モバP「アイドルの才能」 (15)

モバP「自分をスカウトした理由が知りたい?」

凛「うん。この前卯月のシンデレラガールのお祝いをしたんだけど」

未央「その時に思い出話から、スカウトされた時の話になって」

卯月「それでプロデューサーさんに聞いてみよう。って事になったんです」

モバP「スカウトした理由ねぇ…」

未央「ふっふー、今を時めくシンデレラガールである島村卯月を見出し育てたプロデューサー」

未央「果たして彼は一体、どのような理由で彼女をスカウトしたのか。今その真実が明らかに!?」

未央「いやー、これだけで番組一本いけちゃいそうだねっ!」

モバP「……そこまで大層なものじゃないと思うぞ?」

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凛「それでプロデューサー、私達をスカウトした理由って何?」

モバP「ん?才能」

卯月「………え?」

モバP「この子にはトップアイドルになれる才能がある!って俺が思ったからスカウトした」

凛「…適当に言ってない?」ジトッ

モバP「真面目に答えて何でそんな目をされなければならんのだ」

未央「いやだって、トップアイドルになる人を見抜く秘訣!みたいなのを期待してたから…」

卯月「ちょっと拍子抜けしちゃったと言うか…」

モバP「そんなこと言われてもだな…」

モバP「分かった。百聞は一見にしかずって言うし。ちょっと着いてきてくれるか?」

凛「着いてきてって…どこへ?」

モバP「レッスンルーム」

未央「それでプロデューサー、今から何するの?」

モバP「ん?ピアノ演奏」

凛「へぇ、プロデューサーってピアノ弾けたんだ」

モバP「子供の頃にやってたくらいだけどな。人様の前で演奏した事も一応ある」

モバP「ただまぁ今更になって人前で弾くのはちょっと恥ずかしいから、今回のは特別で秘密って事で」

卯月「わ、分かりました。島村卯月、秘密を守るのを頑張ります!」

(((不安だ…)))

モバP「それで演奏する曲なんだけど…ちょうどいいからS(mile)INGにしようか。卯月へのお祝いも兼ねて」

卯月「えへへ、ありがとうございます♪」

モバP演奏中

モバP演奏終了

モバP「で、どうだった?」

卯月「ちょっと想像以上でした…」

モバP「満足頂けたようで、それは何より」

未央「ねぇ、プロデューサー」

モバP「ん?」

未央「楽譜とかなしに普通に弾いてたけど…全部覚えてるの?」

モバP「最初にデモテープ貰ったときに一度は弾いておくからな。数が増えてきたから最近のはちょっと怪しいけど」

モバP「まだそれなりに余裕があった昔は、それこそ暇があれば弾いてたからなぁ。凛と未央の曲も余裕だぞ?」

未央「おぉ~、それじゃあ今度お願いしちゃおっかな~♪」

凛「けど今のが一体、アイドルの才能とどう繋がるの?」

モバP「……今の聞いて、どんな感想を持った?」

卯月「凄い上手くてびっくりしました…」

未央「うんうん。テレビに出てるプロのピアニストって感じ!」

モバP「……そっか、なら良かった」

卯月「…プロデューサーさん?」

モバP「…上手いアマチュアとプロの間に技術的な差ってのは殆どなくてな」

モバP「プロが弾いてるような曲は、練習さえすれば程度の差こそあっても誰でも弾けるようになる」

モバP「プロになれるかどうか。それは文字通り才能があるかないかの差と言っていい」

卯月「…それじゃあ、プロデューサーさんは…」

モバP「残念ながら才能がなかった…って事かな」

モバP「あ、今は別に気にしてないぞ?」

モバP「それに今はアイドルの才能溢れる娘達をプロデュース出来て、それはそれで楽しいからな」

凛「…ねぇ、プロデューサー」

モバP「ん?どうした凛?」

凛「私、絶対トップアイドルになってみせるから」

モバP「…だから別に気にする必要は―」

凛「今の話を聞いて、気にするなって方が無理があるよ」

未央「そうそう!それに絶対にトップアイドルになって、証明してみせるから!」

卯月「私達のプロデューサーさんは。凄い才能の持ち主なんです…って」

翌日

美波「ごめんねアーニャちゃん。幾らアーニャちゃんでもこれだけは譲れないの」ゴゴゴゴゴ

アーニャ「それはアーニャも同じですミナミ。プロデューサーのピアノ、聞いてみたいです」ゴゴゴゴゴ

蘭子「わ、我もわが友の天上の調を聞き……あぅぅ(わ、私もプロデューサーのピアノが聞き……あぅぅ)」

ありす「プロデューサーさん。今日私ボーカルレッスンなんです、プロデューサーが担当アイドルのレッスンを見るのは当然の事です。だから今日は来てください」

まゆ「プロデューサーさんのピアノ…うふ、うふふふふ」

モバP「……何ですかこの状況?」

ちひろ「プロデューサーさんがピアノを弾けると言うのを、卯月ちゃんがうっかり漏らしちゃいましてね…」

卯月「ご、ごめんなさ~い…」

ちひろ「アイドルの娘達が、次は自分の曲を演奏してもらうって言ってるんですよ」

モバP「…そこまで躍起になるほど、大した物でもないと思うんだけどなぁ…」

家の婆さんの四十九日が終わったので、一つの区切りとして


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