アンチョビ「なぜ、ママさんが大洗のカバさんチームになっているんでしょうか?」 (86)



よろしくお願いしマウス

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カルパッチョ「うふふ」ニコニコ

アンチョビ「おお、カルパッチョ、えらくご機嫌だな」

ペパロニ「そりゃそうッスよ、今日から短期編入で大洗の生徒が来るってらしいですからねー」ニヤニヤ

アンチョビ「あー、幼馴染のたかちゃんか!!」

カルパッチョ「ええ!今日が来るのをどれだけ待ち望んだことか…」

ペパロニ「カルパッチョのヤツ、たかちゃんとの過ごし方をノートにびっしり書いてたんすよ」

カルパッチョ「あ、ペパロニ!それは言わないで」

アンチョビ「まー、いいじゃないか、旧友と親睦を深める事に恥ずかしい事はないんだし」

カルパッチョ「そ、そうですよね!一緒のお布団で寝るとかも…」モジモジ

アンチョビ「ははっ、普段おしとやかなカルパッチョも舞い上がりっぱなしだな」

ペパロニ「そろそろ、時間ッスね」


???「ひなちゃ~~ん!!」

カルパッチョ「!!」




好子「ひさしぶり~ ひなちゃーん!!(たかちゃん真似)」


カルパッチョ「……」

アンチョビ「…このパターンは」

ペパロニ「あれ?ずいぶん老けた幼馴染ッスね」


好子「今日からアンツィオ生なんで、よろしくね!!」

カルパッチョ「……」

アンチョビ「あ、あの…」

好子「なんだ? (カエサル真似)」


アンチョビ「なぜ、ママさんが大洗のカバさんチームになっているんでしょうか?」


好子「ええ、実はね…」




………



数日前

― 大洗 沙織の部屋


 コンコン…


しほ「沙織さん、お邪魔しますよ」ガチャ

百合「次に行く学校を決めようと思いまして」

好子「お誘いに来ました!」

久子「と言う訳で、お茶でもしないか?」


みほ「あ…お母さん」

沙織「ゴホ…し、しぽりん…みんな…ゴメン…」


しほ「!!…体調を崩したんですか?いつ頃から…」


優花里「一昨日までは、学校に来ていたのですが、昨日は欠席でした」

華「それで、今日も欠席でしたので、帰りに皆でお見舞いと思いまして」


しほ「そうだったの…」




しほ「熱は…高いわね…」

しほ「沙織さん、食欲はある?」

沙織「ううん…」

しほ「病院は行った?」

沙織「ウチに風邪薬があったから…」

好子「ダメよ、病院で診てもらわないと、車を取ってきますね」

百合「…スンスン…少し酸っぱい匂いが…吐きましたね?」

沙織「ちょっとだけ…」

好子「わかりました、家から替えの布団も持ってきます」

久子「湯を沸かしておく、麻子、沙織の着替えを用意しろ」

麻子「あ、うん、わかった」

しほ「沙織さんの身体を拭いたら、空気を入れ替えますよ」

沙織「あ、ありがと…」


みほ「…す、すごい」

華「…手際が」




好子「では、沙織さんを病院まで連れて行きますね」

しほ「お願いします、その間に私達は部屋を掃除しておきますので」


みほ「あ、あの!お母さん!」

しほ「どうしたの?みほ」

みほ「ありがとう…沙織さんのお見舞いで来たけど、どうしたらいいか分からなかったから…」

華「お母様方がいてくれて助かりました…私もまだまだ勉強不足です」

百合「華さん…これは人から教わる物ではないんですよ」

しほ「そうです、子を生して実際に経験をして身に付く物なのですから…みほも幼少の頃は発熱することも、しばしばありましたからね」

みほ「お、お母さん…」

優花里「そうなんですか」




しほ「ええ、それより貴女達、沙織さんと最後に戦車に乗ったのはいつ頃ですか?」

優花里「それでしたら、先週から戦車には乗っていません」

華「学校を風邪で休む生徒が多くなってきたんで、生徒会の指示で戦車道の実技は中止になったんです」

しほ「流石ね」

麻子「早朝練習がないのは、ありがたい」

久子「麻子!まさか早朝練習もない上に、沙織もいないからって遅刻してんじゃないだろうね!!」

麻子「ちゃ、ちゃんと起きてる…」

しほ「ふふっ、みほ達も体調を悪くなるようなら、無理をしないで休むか病院にちゃんと行くように」

百合「戦車という狭い空間の中では、病気が連鎖することなどざらにありますからね」

みほ「はい」

しほ「隊長として体調の管理はしっかり徹底させるのですよ」ドヤッ

みほ「は、はい」


しほ「みほ達は大丈夫そうだけど、他の皆さんは大丈夫なんですか?」

優花里「実は…」




― 大洗 カバさんの家


カエサル「ゴホ…ゴホ…私は行かなければならないのだ…」

エルヴィン「大人しく部屋で寝ていろ!!医者にもしばらくは休めと言われただろう!!」

カエサル「ううっ…いやだ…行くんだ…」


しほ「まぁ…」

優花里「エルヴィン殿」

エルヴィン「おお!グデーリアンに皆さん、それにママさん達まで」

百合「カエサルさんも、風邪ですか」

左衛門佐「ウム、我々の中ではカエサルだけなんだが…」

久子「それにしては、どこかへ出て行こうとしてるみたいだな」

おりょう「今度、我々、カバさんチームがアンツィオに短期編入をすることになっていたんだぜよ」


カエサル「ゴホ…ひなちゃんが待ってるんだ…」

華「カエサルさん、すごく楽しみにしていらしたものね…」

カエサル「ひぐっ…ひなちゃん…」


好子「にしずみどのー」




好子「西住殿ー!!沙織さん、ただの風邪でした!!」

しほ「ありがとうございます、それで沙織さんは?」

好子「今は薬を飲んでぐっすり眠っていますよ」


カエサル「ゴホッ…ゴホッ…」

左衛門佐「ほら、武部さんもしっかり休んでいるんだから、カエサルも休め」

おりょう「治るもんも治らないぜよ」


好子「カエサルさん…」

カエサル「ゴホッ…」

好子「もし、今のカエサルさんがアンツィオに行ったとしたら、カルパッチョさん…ううん、ひなちゃんはすごく悲しむと思うわ」

カエサル「……」

好子「『自分に会うために無理をさせてしまった』と」

好子「大丈夫、治ったらすぐに会いに行けばいいわよ!!だから、今は一日でも早く治すことに専念しないと」

カエサル「ゴホッ…わかりました…」


エルヴィン「う~ん…あ、あの…」




エルヴィン「グデーリアンのお母様、ちょっといいですか?」

好子「なんですか?」


エルヴィン「あ、あの『ひなちゃん』って言ってもらえますか?」


好子「え、ええ…ひなちゃん」


左衛門佐「!?」

おりょう「!?」


エルヴィン「もっと、女の子っぽく」


好子「ひなちゃん」


左衛門佐「おお…」

おりょう「おお…」


エルヴィン「もっと!ぶりっ子で!!」


好子「ひなちゃん!!」


エルヴィン・左衛門佐・おりょう「「「これだ!!!」」」

カエサル「ゴホッ…ゴホッ…(休みたい…)」




エルヴィン「グデーリアンのお母様!カエサルの代わりをお願いします!!」


みほ「あ、あの…」

好子「私で良いの?こんなオバサンよ?」

左衛門佐「いや!これ以上ないくらいの影武者だ!!」

おりょう「ぜよぜよ」

好子「そ、そう?」

優花里(あ、結構その気になってる…)

エルヴィン「カエサル、マフラーを借りるぞ」

カエサル「ゴホッ…わかったから…休ませて…」


 バッ!!(マフラーを翻す音)


好子「賽は投げられた!! (カエサル真似)」


エルヴィン「着た!!」

左衛門佐「似た!!」

おりょう「勝った!!」


みほ「あ、あはは…」

優花里「お母さん…」






………


好子「…と言う訳でカエサル殿の代わりで来たのですが」

カルパッチョ「たかちゃん…風邪だったのね…」

好子「ええ、しかし、よく私が偽物だってわかりましたね」

アンチョビ「…え、えーと、以前にお会いしたこともありましたし」

ペパロニ「いや、姐さん、17の女子高生とアラフォーのおばさんは見間違えないでしょ」


好子「ぐ…秋山流変装術を見破られるなんて、私もまだまだね…」

アンチョビ「あ、秋山流変装術ぅ?」

好子「ええ、秋山流変装術…これを極めし者は6才の子役から梅宮辰夫まで老若男女問わず、姿を変えられると言われてます」

ペパロニ「聞いた事ないッスね」

カルパッチョ(たかちゃんじゃないけど…なんとなく似てるような…)




アンチョビ「と、とにかく、理由はわかった!アンツィオはお前たちの編入を歓迎するぞ!!」

ペパロニ「そういえば、え、えーと…秋山さんッスか」


好子「いえ、この姿での私は ヨシコル だ!!(カエサル真似)」


カルパッチョ(やっぱり、気のせいのような…)

ペパロニ「ヨシコルさん、他のカバさん達は一緒なんですか?」

好子「ええ、もうすぐ来るかと…」


???「待たせたな!!」

アンチョビ「あっ…(この展開は…)」



しほ「シホヴィンだ」

百合「百合門佐じゃ」

久子「おばうぜよ」


しほ・好子・百合・久子「「「「 オバさんチームです!! 」」」」


アンチョビ「そうだよね…(こういう人達だった)」

ペパロニ「おおー!!みんな老けたッスねー」

カルパッチョ(うん、このメンバーとなら、たかちゃんじゃないってハッキリ思えるわ)




アンチョビ「え、えーと…他のオバ…じゃなくて、カバさんメンバーは看病とかで来れないから家元達がって事で?」

しほ「御名答です、あと今回の私は家元ではなく『大洗の美しき狐 シホヴィン』ですので」

アンチョビ「あ、はい…そ、それで、こうして来られたってことは何か戦車道の指導をしていただけるのですか?」

カルパッチョ「私達のセモヴェンテとⅢ突で模擬戦とかどうですか?」

しほ「ええ、そうね、それは後ほど行いましょう」

ペパロニ「あれ?あんまり乗り気じゃないッスね」

アンチョビ「やはり…アンツィオのような学校では、指導のしがいがないのでしょうか…」ションボリ




しほ「ご、御免なさい!気を悪くさせてしまうような言い方でしたわね」

しほ「もちろん、戦車の実技はするつもりですが、戦術面や戦略面では、あまり口を出そうとは思わなかったのよ」

アンチョビ「それは、どうして?」

しほ「アンツィオ高校は千代ちゃん…島田流と交流がそこそこあったみたいだし、私が出る幕は無いかと思いまして…」

ペパロニ「あー、たしかにシマチョビ姐さんには色々とお世話になってるッスね」

カルパッチョ「そうだったのですか」


しほ「それと…今回は戦車道とは別の方で一言申し上げようかと…」

アンチョビ「ん?」




しほ「時にみなさん、昨日の食事を教えて頂いてよろしいですか?」


ペパロニ「え~と、たしか…ピザとパスタと…」

しほ「それです、今回の私達はアンツィオの食事の指導をしようとやってきたのです」

好子「風邪を予防する為に、衛生面と併せてであります」

百合「イタリア料理もすばらしいですが、他の料理もバランスよく取らなければ」

久子「もこみちもイタリアン以外の料理も作るしな」


カルパッチョ「は、はぁ…」

アンチョビ「コラコラコラコラ~ッ!」




アンチョビ「戦車道の口出しはともかく、料理に対しては、我々の流儀を貫かせてもらうぞ!!」

ペパロニ「おお!アンチョビ姐さん、勇ましいッス!!」

アンチョビ「我々は、血液はトマトソース!粘膜はチーズ!流れる汗はオリーブオイル!!というくらいイタリア色に染まっているのだからな!!」

カルパッチョ「ドゥーチェ…その例え方はどーかと…」


百合「なるほど… スンスン… では何故、そのアンチョビさんから、ほのかに 味噌の香り がするのでしょうか?」


ペパロニ「はぁ?何言ってるッスか!! 姐さんが味噌臭いなんてありえねーッスよ!! ね!姐さ…!?」


アンチョビ「そ、そ、そ、そうだな…な、何を言ってるるんだだ…」ダラダラ


カルパッチョ「……」

ペパロニ「……」




ペパロニ「おい、誰か姐さんの部屋を調べて来い…」

アンツィオ生「へい」

アンチョビ「ま、まて!!部屋を調べるのはやめて!!」

カルパッチョ「ドゥーチェ、落ち着いて…」ガシッ

ペパロニ「見られてはいけない物がある?…まさか!!ウィッグとかッスか?」

アンチョビ「違うこれは地毛だ!!」




……

アンツィオ生A「ベッドの下にありました!!」

アンツィオ生B「味噌の瓶です!!」

アンツィオ生C「新鮮なきゅうりです!!」

アンツィオ生D「ちょっと大人向けな恋愛小説です!!」


アンチョビ「いやぁぁーーっ!!」




カルパッチョ「あ、あの…ドゥーチェ…これは?」

ペパロニ「味噌だけかと思ったら…」


アンチョビ「うう…夜、寝る前に小説を読みながら、もろきゅうを齧るのが楽しみなんだよ…」


しほ「あ、普通に食べるだけなのね、てっきり…」

好子「西住殿、それ以上はいけないであります」


アンチョビ「うう…心なしか、皆の視線が痛い…」


カルパッチョ「そ、そんなことないですよ…」

ペパロニ「そーッスよ!姐さんが『きゅうりにこだわるネタキャラ』になったなんて誰も思ってないッスから!!」


アンチョビ「うう…自信なくしそうだ…」


???「…よみ…や …千代美や」




???「千代美や…別に恥ずかしがることはないだぎゃ?」

アンチョビ「あ、あれ?…ばっちゃんの声?」

???「千代美は、ちんまい頃から味噌もきゅうりも大好きじゃっただら?」

アンチョビ「う、うん!!ばっちゃんの菜園で作ったきゅうりが大好きだった!!」


ペパロニ「姐さんは誰と話しているんスか…?」

カルパッチョ「ペパロニ、あそこよ!」


久子「…じゃから、もっと味噌を食べんりん…」

百合「久子さん、アンチョビさんのおばあ様を御存じだったんですか?」ヒソヒソ

久子「いや、知らん、ノリでやってみたら思いっきり乗っかって来たんで」ヒソヒソ




ペパロニ「アンチョビ姐さん!!しっかりするッス!!」パーン!

カルパッチョ「ドゥーチェのおばあ様は、ここにはおりませんから!!」パーン!


アンチョビ「…はっ!!あぶない…もう少しで騙されるとこだった…」ヒリヒリ


アンチョビ「狡猾な手を…だが、私はアンツィオの総帥、アンチョビ!!もう、貴様らの自由にはさせないぞ!!」キリッ

ペパロニ「姐さん!!カッケーッス!!」


しほ「そうですか…では仕方ありません、せっかく持ってきた…」

好子「最高級の八丁味噌と…」

百合「同じく赤に白味噌…」

久子「全部、無駄になるのか…」


アンチョビ「今の私は安斎千代美だ!!」クルー

ペパロニ「姐さん!!ダセーッス!!」




アンチョビ「すまん…お味ん噌には勝てなかったよ…」


しほ「いいのですよ…さぁ…千代美さん、自分に正直におなりなさい…」

アンチョビ「いつもパスタを茹でる度に思ってた…コイツにあんをぶっかけたいと…」

カルパッチョ「パスタにあんこだなんて…」

ペパロニ「そっちのあんじゃねーッスよ」

ペパロニ「こうなったら、アタシらで姐さんの目を覚まさせてやるッスよ!!」

カルパッチョ「ええ!」


???「ひなちゃん!!」


カルパッチョ「え!?たかちゃん!?」




好子(カエサルお面)「うふふ…ひなちゃん…」

カルパッチョ「たかちゃん!!」

ペパロニ「……」

好子(カエサルお面)「覚えてる?二人で小さい頃、豚汁を食べたよねー」

カルパッチョ「そ、そういえば、そんなことがあったような気が…」

ペパロニ「おいカルパッチョ!騙されるな!!あれは偽物の戯言ッスよ!!」

好子(カエサルお面)「そのあと、一緒にお風呂入ったよね~」

カルパッチョ「!!」

好子(カエサルお面)「また、一緒に入りたいなぁ~」チラ

カルパッチョ「……」

ペパロニ「カルパッチョ!!」

カルパッチョ「いいえ…私は、たかちゃんの幼馴染のひなよ!!」

好子(この女…陥落たっ!!)

ペパロニ「ちっきしょぉぉーっ!!」




ペパロニ「くそっ!姐さんだけでなく、カルパッチョまで…おめーら!アタシ達で何とかするぞ!!」



アンツィオ生A「美味しぃーっ!!」

久子「そーじゃろー、そーじゃろー」

アンツィオ生B「アタシ、アンコウ鍋なんて初めて!!」

百合「豚汁もありますよ」

アンツィオ生C「う~ん!これだと白いご飯も欲しくなる!!」

好子「そう思って、おにぎりも用意してきました!!」

アンツィオ生『『 やったー!! 』』


ペパロニ「お、お前ら…」




しほ「フフフ…あとはペパロニさん、貴女だけよ」


ペパロニ「あ、ああ…」


百合「さぁ、こっちへ…」

好子「心配しなくても大丈夫です…」


ペパロニ「く、来るなッス…」


久子「ええい!まどろっこっしいね!皆で取り押さえるぞ!!」


ママさんチーム「「「 ガデッサー!! 」」」


ペパロニ「うわあぁーーっ!!」


………

……





今日は、ここまでとなります

続きは不定期ですが、投下をして行くのでよろしくお願いします

合いの手、レスといつもありがとうございます

続きになります よろしくお願いしマウス





……

………


― 大洗 



優花里「みんなの風邪も一段落して、来週には戦車道も再開するみたいですね!」

麻子「来週からは早起きか…」

みほ「うん、戦車に触れられなかった分だけ、しっかりやらないとね」

華「沙織さんからも、回復とお礼の連絡がありましたし、お母様達の看病には感謝しないといけませんわ」

みほ「お母さんか…大丈夫かなぁ…」

華「…そ、そうですわね」

優花里「ま、まぁ!!でも、ノリと勢いのアンツィオ高校ですから、案外上手くやっていると思いますよ!!」

みほ「う、うん…そうだといいね…」


麻子「うん?校門の前で、なにかあったみたいだぞ」





そど子「ちょっと!!いったい何なのよ!!」


麻子「おはよー、そど子、朝から叫んでどうしたんだ?」

ゴモ代「おはよう冷泉さん、最近ちゃんと来れてますね」

パゾ美「見てくれ、この茶色の塊が朝来たら校門の前に置かれてた…」


優花里「なんなんですかね、コレ?」

みほ「ドロかなぁ?」

華「…!?」

麻子「いやがらせか?そど子、心当たりとかあるか?」


そど子「あるわけないでしょ!!清く正しくがモットーの風紀委員よ!!」

そど子「それを…こんなことするなんて…校則違反にもほどがあるわよ!!」

優花里「違反と言うか、事件ですよね」


華「う~ん…」




華「スンスン…この香りは…」

華「……」


  ペロッ


みほ「は、華さん!?」

優花里「五十鈴殿!!危ないですよ!!」

華「…やはり」

 
 ペロッ… ペロッ…


華「…これは味噌です!!」

みほ「み、味噌ぉ?」


  ペロッ… ペロッ… ペパッ…


華「ええ…それも…上質の味噌ですわ!!」


  ペロッ… ペロッ… ペパッ… ペパロッ…


???「…!! ひゃう!!」ビクッ!


優花里「味噌が動いた!?」

みほ「み、味噌がしゃべった!?」

麻子「み、み、味噌のオバケだぁぁ!!」ガクガクブルブル


ペパロニ「う、ううう…こ、ここは…」


華「味噌を舐めてたら、中から人が出来ましたわ」





……

……


ペパロニ「お風呂に着替え、助かったッス!!」

みほ「あ、あの…一体なにがあったんですか?」

ペパロニ「実は、アンツィオがママさんチーム達に乗っ取られたッスんよ!!」

優花里「それがどうしたら、ペパロニ殿が味噌漬けにされるようなことになるんです?」


ペパロニ「あの人たちはアンツィオを味噌料理で征服しようとしているんスよ!!」

みほ「まったくもって、訳が分からないんですが…」


ペパロニ「…アタシだけは最後まで抵抗していたんスけど、」

華「それで、味噌漬けにされていたと…」

ペパロニ「なんとか逃げ出してここまで来たんスよ…お願いです!!アンツィオを助けて下さい!!」

みほ「ええ…そんな事言われても…」




華「行きましょう、みほさん」

みほ「は、華さん…」

華「『義を見てせざるは勇無きなりです』、沙織さんがいない今、私達がお母様達をお止しないと」

麻子「それで、本音は?」

華「これだけの良い味噌なのですから、きっとアンツィオに行けば美味しい物にありつけますわ!!」

みほ「……」

優花里「……」

麻子「私もおばあが気になるから行くぞ」

優花里「に、西住殿は…?」

みほ「行きたくないなぁ…」




ペパロニ「頼むよ!!西住さん!!」

みほ「う、うう…」

優花里「西住殿…」

麻子「西住さん」

華「みそ…みほさん!!」

みほ「わかりました!!行きます!!行きますよ!!」

ペパロニ「ありがとう!!西住さん!!」


みほ(うう…いやな予感がする…)






………


― アンツィオ?


みほ「……」

麻子「……」

華「……」

優花里「……」

ペパロニ「あ、ああぁ…」ガクガク


優花里「…私が以前、潜入した時のアンツィオは確か…」

優花里「コロッセオもある、石造りの街並みで…」


華「今は提灯に長屋が並んで、まるで時代劇のセットですわね」


優花里「イタリアンの屋台がひしめいて…」


麻子「あるのは、そばに寿司と…和食の屋台ばかりだな」


優花里「その中を CV33 が駆け回っている風景でしたが…」


  『どいた!どいたー!!』


みほ「大八車だ…」


ペパロニ「一体何がどうなったんスかぁっ!!」




アンツィオ生「あんつぃお名物 味噌煮込みうどん だよー!!とっても美味しいよー!!」


華「おひとつ、いただけますか?」


アンツィオ生「あいよ!まず、特製の味噌で汁を作って、鶏肉をぶち込むー」

アンツィオ生「野菜は大きくケチケチしなーい」

アンツィオ生「うどんを入れて、最期に今朝採れたての卵を落として、ひと煮立ちさせたら…」

アンツィオ生「あんつぃお特製の 味噌煮込みうどん 300両だよ!!」


華「はふはふ…これは、美味しいですわね!」ズルズル

みほ「は、華さん…」


ペパロニ「ここは、アタシの屋台だったとこじゃないッスかぁ!!」




ペパロニ「おい!鉄板ナポリタンはどーしたんだ!!」

アンツィオ生「あ、ごめんなさい、鉄板ナポリタンは先日までだったんすよ」


ペパロニ「……」プチン

 ガシィッ!

アンツィオ生「があああああ!!」

優花里「ペパロニ殿、それ以上はいけないであります」


アンツィオ生「痛たた…ハッ!!ペパロニ姐さん、じゃないッスか!?」

麻子「アームロックの痛みで目が覚めたのか…」




ペパロニ「おい!アンチョビ姐さんや、カルパッチョはどーなった!」

アンツィオ生「ドューチェ達は、多分、学校…だったところにいるはずッス」

ペパロニ「だ、だった?」


……

……


― アンツィオ高校 改め 料亭 庵追尾(あんついお)


ペパロニ「……」

みほ「……」

優花里「……」

麻子「……」

華「暴走族みたいな当て字ですわね」ズルズル

ペパロニ「アタシ達の学校がぁぁぁー!!」




カルパッチョ「いらっしゃいませ、庵追尾へ、遠いところからありがとうございます」

ペパロニ「カルパッチョ!!アタシッスよ!!ペパロニ!!」

カルパッチョ「うふふ、お客様、人違いでは? 私は仲居の『ひな』と申します」


華「カルパッチョさんの和服姿、素敵ですね」

優花里「学校の中も、完全に和風ですね…」

麻子「もう、ここがどこだか分からなくなってきた…」

華「あら、この飾ってある生け花、お母様の作品ですわね」

みほ「華さん、もっと緊張感持とうよ…」


カルパッチョ「ささ、こちらへどうぞ…」

ペパロニ「カルパッチョがコレだと…姐さんは…」


???「お引取り下さい!!」




アンチョビ「その、お話ならお断りしたはずです!!」

千代「女将…これは、貴女方に悪い話ではないはずです」


ペパロニ「あ、アンチョビ姐さん…」

みほ「愛里寿ちゃんのお母さんだ…」

優花里「なぜ、島田流の家元がこんなとこに…うん?アレは…」


アンチョビ「何と言われようと、この料亭をお売りするつもりはございません」

千代「島田リゾートグループの傘下に入れば、安定した経営もできるのにですか?」


麻子「なんだか、変な流れになっているな」

華「この料亭を買収する企業がやってきた…一昔前のドラマみたいな感じですわね」

優花里「西住殿、西住殿…」




優花里「西住殿…お気づきですか?」

みほ「えっと…しょーもないコントが始まったって事?」

優花里「それもなんですが、ここまでで、お母さん…ママさんチームの気配が全く見えてこないんです」

みほ「た、たしかに…」

優花里「それに加えて、あの島田殿のスカートの下のテカテカのタイツを見て下さい…」


みほ「あれ…あ、あんこうスーツだ…」


優花里「そうです、間違いなくどこかであんこう踊りがありますね」

みほ「あわわわ…」ガクガク




千代「このままでは、小さな料亭として朽ち果てていくだけですよ」

アンチョビ「それは…この料理を食べてから言ってください!!」


千代「あんこう鍋…ね」

華「そうですわね」


アンチョビ「この料理に庵追尾の未来があります!!」


ペパロニ「そんな、未来いらねーッスから、もとに戻ってくださいよー!」

みほ「華さんが、勝手に参加し始めた…」




千代「なんの変哲もないあんこう鍋よね…」

華「ええ、ですが食べてみればわかるはずです」


 パクッ…


千代「!!」ポイーン

華「!!」ポイーン


アンチョビ「どうです?」


千代「こ、これは…」

華「な、なんという…」




千代「あんこうの濃厚な味と味噌が一体となっているわ!!」

華「主張の強い二つの味を繋いでいる隠し味が…ええい!!この五十鈴華の味覚を試そうというのですか!!」


みほ「は、華さん…?」


華「味噌の甘みを引き立たせるために、あえて僅かの苦味を足している…木の実でもない…野菜でもない…魚…」

華「!!」くわっ

華「そうか!肝だ!!あんこうの肝を炒った物であろう!!」


アンチョビ「そ、そうでございます!」

千代「わ、私の台詞…ほとんど取られてる…」




華「やりおる…だが女将、いくら美味い料理でも人に食べてもらえなければ宝の持ち腐れになるのでは?」

千代「そうよ、これだけの料理なら島田グループで大々的に宣伝することも可能よ」


アンチョビ「…お二方の心づかいありがとうございます」

アンチョビ「ですが…この料理の宣伝も私達で考えてあります!」

カルパッチョ「ご当地のアイドルユニットを結成してPR活動をしてもらうつもりです」


アンチョビ「アイドル名は…」


アンチョビ・カルパッチョ「「 あんこうDE5WOMEN !! 」」







しほ(あんこうスーツ)「待たせたわね!!」


みほ「いやぁぁぁーーーっ!!!」





――アアアン アン♪ アアアン アン♪……


しほ(あんこうスーツ)「……」

好子(あんこうスーツ)「……」

百合(あんこうスーツ)「……」

久子(あんこうスーツ)「……」


アンチョビ「…あ、あれ?」

カルパッチョ「お、踊らないのですか?」



好子(あんこうスーツ)「…踊れないんです!!」

アンチョビ「えぇっ!どうして!?」

百合(あんこうスーツ)「私達、5人揃わなければ意味が無いんです!!」

カルパッチョ「そ、そんな、ここまで来て…」

久子(あんこうスーツ)「あと一人いてくれれば……」


優花里「ああ、この為の島田殿のあんこうスーツだったんですね…」

みほ「愛里寿ちゃんのお母さんまで巻き込んで…」


しほ(あんこうスーツ)「誰かー!!」



千代(良いわよ、しほちゃん達…この流れでプリキュアの新戦士のように颯爽と登場する私!!完璧じゃない!!)ヌギヌギ

千代(さぁ…いくわよ!!)


千代(あんこうスーツ)「まっ…」


???「いるさっ!ここにひとりな!!」




千代「…ったー、えっ」

しほ「えっ」

みほ「えっ」


好子「いったい誰が?」


優花里「あれを見てください!!障子の向こうに誰かいますよ!!」


???「……」


華「あの、(結婚的な意味で)孤独なシルエットは!!」

麻子「まぎれもなくアイツだな」




沙織(あんこうスーツ)「やーだもー」


しほ「沙織じゃねーか!!」

みほ「さ、沙織さん…」

百合「お体は大丈夫なんですか?」


沙織(あんこうスーツ)「うん、おかげさまで!!それで遅れてだけど学校に来て、みぽりん達がアンツィオに向かったっていうから…」


カエサル「うわぁぁ!!アンツィオが!!ひなちゃん!!ひなちゃぁぁーんッ!!」

左衛門佐「おお!これは中々、趣があって…」

おりょう「良い感じぜよ!!」

エルヴィン「…いやいや、二人の好みだろうけど、まったく別物だろコレは」


優花里「カバさんチームのみなさんも!!」


沙織(あんこうスーツ)「同じく元気になった、カエサルさん達と来てみたんだよ!」




みほ「…そ、それで、どうして沙織さんは、あ、あんこうスーツを着ているの?」

沙織「アンツィオに着いたらさー、学校がメチャクチャになってるし、多分しぽりん達がやらかしてるんだろうなーって思って」

エルヴィン「武部さんが突然、あんこうスーツに着替え始めた時は何事かと思ったけど…」

左衛門佐「まさか、この事態を予想しての事とは…」

おりょう「龍馬もびっくりの先見の明ぜよ!!」

カエサル「ひなちゃん!!ひなちゃぁぁーんッ!!」


しほ「沙織…恐ろしい子っ!…私達の予想を上回るとは…」

みほ「……」

千代「ちょっと!しほちゃん!!」




千代「話が違うじゃないの!!」

しほ「あ…やべ、千代ちゃん忘れてた」

千代「武部沙織さんが不在だというからピンチヒッターを買って出たのに!!」

好子「いやー、まさか武部殿がここに駆けつけるとは思ってもみませんでしたー」

千代「これじゃ、完全に私がダシにされてるじゃないのよ!!」

百合「味噌料理だけにダシが良かったと思ってください」

千代「訳がわからないわよ!!このために用意した、踊りの精度が3000倍になるあんこうスーツが無駄になったじゃないの!!」

久子「知るかバカ!そんな物より沙織だ!!」

千代「ムキぃーーっ!!」

しほ「千代ちゃん、メンゴ、メンゴ」



カエサル「ひなちゃん!!ひなちゃぁぁーんッ!!」




カルパッチョ「あれ?懐かしい声が…」

カエサル「ひなちゃん!!私だよ!!カエサル!!幼馴染の貴子よ!!」

カルパッチョ「たかちゃん?いや違う、違うわ、たかちゃんはもっとこう、ババァーッてしてるわ!!」

カエサル「ひ、ひなちゃん…いったい何が…」

好子「カエサルさん…カルパッチョさんはね…」

しほ「味噌の重力に魂を引かれてしまったのよ…」

カエサル「え?え?」

百合「彼女の心はもう…」

カエサル「ど、どういうことだ?」

久子「簡単に言うと、好子さんを本物のカエサルさんと認識して実際の年齢が分からなくて混乱している」


カエサル「いやぁぁー!!」




カエサル「ひなちゃぁん…」

好子「カエサルさん!!カルパッチョさんを…いいえ!ひなちゃんを助けるのよ!!」

カエサル「ど、どうやって?」

百合「古今東西、呪いを解くと言ったらアレしかありません!!」

久子「愛しの人からの KISS だな」


カエサル「えっ」

カルパッチョ「えっ」


しほ「さぁ!!ブチュッっといってみよう!!」

沙織「カルパッチョさんが、こうなったのはしぽりん達のせいだってわかってる?」




カエサル「……」チーン



エルヴィン「カエサルが固まっているな」

左衛門佐「まぁ、いきなりキスしろと言われればさもあらん」

おりょう「うむ、乙女なカエサルには刺激が強すぎるぜよ」


カエサル「き、キス…」ドキドキ

カエサル「いやいやいや!!いきなりこんな大勢の前でキスだなんて!!」

しほ「より強いショックを与えるにはキスしかないのよ」

カエサル「そ、そんな、私だけじゃなく、ひなちゃんだって、き、キスだなんて恥ずかしいよね…」



カルパッチョ(-3-)



好子「向こうはバッチコイよ!!」

百合「女は度胸です!!」

久子「なんだったら、舌入れてもええんやで」ニッコリ


しほ「そーれ!キッス!キッス!」

好子「キッス!キッス!」

百合「キッス!キッス!」

久子「キッス!キッス!」

カルパッチョ「キッス!キッス!」


カエサル「……」チーン




カエサル「…よ、よし」ドキドキ

カエサル「わ、わ、私のファーストキスが、こ、こんな形とは…」ドキドキ


カエサル「ひ、ひなちゃん…」

カルパッチョ「たかちゃん…」



カエサル「……」

カルパッチョ「……」




カエサル「……」

カルパッチョ「……」






ペパロニ「ああ!もうじっれったいッスね」

 ガシィッ!

カルパッチョ「があああああ!!」

カエサル「うわあぁぁぁ!!ひなちゃぁぁぁん!!」




カルパッチョ「ちょっと!ペパロニ!何をするのよ!!」

ペパロニ「お!カルパッチョ、元に戻ったッスね!」

カルパッチョ「あ…」

カエサル「あの…ひなちゃん…」

カルパッチョ「たかちゃんのいくじなし…」ムスー

カエサル「ひ、ひなちゃん…」

ペパロニ「ハイハイ、イチャつくのも仲直りも、後で二人っきりの時にするッスよー」


ペパロニ「もう一人、目を覚まさなければいけない人がいるッスからね…」

ペパロニ「そうですよね… ア ン チョ ビ 姐さん 」ゴキゴキ…


アンチョビ「あわわわ…」




アンチョビ「ま、まて!ペパロニ!私は正気に戻った!!」

ペパロニ「信じられないッスねー」ゴキゴキ…

アンチョビ「ホントだ!私はアンツィオの総帥アンチョビだ!!」

ペパロニ「姐さん…」

アンチョビ「わ、わかってくれたか…」


ペパロニ「姐さんが真っ先に味噌に屈したからこうなったんすよ!!」ビキビキ

ペパロニ「さぁ、そのクルクル回る手のひらを元に戻すッスよ~」ゴキゴキ…

アンチョビ「ひぃぃ~!!」



ペパロニ「姐さん…言い残すことはあるッスか?」

アンチョビ「あ…え、えーと…」




アンチョビ「(アームロックは) 初めてだから、や、優しくしてね…///」

ペパロニ「……」





ペパロニ「……」イラッ

  ガシィッ!

アンチョビ「か゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」




アンチョビ「クスン…、小説の中なら、優しくしてくれるのに…」

ペパロニ「これがアタシの姐さんへの愛と思ってください」


しほ「愛のカタチも様々ね」

好子「若さって素晴らしいですね」

百合「これで、アンツィオも一件落着ですわ」

久子「じゃ、あんこう踊りして帰るか」


???「まったぁー!!(まほ真似)」




沙織「まだだよ」


しほ「さ、沙織さん…」

沙織「しぽりん、よしりん、百合におばあ、私の看病ありがとうね」

好子「いえいえ、元気になってくれて良かったです」

沙織「それに、カエサルさん達の代役までしてくれて」

百合「困っている方の力になるのは当然の事です」

沙織「いつもの流れで学校に乗りこんであんこう踊りをするのも、ご愛嬌だからいいけど…」

おばあ「うむ、これをしないと締まらないからな」


沙織「流石に、他所の学校を改造するのまでは…やり過ぎだと思うんだよね!!」ゴゴゴゴ…


しほ「そ、その辺は劇的ビフォーアフターだったという事で…」

ペパロニ「アタシには悲劇的でしかなかったッスよ!!」

沙織「だよねー、と言う訳でペパロニさん…」

沙織「追加で、この人達もお願いね」ニコ

ペパロニ「 ガデッサーッス!! 」ゴキゴキ

ママさんチーム『いやーっ!!』




しほ「わ、私は西住流の家元よ!それに戦車道プロリーグの…」

ペパロニ「都合で大人と女子高生を使い分けるんじゃないッスよ!!」

 ガシィッ!

しほ「いいいんちょおおおおお!!」



好子「ペパロニさん、こんなことをしても、な、何も意味がないわ!」

ペパロニ「他人に説教するほど歳を取ったんスか!!」

 ガシィッ!

好子「とってりゅうううううう!!」



百合「アンツィオ高校を私好みに作り替える…良い夢を見させてもらいましたわ…」

ペパロニ「これが良い夢であってたまるッスかよ!!」

 ガシィッ!

百合「ままああああああ!!」



久子「南無三!!」

ペパロニ「……」




ペパロニ「あー、武部さん…さすがにこの人の腕をってのは…」

沙織「たしかに…おばあは洒落にならないよね」

久子「アタシだってママさんチームだぜ!」

沙織「仕方ない…おばあは免除って事で…」

久子「やったぜ」



麻子「ま、まってくれ!!」

沙織「ま、麻子?」

麻子「ペパロニさん、おばあの代わりに私の腕をへし折ってくれ!」

ペパロニ「れ、冷泉さん、どーしたんスか?」

久子「ま、麻子、別にオマエが…」

麻子「うるさい!いつもおばあはいけない事をしたらダメだって言ってるくせに、自分だけ許してもらうなんてズルいぞ!!」

麻子「…でも、おばあの身体を考えたらダメなのもわかる…だから、私が受けなくちゃいけないんだ!!」

久子「うう…麻子…」


しほ「これは、キツいわね」

好子「ええ、もっとも愛するお孫さんにこんな事を言わせてしまったと」

百合「あんな悲しそうな目をした久子さん初めて見ますわ」

沙織「なんだったら、しぽりん達が代わりに受けてもいいんだよ?」


しほ・好子・百合「「「 勘弁してください!! 」」」




麻子「さぁ!折ってくれ!!」

ペパロニ「え、ええ~…」


華「まってください!!」

沙織「は、華?」

華「麻子さんの腕を折るなら、私の腕も一緒にお願いします」

華「私達、同じあんこうチームですから、痛みも分かち合わなければなりません!!」

優花里「そうです!!私達仲間なんですから!!」

沙織「ゆかりん…」


みほ(あれ?、この流れって…)




おりょう「まつぜよ!!だったら代役のおばう殿ではなく、本来の役の私が受けるのがふさわしいぜよ!!」

沙織「おりょうさんまで…」

左衛門佐「敗軍の将は連座も致し方なし…ワシも受けよう」

エルヴィン「お前達だけに良いカッコはさせられないな…私も頼む!」

カエサル「私もだ!!…ひなちゃんの痛みを共有したいし」

カルパッチョ「たかちゃん…私も受けるわよ!!」

沙織「カバさん…みんな…」


麻子「私だ」

華「私もです」

優花里「私も!」

おりょう「私ぜよ!」

左衛門佐「ワシじゃ!」

エルヴィン「私だ」

カエサル「ひなちゃん!」

カルパッチョ「たかちゃん!」


アンチョビ「まてまて!このドゥーチェ、アンチョビ!!」

千代「同じく、シマチョビを忘れてもらっては困るな!!」


全員『『 どーぞ!、どーぞ! 』』


アンチョビ・千代「「おい!!こら!!」」


みほ(このパターンかー!)




ペパロニ「はいはい、アンチョビ姐さんもシマチョビ姐さんもじっとしてるッスよー」


アンチョビ「まてまて!!私はさっき受けたから、今回は千代さんだけでいいだろう!!」

千代「アンチョビさん…」

アンチョビ「千代さ~ん」ウルウル

千代「今夜は貴女と私で Wドゥーチェ だな」ニコ

アンチョビ「…オゥ」


ペパロニ「ダブルドゥーチェでも、フルーチェでもいいッスからとっととへし折るッスよー」

 ガシィッ! ガシィッ!

アンチョビ「ん゛は゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

千代「ん゛ほ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」




アンチョビ「……」ビクンビクン

千代「……」ビクンビクン


しほ「うわぁ…派手にイッっちゃたわね」

ペパロニ「いやー、最後なんで、ちょっと力入れ過ぎたッスかねー」

ペパロニ「んで、武部さんどーするッスか?これから」

沙織「んー、しぽりん達が持ってきた味噌を使いきって、アンツィオを元に戻す…これでどーかな?」

ペパロニ「食材を無駄にするのは、アタシらも望まないッスからね、了解ッス!!」

沙織「んじゃ!しぽりん達はちゃんと元通りにすること、いいね!!」


しほ・好子・百合・久子「「「「 ガデッサー!! 」」」」




エルヴィン「あー、武部さんにママさん、私達はこのままアンツィオに残ることにするよ」

左衛門佐「せっかくだから、この和風な街並みを堪能したいしな」

おりょう「ぜよぜよ、それに…」


カエサル「ひなちゃん!!もう離さないよ!!」

カルパッチョ「私もよ!!たかちゃん!!」


エルヴィン「…あの二人が離れそうもないみたいだしな」


しほ「そうですか、ではしばらくはご一緒になりますね」

左衛門佐「おお!せっかくですから、固定砲塔の戦術指南を!!」

おりょう「運転のコツも頼むぜよ!!」

しほ「ええ、あそこで伸びてる家元と一緒にアンツィオの皆さんを交えて行いましょうね」ニコリ

エルヴィン「これは楽しくなってきたぞ!!」



沙織「うんうん、これで一件落着だね…」





沙織「ね、みぽりん!!」

みほ「えっ」ドキッ




沙織「はい、みぽりんのあんこうスーツだよ!!」


みほ「え…あ…今回はもう、あんこう踊りはいいんじゃないかなー…って展開だと思うんだけど」ダラダラ

沙織「何言ってるの!みぽりん、回り見てみなよ!!」



華(あんこうスーツ)「あんこう鍋とご飯のおかわりあるりますか?」

百合(あんこうスーツ)「そんなに食べると太りますわよ」

麻子(あんこうスーツ)「この豚汁、おばあの味付けだ…かぼちゃにさつま芋が入ってるし」

久子(あんこうスーツ)「お、分かるかうれしいねぇ」


みほ「…」


ペパロニ(あんこうスーツ)「気絶してるアンチョビ姐さんを着替えさせますねー、エルヴィンさん手伝って欲しいッス」

エルヴィン(あんこうスーツ)「わかった、じゃ脱がすぞ…うわぁ」ヌギヌギ

ペパロニ(あんこうスーツ「姐さん、結構可愛らしい下着なんスねーww」

エルヴィン(あんこうスーツ)「人は見かけによらんものだなww」



千代(あんこうスーツ)「……」チーン

左衛門佐(あんこうスーツ)「こっちの方はどうする?」

おりょう(あんこうスーツ)「棒で括って私と門佐で左右を支えて踊ってるように見せればいいぜよ」

左衛門佐(あんこうスーツ)「おお!それは名案だな!」



カルパッチョ(あんこうスーツ)「その姿のたかちゃんも素敵よ!!」

カエサル(あんこうスーツ)「ひなちゃんもだよ!!」

好子(あんこうスーツ)「そうよ!ひなちゃん素敵よ!!(たかちゃん真似)」

カルパッチョ(あんこうスーツ)「あ、あれ?たかちゃんが二人?」

優花里(あんこうスーツ)「お母さん、何しているんですか!!」



みほ「ああ…」ガクガクブルブル…




沙織「しぽりーん、お願いー」

しほ「み~ほ」ガシッ

みほ「お、お母さん…」

しほ「うれしいわぁ…みほがわざわざ私を追いかけて来てくれるなんて」

みほ「違うよ!!うぅ…やっぱりだ…だから来たくなかったのに…」



沙織「みぽりん」

みほ「沙織さぁん…」ウルウル…


沙織「許されるはずもないんだよ ANKOU & DANCEからは!!」


みほ「いやー!!」



 END


以上です

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