奈緒「さーて、晶葉から借りたゲームでもやるか……」 (51)

――夜、神谷家(奈緒の部屋)

奈緒「おっと、もうこんな時間か……そろそろやるか」ガサガサッ

奈緒「ふう、まさか晶葉からこんなゲームを借りるとは……」ガサッ

コトッ……

奈緒「ついにあたしも同人ゲームに手を出してしまう、か……」


……
…………

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――同日昼、事務所


晶葉「おーい、奈緒ー」


奈緒「ん、どうした?」

晶葉「いやなに、少し用事があってな……もう帰るのか?」

奈緒「今日は午前中の仕事だけだったし、この後はオフだから出かけようかと思ってさ」

晶葉「なんだ、加蓮と一緒か?」

奈緒「ま、まあ……」

晶葉「まあそこら辺は好きにしてくれといったところだが……実は頼みたいことがあってな」

奈緒「やだ」

晶葉「まだ何も言ってないぞ」

奈緒「いーや、絶対に晶葉からの頼み事なら何か裏がある! 普段から色んなもの作ってるし、なんか研究室からヤバい音とかも聞こえてくるし……」

晶葉「失礼な、天才を何だと思ってるんだ……まあいい、ほら」

奈緒「なんだこれ? まさか……」

晶葉「ああ、ゲームだ。俗に言うノベルゲームとか、ギャルゲーとか、そういうジャンルだったはずだ」

奈緒「ふ、ふーん……ノベルゲームか。ギャルゲーね、ギャルゲー」

晶葉「ちょっと興味があったから試しに作ってみたんだ。一通り完成したからテストプレイヤーを探していたところだったんだが……」


晶葉「というわけで奈緒、やってみてくれないか?」


……
…………

――夜、奈緒の部屋

奈緒「結局押し切られてプレイすることになったんだよなー、仕方が無いよなー」

奈緒「まっ、最近あたしも色んなゲームやってたし、こういうのに手を出すのも悪くないよな」

奈緒「しかし晶葉が作ったってことは二次創作の同人ゲームってことか……」

奈緒「えーと、タイトルが……何なに? 『機神絢爛ダイオウカー』……うわあ、パッケージがバリってるぞ」

奈緒「……ま、いいか。とりあえずさっさと始めよう」

奈緒「えーっと、確か晶葉がメディアの中にマニュアルがあるって言ってたな。大したこと書いてないだろうけどちょっと読むか」カチカチッ

カチッ

奈緒「……PCの動作環境とか、それくらいしか書いてないな……ん? 『このゲームは22時から翌日5時までの間でプレイすること! 必ずこれは守ること!』あたしは子供かっ!」ウィーン

奈緒「まあ、0時くらいまでなら何とか……5時までやってたら次の日あたしが仕事できないからな。あと書いてることは……」


奈緒「……ふーん、チェックポイントね。ふーん」


奈緒「おっ、インストールが終わったな。それじゃあ、イヤホンつけてやるか」

――――
――



『それは虚ろにたゆたう炎』

『繰り返されるは魂の邂逅』

『結ばれるは永遠の契り』



『そして……解き放たれるは、永劫の深淵』

『全てを照らす、黄金の意思』


……
…………

――地球、日本(東京)

P「ん?」ピクッ!


『本日より、お台場ダイバーシティにてサマーナイトカーニバルが開催されます! 黒川重工が提供する――』


P「気のせいか……何か聞こえた気がしたが」

ヴヴヴヴヴ!!

P「ん、電話……はい、Pです」

P「はい……はい了解しました。15時にはお伺いしますので、はい……はい失礼します」ピッ!

P「はぁ、再就職先を決めるのもしんどいな……まさかタレント事務所に就職することが出来たと思ったら、3年でクビになるとはなぁ」

P「補助が出ているうちに就職先も決めておかんとな……さて、次のトコにいくか!」


……
…………

――???、ブラックパールガーデン、ブラックパール城(書斎)

コンコンコンコンッ!

千秋「どうぞ」

翠「失礼します」

千秋「あら、翠さん……どうしたのかしら、そんな顔をして」

翠「開発室から連絡がありました。観測機、ヤタノカガミが起動したようです」

千秋「……そう」

翠「驚かれない……のですか? ついに、この日が来てしまいましたのに……」

千秋「確かに、来ないほうが平和ね。だけど、黒川重工……いえ、黒川はこの日のために準備を進めてきたもの」

千秋「彼女たちは?」

翠「そろそろ学校から帰っている頃だとは思いますが……既に何人かは、屋敷のほうに」

千秋「すぐに全員を呼び戻して。あと、あの男は?」

翠「衛星監視で見張っています。東京にはいるみたいですが……」

千秋「そう、それならそっちの準備もお願い。彼には……頑張ってもらわないといけないものね」

翠「分かりました。私のほうで直接お連れします」

ガチャッ……パタンッ!


千秋「……はじまるのね。この世界……破壊者から、地球を守るための……戦いが」


……
…………

――東京(新宿)

P「ええと……会社のビルは……」


???「まっ、待ってー! 待ってくださいー! 誰かぁー!!」


P「ん?」クルッ

「おらっ! そこどけお前!!」

???「ド、ドロボー!!」

P「こいつか」シュッ!

ズドンッ!!

「あがっ……!?」

ドサッ……

P「ふぃー……っと、この鞄か? おいひったくり、手放せ」グイッ!

???「あ、あ、あのっ!」

P「この鞄、お嬢ちゃんのかい?」

???「いっ、いえっ! わ、わたしゅいのじゃなくて……あそこにいるお婆さんの……」

P「そっか。じゃあこれ、お婆さんに渡してやってくれ。俺は急いでいかなきゃならないところがあるんだ」

???「そうだったんですか……すみません、ありがとうございますっ! あの、さっきの……す、凄かったです!」

P「……」



『P……貴方に教えることは、もう無いわ……後は、貴方の意思で……誰かを、守りなさい……』



P「……」

???「あ、あのー……?」

P「ん……ああいや、何でもないよ、ありがとう。それじゃ、俺はこれで」

???「あ、はっ、はい!」


……
…………

――ブラックパールガーデン、ブラックパール城(司令室)

パシュンッ!

千秋「ヤタノカガミの状況は!」

楓「あ、千秋ちゃん、お疲れ様です」

美優「黒川指令……はい、月からのデータを受信しています……映像、出します」カタカタカタッ!

ピピピッ!

フォンッ……

楓「……大きいですねぇ」

美優「宇宙から、こんな大きな物が……これが、破壊者……」

パシュンッ!

晶葉「今は開発室で初期解析を行っている。暫定コード名はティターン、随分とデカイ図体の奴だ……巨大な両腕についての解析を優先させている」

楓「ゴリラの親戚ですか?」

晶葉「形状としては、まあそんなものだ。特殊な得物は持っているようには見えないが……これが破壊者、機械生命体か」


周子「いいんじゃないのー?」ゴロッ


晶葉「ん、いたのか狐」ピクッ

周子「よーやくイベント始まったんでしょ? なら、来ないと勿体無いやん?」

周子「それに……見ておきたいでしょ、やっぱり」

晶葉「……そうだな。指令、パイロットはどうした?」

千秋「3人は戻ってきているわ。2人はまだ……いるメンバーだけでも、先にブロッサムディーヴァに向かわせているわ」

晶葉「ツクヨミヒメはどうした? アレに乗るパイロットは戻ってきていないのか……分かった、私はとりあえず開発室に戻る」

周子「あれ、帰るの?」

晶葉「私には私のやることがある。お前も、暇なら手伝いでもしたらどうだ?」

周子「ま、テキトーに気が向いたらやってあげる」

美優「そ、そうですか……」

晶葉「ではな」

パシュンッ!


千秋「ブロッサムディーヴァの発進準備を! パイロットが搭乗次第出撃、破壊者ティターンの降下予測ポイントに向かわせて!」

楓「分かりました。格納庫、聞こえますか? ブロッサムディーヴァの発進準備お願いします」

美優「黒川指令、ティターンが大気圏を抜けました……降下予測ポイント、日本です」

……
…………

――東京(新宿)

P「はぁ……面接ダメだったか。次の会社、良さそうなところだったんだがなぁ……」

P「他に中途採用を募集している企業は……」ピッ、ピッ、ピッ


『P……貴方に教えることは、もう無いわ……後は、貴方の意思で……誰かを、守りなさい……』


P「母さん……俺は誰かを守る以前に、明日の我が身すら守れないかもしれんよ……」

ピピッ!

P「ん? 端末に緊急速報……政府から通達、関東圏上空に謎の飛行物体を観測……は――」


ズドオオオオオオオオオンッ!!!!


P「うおおおおおおわあっ!?」


……
…………

――ブラックパールガーデン、ブラックパール城(格納庫)

整備士「各機についての整備は完了しています。搭乗後、コンソールに表示されている指示通りに刻印を同調させてください」

紗枝「練習のとおり、やろ?」

珠美「シミュレーターでの訓練はバッチリです! 人々の剣になるこの日、珠美は待っていました!」

整備士「あら? そういえば貴方達の他にも、もう1人はいるって……」

シュッ!

あやめ「ニンッ……あやめはこちらにいますので」

紗枝「天井にぶら下がって、整備士はんのお話もよう聞こえんとちゃいますか?」

整備士「まあ、いるなら問題ないわ。ツクヨミヒメについてはパイロットが到着次第出撃させます。貴方達は割り当てられた機体で出撃して頂戴」

珠美「分かりました!」

あやめ「精神を研ぎ澄まし……いざ、初陣……!」シュッ!

紗枝「ほな……いきまひょか」

……
…………

――東京(新宿)

ティターン「……!!」


P「な、なんだアイツ……え、何、特撮映画?」


ギュンッ!

ギュンッ!


P「あれは……政府軍の戦闘機か!?」


ボシュシュシュシュッ!

ドガアアアアアアアアンッ!!


P「ミサイル……あんなビルくらい大きいデカブツ相手に通用するわけないだろ!」

ティターン「……」ゴゴゴゴゴ……!!

ブォンッ!!

ドガアアアアアアンッ!!

P「軍の戦闘機がやられた……アイツ、あれだけデカイくせにあんなに素早く腕を振り回せるのかよ……!」


『政府による緊急避難警報が発令されました。国民の皆さんは、お近くの地下シェルターに避難してください。繰り返します、政府による緊急――』


P「そんな、逃げろったって!」タタタタタッ!

P「シェルター……シェルター……ここから一番近いところは……!」バッ!

ドンッ!

???「きゃああっ!?」ドサッ!

P「っ……す、すみませ……君は!」

???「ふぇ……あ、さ、さっきのお兄さん……」

P「君、まだこんなところにいたのか! 早く近くのシェルターに!」

???「い、いえっ! 私、早く帰らないと……」

P「何言ってんだ! 家に帰るより避難が先だろう!」

???「で、でも……」


キキーッ!!


P「車……?」

ガチャッ!

翠「歌鈴さん、お待たせしました」

???(歌鈴)「あ、翠さん! よかったぁ……私、ここから走ってお城に帰らなきゃならないんじゃないかって……」

P「保護者か……あんた――」

翠「P様ですね。丁度良かった……貴方もいらっしゃるとは、こちらも探す手間が省けました」ビュッ!

P「なっ……!?」サッ!

ガキィンッ!!

翠「っ!?」ググググッ!

P「なにすんだ! お前……抜いてないとはいえ刀の鞘って……!」ブンッ!

翠「失礼しました。この状況下での冷静な判断、身のこなし……」スッ……

翠「監視していたとはいえ、これほどまでの仕込みをなされていたとは思いませんでした」

P「……何の話だ?」

歌鈴「お兄さん、今翠さんの刀を受け止めた鞄の中に何入れてるんですか?」

翠「詳しい話をしている時間もなかったので、少々強引にと思いましたが……率直にお話をします」

P「なんだ、お前たち……」


翠「P様、貴方には……この世界の剣になってもらいます」


……
…………

――ブラックパールガーデン、ブラックパール城、カタパルト(機体内)

紗枝「ぶろっさむきゃりあー……しすてむ起動、各機でーたしんくろ確認……」カタカタカタッ!

珠美『ドリラーも大丈夫です! いつでもいけますよ!』

あやめ『ストライダーも完了、忍装束……否、パイロットスーツとのダイレクトリンク!』

紗枝「刻印……同調!」ガションッ!

パアアアアアッ!!

あやめ『んっ、くっ……!』

珠美『こっ、これは……』

紗枝「んっ、はぁっ……う、うちの中の、刻印が……熱くなって……あっ、あんっ……ああああっ!!」



[1-1]


……
…………

――ブラックパール城(司令室)

楓「ブロッサムキャリアー、ドリラー、ストライダー、3人のパイロットが刻印同調を開始しました」

美優「シミュレーターの結果から……想定していた以上の時間が掛かっています……パイロットのバイタル値、上昇しています……」

千秋「そう……刻印の力が強い彼女達でも、法術の補助があっても辛いということね」

周子「いやー、大変たいへん。あたし留守番でよかったー」

ピピッ!

楓「3機の同調、完了しました。機体出力も安定しています」

ピピピッ!

晶葉『おい、政府軍の奴らがちょっかいを出し始めている。奴らのせいでティターンが余計に暴れている、早く出撃させたほうがいい』

千秋「歌鈴さんは?」

楓「まだ……新宿みたいですね。お土産買ってきてもらおうかしら……」

美優「そ、そういう場合じゃないです……」

晶葉『ツクヨミヒメをオートパイロットで行かせるか? こっちに戻ってくるより現地で搭乗したほうが早いだろう」

千秋「そうね……それじゃあ」



千秋「桜霞、ブロッサムディーヴァ……出撃!」


……
…………

――東京(新宿)

ピピピッ!

翠「はい、私です……ツクヨミヒメをこちらに……分かりました」ピッ!

歌鈴「ツクヨミヒメがこっちに来るんですか?」

翠「そのようです。パイロットスーツはコックピットに収納されているそうです」

P「おい、お前たち、さっきから何の話を……」

翠「間もなく分かります。あの破壊者、機械生命体のほうを見てください」

P「破壊者……?」


ティターン「……!」


ズドォンッ!!

ドガアアアアアンッ!!!!

ティターン「!?」


P「なんだ!? 新しい戦闘機……でも、政府軍の戦闘機とは違う……」

歌鈴「ブロッサムディーヴァですよ!」

翠「初回起動は問題なさそうですね……歌鈴さん、間もなくツクヨミヒメも来ます。準備をお願いします」

歌鈴「は、はいぃっ!」


……
…………

――戦闘区域

あやめ「同調が思っていた以上に大変でした……ですが、それだけの力があやめたちには秘められています!」

ガションッ!!

あやめ「虚空を舞うあやめを捕らえることなど! ブロッサムミサイル!!」

ボシュシュシュシュシュッ!!

ズドドドドドドッ!!

珠美『あやめ殿! 効いているみたいですよ!』

紗枝『せやけど、いまのままやとあきまへん、いまのうちに……』

ティターン「!!」

ブォンッ!!

珠美『秘剣! ドリル……アターック!!』ギュルルルルルルッ!!

ガガガガガガガガガッ!!

あやめ「紗枝殿! あやめたちが奴を引き付けている間に、ツクヨミヒメを歌鈴殿に!」

紗枝『歌鈴はん、れーだー……こっちや!』

ギュンッ!

……
…………

――東京(新宿)

ガガガガガガガッ!!

P「うわっぷっ!?」

翠「キャリアーが来ましたね」

P「なんだこりゃ……めちゃくちゃデカイ……車か?」

パシュンッ!

紗枝「歌鈴はん!」

歌鈴「紗枝ちゃん! ツクヨミヒメは?」

紗枝「かーご開けて、あとは邪魔やし接続解除……」カタカタカタッ!

ガコンッ!!

P「これは……なんだ、巨人……?」

歌鈴「ツクヨミヒメ……!」

翠「ツクヨミヒメ……歌鈴さん、急いでください」

歌鈴「はいっ!」タタタタッ!

紗枝「……翠はん、その人は?」

翠「P様です。これから……あなたたちの指導者になる方です」

P「え、あの、聞いてないんですけど、え?」

紗枝「そう……うちらの邪魔だけは、せんといて」スッ……

パシュンッ!

ガガガガガガガッ!!

P「な、なんだあの子……」

翠「司令室、ツクヨミヒメが来ました。歌鈴さんが搭乗中です。後はそちらの指示に任せます」ピピピッ!


……
…………

――戦闘区域

歌鈴「はぁ、はぁ……刻印同調、た、大変だった……けど、上手く出来てよかった……」

ピピピッ!

珠美『歌鈴殿! ツクヨミヒメは大丈夫ですか!』

歌鈴「う、うん!」

あやめ『これで陣形が組めます。戦闘は人型のツクヨミヒメを中心に、あやめたちは支援砲撃を!』

歌鈴「そ、それじゃあ……やあああああっ!」

バゴォンッ!!

ティターン「!?」

歌鈴「うっ、ぐううううう……!」グググググッ!

珠美『おおっ! 破壊者と取っ組み合いをして互角ですよ!』

紗枝『珠美はん! いまのうちにうちらも援護を……ぶろっさむびーむ!』ズドォンッ!

ドガアアアアアアンッ!!

ティターン「……!」

あやめ『ツクヨミヒメが来たとはいえ、中々に厄介な相手……このままでは……!』

ピピピピピッ!!

歌鈴「えっ、新しい反応……?」

ギュンッ!

ズドォンッ! ズドォンッ! ズドォンッ!

ドガアアアアアンッ!!

ティターン「!!」

???『……』

珠美『なんでしょう、あれは……飛行機ですか!?』

あやめ『いえ、あの形……ブロッサムディーヴァ……まさかあやめたち以外の……』

ピピピッ!

楓『みなさーん、聞こえてますか?』

紗枝『楓はん?』

楓『今来てくれたのはブロッサムウイングです。ブロッサムディーヴァの1機で、味方だから安心してください』

歌鈴「よ、よかったぁ……」

千秋『そう、ブロッサムウイング、キャリアー、ドリル、ストライカー、そしてツクヨミヒメ……全てが揃ったわ』

千秋『桜霞……今こそ、月下転身よ!』

歌鈴「え、何ですか? げっか?」ピピッ!

フォンッ……

歌鈴「スクリーンに……こ、これ、合体でしゅか!?」


千秋『そう……今こそ全ての力を一つにし、破壊者を打ち砕く剣になりなさい!!』

あやめ『合体の陣……なるほど、それではいざ!』

珠美『珠美たちの力を一つに!』

紗枝『歌鈴はん!』

歌鈴「は、はいぃっ! フィールドジェネレーター、起動!」バッ!

パアアアアアアアッ!!!!

???『……でしてー』

ティターン「!?」


歌鈴「い、いきますっ! 月下……転身!!』


……
…………


――東京(新宿)


P「あれは……4機の戦闘機と、巨人が……合体している……!?」

翠「そうです。あれが世界を守る剣、その名も……」



……
…………

――戦闘区域

珠美「フィールドジェネレータ確認しました! ブロッサムドリラー、腕部パーツに変形しますよ!」

ブッピガンッ!

あやめ「ストライカー変形! ツクヨミヒメの左腕に接続……新たな装束です!」

ブッピガンッ!

紗枝「ぶろっさむきゃりあー分離、ええ履物やわぁ。月読命姫の足に接続……!」

ブッピガンッ!

???「……でしてー」

ブッピガンッ!

歌鈴「ブロッサムウイング、装甲展開……ツクヨミヒメの胸部への接続確認、出来ました!」

パシュウウウウウンッ!!


「「「「降臨! ダイオウカー!!」」」」


……
…………

――ブラックパールガーデン、ブラックパール城(司令室)

美優「あれが……ダイオウカー……」

楓「はじめての合体、成功しましたね」

晶葉『ああ、これが世界を守る剣……スーパーロボット、ダイオウカーだ』

周子「ふぅん……ええやん、ここからでも感じてくる、人間の力との融合……」

晶葉『どうだ狐、お前が見たかったものか?』

周子「さあ、どうだろ? これが見たかったのか、それとももっと別の……」


千秋「さあ、ダイオウカー! 世界の守護者として……剣を呼びなさい!」


……
…………

――戦闘区域、ダイオウカー(機体内)

ピピッ!

歌鈴「これ、認証コード……全てを断ち切る、剣……」

あやめ『歌鈴殿!』

紗枝『うちらの刻印の力が残っとる間に!』

珠美『剣を呼んでください!』

???『……でしてー』

歌鈴「はいっ! フィ、フィールドジェネレーター起動!!」


歌鈴「来てください……くっ、く……くしゃ薙剣!!」

パアアアアアアッ!!!!


ヒュカッ!!

ティターン「!?」


ズドオオオオオオンッ!!!!


……
…………

――東京(新宿)

P「空から巨大な剣が……ど、どこから……?」

翠「あれが草薙剣、魔を絶つ絶対の剣です。そう、世界を守るための……」

P「まも、る……」


『貴方の意思で……誰かを、守りなさい……』


P「俺が……俺も、誰かを守る、剣に……」

P(母さん、俺は……)

……
…………

――戦闘区域

歌鈴「私たちの刻印が燃えている……この一撃で、破壊者を倒さないと!」

あやめ『ブロッサムミサイル、全弾発射!!』

ボボボボボボボッ!!!!

ズドドドドドドッ!!

ティターン「……!!」

珠美『歌鈴殿、今です!』

歌鈴「ブロッサムストーム!!」

ビュオオオオオオオオッ!!!!

ティターン「……! ……!!」ググググッ!!


歌鈴「桜! 花! 斬!」ヒュカッ!!

ズバアアアアアアアッ!!


ティターン「……」ググ……

ドガアアアアアアアンッ!!!!


歌鈴「悪鬼、滅殺……!」


……
…………

――ブラックパールガーデン、ブラックパール城(司令室)

楓「草薙剣、次元断層を発生……収束を確認。ティターンの反応、消滅しました」カタカタカタッ!

美優「各パイロットのバイタル……イエローゾーン……刻印が、何とか持ったようです。よかった……」

晶葉『空間をも斬り裂く草薙剣、次元振動からのプロセスをスキップし、次元断層を発生させ収束させる。空間への影響も問題ない』

千秋「……私たちの勝利、ね」

周子「最初の1勝、このまま続けばいいけどねー」

晶葉『破壊者が来たということは、地球の存在を認識したということだろう。これから、長い戦いになりそうだな』

千秋「そうね。そう……これから……晶葉さん」

晶葉『なんだ?』

千秋「高峯の残した資料、データに纏めてあるものを私の端末に送っておいて頂戴」

晶葉『構わんぞ。私も丁度、確認し直そうと思っていたところだったからな』

千秋「……そう、これからはじまる。これから」

……
…………

――数時間後、ブラックパールガーデン、ブラックパール城(書斎)

コンコンコンコンッ!

翠「失礼します」ガチャッ

千秋「あら翠さん、お帰りなさい」

P「……」

千秋「そう、連れてきてくれたのね」

翠「はい。ある程度のお話は移動中に……私たちの話を理解して頂けたと思っていますが」

千秋「ありがとう……少し、彼と話をしたいわ。翠さんは桜霞のみんなの様子を見てきてくれないかしら」

翠「みなさんの、ですか? それは……」チラッ

P「……」

千秋「刻印の消費が、想定した以上のものだったの。今は全員メディカルルームに行っているわ……今日からというのは、多分難しいわね」

翠「……分かりました。では、私は失礼します」

パタンッ!

千秋「さて……まずは自己紹介、かしらね。私は黒川千秋……この城の主よ」

P「……俺は――」

千秋「貴方のことは知っているわ。そうね……Pさん、と呼ばせてもらうわ。私たちに協力してくれるそうで、礼を言わせてもらうわ」

P「何故俺なんだ」

千秋「何故? それは刻印を持つ者だから。ダイオウカーに乗ったあの子たちと同じ……いえ、それ以上の……」

P「ダイオウカー……町でデカブツと戦ったロボットか」

千秋「ええ、黒川が長い年月を掛けて造った、世界を守る剣……刻印を持つ者でなければ動かせない、力の象徴」

P「刻印……?」

千秋「そう、ダイオウカーに乗った彼女たちは、自分の中に刻まれている刻印を使って、ダイオウカーを操る……それは、己の命を燃やすことと同じ」

P「そんなことを……あの子にさせているのか! 命を燃やすだなんて……!」

千秋「その命を繋ぐために、貴方が必要なのよ」

P「俺が?」

千秋「貴方に刻まれた刻印が、彼女たちを救う……貴方は彼女たちを守る盾、そして共に戦う剣」

千秋「剣と盾、貴方には両方を担ってもらう……やってもらえるかしら?」

P「……」


『貴方の意思で……誰かを、守りなさい……』


P「……よく分からないことだらけだが、やってやる。誰かを守る剣になれるなら……俺に、出来るなら!」

千秋「ふふふっ……そう、ありがとう。それなら、これからは共に戦いましょう」


[1-2]


……
…………

――翌日、ブラックパール城(司令室)


P「ええええ……」


千秋「彼が今日から加わる新しい仲間よ。主担当は桜霞の指導、副担当はダイオウカーのサポートになるわ」

翠「先日は、大変失礼なことをしてしまい申し訳ありませんでした。これからは、よろしくお願いします」

楓「この人が……桜霞の指導者、プロデューサーですか?」

美優「こっ、この人が……この人……」

周子「ふーん……ほう、ほうほう……これは楽しみだねー。こうなるよね、やっぱり」

P「すみません、その頭に付いている耳はコスプレですか?」

周子「違うよ、これ自前」ピョコピョコ

P「あっ、そう……」

晶葉「ダイオウカーのサポートプランはいくつか立てているが……まあ、どうするかはこれから検討していくか」

P「で、こっちが……チーム桜霞のみんな、か。えっと、よろしく……」


紗枝「ふうん……」

珠美「よ、よろしくお願いします」

あやめ「あやめたちの主となる方、ですか……ふむ」

P「まあ、仲良くやっていけたらいいなと、思っているから……」

歌鈴「……あ、あのっ!」

P「ん、なんだい?」

歌鈴「き、昨日は、そのっ、あ、ありがとうごじゃいましたっ! お、お兄さ……じゃなかった、Pさんも一緒に戦うとは、思っていませんでしたけど」

歌鈴「こっ、これっ、からも……よろしくお願いしますっ!」

P「……ああ、よろしく」


――――
――

――早朝、奈緒の部屋

奈緒「……やべっ、もうそろそろで5時か。確かプレイは22時から5時までって書いてたな……キリがいいし、今日はこれでやめるか」カチカチッ

奈緒「……」

奈緒「ううん……事務所のみんなのそっくりさんが出てくる同人ゲームか……」

奈緒「まあ、うん、いや……歌鈴とか紗枝がスーパーロボットに乗ってるって何か違和感しかないというか、ていうかこれやっぱりノベルゲームっていうか……チェックポイントね、うん」

奈緒「どうしようかな、これ……こう、パイロットスーツも最近のアニメにありがちな、ほんのりエロスが漂うデザインで、しかも知り合いに似た奴らが着てるとか……」

奈緒「……ま、とりあえず、一周くらいはやるか……うん」


奈緒「……あ、そういえば今日仕事……少し寝よ……」

……
…………

終わり。HTML化依頼出して終了

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