妹「改造された」(15)
妹「なんかミサイル出た」
こんな感じでどうかひとつ
姉「は?」
妹「私のこと、改造したんでしょ?」
姉「いやいやいや、何をおっしゃっておりますか?」
妹「知ってるんだから、隠さなくてもいいんだよ」
姉(しちめんどくさい)
姉「あー……うん、その通り! よくわかったな!」
妹「やっぱり……」
姉「はっはっは、マッドサイエンティストのお姉ちゃんにかかればちょちょいのちょいよ!」
妹「やっぱり、私は明日爆発してしまうのね!?」
姉「!?」
妹「うわぁぁぁん!!」ダッ
姉「ちょっ、待てよ……ってどっか行っちまった、まあいいか」
姉「まったく、何に影響されたんだか……」
妹「酷いよ……お姉ちゃん」グスッ
妹「私はもっと、色んなことをしてみたかったのに」トボトボ
妹「人生13年か……短かったな」ウルウル
妹「……せめて最後だけでも、自分のやりたいことをやろう」
ピンポーン
ガチャッ
友「はいはーい……って妹か、どうしたの?」
妹「うん、ちょっと用事があって」
友「……そっか、まあ入りなよ」
妹「おじゃまします」
友「でもよかった、今日は家に一人だったから」
妹「お出かけ中?」
友「うん、娘置いて二人で旅行行った」
妹「へぇ」
友「福引きでね、二人分の旅行券が当たったみたいでさ」
妹「友ちゃん」
友「何?」
妹「こんな私と、今まで仲良くしてくれて……ありがとう」グスッ
友「……何かあったの?」
妹「友ちゃんは本当に……察しがいいね」
友「当たり前でしょ、何年親友やってると思ってんの」
妹「実はね、私……明日までの命なの」
友「そんな!?」
妹「うん、だから……最後だからこそ、友ちゃんにありがとうって伝えたくて」
友「……妹ぉぉ!!」グスッ
妹「友ちゃん……」ダキッ
友「早過ぎるよ……まだ中学生なのに」
妹「こんな人生だったけど、私はとても幸せだよ……友ちゃんと過ごした日々は、とても充実したものだったから」
友「うぅぅ……うぅぅぅ!!」ポロポロ
妹「落ち着いた?」ナデナデ
友「……妹」
妹「何?」
友「私も最後に……一つ言いたいことがある」
妹「うん、聞きたいな」
友「私は……妹のことが好き」
妹「私も、大好きだよ」
友「ううん、そうじゃない。 私の好きと、妹の好きは違うんだ」
妹「違わないよ」ダキッ
友「!?」
妹「私は友ちゃんのことを、世界で誰よりも愛してる」
友「私も……世界で一番、妹が好き」
妹「よかった、最後に両思いになれて」
友「妹……」
妹「……友ちゃん」
「」
友「…………」スヤスヤ
妹「友ちゃん……元気でね」
妹「私がいなくても、友ちゃんなら大丈夫だよね」
妹「きっと新しい恋人でも作って、幸せに暮らしていくと思う」
妹「それでも、できることなら……私のことを、忘れないで欲しいな」ポロポロ
妹「…………」グスッ
妹「それじゃ……ばいばい」
友「というのが、私と妹の付き合い始めた馴れ初めです」
姉「あったなー、そんなこと」
妹「忘れてって言ったのに……」カアァッ
友「忘れるわけないじゃん、大切な思い出なんだから」
姉「ひゅーひゅー」
妹「もう、お姉ちゃんも茶化さないで!」
姉「ごめんごめん……っと、そろそろ式場に着くよ」
例え改造されようと、変わらない想いあなたも私も。
-fin-
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