*リヴァイ誕生日記念のSSです。
*リヴァハンです。リヴァ→ハンな感じのリヴァハンです。
ハンジ「ごめん! リヴァイ!」
リヴァイ「あ? なんだ。突然」
ハンジ「今年のリヴァイの誕生日のプレゼントを買うお金がないんだ!」
リヴァイ「……年末セールで古書を買いまくったせいじゃ」
ハンジ「ぎくっ! そうともいうけど、それはそれ、これはこれだよ」
リヴァイ「……………はあ」
リヴァイ「別に無理してまでプレゼントが欲しい訳じゃねえよ」
リヴァイ「ガキじゃあるまいし。用意出来ねえっていうなら、別にいい(プイッ)」
ハンジ「まあまあ、そう拗ねないでくれたまえ!」
ハンジ「プレゼントを買う事は出来ないけど、その代わり、明日一日、私の時間をリヴァイにあげようじゃないか!」
リヴァイ「時間……?」
リヴァイ「それはつまり、25日は丸一日、ハンジを俺の自由にしてもいいって話か」
ハンジ「ざっくり言うとそういう事だね!」
ハンジ「マッサージでもしてあげようか? それとも、おつかいに行ってあげようか?」
ハンジ「大掃除のお手伝いとかも、まあ、やれなくはないよ」
リヴァイ「いや、年末の大掃除は既に済ませているから別にいい」
リヴァイ「そうか。時間か……分かった。そういう事なら、やって貰いたい事はある」
ハンジ「お? 何? 私は何をすればいいのかな?」
リヴァイ「それは当日に言う。今日は早めに寝て、ゆっくり休んでおけ」
リヴァイ「明日の朝の6時には俺がハンジの部屋に迎えに行く」
ハンジ「そんな朝早くから何をするの?」
リヴァイ「だから、それは明日言う。寝坊すんなよ。じゃあな」
ハンジ「了解~♪」
そして12月25日。朝6時。
ハンジ「リヴァイに言われた通りに朝6時に起きましたよ」
ハンジ「久々に徹夜しないで普通に寝たから、目のクマがキレイになくなったよ!」
ハンジ「たまには早く寝るものだね!」
ハンジ「そろそろリヴァイが来るはずだね」
コンコン♪
ハンジ「はいはい、今日は起きていますよ」
リヴァイ「ちゃんと起きていたか」
ハンジ「で? 何処かに出かけるのかな? 朝一の馬車に乗るのかな?」
リヴァイ「その前に準備が必要だ」
リヴァイ「今日は特別に許可を取ってある。今から風呂に入れ」
ハンジ「えええええ?! 朝から風呂?! 流石に寒すぎないかな?!」
リヴァイ「いいからさくっと入ってこい!」
ハンジ「えええええやだああああ! ごふっ!」
リヴァイにあて身を食らったハンジは気絶した!
リヴァイ「ハンジ班、後は頼んだぞ」
ニファ「了解しました!!」
ハンジ班のメンバーに担がれて、風呂場へ連行されるハンジ。
その様子を見送り、リヴァイはふっ…と小さく笑うのだった。
ハンジ「……………」
リヴァイ「なんだ。その不服そうな顔は」
ハンジ「いや、まさか真冬に風呂って。何の修行かと思った」
リヴァイ「普通の奴は冬でも定期的に風呂に入るんだがな」
ハンジ「そうなのかもしれないけど、私にそれを求めるのは間違ってる!」
リヴァイ「今日は特別だ。湯冷めしないように厚着しろ」
ハンジ「………何処かに出かけるの?」
リヴァイ「トロスト区に行く。今日は黙って俺について来い」
ハンジ「………ぬう。分かったよもう」
トロスト区にて。
ハンジ「…………………」
リヴァイ「どうした。店の前で立ち止まって」
ハンジ「いや、だって、ここ、女性専用の下着屋なんだけど」
リヴァイ「そうだが?」
ハンジ「えっと、まさか、リヴァイ、女装するの?」
リヴァイ「馬鹿か。俺が女装する訳ねえだろうが」
ハンジ「え? じゃあ誰の下着を買うの?」
リヴァイ「んなもん、決まってるだろうが。ハンジのだ」
ハンジ「ええええ?! 私、お金ないよ!」
リヴァイ「払うのは俺だから気にするな」
ハンジ「?! えっ……意味わかんないんだけど?! ちょっと!?」
ハンジの手を無理やり引っ張って、店の中に入るリヴァイであった。
ハンジ「………………」
リヴァイ「次は………あの店だな」
ハンジ「あの、リヴァイ……」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「何故、黒のレース生地の、しかも結構お値段のする下着を購入したのかな?」
リヴァイ「化粧品を買うから移動するぞ」
ハンジ「話聞いてないね?! なんなんだよ一体?!」
化粧品を購入後、小休止の為に喫茶店に入る2人だった。
ハンジ「あのさあ……リヴァイ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「今日は確かに、私の時間をリヴァイにあげるとは言ったけど、何でリヴァイが私の下着と化粧品を買うの?」
リヴァイ「それが必要だから、としか言えん」
ハンジ「だから、何に必要なのかって聞いてるんだよ!!!」
リヴァイ「次は貸衣装屋に行くからな」
ハンジ「一体、私は何をやらされるんだ?!」
リヴァイ「…………ふっ」
ハンジ「意味深に笑うのやめて!!」
そして、貸衣装屋にて。
ハンジ「ディアンドル? え? それを着ろってこと?」
リヴァイ「そうだ。これで必要なものは全て揃った。帰るぞ」
ハンジ「えっ……ちょ、リヴァイ、一体なんなのよおおお!?」
調査兵団宿舎。
ぺトラ「兵長、お帰りなさい!」
リヴァイ「準備は出来ているか?」
ぺトラ「ばっちりです!」
リヴァイ「わかった。後の事は頼んだぞ」
ぺトラ「はい! 仕上げは任せて下さい!」
ハンジ「…………」
ぺトラに連れられて、別室行きとなるハンジだった。
ハンジ「ねえ、これってまさかだけどさ……」
ぺトラ「はい。そのまさかですよ。ハンジ分隊長♪」
ハンジ「マジでか! マジでやれってか!!」
ぺトラ「いいじゃないですか。お似合いですよ」
ハンジ「いやあああああ!」
そして、完成したのは………
普段は絶対見られない、ディアンドルガールのハンジであった。
エルヴィン「おお、素晴らしい」
ピクシス「うむ。これはなかなか」
ザックレー「ほう……」
ミケ「いい出来じゃないか」
モブリット「分隊長、お綺麗です!」
エルド「流石、ぺトラだな」
オルオ「いい仕事したな」
リーネ「似合ってるわよ!」
ニファ「素敵です!!」
ナナバ「ふふっ……皆、拍手で迎えてあげましょうか」
パチパチパチ………
ハンジ「もう……皆で飲み会する気、満々だったわけね(顔覆う)」
リヴァイ「話、聞いていなかったのか? 俺の誕生日に恰好つけて、夜に軽い飲み会するとエルヴィンが言っていたんだが」
ハンジ「あーうー。話半分にしか聞いてなかったかも。寝不足で」
リヴァイ「ふん……聞いてなかった方が悪いな」
ハンジ「つまり、今日はこの格好で皆にお酌してまわれってこと?」
リヴァイ「正解だ。もっというなら……」
リヴァイは隣の席を指さして、
リヴァイ「ここで俺の酒を注げ。それで良しとしてやる」
ハンジ「はいはい。分かりました! 頑張ってやりますよ!! もう!!」
ワインやビールを皆に注いで周り、忙しく動き回るハンジ。
皆の分が終わると、漸くリヴァイの隣に座り、ハンジはリヴァイのグラスに酒を注いだ。
ハンジ「はい、どうぞ」
リヴァイ「ん」
ハンジ「やれやれ。でもさあ、リヴァイ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「お酌して回るのが目的なら、化粧品とディアンドルだけで良かったんじゃないの? 何で下着まで新調したの?」
リヴァイ「……………」
リヴァイ「それは飲み会が終わってから教える」
ハンジ「あ、そうなの?」
リヴァイ「これが終わったら、俺の部屋で2次会やるからな」
ハンジ「了解! 後でってことね」
リヴァイ(…………プレゼントの完成まで、あと3時間ってところか)
そして3時間後、飲み会はお開きとなり。
ハンジ「いやー飲んだ飲んだ! 楽しかったね~♪」
リヴァイ「オイオイ、顔赤いぞ」
ハンジ「リヴァイは赤くないね。ザルで羨ましいなあ♪」
リヴァイ「いいから、しっかり歩け。手に掴まれ」
ハンジ「うい~」
ギィ…
ハンジ「あれ? 私、リヴァイのベッドに寝ていいの? 普段は勝手に寝たら怒るのに」
リヴァイ「今日は特別だ。誕生日だからな」
ハンジ「あはは! そうだったね! 誕生日おめでとうリヴァイ!!」
リヴァイ「ああ。ありがとう。……ところでハンジ」
ハンジ「なあに?」
リヴァイ「顔が大分、赤いぞ。暑くねえか?」
ハンジ「確かにちょっと暑いかも」
リヴァイ「緩めてやろうか?」
ハンジ「え? いいよ~流石にそこまで甘えるのは、ちょっと……」
ハンジ「………えっと、顔、近くない?」
リヴァイ「そうか?」
ハンジ「えっと、まさかとは思うけど……」
リヴァイ「ん?」
ハンジ「これってアレかな。そういう展開を期待していらっしゃるのかな?」
リヴァイ「なんで急に敬語になる」
ハンジ「だあって、いくら私でも、流石に察するというか!!」
ハンジ「あああ! ほら、良く言うじゃないか! 男性が女性に服を贈るのは、脱がせたい願望の現れっていう!」
リヴァイ「良く分かってるじゃねえか」
ハンジ「でも、待ってくれ! 私は私の時間をリヴァイにあげるとは言ったけど、私自身をリヴァイにあげるとは言ってないよ!!」
リヴァイ「『俺の自由にしてもいい』かと確認した筈だが?」
ハンジ「そうだけど、ちょっと、リヴァイ、時計を見よう!」
リヴァイ「ん? ……!!」
その時、丁度、夜中の0時を1分過ぎた。
リヴァイ「…………ちっ(盛大な舌打ち)」
ハンジ「もう誕生日はおしまい! だからおしまい!」
リヴァイ「………飲み会をさっさと切り上げるべきだったか」
ハンジ「滅多なことを言っちゃだめだよ!! 折角皆が祝ってくれたのに!」
ハンジ「というか……ごめん。来年からはちゃんとプレゼントを贈るようにするからさ」
ハンジ「その、リヴァイとそういう事をするのは無理だ。勘弁して欲しい」
リヴァイ「……………悪い。俺もふざけ過ぎたな」
リヴァイ「……(名残惜しそうな表情)」
ハンジ「あーうー」
ハンジ「じゃあせめて、この格好をモブリットに記念に描いて貰う?」
リヴァイ「…………ちっ」
リヴァイ「仕方ねえな。それで妥協してやる」
ハンジ「うん。妥協して。お願いだから」
ハンジ「モブリットに一晩で完成して貰おうっと」
出来上がったハンジのディアンドル姿は、
モブリットのスケッチブックから切り離されて、
リヴァイの部屋に飾られるようになったのだった。
リヴァイ(もし来年のプレゼントを忘れやがった時は、下着姿で酌をさせてやる)
…………と、リヴァイが心密かに来年の計画を立てている事は、
ハンジの預かり知らぬところであった。
リヴァイ「プレゼントは24時間で完成させる」(おしまい)
明日はリアルが忙しいのでイブにかけてUPしました。
ディアンドル姿と下着姿、どっちのハンジさんに酌されたいか。それが問題だ。
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