和久井留美「夢を作って、いつか遊んで」 (13)
これはモバマスssです
短いです
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趣味は仕事。
そう前に言ったこと、覚えてるかしら?
忘れたなんて言わせないけど…よかった、ちゃんと覚えててくれてるのね。
ええ…たしかに仕事は好きよ。
前も、今も。
けれど、もう一つ。
私には趣味と呼べるものがあったのよ。
…あった、よ。
今ではなくなってしまったわ。
それは、とある教育番組を見る事。
結構長く続いていて、放送時間帯はよく変わっていたけれど。
それでも本放送か再放送のどちらかを、毎週観ていたわ。
…君は察しがいいわね、その通りよ。
ギャグとかではなくて。
本当に、私は好きだったの。
小さい頃からずっと続いていた、あの番組。
身の回りにあるありふれたもので、子供の心をくすぐるおもちゃを作る。
作ったおもちゃで、とても楽しそうに遊ぶ。
素敵な事だと思わないかしら?
小学生に上がってからも、中学生に上がってからも。
ずっと、観続けていたわ。
高校生になっても、大学生になっても。
見れない日は録画して、帰ってからの15分を楽しく過ごしていたの。
一般の人からすれば、ちゃっちいおもちゃ。
いいえ…正直小学生の時点で、私すら小馬鹿にする事もあったわ。
今の子供からしたら、それこそゲームの方が楽しいでしょうし。
そもそもハンドサイズの端末で全て事足りてしまうものね。
それでも…私は。
親と一緒に、家にあるものを集めて。
テレビと同じようにおもちゃを作る事が、大好きだったの。
材料を集めて、思い出しながら作って、壊れるまで遊んで。
そんな思い出があったからこそ、私はつい最近まであの番組を観ていたのよ。
趣味が仕事になるくらい働き詰めているときも。
忙しすぎて、疲れて夢を忘れていても。
それでも毎週、きちんと観ていたわ。
…そう、私の夢。
いつかできた私の子供と一緒に。
出来れば、その子のお父さんと一緒に。
私が今まであの番組から教わったおもちゃを。
家にあるもので、作って遊びたいの。
もう、終わってしまった番組だけれど。
それでも…私は、覚えているわ。
どんな風に作って、どんな風に遊ぶのかを。
もちろん、忘れてしまっているものだってあるわ。
小さ過ぎて、はたまた疲れ過ぎていて。
でも、それでいいのよ。
そんな時は、三人で。
材料も作り方も遊び方も自分で考えて。
そうして出来たおもちゃで、自由に遊ぶの。
それが、作って遊ぶという事。
私は、そう思っているわ。
…ねえ。
私の夢、叶えてくれるかしら?
終わり
ちょっとした企画で、わくわくさんに挑戦してみました
口調、間違ってないといいです…
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