男「いただきまーす」アー サボテン「ちょっと待った!」(53)

男「誰だ?」キョロキョロ

サボテン「私です! 私が言いました!」

男「あぁぁ……腹減り過ぎて、なんか幻聴が聞こえる……」

サボテン「幻聴じゃありません!」

男「……」

サボテン「……」

男「それじゃ改めて、いただきまーす」アー

サボテン「だから! ちょっと待って下さいっ!」

男「……」

サボテン「そのまま食べたら口の中がえらい事に……ていうか、そもそも食べないで下さいっ!」

男「おぉ……マジで幻聴か……まさか脳に直接?」

サボテン「違います!」

男「……マジで?」

サボテン「マジです!」

男「……実は俺もうすでに死んだ説」

サボテン「男さんはすっごくお腹が空いてるだけで、これは現実ですよっ!」

男「そ、そうか……本当にお前が……サボテンが喋ってるのか」

サボテン「ふぅ……やっとわかってもらえたみたいですね!」

サボテン「大体ですねっ!」

男「なんだよ」

サボテン「久々にお水を頂いたと思ったら、急に食べようとするなんて!」

男「サボテンにも最後の晩餐を……的な、さ」

サボテン「そんな気遣い要りません! そもそも私は観賞用です!」

男「お、おう……お前、小さいもんな」

サボテン「それに、私がどこから来たのか忘れたんですか?」

男「どこから?……メキシコとか?」

サボテン「私、男さんにプレゼントされたんですよね?」

男「あ、そういう意味か。そうだな、確かに幼馴染から引越し祝いのプレゼントだったな」

サボテン「そんな思い出の品をよくも食べようと思いましたね!?」

男「ごめんなー、サボテン……」

サボテン「謝るくらいならっ」

男「でもな? もうこの部屋でナマモノは害虫以外だと、俺とお前しかいないんだよ……」

サボテン「……そうかもしれませんね」

男「お前は俺を食べられないだろ? でも俺はお前を食べる事が出来る……わかってくれるよな?」クワッ

サボテン「だから! その目やめて下さい! 怖いです!」

サボテン「大体どうして私を食べるような事態になってるんですか?」

男「……聞いてくれるか?」

サボテン「私はサボテンなので、話を聞くことしか出来ませんから」

男「そりゃ自分じゃ動く事も出来ないもんな……出来ないよな?」

サボテン「出来ません! だからお話ならいくらでも聞きますよ? 命も懸かってますから!」

男「……実は俺、今週すげー運が悪くてよ」

サボテン「運が悪い?」

男「月曜日に携帯を落として壊しちまってな」

サボテン「ありゃりゃ」

男「すぐに修理に持っていったけど、結局買い替えになったんだが……それが5万円もしたんだ」

サボテン「それは一人暮らしには大きな出費ですね」

男「しかもデータの引き継ぎが出来なくてな……誰の連絡先もわからねーんだよ」

サボテン「あー」

男「しかも、その帰り道、財布を落としてな……」

サボテン「弱り目にたたり目とはこの事ですね」

男「だろ? しかも出たばかりの給料が全部入ってたんだぜ?」

サボテン「なんでそんな大金持ってたんですか?」

男「ウチのバイト先、給料は現金支給なんだよ。運悪く月曜が給料日でな」

サボテン「それでも……預金するとか!」

男「いや、家賃と光熱費の支払い、あと食費としてさ……」

サボテン「それで結局どうなったんですか?」

男「家賃・電気・ガス・水道料金滞納中、食費削減中」

サボテン「大丈夫なんですか? いや、大丈夫じゃないから私を食べようとしたんですもんね……」

男「電気・ガス・水道はまだ大丈夫だから、ここ4日程、白湯を飲んで過ごしてた……」

サボテン「あー、だから布団から殆ど出てこなかったんですね」

男「幸い連休だったから、授業もバイトも無くてな」

サボテン「幸い……ですかね?」

男「だがそれも限界だ! だからサボテン、俺の栄養になってくれ!」

サボテン「……籠城は、援軍が来るまでの時間稼ぎじゃないんですか?」

男「ぬ」

サボテン「援軍が見込めない籠城は意味無いんじゃないですか?」

男「うっ……」

サボテン「真っ先に援軍を呼ぶ事を考えて下さいよ」

男「徒歩圏内に助けてくれそうな援軍が居ないんだよ……」

サボテン「それでも誰か……ご友人から連絡とか無いんですか?」

男「俺だって誰かから電話なりメールなりが来ると思って待ってたんだよ……」

サボテン「……無かったんですか?」

男「1人くらいからは何らか連絡があると……思って……」

サボテン「無かったんですね、誰からも、一切」

男「俺、めちゃくちゃ寂しい奴だな……」ズーン

サボテン「お、落ち込んでる場合ですかっ! 元気出して下さいっ!」

男「そうは言ってもなぁ……誰からも連絡無かったのは事実だし……」ズゥゥゥン

サボテン「ご両親に電話するとか、あの人に連絡するとか、まだ手はあるでしょう?」

男「あの人?」

サボテン「幼馴染さんです! 決まってるじゃないですか!」

男「……どっちの電話番号も覚えてないし」

サボテン「……本当に八方ふさがりですね」

男「そうなんだよ……」

サボテン「あれ? でも男さんって500円貯金してましたよね?」

サボテン「全部貯まったら10万円になる貯金箱で」

男「よく知ってるな……でもあれは先月全部使っちまったよ」

サボテン「えー? もう少しで満タンになるってはしゃいでたのに……」

男「ちょっと事情があったんだよ」

サボテン「……先月と言えば、幼馴染さんの誕生日でしたね」

男「そうだなー。それが……いや、よそう。幼馴染の誕生日は関係ない」

サボテン「幼馴染さんの誕生日前日、小さな小箱を手にして踊っていた事と関係が?」

男「……見てたのかよ」

サボテン「私、男さんがこの部屋に越してきた日から、ここに居ますからね」フフン

男「……500円貯金、全額使って指輪を買ったんだよ」

サボテン「まさか婚約指輪ですかっ!?」フンッフンッ

男「いや、そういう訳では……そりゃまぁ少しはそういう意味も……」ブツブツ

サボテン「……煮え切らない態度です」

男「まぁ、一応誕生日プレゼントとして幼馴染に渡した……説明とかナシで」

サボテン「ヘタレですね。知ってましたけど」

男「うるせぇな……」

サボテン「で、どうするんですか?」

男「なにがよ?」

サボテン「私を食べるんですか?」

男「……そうだな」

サボテン「そうですか……」

男「でもお前、俺の話聞いてくれるし……意思疎通の出来るサボテンを食べるのはなぁ」

サボテン「情ってやつですか?」

男「そうだな」

サボテン「でもこのまま誰からも連絡が無ければ……」

男「……怖い事想像させんじゃねーよ」

サボテン「思い残す事は無いんですか?」

男「そりゃ沢山あるさ……大学卒業して、就職して、恋愛して、結婚して、子供が出来て……」

サボテン「多すぎます! 一つだけ! ぎゅっと絞って!」

男「……幼馴染」

サボテン「はい?」

男「あいつに、俺の本心をちゃんと伝えたかった……」

サボテン「……」

男「長い付き合いだけど、今までずっとはぐらかして」

サボテン「ヘタレですもんね」

男「はっきりとした答えを出さずに先延ばしてきた……」

サボテン「それが一番の心残りなんですか?」

男「……あぁ」

サボテン「わかりました」

男「ん? 何がわかったんだよ?」

サボテン「私を食べて下さい!」

男「……良いのかよ?」

サボテン「ただしっ!」

サボテン「まずはちゃんと包丁で切り分けて下さい!」

サボテン「トゲには気をつけて、身だけを食べて下さいね!」

男「サボテン、お前……」

サボテン「そしてお腹がふくれたら、すぐに幼馴染さんに会いに行って下さい!」

男「おいおい……お前を食べた後、俺に千葉まで歩けってのか……」

サボテン「ガッツですっ!」

サボテン「私の熱量、全部男さんに差し上げます! だから!」

男「お、おう……すまんな、サボテン」

サボテン「……私は」

男「ん?」

サボテン「私は長い間、幼馴染さんの部屋で過ごしました」

男「幼馴染がお前を買ったのは……確か中一の頃だっけか」

サボテン「さすがです。好きな人の事はちゃんと覚えてるんですね」

男「うっさいよ」

サボテン「……それから男さんにプレゼントされるまでの間、沢山話を聞きました」

男「話?」

サボテン「そのほとんどが、男さん! あなたの事でした!」

男「そ、そうなのか? 悪口とか?」

サボテン「なんでそこネガティブなんですか!」

男「だってよ……」

サボテン「全く! 何年一緒にいたんですか!」

男「なんだかんだで、16年くらいかな……あいつが隣に引っ越してきてからだから」

サボテン「これがどういう事かわかりますか?」

男「は?」

サボテン「幼馴染さんが男さんの世話を焼く事の意味、考えた事あります?」

男「……?」

サボテン「私、毎晩話を聞かされてたんですよ?」

男「だから何の話だよ」

サボテン「それは自分で確かめて下さい! だから! 食べたら必ずすぐに会いに行って下さいね?」

男「お、おう……全力を尽くすよ……」

サボテン「そうじゃないと……無駄死になっちゃいますから!」

男「……すまん、サボテン」

サボテン「約束ですよ? 必ず幼馴染さんに男さんの正直な気持ちを伝えて下さいね!」

男「わかった! 約束する!」

サボテン「それじゃあ! さぁ! 一思いにやって下さい!」

サボテン「醤油をつけてお刺身のようにして食べると美味しいらしいですから!」

男「今、家に醤油無いけど……わかった、じゃあ」スック

男「行く…ぞ……」フラッ

男「んっ……なん……だ……?」グラッ

男「目が……目が回る……」バタッ

サボテン「男さん? しっかりして下さい! 男さんっ!」

サボテン「今倒れたら……幼馴染さんに会えないんですよっ!」

サボテン「あー! もうっ! せめて、目が覚めたら私の花言葉をっ……」

男(ダメだ……もう意識が……すまん、幼馴染……すまん、サボテン……)




幼馴染「男! 男っ! ちょっと、大丈夫?」
ユサユサ

男「……ん」

幼馴染「しっかりしなさいよっ!」
バシッ

男「……腹が減りすぎて、幻覚が見える」ボー

幼馴染「何言ってんの! こんな質量持った幻覚無いわよ!」

男「……あれ? 俺、確かサボテンと……」

幼馴染「サボテン? これの事? こんな所に置いてたら危ないわよ」

男「そうそう、それ実はな、幼馴染から貰った大事なサボテンでな?」

幼馴染「あげた私が忘れる訳無いでしょ! まだ寝ぼけてるの?」

男「……夢を見てた」

幼馴染「まったく……おばさんも心配する訳よね。全然帰って来ないし」

男「あぁ……そういえばここんとこ帰って無いな……」

幼馴染「おばさんに頼まれて様子見に来てみれば……なんでこんな所で寝てたの?」

男「腹が減って……もう動けない……」

幼馴染「ありえないし! お金無いの? それならそれで連絡してくれれば」

男「携帯壊した上に全財産が入った財布落としたんだよ……」

幼馴染「いざって時の500円貯金はどうしたのよ。こんな時こそ使いどきでしょ?」

男「あ、あれはちょっと前に使っちまってよ……」

幼馴染「なんなのそれ……ちょっと前にも危機的状況があったって事?」

男「ま、まぁな……」

幼馴染「でも前会った時は」

男「あーーー! その話はいいんだ!」

幼馴染「なんで急に大声出すのよ!」

男「俺の体内に! 少しでもエネルギーが残ってる内に! お前に言いたい事があるんだよ!」

幼馴染「へぇ?」

男「俺な? 実はな?」

幼馴染「何?」

男「いや、幼馴染は勘がいいから気付いてるかもしれないんだけどな?」

幼馴染「だからなんの事よ」

男「うー……まぁそのー……つまりー、あのさぁ」

幼馴染「そのうーうー言うのいらないから! 結論から話して!」

男「あーーー、先月さ……俺がプレz」

グゥ~~~~~~~~~~~~~

男・幼馴染「……」

幼馴染「ぷっ」

男「ぅあー……腹、減った……」バタッ

幼馴染「あははははは! そうでしょうね。ばっちり聞こえましたから!」

男「……」

幼馴染「いくら私でもわかりましたとも! あはははははは!」

男「そんなに笑わなくてもいいだろ?」

幼馴染「そんな腹ペコ野郎に、私の手料理を振る舞っちゃおう」

男「え?」

幼馴染「元々、晩御飯一緒に食べようと思って、材料買って来たんだよ」

男「女神かよ!」

幼馴染「ふふっ……まずは軽い物をささっと作るね」

男「それは、どれくらいの時間で……」

幼馴染「んー、大体10分くらい? それまで大人しくしてて」

男「10分!……あぁぁぁぁ……マジありがとな!」

幼馴染「良いってことよ! それじゃ作ってくるから」

男「頼む……お前だけが頼りだ……」

幼馴染「さっきの話はご飯を食べながらゆっくり聞かせてもらうわよ」

男「おうよ」



男「……なぁ、サボテン」

サボテン「……」

男「さっきのって俺の幻聴だったのか?」

サボテン「……」

男「なぁ、なんとか言えよ」ツンツン

サボテン「……」

男「……ま、常識で考えてサボテンが喋る訳無いかー」バタッ

男「でも、見ててくれよ。今日こそ幼馴染に言うからよ」

男「……好きですって」

男「…………」

男「……………………」

男「………………………………」

男「…………多分」ボソッ

サボテン「……ヘタレ」ボソッ

男「!? おい、今ヘタレって言ったよな? 言ったよな?」ガシッ

サボテン「……」

男「おいっ!」ユサユサ

幼馴染「ちょっと……サボテン相手になにしてんの?」

男「いや、このサボテン、実は喋るんだよ! マジで!」

幼馴染「はいはい、そんな楽しい幻覚も、美味しいご飯を食べれば解決するから」

ホワァァン

男「うぉぉ……めっちゃ良い匂い……」

幼馴染「まずはサラダと肉野菜炒め。ご飯が炊けたらすぐ出すからとりあえずこれで」

男「ヒャッハー! 肉だ肉だー!!」

幼馴染「それにしても本当に食べ物なーんにも無いのね」ハァ

男「味噌も調味料も丁度全部切らしててな……」

幼馴染「せめてお米は切らさないようにしなさいよ」

男「今回は色んな不運が重なって仕方なかったんだよ」

男「そ、そんな事よりよ?」ソワソワ

幼馴染「はいはい、どうぞ召し上がれ」

男「いっただっきまーーーーーーーす!」ガツガツモグモグ

幼馴染「どう? 美味しい?」

男「21歳女性が作った料理の中で、世界一美味い!」モグモグモグモグ

幼馴染「ふふっ、ゆっくり食べなよ。残りの料理も作ってくるから」

男「ありがてぇ! ありがてぇ!」ガツガツ




幼馴染「……男さぁ、一人暮らしやめれば?」

男「ふごっ!? なんで急にそんな……」

幼馴染「私の目から見れば、とても一人暮らしを満喫してるとは思えないよ」

男「そんな事はない! 俺は一人暮らしを十分楽しんでいる!」

幼馴染「今回みたいに、1人部屋で倒れたりしてたら……」

男「……」

幼馴染「おばさんも心配してるしさ」

幼馴染「大体、このアパートから大学までって確かに近いと言えば近いけどさ」

幼馴染「本当は今の生活に回してるお金で定期買えば、金銭的には余裕で実家から通えるでしょ?」

男「……」

幼馴染「その……まぁ、私も……ちょっとは心配だし」ボソッ

男「あ、あのな、幼馴染!」

幼馴染「何? さっきの話?」

男「俺、大学卒業したらさ」

幼馴染「あ! その前に私からも言いたいことがあるんだよ」

男「え?」

幼馴染「卒業で思い出した! 今思い出したから、忘れる前に言っても良い?」

男「あー、うん、どうぞ……」

幼馴染「私、男から貰った誕生日プレゼントの指輪、今左手の薬指につけてるよ?」

幼馴染「ほら」キラン

男「……?」

幼馴染「はぁ……鈍感なのは昔からだからなぁ」

男「鈍感じゃねーよ」

幼馴染「……んじゃ結論話すね」

男「は、はい」

幼馴染「私、男のお嫁さんになりたいんだよ。これ、昔からの夢ね」

男「!?」

幼馴染「だからさ? この部屋じゃちょっと狭いから、引き払って2人で一緒に住まない?」

男「お、幼馴染! ちょっと違うけどそういう意味合いの事、俺が言いたかったのに!」

幼馴染「男があーだこーだ言ってるからでしょ?」

男「つーか、そんな大事な話をそんなに軽く……」

幼馴染「軽く無いよ!」

幼馴染「出来れば、私がサボテンをプレゼントした意味に気付いて欲しかったけど」

男「意味?」

幼馴染「照れ隠しも混ぜて、サボテンにメッセージ性を持たせてみたんだけど……」

男「え? このサボテンにそんなのが隠されてたん?」

幼馴染「このままじゃ絶対気付かないと思ってね!」

男「……面もくない」

幼馴染「恋煩って16年、もう待てないから直接言っちゃおうと思って、ね?」

男「俺、30分前まで腹減って倒れてたような奴だぜ?」

幼馴染「今は違うでしょ? ちょっと考えてみない?」

男「……」

幼馴染「……あのさ、これは私の勘なんだけどさ」

男「なんだよ」

幼馴染「男がプレゼントしてくれたこの指輪さ……あの500円貯金で買った?」

男「……そこはノーコメントで頼む」

幼馴染「……婚約指輪的な意味も、持たそうと思ってくれたんじゃない?」

男「……」

幼馴染「これは私の自惚れかな?」

男「う、自惚れじゃない! 俺、昔から、幼馴染の事が……」

幼馴染「……私の事が?」

男「す、好きだ!」

幼馴染「……やっとはっきりとした言葉で伝えてくれたね」グスッ

男「な、なんで泣くんだよ」

幼馴染「嬉し泣きよ、バカッ」

男「……今までごめんな、肝心な所で逃げちまって」

幼馴染「今までの事はいいんだよ……これからもずっとずーっと私の事幸せにしてくれるなら、ね?」

男「俺、頑張る! めっちゃ頑張るから!」ギュッ

幼馴染「あっ……」

男「俺の隣に、一生居てくれ!」

幼馴染「……うん」ギュッ

男「絶対幸せにするからよ」

幼馴染「好きな人が腹ペコで倒れちゃうのをほっとけないしね、ふふっ」

男「そこはマジで気をつけるよ……」

幼馴染「さ! とりあえずご飯食べよう! これからの事は後で話そうよ!」

男「おう! それじゃ改めて! 頂きますっ!」

男「あれっ!?」

幼馴染「え、何?」

男「サボテン、小さいけど花が咲いてる……」

幼馴染「ホントだ! 私、初めて見た!」

男「今日、久々に水やったからかな?」

幼馴染「それだけじゃ急には咲かないでしょ」

男「……なんか、俺達の事を祝福してる気がする」

幼馴染「ふふ、珍しくロマンチックな事言うじゃないの」


男「……ありがとな、サボテン」ボソ

幼馴染(サボさん……やっと実ったよ、私の恋!)

幼馴染(『枯れない恋』、長くかかっちゃったけど……)

幼馴染(私のかわりに男の事、見守ってくれてありがとね!)

幼馴染(新居にもちゃんと連れて行くし、バッチリ世話するから!)

幼馴染(だからこれからも……私達の事、見守っててね!)


男「ん?どうした?」

幼「何でもない! 所で男はサボテンの花言葉って知ってる?」

男「あー、それ誰かにも言われたような……」



サボテン《…………フフリ》


おわり

これで終わりです
レスありがとうございます
インテル入ってます

次スレは
幼馴染「あれ?男?」 男「お?今帰りか?」
で、立てるはずです

では

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