モバマス×ファフナーのクロスです。
総士君がプロデューサーでアイドルたちがファフナーに乗ります。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1477492392
総士(僕の名は、皆城総士。僕は今度こそ、存在と無の地平線を越え、いなくなったはずだった。しかし、僕は目覚めた。)
総士(かつてワルキューレの岩戸と呼ばれた場所とよく似た場所で。そして僕は知った。)
総士(僕がいる世界は、僕のいた世界ではないことを)
―1ヶ月後―
総士「プロデューサー?」
美城常務(指令)「この島では、ファフナーパイロットの適性を持つ子供たちを芸能プロダクションに所属するアイドルという形で訓練している。君にはそのプロデューサーを務めてもらいたい。ファフナーの運用やこれから現れるだろう敵に関しては君の方がよく知っているわけだし、異論はあるか」
総士「構いません。すぐに取り掛かります」
美城常務「てっきり断られると思ったのだが、素直だな」
総士「自分でも変な気分です」
総士(ふたたびファフナーやフェストムと関われば、わかるかもしれない。僕がここにいるわけが)
――事務所――
卯月「新しいプロデューサーさん?」
総士「君たちのプロデューサーを務めることになった皆城総士だ。よろしくたのむ」
卯月「島村卯月です。よろしくお願いします!プロデューサーさん!」
凛「私は渋谷凛。よろしく」
未央「本田未央、15歳っ!よろしくっ!」
総士「所属しているアイドルというのは君たちだけなのか?」
卯月「いえ、他の子は、家の仕事の手伝いや学校に行っていて、私たちはたまたま暇だったので・・」
総士「そうか。僕はアイドルのプロデュサーというのは、まったく経験のない。まったくの手探りだ。君たちはアイドルとして何を目指しているんだ?」
卯月「それは・・」
未央「もちろんっ!日本一のトップアイドルだよっ!」
総士「日本一か・・」
凛「ねぇ、プロデューサー?」
凛「プロデューサーはなんでプロデューサーになったの?」
総士「理由か」
凛「私は、これをやることで何かを見つけられる・・自分が何なのかを確かめられる気がしたから・・プロデューサーは?」
総士「僕も同じだ。この島に来てまだ1か月しかたってない。自分がなぜこの島にいるのか、その理由を確かめたい」
凛「ふーん」
未央「お!なになに?プロデューサーはこの島の人じゃないの?」
総士「あぁ、話せば長くなる。そして、詳細は秘密にしておきたい」
未央「そう、なんかごめんねっ」
総士「謝ることはない。」
総士「そろそろ時間だ。僕は用事がある。また会おう」
卯月「今日はありがとうございました。また今度」
卯月「クールでかっこいい人だったな~」
凛「そう?不器用そうなだけに見えたけど」
未央「いや~なかなか面白そうなプロデューサーだよ・・」
――Alvis――
総士「CDCの造りはほとんど同じか
」
総士「あれは、ジークフリードシステム?」
美城指令「そうだ。しかし、このシステムを扱えた人間はいまだいない。もしかして君は」
総士「はい。これに乗っていました。」
美城指令「ならば、今度の実機訓練のさいこれに搭乗してくれるな」
総士「また・・これに」
美城指令「不服か?」
総士「いえ・・」
美城指令「そういえば、まだファフナーを見せていなかったな。ブルクへ案内する」
――ブルク――
総士「これは、人類軍の?」
美城指令「人類軍?ああそうか、君のいた島では、この機体は君たちへの対抗勢力が開発した機体だそうだな」
美城指令「このトローンズ・ドミニオンズ・パワーズの3つのモデルが、現在の我々の主力だ。ミールから得られた情報にあった機体のうちもっとも量産に適し、尚且つノートゥングモデルよりも比較的容易に扱える」
総士「ノートゥングモデルは実戦配備されていないのですか?」
美城指令「シナジェティック・コードや同化促進の問題から、見送られている。若いパイロットにしか動かせないそうだしな」
総士「ところで彼女は?」
美城指令「紹介しよう。彼女がこのファフナーを作り上げた、池袋昌葉だ」
昌葉「あんたがミールから出てきたっていう」
総士「皆城総士だ。よろしく。しかし、このファフナーすべてを君が作り上げたのか」
昌葉「ふっふっふっ、どうだ驚いたか?」
総士「極めて天才的だ」
昌葉「もちろん、私は天才だからな」
総士「期待している。」
昌葉「こっちこそ、期待してるぞ。助手」
総士「助手?」
美城指令「話は済んだか?」
総士「はい。」
『『『あ・な・た・は・そ・こ・に・い・ま・す・か』』』
未央「うおっ!?」
卯月「なに!?」
凛「声?」
――街角――
ありす「何!?」
文香「ついに・・きたのですか・・」
ありす「文香さん?」
文香「ありすちゃんは・・アルビスに」
ありす「アルビス?文香さん・・これは一体?」
文香「とにかく・・今は・・逃げて・・大丈夫です・・私はちゃんと必ず帰ります・・」
ありす「言ってることがなんだかわかりません。文香さん!」
文香「ごめんなさい」
ありす「文香さんっ!」
――Alvis――
総士「ここでくるのか」
美城指令「すぐにCDCに行く」
――CDC――
美城指令「ヴァッフェラーデンへ移行」
ちひろ「気流速度上昇中、ワーム質量尚も増大」
美城指令「ソロモンは?」
瑞樹「応答ありません。」
早苗「全島民の94%の所在確認」
ちひろ「ワーム質量固定、単体密度2・33、原子量28.0855 フェストゥム、実体化します」
瑞樹「綺麗・・」
美城指令「美しい物が人類の味方とは限らない」
早苗「第2ヴェルシールドに接触!突破されます」
美城指令「ファフナーパイロットは?」
瑞樹「すでにブルクに到着しています」
美城指令「ジークフリードシステムに搭乗してくれるな」
総士「はい」
――ブルク――
昌葉「機体とこの天才を信じて行ってこい」
文香「昌葉ちゃんのこと・・信じてるよ・・」
美嘉「ついに実戦だねー緊張するー」
文香「落ち着いて・・ファフナーと一体となって・・でしたね」
美波「文香さんも美嘉ちゃんもがんばっていきましょう!」
美嘉「そうだね!」
昌葉「じゃあ閉めるぞ」
昌葉「たのむ、みんなを守ってくれ」
昌葉「コックピットブロック搭載」
昌葉「対数スパイラル形成、コアの同期確認。対フェストゥム機構オールグリーン」
――CDC――
早苗「自律迎撃システム蒸発」
美城指令「ファフナーは?」
瑞樹「出撃準備完了しました」
美城指令「よし、ファフナー部隊出撃!」
ちひろ「ナイトヘーレ開門!出撃坑、グリッド3206」
文香「ん?・・ジークフリードシステムのクロッシング?・・」
総士「ジークフリードシステム起動、クロッシングクリア。」
美嘉「うわっ!?誰?」
美波「あなたは・・?
総士「突然のことで困惑するかもしれないが、手短に」
打ち間違えてた
総士「ラファエルは敵を慶樹島へ威嚇しつつ誘導、オリンピアエンジェルスとガブリエルはツインドッグにて交戦。基本的な戦術はこうだ。あとは僕の指揮に従ってもらう」
美嘉「よくわかないけど、命令とあらば」
文香「わかりました・・では・・ご指示の通り」
文香のラファエルがスフィンクス型を追尾し、誘導弾で攻撃する
文香「やはり・・当たりませんね・・」
総士「いや、それでいい、間もなく会敵する。オリンピアエンジェルス、セプターレディ」
美嘉「りょうかーい」
美嘉のオリンピアエンジェルスは機関砲で攻撃しつつ、ソードを構える。
総士「オリンピアエンジェルス、セプターGO!」
美嘉「進めっー」
フェストゥムはワームを繰り出し、空間を飲み込んでいく。美嘉はそれを回避しつつ間合いを詰めていく。
総士「ガブリエル、ラファエル、オリンピアエンジェルスを航空支援」
美波・文香「はいっ」
ガブリエルとラファエルが機関砲で支援しつつ、オリンピアエンジェルスはスフィンクス型を切り付ける
美嘉「浅いっ」
総士「いや、コアが露出している。ガブリエル、とどめを」
美波「はっっ―――――」
美波のガブリエルが修復途中の胸部のコアにベヨネットを突きつける
美波「これでっ」
トリガーが引かれ、光線がスフィンクス型フェストゥムを貫通する。ガブリエルが離れると、スフィンクス型はワームになり消滅した。
総士「みんなありがとう。すぐに帰投しろ」
文香「では・・またあとで・・お話しましょう」
――CDC――
ちひろ「フェストゥム消滅しました。」
美城指令「居住区への被害は?」
早苗「消滅家屋2、行方不明者8」
美城指令「やはり犠牲は出てしまうか」
美城指令「ブリュンヒルデシステムの実用化とノートゥングモデルの実戦配備を急がねば」
瑞樹「もはやこの状況は有事です。いい加減、事実を子供たちにも公表なさった方が良いのでは」
美城指令「そうだな。もうすこし平和な楽園であって欲しかったが、致し方あるまい」
美城指令「ジークフリードシステムの搭乗に感謝する。皆城総士」
総士「できることをしたまでです」
文香「その声・・・さっきの・・」
総士「君はラファエルのパイロット?」
文香「はい・・鷺沢文香と言います・・以後お見知りおきを・・」
総士「皆城総士だ。また次の機会もよろしくたのむ」
文香「次は・・無い方がよいのですが・・・それはそれとして・・」
文香「あなた・・本はお好きですか?」
総士(僕は、見知らぬ世界で目覚めた。未知の希望が 新たなる戦いと共に訪れたその日
僕の新しい時間が 始まった)
遅い時間ですね。おやすみなさい
――シェルター――
凛「音、止んだね」
未央「ん~この島はもしかして、邪悪な宇宙怪獣に狙われたとか」
卯月「まさかそんな・・」
凛「いや未央の言ってることも、強ち間違いじゃないかも」
凛「そもそもなんでこんな大規模なシェルターを用意する必要があったのか・・災害時の避難所としてはあまりに大袈裟すぎる」
凛「それに、みんなも聞いたでしょ。あの声、頭に直接響くような声で、」
卯月「言われてみれば」
総士「みんな無事か?」
卯月「プロデューサーさん」
凛「何か言うことがあるんじゃないかな」
総士「あぁ、すまなかった黙っていて」
凛「ねぇ、外では何があったの?なぜ黙っていたの?」
総士「それを話すためにも、ここにきた。この島を襲った存在、フェストゥムの事を。」
――Alvis――
文香「なかなか・・興味深い、方でした」
美嘉「文香さんも珍しいよねー。初対面の男の人と話すなんて」
文香「とても印象的で・・なんだか私と・・馬が合う方なんじゃないかと・・」
美嘉「なになに運命的ななにかを感じたの?」
文香「そうなのかもしれません・・いえそうなのだと思います」
――帰り道――
未央「いやー衝撃的だったねー。まさか海の向こうにあると信じていた、東京や大阪がもう20年以上前に消えてたなんて・・」
卯月「私はまだ信じられない気分だよ。」
凛「うん。私もまだ信じきれない。この島がアルヴィスていう潜水要塞艦の上にある人工の島ていうことも」
凛「けど、プロデューサー・・総士さんは、私たちを守ってくれていたらしい」
凛「美波さんも、美嘉さんも、文香さんも私たちを守ってくれていた、あのファフナーていうロボットで」
卯月「ねぇ、私たちでもあのロボットに乗れるのかな?」
未央「しまむー・・」
卯月「またあのフェストゥムていう敵も、またくるかもしれない。その時私に何かできるのなら・・」
凛「出来ることなら私もそうしたい。」
――文香・ありすの自宅――
ありす「文香さん・・」
文香「心配かけて・・ごめんなさい・・ありすちゃん」
ありす「まったくです。私凄く、怖かったんですから」
ありす「文香さん、さっきのことは一体何だったんですか?あの声は一体?」
文香「話せば長くなります・・・・先に島を襲った者の名は・・フェストゥムと言います・・」
ありす「フェストゥム?」
文香「ラテン語で祝祭という意味です」
文香「フェストゥムはありすちゃんや私が生まれるずっとまえ・・遠い宇宙から来た珪素生命体という存在です」
ありす「それがなぜ、島を・・」
文香「わからないわ・・けどフェストゥムは同化することによって・・情報を集めていく・・」
ありす「同化?」
文香「同化された人間は・・いなくなってしまう・・だから私は、みんながそうならないよう・・闘っているの」
ありす「闘う?文香さんが?どうやって?」
文香「ファフナー・・選ばれた者にしか動かせない私たちの切り札に乗って・・」
ありす「ファフナー?」
――Alvis――
総士「シンデレラプロジェクト」
美城指令「先日、君に任せたパイロット育成を目的として子供たちのアイドル活動に関する計画の正式名だ」
美城指令「このプロジェクトは、フェストゥムからこの島を守り、島の平和の文化を受け継がせるのが目的だ」
総士「その趣旨には賛同します。」
総士「その上で、彼女たちは選ばれた存在だとしても、選ぶ権利があるのだと考えます」
美城指令「ほう・・」
総士「ファフナーに搭乗するか否かは、彼女たちの意思に任せたい」
美城指令「なるほど、わかった、君の好きにするといい。」
美城指令「しかし、島の置かれている状況を理解はしてほしいな」
美城指令「君が我々と共にフェストゥムと闘うのは君がここにいる理由を知るという目的もあったはずだ」
総士「承知しました」
――事務所――
総士「いまいるレギュラーパイロット、特に鷺沢文香の同化耐久が他の2人に比べ、低い・・」
総士「抑制剤がまだ開発されていないことを、考えると彼女をこれ以上、ファフナーに乗せておくのは・・」
総士「そして、ノートゥングモデルのパイロット候補となるあの3人の形成数値は遠見や一騎並みか」
文香「総士さん・・ここにいましたか・・」
総士「鷺沢か、どうしたこんな時間に」
文香「文香と読んでください・・あと無理はなさらないように・・」
文香「私が言うには・・説得力がないかもしれませんが・・」
総士「やはり、君は同化減少が・・」
文香「はい・・まだ5回の起動実験と、1回の実戦だけですが・・すでに瞳が変色してしまって・・・」
文香「ありすちゃんには・・見せられないと思って・・最近眼鏡で隠すようにはしていましたが・・」
文香「あっ・・ありすちゃんは・・私と一緒に暮らしている子なんです・・本人には知らせられませんが・・ご両親は、実験で同化減少に巻き込まれて・・」
総士「いまからでもおそくない、ファフナーを降りることを・・」
文香「お気遣いありがとうございます・・ですが・・私は、ありすちゃんとみんなとこの島を・・・守らなければなりません・・」
総士「それが、君の覚悟か・・」
文香「私は・・もう・・死ぬことやいなくなることを・・恐れていません・・」
総士「文香・・」
文香「なんか・・気まずいですね・・ごめんなさい・・」
文香「話を・・変えましょう・・総士さんは、プロデューサーもやってるとお聞きしています」
総士「ああ、シンデレラプロジェクトという・・アイドルとして、ファフナーパイロットとして彼女たちを僕が育てていくことになる」
総士「文香は、昔、アイドルだったのか?」
文香「ええ・・でも、活動という活動は全然していませんでした・・私自身・・人前に出ること自体、得意では・・ありませんし、持ち歌もなく・・」
文香「アイドルなんて・・名前だけのようなものでしたから」
総士「ならば、僕と共に、アイドル活動をしてみないか?」
文香「総士さんと・・ですか?・・・」
総士「僕は、君たちに、平和という文化を紡いで欲しい。そのための力となれるのならば・・」
文香「ありがとうございます・・・私たちも・・戦うことばかりではないのだと・・そう感じます・・」
文香「他のみなにも・・伝えます・・仲間は、多いことにこしたことはないですから・・」
総士「助かる。歌のことも、僕に任せてくれ」
文香「けど・・無理はなさらずに・・」
総士「わかっている」
×減少 〇現象
――翌日――
――事務所――
凛「プロデューサー、私たちをファフナーに乗せて」
卯月「覚悟はできてます・・」
未央「それに面白そうだしっ」
総士「ファフナーはそんなに生ぬるいものじゃない! 」
総士「戦闘による死傷だけじゃない。染色体の変化による寿命の短縮、乗れば乗るほどコアの影響による同化現象のリスクもある。」
総士「それでも乗るというのか・・命を犠牲にしてまで・・」
凛「どんなリクスがあっても私は、怯まない」
卯月「私たちの島は、私たちで守らなきゃいけないと思うんです」
未央「自分たちの住む場所が、なくなったら何も始められなくなってしまうしねっ」
総士「そうか、その意思が確かなら、僕は君たちをファフナーへと導く。トップアイドルとしてもだ。」
凛「アイドル?ねぇ、こんな時にそんなことが許されるわけ・・」
総士「こんなときだからこそだ!楽園へたどり着く希望として、平和という文化を受け継ぐ存在が必要なんだ」
凛「平和・・」
総士「君たちに真実が伏せられていた理由の一つでもあるんだ」
卯月「わかりました。私は、アイドルとして、パイロットとして、精一杯がんばりますっ」
未央「ところでプロデューサー、私たちが乗るファフナーって昨日見たのと同じ奴なの?」
総士「いや、君たちはノートゥングモデルという特別な機体に乗ってもらう」
未央「ノートゥングモデル?」
総士「アルヴィスに来て、実物を見た方が良いだろう」
――ブルク――
卯月「これが、ファフナー」
総士「これが、対フェストゥム専用、思考制御、体感操縦式、有人兵器ファフナー」
総士「ノートゥングモデル、ファフナーマークアイン、マークツヴァイ、マークドライ、以上の機体がロールアウトしている」
未央「おっーかっこいい」
凛「これに、私たちが」
総士「そうだ。さっそく起動実験と、言いたいところだが。」
総士「今日は、レッスンだ」
卯月「ダンスの、ですか?」
総士「そうだ。」
凛「まだ、乗れないか」
未央「まぁまぁ、私たちはアイドルなんだよ」
凛「そうだった」
――事務所――
凛「プロデューサー・・絶対、経験者でしょ・・」ハァハァ
未央「なかなか、厳しかったねっー」イイアセカイター
卯月「プロデューサーって、真面目な人ですから・・」ハァハァ
総士(まさかあの経験が役に立つとはな・・広登に感謝だ)
総士「明日は、ファフナーでの起動実験、そのまま戦闘訓練だ」
卯月「あっ、明日ですか?」
総士「今は、すぐにでも戦力が必要なんだ。」
凛「もちろん、島やみんなを守るためなら」
未央「明日も、がんばるぞっー」
卯月「未央ちゃん、すごい」
――喫茶「楽園」――
美嘉「そうですかーありすちゃんに話したんですねー」
文香「はい・・余計な心配をさせてしまうかもしれませんが・・・」
文香「けど、この目のことは・・」
美波「文香さん、思い切って言い出してみたらどうですか、もしもの時を考えると」
美波「美波さん・・お気遣いありがとうございます・・そうですね・・」
文香「もしものとき・・ありすちゃんを悲しんでほしくはないです・・しかし、余計な心配をさせるわけには・・・いきませんから」
美波「文香さん・・・あの時以来、箝口令も解かれましたから、アーニャちゃんにすべてを話しました。」
美波「そしたら、アーニャちゃん、私のために「出征祝いです」って言って、料理を作ってくれました。アーニャちゃん一体いつの人なんだか」
文香「とても優しいのですね・・アナスタシアさん・・」
文香「ありすちゃんも優しい子なのですが・・生真面目なので・・私の後を追ってしまうのではないかと心配です・・・」
文香「ありすちゃんには・・私の後を追うようなことは・・してほしくないですから」
美嘉「そのためにも、私たちががんばらないとねー」
文香「そうでうね・・」
みく「何重い空気になってるにゃ、みくにゃんカレーを食べて、元気出すにゃ!」
美嘉「おーきたきたっ」
文香「とても・・いい香りです・・」
美波「美味しそうですね」
文香「それじゃあ、いただきます・・」
美波「いただきます」
美嘉「いっただっきまっーすー」
楓「皆さん、美味しそうに食べていただいてますね。カレーだけにかれぇ」
みく「楓さん。あの3人は、何の話をしてたにゃ?」
楓「先日のことは、耳に入ってると思いますが、彼女たちこそが、島を守ってくれたのです」
みく「あのファフナーていうロボットに乗っていたのにゃ?」
楓「ええ、とても危険なことなので、少し重たい話になってしまったようですね」
みく「みくも、何か出来たらいいんだけどにゃ」
卯月「ここのカレー、とっても美味しいんですよ」
総士「まさか、そんなはずは・・」
凛「何を、そんなに驚いてるの?」
総士「いや、なんでもない」
総士(なぜ、これがここにも?)
みく「いらっしゃいませにゃ!」
楓「あら、初めての方でしょうか?」
未央「紹介するよっ、私たちのプロデューサー、皆城総士さんですっ」
総士「皆城総士だ。ここは一体?」
楓「私の喫茶店です。何か気になる点でも、ございましたか?」
総士「いや、なんでもない」
卯月「じゃあ、いつものカレーをお願いしますっ」
みく「かしこまりにゃ!」
総士「カレー・・・」
卯月(プロデューサーさん?泣いている?」
総士「ん?いや、ちょっと「故郷」が懐かしくてな」
総士「気にしないでくれ」
凛「・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・
みく「おまたせにゃ!みくにゃんカレーにゃ!」
総士「みくにゃんカレー?」
みく「作った人の名前をつけてるにゃっ」
総士「そうか」
・・・・・・・・・・
みく「ど、どうにゃ?」
総士「極めて平凡だ!」
卯月「プロデューサーさん?」
総士「僕が本当の料理というものを教えてやる!」
みく「何にゃ?ていうか、そのエプロン一体どこから!?」
凛「フフッ」
未央「そいうセリフ、さっきのレッスンのときも言ってたね」
卯月「スイッチが入っちゃう系の人なのでしょうか?」
楓「あらあら・・」
総士「出来たぞ。総士シチューだ!」
凛「どれどれ、・・・・うん、美味しい」
卯月「本当だぁ、美味しい」
未央「プロデューサーって、万能系の人なんだねー」
みく「負けたにゃ、完全にまけちゃにゃ」
総士「これくらい、当然だ」
文香「総士さん・・やっぱりすごい人です・・」
美波「文香さん、なんで隠れてるの?」
文香「本能・・でしょうか?」
美嘉「あっ、ひょっとしてっー」
文香「ち、違います・・ただ興味があるだけで・・・」
美波・美嘉(図星か・・)
――翌日――
――ブルク――
総士「では、服を脱いでもらおう」
卯月「えええええ」
総士「大丈夫だ。見てはいない」
卯月「けど・・・」
総士「そのまま歩け」
凛「これは?」
晶葉「シナジェティックスーツだ。接続時の衝撃を緩和する」
卯月「未央ちゃん、やっぱり緊張してるの?」
未央「そりゃねー、けどこの未央ちゃんに不可能はないよ」
晶葉「それじゃあ、コックピットブロックに入ってもらおう」
卯月「はい!」
晶葉「じゃあ、閉めるぞ」
晶葉「じゃあ手始めに、接続テストと行こうか」
卯月たちは恐る恐る、ニーベリングシステムに手を入れる
すると、型や腹部にコネクターが接続される。
卯月「!?あっあああっ」
未央「痛っああいっ!」
凛「くっっ・・・」
晶葉「接続テストはうまくいってるなー、あとのことは助手に任せよう」
総士「ニーベリングシステム起動、クロッシングクリア」
卯月「痛ててっ、え?プロデューサーさん?」
総士「今、君たちと僕は、脳の皮膜神経細胞が直接つながった状態だ」
総士「これによりフェストゥムの読心能力に対抗できる」
総士「このノートゥングモデルは、機体が受ける様々な刺激がパイロットにフィードバックされる。機体が損傷すれば、その痛みも感じる」
総士「だが、それによりパイロットと機体が一体となり、高い性能を引き出す」
総士「みんな、まずは目を開けろ」
凛「目?」
総士「そうだ自分の目を開けるんだ」
未央「見えた・・」
凛「うん、行け・・そう・・だよね」
卯月「なんか、みんな普段と違うような」
総士「それが、ノートゥングモデルの特徴の一つだ。変性意識と言って、普段の思考とは違うものを前面に出すことで、敵の読心能力に対抗する。」
総士「変化する自分を受け入れるんだ」
卯月「いつもと違う自分・・」
卯月「それって、アイドルとも、何か似たものがありますね」
総士「そうだな」
総士「では発進する。ナイトヘーレ開門」
――地上――
美嘉「おっ、きたきたー」
美波「初めての、ファフナー同士の戦闘訓練ですね」
文香「ええ・・手加減はしませんよ・・」
総士「目標情報を説明する。敵は、ファフナー3機、大型の陸戦機が1機と空戦機2機だ」
総士「以降は、各自の判断で、敵を殲滅せよ。以上だ。」
凛「は?まともな説明もなしに」
総士「これは君たちが、ファフナーを理解するのが目的だ。」
凛「なら」
総士「だからこそだ、実際の戦場では、十分な支援が受けられるとは限らない。想定外のことだって起こりうるだろう。」
総士「そういったとき、自分の身は自分で守らなければならない。ファフナーがお前たちで、お前たちがファフナーだ」
凛「わかったよ。」
文香「じゃあ・・始めさせてもらいます・・」
ラファエルが機関砲で牽制する
卯月たちが回避する
未央「接近戦用の陸戦機だけで、空戦機に対抗するのは無理があるね」
凛「やだ・・来ないで・・・」
凛のマークドライがガルム44を乱射する
文香「ちゃんと・・狙って撃ちましょう・・」
ラファエルが、蹴りを入れる。マークドライが倒れ、その隙に、機関砲の銃口を突きつけ、トリガーを引く。
ドライの機体はペイント弾で汚れる。
文香「まず・・1機」
美波「へーなかなかいい動きするわね」
ガブリエルの射撃を、冷静に回避する未央のマークアイン
未央「どこから、取り付けば・・」
未央「飛び道具は、このハンドガンだけか」
マークアインはデュランダルを2丁取り出し、狙いを定め3点バーストで射撃をする。
美波「うそっ」
ガブリエルの主翼付根がペイント弾で汚れる。
未央「私、勝ったの・・」
美嘉「卯月ちゃんいっくよー」
オリンピアエンジェルスが、卯月のマークツヴァイめがけ突進する。
卯月「望むところです」
マークツヴァイは相手と同様のソードを手に構える。
ブレードがぶつかり合い、火花が散る。
ツヴァイが、ぶつかった衝撃でよろけた、その隙をつき、オリンピアエンジェルスは、機関砲を発射する。
ツヴァイの右腕部に被弾し、緑色に汚れる
卯月「あー負けちゃいました・・」
総士「そこまでだ」
美嘉「もー終わりー」
総士「勝敗は決した。」
凛「いえ、もう一戦。」
総士「今回の目的は、ほぼ達成された。ファフナーは搭乗するだけで同化現象に襲われる。早く帰還して、各自検査を受けろ」
凛「悔しい」
総士「その感情は、次への糧となる。敗因を分析し、実戦に備えるんだ」
凛、未央、卯月「了解」
総士「美波、美嘉、文香、君たちも帰還しろ。今回は、ありがとう」
文香「なかなか・・育てがいのある子たちですね・・」
総士「それと3人とも後で話がしたい。事務所に来てくれないか」
美波「お話ですか?」
美嘉「ん?」
――Alvis――
美城指令「ノートゥングモデルの起動に、成功したようだな」
美城指令「パイロットは、まだまだが」
ちひろ「起動試験の後、即模擬戦ですからね」
美城指令「まだ、接近戦用の陸戦機しか配備できてない。防御型や中距離支援型、空戦型の配備を急がねばならない」
美城指令「それと、トローンズモデル等の既存のタイプの量産も進行させなければ、またいつフェストゥムが現れるか」
ちひろ「それは、晶葉ちゃんが、中心となって、がんばってますよ。同化抑制剤の研究も志希ちゃんが、ミールから得た情報を元に製作中です」
ちひろ「ただ、臨床データが欲しいと・・」
美城指令「ファフナーの運用は、皆城総士に任せてる。彼に掛け合っておこう」
ちひろ「指令は、なぜあの方に、厚い信頼を寄せてるのでしょうか?」
美城指令「信頼か・・」
美城指令「信頼というよりかは、私が彼に抱いてる感情は、ただ純粋に興味だ」
美城指令「なぜ、ミールに我々の目的にあった情報が残されていたのか」
美城指令「そもそも、その情報はどこに端を発するものなのか」
美城指令「その謎を解くカギが、ワルキューレの岩戸に突如現れ、ミールより生まれたと推察される彼にあるのだと思う」
美城指令「彼は、この世界は、自分のいた世界とは違う世界であると考えてるらしい」
ちひろ「並行世界というのでしょうか。けれどミールにそんな力が」
美城指令「万物に変化し、我々から受胎能力を奪った光子結晶構造体。何が起こっても不思議ではない」
美城指令「それに、彼は、我々の目的に対して協力的だ。彼自身、自分がここにいる理由を探している。」
美城指令「利害がある意味一致している以上、使わない手はない」
――事務所――
総士「3人ともよく来てくれた。」
美波「私たちにも御用でしょうか?」
総士「ああ、文香から聞いていると思うが、その例の件でだ」
美嘉「アイドルやれってのー?別に構わないよ。てか昔ちょっとしてたしー」
美波「私も、喜んでやらせていただきます」
総士「それと、もう一つ」
みく「前川みくにゃ!文香さん、美波さん、美嘉さん、改めてよろしくにゃ」
美穂「こ、小日向美穂です。先輩方、よ、よろしくお願いします」
アーニャ「Меня зовут Анастасия。アーニャと呼んで・・ください。よろしくお願いします」
美波「アーニャちゃん!?」
アーニャ「私もミナミと一緒に、闘えますね」
李衣菜「ロックな、ファフナーパイロットとアイドル目指して頑張っていきますよ。先輩方よろしくお願いします」
美波「李衣菜ちゃんまで・・」
智絵里「緒方・・智絵里です。よ、よろしくお願いします」
飛鳥「二宮飛鳥だ。僕は今、伝説の巨人の名を冠する兵器に騎乗できることに、恐怖心を抑圧して胸が高ままってくる。まあ、よろしくたのむよ」
総士「彼女らが、新たなファフナーパイロット、そしてアイドルだ」
総士「機体が完成次第、接続テストと訓練を開始する。」
美嘉「こんなにたくさん」
総士「ブリュンヒルデシステムが徐々にだが、実用可能な領域に間もなく達する。この島のコアの目覚めも近いそうだ。」
総士「島に、さらなる脅威が迫ってる可能性が高い。フェストゥムに対抗できる兵器は、ファフナーだけだ」
みく「私たちも、自分たちの島は、自分たちで守りたいと思ってるにゃ」
李衣菜「島がなかったら、ロックも何もできないしね」
アーニャ「Защитите остров、私たちの今たった一つの居場所ですから」
智絵里「ま、守りながら、平和を伝える。わ、私たちにできるのなら・・ぜひ」
総士「皆の意思は強固だ。3人も面倒を見てやってくれ」
総士「それと、レッスンは僕が面倒を見る。衣装、楽曲も僕が創ろう。」
文香「プロデューサーさん・・おひとりで?」
総士「その方が、君たちも、訓練や活動に専念できるだろう」
総士「僕はこういう事は得意なほうだ」
文香「それでも・・無理はダメです・・」
ちひろ「そうですよ。総士さん、私たちもサポートしますから」
総士「君はCDCの?」
ちひろ「自己紹介は、まだでしたね。千川ちひろです。昔はアイドルたちの面倒も見てましたから、何かあったら私にどうぞ」
総士「助かる。」
――CDC――
早苗「ソロモンに応答!スフィンクスB型3体です。」
美城指令「複数の個体が?」
美城指令「偽装鏡面解除、ヴェルシールド展開。ファフナー部隊出撃準備」
瑞樹「全ブルク迎撃態勢へ」
早苗「コード入力。偽装鏡面解除。」
美城指令「バッフェラーデンへ移行」
瑞樹「島民のシェルターへの避難開始。」
早苗「パイロットはまもなくブルクへ到着します」
――バーンツヴェック――
みく「てっきり、もう戦うのかと思ってたにゃ」
美波「接続テストと訓練を受けてからだね。」
美嘉「まぁ、今回は、見学ってことで、私らの大活躍を見ててねー」
文香「では・・みなさんまた会いましょう」
――CDC――
早苗「第1、第2ヴェルシールド展開完了」
瑞樹「全島民の避難完了」
―――――
総士「ジークフリードシステム起動。クロッシング完了」
総士「敵は、スフィンクス型3体だ」
美波「3体ですか!?」
文香「単純に・・一人で一体を相手に・・しないといけません」
美嘉「そんなことできるの?」
総士「そうするしか、島が生き残る方法はない」
美嘉「まっ、そうだよねー。やるっきゃない」
ちひろ「ナイトヘーレ開門。」
ナイトヘーレからファフナーが射出される。機体を包んでいた水球がはじけ、水しぶきが舞う。
フェストゥム「 あ な た は そ こ に い ま す か 」
文香「ええ・・います・・ここに」
ラファエルが一体のスフィンクス型をロックし、射撃する。しかし、コアから逸れたため、敵は健在。敵はワームスフィアを繰り出し、反撃する。
総士「ラファエルそのまま、目標を迎撃。ガブリエル、オリンピアエンジェルス、後続の2体の迎撃スタンバイ」
ラファエルはワームスフィア攻撃を回避しつつ、距離を詰める。敵とほぼ0距離になると、左腕部シールドのクロ―でスフィンクス型の胸部を鷲掴みにする。
文香「あなたの心臓は・・ここですか」
ラファエルが敵のコアを粉砕すると、またたくまに、ワームスフィアに包まれる。しかし、機体のコアの力により機体は無傷だ
美嘉「くらえぇー」
『Machine gun fire』
オリンピアエンジェルスが機関砲とミサイルで敵に火力を投射する。敵は銃弾を浴び、コアをつき抜かれる。敵はワームスフィアを出し崩壊した。
――見学室――
飛鳥「これが・・ファフナーの力だと言うのか」
凛「やっぱりすごい・・」
みく「すこし、怖くなったにゃ」
智絵里「わ、私もです」
飛鳥「大丈夫、ボクも怖い。しかし、ボクらは、この恐怖を糧にあの敵に打ち勝たないといけない」
飛鳥「まったく、僕の求めた非日常がこうして実現されるとは」
凛「・・・・・」
飛鳥「不謹慎だった撤回する」
未央「あっ、美波さんの機体がっ」
卯月「追われている」
―――――
美波「くっ・・」
ガブリエルをが猛追する。
敵が触手を伸ばし、ガブリエルの脚部に巻き付く。
美波「まずいっ」
その時、触手が銃撃で千切られた
文香「大丈夫ですか」
美波「文香さん」
美波は安堵する
総士「ラファエル、ガブリエル、ツインドック。オリンピアエンジェルス、セプターレディ」
美波「了解っ」
文香「了解しました」
ガブリエルは機体を180度後ろに向け、機関砲を放つ。
ラファエルは後ろからミサイルで攻撃する。
敵が地面に叩き落される
総士「オリンピアエンジェルス、セプターGO」
美嘉「うおぉー」
オリンピアエンジェルスは、敵へと突進する。胸部の傷が再生をはじめ、露出したコアを再び隠そうとする。
再生が終わりかける寸前、オリンピアエンジェルスのソードがコアを貫いた
――CDC――
ちひろ「敵の消滅を確認。ソロモンの応答ありません」
美城指令「被害状況は」
瑞樹「居住区に被害はなし、島民の犠牲者・・ありません」
美城指令「複数の個体の襲来、フェストゥムの群れがこの近くにいるのかもしれない」
美城指令「この停泊地を離れて移動することを検討しなければならない」
早苗「ここを離れるんですか」
美城指令「国連の動きも心配だ。しかし、これは」
総士「これは賭けです。美城指令」
美城指令「わかっている。だが、この場所に留まっても状況は悪化の一途だ。」
志希「だから、閉塞した現状から脱するんだね。けど、これからどうなるかな♪」
総士「一ノ瀬か、3人への抑制剤の投与は?」
志希「やったよー♪まあぁ効果が、どれほどか・・未知数だけどね♪」クンクン
総士「なんだ?」
志希「総士ってーやっぱいい匂いするな♪」
総士「近づくな、場所を考えろ」
瑞樹「あらあら」
――メディカルルーム――
美嘉「ラムネおいしぃー」
美波「疲れたー。さてと、ラムネを・・あれ?」
腕が震え、栓を開けられない
文香「大丈夫ですか・・」
美波「あ、ありがとう。文香さん」
美波「おかしいな、戦ってる時は怖くなかったのに」
文香「私も・・今は怖いです・・戦闘中は怖がる余裕も・・ありませんでしたから」
美嘉「まぁ美波さんも、今は、休もう」
美嘉「たぶん、また敵は来るだろうしー」
――ブルク――
飛鳥「これが、ファフナー・・」
智絵里「大きい・・」
総士「完成間近の機体だ。ノートゥングモデル、マークフィアー、マークフュンフ、マークゼクス」
総士「フィアーは多田。フュンフは前川。ゼクスは二宮。君たちに預ける」
総士「それぞれ、中距離支援、防衛、空戦とタイプが異なる。すでに稼働している機体との連携を前提とした機体だ」
総士「これで、効率的な運用が可能となる。大きな進歩だ」
みく「これを、みくたちが・・」
李衣菜「すごくかっこいいです。」
飛鳥「これが・・僕の器か」
アーニャ「私たちは・・?」
総士「他の皆には、パワーズ、ドミニオンズ、トローンズの増産機に搭乗してもらう予定だ」
アーニャ「美波たちの乗っている機体ですね」
総士「そうだ」
総士「完成次第、規定通りの訓練を開始する」
――神社――
みりあ「あっ!」
ありす「どうしました?」
みりあ「おはようっ、莉嘉ちゃん」
桃華「それって誰ですの?」
――岩戸――
美城指令「ついに目覚めたか」
美嘉「あなたが莉嘉なの?」
莉嘉「うん。はじめまして、おねーちゃん☆」
美嘉「莉嘉っ」ギュッ
総士「彼女がこの島のコア?」
美城指令「彼女は城ケ崎莉嘉。この姉妹の母親がかつて、ミールに同化されいなくなった。その時、母親が身籠っていた子供が彼女だ」
総士「同じか」
莉嘉「ありがとう、総士くん。島のために頑張ってくれて」
総士「出来ることをしたまでだ。それより聞きたい。僕がここにいる理由と、島のミールのこと」
莉嘉「いいよー。その代わり、私もお姉ちゃんと一緒にアイドルにしてくれるっ?それと島のためにみんなの力になって欲しいの」
総士「いいだろう。条件はそれだけか?」
美嘉「ちょっとまって、総士がここにいる理由って?」
総士「僕はこの島の・・いやこの世界の人間ではない」
美嘉「え?どういうこと?」
総士「言った通りの意味だ」
莉嘉「じゃあ総士くん。おでこかして」
総士「会話しないのか?」
莉嘉「う~ん。せっかく便利なものがあるんだもん。そっちの方が簡単でしょ☆」
総士「わかった」
・・・・・・・・・・・・・・
総士「そういうことだったのか!?」
莉嘉「この世界には彼らに対抗する力がなかったの」
莉嘉「だから呼び寄せたの。無の向こう側の存在の世界から、力とあなたと情報を」
莉嘉「それが、島のミールの意思だったってわけねっ」
美城指令「なるほど」
美嘉「どういうことだかさっぱりわかんないよ」
総士「時が来たら話そう。城ケ崎、今は皆にこのことを黙っていてくれないか」
総士「混乱は避けたい。そして、僕はこの島を守ることを改めて約束する」
美嘉「分かったわ。総士は私たちのためにここにいてくれる。それだけで十分だよ」
総士「ありがとう」
総士「新たな祝福が僕をこの世界に引き寄せた。この島のコアの意思を信じよう」
莉嘉「島のみんなが、希望を懐いて闘えるよ。総士くんのおかげで」
莉嘉「お姉ちゃんだっこしてくれる?アタシ、まだうまく歩けないの」
美嘉「うん、美嘉」
×美嘉「うん、美嘉」
〇美嘉「うん、莉嘉」
――海岸――
総士「ああは、言ったものの、作曲とは試行錯誤のいる作業だな」
飛鳥「やぁ、来る頃だと思ったよ」
総士「お前そこで何してる」
飛鳥「星に呼ばれて・・・偽りだとしても、島の蒼穹は綺麗だと思うだろ、この星空も。人類もフェストゥムもこの広大な宙の前には、ちっぽけな存在さ」
総士「君は二宮・・」
飛鳥「飛鳥でいいよ。」
総士「では、そう呼ばせてもらおう」
飛鳥「ボクはキミに、とても興味がある。見慣れない顔だしね
飛鳥「キミはどこか、違うところを見ている。まるで、このセカイの人間ではないようだ」
総士「わかるのかっ!?」
飛鳥「!?・・フフ・・ククク・・ハハッ!驚いた!例え話で言ったつもりが、まさかストレートに肯定される反応をされるなんて」
総士「こ、混乱は避けたい。このことは、他言無用で」
飛鳥「心配ないよ。ボクはキミの話を真摯に受け止める。驚くことは多いかもしれないが、動揺したりはしないよ。これはキミとボクの秘密にしよう」
総士「もう島の何人かは話した」
飛鳥「それは残念」
飛鳥「ねぇ、教えてくれよ。キミはどうしてここにいるのか。キミのいままでのこと、キミのいたセカイのこと。キミがなぜボクらを支えてくれるのか」
総士「話せば長くなる。」
飛鳥「構わないよ。ボクは、たわいの無い物語として受け取っておくよ」
総士「真摯に受け止めるのではないのか」
飛鳥「語弊があったな、ボクはキミの存在を真摯に受け止めるってことだよ」
総士「では、話そう」
総士(僕は彼女に話した、フェストゥムのこと、ミールのこと、一騎のこと、竜宮島のこと、存在と無の地平線を越え、ここに辿り付き、島の祝福をうけたこと)
飛鳥「そうかい、キミとキミの世界もなかなかに難儀だね。もっとも、このセカイもとても難儀だけれど」
飛鳥「キミの世界のフェストゥムのこと、ボクらのセカイにも当てはまるのか?」
総士「不明だ。」
飛鳥「敵との共存か・・もし出来たのらな、人類は新たな進化を遂げるだろう。」
飛鳥「フェストゥムのセカイ・・虚無のセカイか・・」
飛鳥「彼らに触れられば、彼らを理解る事ができるのだろう」
飛鳥「いなくなりたくないが、虚無というセカイに興味があるよ」
総士「彼らに触れられたとしても、僕らに理解できる可能性は低い。」
飛鳥「所詮ボクたちは、その程度の生き物ということか」
飛鳥「それにしても、キミは凄いよ。フェストゥムに痛みの祝福を与え、無から存在を得た」
飛鳥「ボクも、彼らを祝福したい。彼らに伝えたい」
総士「僕もだ。この世界のフェストゥムやミールは、まだ可能性に満ちている。共に、新しい平和を創ろう」
総士「ただ、絶対にいなくなることはダメだ。僕が認めない」
飛鳥「無論だ。みんなを悲しませることはできない。憎しみや悲しみを彼らに伝えることになるかもしれない。」
飛鳥「このセカイは悲しみや憎しみだけではないことを彼らにも・・」
飛鳥「それと、キミは一騎っていう人が好きなんだね」
総士「なっ」
飛鳥「おっと失礼。キミにとっての大切な人か」
総士「勘違いするな。一騎は僕の親友だ。それ以上でもそれ以下でもない」
飛鳥「わかってるよ・・フフッ」
総士「わかっちゃいないさ・・」
飛鳥「虚無を越えて会えるのなら彼にも会ってみたいと思うよ」
総士「あ、明日は起動実験と訓練だ。今日はゆっくり休め」
飛鳥「そうさせてもらうよ。総士」
総士「年上の男性を呼び捨てにするか?」
飛鳥「嫌なのかい?」
総士「別に構わない」
――Alvis――
ちひろ「先週、追加生産された3機のノートゥングモデルの起動に成功、1週間の訓練により現在稼働中の全ノートゥングモデルの機体及び、パイロットの練度も規定値に達しています」
ちひろ「量産機も順次完成し、訓練に入っています。」
美城指令「順調だな。ところで彼はどうか?」
ちひろ「毎晩事務所に篭って、がんばってますよ」
美城指令「彼は、計画にとって重要な存在となるだろう。くれぐれも、慎重に」
ちひろ「言っても、彼聞きませんよ。」
美城指令「まあ、いいだろう。それと国連の動きは?」
ちひろ「高速哨戒機が島にたびたび接近、今後の、フェストゥムとの戦闘によっては、発見される可能性もあるかと」
美城指令「プロジェクトクロ―ネ・・ファフナーによる国連軍への迎撃作戦・・」
ちひろ「子供たちに、人を撃たせるのですか!?」
美城指令「あくまで、志願制だ。人類側から攻撃を受けた際に、ファフナーが対フェストゥム戦闘に専念できる用に護衛する部隊がかねてから必要だった」
美城指令「それに、ファフナーや島の情報がこれ以上、流出するのは絶対にあってはならない」
ちひろ「しかし、これは、汚れ仕事を押し付ける内容です」
美城指令「無論。私も人類への迎撃でファフナーを使うことには、抵抗があった」
美城指令「しかし、Dr一ノ瀬の脱島により、ファフナーの技術が流出した。国連もファフナーを配備している可能性がある」
美城指令「極力、国連との接触は避けて防衛を行う方針だが、万が一の時は」
ちひろ「彼には私から話しておきます。」
美城指令「おそらく、いい顔はしないだろう」
――事務所――
総士「君たちには、本年度U計画・・夏の盆踊り大会で、ライブをしてもらう。これは君たちのファーストステージだ」
凛「曲はできてるの?衣装は?ユニットはどうするの?」
総士「問題ない。楽曲はすでに2曲、完成している。ユニットに関しては以下の資料を参照してくれ」
卯月「私と、凛ちゃんと未央ちゃんの3人でやるんですね」
未央「ユニット名は・・あれ?未定」
総士「僕が考えるより、君たちが考えたほうがいいだろう」
飛鳥「ボクと文香さんはソロか。わかってるねキミ」
アーニャ「私は美波とですか」
みく「みくたちはどうなるにゃ?」
総士「調整中だ。しばらく待て」
李衣菜「そんな・・」
みく「仕方ないにゃ、Pちゃんも頑張ってくれてるにゃ。李衣菜ちゃん、ここは応援にゃ」
李衣菜「うん、そうだねっ。プロデューサーファイトですっ」
総士「ありがとう」
美穂「楽曲ってまだこれから増えるんですよね」
総士「そうだ。全員分の曲を用意する予定だ」
総士「僕も、経験したことのない作業で戸惑っている。」
智絵里「プロデューサー・・・」
総士「だが、悪くない」
総士「これから忙しくなる。レッスンもできる限り面倒を見よう」
一同「はいっ」
総士(今更だが気分が良いものだな、一つの目標に向かう彼女たちを支えるとうのは)
――神社――
莉嘉「おねーちゃん、こっちこっち」
美嘉「莉嘉、はやいよっー」
みりあ「あっ、莉嘉ちゃん!」
莉嘉「会いたかったよ☆みりあちゃんっ」
桃華「お二人は、お知合いですの?」
莉嘉「そうだよ☆桃華ちゃん、ありすちゃん!」
ありす「なんで、私たちの名前を?」
莉嘉「ずっと、見てたからね☆ねぇ?ねぇ?お願いしていい?」
ありす「な、なんですか?」
莉嘉「私と友だちになってくれないかな☆」
桃華「もちろんですわ。」
ありす「よろしくお願いします。えーと」
莉嘉「城ケ崎莉嘉だよ。これからよろしく☆」
ありす「城ケ崎って」
美嘉「アタシの妹なんだ。仲良くしてやって」
みりあ「莉嘉ちゃんはね、ずっーとみりあたちのこと守ってくれてたんだよ」
桃華「それは、どういうことですの?」
――Alvis――
総士「ファフナーによる人類への迎撃」
総士「致し方ないとはいえ、彼女らに人を撃てというのは」
美城指令「この部隊の運用も、基本的に君に任せる」
総士「では、人選は僕が」
美城指令「あくまで志願を募る予定だ。彼女たちには私が直接話そう」
――事務所――
一同「プロジェクトクローネ?」
美城指令「この島は、これまで人類から隠れてきた。だがしかし、フェストゥムとの戦闘により隠しきれなくなっている」
未央「他の人類って味方じゃないの?」
美城指令「かつての日本は、ミールの因子に汚染されたことを理由に、国連の核攻撃を受け消滅したのだ」
美城指令「そして、そのミールを所有し、フェストゥムに対抗しうる兵器、ファフナーを保有するこの島は」
美城指令「忌み嫌われると同時に、狙われているのだよ。」
凛「それで、私たちに人類の相手もして欲しいと?」
美城指令「察しがいいな。これは、他の人間の命を奪うことになる。よって志願を募る。」
美城指令「部隊の結成までは1か月ほどかかるし、ファフナーの数も足りてない。暫定的ではあるが、既存の機体で任務に当たってもらう。」
美城指令「基本的にこれまで同様、国連に発見されぬように島は動く」
美城指令「猶予は1週間、返事を・・期待してる」
卯月「人間との戦い・・」
凛「私やるよ。」
みく「凜ちゃん!?」
李衣菜「だって・・それって他の人を[ピーーー]ことに・・」
凛「島を守るために必要なんでしょ。誰かがやらなきゃいけないなら私が」
未央「しぶりん・・・」
凛「大丈夫だよ。たぶん。そういうことになってもプロデューサーが支えてくれるはずだから」
総士「みんな、話は聞いたようだな」
一同「プロデュ―サー」
凛「私やるよ」
総士「そうか、だが、渋谷、君の機体では任務に対応できない。」
凛「そんな」
総士「対人類の作戦は、空戦機を用いる。ノートゥングモデルで完成している空戦機はマークゼクスだけだ」
総士「機体が足りてないんだ、すまない」
文香「では・・私がやりましょう」
未央「文香さんが?」
文香「抑制剤が開発されたとはいえ、私もそう長くは・・ファフナーに乗れないでしょう」
文香「これから・・島を守ってくれる新しい子たちのことを守るも・・私の務めです」
総士「わかった。指令には僕が伝えよう」
文香「ありがとうございます・・総士さん」
凛「文香さん・・あの・・すみません」
文香「凜ちゃんが謝ることなんて・・ありませんよ」
文香「これは・・私の務めです」
――CDC――
瑞樹「ソロモンに応答」
美城指令「偽装鏡面解除、ヴェルシールド展開」
早苗「敵、シールドに接触。中和されます」
美城指令「進路そのまま、通常兵器で牽制」
ちひろ「敵、スフィンクス型13、スカラベ型1」
楓「ついに、団体様のお出ましですね」
――ブルク――
飛鳥「くっ・・マークゼクス、スタンバイ完了」
飛鳥「往こう、戦場へ」
総士「マークゼクス出撃」
――神社――
莉嘉「みりあちゃんたちは、早くシェルターに逃げてっ」
みりあ「外に居たいんだね」
みりあ「みりあも一緒に行く」
ありす「えぇ?ま、まずいですよ。早く逃げないと」
桃華「そうですわ。莉嘉さんも」
みりあ「莉嘉ちゃんは、ここにいないといけないの」
みりあ「島を守るために」
桃華「だったら、私たちもついて行きますわ」
莉嘉「駄目だよ。みんなは逃げなきゃ」
ありす「私たちは・・友達なんですよ」
みりあ「どんな時も、私たちは一緒だよ。莉嘉ちゃん」
――CDC――
ちひろ「マークゼクスが敵を誘導」
瑞樹「第2ヴェルシールド展開。敵を封じました」
瑞樹(システムの負荷が軽い?コアが出てきたから?)
美城指令「ファフナー部隊出撃」
早苗「ナイトヘーレ開門」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません