サンタ(誰だコイツ)泥棒(誰だコイツ) (26)

子供「むにゃむにゃ」スヤァ

サンタ「……」

泥棒「……」


サンタ(どうしよう……)

泥棒(どうしよう……)


サンタ(泥棒だコイツーーーッ!!)

泥棒(サンタだコイツーーーッ!!)



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サンタ(まて、待て待て落ち着けワシ)

サンタ(状況を整理するぞ)

サンタ(ワシは今プレゼント配達の最中に泥棒と遭遇してしまった)

サンタ(しかし、ワシは子供に夢を与えるサンタクロース。この手の輩の存在は許せんが正体を明かし子供の夢を壊す結果に繋がるのも避けねばならぬ)

サンタ(ワシが取る行動は……)

泥棒(落ち着け……落ち着け俺……)

泥棒(まず状況の整理だ)

泥棒(クリスマスの夜にはプレゼントが枕元に置かれる。俺はそれを盗んで転売する目的でこの家に侵入した)

泥棒(でも目の前にいるのはどこからどう見てもサンタ……ッ!!圧倒的サンタ!!見た目だけだったら親御さんか何かだと思うが)

泥棒(窓 の 外 に 空 飛 ぶ ト ナ カ イ 待 機 さ せ て や が る ! !)

泥棒(俺が取る行動は……)

サンタ「……」

泥棒「……」


「「よう、同業者」」


サンタ・泥棒((エエエエエェェェェェェェェェエエエエエ!?))


サンタ(コイツマジで言ってんの!?唐草模様の頭巾巻いてるサンタとか見たこと無いよ!?)

泥棒(オメェみたいなファンシーな泥棒とか見た事ねえよ!?ってかそのトナカイで自由に空移動できるならアンタ天下取れるよ!?)

サンタ(いや、同業者と声をかけてきたのなら奴はワシを泥棒だと思っているのではないか……?いや間違いなくそうじゃ!ならば話を合わせねば……)

サンタ「お、おう。今日のような日に活動するのは当然の事だからな!フハハハハ!!」

泥棒(そうか、このジジイ俺をサンタの仲間だと思っているのか!なら話は早い!このまま何とか切り抜ける!!)

泥棒「あ、ああ。お互い生が出るな。まさか入る家が被ってしまうとは……お互い、担当地区が近いと苦労するな」

サンタ「担 当 地 区 ! ?」

泥棒「な、なんだ!?当然だろ!こうやって人の家に入るんだから被らねぇように動かなきゃいけないのは当然だろ!?」

サンタ(カマを掛けた……?いやそんな馬鹿な!ならば考えられるのは……)

サンタ(巨 大 組 織 ! ?わ、ワシは何というヤツに遭遇してしもうたんじゃ……)

泥棒(しまったぁあ!まさかコイツ一人で世界中の子供にプレゼント配り歩いてんのか!?ごくろうさんです)

泥棒(いやそうじゃねぇ、それじゃあ俺がサンタの内情知らねぇって言ってるようなもんじゃねぇか!?くそう、どうすりゃ……)

サンタ「う、うむ。確かにあまりに規模が大きいと管理も大変じゃ。人数を抱えればそういった問題も出てくるじゃろう」

泥棒(な、なんだ脅かしやがって……やっぱり人数居るんじゃないか)

サンタ(テキトーこいたが何とか乗り切った……ふむ、やはり相当な規模のようじゃ。もっと踏み込んだ話で怪しまれないようにしよう)

サンタ「ワシら程の大きな組織となると、やはり侵入時の痕跡を消したり見つかった時の人間の始末なども楽ではないからなぁ」

泥棒「見 ら れ た ら 始 末 し な き ゃ い け な い の ! ?」

泥棒(こえぇ……こえぇよ……サンタこえぇよ……俺がサンタじゃないってバレたら始末されちまう)

泥棒「あ、ああ。勿論掟には従わ無きゃいけねぇ。確かに見られたら俺達自身がアブねぇ」

サンタ(不味い……非常に不味い……ワシが泥棒ではないとバレたら巨大組織に狙われ最後には消されてしまう……)

サンタ「……」

泥棒「……」

サンタ・泥棒((とっとと事を済ませてこの場から立ち去ろう))

サンタ「そ、そうじゃ!!早く仕事をせねば!!」

泥棒「お、おう!この子が起きないうちにはやく済ませないとな!!」

子供「むにゃむにゃ」スヤァ…

サンタ(し、仕方がない!!)

泥棒(やるしかねぇ!!)

サンタ「おぉー!丁度いいところに本棚が!中身を全部盗み出すとしよう!!」ガサガサ

泥棒「ほほう、いい子だ。ほら、君の大好きなプレゼントだよ」ガサガサ

サンタ「……」

泥棒「……」

サンタ「プ レ ゼ ン ト ! ?」

泥棒「盗 み 出 す ! ?」

サンタ(え!?何コイツ、え!?プレゼント、え!?この泥棒慈善活動してるの!?)

泥棒(え!?何コイツ、え!?盗むって、え!?サンタさんお金に困ってるの!?)

サンタ「……」

泥棒「……」

サンタ・泥棒(あっ)


※お互い勘違いに気づく


サンタ「……お互い見なかったとこにせぬか?」

泥棒「……あ、はい」

サンタ「……」イソイソ

泥棒「……」イソイソ

サンタ(うっわ恥ず!!)

泥棒(うっわ気まず!!)


サンタ「……」

泥棒「……」

サンタ「それじゃあワシはこれで」

泥棒「あ、俺も窓から出るんで一緒に」

サンタ「……」

泥棒「……」

サンタ「逃がすと思ってんのかこのスカタンが!?テメェ今から警察に突き出して豚箱にぶち込んでやろうか!?あぁん!?」

泥棒「テメェサンタさんだろうがよぉお!?何調子いいこと言ってんだよテメェも不法侵入でパクられてぇのか!?あぁん!?」

サンタ「やるかゴルァアアアア!?」ズダンズダン

泥棒「出るとこ出るやクソデブが!!」ズダンズダン





子供「……」ジー

サンタ「あ」

泥棒「あ」

子供「……」

子供「パ パ ー ! ! マ マ ー ! ! 警 察 呼 ん で ! !」


サンタ「ハッピーメリークリスマス!!」ダッ!!

泥棒「あ!?オイてめぇだけ逃げんな!!オイ待てクソジジイ!!」

サンタ「あぁ!?トナカイがいねぇ!?」

泥棒「手綱放して解放しといてやったよバーーーーーーカ!!」

サンタ「んだテメェ!?」

泥棒「やんのかゴルァ!!?」


子供「警 察 ー ー ー ー ー ー ! !」




二人仲良く警察に突き出されました☆


おわり

聖なる夜はクソ喰らえ

もしお付き合いしていただいた方がいましたら、どうもありがとうございました

過去作
http://blog.livedoor.jp/innocentmuseum/

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