双葉杏「楽園シェルター」 (40)

世にも奇妙な物語の1エピソードを演じている物と思っていただければと思います

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――事務所――

モバP(以下P)「杏ー! どこに行ったー!?」

きらり「レッスン頑張らなきゃメッ! だよ! あっ、杏ちゃんみーっけた!」

杏「杏は杏じゃないよ。物まね芸人の三葉あんこだよ」

P「身長まで一緒な物まね芸人がいるか! ほら、レッスン行くぞ!」

杏「今日は休みにしない? ほら、最近ブラック企業とか過労死とか物騒じゃん? 杏が死んだりしたらみんな悲しむよ?」

きらり「だーいじょうぶだにぃ! 杏ちゃんはそう簡単に死なないよぉ! だからそんな言葉軽々しく使っちゃダーメ! ほぉら! 行こ!」

杏「あーれー……」

P「ふぅ、全く。やる気さえ出せばホント敵なしなんだけどなぁ」


―レッスン後 杏の部屋―

杏「ただいまー……って誰もいないけど。うん? 何か届いてる?」

『シェルターでの生活による人文科学的実験被験者募集』

杏「シェルター生活? 実験? 何だろこれ……アルバイトの募集かな? でも時給とか書いてないじゃん?」

『シェルター内での生活は三食ついており、欲しい物は何でもご用意します!』
『また体調が悪くなった場合、国内トップクラスの医療設備がございますので福祉面においても安全のまさに楽園!』
『ただシェルターで過ごすだけの実験です』

杏「つまりシェルターにいれば何でもただで手に入るから時給はないって事? 欲しいものが貰えて寝て食べて過ごすだけのそんなバカみたいなアルバイトあるわけ……」

杏「もしもし、チラシを見たんですけど……」


―面接会場―

面接官「次の方、どうぞー」

杏「双葉杏でーす。不労所得が貰えると聞いて応募してきましたー」

面接官「おや? 貴女、もしかしてアイドルの双葉杏では?」

杏「名前が同じなだけな別人だよー」

面接官「まあいいでしょう。双葉さん、この度は当実験にご応募いただきありがとうございます。さて、本実験の要項はご確認済みでしょうか?」

杏「要するにシェルターの中で寝てゲームしてお菓子食べるとお金がもらえるんでしょ?」

面接官「ええ。ザックリと言えばそうなりますね。こちらの書類にも目を通していただければと思います」

杏(字が小っちゃくて読みにくいなぁ……美味しい話には裏が有るって言うけどこうも読みにくいとめんどくさいよ)


杏「目を通したよ」

面接官「このシェルター内では必要なものは全てお取り寄せいたします」

杏「と言うと?」

面接官「全国各地の名産品や、今は出回っていない珍しいゲーム、お望みとあれば法律すらも無視した最高級ホテルも真っ青なサービスをご用意しています」

杏「それは凄い!」

面接官「その気になればシェルター内でお仕事も出来ますよ?」

杏「えー。楽してお金を稼ごうとしているのに働くなんてナンセンスだよ」

面接官「それもそうでしたね、失礼いたしました。では健康チェック等諸々ございますのでこちらの部屋へ。それをクリアできましたら合格となります。晴れてシェルターライフを満喫できます」

杏「はーい」

杏(健康チェックを終えた私はその場で合格通知が貰えた)


面接官「おめでとうございます双葉さん。それでは早速シェルターでの生活へと移りますが」

杏「ええ? 今から?」

面接官「はい。双葉さんのお気持ちが変わらないうちにと思いまして」

杏「そう? じゃあちょっと待って、プロデューサーに連絡するから」

面接官「はい、かしこまりました」

杏「ピポパっと……あっ、プロデューサー?」

P『杏か? どうした?』

杏「あ、うん。ちょっとの間杏はシェルターで生活するから」

P『……はっ?』


杏「そういうわけだからよろしくねー」

P『待て待て! シェルターってなんだ!? 仕事はどうするんだよ!』

杏「ここ数日仕事はお休みでしょ? なら大丈夫だって」

P『そうだけど! 意味が分からないぞ!?』

杏「杏は働かなくても生活できる方法を思いついたのだ! じゃあ、そういうわけだから。飽きたらまた戻るよー」

P『おい、杏―!』ピッ

杏「それじゃあシェルターに入れてよ。もう今日は疲れたよ」

面接官「ええ、かしこまりました。では車にお乗りください」


―シェルター内―

杏「ふぁーあ……よく寝たよ。なんか車に乗った途端眠くなったんだけど、薬盛ったの?」

面接官「シェルターの場所は機密事項となっておりますので、杏様にも場所をお伝えするわけにいかなかったのです。ただ、外部との連絡を携帯で取ることは可能ですのでご心配なく」

杏「シェルターって結構広いんだね」

面接官「ええ。本来これは災害シェルターとして用意されたものでしたが、その色々とありまして今は我々が所有しております。たとえ核爆発が起きようとも、この中にいる限りは絶対の安全を保障します」

杏「ふーん」

面接官「では実験を始めましょう。食事は毎日決まった時間に3食出ますが、間食等はお気軽にお申し付けいただけたらと思います」

杏「じゃあ飴を用意しといて」

面接官「かしこまりました。では、素晴らしき楽園ライフを……」

杏(こうして杏のシェルターでの自堕落生活が始まった)


杏「フンフンフーン」ピコピコ

杏「あー、おなかすいたなー。すみませーん、おやつちょうだーい。あと飲み物はコーラで」

管理者「かしこまりました」

杏「一日中ゲームをしながら自堕落に過ごす……しかもそれを誰も咎めないなんて、なんていい場所なんだ!」

prrrrprrrr

杏「必要なものは何でも用意してくれるし、外に出る必要もない! まさに杏の王国だね」

prrrprrr

杏「……まあ、プロデューサーやきらりから毎日のように電話がかかってきてるけど。そんなに心配しなくても飽きたら外に出るのにね」


きらり『にゃっほー! 杏ちゃーん、きらりだよー! 今日もいい天気だねぇ!』

杏「いい天気って、シェルターの中じゃ外の天気なんか見れっこないから関係ないよ。晴れの日も雨の日もやめる時も健やかなる時も杏は杏が思うが儘に自由で有り続けたいの」

きらり『でもぉ、杏ちゃんと一緒にいれば、もーっとハピハピできるにぃ! だから……』

杏「杏は今お仕事中なんです、惰眠を貪り贅沢を尽くしてだらだら過ごす。あれだよ、マリーアントワネットの役作りだよ。パンがなければケーキを食べればなんとやらー」

きらり『杏ちゃん……』

杏「じゃあ切るねー。ギルドの会合に呼ばれてるし、それじゃね」

きらり『うん。帰って来るのをずっとずーっと、待ってるにぃ!』


―またある日のこと―

杏「ゴホッ、ゴホッ……」

杏「寝ずにゲームしてばっかしてたから……けほっ! 風邪ひいたな、体がだるい……病院行かないと」

管理者「その心配はございません、双葉さん」

杏「え?」

管理者「当シェルターでは完璧な医療設備も完璧に整っておりますので。ドクターズ、カモン!」

医者「杏の運命は、俺が変える!」

杏「あっ、医者の方からこっちに来てくれケホ! るんだ……」

管理者「まさに至れり尽くせりとはこの事でございましょう」


―またあくる日―

杏「……」ピコピコ

杏(何もしなくていい生活だけど、流石にずっとシェルターの中にいたら飽きてきたなぁ)

杏「ねえ、管理人さん。この部屋にいるのも飽きてきたんだけど」

管理者「さようでございますか。でしたら、こちらはいかがでしょうか?」

杏「なにこれ? VRヘッドセット?」

管理者「はい。やはりシェルター内でずっと生活するとなると、同じ景色ばかりで飽きてしまう事もあります」

杏「そりゃあ無機質な部屋だもん。家具置くのも面倒だしそのままにしてたけど、味気ないよね」

管理者「そこで私たち考えました、シェルター内にいながらも世界各地へと旅行することが出来るようにすればいいと。つけて見て下さい」

杏「どれどれ……! こ、これは!」


ヘラジカ「ヘラー!」

杏「す、すごい……! 目の前景色が雪国になって噂のヘラジカが……」

管理者「お気に召されたようで何よりでございます。我々は様々な事情により旅行に行くことが出来ない方々のために、仮想現実での旅行を体験させるべくVRでの世界旅行を実現させたのです。リモコンを押していただくと」

中国人「ニーハオ!」

杏「! 今度は万里の長城の上! でこれを推すと」

京美人「おいでやす~」

杏「京都の街並みになった!」

管理者「世界各国の観光地をシェルター内にいながら体感できますので、ますます外に出るなんて選択肢がなくなるんですよ……ってあれ、聞いていませんね」

杏「おー! すごいぞー! ゴリラだゴリラ!」


管理者「コホン。まあ、良いでしょう。よきシェルターライフを……」

杏「ここは楽園かー! ハッハッハッハ!」

prrrprrr

杏(この時、完全に現実や外の世界のことなんて私の頭の中から抜け落ちていた)

prrrprrr

杏「今度は恐竜が出て来たー!」

prrrprrr

杏(そして私は、自分の愚かさを一生後悔することになる)


―数週間後―

テーレッテー!

杏「ヒャッハー! 汚物は消毒だー!」

杏「……うーん、流石にこうもずっとVR見てたら飽きてくるもんだね」

杏(そう言えば、ここんところ管理者としか会話していないな……みんな元気しているかな)

杏「うわっ。携帯の着信がすごいことになってるよ。結構な間見てなかったしなぁ」

杏「プロデューサーにきらりに……留守電も沢山だ。あれ? 途中からきらりからの電話がない」

――

きらり『うん。帰って来るのをずっとずーっと、待ってるにぃ!』

――

杏「愛想尽かされても、仕方ないよね」


留守電『もしもし! 杏か! 聞いてるか!? 良いか、これを聞いたらすぐにかけなおしてくれ!』

杏「やばっ、一週間も前の留守電じゃんこれ……凄く切羽詰ってるけど、何が有ったんだろ」

杏「もしもし、プロデューサー?」

P『!! 杏! 杏なのか!? 良かった……連絡がついて……』

杏「心配性だなぁ、プロデューサーは。杏はダラダラと毎日を有意義に過ごして元気……」

P『俺はお前の身にも何かあったんじゃないかって心配で……』

杏「? お前の身にも……って、なに?」






P『……杏。いいか、落ち着いて聞いて欲しいんだ。きらりが……』

杏「きらりがどうしたの?」

P『……倒れたんだっ』

杏「……えっ?」






P『一週間ほど前、レッスン中に倒れて病院に運ばれたんだ……過労かと思ったけど、きらりは原因不明の病気に罹っていて……今も意識を取り戻していない、医者からも……覚悟して欲しいって言われた』

杏「な、何言ってんのさプロデューサー。そんなドッキリ、悪趣味だよ? もっとさ、ハッピーになれる嘘つこうよ。きらりに怒られちゃうよ? そうやって杏をここから出そうとしているんでしょ?」

P『俺だって……嘘だって言いたいよ……でも、本当だ』

杏「そんな……」

P『頼む杏。シェルターから出てきてきらりの傍にいて欲しい……バカみたいなことをって思うかもしれないけど、お前の声はきらりに届く。そんな気がするんだ』

杏「……分かったよ、プロデューサー。すぐにいく」

P『そうか、ありがとう杏』


杏「ねえ、管理者さん」

管理者「どうなさいましたか?」

杏「杏の電話聞いていたでしょ? ここから出してよ、十分実験の結果は出たでしょ?」

管理者「はて? 何をおっしゃいますか双葉さん。ここから出たいだなんて」

杏「きらりがヤバい状態なんだよ。こんな所に居続けるわけにいかないよ。それに、最近1人にも飽きてきたし」

管理者「困りましたねぇ……双葉さん。ここから出たいと言うのは、契約違反ですよ?」

杏「えっ?」


管理者「えっ、ではありませんよ。シェルターに入る前にお渡しした契約書を読んでいただいたはずですが?」

杏「けいやく、しょ?」

管理者「シェルターに入ると二度と出ることは出来ない、脱走しようとした場合違約金をお支払いいただくと」

杏「そ、そんなの知らないよ!」

管理者「嫌ですねぇ、ちゃんと書いていましたよ」

杏(! そう言えば字が小さくて適当に読み流していたから見落としていたのかっ)

杏「違約金なら払うよ。だからここから出し」

管理者「2兆円、すぐにお支払できますか?」

杏「!? に、2兆円!?」


管理人「ええ、こちらのプロジェクトには多額のお金をかけておりまして……これまで双葉さんが贅沢三昧できた分、返していただかなければ」

杏「だとしても2兆円はぼったくりだー!! そんなの払えるわけないよ! 印税いくらか知ってるのか―!?」

管理者「では大人しく、このシェルターで生涯を終えることですね」

杏「こ、こんなの不当だ!」

管理者「そうそう。このシェルターは内っ側からは絶対に開かない構造となっておりますので。望むものが全て手に入る楽園、それを捨てようだなんて理解に苦しみますね」

杏「きらりは……杏にとって大事な友達なんだ……そりゃあ時々、分からなくなる時もあったけど……きらりがいないと、面白くもなんともないよ」


管理者「なるほど、お望みとあれば諸星きらりのクローンをおつくりいたしましょうか? 記憶もすべて引き継いだ、完璧な諸星きらりですよ?」

杏「ふざけたことを……っ!」

管理者「ふざけてなんかおりません。なんせ私たちにはシェルター実験参加者の要望に応える義務が有りますので。ここから出たい、以外のね」

杏(なんとか脱出する方法を考えないと……でもここから出たところで、きらりは……)

杏「あっ」

――

管理者「当シェルターでは完璧な医療設備も完璧に整っておりますので。ドクターズ、カモン!」

医者「杏の運命は、俺が変える!」

杏「あっ、医者の方からこっちに来てくれケホ! るんだ……」

――


杏(そうだ。あの時、医者はここに入って来た。だからその隙になら)

杏(いや、監視カメラも有るし捕まったら何をされるかわからないよ……。クローンを作れるとかいう頭のおかしい組織だよ? 下手すれば杏も……)

杏(……いや、1つだけきらりに会って救えるかもしれない方法があった。でもそれは)

きらり『でもぉ、杏ちゃんと一緒にいれば、もーっとはっぴはっぴできるにぃ!』

杏「……ねえ、何でも用意してくれるんだよね?」

管理者「ええ。望むのならば、何なりと」

杏「だったら――」

管理者「はい、仰せのままに――」


――数か月後――

杏「杏とー」

きらり「きらりのー!」

杏&きらり「あんきらターイム!!」

杏「はい、今日のお仕事終わりー。帰って良い?」

きらり「だーめ!! もう、これからが本番だよぉ? ちゃんとお仕事しなきゃ、メッ! だよ!」


杏『――!』

きらり『――』

P「……これで、良かったのかな」

ちひろ「どうしました。浮かない顔をして。……まだ引き摺っているんですか?」

P「あぁ、ちひろさん。いや、割り切ろうとはしているんですけど、中々上手く行かなくて……」

杏『――』

きらり『――』

ちひろ「……良い笑顔、ですね」

P「ええ。でももう、2人には会えないんだって思うと、ね」

ちひろ「プロデューサーさん……」

P「……俺は、どうするべきだったんだろう」


きらり「杏ちゃん! おっつおっつばっちし! 今日もお仕事、楽しかったね!」

杏「もう可処分エネルギーは尽きちゃったよ……きらり、肩を揉んでほしいな」

きらり「よーし! 杏ちゃんの為にも心を込めてマッサージしてあげゆ!」

杏「あっ、お手柔らかにね」

きらり「えいっ!」

杏「いたたたたたた!! そ、そこは痛い痛い! 折れるー!」


杏(結論から言うと、きらりの病気は治りこうしてまた一緒にお仕事をすることが出来た。見事なまでのハッピーエンドだよ)

きらり「ねぇ、杏ちゃん」

杏「なに、きらり」

きらり「今日はいい天気、なのかな?」

杏「さあ。どうだろ、天気予報なんか見てもここじゃ意味ないもんね」

きらり「それも、そうだったね。きらりったら、うっかりさんだにぃ!」

杏(出ることを許されない完全無欠のシェルターの中で)


――

杏「だったら。きらりをここに連れてきて」

管理者「? 諸星きらりを、ですか?」

杏「今きらりは原因不明の病気で意識ないんだ。でも……あんた達なら治せるんだよね?」

管理者「確かに。我々の医療技術は日本どころか他国と比べても非常に高いです。諸星きらりの病気も治せるでしょうね」

管理者「しかしそれが意味することをお判りでしょうか? この部屋に諸星きらりを入れるという事は、彼女も二度と出ることは出来ないのですよ?」

杏「分かっているよ。杏の我儘できらりの人生奪おうとしていることぐらい。でも……」

杏「何もしないできらりと会えなくなるのは、もっと嫌だ。きらりから責められたとしても、全部杏が背負うよ。それなら良いでしょ?」

管理者「はい、仰せのままに――」

――


杏(無事きらりは回復して、こうしてシェルター内に放送スタジオを作り仕事が出来るようになった。私は良く知らないけど、プロデューサーが言うには私ときらりの番組は昨今の視聴率不況の中でも、高い数字を出しているらしい)

きらり「どうしたの、杏ちゃん。難しい顔をして、そんなんじゃ幸せにげちゃうゆ?」

杏(きらりは優しいから、私のことを責めなかった。それどころか一緒に仕事が出来ることを涙を流して喜んでいた)

杏(楽を求めてひきこもった挙句、意識がないうちに巻き込まれて。それでもいつも通りに笑うきらりを見て、私の心は強く締め付けられる)

杏「きらりはもっと、広い世界に行けたはずなんだよ」

きらり「えっ?」


杏「きらりよりも大きなステージで、多くの人の前で歌って踊って。もっともっと出来たはずなのに。杏のせいで……」

きらり「杏ちゃん! そんなこと言っちゃダメ! きらりはね、杏ちゃんといれて幸せだよ?」

きらり「どんな場所だとしても、2人でならはっぴはっぴ出来てばっちし! だから……」

杏「……ゴメン」

きらり「泣かないで、杏ちゃん……」

杏「ゴメン、きらり……ゴメン……」

杏(そうだ。ここは楽園なんかじゃない。怠惰と言う大罪を犯した私が一生罪を償い続ける、監獄なんだ――)


世にも奇妙なシンデレラガールズ

以上になります。失礼いたしました、HTML処理してまいります

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