ゾンビに愛されるだけの話【エログロ】 (40)

端的に言えば、俺は誰かに捕まったらしい。

腕は縛られて、首には壁と鎖で繋がった首輪。

素っ裸のせいで肌寒く、可哀想にイチモツは縮こまっていた。

「……これで何日目だよ」

牢獄の中にいるから朝も昼も無い。食事は定期的だけど、いちいち何回差し入れられたかなんて覚えちゃいないのだ。

幸い、俺をさらった男は僕を殺したりする意図は無いらしいのが救いだろう。

だから問題はそこじゃない。一番の問題は、奴だ。

「……もう飯か」

憂鬱で心が一杯だ。嫌で嫌で仕方ない。

その原因は、食事を運んでくる存在。

「ぁ……ぁ……こ……」

「気持ちわりぃんだよ……!」

パンと肉と果物。新鮮な食事を運ぶソイツは、ドロドロと腐った身体をヘタクソに動かしている。

牢屋の床に赤黒い液と腐肉を残しながら、むき出しの骨を擦り付けながら。

たっぷり時間を掛けて僕の前まで来る。落ち窪んだ眼窩は、真っ直ぐに僕を見つめていた。


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肉の腐った臭いなんて最悪だ。少し悪くなった肉でも相当嫌な感じがするくらいなのに、この化物は新鮮な部分が無い。

人間らしい所なんて、所々露出した全身の骨格程度。むしろ骨だけの方がマシに違いない。

「ぁ……ぁ、ぁ……く……」

化物に「あーん」なんてされても気味が悪いし、臭いが近づくからゲロが出そうだ。

「クソったれ……この、化物! 死ねよ! 死ね、死ねッ!」

口元に手を近づけるゾンビ。必然的に、その身体も俺の目の前にあるわけだ。

苛立ちを吐き気を紛らわすようにゾンビを蹴り飛ばす。

心情は意外とスッキリするが、ぐちゃ、と気持ち悪い感触が足に纏わりついてくるのが難点だ。

「ぁ、ぁ……ぁ……ぁ……パ……」

「死ね、死ねッ! 死ねよ、もう来るんじゃねえよッ!」

我ながらバカなことを言ってると思う。明らかに死んでるわけだし。

蹴れば蹴るほどゾンビの腕は千切れ、腹に開いた穴からは真っ黒な内臓が落ちる。

頭を蹴ると仰け反って、それでも落ちたパンを残った手で拾って口元に運んでくる。

「くそ……なんなんだよ……」

結局、ただの八つ当たりにしかならない。

たっぷり時間を掛けて抵抗した後、大人しく口を開くくらいしか、俺にする事なんて無いのだから。

―――

飯を食ったら寝る。なにせする事が無い。

初めの頃は延々に声を張り上げたり、鎖を壁に打ち付けてみたりしたもんだが、全てムダ。

幸い首輪は牢屋の中で寝転がれる程度には長く、ちょっとした体操くらいはできる。それだけだ。

そして、それでも暇な時。俺は牢の外にいる奴に声を掛けたりする。

「おい化物、水くれよ」

ゾンビは大抵、牢屋の外で床にへばりついている。どうやら立てないらしい。

移動も這いつくばってズリズリ動くだけ、芋虫よりも見苦しい。

「ぁ……ぁ……み……」

鈍い化物は相変わらず小さな声を漏らしている。声すら腐っているかのようで、本当に耳障りだ。

「み……ぁ……」

コップに水を汲むのも一苦労。運んでくるのも水を零しながら持って来るうえ、欠伸が出るほど時間がかかる。

弱々しく差し出される水を、臭気を努めて無視しながら飲み干していく。

「んぐ、おい、もういいぞ……終わったらさっさと離れろ!」

いつもいつも、本当に鬱陶しい。

人が飲み食いを終えても、蹴り飛ばすまでずっと傍で見つめてきやがる。

満腹になって余計に臭いで吐き気が込み上げるというのに、だ。

「ぁ、ぁ……ぁ……」

蹴ってゾンビの身体を壊すのもいつものこと。

どうせ放っておけば少しずつくっつき始めるし、大きく壊れたら男が来て直すだけ。

男も俺の行為を咎めることはない。ただ純粋に、実験でもしているかのように眺めてくるだけだ。

「このッ! このッ! クソが……あーあ、また汚れちまった」

足の裏は腐肉でベトベトだ。気持ち悪さに辟易してしまう。

どうせ後で足を洗うための水を持って来させるにせよ。

「ぁ……ぁ、ぁ……ぁ……」

あえて人間のように見立ててみれば、困ったような動き、だろうか。

戸惑うようにモゾモゾと身体を揺らし、しばらくすると牢の外へ出て、再び床に横たわる。

「おい化物」

「ぁ……ぁ……」

「俺の前から消えてくれ」

「……ぁ……ぁ」

ゾンビは小さく揺れて、少しだけ目を伏せた。

―――

時々、あの化物は男に連れて行かれる。

どうやらここには、侵入者が来るらしい。ここがどんな場所か全く知らないから何とも言えないが。

いつもなら俺は奴らを見送って、しばらくしたら化物が戻って来るだけのこと。

けど、その日は違った。

「っ、ぐ! いったぁーい! 何すんだよ、もうっ!」

男に連れて来られたのは、甲高い声を張り上げる少女だった。

涙ぐんだまま男に蹴りを入れようとするものの、力で敵わないのか、あっさり俺の居る牢屋へ投げ込まれる。

「この変態! ちょっと、服返してよ! あとお宝も返してよバカ! 聞いてんの!?」

藍色の髪に、いくらか日に焼けた肌。こっちに背を向けているが、しなやかな足と張りのあるお尻は思わず見てしまう。

「なんだってのさクソ野郎! ああもう最悪……ちょっと、何見てんのさ」

「え。いや、その」

「ふん。キミも捕まったクチ? どーせこの墓地までお宝盗りに来た墓荒らしでしょ。ボクもだけどさ」

鼻を鳴らして俺を一瞥し、少女は苦笑する。

性におおらかなのか、堂々と腰に手を当てて、慎ましい膨らみや薄く生えた毛を隠すことなく晒していた。

「お互い不幸だよね。身ぐるみ剥がされるわ、化物の前に閉じ込められるわ……生贄って感じ?」

少女の目が再び牢の外へ向く。ゾンビはいつものように、俺たちを見つめていた。

少女は盗賊や墓荒らしをして生計を立てているらしい。

俺の隣に座り込み、明るい……というより開き直った笑顔で身の上なんて話してくる。

「それで、ここに古代王の遺産があるって話で来たのにだよ? あるのはゾンビとか骨とかばっか! あーあ、バカしちゃったなあ」

「そりゃ災難だな」

俺はまず、ここが古代の王墓ってことすら知らなかったわけだが。

「災難も災難! こんなことなら体売って小銭稼いだ方が良かったかも」

「へえ……」

身体を売るにしては少し貧相な気がする。

そんな心の中の感想に気付いたのか、頬を膨らませて腹を小突かれた。

「これでもテクはあるんだからね? 口とかココ、名器だし……ま、このまま死んじゃったら意味ないけど」

チロ、と舌を出して少女は笑う。見下ろした先、慎ましい胸と張りのある乳首。

自然とイチモツが膨れ上がるが、両手を後ろで縛られる俺に隠すことはできない。

となれば。

「ふーん、おちんちん大きくしちゃってさ……いいよ、どーせ短い命だろうし、楽しませてあげる」

目を丸くする少女が微笑んで手を伸ばしてくるのを止めることも、やっぱりできないわけだ。

56 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 00:06:17.33 ID:2vN2clFz0
メモで書いてるから55までレスきてるとは思ってもみなかったwwwww
はえーよw

提督「ほら、間宮券だ」

陽炎「しーれーいーかーん?」

提督「何だよ、高価なもんだろ?」

陽炎「確かに高価だけどさぁ~……あーもういいや、今日は疲れちゃったから間宮さんのところで甘味食べて寝るよ」

提督「おうそうしろ……ところで陽炎?」

陽炎「なに?」

提督「来週にはたくさん間宮が手に入るかもしれんぞ?」

陽炎「……はぁ?それってどゆこと?」

提督「明日には説明するよ。ほら、今日はお疲れさんってことだ」

陽炎「全く意味わかんないけど……はーい」



提督「……あいつなら、あの3人を止められるかもしれないな」

提督「……人間性を捧げよ……か、あいつらは果たして救えるのか……」

提督「大丈夫だろうな、さてと、執務を終わらせるその前に磯風のところに見舞いに行くかな……」

57 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 00:08:58.72 ID:2vN2clFz0
みなさまお疲れ様でした。



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陽炎「ダークソウル3?」提督「陽炎型は強制参加な」
陽炎「ダークソウル3?」提督「陽炎型は強制参加な」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460706468/)

html出してきます

101 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 01:07:00.08 ID:2vN2clFz0
陽炎

102 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/23(土) 01:08:12.71 ID:2vN2clFz0
ksk

131 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします sage 2016/04/23(土) 01:45:52.94 ID:2vN2clFz0
荒らし止めなよ
迷惑じゃないの?

201 ◆bcl3OxnGHI sage 2016/04/23(土) 21:40:51.18 ID:2vN2clFz0
今日の更新はお休みさせていただきます


荒らされてるから気の毒だと思ってたらこいつ自演作者じゃねえか
これは荒らされて当然だし荒らしはもっと荒らせよ

無邪気な笑みのまま、少女は顔を俺の股間に近づけてくる。

すん、と鳴らした鼻の音が牢屋に響くのが、なんだか気恥ずかしい。

「んっ、はぁあ……くっさいなぁ、何日捕まってるのさ……掃除してあげるよ」

少女の顔は見えない。当たり前だ。

だって、開いた俺の両脚の間に蹲って、イチモツの下、玉袋の裏側に舌を伸ばしているのだから。

「っ、くぁ……! ちょ、そこは……!」

「んふふ、どーお? ここ、汗とか排泄のせいですっごく臭いよ……まずいなぁ」

楽しげな声が響く。言葉とは裏腹に、生温かい舌先が尻穴の周りをくすぐって、ゾクゾクと背筋を震わせる。

「あは、先走りのえっちな汁が出ちゃってるね。でもまだ舐めてあげないからね? 先に、こっち」

「ぁうっ!? そ、そこ、はっ!」

舌がベロリと袋を舐め上げるせいで、射精に備えてせっせと働く玉が余計に頑張ってしまう。

痛いくらいに張り出した玉袋に、少女はそっと唇を添えて。

「可愛いなぁ……じゃ、いただきまーす」

次の瞬間。玉袋は暖かくてネットリとした空間、少女の口の中に頬張られていた。

じゅぷ、と一際大きな音が耳に届く。

仰向けに倒れた俺にはもう見えないが、少女は俺の両足を掴んで足を開かせ、夢中で頬張った玉袋をしゃぶっている、はずだ。

「んむ、っ、ふぁ、おおひぃよ……ろーお? ひもひいいれひょ」

「っ、あ、ぐっ!」

目がチカチカする。しゃぶるだけじゃなく、じゅうう、と吸い付かれる事で金玉がコロコロと転がって。

少女の指が根元を掴むせいで、行き所をなくした精液が暴れているみたいだ。

「くひゃぁい……あは、そろそろ限界かなぁ? じゃあボクの口の中に出してもらおーかなっ」

「はっ、はぁ……! も、もうっ! はやくっ!!」

情けない声だけど、仕方ない。出したくて出したくて死んでしまいそうだ。

少女は快活な笑い声をあげると、焦らすようにゆっくりと、イチモツの先を咥え込んだ。

「ん、くしゃいなぁ……でも良い匂いかも。もしかしてさ、ドーテー?」

「……」

「ありゃ、そうだったんだ。ごめんね? でも後でおまんこ使わせてあげるから許してよ。ね?」

悪びれもせず、少女は身体を浮かせて、シックスナインの体勢を取った。

「まー使い古しで悪いんだけどさ。病気とかは無いからだいじょーぶだよ」

目の前には、小さ目の身体より少しだけ大人びた秘所。

よく見ると入り口の内側が少し黒ずんでいて、誰でも迎え入れるとばかりに膣肉を震わせていた。

「そんじゃ、先に一発出してもらおっかな。ほらほら、お口の中にびゅびゅってさ」

「ちょっ、いきなり離したら! う、ぁっ!」

イチモツが丸ごと飲み込まれて、亀頭が何かヌメヌメとした壁に擦り付けられる。

なんだ、と思う暇も無い。

喉奥まで挿入されたというのに、少女はなんでもないとばかりに熱心に根元を舐め、頭を振って熱烈な快感を与えてくれる。

「で、るっ! 出る、出るッ!!」

多分五秒ともたなかったはずだ。抵抗らしい抵抗もできず、湧き上がるままに射精してしまう。

腰が抜けるような快感。一回一回、イチモツが震えるたびに精が搾り取られるような感覚。

今まで感じた事のない射精感に、俺は言葉も出なかった。

「んっ、むぐぅ……んぐっ、ぷはっ! すっごい出たね……ていうか凄い臭いだったなあ」

少女は喉を鳴らして全てを飲み干すと、あっけらかんと笑って言った。

「それじゃあ次はボクのおまんこ、舐めて貰おうかな。挿れる前に濡らさないとね」

仰向けの俺の顔の上に、先ほどと同じように少女の秘所があてがわれる。

少し違うのは、さっきよりも遥かに近いことだ。視界いっぱいが秘所……少女のアソコで埋め尽くされているようだ。

何かを考えるよりも早く、俺の舌は秘所を舐めつけていた。

「ぁんっ……ふふ、そうだよ、ちゃんと舐めてね……やらしいおつゆ、出てきちゃうまでさ」

余裕のある声で少女は笑う。実際余裕なんだろう。所詮童貞の舌だ。

「童貞だし無理。なーんて思っちゃってる? あは、バカにしちゃ駄目だよ。こちとら身体売ってお金貰ってんだからね」

ニンマリ微笑む少女は「見ててね」と呟く。

すると、少女の顔はどんどん赤くなって、蕩けたように目を瞬かせた。

「んっ……は、ぁあ……おにぃちゃん……ボクのここ、見てぇ……! えっちなお汁、出ちゃうよぉ!」

人が変わった。そう思ってしまうほど、少女の肌は鮮やかに朱色を帯びていく。

上気した頬を緩ませて、甘ったるい声は耳を溶かしてしまいそうだ。

お兄ちゃんと呼ばれるだけで背徳感で体も頭も一杯になって、イチモツを固くしていく。

少女は手で俺のイチモツを撫でると、また一転して悪戯っぽく笑う。

「なぁーんてね。でもマン汁はマジだよ? こーゆー特技持っとかないと、痛くて仕方ないからさ」

「それってつまり……」

「あ、強姦じゃないよ? 高い金払わせる代わりに、前戯無しで三つの穴全部に突っ込んでいいよ、って感じ」

少女の体は火照ったまま、小さな乳首は痛そうなほど膨らんでいる。

明らかに発情しつつ、それでいて声色は普通そのもの。大した演技力だ、感嘆してしまう。

けど、そんな事より。

「あはは、そんな事よりセックスしたいって顔してる。いいよ、おまんこしてあげるね。でもその前に……」

少女の秘所が遠ざかっていく。代わりに頬に当たった柔らかな唇の感触に、少しだけ心が震えた気がした。

俺が何を言うより早く、少女は離れてしまう。

イチモツの上に跨り、膣の入り口が宛がわれる。それだけで逸るように震え、我慢汁が染みだしていた。

「もー、期待しすぎだよ? おちんちんビクビクさせるのは良いけどさ、まだ射精しないでよね」

無理なことを言う。もう、俺の喉はカラカラだというのに。

「やだなあ。そんな可愛い反応されちゃったらさ、ボク……うん、いいや。やめとこ」

「え、な、なにを……?」

少しだけ迷ったような少女の表情。「やめとこ」なんて不吉な言葉に、俺は情けない声を漏らす。

それを受けて、少女は声を出して笑った。

「違う違う、セックスはちゃーんとしたげる。やめとこってのはさ……避妊のコトだよ」

「避妊……子供、作れるのか?」

「当たり前じゃん、そこまで子供じゃないって。普段は避妊の魔法使うんだけどね」

日に焼けながらも、少女の素肌は滑らかだ。商売道具だけに手入れは欠かさないのだろう。

その下腹部。秘所の少し上に、いつの間にか何かの文字が浮かんでいる。

それに手を当てて少女は目を閉じる。そして何か決断したように頷くと、文字を消し去った。

「もういいかなって。どーせこれで人生終わるならさ、ぜーんぶ受け止めて、子作りしちゃおっかなって思うんだよね」

少女は笑っている。表情を一切変えないまま、ゆっくりと腰を下ろしてくる。

俺にその言葉を考える余裕なんて、無い。

不思議だった。固いイチモツを隙間なく包み込む膣肉は、腰が降りてくるたびに新しい刺激を与えてくる。

「ねえ、ボクのおまんこ気持ちいい?」

「あ、ぁっ! き、気持ち、いい……!」

喘ぐような返答しかできやしない。自分でも亀頭が膨らんでいるのが分かる。

「そんなに感じてくれるんだ、可愛いなあ。ね、ボクの子宮も汚れまくりだけどさ、妊娠はしたことないんだよね」

「っ、あ、あ……」

腰を上げる、腰を下ろす。その繰り返しだけで頭がおかしくなりそうだ。

たまに動きが変わって焦らすように揺らされて。

「子供作ろうよ。どーせ産む前に殺されちゃうかもだけど、それでもいいよね?」

耳に入る言葉に、もう返事もできない。

言葉にならない喘ぎ声と共に限界に達するイチモツを必死でなだめるだけだ。

「……出していいよ。ほら、イっちゃえ」

「っ! も、出るッ! あ、ああああっ!」

俺を見下ろす少女の目は、驚くほど優しい色をしている。

精子を吐き出す快楽と、少女を孕ませる背徳感。

全身を痺れさせる快感に、俺は射精に忙しいイチモツ以外を脱力させて喘いでいた。

「ふふ、たくさん出したね。えらいえらい……」

少女が俺の身体の上にその身を横たわらせる。抱きしめることはできず、任せるだけだ。

顔は見えない。表情は分からないけれど、呟く声だけは聞こえていた。

「……ボクも幸せになりたかったなぁ」

俺には何も言えなかった。この子がどんな生活を送って来たのか、まるで分からない。

……あるいは分かりたくなかったのかもしれないけれど。

「ね、ボクの身体は気持ち良かったでしょ。もう一回する?」

「ああ……したい」

「じゃあシようよ。お尻も手も、足だって使ってあげる。ボクの身体全部で気持ちよくしてあげる」

だからさ、と少女は笑う。

「よくわかんないけど、そこの化物が邪魔しないってなら、ボクが感じるくらい上手になってよね」

「それは……難しくないか? 俺、さっきまで童貞だったんだけど」

「だからヤリまくろうってコト。安心してよ、ボクのテクなら出なくても勃たせるからさ」

笑顔には悲壮感や寂しさなんて欠片も無い。それが少女の人生経験の賜物なのか、諦めきっただけなのか。

そして。

昼も夜も無く絡み合う俺達を見つめる化物のことなど、頭の片隅から追いやってしまうのだ。

―――あれから、何日経ったのか。

まどろみから浮き上がる意識。ふと牢屋の中を眺めた俺は、違和感に気付く。

「ミシュ?」

少女の名前を呼んでもむなしく響くだけ。寝る前まで腕の中にあった小さな体はどこにも見当たらない。

「ミシュ……連れて行かれたのか? おい化物、ミシュはどこだ?」

尋ねても意味はない。分かっていても聞いてしまうのは、ありもしない希望にすがりたいからだ。

やりきれない気持ちを抱えたまま愛液と精液で汚れた床に座り込む。

どうにもできない。そう思い頭を垂れていた俺は、ふと耳に入った言葉に顔を上げ、目を見張ることになる。

「……ぁ、ぁ……う…うえ……上」

ゾンビが、上を指さしている。手を上に挙げているといった方が正しいかもしれない。

「上? 上に連れて行かれたってことか? いつ!」

「あ……き……きの、う……よる……」

「夜って、俺達が眠った後かよ……! 無事なのか? おいッ!」

「ぁ……ぁ……」

何か言おうとしているのか化物は口の辺りを震わせる。

だがそれだけだ。諦めたように顔を伏せ、ぶるぶると震えて汚らしい汚肉を撒き散らす。

「なんだよ、ミシュは何処だよ! クソッ! ミシュ、ミシュッ!」

牢屋の中に俺の叫びが木霊する。喉が枯れるまで叫び、やがて意識を失うまで。

眠ればやがて目も覚める。けれど俺がミシュの姿を見る事は、それ以来一度も無かった。

『記録 七日目

最愛の娘の死から七日経った。死体は保存しているが、魂は既に無い。

この七日間魂の再生に血財を注いだが、やはり不可能だ。失われた物は帰るまい。

ならば私は何をするべきか。分からない。

妻は既に出て行ったようだ。いくらか金を持ち出したようだが構うまい。金など腐るほどあるのだから。

遺体保存に抜かりはない。考えなければならぬ。娘を取り戻すにはどうすればいいのだろう』

『記録 十六日目

全て終えた。吹っ切れたと言っても良いだろう。

私は娘を取り戻す事は諦めた。今後、新しい娘を作るのだ。

既に妻は捕らえている。子宮に子種を注ぎ続けているが、娘と同じ姿にはならないだろう。

それならそれで良いが、生まれるにも育つにも時間が掛かる。他に何か手段を講じるべきだ。

やはり娘の死体を蘇生させるべきか。だが、魂が無い。

明日からは人の魂を死体に定着させる研究を行う事とする。』

『記録 三十日目

様々な実験を行ったが魂の定着は困難である。やはり一度魂が抜けた体では駄目らしい。

では新しく作った体ではどうか?

例えば娘の死体から新たな身体を作り出すのだ。そうすれば姿形は娘そのものになるかもしれぬ。

娘の魂である必要は無い。姿が同じなら十分すぎる。

今後は居を墳墓へ移そう。そろそろ人攫いも神隠しと広まってきた以上、邪魔されては困る。

墳墓であれば死者の魂もそこらじゅうにあるはず。材料が多いのは良い事だ』

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