穂乃果「甲子園を目指す!」 (16)
ラブライブの野球SSです。
話は某野球漫画をモデルにしています。
基本的にラブライブキャラのみ登場ですが、試合は他作品から借りることもあるかも?
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1484665199
2009年3月下旬のある日。
穂乃果「うーん、もうすぐ音ノ木坂に入学か~。高校生活が始まるけど、どんな風に過ごすのかなー」
雪穂「お姉ちゃんまただらだらしてるー!もうすぐ高校生活が始まるんだし、何か目標でもたててみたらどうなの?」
穂乃果「目標ねえ~。とりあえずテレビ見よ」ピッ
雪穂「もう!また話逸らして!」
テレビ「春の甲子園準決勝!UTX学院の1年生綺羅ツバサが二遊間を切り裂くヒットを放ったー!」ワーワー
穂乃果「甲子園?今は春なのにやってるんだ」
雪穂「甲子園は春にもあるの!」
穂乃果「そうなんだ」
テレビ「いやあ、綺羅はピッチャーとしても130kmのストレートを投げる名投手でもありますが、バッターとしても優秀ですねー」
穂乃果「すごいね、この人。投げる方も打つ方もキラキラ輝いてるよ」
雪穂「綺羅ツバサさん、野球界じゃ有名人だよ?中学では全国ベスト4で、高校では1年生ながら抑えを任されてるし、バッターとしても優秀だし、既にプロ野球団も注目してるらしいし」
穂乃果「へえー、すごいねー」ジー
雪穂「UTXは甲子園常連校としても有名だし、強力な選手がそろってるから、ツバサさんもノビノビとプレイしてるね……ってお姉ちゃん聞いてる?」
穂乃果「……」
雪穂(お姉ちゃん、すごいテレビに夢中になってる……)
穂乃果「……決めたよ、雪穂」
雪穂「え?」
穂乃果「私、甲子園に出る!出るったら出る!!」
雪穂「……ええー!?」
穂乃果「今の人見て、野球に興味が出たよ!音ノ木坂に入学したら野球部に入る!」
雪穂「甲子園に行くって言ったって、お姉ちゃん野球やったことないでしょ」
穂乃果「うん、でもやれば出来るよ!」
雪穂「そんな単純な話じゃないと思うけど……」
穂乃果「そうと決まったら、ことりちゃんと海未ちゃんも誘わなきゃ!さっそく電話しよ!」ドタドタ
雪穂「あ、お姉ちゃん!……行っちゃった」
プルルルル ガチャ
海未「どうしたのですか、穂乃果」
穂乃果「海未ちゃん、野球やろう!」
海未「はい?」
穂乃果「詳細は明日話すから空けといて、じゃ!」ブツン
海未「……何だったんでしょうか」
穂乃果「ことりちゃん、一緒に野球やろうよ!」
ことり「や、野球!?私やったことないよー」
穂乃果「大丈夫、私もやったことないから!詳しいことは明日話すから、予定空けといてね!じゃね!」ブツン
ことり「……いきなりどうしたんだろう」
翌日。
海未「それで穂乃果、昨日の話は一体どういうことなのですか?」
穂乃果「海未ちゃんもことりちゃんも音ノ木坂に入学するでしょ?だから、一緒に野球部に入ろうよ!」
ことり「何で野球部なの?穂乃果ちゃん野球やってたっけ」
穂乃果「昨日甲子園をテレビで見てさ、私もやってみたいって思ったんだ」
海未「つまり衝動的、というわけですか……」
穂乃果「うん。私も甲子園に出てみたいなーって思ったから!」
ことり「素人の私たちが甲子園は厳しいんじゃないかな。お母さんから聞いたけど、今は音ノ木坂の野球部は無くなっちゃってるみたいだし」
穂乃果「え、そうなの!?」
ことり「うん。メンバーがいなくなっちゃったから、必然的に廃部になったみたい」
穂乃果「そんな~」
海未「仮に野球部があっても、私は入部しませんよ。弓道部に入部するので」
穂乃果「えー、何で!」
海未「ことりも言っていましたが、素人が甲子園なんて現実的じゃありません。いくらなんでも無謀すぎます」
穂乃果「そんなことないよ、やれば出来るよ!」
海未「でしたら、それを証明してみてください」
穂乃果「……どうやって?」
海未「そうですね、私が10球投げるので、それを半分以上ヒットに出来たら、私は穂乃果の言葉を信用して野球部に入る、というのはどうでしょう」
穂乃果「……よし、受けてたつよ!」
ことり「ほ、穂乃果ちゃんいいの?」
穂乃果「うん。じゃあバットとボールを持ってくるよ」タッタッタ
ことり「海未ちゃん、野球やったことあるの?」
海未「小さい頃、キャッチボールをした程度ですよ。まあ穂乃果相手なら、経験なくても大丈夫でしょう」
ことり「うーん……」
しばらくして。
穂乃果「よし、海未ちゃん準備OKだよ!」
海未「ではいきますよ!」シュッ
穂乃果「やあっ!」ブン
海未「空振りですね。では次の球!」シュッ
穂乃果「えいっ!」ブン
結局、穂乃果はヒットどころか一球もかすらせることすらできなかった。
海未「これで満足でしょう、穂乃果。一球もバットに当てられないのでは、甲子園など夢のまた夢です」
穂乃果「うー、悔しい!」
海未「では私はこれで……」
穂乃果「ちょっと待って!一週間後、もう一回勝負して!」
海未「もう一回、ですか?」
穂乃果「うん。次は必ず打つから、それまで待ってて、お願い!」
海未「しかし……」
ことり「海未ちゃん、いいんじゃないかな?」
海未「ことりまで……。仕方ないですね。では一週間後再戦で」
穂乃果「ありがとう海未ちゃん、ことりちゃん!じゃあ今から修行してくるよ!」
ことり「修行!?どこ行くの?」
穂乃果「秘密だよ~。じゃあまた一週間後!」タッタッタ
ことり「……穂乃果ちゃん、何か策があるのかな」
海未「さあ……」
とりあえずここまでです。
キャラ崩壊(特に穂乃果)が激しいかもしれません。
あと、更新は不定期になるかもしれません。
穂乃果「ただいまー」ガチャ
雪穂「おかえり……って、お姉ちゃんその荷物どうしたの?」
穂乃果「今日から練習するためにいろいろ道具を手に入れてきたんだよ。まずはこれ!」
雪穂「バッティンググローブ?」
穂乃果「うん。素手で素振りすると手が擦り切れちゃうからね」
雪穂「へえー、本格的だね」
穂乃果「今日から一日最低500スイングはするつもりだよ」
雪穂「500!?」
穂乃果「うん。じゃあ雪穂も準備して!」
雪穂「え、何で私も?」
穂乃果「もちろん、雪穂も素振りをしてもらうに決まってるからだよ」
雪穂「何で私も野球やることになってるの!?」
穂乃果「後、雪穂には4月から中学の野球部に入ってほしいんだ。だから、それまでにせめてバッティング技術だけは高めなきゃだし」
雪穂「ちょ、ちょっと待って……」
穂乃果「じゃあ行こう!」グイー
雪穂「どうしてこうなるのー!」ズズズ
近くの公園にて。
穂乃果「よし、じゃあ一緒に素振りのフォームを確認するために動画を見よう!」ポチッ
雪穂「……何で私まで」ジー
穂乃果「なるほど、投手がボールを投げるのを意識しながらスイングするのがいいんだ……よし」
雪穂「どうしたの?」
穂乃果「今からスイングするから、雪穂はカメラで動画撮ってて!」ポン
雪穂「ビデオカメラなんて持ってきてたんだ……」
穂乃果「いくよー!」ブンブン
雪穂「……」ジー
穂乃果「どんな感じに撮れたか見せて!」
雪穂「はい」ピッ
穂乃果「……うーん、私はどちらかというとアッパースイング気味なのかー。でもこれなら極めていけばホームランを打てるようになるかもしれない。でも今の私は非力すぎるから……」ブツブツ
雪穂(こんなに真剣なお姉ちゃん、高校受験の勉強でも見たことないよ)
穂乃果「練習動画だけじゃなく、本も参考にしてみよう」ペラペラ
雪穂「本も買ってきてたんだ」
穂乃果「ひとえにバッティングフォームといっても様々なものがあるからさ、一つの情報源だけを鵜呑みにするのもよくないかなって思って」ジー
雪穂「意外と考えてるんだね」
穂乃果「そりゃ、本気でやってるから」
雪穂「でも、なんでそこまで野球に本気になるの?テレビで甲子園を見て感化されたからっていっても、これは結構異常じゃない?」
穂乃果「だって、雪穂が高校の目標をたててみたらって言ったんじゃん!」
雪穂「そりゃそうだけど、まさかこんなにも本気になるなんて思ってもみなかったからさ」
穂乃果「だから、雪穂にも責任とってもらうよ」
雪穂「責任?」
穂乃果「私が高校三年生になるときに、雪穂は高校一年生になるから、音ノ木坂に入学して一緒に甲子園目指すの!」
雪穂「えー!私UTX志望なのに……」
穂乃果「ダメだよ。私の構想しているチームなら、必ず甲子園に出場できると思うんだ。その中には雪穂も含まれているんだから」
雪穂「……その構想上のチームには、他に誰が入っているの?」
穂乃果「それを教える前に、まずは突破しなくちゃいけない壁があるんだ。だから、今はその修行中なの」
雪穂「壁?」
穂乃果「海未ちゃんを野球部に入れるために、10本勝負に勝たなきゃいけないの。私が5本以上ヒットを打てたら私の勝ち。勝負の日は一週間後」
雪穂「ふーん」
穂乃果「だから、一週間以内に海未ちゃんの球を5球ヒットに出来るスイングを身につけなきゃなの。そのためには、一日500スイングぐらいはやらなくちゃ」
雪穂「でも、そんなにやったら手が豆だらけになっちゃうんじゃ……」
穂乃果「そんなの、野球をやるって決めたときから覚悟の上だよ。じゃあ、また素振りするからビデオ撮っておいて。私が終わったら雪穂の番ね。はいこれ、雪穂の分のバッティンググローブ。今のうちに渡しておくね」スッ
雪穂「……もうこうなったらとことん付き合うよ……」ピッ
穂乃果「じゃあ次はこれを使おう!」
雪穂「おもちゃのバッティングマシン?こんなのどこで買ってきたの」
穂乃果「穂むらに来てくれるお客さんの中に、おもちゃ屋さんの人がいたから借りてきたんだ。これを使ってミート力を鍛えていこう」
雪穂「そんなコネがあったんだ……」
穂乃果「こうやってセットして……。よし、いくよー!」
マシン「シュッ」
穂乃果「やあっ!」カキン
雪穂「おお、打てた!」
穂乃果「まあ、これはおもちゃだし、球速も遅いから打てて当たり前だけどね。でも、これでミート感覚を養うことができるから、意外といい練習になると思うよ!」カキン
雪穂「なるほど……」
穂乃果「10球ずつ交代にしよう。雪穂もやりたいでしょ?」カキン
雪穂「う、うん。私も打ってみたい」ドキドキ
穂乃果「ゴロでもいいから、まずは前に飛ばすことを心がけよう!」カキン
穂乃果「よし、とりあえずここまでにしよう。他にもやることはあるし」
雪穂「じゃあもう帰るの?」
穂乃果「とりあえずはね。あ、そうだ、雪穂。これを握りながら帰ってね」スッ
雪穂「何これ、ゴムマリ?」
穂乃果「これで握力を鍛えるの。やれることはしっかりやらないとね」ギュギュギュ
雪穂「ほえー、大変だ」ギュギュギュ
穂乃果「素振りをたくさんやったから、手が痛いかもしれないけど、ここを乗り越えれば高い打撃力が手に入るよ!」ギュギュギュ
雪穂「ほんとかなぁ……」ギュギュギュ
穂乃果「ただいまー!」
雪穂「疲れたー。……お姉ちゃん、今日はもう練習はしないの?」
穂乃果「うーん、お父さんの仕事が終わったら、また練習しようと思ってるよ」
雪穂「何でお父さんの仕事が終わってからなの?」
穂乃果「まあ、そこは考えがあるんだよ~」
雪穂「? ふーん」
穂乃果「私はそれまで筋トレしてるから、お父さんの仕事が終わったら呼んでね」タッタッタ
雪穂「もう、しょうがないなー」
穂乃果「13、14、15……っと」
雪穂「お姉ちゃん、お父さんの仕事終わったってー」
穂乃果「ん、了解ー」タタタ
雪穂「もしかして、お父さんに用があるの?」
穂乃果「うん。お父さんと練習するんだ。朝約束しておいたから、もう了承はもらってるよ」
雪穂「お姉ちゃん、抜け目ないねー……」
穂乃果「じゃあ、雪穂も行くよー!」
雪穂「……まあそうなるんじゃないかと思ったよ」
雪穂「で、お父さんと何するの?」
穂乃果「元高校球児のお父さんが投げるボールを打てるようになったら、私たちのバッティングも相当上手くなると思わない?」
雪穂「え、まさか」
穂乃果「そう、今からお父さんのボールを打ちます!」
雪穂「そんな、いきなり打てるわけないじゃん!」
穂乃果「別に、今日打てるようになる必要はないよ。まずは目を男性が投げるボールのスピードに慣らすところから始めるの」
雪穂「な、なるほど」
穂乃果「とはいっても、勝負まで一週間しかないから、あまり悠長なことは言ってられないんだけどね」
雪穂「そうだね」
穂乃果「じゃあお父さんお願い!」
穂乃果パパ「……」シュッ
穂乃果「はっ!」ブン
雪穂「……空振りだね」
穂乃果「うーん、やっぱりタイミングが全く合わないなー。なら、もっと早く振るべきか……。次お願い!」
穂乃果パパ「……」シュッ
穂乃果「やあっ!」ブン
雪穂「惜しい!」
穂乃果「このくらいのタイミングか」
雪穂「ねえお姉ちゃん、もっとコンパクトに振った方がボールに当たるんじゃないの?」
穂乃果「……私たちはまだ素人だから、バッティングフォームが定まっていない。そんなときだからこそ、なるべくフルスイングでやっていきたいんだよね。それと……」
雪穂「それと?」
穂乃果「仮にコンパクトに振ってバットに当たったとしても、お父さんのボールは今の私の力じゃ前に飛ばすことができない。だから、選択肢はおのずとフルスイングになっちゃうんだよ」
雪穂「なるほどね」
穂乃果「じゃあ次お願い!」
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