阿保三人衆の日常生活 (10)
4月3日、某市の海。
浜辺に座っている男がいる。
男の名は島崎明という。
海を見つめる彼の顔は無表情、
まるで知らない人から昨日見た夢を聞かされている時のような顔である。
男「老後の貯金、一億円欲しいなぁ。」
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4月4日、午後6時。
島崎は気の合う仲間と焼肉に来ていた。
友1「いやさ、ほんとにお前は面白いよ。」
男「私にとってはちっとも面白くないがな。」
友2「なかなかいねえよな、
中学三年生で初恋の相手が出来てさ、
付き合えるようになったと思ったら
一週間後におっさんとラブホから
出てくるの見ちゃうなんてよぉ~。」
友1「しかもおっさんが知り合い
っていうのがね、
もうほんとお前持ってるよ、なんかさ。」
男「うっうっ、うぇっうぇっ。」
友1「おいおい、泣いてんじゃねえよ。」
おしぼりを男に渡す友1。
友2「そうだぞ、
滅多にない体験したんだからな、お前。」
お肉を男の皿に置く友2。
男「なんかさ、もう女とかいらねえよなって
そんな感じでさ。」
友2「童貞拗らせendかぁ~。」
男「昨日なんて俺海で老後の
人生設計考えちゃったもん。」
友1「そこに人生のパートナーの存在は?」
男「ない。」
友12「www」
2人してテーブルを叩いて笑う。
男「お、お前らなぁ。
俺みたいになる可能性あるんだからな、
笑うんじゃねえよ。」
男は再び泣き出す。
友1「まぁね、男君はおいおい女性不信を
治していけばいいんじゃないんで
しょうかね。」
友2「あ、宿題終わった?」
男「終わったよ。」
友1「昨日終わらせた。」
友2「やる気起きませんわあんなの。」
男「明後日から学校かー。」
友1「クラスは同じだったからよかったよ。
ホント。」
友2「またこのメンツでつるむのかー。」
男「友1と俺は理系だけど
お前はどっちなんだ?」
友2「うーん、考え中。
文系科目の方が得意だけど
将来やりたいこと決まってないしね。」
友1「やりたいことが一番だと思うよ。俺は。」
男「そうそう、話戻すけどさ。
老後の人生設計の話、
俺貯金一億円欲しいなぁ。」
友2「一億かー。」
友1「お金はあったほうがいいだろうな。
介護にお金はかかりそうだしな。」
8時、公園。
男「青姦してるやついねえかなー。」
友1「この前いたぞ。な、友2!」
友2「毛布にくるまってな、
スコスコやってたよ。」
男「マジかよ。」
「青姦してる人いますかー、
いたら出てきなさーい。」
男が声を張るとベンチに座っていたカップルが振り向いた。
男友12「人いたのかよ‼︎」
3人は慌てて駅の方向へ走り出した。
ここまで。
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