―事務所―
ガチャ
乙倉悠貴(以下、悠貴)「おはようございますっ」
藤原肇(以下、肇)「おはようございます、悠貴さん」
原田美世(以下、美世)「おはよう。へぇ~、次は悠貴ちゃんかあ」
悠貴「原田さんに肇さん。お二人も呼ばれたんですか?」
肇「はい。Pさんから、ここに来てくれと」
美世「でも、用件は教えてくれなかったんだよね。悠貴ちゃんは何か聞いてる?」
悠貴「いえ、私も事務所に来てくれとしか聞いていなくて……一体何があるんでしょうか?」
肇「おそらくお仕事の話だとは思いますけど……まだ、何も分かりませんね」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1491153511
ガチャ
モバP(以下、P)「皆、おはよう」
肇・美世・悠貴「おはようございます」
肇「Pさん。今日はいったい何のお話ですか?」
美世「ここに集まった皆で、一体何をするの?」
P「それについては、全員来てから話をしよう」
悠貴「全員……つまり、まだ来ていない人がいるってことですか?」
P「ああ。ちゃんと連絡はしてあるから、そろそろ来ると思うが」
??「アタシを呼んだかなーっ?」
肇「!?」
柚「おはよーっ!遅れてゴメンなさい!」バッ
悠貴「わわっ、Pさんの後ろから」
美世「あははっ。ちょっとビックリしたよ」
P「おう、柚。テンション高く入ってきても遅刻は遅刻だぞ」
柚「はーい、ごめんなさい♪」テヘペロ
肇「柚ちゃんで4人目……これで全員ですか?」
P「ああ」コクリ
美世「それじゃあ改めて、この4人で何をするのか、説明お願い」
P「了解。実は……」
―この4人でユニットを組むこと、今度行われるスプリングフェスでライブをすることを伝えた……
肇「この4人で、ユニット……」
悠貴「スプリングフェスで、ライブですかっ」
P「今度のフェスは、春がテーマだ。春らしいスペシャルユニットということで、この4人を集めてみたわけだが……どうかな」
柚「へえー、面白そう!いいじゃん、やってみようよ」
美世「うんっ。あまり集まったことのないメンバーだけど、きっと楽しいと思うな」
肇「そうですね。私と悠貴さんは、以前ユニットを組んだことはありますが……」
悠貴「岡山親善大使、ですねっ」
美世「へえ、二人とも岡山出身なの?」
肇「そうなんです。今回は岡山ではなく、春がテーマということですが……でも、こうやってまた集まれたというのは、嬉しいことですね」
悠貴「そうですねっ。私もまた肇さんとユニットでご一緒できて、嬉しいですっ」
P「よし、決まりだな。あとは、ユニットを組むにあたって名前が必要なんだが……何か案はあるか?」
美世「ユニット名かぁ。うーん」
肇「春がテーマのユニットですから、安直にいくなら『春』や『Spring』などを絡めたものでしょうか」
柚「でも、それだとそのまんますぎるカナ」
悠貴「それじゃあ例えばなんですけど、『春』から連想するものをキーワードにするのはどうでしょうか?原田さんはどうでしょう?」
美世「春といえば、かぁ。やっぱり春はドライブにぴったりだよね!春の風を切って走るのって、とっても気持ちいいよ」
悠貴「春の風、いいですよねっ。私もランニングをよくするんですけど、春風の中で走る気持ちよさ、私も良くわかります」
美世「そうだよねー。あ、あと美世でいいよ。ユニットなんだから」
悠貴「……美世さん、ありがとうございますっ」
柚「アタシも柚でいいよっ!」
悠貴「柚さんも!ありがとうございますっ!」
美世「それじゃ話を戻して……肇ちゃんはどうかな?春で連想することってある?」
肇「そうですね……春といえば、『色』などはどうでしょう。春になると、実家近くの山の景色も一斉に色づいて……桜色だけでなく、さまざまな色が見られるのは、春ならではかなと」
悠貴「なるほど、春は芽吹きの季節ですもんね。『色めく』っていうのは、確かに春っぽいかも」
美世「柚ちゃんはどう?春といえばっ」
柚「うーん……」
肇「……」
柚「……思いつかないや!」
悠貴「ええーーっ!」ズコーッ
柚「あでも、ユニット名ってことだったら、4人組だし4にちなんだものを入れるのはいいかも。アタシ、4人で『フリルドスクエア』ってユニット組んでるし」
美世「なるほどね。ここまで出てきた感じだと、『風』『色』そして『4』かな」
悠貴「風、色、4……それじゃあ、『Four Wind Colors』なんてどうでしょうかっ。ちょっと安直ですかね?」
柚「……いや、いいんじゃない?なんとなくだけど、アタシたちっぽさ、出てる気がする」
肇「そうですね。私もいいと思います」
美世「それじゃPさん、ユニット名は『Four Wind Colors』でいいかな?」
P「OK!」
美世「よーし!それじゃあ、あたしたち『Four Wind Colors』、一緒にがんばろーっ!」
一同「「おおーっ!」」
柚「……」
美世「あれ、柚ちゃん。難しい顔してどうしたの?」
柚「あの……岡山ってどこだったっけ?」
肇・悠貴「」
乙倉悠貴
http://imgur.com/EY7IDta
藤原肇
http://imgur.com/hVzj3f6
原田美世
http://imgur.com/rbijaHy
喜多見柚
http://imgur.com/wX89crH
先日モバマスで登場したユニット、「Four Wind Colors」の二次創作SSです。
数日に1話を目安に書き進めていきたいと思います。よろしくお願いします。
あ、あと表題は悠貴になっていますが特に悠貴メインというわけではないです
―レッスンルーム―
キュッ、キュッ
美世(ここで左に移動して……)
柚(ここで決めポーズ!)
ビシッ!!
肇「……」
悠貴「……ど、どうでしょうかっ」
ベテラントレーナー(以下、ベテトレ)「……」
美世「……」
ベテトレ「……うん、悪くない」
柚「おおっ」
ベテトレ「が、決して良くもないな」
悠貴「あうっ」
ベテトレ「振り付けは皆ある程度しっかりできているし、大きな乱れはない。事前に渡しておいた振り付けを、各人がしっかり練習してきている。そこは評価しよう」
肇「よかった……」ホッ
ベテトレ「だが……パフォーマンスが、皆バラバラだ」
美世「パフォーマンス……ですか?」
ベテトレ「表現しようとしている事が、4人それぞれで全く嚙み合っていない。パフォーマンス自体というより、やろうとしている事の方向性が全く定まっていないように見える」
悠貴「方向性……」
ベテトレ「幸い、フェスまでまだ時間はある。振り付けの完成度を高める前に、パフォーマンスの方向性について、まずは皆で話し合ってはどうだろう」
☆ ☆ ☆ ☆
悠貴「ふう……」
美世「悠貴ちゃん、レッスンお疲れさま。よかったら、これ飲んで」
悠貴「あ、ありがとうございます。美世さんもお疲れ様ですっ」
美世「どういたしまして。悠貴ちゃん、ダンスよく出来てたね」
悠貴「えへへ、ありがとうございますっ。ダンスには少し自信があったので、そう言ってもらえて嬉しいですっ」
美世「他のみんなも。合わせるのは今日が初めてだったけど、結構うまく揃ってたと思うんだ」
柚「うん、初めてとは思えないくらい!みんな、とっても良かったと思う!」
肇「よかった……私、踊りにはそこまで自信がないので、今少しホッとしてます」
悠貴「えっ、ホントですか?全然そんな風には見えなかったですけど……」
柚「いっぱい練習してたんだね!スゴイなあ」
悠貴「スゴイですっ!一人でそこまでしっかり仕上げてくるなんてっ」キラキラ
肇「あ、ありがとう……照れますね」
美世「……でも、ダンスはちゃんと出来てたかなって思うだけに、さっきのトレーナーさんの言葉が引っかかるね」
悠貴「『方向性が定まってない』って言われちゃいましたもんね……」
肇「合わせたのは今日が初めてですし、方向性についてはこれから少しずつ定めていけばいいかなとも思いますが」
美世「確かにそうかもしれないけど……うーん」
柚「……あのさ、ちょっと思ったんだけど」
美世「柚ちゃん?どうしたの?」
柚「今回のユニットって『春』がテーマだよね?でも『春』って言ってもさ、色々あると思うんだよね」
悠貴「あ……」
柚「ユニット名決める時も『春といえば?』って聞かれて、皆いろんな答えを言ってたじゃん?もしかしたらさ、ユニットの方向性だけじゃなくて……その前の『春』に対する考え方が、みんな違うんじゃないかって」
肇「なるほど……確かに、ただ『春』と漠然と考えていただけだったのかも。根元が揃っていなければ、出てくるものの方向が違うのも当たり前かもしれません」
美世「ユニットとしてまとまりを作るだけじゃなくって、自分たちの考え方を一つにまとめる必要があるのかもしれないね」
悠貴「そっか……でも、どうすればいいんでしょう。みんなの思う『春』を、一つにする方法……」
肇「柚ちゃん、何かアイデアはありませんか?」
柚「えー、柚に聞かれてもなー……難しいことはわかんないや。それよりさ、レッスン終わったしどっか遊びに行かない?」
悠貴「い、言い出しっぺなのに……」
美世「……いや、それいいかも」
肇「え?」
美世「みんなでどこかに一緒に……そう、みんなで『春』を感じに行くの!こうやって考えてるだけじゃなくて、実際にいろんな所に行ってみて『春』を体感するっていうのはどうかな?」
柚「あっ、それ絶対面白いじゃん!やろうやろう!」
肇「柚ちゃん、面白そうっていうだけで乗ってませんか……?」
悠貴「でも、確かに皆で一緒に春を過ごせば、皆の考え方も自然にまとまってくるかもしれません。いいアイデアかもっ」
美世「となれば、あとはどこに行くかだね。春を感じられるところ、どこかに無いかな?」
悠貴「そうですね……私の地元に桜の有名な所があるんですけど、ちょっと遠いかなぁ」
肇「いえ、折角ですし行ってみるのもいいんじゃないでしょうか。……そうだ、私の実家なら、私たち4人と、あとPさんなら十分泊まれると思いますよ」
柚「ホント?皆で合宿しちゃう!?」
悠貴「いいんですかっ?合宿なら、みんなの仲ももっと深められますねっ」
肇「それに、実際に岡山まで行けば、場所が分からないなんてこともないと思いますし」ジトッ
柚「あっ……ゴメンね」
美世「と、ともかく、皆がいいんだったら、折角だしそうしよっか!」
悠貴「岡山でお花見……それに、肇さんの実家で合宿!楽しみだなあ……!」
今回分はここまでです。
次回は少し間が空くかも
―数日後。岡山・肇の実家―
柚「というわけでっ!我々一同は岡山にやってまいりましたーっ♪」
悠貴「どこに向かって喋ってるんですか?」
肇「新幹線だと、東京から岡山もあっという間ですね」
美世「旅行なら車で!と思ったけど、流石に岡山までは厳しいかな……でも、たまには電車もいいよねっ」
悠貴「お花見に行くのは明日ですよね。今日はどうしましょう?」
肇「今日は特に予定もないので、うちでのんびり過ごしましょう。田舎なので、自然くらいしかありませんが」
柚「ねえねえ、肇チャンの実家ってことは、アレないのアレ?あのほら、こう回すやつ。くるくるーって」
美世「ろくろのことかな……?」
肇「そう言うと思って、陶芸の準備もしてもらってます。折角ですし、皆でやりましょう」
柚「いいの!?あれ一回やってみたかったんだよね」
悠貴「陶芸って、やるの初めてです……上手くできるかなぁ」
肇「大丈夫ですよ。私がちゃんと教えてあげますから」
美世「肇ちゃんも、結構ノリノリ?」
肇「ふふっ、そうかもしれません。陶芸、大好きですから」
☆ ☆ ☆ ☆
肇「皆さん、着替えは済みましたか?」
悠貴「はいっ!バッチリです!」
肇「いいですね。えんじ色の作務衣、よく似合っていますよ」
悠貴「本当ですか?ありがとうございますっ」
柚「作務衣って初めて着たけど、動きやすくていいね。普段着にもいいかもっ」
肇「作業の時に動きやすいように、という服ですから。最近は、普段着や寝間着としても人気がありますね」
美世「あたしも作務衣は初めてかなー。車いじりの時は作業着を着たりするけど」
肇「そういう作業着とはまたタイプが異なるかもしれませんね。汚れないようにっていう意味では近いかもしれませんが」
悠貴「土がついちゃったら、落とすの結構大変ですもんね」
柚「これだったら、ちょっと汚れちゃっても大丈夫だね。準備万端だっ」
肇「それじゃ、早速始めていきましょうか。まずはろくろの使い方からですね」
☆ ☆ ☆ ☆
悠貴「そーっと形を整えて……こんな感じですか?」
肇「そうそう、いい感じです。悠貴さん、筋がいいですね」
悠貴「ありがとうございますっ」
肇「これはコップですか?」
悠貴「はいっ。ミックスジュースをよく作るので、そのときに使えたらなって」
肇「なるほど。悠貴さんは大丈夫そうですね。他の2人の様子を見てきますね」
柚「うわっ、グニャグニャになっちゃった……肇チャン、助けて~」
肇「あらら……一気にやろうとすると良くないですよ。落ち着いて、じっくりと形を作っていきましょう」
柚「ろくろって思ったより難しいなあ……でも、なんだか土をこねてるだけでも楽しいね」
肇「そうですね。器を作る事もですが、土に触れること自体にも陶芸の楽しさがあると思います」
柚「あんまり無理に何か作ろうとせずに、気ままに土で遊んでみるのもいいかも。もう少しやってみるね」
肇「はい。柚ちゃんのことですし、気楽にやるのがいいかも。そうすれば、何かインスピレーションがわいてくるかもしれません」
美世「ねぇ見て見て!これ、結構上手くできたと思わない?」
肇「素晴らしいですね、この曲線美……」
美世「このラインを出すの、結構大変だったんだよねー」
肇「まるで本物みたい……今にも走りだしそうです」
美世「でしょ!?今からエンジンを作ってそのあとサスとトランスミッションを……」
肇「って、何で車の模型を作ってるんですか!?」ガーン
美世「いやー、ちょっとやってみようと思ったら思いのほか熱が入っちゃって」
☆ ☆ ☆ ☆
柚「うーん、楽しかったなあ」
肇「焼きあがるまでは1週間ほどかかるので、焼きあがったら事務所に送ってもらうようにしておきますね」
美世「……それにしても、作ろうとしてるものが皆本当にバラバラだったねー」
悠貴「美世さん、結局車の模型はどうしたんですか?」
美世「あれは焼くのは無理みたいだったから、写真に収めてそのあとは普通にお茶碗を作ったよ」
悠貴「なるほど。柚さんは?」
柚「アタシはねー、小物入れみたいなやつ!いろいろ入れるのにいいカナーって」
悠貴「あっ、それいいですね。食器にこだわらなくても良かったのかあ」
肇「ふふっ。皆の意図することが全く違って、見ていて面白かったです」
美世「みんなの考えることが、こんなに違うなんてね。確かに面白いなあ」
悠貴「あ……でも、ここに来る前に、トレーナーさんから『皆のやることがバラバラだ』って言われちゃってたんですよね……」
肇「そういえばそうでしたね。ユニットとしてまとまりを持たせないといけない、という話だったのに……やっぱり、このままじゃ良くないのかな」
柚「……うーん、でもさぁ。折角なんだし、皆のやりたい事をやらないともったいないと思わない?」
美世「そうだよ。無理やり皆で一つに合わせようとするより、皆の個性をしっかり活かしていくっていう方に考えた方がいいと思うな」
肇「それは……いや、確かにそうかもしれません。皆で合わせようとするあまり、個々の良さを消してしまっていたら意味がありませんよね……」
悠貴「それもそっかぁ。皆で何か一つのことに集中するんじゃなくて、個々人の良さを持ち寄って、それを皆で表現する。それも一つのあり方なのかも」
美世「春にもいろんな表情があるように……それぞれの個性を持ち寄って、いろんな『春』のかたちを見せればいいんじゃないかなっ」
肇「なるほど……少し、私たちのユニットのあるべき姿が、見えてきたような気がします」
美世「あとは、皆の思う『春』のかたちをもっと明確にすることかな。明日のお花見で、何か気付くことがあればいいな」
肇「そうですね……柚ちゃん、聞いてました?」
柚「聞いてたよ。お花見が楽しみだなーって所は」
悠貴「最後だけじゃないですかっ!」
美世「あははっ。柚ちゃんはマイペースだねえ」
柚「ねね。それよりさ、ずっと集中してたからお腹すいちゃったなー」
肇「はいはい。今晩御飯の準備をしてもらっていますから、ちょっと待ってくださいね」
今回分はここまでです。
次も遠くなりすぎないうちに書きたい
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