女「抱いて」(7)
男「君が望むなら抱いてあげたいよ」
男「でも、君だけを力強く抱き締められない」
女「二股かけてたの?!」
男「僕は浮気だけが生きがいの男なんだ」
女「ブッ殺してやろうか」
男「もうこれ以上、これ以上は傷付きたくない。でも、君だけを・・・」
女「死ね」ドゴッ
男「待ってくれ!もうしないから許して!」
男「眠りましょう」
女「は?」
男「夢を見よう」
男「君が眠いのは知っている。だから眠ろう」
女「そうね・・・」
女「って・・・」
女「寝てどうする!」
男「いつまでも微笑んでいられたら幸せだろう」
男「二人で青色のあの空をいつまでも見ていよう」
女「もっと君といたいけど・・・」
女「もっと傍にいたいけど、笑顔に潜む弱き涙これ以上は隠せないよ」グッ
男「痛い!ツネらないで!」
女「絶望のドン底に消えな!甘えん坊のお坊ちゃんが!」ドカッバキバキ
男「何故、何故繰り返される?」
女「君の綺麗な右手は私の手で段々醜くなっていく」シュルシュル
男「ピーラーでむくなああ!」
女「君の右手はとっても綺麗で細くて段々むかついて来たよ。だから・・・」
女「吊るしたんだ!」グンッ
男「うっ・・・」ガクッ
女「ああ・・・」
女「君に起こった一つの事故が僕を悩ませ、」
女「君を救う言葉の一つも言えず冷めた」
女「僕がそこにいた」
男「だったら殺さなければよかっただろ!」
女「生き返った!?」
男「フンッ!」ベキィ
女「ぎゃああああ骨が!」
男「人とは傷つけることで癒されてゆくのだろう?」
女「あ・・・あああ・・・」
男「遠い目をしてるのは何故かな?」
女「あっそうだ!これを・・・」
男「これは・・・林檎飴?」
女「赤い飴玉、思い出がほら、一緒に溶けて無くなる」
男「ふむ」ペロペロ
男「届くはずのない太陽に俺は何を望み灰にした・・・」ペロペロ
女「残酷なまでにかようは月と太陽」
男「明日さえも目をふさいだ。赤日に問うは寡黙と・・・」
女「よかったじゃん」
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