モバP「だりやすかれんの4月バカ」 (19)



―――事務所


がちゃり


加蓮「おはようございまーす。あったかいねー」


泰葉「あ、おはよう加蓮。もう4月だね」

加蓮「おはよ泰葉。……泰葉、だいっきらい!」

泰葉「え? …………あぁ、うん。私も大嫌い」クスッ

加蓮「うんっ。ふふ、ありがと♪」

泰葉「ふふふ。わざわざそんなウソつかなくても……♪」

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加蓮「こういうのはとりあえずやっとかないとね。李衣菜にも言わなきゃ」

泰葉「李衣菜は……どうかな。真に受けちゃったりして」

加蓮「えー、流石にないでしょ。いくらあの李衣菜でも」

泰葉「ふふ、よね。じゃあ挨拶代わりにウソつきましょうか♪」

加蓮「なによ、泰葉だってノリノリじゃない♪」


がちゃ


李衣菜「ふあああぁ……おはよーございまー……」トテトテ…

泰葉「噂をすれば。おはよう李衣菜、大きなあくびだね……また夜更かし?」

李衣菜「おあよやすはぁ……。うん、ちょっとハイラルにね……くぁ、ねむぅ」

加蓮「李衣菜」

李衣菜「んあ、かれんもおは――」

加蓮「アンタ今日朝からレッスンだって分かってるよね? なんで夜更かしなんてするの? 私、李衣菜のそういうとこ嫌い」

李衣菜「」

泰葉(それはリアルすぎじゃない……?)

加蓮(やば、言いすぎたかも)


李衣菜「……ふえ。ご、ごめっ……わたしっ、ごめんかれんん……!!」ポロッ…


((って泣いたあああああ!?))

李衣菜「う、うぅぅ……! もうしない、よふかししないからぁ……!」メソメソ

加蓮「ちょっ待ってごめん李衣菜ウソ違うからごめんごめんごめんね!?」

泰葉「李衣菜、李衣菜! 今日エイプリルフールだから! ね、加蓮が李衣菜のこと嫌うわけないじゃないっ」

李衣菜「うえ、でも、でもぉ……よふかししたのはほんとだしぃ……!」

加蓮「いいの、大丈夫だって! 李衣菜って本番になるとキリッとするでしょ、私そういうところ大好き!」

李衣菜「だいす、……うえぇぇウソなんでしょそれもぉぉ……!」

加蓮「だから違うってば!?」

泰葉「ちょ、ちょっと落ち着こう、ねっ?」

加蓮「――このっ。バカっ。にわかっ!」ポコポコ

李衣菜「いててっ……やー、うん。眠くて頭働かないことあるじゃん?」

泰葉「あるけど……。急に泣き出したからビックリしちゃった」

李衣菜「ご、ごめんって。ある意味エイプリルフールっぽかったでしょ?」

加蓮「マジ泣きだったくせに」ジトッ

泰葉「もう。ほんとに嫌いになっちゃうよ?」

李衣菜「あ、あははー……」

加蓮「あぁ疲れた……。李衣菜アンタ、ほんと夜更かし禁止っ。ちゃんと寝なよね?」

泰葉「そうね。新年度になったんだし、少しでも意識変えないと」

李衣菜「ぎ、ギターの練習もしたいし……ていうかそれもあって寝不足なんだけど」

「「返事は?」」

李衣菜「……ふぁい」

泰葉「しばらく強制的に私の家に泊まらせる?」

加蓮「李衣菜の家に泊まりに行くのもいいかもね。見張っとかないと」

李衣菜「ほ、本気かウソか分からない相談やめて……?」

泰葉「どうせ朝ご飯もまともに食べてないんでしょう」

李衣菜「う。それはそうなんだけど……」

加蓮「どうせPさんに起こしてもらってるんでしょ」

李衣菜「も、もう起こしてもらってないよ! ない、ないない! あれから一度もないからっ!」

加蓮「……必死。ウソっぽい」

李衣菜「ウソじゃないって! ね、泰葉なら信じてくれるよねっ?」

泰葉「ん? んー……うん。リイナハホントノコトイッテルヨ」


加蓮「お話しよっか李衣菜ちゃん♡」

李衣菜「やすはーーー!!??」

泰葉「ふふ、あははっ♪♪」



―――


がちゃっ


P「おはようございます……っと、みんな揃ってるな」


李衣菜「――Pさんっ! Pさんからも言ってください、全然信じてくれないよー!」

P「え、はぁ? ど、どうしたんだ李衣菜」

加蓮「Pさん、どっちなのっ? 李衣菜んち何度も行ってるの? ほんとかウソか分かんないんだけど!」

P「わっ、加蓮。……李衣菜の家? いや、前に一度行ったっきりだけど……」

李衣菜「ほらっ、Pさんもこう言ってるでしょっ?」

加蓮「……口裏合わせてるんじゃない?」

李衣菜「えええ!? いい加減信じてよぉ!」

泰葉「ふふ、あぁ可笑しい……♪」クスクス

李衣菜「そもそもどうやってPさんと口裏合わせるの! 今までずっとここで話してたのに!」

加蓮「前々からそういう約束してたのかも……! なにもかも信じらんない、本当のこと話してよ!」

李衣菜「もうどうすればいいの私!?」


P「……なにがあったんだ泰葉」

泰葉「えへ。エイプリルフールですから、私もちょっとウソ……というか、冗談を」

P「冗談? んー…………ん、なんとなく分かった。あとで謝っとくんだぞ?」

泰葉「ふふふ、はい♪」

P「はいはい、いつまでも喧嘩しない。ミーティングしたらすぐレッスンだぞー」ポフポフ

加蓮「待ってよPさん、疑惑晴らしてからにしてっ!」

李衣菜「だから疑惑もなにもないんだってば、一回きりだって起こしに来てくれたのは!」

泰葉「加蓮、加蓮。さっきのはウソだよ。李衣菜は最初から本当のことしか話してないから」

加蓮「え……?」

李衣菜「言うの遅いしなんでウソついたの泰葉!?」

泰葉「えへへ……♪」

P「ふふ、エイプリルフールってそういうものだろ?」

加蓮「…………」


加蓮「……ウソ。ウソっぽい。もう時間だから適当言ってるだけなんでしょ。騙されないからね」

泰葉「え。あ、あれ?」

李衣菜「ちょ……加蓮?」

加蓮「絶対なにかある……! 李衣菜とPさん、なにか隠してる……内緒にしてることあるんじゃない? ううん、あるよね。絶対ある」

P「か、加蓮? なにも隠してないぞ、泰葉がちょっといたずらで」

加蓮「ほんっとうのこと言って。エイプリルフールとかそういうのいいから。ウソじゃなくて本当のこと」

泰葉「だ、だから加蓮、李衣菜は始めからほんとのこと――」

加蓮「 ウ ソ 。……ほんとは違うんでしょ? ね、話して?」ニッコリ

泰葉「目が、目が据わってるよ加蓮……!?」

李衣菜「疑心暗鬼になっちゃった……!」

P「あーあ……。俺知らないからな……」

加蓮「泰葉、李衣菜に弱み握られてるんじゃないの? だから庇おうとしてるとか。そうなんだよね」

李衣菜「あ、あのね加蓮? 一旦落ち着こう、ほんとに。ね、ね?」

泰葉「加蓮ごめんなさい、謝るからっ。だから信じて、ねっ?」

加蓮「うん、信じてるよ2人のこと。落ち着いてもいるし。……だからちゃんと本当のこと話してよ♪」ニコニコ

李衣菜「う、うわぁ……! や、泰葉のせいだからね!?」

泰葉「ごめんなさい、ごめんなさいっ! あぁどうしよう、加蓮が……なんて言ったっけ、ひなみ……なんとか症候群みたいに……!」

加蓮「Pさん、ミーティングちょっと待ってて。2人が正直に話してくれるまで、ね♪」

P「……うん、分かった。ウソは良くないよな」

加蓮「だよねー♪ さ、ほら。私ちゃーんと分かってるよ、李衣菜も泰葉も優しいから絶対話してくれるって!」

李衣菜「Pさーん!?」

泰葉「無理です、私たちには止められませんっ!」

P「ウソついたのは泰葉たちだろ? しっかり弁明しなきゃなー、あはは」

李衣菜「まず私ウソついてないんですけど!?」

泰葉「こ、こんなことになるなんて……!」


加蓮「……ね、2人とも?」ポフ

「「ひぅっ……!」」

加蓮「 も う ウ ソ 言 わ な い よ ね ? 」


きゃあああああああ……!!


P「ウソついたらダメだなぁ、やっぱり」



おわり

というお話だったのさ
あぎょうさん、さぎょうご、いかに?

李衣菜「専用マイク」泰葉「ブローチ」加蓮「内緒」
李衣菜「専用マイク」泰葉「ブローチ」加蓮「内緒」 - SSまとめ速報
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ひとつ前のお話

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