アイカツ!のSSです。
前作 ここね「みやびちゃんと一緒の時間」
ここね「みやびちゃんと一緒の時間」 - SSまとめ速報
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こんばんは、スターライト学園の1年生 天羽まどかです
実はわたし、恋をしているんです
相手は同じスターライト学園の2年生、大空あかり先輩
明るくて笑顔が素敵、わたしにアイドルとして大切なこと、新しい世界を見せてくれた大好きな先輩
……でもこの恋は叶いそうに無いんです
だってあかり先輩は『女の子同士の恋愛』が分からないんですから
だから今の状況、二人で同じベッドで眠る意味も分かって無いんです
あかり「すぅ…… ……」
ふふっ、カワイイ寝顔ですね
そんなに油断してたらその唇、奪っちゃいますよ?
まぁ、そんなことわたしに出来るはず無いんですけどね……
あかり「おはよう、まどかちゃん」
まどか「おはようございます、あかり先輩」
朝になりました
わたしが先輩と一緒に居られたのは氷上先輩にお願いして部屋を変わってもらったから
もうすぐわたしは先輩と離れなくちゃいけなくなります
そんなのはイヤ、だからわたしは先輩に次の約束を取り付けます
まどか「あかり先輩 ユニットカップも近いですし、今日は二人でレッスンしませんか?」
あかり「うん! そうしようか」
やった! これでまた先輩と一緒に居る理由が出来ました!
……あかり先輩は『理由』が無くちゃわたしと一緒に居てくれないんですよね
パートナーだから、後輩だから、そういう『理由』があるから先輩はわたしと一緒に居てくれるんです
わたしはそんな『理由』がなくたってあかり先輩と一緒に居たいのに……
あかり まどか「アイ、カツ、アイ、カツ」
わたしは先輩の少し後ろを走ります、走っている先輩の背中を見たいから
いくら走っても乱れない綺麗なフォーム、首筋を流れる汗、全てが先輩を輝かせています
あかり「あっ! みやびちゃんにここねちゃん!」
あかり先輩ばかりを見ていて気付きませんでしたが、目の前には藤原先輩と栗栖先輩がわたし達と同じように走っていました
みやび「あかりちゃんにまどかちゃん、二人もランニングか?」
あかり「うん、ユニットカップまでもうすぐだし体力付けないとね」
みやび「そうか、精が出るな」
ここね「みやびちゃ~ん、ここね疲れた~」
みやび「後1周したら休憩だから、もう少しだ」
ここね「う~、もう無理~ 1歩も動けない~」
みやび「はぁ、全く……」
みやび「『ユニットカップに向けて練習したい』って言ったのはここねだろう?」
ここね「みやびちゃんがこんなスパルタだなんて思わなかったの!」
みやび「スパルタって……」
ここね「……そうだ! みやびちゃんが『頑張って』って言ってくれたら元気出ると思うから、言って言ってー!」
みやび「仕方ないな…… がんばれ、ここね」
ここね「もう、そんなんじゃダメ! そんなじゃここねの元気は出ないの!」
みやび「もう元気になってるじゃないか……」
ここね「もっと愛のこもった『頑張って』が聞きたいの~」
みやび「はぁ……」
みやび「ここね、もう少しだけ頑張ろう? そうしたら後でご褒美あげるから」
ここね「えっ! ホント!? じゃあここね頑張る!」
みやび「ここね! そんなに元気があるなら…… まったくもう……」
ここね「アイ、カツ、アイ、カツ」
あかり「ふふっ、あの二人とっても仲いいよね」
まどか「はい、そうですね」
ホント、羨ましいです……
きっと藤原先輩と栗栖先輩はお互いの気持ちを伝えあって本当のパートナーになれたんですよね
わたしとあかり先輩にそうなれる未来は訪れるのかな……
あかり「そろそろ休憩しようか?」
まどか「はい」
あかり先輩の提案でわたし達は木の陰に隣り合って座り込みます
あかり「みやびちゃんとここねちゃん、仲直り出来たみたいだね」
まどか「あの二人が喧嘩してたんですか!?」
あかり「喧嘩って言うよりすれ違いかな、お互いの『好き』がわからなくなっちゃったみたい」
まどか「そうだったんですか……」
まどか「藤原先輩と栗栖先輩はいつも仲良しで、そんなことになるなんて想像出来ないです……」
あかり「うん、わたしもびっくりしちゃった」
まどか「……」
少しの沈黙、穏やかでまったりとした時間がわたし達を包みます
しかしそれは先輩の言葉により崩されてしまうのでした
あかり「そう言えばさ、まどかちゃんは『女の子同士の恋愛』ってどう思う?」
まどか「えっ!?」
『女の子同士の恋愛』
まさかあかり先輩の口から聞くことになろうとは思わなかったその言葉にわたしの心は大きく揺さぶられました
あかり「やっぱりスターライトって女子校だし、そういうことって多いのかな?」
まどか「そ、そうかもしれませんね」
わたしの口から出たのは中身の無い、空っぽの言葉
『女の子同士の恋愛』?
そんなのあるに決まっているじゃないですか!
さっきの藤原先輩と栗栖先輩、氷上先輩と凛、スターライトの中でもいくつもあるでしょう
それに…… わたしだって……
あかり「あ、いきなり変なこと聞いちゃってごめんね」
まどか「ふふっ、大丈夫ですよ」
この時、わたしは心に一つの問いを浮かべていました「あかり先輩は好きな人が居るんですか?」と
当然こんなことを聞いても意味なんてありません、先輩は『女の子同士の恋愛』を理解出来ていないんですから
でも…… わざわざわたしにこんなことを聞いてきたんだから、もしかしたら……
まどか「あのっ」
ダメです、きっとこんなこと聞いたって意味なんて無い…… ただ無意味に傷付くだけ、そう無意味なんです
あかり「ん?」
だけど…… もし先輩の口から「まどかちゃんのことが好きだよ」って言葉を聞けるなら……
まどか「あかり先輩は…… あかり先輩は『好きな人』居るんですか!?」
あかり「わたし?」
あかり先輩の返答までの時間は実際にはほんの少し、一瞬だったのかも知れません
ですがわたしにとっては永遠とも思える長い時間が流れ、頭の中では期待と後悔が何度も交錯していました
あかり「わたしは…… 居ないかな 『女の子同士の恋愛』って考えてみたんだけど、わたしには難しかったみたい」
まどか「そ、そうですか……」
そうです…… よね……
別に…… 予想通りじゃないですか、先輩が『女の子同士の恋愛』を理解出来ていないってことは……
そう、これは分かっていたことで全ては予定調和なんです……
あかり「……」
まどか「……」
今度の沈黙はさっきのものと違って、わたしにとって重くて、居心地の悪いものでした
まどか「そ、そうですよね『女の子同士の恋愛』なんてよくわかりませんよね」
わたしは沈黙に耐えられず取り敢えずの言葉を発します
まどか「わたしも好きな人なんて居ないんですよねー、もし居たら学校生活がもーっと楽しくなったりするんですかねー? あっ、でもアイドルって恋愛禁止だから…… あれっ? でももしかして同性愛ってセーフなんですかね? それなら
あかり「ねぇ、まどかちゃん」
まどか「へ、何ですか?」
あかり先輩は何故かわたしの言葉を遮るように名前を呼びました
あかり「どうして泣いてるの?」
……
まどか「へっ?」
先輩にそう言われ頬にそっと触れてみると、確かに指は湿り気を感じとりわたしが泣いていることを自分自身に認識させるのでした
まどか「あはは…… な、なんでですかね?」
泣いちゃダメです…… わたしが泣いたら先輩はわたしのことを変な子だって…… そう思われるなんてイヤです……
まどか「な、何か目にゴミでも入ったんですかね……」
笑って、わたしの笑顔はみんなを幸せにする天使の笑顔なんだから
笑って、笑って…… 笑って笑って……
わらっ……
まどか「うぅ……」
まどか「ふぇ、え~ん……」
あかり「ま、まどかちゃん!?」
まどか「うぅっ…… うっ……」
まどか「もう…… 限界です……」
自分の気持ちを隠して笑っているなんてもう出来ません……
まどか「わたしは…… あかり先輩のことが好きです……」
あかり「えっ……?」
まどか「あかり先輩のことが好きで、一緒に居たくて、でもわたしは先輩にとってただの後輩で、ただのパートナーで…… 何でも無い存在だから……」
まどか「わたしは先輩のことが大好きだけど、先輩はきっとそんなこと言われても困るだけだから、我慢するしか無くて…… でもこの気持ちを捨てることも出来なくて……」
まどか「凛みたいに好きな人と思いが繋がって、恋人になれるのが羨ましかった…… だけどあかり先輩は『女の子同士の恋愛』がわからないから……」
あかり「……」
わたしは思い付いた言葉をめちゃくちゃに話し、先輩は黙ってそれをずっと聞いていました
これで全てが御破算です あかり先輩とはもう元の関係に戻れないでしょうし、優しい先輩の心を傷付けてしまったかもしれません……
まどか「……」
思いの丈を全て吐き出したからか、涙は止まりました もちろんわたしの気持ちは晴れてなんていません……
あかり「ねぇ、まどかちゃん」
まどか「はい……」
あかり先輩の声を受けてわたしは顔を上げ、あかり先輩と目を合わせました
あかり「まず、ごめんね まどかちゃんが気持ちに気付いてあげられなくて」
まどか「……」
あかり先輩の口から出た言葉は謝罪、やはり先輩の心を傷付けてしまったのでしょうか……
あかり「あのね、前に『女の子同士の恋愛』を一人で考えてみたことがあるの」
あかり「星宮先輩、スミレちゃん、色々な人のことを考えてみたけど違うかなって思った」
あかり「それでね、今まどかちゃんに好きって言われて一つ思ったの」
あかり「まどかちゃんにとってのわたしが特別であるように、わたしにとってのまどかちゃんも特別なんじゃないかって」
まどか「え?」
あかり「まどかちゃんがわたしに何かを感じて選んでくれたなら、わたしにだってそれは特別なことなんだと思うんだ」
あかり「こんなにわたしのことを思ってくれたその気持ち、きっとわたしにも届いてる」
まどか「あかり先輩……」
あかり「ねぇ、だからまどかちゃん」
あかり「わたしに『女の子同士の恋愛』を教えて」
えっ……
まどか「えそれって……」
あかり「うん、そういうこと…… かな……」
まどか「……」
わたしは突然の出来事に何も考えられなくなっていました
あかり「えっと…… まどかちゃん……?」
まどか「ほんとうですか……」
さっきあれだけ流して、もう枯れたと思っていた涙がまた流れ始めました
あかり「…… うん」
あかり先輩は泣いてるわたしの手を取って語り始めました
あかり「えっと…… これからはパートナーとか先輩後輩とかじゃなくて、恋人として一緒に『女の子同士の恋愛』を考えよ?」
まどか「…… はい」
あかり「じゃあ…… 恋人ならまずは……」
少し落ち着くとあかり先輩は何故か急に目を閉じて顔を近付けてきました
まどか「えっ…… な、何ですか……?」
わたしの鈍い反応に先輩は目を開けて、とんでもないことを口にしました
あかり「えっと…… 恋人になったらキスするんじゃないの……?」
まどか「……」
まどか「ち、違います! 違いますよ! あかり先輩のへんたい!」
わたしはびっくりして思わず先輩から少し距離を取ります
あかり「えぇ……?」
先輩はわたしの反応を見てびっくりしているようですが…… わたしの方がびっくりですよ!
まどか「もう! あかり先輩はほんとに恋愛がわかってないんですね!」
あかり「ご、ごめん……」
まどか「んー……」
まどか「いいです、恋愛は一人じゃ出来ないんですから」
まどか「これから二人で一緒に考えましょう?」
あかり「うん! よろしくね!」
その後のあまふわ
みやび、ここね自室
ここね「はぁ…… 練習疲れた~」
みやび「お疲れ様、ドーナツでも食べに行くか?」
ここね「うんうん行く行く! あ、でもその前に」
みやび「ん?」
ここね「練習頑張った『ご褒美』」
そう言うとここねは突然私の頬に…… く、唇を……
みやび「っ…………!」
みやび「な…… いきなり何をする!」
ここね「えー? だから今のは練習の『ご褒美』だよー」
ここねはしてやったりとでも言いたげな顔で笑っていた
みやび「だからこういうことをするなら事前に心の準備をだな……」
ここね「えー? 今は他に誰も居ないでしょ?」
みやび「そうだが…… そうじゃないんだ!」
やっぱり…… こういうのはまだ慣れないな……
ここね「んー…… まぁでも次はここねの番ね」
みやび「え?」
ここね「だから、今のは練習を頑張ったみやびちゃんへの『ご褒美』」
ここね「それで今からやるのは練習を投げ出さなかったここねへみやびちゃんからの『ご褒美』」
みやび「お、おい何だそれは!?」
さっきので既に私は参っているのにこれ以上のことを求められたら……
ここね「えへへー、何をお願いしようかな~」
ここねは楽しそうに『ご褒美』を考えているようだった
みやび「へ、変なお願いは聞かないぞ……」
ここね「えー? 変なお願いってなにかな~?」
みやび「あっ……」
自ら墓穴を掘ってしまった私、どうやら口では一生ここねに勝てなさそうだ
ここね「決めた!」
その声にあわせて私はどんなお願いが来ても驚くまいと身構えた、が
ここね「みやびちゃん、膝枕して」
ここねからのお願いは拍子抜けするほど簡単なものだった
みやび「え……? そんなのでいいのか……?」
ここね「ダメ?」
みやび「いや、てっきりもっと無理難題を言うものだと……」
ここね「もぉー! みやびちゃんはここねのことなんだと思ってるの!」
みやび「じゃ、じゃあ早速膝枕を……」
これ以上言うとここねの機嫌を損ねそうと思った私は膝枕の姿勢を作り、ここねを寝かせた
ここね「はーい」
みやび「……」
ここね「んー……」
みやび(これもこれで恥ずかしいな…… ここねと目が合わないのが幸いだが……)
みやび「…… これは本当に楽しいのか?」
ここね「えー? スッゴイ楽しいよ~」
ここね「みやびちゃんの引き締まった太ももをここねが占有して
みやび「ここね」
ここね「うぅ…… 冗談だよ……」
みやび「はぁ…… まったく……」
ここね「……うん、やっぱりこれ気持ちいいよ」
みやび「そうか……」
ここね「うん…… ちょっと眠たくなってきたかも…… 寝てもいい?」
眠るならちゃんと布団で…… まぁいいか
ここね「すぅ……」
みやび「もう眠ってるみたいだしな……」
みやび「……」
ここねの髪の毛に軽く触れてみた、ここねの顔を見た限り本当に眠ってしまったようだ
みやび「こうしてここねと居られる時間もそう長くは無いのだな……」
私たちは交換留学生としてスターライトに居るだけ、ユニットカップが終わったらもと居た学校に戻らなくてはいけない
そう、別々の学校に……
みやび「ここねは私と離ればなれになって平気か?」
みやび「私は…… 大丈夫じゃないかもしれない……」
みやび「ここねは私に『頑張って』と言われたら頑張れると言ったが、私も同じだ」
みやび「ここねが居るから頑張れる、ここねに恥ずかしくない私で居るために自分を磨こうと思える」
みやび「ここね、私をパートナーに選んでくれて…… ありがとう」
みやび「こんなに一緒に居られるのは今だけかもしれないが、例え離れていても私はここねのことを愛して …… ん?」
ここね「ふふっ……」
みやび「も、もしかして起きているのか、ここね……?」
ここねは私の膝の上で言葉を発さずに軽く頷いた
みやび「んん……」
自分の体温の上昇を感じる、おそらく鏡を見たら私の顔は真っ赤になっているだろう
ここね「ひ、独り言は口に出さない方がいいと思うよ……」
起き上がってこちらを見てここねが言う…… 全くその通りだ……
みやび「は、恥ずかしい…… !」
ここね「い、今のは聞いてるここねもちょっと恥ずかしかったかも……」
みやび「な、なんで起きているんだ!」
ここね「だ、だって~」
ここね「やっぱりみやびちゃんにくっついてたら胸がドキドキしちゃって…… 眠るなんて出来ないよ……」
みやび「……」
みやび「はぁ…… もう……」
ここね「だ、誰にも言わないから……」
みやび「…… ここね」
ここね「ん、何?」
みやび「ちゅっ」
ここね「んっ!?」
ふと、ここねを呼んでキスをした
ここね「……」
みやび「どうした?」
ここね「み、みやびちゃんからするの…… 珍しいね……」
みやび「あぁ、今なら何でも出来そうだ」
どうやら恥ずかしさが限界を越えて逆に積極的になってしまったようだ
ここね「な、何か今のとってもドキドキしちゃった……」
みやび「そうか…… なら何度だって」
ここね「わわわ、待って待って! こ、心の準備が……」
みやび「無理だ、待てない」
ここね「もー! みやびちゃーん!」
みやび「ここね」
ここね「な、何……?」
みやび「ずっと、ずっと一緒だぞ」
ここね「みやびちゃん……」
ここね「うん」
一旦中断します。続きは夜に投稿します。
その後のスキップス
まどか&凛自室
まどか「む~」
凛「……」
まどか「む~」
まどかが「あかり先輩と付き合うことになったんです!」って私に報告してきてから1週間
最初はウキウキだったまどかも最近はこうして部屋で一人で唸ることが増えてきて……
凛(なんだろう…… これは『話しかけて欲しい』なのかそれとも『話しかけないで欲しい』なのか……)
まどか「凛!」
凛「えっ 何?」
まどか「わたしがこんなに悩んでいるんですから『どうしたの?』くらい聞いてください!」
凛「そんな無茶苦茶な……」
どうやら『話しかけて欲しい』だったらしい……
まどか「で、何を悩んでいるかと言うとですね」
「あ、聞かなくても一人で話すんだ」と口に出しそうになって口をふさぐ、ご機嫌斜めなまどかをこれ以上怒らせちゃダメだよね
まどか「あかり先輩が冷たいんです」
凛「はぁ」
まどか「何ですかその薄い反応!」
凛「いやだってその話もう何度目……
言ってから気付く、これ地雷踏んじゃった…… ?
私の返答を聞いたまどかの頬がどんどん膨らんで…… 破裂した
まどか「もー! 凛のバカバカばか~」
凛「痛い痛い、いたいって……」
まぁ私にストレスぶつけて発散してくれるならいいんだけど……
まどか「わたしがどれだけ悩んでいるか凛は知らないんです~」
凛「……そんなに悩んでるなら直接相談すれば、というより一人で抱えてるより相手に話した方が絶対いいって」
まどか「うぅ…… それが出来たら……」
凛「え、何か言った?」
まどか「な、何も言ってないです!」
凛「わわっ、急に大声出してどうしたの…… とにかく今から先輩の所へ行って今言ったこと話してきたら?」
まどか「むぅ……」
凛「な、何…… ?」
まどかの不機嫌はとどまることを知らないようで
まどか「何ですかその上から目線」
凛「う、上から目線?」
まどか「そうですよ、凛は氷上先輩と上手くいってるからってわたしを下に見ています」
凛「そ、そんなこと無いって……」
まどか「凛だってついこの前まで浮かれたり落ち込んだりしててとっても面倒でしたよ」
凛「うぅ……」
こりゃまたストレート……
まどか「そんな時誰が相談に乗ってあげたと思ってるんですか」
凛「うぅ……」
まだまだ不満の収まらないまどかはとんでも無いことを言い放った
まどか「あっ! もしかして…… これは浮気なのでは……」
凛「う、浮気ぃ?」
まどか「あかり先輩と氷上先輩ですよ! あの二人ていっつも一緒に居るじゃ無いですか!」
凛「ちょ、変なこと言わないでよまどか! スミレ先輩はそんな人じゃないから!」
まどか「うぅ…… でもあの二人って仲良すぎると思いませんか? 同じ部屋だからってあんなに毎日一緒に居るのおかしいですよ!」
凛「そ、そうかな……」
あまりにも自信満々にまどかが言うからちょっとそうなのかな、って思っちゃった…… ほんのちょっとだけ
まどか「凛だって不安になることはあるでしょう?」
凛「まぁ無いとは言わないけど……」
まどか「だったら調べましょう!」
凛「調べるってどうやって」
まどか「えーっと……」
凛「考えて無かったんだ……」
まどか「そうだ! 二人と仲の良い人に話を聞きましょう!」
凛「二人と仲の良い人?」
と言えば…… ?
ひなき「で、二人はひなに何か聞きたいことがあるの?」
まどか「はい! あかり先輩と氷上先輩についてのことです!」
まぁ新条先輩になるよね……
ひなき「あかりちゃんとスミレちゃん? でもそれなら二人とも同じユニットなんだし直接聞いたらいいんじゃない?」
まどか「えっと、やっぱり同じユニットでも聞きにくいことってあるじゃないですか、だからこそ二人と仲のいい新条先輩に話を聞こうと」
ひなき「なるほどね~」
まぁ「浮気してるんじゃないかって疑ってる」なんて本人に聞けるわけ無いけど……
まどか「単刀直入に聞きます、あの二人って仲良すぎると思いませんか?」
うわっ、ストレート!
ひなき「あー確かに…… でも……えっと……」
私を方をちらちら見てくる先輩、うん…… 気を使ってるのかな……
ひなき「や、やっぱり二人とも後輩とユニット組んでる者同士後輩との付き合い方を相談してるんじゃないかな~?」
まどか「ん~ そうなんですかね……」
うわ~ まどか全然納得してなさそう……
その後も新条先輩は色々言ってくれたけど、まどかは全然納得していないようだった……
まどか「うぅ~ こうなったら直接聞くしか……」
凛(最初からそう言ってるんだけどな……)
まどか「あっ! 二人が居ました!」
まどかが指差す方には部屋に戻ろうとしているのか、大空先輩とスミレ先輩が並んで歩いてきた
凛「まどか、来たよ」
って…… 何で隠れてるの……
まどか「こ、ここは様子を見ましょう……」
凛「……」
「ヘタレ」 そう言いかけたけど我慢我慢……
取り敢えず私もまどかに倣って物陰に隠れて様子を伺うことにした
物陰からだと二人の会話は聞こえないけど、二人の様子を見た感じだと…… ただの仲良しって感じかな
凛(やっぱり浮気なんてまどかの妄想だったね……)
そう思ってまどかの方を見ると…… まだまどかの表情は優れない
凛「まどか? まだ不安?」
まどか「うぅ~」
まどか「ずるいです……」
凛「え?」
まどか「あかり先輩とあんなに自然に話せるのずるいです……」
まどか「わたしなんて……」
凛(あぁ…… なるほどね……)
凛「まどか、やっぱりこういうことは直接聞いた方がいいよ!」
まどか「えっ! ちょっと凛!?」
私はまどかの手をとって二人の前に飛び出した
あかり「あっ、まどかちゃん、それに凛ちゃん」
スミレ「二人ともどうしたの?」
凛「スミレ先輩のことずっと探してたんですよ、ダンディバのことでちょっと話があって」
スミレ先輩は一瞬驚いた顔をしたけど、少し目配せをしたらわかったくれた 流石スミレ先輩!
スミレ「じゃ、私は凛ちゃんと行くから さっき言ったこと忘れちゃダメだよ? あかりちゃん」
あかり「あ…… う、うん……」
あ、やっぱり二人の会話って…… それなら私も
凛「まどか、言いたいことははっきりと ストレートに言った方がいいよ」
まどか「え、ちょっとどこ行くんですか凛!」
スミレ「今晩は凛ちゃんとお話することあるから部屋交換してもらうね、まどかちゃん」
よし、これでこの問題は解決だよね
まどか…… 頑張って!
あかり「えっと…… 二人行っちゃったね……」
まどか「は、はい……」
あかり「……」
まどか「……」
あかり「あのね!」
まどか「は、はい……」
あかり「あ、おっきな声出してごめん……」
まどか「はい……」
あかり「わたし、まどかちゃんに『女の子同士の恋愛』が分かってないって言われて、変に気負っちゃったのかもしれないんだ まどかちゃんに嫌われないようにしなきゃ、って」
あかり「それでスミレちゃんにそのこと相談したら『まどかちゃんはあかりちゃんそのものを好きになったんだからそのままで大丈夫だよ』って言われてね」
あかり「それに『不安なことがあるならそれはパートナーに直接相談しなさい』とも言われちゃった」
あかり「最近のまどかちゃん、少しわたしと距離を感じてたよね? きっとわたしが不安になってたからまどかちゃんまで不安にさせちゃったんだよね、ごめん」
あかり「だからもうかっこつけたり、自分を良く見せようとしたりするのはやめるね、こんなかっこ悪いわたしだけど…… それでもまどかちゃんは好きでいてくれる…… かな?」
まどか「……」
まどか「うぅ……」
あかり「えっ、 ま、また泣いてるー!?」
まどか「う、嬉しくて泣いてるんです……」
あかり「へ?」
まどか「嫌いになるなんてとんでもないです、あかり先輩はとても素敵でかっこ良くて、大好きですー!」
あかり「あ、ありがとう……」
まどか「わたしが悪かったんです……」
あかり「え?」
まどか「前までは普通に話せていたはずなのに、この前から急にあかり先輩と話すのが恐くなって、あかり先輩と向き合えなかったんです……」
まどか「きっとあかり先輩が不安な気持ちになったのはわたしの不安が伝染したからなんです……」
あかり「そっか、それじゃわたし達同じこと考えてたのかな……」
まどか「はい……」
あかり「……」
あかり「うん、それじゃあこうしよう」
まどか「えっ、なんですか…… ?」
あかり「もう二人とも遠慮なんてしない、お互いの気持ちをストレートにぶつけ合おう!」
あかり「さあ来てまどかちゃん! わたしまどかちゃんが何しても何を言っても受け止めるから!」
まどか「あかり先輩……」
まどか「もう……あかり先輩大好きー!」
あかり「うん! わたしも大好きだよ!」
まどか「あかり先輩、わたしを不安にさせないようにずっとずっとわたしのことを好きでいてくださいっ!」
その後のハラペーニョ
ひなき「ふぅー……」
じゅり「ん、どうしたのひなき?」
ひなき「あぁ、じゅり…… いや、ひなって後輩から頼られるの苦手かもしれないなーって……」
じゅり「何かあったの?」
ひなき「まどかちゃんと凛ちゃんから相談されたんだけど上手く答えられなかった気がする……」
じゅり「なるほど……」
ひなき「あー、これからもっといっぱい後輩とか出来るだろうしもっと頼れる先輩にならなくちゃなー」
じゅり「ふふっ、偶々わからないことを聞かれただけかも知れないじゃないか そんなに落ち込むことはないさ」
ひなき「そうだけどさー…… その点じゅりは見るからに頼りになりそうだぜー」
じゅり「ふっ」
じゅり「私は! 頼りに! なるっ!」
ひなき「おっ、自信満々!」
じゅり「ふふっ、私はいつだってみんなの力になる」
ひなき「へへっ頼もしいね~ それじゃ頼りにしてるぜ! じゅり!」
じゅり「ああ! 頼まれた ひなき!」
その後のダンディバ
スミレ「へぇ、そっちではそんなことがあったんだね」
凛「まどかをなだめるの大変だったんですよ……」
スミレ「ふーん……」
スミレ「で、凛ちゃんはもしかしたら私があかりちゃんに気があるかもって疑ってたの?」
凛「えっ!? いやいやそんなことは……」
スミレ「ほんとに? 私の目を見て言える?」
凛「うぅ…… まどかに言われてほんの少しだけそうなのかなーって思っちゃいました……」
スミレ「ふーん…… そうなんだぁ……」
凛「いやほんの少しですよ! ちょっとだけ!」
スミレ「私ってそんなに信用無かったんだ~ ちょっとショックだなぁ……」
凛「ご、ごめんなさい私が悪かったです!」
スミレ「私はちゃんと凛ちゃんのことを信頼してるんだから凛ちゃんも私のことを信頼してね?」
凛「はい……」
スミレ「ふふっ 大丈夫安心して、私怒ってなんて無いから」
凛「スミレ先輩……」
スミレ「でも、パートナーをほんの少しでも疑っちゃった凛ちゃんには『おしおき』が必要かもね」
凛「えっ……」
スミレ「今日は一緒の部屋で、明日は凛ちゃんオフだったよね?」
凛「そ、そうですけど……」
スミレ「ふふっ 私も明日は午後からなんだ、お仕事」
凛「な、何をするつもりですか…… ?」
スミレ「うーん、どうしようかなー?」
凛「……」
スミレ「うーん……」
凛「……」
スミレ「ふふっ 冗談だよ、私は凛ちゃんのことが大好きなんだからひどいことなんてしたりしないよ」
凛「す、スミレ先輩……」
スミレ「今日は一緒のベッドで寝ようか?」
凛「…… はいっ!」
これで終わりです。読んでくれた方ありがとうございます。質問感想指摘ありましたらご自由にどうぞ
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