
曜「相手の目が自分に向いてる状態で、一瞬だけ視線を誘導させて意識を後ろに向ける」
曜「それと同時に腹話術で語りかける。すると意識に引っ張られて声のする方向を後ろと勘違いしちゃう」
曜「鞠莉さんが油断してたからこそ、上手くいったよ」
曜「もちろん分身とかじゃないから正確にはDuoじゃないんだけどね…えへへ」
鞠莉「ずいぶん、ペラペラ喋ってるくれるじゃない…」
曜「そりゃ、ね。もう鞠莉さん、ロクに立つことも出来ないと思うよ」
曜「この技も効くのは一度きり。ネタがバレたら、二度目は警戒されて決まらないもん」
曜「だからこそ、その一度に全てを懸けて、再起不能の一撃を叩き込む」
鞠莉「動けないのは、曜も同じでしょう…?この状況なら、飛び道具を持ってる私が…」
曜「ああ、私まだ動けるよ?」
鞠莉「!? どうして!?」
曜「急所狙いっていうのは分かってたから、常に全身をぶらしながら動いてただけ」
鞠莉「そんなことで…」
曜「まあ何はともあれ、これで終わり!お疲れ様でしたっ!」
鞠莉「くぅっ…!!」ググ
曜「あっ、ダメだよ!あんまり無理すると折れた骨が内臓に刺さっちゃうかもよ?」
鞠莉「黙りなさいっ…!!」グググ
曜「…もー、しょうがないなー」
曜「ていっ」トッ
鞠莉「っ!………」ドサッ
曜「しばらく眠っててもらうよ。どうせそのうち、小原家の迎えが来るんでしょ?」
曜「さて、私も帰らなきゃ。…ってああっ!!終バスもう来ちゃうじゃん!!」
曜「いっそげーーーっ!!!」ピューッ
鞠莉「……………」
この日、私は初めて仕事を失敗した。
数日後
鞠莉の部屋
鞠莉「…ごめんなさい」
鞠莉「…うん、生かされた。小原家の看板に、泥塗っちゃった」
鞠莉「…うん、うん。…わかった」
鞠莉「じゃあ、また…」
ピッ
鞠莉「はあ…」
「お父さんと電話?」
鞠莉「!?」
曜「やっほー」
鞠莉「曜!?」
曜「いやー、すごい部屋だねえ。さすが淡島ホテル…」
鞠莉「何しに来たの!?…ぐぅっ」
曜「ああ、慌てないで!まだ全然傷も癒えてないでしょ?」
鞠莉「…誰が折ったと思ってるのよ」
曜「それはこの、You Solo!でありますっ!」ビシッ
鞠莉「…はあ」
曜「でね!You Soloはこの度、小原家傘下に加えさせて頂くことになりましたっ!今日はそのご報告でありますっ!」
鞠莉「…は???」
曜「いやー、ついに良い雇い主を見つけたよ!これからもよろしくねっ!」
鞠莉「いや、え?What are you saying now?」
曜「え?だから、これからは仕事仲間だよーって」
鞠莉「はあぁぁぁ!!?」
曜「私だって望んで1人だったわけじゃないから!ただ、就くなら強い人の下がいいなーって!」
曜「でも依頼を受けるだけじゃなかなか正規の雇い主が見つからなくてさー。そこで!裏世界から逃げて狙われる側になる事で、向かってくる人たちを選別してたの!」
曜「鞠莉さんが弱かったら殺してたけど、生かしたのは小原家に私という存在を売り込むためだし!」
曜「これからは仕事仲間だねっ!お互いがんばろー!ってことで!」
曜「じゃ、私は千歌ちゃんと約束があるので帰りますっ!ヨーソロー☆」
鞠莉「……………」ポカーン
鞠莉「………嘘でしょ……………」ガックリ
私より強い部下って、それどうなのよ…。
鞠莉「あああもう!!!曜の強さに私が嫉妬ファイヤーーー!!!」
おわりです。続きません。
お目汚し失礼しました。
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