子供「サンタさん来るかな?」 (38)


母「良い子の所には来るわよ」

子供「そっか」






子供「だからサンタは廃業しちまったんだよ!」

友「ち、チクショウ!! 道理でどこにもいねぇわけだ!」

子供「俺達のせいで……!」

幼馴染「……」


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幼「あのさぁ…」

子供「今からでも遅くない!
   いい子の数を増やす、サンタ復活運動を開始する!」

友「オーケイ!!」

幼「……」


友「おい子供なんだそりゃ!」

子供「コイツは、ここのアンテナから」

ココ

子供「電波を飛ばして」

ココ )))

子供「脳の欲望を司る部分の働きを抑制する装置だ!」

ココ )))脳「」ヤベェ!


友「そりゃやばくないか?」

子供「考えても見ろ、この世の争いはすべて欲望が原因だ
   欲望を失った世界の、なんと平和なことか!」

友「でもよ、一部の人間が欲を失っても、残りの欲のある人間にカモにされるだけだぜ」

子供「この装置は各国の衛星を乗っ取り、同一の電波を世界中に向けて発信できる!」

友「おお、そりゃ平等だ!」

子供「さあスイッチ!」

友「オン!」

幼「」グシャ!

子供「」

友「」


幼「あんた達はサンタに何をお願いするの?」

子供「ポケモン」

友「ポケモン」

幼「そういうものが欲しいっていう気持ちも無くなっちゃうのよ」

子供「!」

友「!」



子供「やっぱ脳をどうこうするのはよくないな」

友「ああ、たしかにな」

子供「じゃあコイツだ!」

友「何だそれ?」

子供「この紙に」

悪い子供

子供「後は丑三つ時、神木に釘で打ち付ければこの世の悪い子は全滅!」

友「なるほどな! 毎年やればいい子だけが選別されて増えるってわけか!」

幼「あんたら生き残る自信あるの?」

子供「」

友「」


幼「あんたら去年プレゼントもらってたじゃない」

子供「アレはうちのオヤジだった」

友「ショックだよな~」

子供「いい子一人ひとりの数が少ないから、客単価を上げるしかないんだろ……」

幼「意味がわからん」

子供「つまりだ、子供全体におけるいい子(客)の数が減ったせいで、
   サンタは利益率の高いとてもいい子(単価の高い客)の所にしか来なくなっちまったんだよ」

幼「……(何を言っているの……?)」




幼「と、言うわけです」

子供父「そんなことを言われても……」

幼「あの連中は放っておくと何をしでかすかわかりません、何か対処を」

子供父「あの子もそろそろ、サンタなんていないことくらいわか」

幼「アチョウ!」

ドス!

子供父「オグフ!?」



窓「」ガラッ!

幼「」キョロキョロ!

幼「聞かれてないか……!」

子供父「い、一体何を……」



幼父「聞いたぞ!」

幼「!」

幼父「サンタはいないと、たった今教えられたな娘よ!」

幼母「わかっているわね……サンタを信じない子供は、プレゼントをもらえない事を!」

幼「ち、違う! 私はこんなオッサンの言うことなんて信じてないわ!」

子供父「(オッサン……)」



幼「サンタはいるの!」

幼父「だまらっしゃい! プレゼントが欲しいからそんなことを言っているだけだろう!」

幼母「残念だったわね……もう、例のアレも買ったのに……」

幼「買ったならくれてもいいじゃない!」

幼母「掟は掟よ! アレは親戚の子にあげるわ!」

幼「イヤアァァ!!」







子供「チクショウ、今年もやっぱり親父だったな……」

友「匿名で2000万ドル慈善事業に寄付したりしたのにな」

子供「やっぱ、身分を偽って株取引やって稼いだ金なのが問題なのか……」

友「えぇー、確かに年齢詐称だけどよ、救われる命は多いんだぜ?」

子供「いや……金の汚れに少しも多いもねぇよ、そんな金で人を救うなんて、そもそもおこがましい考えだったんだ」

友「そうか……思いあがりが過ぎたな」

子供「ああ……いい子って難しいな……」





友「まあいいや、ポケモンやろうぜ!」

子供「おう! 幼もプレゼントはポケモンのはずだ、三人でバトルだ!」


幼「……」

友「おーい、幼! ポケモンやろうぜ!」

子供「へっへっへ、俺なんて夜12時にもらって今まで寝ずにやってたからな!
   ボコボコに」

幼「」シャッ!

子供「ベラ!?」メキャァ! バタン!

幼「」グリグリ!

子供「アゴォォォ!?」グキゴキ!

幼「ペッ!」

子供「」ビチャ!

幼「」スタスタ

子供「」チーン……


友「あ、あいつ一体どうしちまったんだ……」



友「な、何かやったのか?」

子供「知らねぇ……給食のぶどうゼリー取った時もやれやれで済ませる幼とは思えねぇ……」

友「これは調べてみなきゃならねぇな……」



友「カアァー!」

子供「姿を現したまえ我が問に応えたまえ! 幼の家の地に縛されし霊魂よ!」

友「キェェー!」

子供「幼はなぜあんなに怒っているのですか!!」

友「ハアァー!」

((( ⑩

子供「よし、10円玉が動き始めた!」

友「ウォォー!」


     ((( ⑩あかさたな はまやらわ

          いきしちに ひみ り
          うくすつぬ ふむゆるを
          えけせてね へめ れ
          おこそとの ほもよろん



省略




子供「そうか、幼はポケモンをもらえなくて……」

友「そ、そんなことよりもよう! サンタがいないって……」

子供「うるせぇ!」

友「甘い!」

ガキィン!

子供「」

友「」




友「(し、しまった!
  ノリで子供の拳を止めちまった……話が続かねぇ!)」


子供「うるせぇ!」

ボガァ!

友「仕切りなオゴフ!?」


子供「俺だってショックさ……でもな、俺達にはそれより大切なもんがあるだろ!?」

友「子供……!」

子供「……俺のポケモンを、あいつにやる!」

友「!?」



友「な、何を言ってるんだ子供!」

子供「サンタは確かにいねぇ……だが、俺たちがあいつのサンタになることはできるはずだ!」

友「!!!」




子供「サンタ衣装作ってきた!」

友「でかいな!」

子供「ああ、肩車で着るからな!」

友「お前が上か?」

子供「俺のポケモンをやるんだから当たり前だろ!」

友「まあ、そうだな……」



友「でも、バレねぇかな?」

子供「心配すんな、こうやって白い眉毛とひげを蓄えれば、顔なんてわからねぇだろ
   ってか、もしかしたら誰でも化けられるようにこんな特徴を持ってるのかもしれねぇな」

友「考えてみればそうだな……」

子供「よく考えられてる設定だよな」


幼「はぁ……」

幼「(あいつら今ごろ、ポケモンやってるんだろうなぁ)」

幼「(正月のお年玉で買うとして、10日以上……)」

幼「ふぅ……」


???「たそがれるな幼!」

幼「!?」


幼「あ、あんたは!?」

???「俺はサンタだ!」

幼「(胴なが!!)」



サンタ「お前にこれをやろう!」

幼「こ、これは私がお願いしてたポケモン!?
  あなたはまさか、本物の!」

サンタ「メリークリスマス! さらばだ!」ダッ!

幼「あ、ちょっと!」

ドテ!

幼「!? 上と下が分離した!」

上半身サンタ「」ダッ!

下半身サンタ「」ダッ!

幼「そのまま走った!??」



幼「って事があったの! サンタってホントにいたんだ!」

子供「よかったな」

友「ホントホント」

幼「じゃあさっそくやってみる!」

スイッチオン!

……

幼「二人共、一日でどれくらい行った?」

子供「い、いや、俺はほとんど進んでねぇや」

友「(子供……)」

幼「あれ、続きから選べる」

子供「!!」

幼「」

主人公 コドモ

子供「」

友「」

幼「……どゆこと?」

友「(ふ、お前らしくもねぇ)」

子供「(面目ねぇ)」


幼「なんだ、あのサンタってあんたらだったの……」

子供「うるせぇ! お前が落ち込んでると思って……」

幼「いらないよ、あんたのポケモンなんて」

友「いいから受取っとけ!」

幼「……私が不機嫌だったのは、あんたたちと遊べなくなるから
  二人がゲームやってる時、私だけ除け者になるのが嫌だったから」

友「」

子供「いや、じゃあなんで俺をボコボコに」

ドスグ!

子供「オギャフ!?
   なんでもないっす!」

幼「子供も一緒に遊べないんだったら、意味ないの
  だから返す」


子供「……ええい、いいから受取れ!」

幼「!?」

子供「どうせ正月のお年玉でも買えるしな!」

幼「え、いやちょっと」

子供「俺の天才テクなら、10日程度のハンデなんてちょうどいいくらいだぜ!」

幼「あ、あのねぇ! あたしが言ってるのはそういうことじゃなくって!」

友「幼、こうなっちまったら、こいつはもう聞かねぇよ」

幼「……全くもう」





子供宅

子供「」ポフ

ベッドに倒れ込み

子供「(あああ、あいつら今頃、夜通しポケモンやってんだろうなぁ……)」

子供「(数時間とはいえ、俺の育てたポケモン達よさらば……)」

コンコン

子供「? 窓?」


窓「」ガラッ

子供「(リボンの付いた赤い小包?)」

ビリビリ!

子供「(こ、これは!)」




ヒラリ

メッセージカード「Merry Christmas」



おしまい


最後まで読んでいただき、ありがとうございました
10円玉が動くシーンで、なんだか書いててちょっとかわいく感じてしまいました
これがあざとい動きというものかもしれません
ありきたりなお話でしたが、楽しんでいただけたなら幸いです、では

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