豊音「次は東京に行きたいなー」 (27)

注意 設定とか都合の良いように変わってます。エイスリンがニュージーランドではなく訳分からん国の人だったりします。
初めての投稿なので不備があったら御指摘願います。

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豊音「他にはー、大阪とかー長野とか!」

エイスリン「エー……」

豊音「あれ、あんまり乗り気じゃない?」

エイスリン「モット、トヨネトナカヨクナル!」

豊音「えー!? エイスリンさんとはとっくに仲良しだと思ってたよー……」

エイスリン「モットモット!」

胡桃「何がエイちゃんをそこまで駆り立てるのか」

塞「あれじゃない? エイスリンにだけ私たちと違ってさん付けだから……とか」

エイスリン「……! ソウ! ソノトーリ?」

豊音「う……でも別にエイスリンさんを嫌ってる訳じゃ……」

塞「いや、それは皆分かってるよ。トヨネって感情そのまま顔にだすから、楽しんでるのか悲しんでるのかすぐ分かるし」

胡桃「でも、一回ぐらい呼び捨てで呼んであげたら?」

エイスリン「ヨンデホシイ!」

豊音「うぅ……」

胡桃「ほら、ちょっとしたプレゼントのつもりでさ」

豊音「……で」

胡桃「で?」

豊音「出来ませーんッ?」タタタッ

胡桃「逃げた?」

塞「って言うか速ッ? トヨネってあんな足速かったっけ?」

エイスリン「トヨネ……」

塞「あっという間に去ってしまった……」

白望「ダルい……けど、手分けして探そうか」

エイスリン「ジャア、ワタシアッチサガス!」

塞「私は向こう探すね。トヨネは目立つからすぐ見つかると思うけど……」

胡桃「でも何かちょっと様子がおかしかったよね。からかい過ぎちゃったかな……後で謝らなきゃ」

塞「皆、トヨネを見つけたら電話なりメールなりで知らせる事! じゃ、捜索開始!」

あ、今更ですがキャラ崩壊あるかもです

『』←エイスリンの母国語的な


某廃屋

豊音「うぅ……」オンナノコスワリ

ガタッ

豊音「ひゃあッ!?」ビクンッ?

エイスリン『ふふ……私ですよ、トヨネ』

豊音「あ、エイスリンさん……」

エイスリン『ここには私と貴方しか居ませんよ? 気を楽にしてください』

豊音『……姫様』

エイスリン『さっきはごめんなさい。忠義心の強い貴方に私の呼び捨てを強要してしまって……』ペコ

豊音『そんな……頭をお上げ下さいッ!』アセアセ

エイスリン『許してくれるのですか?』

豊音『許すも何も、あの場で悪かったのは私の方です』

豊音『ただの学友なのに呼び捨てを拒否する不自然な態度。
そして普段の姉帯豊音ではあり得ないスピード……』

豊音『これ等は私の……引いては姫様の正体を明かしかねない軽率な行動でした……』シュン

エイスリン『じゃあ、おあいこですね』

豊音『悪いのは私だけです』

エイスリン『頑固ですね。では仕方ないので罰を与えましょう……アレをして下さい』

豊音『……』アシヲヒラク

エイスリン『……』アシノアイダニスワル

豊音『……』ギュッ

エイスリン『ふふ、暖かい……』

豊音『……姫様』

エイスリン『なぁに?』

豊音『これでは罰ではなくご褒美です』

エイスリン『では言い直します。罰として私に奉仕して下さい』

豊音『……はい』ギュッ

エイスリン『懐かしいですね……幼い頃はいつもこうして過ごしましたね』

豊音 『そう……ですね』

エイスリン『大きくて優しいトヨネには昔っから苦労を掛けてばかりです』

豊音『そんな! 苦労だなんて……』

エイスリン『気を使わないで下さい。本当はこんな事を言ってはいけないのでしょうけど……私はトヨネに苦労を掛けるのが好きなのです』

豊音『へ?』

エイスリン『トヨネに寄りかかるのが好き』

エイスリン『トヨネに包み込まれるように抱きしめられるのが好きなのです』

豊音『姫様……』

エイスリン『トヨネが任務の為に日本へ先立ち、安全な国だと言ってくれたからこうして留学出来たのです』

エイスリン『おかげで掛け替えのない友達も出来ました!』

豊音『私もまさか異国の地で友人が出来るとは思っていませんでした』ニコッ

エイスリン『……まぁ、そのせいでトヨネの本当の名前は失ってしまったのですけど……』

豊音『姫様が考えて下さった名を冠せるのなら、名前など何度でも捨てましょう。それと、留学に尽力してくれたのはトシさんですよ?』

エイスリン『えぇ、分かっています。私達の正体を知りながら、それでも対等に扱ってくれるトシさんには感謝してもしきれません』

豊音『姫様にも厳しく指導されましたよね。
……まぁ、それ以前に姫様が麻雀部に入った事に驚きました。上達のスピードにはもっと驚きました』アハハ

エイスリン『豊音がやっているのを見て興味はあったのですけどね。
なかなか踏ん切りがつかない所にシロが誘ってくれたおかげです』

豊音『本当に塞達に出会えてよかったと……そう思います。皆と過ごした日々は何物にも変え難い想い出です』

エイスリン『例えば、永水の皆さんとの海水浴……とか?』

豊音『……』ピクッ

エイスリン『そう言えば次は東京や大阪に行きたいと言ってましたね。
という事は……もう神代小蒔さんの調査は終わったのですか?』

エイスリン『東京、 大阪、長野……次の調査対象は宮永姉妹や荒川憩さんでしょうか?』

豊音『それは……』

エイスリン『トヨネも大変ですね。お父様から嫌がらせの様な仕事を命じられて』

豊音『姫様、お言葉が過ぎます』

エイスリン『そうでしょうか。私の好きな人に私のお嫁さんを探させるなんて、嫌がらせ以外の何物でもないと思いますが?』

エイスリン『……いえ、少し違いますね』

エイスリン『正確には、王族である私に強い雀士の才能を受け継いだ子供を産ませる為の配合相手……でしたね』

豊音『国王様は姫様の幸せの為に……』

エイスリン『私の幸せは愛する人と……トヨネと共に生きる事です!』

エイスリン『トヨネは悔しくないのですか? 貴方も私の事を愛してると言ってくれたのに……』

豊音『あの頃の自分は立場を弁えぬ未熟者でした』

エイスリン『……そうですか。もういいです』

豊音『姫様?』

エイスリン『こうなったら……私が思ってる事を全部吐き出しちゃいます!』

豊音(姫様がおかしくなったッ!?)

エイスリン『トヨネ! 私というものがありながら、他の女の人にサインを貰うとは何事ですか!』

エイスリン『毎回顔を赤らめて有名人とお話するトヨネを見て、私の心は嫉妬でモヤモヤです!』

豊音『そっちですか!? って言うかやっぱり姫様ちょっとテンションが……』

エイスリン『貴方が"嫁探しのお仕事"と称して、本当はただ単にサインを貰いたかっただけ……というのもバッチリお見通しなのですよ!』

豊音『い、いえ! 私はあくまで" 有名人好きなミーハーな女子高生"を装って有力選手と接触を……』

エイスリン『装って、ですか』

豊音『はい。装って、です』

エイスリン『なら何で貰う時にあんな満面の笑みを浮かべるのですか !』

豊音『え、演技です!』

エイスリン『本当に?』

豊音『ほ、本当です!』

エイスリン『ならば私の目を見て言って下さい』

豊音『嫌です!』

エイスリン『トヨネは嘘が吐けず、感情がそのまま表に出てしまう……これは戦士としての訓練を積んでも変わらなかった事です。貴方の顔を見れば嘘かどうかすぐに分かります』

豊音『だから嫌なんですっ』

エイスリン『……それは白状したと解釈しても?』

豊音『……あ』シマッタ

豊音『で、でもでも! 大好きな麻雀でちょー凄い選手のサインが欲しいって思うのは極々自然っていうかー』アセアセ

エイスリン『口調、戻ってますよ』

豊音『ハッ? えとえと……確かに趣味と実益を兼ねているのは否定
出来ませんね』キリッ

エイスリン『クス……ふふふ』

豊音『ふぇ?』

エイスリン『アハハハハハハッ!』

豊音『ふぇぇぇぇっ!?』

エイスリン『やっぱりトヨネにその喋り方は似合いません』

豊音『うぅ〜……///』カァァ

エイスリン『日本で再会した時の事を思い出しますね。キリッとした口調に変わったと思ったら、日本語では普段のトヨネそのままで』クスクス

豊音『喋り慣れた口調の方がボロが出にくいと思いまして……そんな事より姫様』

エイスリン『なんでしょう?(口調がお仕事モードに……背伸びしてるみたいで可愛いです)』

豊音『サインの件はどうか御内密に……』

エイスリン『構いませんよ。嫉妬心もありますが、トヨネの好きな事ですしね』

豊音『ありがとうございます』ホッ

エイスリン『ただし条件があります』

豊音『条件……ですか?』

エイスリン『はい。これからする私の質問に本音で答えて下さい』

豊音『……分かりました』

エイスリン『私の聞きたい事は一つだけ。トヨネ……貴方はまだ私の事を愛してくれていますか?』

豊音『……っ』

エイスリン『お互いの立場など関係無しに、姉帯豊音という女性は私を愛してくれますか?』

豊音『……』

エイスリン『大丈夫。今貴方を縛る物は何もありません』

豊音『……うん』ジワ

豊音『私は……姫様を世界中の誰よりもちょー愛してるよー』ポロポロ

エイスリン『トヨネ……! 嬉しいです。けれど今まで沢山の辛い思いをさせてしまいましたね』ナデナデ

豊音『ひっぐ……姫様の…せいじゃ……』

エイスリン『いいえ、私の覚悟が足りなかったのです』

豊音『……?』グスン

エイスリン『気にしないで。今は思いっきり泣いて下さい。今まで溜め込んだ涙も全部吐き出すように』

豊音『うぅ〜、姫様ぁ〜!』ウワーン





エイスリン『落ち着きましたか?』

豊音『はい……』グスン

エイスリン『貴方が愛してると言ってくれて本当に嬉しい……おかげで私も決心が付きました』

豊音『……?』

エイスリン『私、プロになります。この日本で』

豊音『……はい? え、ちょ……卒業したら国に帰る予定では?』

エイスリン『三年だけ時間を頂きました。その三年の間に私はトッププロになります』

豊音『無茶です! お言葉ですが、姫様は私より弱い』

豊音『その私ですら日本では同年代の少女に敵わなかった……プロ相手なら尚更です!』

エイスリン『分かっています。今の私では力不足だという事も』

エイスリン『だから特訓します。トシさんにも話は通してあります』

豊音『何故プロなのですか? どちらか言えば、姫様は競技としてではなく皆で楽しむゲームとして麻雀と接してきたはずです!』

エイスリン『私が強いと証明されれば、わざわざ他国の有力雀士を王族に迎え入れる必要はなくなります』

エイスリン『そうなれば私の愛する人と……トヨネと結婚する事も
出来るでしょう』

豊音『……無理ですよ』

エイスリン『何故そう思うのです?』

豊音『自分が通った道だからです。10年前、私は偶然王族と有力雀士を結婚させる計画を耳にしました』

豊音『それから毎日麻雀に打ち込み、ここ一年は国内でも上位に入る腕だと自負していました』

豊音『団体戦ではトシさんの指導を受け、姫様が麻雀部に入りモチベーションも良好。そして私の目の前には大切で大好きな仲間達が繋いでくれた道がある……』

豊音『でも勝てなかった。届かなかった!』

豊音『私達の敗北が決まったあの瞬間……私は姫様と結ばれる資格を失ったのです』

豊音『ならば姫様にはせめて幸せに生きて欲しいと、伴侶探しに注力を……』

エイスリン『だからいきなり東京や大阪に行きたいと言い出したのですね?』

豊音『その通りです……私の心は折れてしまいました。姫様には同じ悲しみを味わって欲しくないのです』

エイスリン『……ごめんなさい。それでも私の考えは変わりません』

豊音『何故ですかっ!』

エイスリン『トヨネを愛しているから』

豊音『……っ!?』

エイスリン『結果的には敵わなかったけれど、心が折れてしまったけれど……トヨネは運命を打ち破ろうと一生懸命戦ってくれました』

エイスリン『だから今度は私が頑張る番です。姉帯豊音を愛するエイスリン・ウィッシュアートとして戦いたい』

エイスリン『トヨネはそんな私を許してくれますか? 応援してくれますか?』

豊音『……っ、わ、私は……』


ガタッ


豊音『ひゃあぁぁぁぁぁぁっ!?』

塞「うわ、びっくりした?」

胡桃「うるさい、そこ!」

白深「だる……」

豊音「あ……み、皆!」

塞「トヨネを探しに行ったエイスリンまで帰ってこなかったから探しに来たんだけど……」

豊音「ありがとー! ちょー嬉しいよー!」パァァ

豊音「それにしてもよくこの場所が分かったねー?」

塞「いや、なんかこっちの方角から獣の遠吠えみたいなのが聞こえてさ。一応、皆で様子見に来たんだ」

豊音「何それちょー怖いよー」ブルブル

エイスリン(豊音の泣き声でしょうか……?)

胡桃「でも二人して座り込んでどうしたの? まさか怪我でもした?」

豊音「あ、えっと……」アタフタ

エイスリン「……♪」カキカキ バッ

白深「お話してた?」

エイスリン「ソウ!」

胡桃「何も無かったんなら連絡してよ。心配したんだからね!」

エイスリン「ツイウッカリ。ゴメンナサイデシタ」ペッコリン

塞「まぁ、何事も無くて良かったよ。さ、帰ろっか」

豊音「うん!」

帰り道


塞「結構良い時間になっちゃったね。どっかで食べてく?」

豊音「さんせーい! 私ちょーお腹空いたよー」

胡桃「あ、そうだ。さっきはごめんねトヨネ。呼び捨て強要しちゃって……」

豊音「い、いいよいいよ! 私もあの時は大袈裟に反応しちゃったしー。それにエイスリンさんともじっくりお話出来たし!」

胡桃「そう言えば何の話してたの?」

豊音「えっ……?」

胡桃「いや、エイちゃんがお話してたって絵に描いてたじゃん」

豊音「そ、それは……」ダラダラ

エイスリン「シンロ!」

胡桃「進路? 意外と現実的」

塞「あれ、でも卒業したら帰国するんじゃ……?」

エイスリン「……♪」カキカキ バッ

白深「三年延長?」

エイスリン「ソウ! ソレデ プロニナル!」

胡桃「エイちゃん大きくでたね」

塞「ちょっと意外かも。トヨネは?」

豊音「ふぇ?」

塞「トヨネも進路の話したんじゃないの?」

豊音「あー、私は……」

豊音「……」

豊音「ううん。私"も"プロになるよー」

エイスリン「……!」

塞「おー、トヨネもかぁ」

胡桃「じゃあエイちゃんとはライバルだね。相変わらず仲良くしてそうだけど」

豊音「フフン、それもただのプロじゃないよー! 目指すは世界ランクNo.1だよー!」

塞「マジで!? すっごい目標掲げたねー」

胡桃「でも良かった! トヨネ最近元気無かった心配してたけど、完全復活だね!」

豊音「えへへ! 私の大切な人がね、すっごく大変な事にチャレンジしようとしてるんだー」

豊音「だからいつまでも折れたままじゃいられないよー!」

胡桃「それでこそトヨネ!」

塞「トヨネとエイスリンの夢、応援するよ!」

豊音「ありがとー! でもでもー、一つだけ訂正させて貰うよー」

塞「え、なに?」

豊音「私の世界ランクNo.1はあくまでも通過点! 絶対に叶えたい夢はもっともっと大きいよー!」

胡桃 「トヨネが荒ぶってる……!」

塞「世界ランクNo.1よりも大きな夢っていったい……」

豊音「それはね、大好きな人にプロポーズして……」

豊音「その人のお嫁さんになる事だよー!」

エイスリン「トヨネ……!」ジワッ

白深「……エイスリン」ポン

エイスリン「……っ!?」ゴシゴシ

エイスリン「ナァニ?」クルッ

白深「良かったね」ニコ…

エイスリン「……!」




エイスリン「ウン!」


カン!

なんというかお目汚しすみませんでした……
初めての投稿で不備やお見苦しい点もあったでしょうが許して下さいお願いします。

HTML化依頼ってどうやれば良いんでしょうか? 依頼スレッド一杯っぽいですが……

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