キライキライも好きのウチ【ラブライブ!】 (23)
ーーー絵里の部屋ーーー
絵里「学校なんて行きたくない・・・・・・」ウジウジ
ガチャ
亜里沙「お姉ちゃん?そろそろ起きないと遅刻しちゃうよ」
絵里「ゴホッゴホッ」
亜里沙「だ、大丈夫?!風邪引いたの?」アセアセ
絵里「ゴホッゴホッ!だ、大丈夫よ!」
絵里「伝染るから近づかないで」
亜里沙「う、うん。熱はあるの?」
絵里「・・・・・・体温計が使えないほど辛いの」ゴホゴホ
亜里沙「・・・・・・」
絵里「わ、悪いけど、学校に休むと伝えてくれる?」
絵里「喉が痛くて上手く喋れゴホゴホッ、ないから」
亜里沙「うん、いいよ」
亜里沙「キッチンにお薬置いとくから、ちゃんと飲んでね」
亜里沙「行ってきます」
バタン
絵里「完璧ね」ドヤァ
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1460986712
ーーーキッチンーーー
絵里「ごちそうさまでした」
テーブルの隅に、亜里沙が出してくれた薬とメモ書きが置いてあった。
絵里「イソジンと錠剤・・・・・・どっちも苦手だわ」
”鼻うがいもちゃんとすること 亜里沙”
絵里「こ、これは拷問かしら?」アセアセ
絵里「・・・・・・どうせ仮病だし、飲まなくてもいいわよね!」
絵里「でも残すと亜里沙にバレるし・・・・・・」
絵里「錠剤はこのまま捨てて、イソジンは使ったフリをして流してしまいましょう」
ジャー
ーーー絵里の部屋ーーー
絵里「勉強はちゃんとしておきましょう」カキカキ
絵里「・・・・・・希のバカッ」ボソッ
ーーー夕方ーーー
絵里「はっ!練習があるのを忘れてた・・・・・・」
絵里「柔軟だけでもしておこうかしら」
ピンポーン
絵里「!!」ビクッ
ピンポーン
絵里「ど、どちら様ですか?」ビクビク
穂乃果「穂乃果だよっ!絵里ちゃんのお見舞いに来たんだー」
絵里「い、いま開けるわね」ホッ
ガチャ
穂乃果「希ちゃんと」ニコニコ
希「えりち、だいじょ」
バタン!
絵里「ほほほほ穂乃果に伝染ると大変だから、気持ちだけいただくわ!」
絵里「ゴホゴホゴホッ」
穂乃果「ぅ絵里ちゃんっ?!」アセアセ
絵里「だ、大丈夫よ!薬が効いてきたから、少し眠るわね」
穂乃果「・・・・・・ほむまん置いておくから、早く元気になってね!」
穂乃果「お大事に」テクテク
シーン
絵里「・・・・・・」
ガチャ
絵里「お饅頭おいしそう」ガサッ
絵里「・・・・・・悪いことしちゃった」グスン
バタン
ーーー夜ーーー
シーン
絵里「誰も帰って来ない・・・・・・」
Trrrrrrr
絵里「!!」ビクッ
絵里「も、もしもし?」
亜里沙『あっ、お姉ちゃん?風邪なのに電話してごめんね」
絵里「もう遅いわよ?早く帰って来なさい」キリッ
亜里沙「急なんだけど、今日は雪穂の家にお泊まりすることになったの」
絵里「えっ」
絵里「そ、それは困るわ!家に1人ぼっちになっちゃうじゃない」
絵里「それにお腹も空いたわ」
絵里「風邪で力が出ないから、亜里沙に作ってほしいんだけど・・・・・・」
亜里沙「はぁ」
亜里沙「今日は何も言わなかったけど、明日もズル休みしたら怒るからね」ピッ
ツーツーツー
絵里「ばっ、バレてる・・・・・・」ガクガク
絵里「今はそんな事より1人ぼっちは怖いわ」アセアセ
絵里「全部の電気を付けましょう」カチッカチッ
シーン
絵里「・・・・・・誰か泊りに来てくれないかしら」ピッピッ
ーーー
絵里「みんなに断られた・・・・・・」ショボン
絵里「あとは希しか残ってないわ」
絵里「いや、でも、希は・・・・・・」ピッ
ガタッ
絵里「っ?!」ビクッ
絵里「きっ、気のせ」
ガタガタッ
絵里「ののののぞおみいいいい!早く来るチカッ!来てくださいお願いしますっ!死んじゃうチカアアアアア」
ーーー
ピンポーン
希「おーい、えりちー」
ガチャ
絵里「のぞみいいいい!」ギュッ
扉が開くと同時に、絵里が飛び出してきた。
希「おっとっと」
希「どうしたん?風邪はもう大丈夫なん?」
絵里「怖かったチカァ」グスン
希「とりあえず中に入ろっか」
ーーー
希「それでウチを呼んだん?」
絵里「・・・・・・はい」グスン
希「まあ、急に家鳴りとかすると怖い時あるもんね」」
絵里「あれはポルターガイストだったわ!」ガクガク
希「ところで風邪は良くなったん?」
絵里「・・・・・・な、治った」
希「・・・・・・そっか」
希「とりあえず無事で良かったやん」
希「もう1人で大丈夫やんな?」
絵里「っ!?」
絵里「む、無茶いわないでっ!」
希「でもお泊まりセットなんて持ってきてないし、着替えも」
絵里「私のを貸すから!だから帰らないで・・・・・・」ウルウル
希「それなら、泊まらせてもらおうかな」
絵里「よかった」ホッ
グゥー
希「お腹空いたん?」
絵里「そういえば、お昼から何も食べてない・・・・・・」
希「せっかくやし、ウチがなんか作ってあげる」ニコニコ
絵里「風邪だから助かるわ・・・・・・風邪だから」ゴホゴホ
希「はいはい」ニコニコ
ーーーキッチンーーー
希「えりちは部屋で待っといてくれたらええよ?」
絵里「手伝うぐらい出来るわよ」プイッ
絵里(安心したらイライラしてきたわね)
希(泣いたり怒ったり、忙しいなー)
希「ふふっ」
絵里「なに笑ってるの?!」
希「怒りながらも手伝ってくれるなんて、えりちは良い子やねー」ニコニコ
ガチャ
希「って冷蔵庫に何も入ってないやん」
希「ちょっとスーパーまで行ってくるね」
絵里「えっ」
絵里「わ、私も行くっ!」アセアセ
希「病み上がりなんやし、ウチ1人で大丈夫やよ」
絵里「もう暗いし1人じゃ危ないわっ!」アセアセ
希「ふふっ」
希「ほらほら、早くせんと置いてってしまうでー」テクテク
絵里「まっ、待って!」アセアセ
ーーースーパーマーケットーーー
希「ところで、なんでウチを避けてたん?」
絵里「知らない」プイッ
希「お見舞いに行った時、ウチを見てからドア閉めたやん」
絵里「・・・・・・」ムスッ
希「えりちが言いたくないなら、ええんやけどね」
絵里「・・・・・・希は私より、にことか穂乃果の方が好きなんでしょ」プイッ
希「ウチはμ'sのみんなが好きなんよ」
絵里「でも私には全然かまってくれないじゃない」ムスッ
希「それでイジけてたん?」
絵里「希が悪いのよ!」フンッ
希「はいはい、えりちはなに食べたい?」
絵里「ちゃんと聞いて!」
希「聞いとるよー」
希「えりちはウチにかまってほしいん?」
絵里「・・・・・・」コクン
希「今日はお泊まりするやん?」
希「明日まではウチを1人占めできるやん」ニコニコ
絵里「・・・・・・ふへへっ」ニヤニヤ
絵里「はっ!こ、こんな事じゃ許さないんだからっ!」
希「ほら、えりちは何が食べたいん?何でも作ってあげるで」
絵里「ボルシチ!」
希「・・・・・・作りかた教えてくれる?」
絵里「しょうがないわね!」ニコニコ
ブルッ
絵里「ちょっと寒くなってきたわ・・・・・・」
希「病み上がりなんやから、もっと厚着してこんと」
絵里「希が急かすから、着替える時間がなかったのよ」ムスッ
絵里「希は暖かそうでズルい・・・・・・」
希「腕に抱きついてもええんよ?」ニコニコ
絵里「そんなの恥ずかしいじゃない」プイッ
希「でも玄関先で抱きついてきたやん」ニヤニヤ
絵里「おっ覚えてないわ!」アセアセ
希「まあ、うちはどっちでもええんやけどね」テクテク
絵里「あっ、待って」
ギュッ
希「ふふっ」
絵里「なに笑ってるのよ」///
希「あったかい?」
絵里「・・・・・・まだ寒いわ」ギュー
「・・・・・・」ニヤニヤ
ーーー翌日の放課後、屋上ーーー
絵里「さーて、昨日出来なかった分を取り返すわよ!」
希「張り切ってるなー」
ガチャ
凛「それから絵里ちゃんがこうやって希ちゃんの腕に抱きついて」
凛「まるで新婚夫婦みたいにお買い物してたにゃー」ニヤニヤ
穂乃果「おぉー!ラブラブだったんだねっ!」
花陽「ら、ラブラブ・・・・・・」///
海未「破廉恥です!」///
ことり「ねぇ凛ちゃん?チューはしてなかった?チューは」ハァハァ
真姫「ふっ、エリーもまだまだ子どもね」
にこ「真姫ちゃんもたまに同じ事してくるにこ~」
真姫「し、してないわよっ!イミワカンナイッ」///
絵里「あっ、えっ、あっあっ・・・・・・」///
凛「あっ」
希「見られとったみたいやね」ニコニコ
絵里「りっ、凛っ!!」
凛「凛は悪くないにゃー!」タッタッタッ
絵里「コラッ!待ちなさいっ!」タッタッタッ
穂乃果「絵里ちゃんが元気になって良かったね」ニコニコ
希「そうやね」ニコニコ
希「えりちー!今日はウチの家に泊まりに来てもええよー」
ことり「希ちゃん!それってそういう事だよねぇ?」ハァハァ
海未「破廉恥です!」///
絵里「なっ、なに言ってるのよっ!」アセアセ
絵里「もうっ!希なんて嫌いなんだから!」///
のぞえり おわり
ーーー穂乃果の家ーーー
穂乃果「ユッキー、おちゃー」ゴロゴロ
雪穂「もう!たまには自分で淹れなよ」
穂乃果「そう言いつつも淹れてくれるユッキー大好き!」
雪穂「おだてたってサービスしないよ、はい」コトッ
穂乃果「わーい!でもユッキーのお茶が美味しいのは本当だよ!」ニコニコ
雪穂「ふっ、ふんっ!」プイッ
雪穂「はい!早く飲みなよ」
穂乃果「ありがとーえへへ」
雪穂「もう」///
ーーー数日後ーーー
穂乃果「ユッキー!おちゃー」ゴロゴロ
シーン
穂乃果「あれ?」キョロキョロ
母「雪穂なら居ないわよ」
穂乃果「えっ」
母「亜里沙ちゃんの家に泊まりに行くって」
穂乃果「そうなんだ」シュン
穂乃果「・・・・・・お茶淹れてこよ」トボトボ
ーーー
ズズッ
穂乃果「あんまり美味しくない・・・・・・」
ーーー亜里沙の家ーーー
雪穂「ごちそうさまでした」
亜里沙「ごちそうさま」
絵里「はい、お粗末さまでした」
亜里沙「ふぅ、お腹いっぱいだよー」
雪穂「いまお茶入れるね・・・・・・はっ!」
絵里「ふふっ」
雪穂「す、すみません」///
亜里沙「雪穂はお客さんなんだから、ゆっくりしてていいよ」ニコニコ
雪穂「うっうん」///
絵里「穂乃果の事を考えてたのかしら?」ニコニコ
亜里沙「えっ、穂乃果さん?」キョトン
雪穂「は、はい」モジモジ
雪穂「お姉ちゃんは食べた後に、いつもお茶を欲しがるから」モジモジ
亜里沙「あー、雪穂は穂乃果さんの事が大好きだもんね」ニコニコ
雪穂「そ、そんな事ないって!」アセアセ
絵里「合宿の時も雪穂ちゃんのお茶を恋しがっていたわよ」ニヤニヤ
雪穂「うぅ、恥ずかしいです」///
絵里「今頃、寂しがっているんじゃないかしら」フフッ
亜里沙「お、お泊りしない方が良かった?」シュン
雪穂「ううん!そんな事ないよっ!」
雪穂「お姉ちゃんは何も気にしてないと思いますから」アセアセ
亜里沙「こういうのをなんて言うんだっけ?」
絵里「ツンデレ?」
雪穂「違いますからっ!」///
ーーー翌日の夕方ーーー
穂乃果「あー!練習疲れたー」グッタリ
母「帰ってそうそう悪いけど、少しだけ店番してくれる?」
穂乃果「ええー!雪穂に頼んでよー」
母「まだ帰ってないのよ」
穂乃果「うーん・・・・・・分かったー」
ーーー
雪穂「ただいまー」
母「おかえりなさい」
雪穂「あれ?お姉ちゃんは?」キョロキョロ
母「あんたたち本当に仲良いわね」フフッ
雪穂「えっ」
母「穂乃果も帰ってくるなり『雪穂、雪穂!』って、騒いでたわよ」ニコニコ
雪穂「ちっ違うからっ!」フンッ
雪穂「いつもより静かだから、ちょっと、ちょっとだけ気になっただけだから!」
母「はいはい」
母「穂乃果なら部屋にいるわよ」
ーーー穂乃果の部屋ーーー
コンコン
シーン
雪穂「あれ、居ないのかな」
ガラッ
雪穂「お姉ちゃーん?」
穂乃果「・・・・・・」スースー
雪穂「・・・・・・寝てるし」ハァ
ベッドに横に立ち、仰向けで寝ているお姉ちゃんの寝顔を見下ろす。
雪穂「ふふっ、変な寝顔」
口は半開きだし、制服も着たまま。
練習から帰ってきて、そのまま寝ちゃったのかな。
雪穂「こんな姿、ファンの人達には見せられないよ」
穂乃果「・・・・・・」スースー
私の中学校でもμ'sは大人気で、音乃木坂学院への進学希望者は増えてると思う。
そんなμ'sのリーダーである高坂穂乃果は大人気なんだけど、どこか遠い存在になってしまったみたいで・・・・・・寂しかった。
雪穂「髪ぐらい解けばいいのに」
髪の毛を解いてあげて手櫛で軽く梳いても、全く起きる気配がない。
雪穂「練習も大変なんだよね」
雪穂「お茶ならいつでも淹れてあげるから、あまり遠くにいっちゃダメだからね」
独り言だと無意味で、面と向かっても言えなくて、今だからこそいえる言葉。
穂乃果「・・・・・・」スースー
雪穂「・・・・・・好きだよ、お姉ちゃん」ボソッ
私は何を言っているんだろう。
いくら聞こえていないと分かっていても、こんなセリフは恥ずかしすぎる。
穂乃果「んっ・・・・・・」
雪穂「っ!?」ビクッ
寝返っただけ、だよね?
雪穂「お、お姉ちゃーん?寝てる、よね?」
穂乃果「うん」
寝ている人がハッキリと返事をした。
穂乃果「すーすー」
雪穂「ちょっとっ!お姉ちゃんっ?!起きてるんでしょ!」
穂乃果「んー」
穂乃果「あっ、ユッキーおかえりー」ゴシゴシ
雪穂「そんな演技しなくていいよっ!」
穂乃果「な、なんの事かなー」
雪穂「・・・・・・ど、どこから聞いてたの」ワナワナ
穂乃果「ほ、穂乃果は寝てたから、うん」アセアセ
穂乃果「いま起きたんだよ?なにも聞いてないよー」ニコニコ
雪穂「そういうのはいいから!」
穂乃果「はい」
穂乃果「ユッキーが穂乃果の寝顔を見て、笑ってたあたりから。かな?」
雪穂「さっ最初からじゃんっ!さいてーだよ!」フンッ
穂乃果「えー、でもユキちゃんは穂乃果の事が好きなんだよねー」ニヤニヤ
雪穂「~~~っ」///
穂乃果「穂乃果はユキちゃんのお姉ちゃんなんだから、遠くになんて行かないから安心していーよ」ニヤニヤ
雪穂「すっ、好きなんて言ってないしっ!お姉ちゃんのバカッ!だいっきらいっ!」///
穂乃果「ええー」ニヤニヤ
おわり
終わりです。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません