モバP「最近母性に目覚め始めてきてやばい」 (20)

ちひろ「…は、はあ」

モバP(以下P)「は、はあ…ってなんですか、まるで興味無いみたいじゃないですか」

ちひろ「だって実際興味無いですし…」

P「えっ」

ちひろ「えっ、じゃないですよプロデューサーさんの母性なんて知らないですよ!」

P「いや、なんで俺が母性だしてるんですか」

ちひろ「えっ違うんですか?」

P「違いますよ!現代社会には、なんというか母性というか包容力というか安らぎが必要だと思いませんか?」

ちひろ「えぇ…急にどうしましたプロデューサーさん。実家にでも帰ったとか?」

P「実家なんてここしばらく帰ってないですね」

ちひろ「たまには顔を見せにでも行ったほうがいいですよ?」

P「あー、確かにそうかもしれませんね…って話を戻しましょう」

ちひろ「……」

P「無言で『チッ』みたいな顔されてもやめないですよ」


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ちひろ「はあ…もう諦めました。こうなったらプロデューサーさん頑固ですもんね」

P「流石ちひろさんです!」

ちひろ「まあ、なんだかんだで長い付き合いですから」

P「それで、この間の話なんですけど…」

ちひろ「はい」

P「先日、1人で事務所で仕事をしていたわけですよ」

ちひろ「そういえば、最近プロデューサーさん忙しそうでしたね」

P「そうしたら、凛が入ってきてですね、それで…「ちょっと待って下さい」

P「…?どうしました?」

ちひろ「どうしましたじゃないですよ、なんでそこで凛ちゃんが?なんか母性とかなんとか言ってましたよね?」

P「ええ、ネタバレすると、事の始まりは凛にズキュンと来てしまったことからなんですよ。ちひろさんはせっかちですね、あはは」

ちひろ「えぇ…」

P「とりあえず話を聞いて下さい」






ー回想ー

ガチャッ

凛「…あっ、プロデューサー」

P「……ああ、凛。お疲れ様」

凛「うん、ありがとう。プロデューサーも」

P「今日は確か…っとおっと」ドタッ

凛「…!ちょっとプロデューサー、大丈夫?」

P「…ああ、ちょっとふらついただけだ」

凛「私には大丈夫には見えないよ…そうだ、コーヒーでも持ってこようか?」

P「悪いな…凛も疲れてるのに」

凛「気にしないで、ちょっとまってね」

P「ああ、助かるよ」

給湯室

凛(コーヒーは…あった!でも、見たこと無い缶コーヒー…)

凛(まあ、大丈夫かな。ここにあるってことは怪しい物じゃないし、プロデューサーを待たせるのも悪いしね)

凛「プロデューサー、はい」

P「おお、ありがとう。こんな時のために冷蔵庫に常備してあって助かった」

P(こんな缶コーヒーあったっけ?まあいいや)ゴクゴク

P「……ふう。心なしか疲れが少し取れた気がするよ」

凛「そっか、よかった…そういえば、まだ誰も来てないみたいだね」

P「今日はスケジュールがいろいろとな…凛が来てくれて助かったよ」

凛「そ、そう?でもさ、プロデューサーが頑張ってくれるのはわかるけど」

P「どうした?」

凛「あんまり1人で頑張りすぎないでね、さっきとか倒れそうだったし」

P「ああ、気をつける」

P(やばいなんか頭がふわふわする)

凛「うん、他に私にできることはないかな?今日はもう予定無いし」

P「……」

凛「?プロデューサー?」

P「凛、ちょっとこっちに来てくれないか?」

凛「あっ、うん、わかった」

P「……凛」

凛「プロデューサー?」

P「……いや、やっぱり何でもない、俺はもう大丈夫だし、今日はもう帰ってもいいぞ」

P(正直体疲れすぎてて辛いけどなんとかなるだろ)

凛「……プ、プロデューサーっ」ギュッ

P「…!」

凛「…っ!…ごめん」バッ

凛「なんか今のプロデューサーみてたら体が勝手に動いちゃって…!へ、変だよね、今日はもう帰るね!」

P「あっ、おいっ!」

ガチャ バタン

P(座っている俺を立っている凛が抱きしめる…)

P(ほんの一瞬だったけど得難い幸福感のようなものが…)

P(この気持はなんだろう)





ー回想終了ー

P「これが全ての始まりでしたね」

ちひろ「…思ってたより優しめの回想で安心しました」

ちひろ(凛ちゃんも結構思い切りますね)

P「まあまだこれからですよちひろさん!」

ちひろ「…はあ」

P「この間、楓さんと二人で飲みに行ったんですけど…」

ー回想ー

居酒屋

P「……プハァー!」

楓「ふふ、今日のプロデューサーは酒豪さんですね」

P「まあ最近あまり飲んでなかったもので…」ゴクゴク

楓「ビールを浴びーるほど飲んでますね……ふふっ」

P「そう言う楓さんは全然飲んでないじゃないですかー」

楓「…もうっ。二人で潰れちゃったら、誰が面倒見てくれるんですか?」

P「…ということは、今日は好きなだけ酔いつぶれてもいいんですね!店員さん、ジョッキ1つー!」

カシコマリマシター

楓「こんなに飲むプロデューサーも、珍しい気がします」

P「この間まで仕事の波がドッと来てて…パーっと行きたいところを楓さんに誘われたので、渡りに船でしたよ」

楓「他の方には誘われなかったんですか?」

P「いやあー、楓さんが一番だったので…」

楓「…!そうだったんですね、我ながら、いいタイミングでしたね」

P「まあ、楓さんと飲むのが一番楽しいのからかもしれないですけど」

楓「…もうっ、あまりお酒の勢いで喋ったら、めっ!ですよ?」

P「わかってますわかってます!あっ、ビール来たみたいですね!」

ーーーーーーーーー

P「……あれ」

P(ここどこだ?)

楓「あっ、プロデューサー。お目覚めですか?」

P「……!なんで楓さんが?」

楓「あっ、ごめんなさい。あの居酒屋、私の家から近かったもので…」

P「あー、そういえばこの辺りでしたね…」

楓「…その、ご迷惑でしたか?」

P「いえっ、全然そんなことはないですよ!」

楓「……私の膝の上、どうですか?」

P(……よくよく考えたらこの状態、楓さんに膝枕されてるじゃないですか)

P(凛の時に感じた何かを掴めそうな気がする…!)

楓「プロデューサー?黙っていられると、その、少し恥ずかしいです…」

P「楓さん」

楓「はい?」

P「抱きしめさせてください」

楓「……それはその、つまり」

P「抱きしめるというか、胸に顔を埋めさせてもらってもいいですか?」

楓「……もうっ、特別です。こんなことするのプロデューサーだけ、ですよ?」

P「では……」ダキッ

楓「んっ……」ギュッ

P(これだ…まるで母親の胎内にいるような安心感…そして鼻孔をくすぐる女性特有の香り…)

P(さらに体に感じる柔らかい体躯……温かいものに抱きしめられている感覚……)

P(これは……まさしく…………)

P(母性…!)

楓「そのっ…どう、ですか?私の身体は…あっ、ちょっと変な言い方でしたっ」

P「もうちょっとだけ、お願いします」

楓「ふふっ…今日のプロデューサーは甘えん坊さんだったんですね」ギュウ

ー回想終了ー

P「もうね、ここからですね」

ちひろ「いや何してるんですかプロデューサーさん」

P「何か問題でも?」

ちひろ「問題ありまくりですよ!もしスキャンダルにでもなったら…」

P「その辺は心配しないでください、何のために仕事を山積みにしてたと思ってるんですか」

ちひろ「えぇ…」

P「なんで今まであの素晴らしさに気づかなかったんでしょうか」

ちひろ「知りませんよそんなこと」

P「というわけで、今から事務所に来たこの母性チェックをしたいと思います」

ちひろ「…一応聞きますけどなにするんですか?」

P「あの手この手で母性を得ていこうかと」

ちひろ「ちょっと待って下さい」

P「止めようったって止まりませんよ俺は」

ちひろ「カメラとか機材とか持ってきます」

P「なんだかんだ乗り気じゃないですか!」

ちひろ「まあ、気にならなくはないので。普段見えないような姿も見れそうですし」

P「歯止めが効かなくなりそうだったら止めて下さい」

ちひろ「はいはいわかりました…あっ、誰か来ましたね」

今日午後また投下

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