海未「おっと」
お昼休みに中庭で歩いていると、突然吹いた強い風に、私は少しよろけました。
今日の風は少し悪戯が好きなのでしょうか。
1人なのに声を出してしまって、恥ずかしいですね。
そんな事を考えていると、向こうから見覚えのある笑顔が見えてきました。
穂乃果「海未ちゃん、中庭にいたの?遅いから探したよ〜」
海未「はい、すみません。少し風に当たりたくなったので」
穂乃果「ふぅん....」
実はお腹の調子が悪かったので、お手洗いに行っていました。
その後は、たまには1人でのんびりするのもいいかと思い、ここに来ました。
ですが穂乃果のこの、じっと見る感じ。
何かに気づいたような反応ですね。
穂乃果「海未ちゃん、悩み、あるでしょ?」
そんなに悩んでるという訳ではないのに。
鋭いですね。
まぁ、ここで1人になっていたのとそれとは全然関係ないのですが。
なんとなく、幼なじみの感というものが働いたのでしょう。
海未「わかりましたか?」
穂乃果「うーん、なんだかいつもと違う気がして。話、聞いてあげるよ?」
海未「いえ、わがままのようなものなので....」
穂乃果「海未ちゃん、わがままなんて普段言わないじゃん。たまにはいいんじゃない?」
海未「そう....でしょうか?」
穂乃果「うん」
穂乃果の、微笑みながらかけてくれた言葉に、私の口は勝手に開きました。
海未「本当にどうしようもないのですが、お小遣いが少ないのが悩みで」
穂乃果「お小遣いかぁ....」
海未「お昼ご飯はお母様がお弁当を作ってくれますし、バイトをしていないのに貰えるのは良いのですが、そのバイトをする時間もお稽古などがあるのでとることができません」
海未「にこやことりは、バイトなどで貯めたお金を趣味やお洒落に使っています。私も一応....女の子なので、流行りの服を着てみたり、あとは本に囲まれる生活を送ってみたりしたいです」
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気づいたら私だけが話していました。
穂乃果「そっか....穂乃果はいつも無駄遣いしちゃうし、なんだかごめんね?」
海未「い、いえ」
穂乃果「これは高校生の悩みだね!海未ちゃんも抱えてたなんてビックリだなぁ」
海未「....高校生、同じ高校生でも、にこは頑張れば頑張るだけお金が貰えますが、私はお稽古や部活をどれだけ頑張っても貰えませ....あっ」
私は最低なことを言ってしまいました。
にこは家族の為にもバイトを頑張っている。
部活なんてみんなも頑張っているのに、私は最悪なわがままを....
穂乃果「μ’s、やっぱり負担になってるかな....作詞とか、練習メニュー考えたり、大変だよね....」
海未「っ....」
普段見せないような穂乃果の申し訳なさそうな顔に、私は声が出ませんでした。
作詞も練習メニューを考えるのも、好きだからやっているのです。
好きな事に負担だと思うことなんてないと、少し複雑な気分にもなりました。
海未「穂乃果、そんな事はありません。先程は私も悪いことを口にしてしまいましたね」
穂乃果「....実はずっと前から心配してたんだ。学校では弓道部、アイドル研究部(μ’s)の活動、生徒会のお仕事がある。それに加えて、海未ちゃんのおうちは日舞の家元だし、道場の方も継がなくちゃいけないからそれぞれお稽古があるでしょ?」
海未「それは....」
穂乃果「分かってるよ、好きだから頑張れるんだよね?けどさ、海未ちゃんはさっきみたいに弱音を吐くことが全然ないんだ」
穂乃果「穂乃果だってそこまで馬鹿じゃないし、今は自分のことで手一杯じゃないからことりちゃんの時みたいな失敗はしない自信がある。だから海未ちゃんのほんの少しの変化でも分かっちゃうんだよ....」
海未「穂乃果....だって私は」
穂乃果「海未ちゃん、今泣きそうな目をしてる」
ポロッ
穂乃果は昔から何か鋭いところがありました。
それは幼なじみの感だとか、不思議な力だとばかり思っていたのに。
こんなに私のことをよく考えてくれていました。
くだらないわがままの話から始まり、今では私は泣いている。
その涙の理由が分からない。
部活もお稽古も大好きなはずなのに。
今の生活が楽しいはずなのに。
この人に改めてそれを言われて....
私はずっと、心の中で孤独を感じていたのでしょうか。
穂乃果「海未ちゃん、おいで♪」
海未「穂乃果....ぅぐ....くふぅ....」
ダメ、涙が止まらない。
幼なじみに抱きついて、優しい優しい幼なじみに抱きついて。
穂乃果、いつも元気でおっちょこちょいなのに、本当はこんなにも優しくて温かくて。
助けを求めなくても助けに来てしまう王子様のように。
笑顔の向こうではいつも人を観察している。
海未「ひっ、ひくっ....ぐすっ....」
穂乃果「海未ちゃんが泣いてるところ、すごく久しぶりに見た」
何度も....何度も....私の頭を撫でてくれます。
不思議ですね、涙って。
すぅっと....心が軽くなります。
私はここが学校の中庭だということも忘れ、そして穂乃果も何分かそのまま抱きしめてくれました。
穂乃果「っふふ♡海未ちゃん、スッキリしたんじゃない?」
海未「は....はい....」
まだ喋ると痙攣で「ヒック」となりそうでしたが、返事をしました。
穂乃果「海未ちゃんはさ、何か1人で抱え込んでるものがあったんじゃないかな。穂乃果も少しはあるよ?何かを羨ましいと思ったり、そんな小さなことでも....えっと、1円玉も10枚あれば10円になるみたいな!」
多分そうですね。
穂乃果らしい例えで、少しクスッとしそうでした。
自分でも気づかないような塵を溜め込んで....積もった灰を涙で流したってとこでしょうか。
いつもは泣いたら恥ずかしくなってしまうのに、全然恥ずかしくない。
海未「穂乃果、ありがとう」
私は敬語ではない本当の私で、自分がどんな顔だったか忘れましたが....いえ、笑顔で、そう言いました。
穂乃果「ううん。穂乃果達は大親友だから」
また、にっこり笑顔で返事をされました。
私は....あなたの心の中を見てみたい。
あなたが見ている世界を見てみたい。
こんな、私なんてちっぽけな1人の女の子なのに....あなたには大きな存在に見えているのでしょうか。
知りたい、もっと知りたい。
16年間生きてきても分からないあなたの全てを、知りたい。
まだ解明できない感情と共にそんな視線を送っても、あなたは目をそらさずにお話を続けてくれる。
穂乃果「あ、そろそろ教室に戻った方がいいかも」
海未「本当、あと10分でお昼休みが終わってしまいますね」
穂乃果「うん、それじゃ....あ」
穂乃果のお腹が鳴った気がしました。
海未「穂乃果....?」
穂乃果「えっと....あ、海未ちゃんって欲しいものとかあるの?」
海未「欲しいもの、ですか?」
穂乃果「そ、なんとなく欲しいものとかでもいいし」
海未「そうですね....私の好きな小説家さんの新作が2月14日に発売されるのですが、それが1番欲しいですかね」
穂乃果「へぇ、バレンタインデーだね」
一瞬穂乃果は下を向きました。
その一瞬で何を考えたのかは分かりませんが。
穂乃果「さあ、戻ろ」
海未「え、ええ」
― 放課後 ―
「私、あなたの奏でるピアノの音が前から大好きで大好きで....気付いたら今では、放課後は必ずここ、音楽室にいる」
「うん、それで?」
「私ね、あなたの事が好きになっちゃったみたい」
「えっ....」
恋、かぁ....
恋って、好きって何なんだろう。
そう思いながらも、穂乃果は漫画を読むとドキドキします。
パタン
穂乃果「そうだ、そろそろμ’sの活動日誌書かないと」
思い出して、読みかけの漫画を閉じた後、鞄から日誌を取り出します。
椅子に座ってから改めてじっくり見てみると、約一年使ってるから、少しボロボロ。
ヨダレを垂らしちゃったことも....あはは。
穂乃果「何を書こうかなぁ」
穂乃果「今日も特に目立ったことは無かったし、日記みたいな感じでいいかな」
こんな感じでいつも内容を決めてるんだ。
でも、気づいたら海未ちゃんのコメントを遡って読んでいました。
それも、穂乃果に来たコメントを飛ばして。
なんだかいけない事のように感じたけど、読んでると気になる文が沢山あるの。
絵里ちゃんに、「素敵です」って言葉を使ったり、凛ちゃんに、「可愛らしい」って言葉を使ったり。
そういうのを見ると、胸が....何だろう、この気持ち。
穂乃果「っとダメダメ!早く書かないと忘れちゃうよね」
自分にカツを入れて、それからいつも30分くらいで書き終わります。
慣れてるからか、最近は長い文を短時間でかけるようになりました。
実はね、穂乃果は漫画を読んだり、スクールアイドルの動画を見る以外はあまり何もしないの。
ゲームはたまにするけど、本当にたまにだけ。
だから寝るのは早い方かな。
寝坊はしちゃうけど....。
けど、最近はえっちな事を知りました。
寝る前に、声を我慢してそれをします。
けれどまた不思議なことに、海未ちゃんの事を思い浮かべながらしちゃうの。
こういうの、変態って言うのかなぁ。
でも止められなくて・・・。
脱力感の中、考え事をするんだ。
あの気持ちは恋なのかなって。
でも、相手は女の子の海未ちゃんで、穂乃果も女の子。
漫画でも、かっこいい男の子の事を、可愛いヒロインの女の子が好きになったり、その逆もあったり、はたまたどっちもだったり。
おかしいよね。
きっと、恋じゃないんだ。
穂乃果「もう眠いや、早く寝ないと朝練寝坊しちゃうかも」
そうやって無理矢理寝ようとした時、温かいものが顔を流れていきました。
どうして、泣いてるの。
― 翌日 ―
夢を見た。
どんな夢だったかは忘れたけど、μ’sのみんなとチョコレートが出てきた気がした。
バレンタインデーかな。
知ってるよ、女の子が好きな人にチョコレートをあげるんだよね。
お友達でもいいみたいで、ことりちゃんは毎年海未ちゃんと穂乃果に手作りのチョコレートケーキをご馳走してくれます。
そんなバレンタインデーだけど、あと少しで来るの。
穂乃果「今日、なんか早起きかも....海未ちゃんも起きたかな?」
早起きした時はだいたい、楽しみなことがあるんだよね。
それはすぐ思い出しました。
コンコン
雪穂「お姉ちゃん、A-RISEのインタビューそろそろ始まるかも」
穂乃果「あ、今行くよ〜」
そうだ、今日は富士山テレビのニュース番組、目覚まし時計テレビでA-RISEの生インタビューがあるんだ。
それをわざわざ、部活もないのに早起きな雪穂が伝えに来ました。
同じスクールアイドルとして、それに憧れのスクールアイドルとして、昨日から楽しみだった。
μ’sもたまにだけこういうのはあるんだけど、A-RISEは有名な学校のスクールアイドルってこともあるし、ユニットが単純に人気ってこともあるから、こういうのはA-RISEの方が比較的多いかな。
それで、だいたいニュースで取り上げられる時は....
ツバサ「もうすぐバレンタイン!新曲のValentine's-Dayもよろしくお願いします♡」
英玲奈「大好きなあの人に」
英玲奈さんのフリの後、あんじゅさんが可愛く決めて、インタビューは終了。
こうして、いつも最後に何かお知らせがあるんだ。
雪穂「なんだかテレビに慣れてるねぇ」
穂乃果「うん....」
雪穂「ん?お姉ちゃん?」
穂乃果「何?」
雪穂「大丈夫?」
穂乃果「何が?」
雪穂「熱とかない?元気、なくない?」
穂乃果「そうかな?」
分からない、確かに元気ないかも。
最近、朝や夜は今みたいに考え込むことが多いんだ。
頭の中にずっといて、考えないようにしても、気づいたらその事だけしか考えられなくて。
雪穂「やっぱりおかしいと思うよ....パンも残ってるしさ?」
穂乃果「あ、うん」
雪穂「そのパン私が焼いたんだけど、嫌だった?」
穂乃果「え?そんなことないよ!?」
雪穂「ふぅん、ならいいんだけど....」
穂乃果「ん....」
雪穂「....?」
穂乃果「お母さんは?」
雪穂「わんこの散歩」
穂乃果「そっか」
雪穂「....ねぇ、目玉焼きも食べないなら貰っちゃうよ?」
穂乃果「うん、別にいいよ」
雪穂「え....」
食欲、ここ最近あんまりわかないんだよね。
作ってくれるお母さんには悪いけど、ごめんなさい。
穂乃果「ごちそうさまでした」
雪穂「お姉ちゃん....」
穂乃果「今日は....少し早いけど出るね。雪穂、行ってきます」
雪穂「行って....らっしゃい」
雪穂は牛乳を1口飲んでからそう言いました。
心配してる目、妹だから分かりました。
― 神田明神 ―
穂乃果「希ちゃんおはよ〜」
希「おっ、穂乃果ちゃん早いなぁ。おはようさん」
神社に着くと、まだ巫女さん姿の希ちゃんがお掃除してます。
少し寒そう。
希「よいしょと、穂乃果ちゃん、今着替えて........」
穂乃果「....?希ちゃん?」
希「なぁ、少し顔色悪いんやない?」
穂乃果「え?」
希「いや、朝だからかなぁ....?」
穂乃果「き、きっとそうだよ。ファイトだよっ!」
希「ん、その調子なら大丈夫そうやね。それじゃウチは着替えてくるから、少し待っててな」
そう言って、希ちゃんは去っていきました。
穂乃果「海未ちゃんも、そろそろおうちを出たんじゃないかな」
― 二年生待ち合わせ場所 ―
海未「今日も冷えますね」
ここはことりと穂乃果との待ち合わせ場所ですが、朝練がある日は現地集合です。
近道はありますが、ここを通るのが普通になっていて、たまたま早起きした穂乃果に会えるかも、ということを少し考える時もあります。
そんな穂乃果は、今日は私よりも早く家を出たとのことで、雪穂から連絡がありました。
珍しいと思いましたが、早起きはいい事です。
穂乃果、忘れ物などないでしょうか。
きっと明日は雨が降りますね。
ミャー
海未「ん?猫ですね」
ミャオン
海未「可愛い....に、にゃー」
私が鳴き声を真似すると、知らんぷりでした。
そして、その「黒猫」は、私の前を通り過ぎていきました。
― 2時限目後休み時間 ―
あと3分で3時限目開始ですね。
次は数学ですから、穂乃果が何か言いそうですね。
あら、そういえば穂乃果は....?
海未「ことり、穂乃果はどこですか?」
ことり「穂乃果ちゃん?あれ、ほんとだ、いないねぇ」
心配混じりの焦りを見せたので、本当に知らないみたいです。
もう3分前なのに、教室にいないのは珍しいですね。
お手洗いにでも行ったのでしょうか。
海未「私少し廊下に出てみます。先生に何か聞かれたら誤魔化しておいてください」
ことり「え?う、うん、わかった」
こんなお話をしているうちに1分経ってしまいました。
それでも帰ってきません。
心配なので教室を出たものの、廊下に穂乃果の姿はありません。
おかしい、そう思った次の瞬間。
穂乃果「....」
海未「あっ、穂乃果!」
お手洗いから、フラフラと穂乃果が出てきました。
穂乃果「っはぁ....はぁ....」
海未「穂乃....果....?」
明らかに様子がおかしく、壁に寄りかかるようにしてこちらに向かってきます。
私が駆け寄ろうと走り出した頃にはもう遅かった....
穂乃果「.....ぁっ....」
お手洗いから5mくらいのところで、穂乃果が倒れてしまいました。
もうわけがわからなく、気づけば廊下を全力疾走。
海未「穂乃果ぁぁっっ!!!」
― 保健室 ―
穂乃果「ん....」
海未「穂乃果!?」
ただの貧血でしたが、穂乃果が目を開けた瞬間、つい声が漏れてしまいました。
穂乃果「穂乃果....なんで」
海未「ダメです、まだ横になっていてください」
むくりと起きようとした穂乃果を、無理矢理止めました。
倒れるほどの貧血ですから、まだ安静にしていた方がいいと思ったのです。
それにきっと喉が渇いていますよね。
海未「穂乃果、先生がポリカスエッタを用意してくれてます。飲んでください」
穂乃果「海未ちゃん....どうして....ここは?」
海未「保健室です。あなた、二年の廊下で倒れたのですよ?」
穂乃果「あ....あぁ....」
海未「何故....あなたが貧血だなんて」
穂乃果「....貧血って、どんな感じだっけ?」
海未「頭痛がしたり、食欲不振になったり、めまいがしたり....あなたは倒れました」
穂乃果「そっか、穂乃果、全然ご飯食べれてなかったからなぁ」
海未「え!?」
穂乃果「えへへ....食欲わかなくて。海未ちゃんといると、ちょっと元気になれるかも」
私はいつも通りの穂乃果しか見えていなかった。
こんなに辛い状況でそれほど笑顔を保っていられるなんて、私はできません。
今の笑顔はやはり、無理をしている気がします。
でも。
海未「私が近くにいることで元気になれるなら、何時間でもそばにいます」
穂乃果「ひゃぁ....」
穂乃果の手を自分の頬に寄せ、温かく握りしめました。
穂乃果の顔はどんどん赤くなり、それを見ていると私も恥ずかしくなってきてしまいました。
海未「ほ、穂乃果、今日は早退するように言われていますよ。穂むらに電話はしたみたいですが、忙しいのか誰も出なかったらしいので、私が付き添いをする事になりました」
穂乃果「....」
まだ顔が赤い穂乃果は、私を蕩けたような目で眺めてきます。
海未「あ、あの?」
穂乃果「....ふぇ?」
海未「話、聞いてましたか?」
穂乃果「ご、ごごっ、ごめんなさい!聞いてなかった!」
先生は熱、無いとは言ってたのですが。
海未「今日は早退です。家の人は迎えに来れないみたいなので、私が付き添います」
穂乃果「あれ?それじゃ授業は....」
海未「私も早退です。気にしないでください」
穂乃果「で、でもっ」
さっきまでの蕩け顔が嘘のように、また一瞬で申し訳なさそうな顔に。
まぁ、生まれて初めて仮病を使ったのですが....
私はあなたが心配だったのです。
海未「私も偏頭痛が酷くて」
穂乃果「そうなの?」
海未「は、はい」
穂乃果「....」
海未「あれ?」
穂乃果「いいよ、帰ろ」
若干声のトーンが下がった気がしたのは....嘘がバレたからでしょうか。
やはり穂乃果の心が分からない。
あれ?
私は、穂乃果のために学校を生まれて初めて....後先考えずにズル休みした....
私....
― 穂乃果の家 ―
海未「置き手紙がありました」
『お母さんとお父さんは出かけてるから夜ご飯は2人でね。一応お金は置いておくから、食べに行くか作るかしてください。
何かあったら携帯に電話をかけてください』
だって。
珍しいなぁ、お母さんたちがお出かけなんて。
2人っていうのは、穂乃果と雪穂のこと。
海未「穂乃果、お腹はどうですか?」
穂乃果「うーん....空いたかな」
海未「そうですか、スマホをいじっててもいいので、少し座って待っていてください」
穂乃果「あ、うん」
多分ご飯を作ってくれるのかな。
海未ちゃんが向こうで作業をしてる。
髪、長くて綺麗だなぁ。
やっぱり考えちゃう。
恋って、何だろう。
漫画とかで見るのは、授業中に目が合ったり、いつも好きな人を思い浮かべたり、話す時に顔が熱くなったり、色々。
穂乃果もそう....一緒にいると少し頑張っちゃうけど、元気になれる。
そう、そうなんだ、穂乃果もそうなの。
でも....穂乃果と海未ちゃんは女の子。
だからこれは恋じゃない。
違うの。
好きって、女の子が男の子に、男の子が女の子に抱く感情。
女の子同士なんてダメ。
こんな穂乃果、海未ちゃんはきっと嫌がる。
穂乃果「....ぁれ....?」
また涙が出る。
不思議な涙。
海未ちゃんを眺めながら、ぽろりと流れていく。
ただただ流れていく。
そんな涙を、穂乃果は一生懸命拭き取る。
穂乃果「海未ちゃん、もうすぐバレンタインデーだね!」
海未「ん、そうですね」
すぐ来る行事のバレンタインデーの話題しか振れない。
海未ちゃんの大人しい返事が嬉しくて、けど。
いつもみたいに話が続かない。
話す事より海未ちゃんの事が頭にに浮かんで。
昨日みたいに上手く話せなくて。
胸がキュっと痛くなる。
海未「穂乃果、できましたよ」
あ、できたみたい。
穂乃果「ありがと」
海未「うどんなら、食べれるかなと思いまして」
穂乃果「うん....海未ちゃんは?」
海未「私はまだ平気です」
穂乃果「そっか」
海未「あまり無理はしてほしくありませんが、頑張って食べてくださいね?また倒れてしまいますから」
穂乃果「うん」
少し、素っ気なかったのが自分でもわかった。
ちゅるっと音を立てておうどんを食べる。
なんだか今日は食べれそうかも。
これ、海未ちゃんが作ってくれたんだよね....それだけでも、凄く美味しく感じるよ。
穂乃果「海未ちゃん、美味しい」
海未「それは良かったです。そういえば熱は大丈夫なんですか?」
穂乃果「え?熱はないと思うけど」
海未「あ、ないですよね?」
穂乃果「うん....?」
海未「?」
穂乃果「?」
― 海未の家 ―
海未「さて、μ’sの活動日誌を書きますか」
穂乃果を寝かしつけた後家に帰ってきました。
さっき、この活動日誌が届いて、もうとっくに日も暮れています。
届けてくれたのはことりで、どこか私を見る目がいつもと違う気がしました。
私は日誌を開き、驚きました。
「海未ちゃんが―」
「―な海未ちゃん」
「海未ちゃんに―」
昨日の日誌のお当番は穂乃果でした。
私の名前がたくさん出てきています。
それに対してのコメントも、あまり落ち着いてはいません。
「ほ、穂乃果ちゃんと海未ちゃんって....」
「なんだか穂乃果らしくないわね」
「海未も見てるのよ?」
海未「これは....」
実際は、日誌の内容はただの穂乃果の日記です。
もちろんおかしいところはないのですが、私に関する事が全体の70%ほど。
これをからかうメンバーもいれば、何かを望んでいるようなメンバーも。
海未「でも....」
私は、解明できない感情が解き明かされていくのを既に感じていました。
昔からほんのりと胸にあった感情は、中学生の頃からは当たり前になり共に大きくなってきたようなもの。
穂乃果は大切なお友達で、幼なじみで、永遠を誓った中ですが。
私の中では、何かが確立されつつあります。
海未「私は嫌じゃない」
私はいつも通りに日誌を書きました。
― 昔よく遊んだ公園 ―
夜も冷えますね。
課題が早く終わったので、少しお散歩をしていました。
お散歩はいいですよ。
特に私は、普段1人のことが少ないので、こうやって1人でいるとじっくりと考え事ができます。
歩くだけでも運動になって体にもいいですし、夜の街はいつでも新鮮です。
海未「のどが渇いてしまいました。何か」
海未「カルポスウォーターを....ゔぁあ゛っ!?」
ガタン
ど、どどどどうしましょう。
カルポスソーダにしてしまいました。
お父様、炭酸は飲みましたっけ。
残念ですが、何本も買うわけには行かないので、水飲み場で水を飲んで、近くのベンチに座ります。
この水、美味しいとは言い難いですよね。
冬の夜の風に当たってるベンチは冷たくなっています。
海未「静かですね....」
女子高生が夜に1人でこんな所にいるのは危ないのではないかと、少し怖くなったりもしますが、心のどこかでは、そんな危ない人がうようよ潜んでいるわけでもないと過信してしまいます。
結局何事もなく5、6分くらいぼーっとしていました。
色々考えていました。
明日の夕ご飯のこと、明日の授業のこと、穂乃果のこと。
鈍い私でも....いえ、分かりません。
心のモヤで憂鬱続きです。
ふふ、こういうのって、頭の奥の方では分かってたはずなのに、ずっと分からなくて。
ふと気になった時に、悩んで悩んで。
何でもない時に急に気づいたりするんです。
私、穂乃果のことが好きなんですよね。
― 翌日 ―
穂乃果「んー....」
朝だぁ....眠いなぁ....体は重いし。
そんな、まだ意識がポケーっとしてる時、微かに会話が聞こえました。
雪穂「あのねお母さん、お姉ちゃん、昨日から様子がおかしくて....ご飯も全然食べないし、学校も早退してきたみたいなの」
雪穂「うん。うん、そうだよ。調子、悪いみたいでさ、辛そうだから」
雪穂「え?それがズルっぽくもなくてね、友達がクラスメイト人の妹で、お姉ちゃん学校で倒れたんだって」
雪穂「そう。ビックリでさ、お姉ちゃんいつも笑顔だったから何もわからなくて....私のことはよく見てくれてるのに、だからなんか悔しくて」
雪穂「うん、そういう事だから、少し様子見たほうがいいのかも」
雪穂「ええっ!?寝てるよ!?」
ガチャッ
穂乃果「すぅ....」
寝たふりをしました。
雪穂「ほ、ほらぁ、寝てるじゃん。ま、まぁ姉妹だから心配してるだけ」
バタン
雪穂....。
顔を見なくても、真っ赤っかにしながら言ってくれたのがわかったよ。
でも、確かにそうかも、少し、休もうかな。
明日はバレンタインデー、なんだけどね。
μ’sも、おサボりになっちゃうのかな。
海未ちゃん、海未ちゃんはもう起きてるのかな。
寒いなぁ。
まだ調子は戻らないし....寝よう。
海未ちゃんも、二度寝とかするのかな。
― お昼休み ―
今日は穂乃果はお休みしましたね。
クラスでも「珍しいね」などの声が聞こえますが、いい判断だと思います。
体調が優れないのに来て、また体調を崩しては意味がない。
朝練は、穂乃果がいないと締まらなくて、グダグダしていました。
今日は放課後の部活はお休みでしょうかね。
明日も土曜日で部活は無いので、そこで元気になってほしいです。
海未「お昼休みって、こんなに静かで―」
希「静かで?....わしわしMAX〜」
海未「きゃっ!?」
ビックリしました。
希のわしわし....はっきり言って痴漢ですよね。
希「ビックリした?」
海未「破廉恥です!」
希「ふふ、ごめんごめん」
海未「で....?二年の廊下にいるという事は、何か用があるんですよね?」
希「お、さすが海未ちゃんやね」
海未「誰でも察しがつくと思います」
希「まぁ、そうだよね」
この通り、根は普通の人です。
わしわしも、彼女なりのコミュニケーションだと考えると、そこまで悪くは思いません。
希「今日、穂乃果ちゃんはどうしたん?」
海未「お休みしましたよ。昨日、貧血で倒れたと言いましたよね?」
希「そうなんよね....昨日な、朝練の前お話して、顔色が悪いとは思ったんやけど、笑顔で飛び跳ねてるのを見たらウチの勘違いに思えちゃってね」
海未「あぁ、止めなかったことに責任を感じているのですか?仕方がないことですし、気にしなくても....」
希「でもな、えっと....違和感というか....」
海未「....?」
希は何かあると解決のキーパーソンになります。
だから今回も、そうなんでしょう。
希「海未ちゃんって、穂乃果ちゃんのこと好きなん?」
海未「....」
希「よね?」
海未「ま、まぁ....気づいたのは最近ですがね」
希「本当は知ってたんやけどね。周りから見たら分かるんよ。好意ってやつは」
海未「それが、どうしたんですか?私は今更この気持ちに恥ずかしがることはありませんよ?」
希「うん....」
少し、眉を寄せました。
困ってる、というよりは、迷ってるという顔です。
海未「いいですよ、言って」
希「わかった....穂乃果ちゃんの日誌、見た」
海未「私も見ましたよ」
希「いつも通りの日記だった。けど内容は海未ちゃんのことばかり。みんなはからかったり、変な事考えたり、失礼なコメントをしてた。本人はまだ見てないからいいけどさ」
海未「そうですね」
希「なぁ....貧血って、食欲不振だったり、睡眠不足だったりでなることが多いよね。海未ちゃん、穂乃果ちゃんは」
海未「全然物を食べていなかったみたいです」
希「やっぱりな....えっと....」
またです。
もう、私もそんなに鈍くないですよ。
言いたい事は分かりましたから。
海未「話してください」
希「....いや、いいや。海未ちゃん、穂乃果ちゃんに優しくしてあげてな?」
海未「ん....はい、もちろんです」
その時にはもう分かっていました。
穂乃果も私のことを好きだったこと、そして。
体の不調は恋煩い、だったこと。
何故だろう、両想いは喜ぶもののはずなのに、逆に何かに安心したのか、ただ喜ぶのとは違う感情が生まれました。
穂乃果を守りたい、と。
ずっと一緒にいて幸せになりたい、と。
ただ恋愛を楽しむ、ただラブラブしたいというその場の気持ちよりは、この感情がわきました。
希「海未ちゃん、明日はバレンタインデーや!」
海未「そう、ですね」
― 穂乃果の家 ―
あ、結局夕方だ。
何回かスマホの通知が来てたけど、あまり見る気になれない。
穂乃果「何か、飲も」
喉が渇いたから1階に降りることにしました
すると、工場(こうば)じゃなくて、家の台所から音が聞こえる。
雪穂「純粋宣言ふんふふーん、ふーふふーん―」
穂乃果「雪穂?」
雪穂「ん?お姉ちゃん!具合は大丈夫?」
穂乃果「うん、まぁ。雪穂は何してたの?」
雪穂「あ、これ?明日はバレンタインデーだからね。手作りチョコだよ♡」
穂乃果「へぇ、好きな人とか....いるの?」
雪穂「え?い、いないよ〜」
顔を赤くして手をパタパタさせてる。
いるのかな。
凄いな、好きな人がいて、手作りでチョコあげて。
雪穂「そういうお姉ちゃんは好きな人、いるの?」
穂乃果「....」
雪穂「あれ、どこ見てるの?」
穂乃果「....んあ、な、何だっけ?」
雪穂「えぇ?....はぁ、何でもないよ」
なんだか雪穂は少し呆れてました。
穂乃果「ねぇ雪穂、チョコってどうやって作るの?」
雪穂「豆からは作らないよ?」
む、少しイラッとしたよ。
お姉ちゃんって呼ぶくせに、自分より下だと思ってるのかな?
穂乃果「真面目に聞いてるんだけど」
雪穂「へ、へぇ....」
穂乃果「な、何?」
雪穂「ううん。....手作りチョコって言っても、市販の板チョコとか溶かして、型にはめて固めるだけ。簡単でしょ?」
穂乃果「そんなもんなんだね」
雪穂「それとも、チョコを使ったお菓子とか作りたいの?」
穂乃果「例えば?」
雪穂「んー、ほら、毎年ことりさんが作ったチョコケーキを持って帰ってきたりするでしょ?そんな難しいものじゃなくても、チョコに何か入れたり」
穂乃果「そっか、そういうのでもいいんだね....そっかそっか....」
雪穂「....?」
穂乃果「あんこを入れたりって、できるかな?」
雪穂「う、うん、むしろお姉ちゃんは一度食べたことあるよ」
穂乃果「雪穂!」
雪穂「はい!?」
穂乃果「それ、作ってみたいかも」
雪穂「あ、え?うん、別にいいけど....」
チョコレートか、作るの初めてだなぁ。
海未ちゃんも作ったりするのかな?
和風なチョコとか、きっと好きだよね。
穂乃果「ふふっ」
雪穂「そんなに楽しみなの?」
穂乃果「うん、早く作りたいなぁ♡」
雪穂「ま、元気になったなら私も嬉しいけど」
― 海未の家 ―
私は何故こんなにも冷静でいられるのだろうか。
相手があんな状態だから?
分からない。
結局分からない。
明日はバレンタインデーって言ってましたね。
好きな人に、チョコを渡すんですよね。
好きな人に、ですか。
ブブッ
私のスマホです。
海未「誰からでしょうか」
海未「えっと、あ、穂乃果です!」
何やらメッセージが送られてきたみたいです。
『いきなりゴメンね?海未ちゃん、明日会えたりしないかな?あの、この時期はイルミネーションとかも綺麗だしさ、カフェでゆっくりしたり、えっと....とにかく遊べたらお返事ください( ๑>ω•́ )۶』
普通さが伝わって来ますが、実際打ってる時はどうなのでしょうか。
ドキドキしながら打つのでしょうか。
バレンタインデーにチョコを渡される時って、こんな感じなんだなと、くれると言われたわけでもないのに確信していました。
海未「○○集合でどうですか?....送信っと」
私もチョコを買いに行かなくては。
― 待ち合わせ前 ―
穂乃果「まだ全然早かったなぁ」
海未ちゃんと待ち合わせ。
毎日していたはずなのに、なんかドキドキする。
チョコレート、作っちゃった。
自信、あるから....喜んでくれたらいいな。
好きな人に―
穂乃果「あっ」
ここは秋葉原。
ビルに、男の子が見るようなアニメのポスターが大きく貼られていました。
女の子同士で、ぎゅ〜ってしてる。
アニメなら、女の子同士、いいのかな。
でもやっぱりおかしいよ。
女の子は男の子を好きになって....でも、なんで海未ちゃんを気にしてるの?
なんで?
....。
穂乃果な海未ちゃんが好きなんだよね?
怖い....んだよね。
穂乃果なんて、恋をしたことがなかった。
何もわからないけど、女の子同士がいけないのは分かる。
なのに、なのに海未ちゃんが大好きで....ずっと自分で自分を苦しめていたんだ。
全部、分かってるはずなのに。
穂乃果「あれ....?」
穂乃果「あそこ、本屋さんなんだ」
― 待ち合わせ場所 ―
海未「はぁっ、はぁっ」
まずいです、やってしまいました。
気を引き締めるために道場にこもっていたら....。
35分も遅れてしまいました。
穂乃果でもこんなに寝坊したことはない。
私が、ここにしましょうと言って。
私は....最低です。
人混みを走り抜けて、たった1人見つけようと....。
息を切らして。
穂乃果「....馬鹿....ぐすっ....ぇぅっ」
海未「はぁ、はぁ、穂乃果....?」
走り抜けた先に見えたのは、いつもの笑顔ではない。
ただ真っ直ぐ目の前だけを見て、こらえ切れずに流れていく涙を拭かないで。
35分も遅れている私を、じっと待つ穂乃果でした。
海未「ほ、穂乃果!」
穂乃果「っ....ぅぐっ」
一瞬目をそらし、その場から逃げてしまいました。
嫌だ、行かないで....。
その背中はどんどん遠くへ、遠くへ。
見失った時、私は後悔する。
言葉にできないくらい後悔する。
そう思ったら、また、無我夢中に追いかけていました。
離れていく光を捕まえたいと、手を伸ばして。
待ってください、行かないで、と。
そうでした、今は私の方がかけっこ、早いんでしたね。
ギュッ
穂乃果「っ....」
海未「ごめんなさい、ごめんなさい!」
捕まえた時、後ろから抱きしめていました。
ただただ、ごめんなさいと謝ることしかできずに。
海未「ごめん....なさい....」
穂乃果「海未ちゃ....」
私の顔を見た穂乃果の顔は、涙に濡れながらも、ビックリした表情でした。
それはそのはずです、沢山走ったので、呼吸は荒く、髪はボサボサで、顔は湯気が出そうなくらい赤くなっていると思います。
穂乃果「穂乃果、海未ちゃんがお約束破ったって....思って....」
海未「破ったわけではないんです。それに、あなたは寒い中待っていてくれたではありませんか」
声を震わせる穂乃果に、私は優しく、優しく、穂乃果がいつもしてくれるように対応します。
穂乃果「でもっ」
ギュゥゥゥ
穂乃果「あっ....」
今度は正面から。
私は不器用なので、ぎゅっと....これも、穂乃果がしてくれるように。
抱きしめるだけ。
穂乃果「海未....ちゃん....」
肩のあたりに、温かいもので濡れていくのがわかります。
この人混みの中でも、嗚咽する声が聞こえてきます。
海未「穂乃果」
穂乃果「....なぁに?」
海未「今日は世間ではバレンタインデーという日らしいですよ」
穂乃果「うん」
海未「何やらそれは、好きな人にチョコをあげるというものなんです」
穂乃果「うん」
海未「穂乃果、ポケットに手を入れてみてください」
穂乃果「海未ちゃんの?」
海未「はい」
穂乃果「わかった....」
ゴソッ
穂乃果「っ!これって....」
何かを見つけてビックリしています。
そのあまり、私から一歩離れて、10秒くらいフリーズしていました。
海未「あなたのです」
穂乃果「こ、これ、テレビで紹介されてた....有名なチョコ屋さんの....?」
海未「大切な人にプレゼントするなら、このくらいの出費は幸せです」
穂乃果「でも、た、大切な人って」
海未「私はあなたのことが―」
バサッ....
海未「あら?落としましたよ?」
穂乃果「えっ、あっ、ここっ、こっ、これはっ」
海未「本....のような物が....」
私の気持ちが、ちゃんと穂乃果に届いたのかはわかりません。
一方的な....告白なのでしょうか。
内心ドキドキしていたのかもしれませんが、冷静を装い。
気持ちを伝えた直後は、穂乃果の顔を見るのが怖くなりました。
ですが....。
隣でお昼寝してる穂乃果の入れてくれたお茶を飲み、あんこ入りの和風チョコレートを食べながら....。
2月14日に発売された、好きな小説家さんの最新作を読む休日、それはまた別のお話です。
おしまい。
22>>×穂乃果な海未
○穂乃果は海未
>>22再々修正。
×穂乃果「な」海未ちゃんが好きなんだよね?
○穂乃果「は」海未ちゃんが好きなんだよね?
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