翔太「どうしようこのプラモ…」
北斗「壊しちゃったんだから謝らないと」
翔太「やっぱそうだよね…でもこれ前に冬馬君が自慢していた奴だよね」
翔太「もしもものすごく怒って解散とか言ったりしたら…」
北斗「流石にそれはない、いくらプラモが壊れたからってそう簡単にジュピターが終わるとは思えない」
北斗「ただ、しばらく関係は悪くなりそうだと思うけどね」
翔太「だよね。それにしても、ちょっと興味本位で触っただけなのにこんなに簡単に壊れるなんて…」
北斗「とりあえず冬馬が御飯を作っている間に応急処置しないと…、どこかに接着剤あるかな?」
翔太「ここにあったよ!製作キットって書かれた箱の中にあった!」
北斗「でかした!これならしばらくバレずに済む!」
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翔太「これでいいかな?」
北斗「いいんじゃ…ないかな?少なくとも違和感ないから大丈夫だと思う…」
翔太「それじゃああとはこれを戻すだけだね」
北斗「ああ、元々あった場所に戻して…」
冬馬「おい」
二人「!?」
冬馬「何しているんだ二人とも、もうとっくに飯できたぞ」
翔太「え、あ…」
翔太「ちょっと、冬馬君のプラモデルを見ていたんだよ」
冬馬「プラモを?」
北斗「ああ、どれもとてもカッコいいって翔太と話しながら見ていたんだ」
冬馬「おお、お前たちもこれらの良さをわかってくれたのか!」
翔太「当たり前だよ、男子がロボットに興味持たないでどうするのさ!」
冬馬「よし、だったら飯食うときに色々教えてやるぜ!」
冬馬「だから早く席つけよ、待ってるからさ」
翔太「うん!」
翔太「あーびっくりした」
北斗「危ないところだったね。それじゃあ俺たちも行こうか」
翔太「そうだね…」
冬馬「それであの一番上の奴が結構なレアものでな、手に入れるのに苦労して…箱までとってあるんだ、それで…」
北斗(どうしよう…あれバレないかな…)
翔太(うぅ…、なんかあんまり食欲ない…こんなの久しぶり……)
冬馬「おい聞いているのか?」
二人「あ、うんもちろん」
冬馬「それじゃあ続きだが…」
二人「はぁ…」
翌日
翔太「う~ん…」
北斗「…」
北斗「とりあえず、いつまでも悩んでいるわけにはいかないね」
翔太「だね」
北斗「今はまだバレなくてもそのうちきっとバレる日が来る」
北斗「そうしたら絶対壊したことを黙っていたことについて怒られる」
北斗「だったらこっちがやることはただ一つ、弁償して謝罪するだけだ」
翔太「だよね。僕も同じこと考えていたよ」
北斗「よし、そうと決まれば早速実行しよう。まずはあのプラモがどこで売られているかだ」
翔太「うん」
―――――――――
翔太「どう?わかった?」
北斗「わかったにはわかったけど…これすでに生産が中止して、今ではネットショッピングでしか手に入らない代物なんだ」
北斗「それで値段がね…ほら」
翔太「ヒッ…!そんなにするの…」
北斗「まあこっちは俺がなんとかするから、翔太は冬馬にどう謝るか考えて」
翔太「う、うん…」
数日後
冬馬(なんか近頃二人の様子がおかしいな…)
冬馬(翔太も俺をからかわなくなってきたし…北斗も俺と話している時何かに集中して上の空だったし)
冬馬(二人ともなんかあったのか?)
冬馬(くっ…。結構うぜぇと思っていたのに、あいつらが振り回してくれないと調子が狂うな)
冬馬(俺ってもしかして…避けられてるのか?)
冬馬(いやまさか、俺に限ってそんなことはねぇ。ちゃんとリーダーらしいことはしている…はずだよな?)
冬馬(やべ、なんか自分に自信がなくなってきた…。まずいぜこりゃ…後で何があったか聞くか…)
ピンポーン
冬馬「お、来たか。聞く前にまずはアレだな」
ガチャ
冬馬「はい」
翔太「冬馬君」
冬馬「翔太?北斗まで。今日ここに来るって聞いてねぇぞ」
北斗「連絡しなかったのはごめん、どうしても言いたいことがあってきたんだ」
冬馬「言いたいこと?」
北斗「ほら」
翔太「うん」
翔太「冬馬君、これ…」つプラモ
冬馬「おい…、これって…」
翔太「ごめんなさい!冬馬君のプラモ、間違えて壊しちゃった!」
翔太「ちょっと興味本位で触っただけなのにポキッて折れちゃって…」
翔太「それにこれ、冬馬君のお気に入りの一つで結構高いんだよね。だから正直に言い出せなくて…本当にゴメン!」
翔太「だからこれ…同じもの買ったからこれで許して!」
北斗「俺も黙っていてごめん、あの翔太も反省しているんだ。どうか許してほしい」
冬馬「……」
冬馬「あー…そっか、翔太だったのか…あれ…」
冬馬「参ったな…」
翔太「え?あ、あれ?思っていた答えと違う」
北斗「一体、どういうことなんだ?」
冬馬「それがな」
「すいませーん、お届け物です」
冬馬「あ、待ってました」
「天ヶ瀬さんですね、ここにハンコかサインを」
冬馬「はい」
「ありがとうございました」
翔太「ねぇ、今のって…」
冬馬「ああ、これか?実はな…」パカッ
翔太「プラモ…しかも」
北斗「翔太が壊して弁償したものと同じ…」
翔太「どうして?」
冬馬「あの時二人が帰った後棚の掃除をしようと思ってプラモを片付けようとしたら」
冬馬「そのうち一つが落ちてその衝撃でパキッとな」
冬馬「正直あの時すげぇショックがでかくてしばらく固まってたけど壊れちまったものはしょうがねぇってきっぱり片付けて新しく買うことにしたんだ」
翔太「そうだったんだ」
冬馬「しかしまあ…なんか変な感じだな。同じものが二つも手に入るなんて」
翔太「あの、怒ってない?」
冬馬「怒る?別に、正直に謝って弁償までしてくれた相手を何で怒らなきゃいけないんだ」
翔太「そ、そっか。よかったぁ…」
北斗「それにしてもこの二つのプラモ、どうしようか」
冬馬「簡単さ、二つとも飾ればいいんだ」
冬馬「フィギュアもそうだがこういうものはこういうものは同じものがいくつあっても楽しめる物なんだ。保存用とか観賞用とか」
翔太「そういえば冬馬君フィギュアも同じもの結構持ってたね」
北斗(そういうのはよくわからないな)
冬馬「ああ、これは集めるのが地味に難しくて妥協して一つだけ買ったけど」
冬馬「せっかくだし二つとも飾っておくか。わざわざ俺のためにありがとな」
翔太「うん、そもそも元はと言えばボクが招いた種だし」
北斗「それにしても無事に解決してよかった。てっきりこの件で仲が悪くなるんじゃないかって思ったよ」
冬馬「おいおい、俺たちの仲はフィギュアやプラモみたいに簡単に壊れたりしないっつーの」
北斗「それもそうか、それじゃあ俺たちはそろそろ帰ることにするよ」
冬馬「おいせっかく来たんだから飯くらい食ってけよ」
翔太「それじゃあ、お言葉に甘えて…」
北斗「悪いねわざわざ。じゃあ俺も…」
冬馬「この二つを並べてっと…よし」
冬馬「それじゃあゆっくりしていってくれ」バタン
翔太「ふぅ…一時はどうなるかと思ったよ。冬馬君が怒らなくてよかった」
北斗「ちゃんと弁償して謝れば、大抵許されるものさ」
翔太「そっか」
北斗「さて、料理ができるまで何しようか」
翔太「ねぇ、この部屋にフィギュアがたくさんあるよ!」
北斗「おい勝手に人の部屋覗くのは感心しないな。どれどれ」
北斗「これは…冬馬の癖に意外なものばかり揃っているな…」
北斗「こっちなんてキュアなアレじゃないか」
翔太「こういうのも集めてたんだ、やっぱ冬馬君も中身は結構なオタだよねー」
パキッ
翔太「パキッ?」
北斗「おい、何か踏んでないか?」
翔太「!?」
翔太「あ…、上半身と、下半身がパキって……」
北斗「おい!またこのパターンか!早く直さないと…!」
翔太「一体どうしてこんなところにフィギュアが置いてあるの…!」
冬馬「それはな、俺がサイクルショップで買ってきたたくさんあるフィギュアの一つなんだ」
二人「!?」
冬馬「多分なんかの拍子で落ちたんだろうな。まあこの緑の美少女戦士は後二つあるしフィギュアが壊れた程度で一々怒ったりはしねぇよ」
冬馬「ただ勝手に人の部屋入って人の趣味茶化すのはチームメイトとしてもどうなんだろうな」
翔太「ひっ…!」
翔太「あ…、上半身と、下半身がパキって……」
北斗「またこのパターンか!早く直さないと…!」
翔太「一体どうしてこんなところにフィギュアが置いてあるの…!」
冬馬「それはな、俺がリサイクルショップで買ってきたたくさんあるフィギュアの一つなんだ」
二人「!?」
冬馬「多分なんかの拍子で落ちたんだろうな。まあこの緑の美少女戦士は後二つあるしフィギュアが壊れた程度で一々怒ったりはしねぇよ」
冬馬「ただ勝手に人の部屋入って人の趣味茶化すのはチームメイトとしても人としてもどうなんだろうな」
翔太「ひっ…!」
冬馬「言い訳は聞いてやる、何か言いたいことは?」
翔太「……」
北斗「……」
「ご、ごめんなさい……」
終わり
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