提督「聖なる夜のパーティ準備」 (40)
提督「(ペラっ、ペラっ)……よしよし、進捗具合も順調だな」
がちゃっ
リベッチオ「ハーイ、提督さん。遠征から戻りましたー」
提督「お、お疲れ様。補給が終わったら次の部隊に遠征へ出るように伝えてくれ」
リベ「りょーかいっ。……あれっ?提督さん、それはなぁに?海域攻略作戦でもあるの?この前終わったばかりだよね?」
提督「ん、あぁ……今年来たリベ達にはちょっとアレかもしれないな」
提督「日本ではクリスマスを家族と静かに過ごすのではなくてパーティで楽しく過ごすんだよ。それの申請書だ」
リベ「ほぇー……、そうなんだー」
リベ「じゃあじゃあ、料理とかってどーするの?イタリアじゃパネットーネを焼いたりお魚を食べたりするんだけど」
提督「こっちじゃチキンやケーキ、ピッツァやパスタのようなパーティメニューを用意して食べる……かな?」
提督「過ごす相手も家族だったり、恋人だったり、はたまた親しい友人だったり様々だね」
提督「一人で過ごしたり仕事をしたりする人もいるけど」
リベ「パーティなのかー……面白そうっ!ねぇねぇ提督さん、私も参加していーい?」
提督「もちろん、参加自由だよ。で、リベは当日参加だけ?それとも何を作るの?」
リベ「ほぇっ?作るって何を?」
提督「……そうか、そこからか」
提督「ウチの鎮守府は料理が作れる子がいてね、イベント事になるとその子達が主導で料理を作ることも多いんだ」
リベ「そういえば少し前にサンマもほーしょーさんやプリンツさんが色々料理してたね!」
リベ「イタリアのサンマとは違った感じだったけどおいしかった!」
提督「うむ、あれは美味しかった―――と、今はその話じゃない」
提督「ともかくああいう風にみんなで食べる料理をリベも作ってみるか、って事だ。どうする?」
リベ「やってみたい!リットリオさんやローマさんといっしょなら多分、きっとできるとおもうし!」
提督「了解、じゃあ申請用紙はこれな。他二人とちゃんと話して何を作るかを決めるんだぞ?」
リベ「オゥ カピート!さっそく聞いて来るねっ!」
がちゃっ!タッタッタッ……
提督「なんとまぁ、元気の良いことで……。さて、ほかの申請用紙を見てみるか」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1450953791
申請リスト(お品書き)
第六駆逐隊……レディにふさわしい料理
第七駆逐隊……至高の一品
夕雲型選抜……戦艦のような凄い料理!
白露型……話の弾むお菓子
那珂ちゃんとお姉ちゃん……那珂ちゃんすぺしゃる☆
球磨型……■■■■■■■■■ →鮭
妙高型……気合の入るつまみ
利根型……筑摩が作るのじゃ!
軽空母選抜……洋酒向けパーティメニュー
正規空母後輩組……デザート類
金剛型…… X'masのスペシャルメニューネー!
超弩級戦艦……スープ
ドイツ組……皆で飲めるドリンク
イタリア組……未定
side:第六駆逐隊
雷「―――というわけで申請してきたわっ!」
暁「私たちの実力を見せ付けるチャンスね!」
電「はわわ……大丈夫かな……?心配なのです……」
響「大丈夫、よほど難しい事をしなければ失敗はないよ」
電「そ、そうだよね!うん、がんばるのです!」
響「で、何を作るつもりなんだい?私はまだ聞いていないが……」
暁・雷「暁(雷)、言ってあげなさい!」
暁・雷「……えっ?暁(雷)が決めたんじゃないの?!」
雷「だ、だって暁が『レディに相応しい料理を作るわよ!』って言ってたから決まってると……」
暁「な、なによ!私がちょっと料理が苦手な事は雷も知ってるでしょ?!私は雷がエレガントな料理を知ってると思って……!」
響「つまりは……」
電「無計画、なのですか……」
六駆「「「「このままじゃマズイ(わね・わ・ね・のです)!」」」」
雷「計画変更よ!パーティメニューで好まれるて、かつ失敗が少ない料理にするわ!」
暁「料理の見栄は大事だけど、約束したモノを出せない方がレディとしてあるまじき事だわ!」
響「そうだね……、凝った料理は戦艦や空母の人達が作る筈」
響「なら私たちは簡単にたくさん作れるモノが良いと思う。お酒のツマミになるものなら司令官も喜んでくれる筈さ」
雷「たくさん作れるなら……味付けが決まってるモノが良いわね、失敗したら大変よ」
電「フライドポテト……ううん、ポテトチップスはどうかな?味付けはお塩だけで良いのです!」
電「それにこの前お店でフライドポテト用の粉が売ってたのです。それを使えば味も変えられるのです!」
暁「その案採用よ!ポテトチップスにしましょう!」
雷「じゃあ、買い物に行きましょ!」
六駆「「「「おーっ(なのですっ)!」」」」
レディ達のポテトチップス
材料:ジャガイモ、油、お塩
雷「よし、始めるわよ!まずはピーラーでおいもの皮を剥くわ!」
電「ん、しょ、ん、しょ……」シャッシャッシャッ
響「暁、早さも重要だけど芽があればちゃんとくり抜くべきだよ」
暁「し、知ってるし!芽の部分は美味しくないものね!」
響「……そうだね、ちゃんと取り除くべきだよ」
電「ちゃんと皮を剥けたのです!」
雷「おっけー!次はスライサーで薄切りにするわ!指を切らないように気をつけてね!」
響「ん、わかったよ」シャッシャッシャッ
暁「ぐぬぬ……厚さが均等にならない……!」ズリッ…ズリッ…
雷「多少なら手作りの醍醐味よ!」
電「次は……お湯につけて簡単なあく抜きをする……だったよね?」ジャバジャバ
雷「そうね!お湯の白さが少なくなるまでゆっくりつけて時々混ぜるといいわ!」
暁「それが終わったら揚げるの?」
雷「揚げてもいいけど、その前にラップをかけて電子レンジでチンしましょ!ナマだと中まで熱が通ってなかったら美味しくないの」
響「チップスは食感が大切だよね」
電「なのです!」
雷「出来上がったわね、あとはひたすら揚げるだけよ!火力は中火、ポテトを一枚入れて泡立つ温度が適温よ!」ジュワーッ!
電「揚げ上がりのタイミングはどうするのですか?」
雷「おいもの水分が出なくなったらおっけーよ!」
雷「まだ泡が出てるのに茶色くなるのは油の温度が高すぎるからよ。そうなったら火力を調整してね」
響「ポテトが揚がったら、キッチンペーパーに上げて粗熱と無駄な油分を取る……」
響「その後にポテトをビニル袋に入れて味付けの調味料と一緒に振る……で完成だったよね?」
雷「それであってるわ。じゃぁ味見を……(パリッ)うん、美味しいっ!イケるわ!」
暁「了解っ!さぁ、ガンガン揚げるわよ!」
響・雷・電「「「おー(なのです)!」」」
side:第七駆逐
曙「……で?どうするつもり?」
漣「もちろんノープラ―――っあいたぁ?!」
曙「申請出しておいてノープランはないでしょ……」
漣「それでも……それでもぼののなら何とかしてくれる……!」
曙「……はぁ、頼られるのは嫌いじゃないけど申請する前にちゃんと相談すること!わかった?」
漣「はいはい」
潮「それで、お料理はどうするの?申請取り消してきたほうがいいのかな……?」
曙「大丈夫、私が何とかするわ……みんな、意見をちょうだい。料理は何がいいと思う?」
朧「去年だとおつまみや手の込んだモノは空母や戦艦の人達が手掛けてるよね。ならそこは外した方がいいと思う」
潮「だよね、そうなるとちょっとしたお菓子やシンプルなお料理かな?」
漣「うーん……」
曙「何かいいたそうね?」
漣「あ、いやね?去年はソフトドリンクはお茶にオレンジジュース、大和さん持参のラムネ位だったからそっち方面はどうかなって」
潮「あ、私もそれ思った」
曙「その案はいいと思うわ。今年入った子も多いしドリンクの種類は多くても困らないでしょ」
朧「じゃあドリンクに決定だね。生絞りでもする?」
漣「潮の生絞りジュース、って言ったら憲兵さんが飛んできそう」
潮「ふぇっ!?」
曙「その手の弄りはうちの提督に効かないでしょ、話をズラさないの」
漣「あいあーい。で、ジュースでいいかな?」
朧「漣はどういう料理を申請したの?」
漣「至高の一品、潮の生絞りなら至高とも―――ったぁ?!」
曙「却下よ却下。……至高、ね……アイスでもホットでも飲めるレモンジンジャーはどう?」
曙「アイスはのどごし爽やか、ホットは身体が温まる。好みに合わせる事もできるけど」
漣「oh!ぼののナイスアイデア!それこそ至高である!」
朧「いいね、私も曙のレモンジンジャーは好きだから賛成」
潮「私も!決定かな?」
曙「そうね、これにしましょ」
至高のレモンジンジャー
材料:新生姜、砂糖、蜂蜜、レモン(果汁でも可)
曙「まずは生姜をすりおろすわ。漣、朧、ここにあるの全部ゴリゴリやっちゃって」
漣・朧「「了解~」」ゴリゴリゴリ…
曙「潮はお砂糖の計量をして水に溶かして」
曙「いつもの分量は生姜と砂糖、水が1:1:1位だから……袋二つ分ね。微調整用の蜂蜜もあるからきっちりしなくても良いわ」
潮「うんわかった」
曙「私は鍋にザルと漉し布を準備して……と」カタン
漣「おろし終わったよー」
潮「こっちも溶けました」
曙「準備完了ね。あとはゆっくりじっくり弱火で煮込むだけよ」
朧「レモンはどうするの?」
曙「レモンは煮込んだ後……生姜を漉し布とザルで漉した後に入れるわ」
曙「残った生姜は飲む時に適量混ぜてよし、そのまま食べてよし。繊維質たっぷりだから適量食べると……体調も良くなるわ」
漣「なるほど、ぼのたんのお通じの良さはこれが秘訣……と」ニヤニヤ
曙「ワザと濁したのよ!察しなさいっ!(///)」
side:夕雲型選抜
清霜「やっぱり戦艦になるには料理が出来ないと!」
早霜「脈絡がないわ」
夕雲「まぁ、清霜さんですからね」
巻雲「むぅ、世話を掛ける妹ですねー」
清霜「ねぇねぇ、何がいいと思う?やっぱり七面鳥とか焼いちゃう?それともおっきなステーキとか!」
早霜「七面鳥は七面倒なので却下です、いろんな意味で」
夕雲「ステーキと簡単に言っても焼き方一つで味も変わるわ」
夕雲「だから素人の私達より戦艦や空母の方々が作った方が美味しい物が食べられますよ?」
巻雲「餅は餅屋ですー!清霜も憧れだけじゃなくって現実を見るべきだよー」
清霜「それでもっ、私はっ、戦艦へのっ、夢をっ、諦めないっ!」
巻雲「それ全然関係ないよねー!?」
早霜「わかりました、提供料理はピースサイズピッツァという事で」
夕雲「えぇ、そうしましょう」
巻雲「あれぇ?!わかってないのって巻雲だけぇ?!」
清霜「よーっし、レッツクッキング!」
ワンピースがつかみやすいミックスピザ
材料:小麦粉、油、調味料、チーズ(+各種トッピング)
早霜「夕雲姉さんはトッピングを清霜さんと、巻雲姉さんは私と生地の準備を」
夕雲「わかったわ。清霜さん、こっちよ」
清霜「はーいっ!」
早霜「では巻雲姉さん、強力粉とドライイーストをふるいにかけましょう」
巻雲「あ、うん。―――トントントン……ってこれでいいの?」サラサラ…
早霜「上出来です。そこにぬるま湯とサラダ油、お塩を入れて……」
早霜「あぁドライイースト用にお砂糖もちょっとだけ入れるのを忘れずに……、これを捏ねていきましょう」グニッグニッ
巻雲「んっ、っしょ、んっ、っしょ……ふえぇ……結構辛いぃ……」グッグッ
早霜「んっ……んっ……、がんばってください、美味しいお料理の為です……」
巻雲「ん~……これくらいでいい?」プニプニ
早霜「えぇ、十分です……。これを一口サイズの円状に整形するまでが私達のお仕事……がんばりましょう?」
巻雲「りょーかい、がんばりますよぉー!」
夕雲「―――という具合に早霜さんが頑張ってるうちに私たちもやりましょうね?」
清霜「うんっ!で、で、で!何にするの?」
夕雲「素直に三種類くらいにしましょう。ウィンナーと玉ねぎ、ジャガイモとベーコン、シーフードでいいかしら?」
清霜「どれも美味しそう!」
夕雲「ふふっ、そうね。まずはウインナーは輪切りに、玉ねぎをくし切りにしてバターとガーリックで炒めたので一品」トントントン
夕雲「5ミリ位の厚さに切ったじゃがいもを弱火でじっくりホクホクに茹で上げて炒めたベーコンと一緒に絡めて一品」ジュッジュワッ
夕雲「解凍したシーフードミックスにオリーブオイルとオールスパイスを混ぜ合わせフライパンで火を通す……これで全部ね」カンカンッ
早霜「お待たせしました……生地は出来てますよ」
夕雲「ありがとうね、あとは具とチーズを載せてオーブンで焼き上げるだけね」
清霜「出来上がりが楽しみね!」
早霜「ひとつなぎの大秘宝……ではないけど、夢を追いかけるのも素敵。ひとつまみの美味しさも、ね……ふふっ」
side:白露型
時雨「申請、出してきたよ」
春雨「ありがとう、時雨ちゃん。では早速始めましょうか?」
村雨「異議なーし、ちゃちゃっと作っちゃいましょ……五月雨はまだ来ないの?」
白露「おおよそ他所でお手伝いを頼まれたかしてるんじゃない?そのうち来るって」
夕立「作るのって予定通りクッキーでいいっぽい?」
時雨「そうだね、食べやすいし残ってもおやつにできるもの」
白露「おっけー!じゃ、ヤッちゃいましょー!」
白露型『おーっ!』
会話も滑らかバタークッキー
材料:薄力粉、バター、砂糖、卵、ココアパウダー
村雨「手順は覚えてるかしら?」
時雨「問題ないよ。まずは常温に戻して柔らかくなったバターと砂糖を泡立て器で混ぜるんだ」
時雨「最初のうちは固いからひっくり返さないように気をつけて」
春雨「白くなるまで……、で合ってますよね?」カシュカシュカシュ
時雨「うん、あってるよ。ザラザラした感触がなくなってきたら卵を投入、更に混ぜ合わせたあとに半分に分ける」
時雨「ヘラに持ち替えて、片方はふるいにかけた薄力粉、もう一つはココアパウダーを混ぜてふるいにかけたもの」
時雨「これを各個で混ぜ合わせるんだ。しっかり混ぜないと粉っぽくなっちゃうから注意してね」
夕立「ぽいぽいっ、ぽぽいっ!ぽぽぽぽーいっ!」ガッガッ
白露「くぅ~っ、結構固い……」グヌヌ…
時雨「粉っぽさがなくなったら生地が完成だよ」
時雨「二色の生地を半分に分けて同じように棒状に、各色二本をより合わせて一本の生地にするんだ」
春雨「あとは冷蔵庫で冷やして成形、カットしてオーブンで焼けば完成ですね」
白露「お菓子作りって結構大変だなぁ……」
村雨「私もどっちかというと食べ専門かなー、でもたまには良いかも♪」
バタんっ!
五月雨「ご、ごめん!お手伝いに熱中しすぎて遅れたー!ってうわぁん!もう終わっちゃってるよー!ひーん!」
夕立「あわてんぼうの五月雨ちゃんはクッキング後にやってきたっぽい!」
アハハハー
モー!
side:那珂ちゃんとお姉ちゃん☆
那珂「という訳でぇー、オシャレな一品を作ろうと思いまーす!」
神通「パーティの席でプチライブをやると言ってませんでしたっけ……?」
那珂「それはそれ!これはこれ!アイドルならお料理だって出来ないとねっ!」
川内「で、何にするつもりなの?神通はともかく私はそこまで得意でもないよ?」
那珂「だいじょーぶ!メニューはクラッカーカナッペに決定済みだよ!あとは材料と盛付けだけ!」
那珂「神通ちゃんが調理して、川内ちゃんが盛り付け!那珂ちゃんは両方のサポートをする!これで完璧☆」
神通「専業なら……おそらくは大丈夫ですね」
川内「神通が大丈夫ってんなら大丈夫だね。よし、やろうか!」
那珂「おっけー!じゃぁクッキングスタートっ☆」
アイドルの嗜み、クラッカーカナッペ
材料:クラッカー(プレーン)、各種盛り付け具材
那珂「神通ちゃん、載せる具材はお肉とお魚の二種類でいこう!」
神通「わかったわ、まずお肉は鶏のササミをゆっくりボイルして……」クツクツ…
神通「一口大にほぐしてオリーブオイルと塩、黒胡椒、バジルに合わせたものでいいかな?」
那珂「上出来だよっ☆お魚は……くまちゃんがサーモン使うって言ってたなぁ……エビちゃんにしようっ!」
那珂「エビちゃんと卵をボイルしてー、細切れにカットしてー、ピクルスと玉ねぎをみじん切りっ!」
那珂「あとはマヨネーズで全部混ぜ合わせて塩コショウで味を調整ー、(ペロッ)……ん、グッド☆」
川内「あとは盛りつけだね。チキンの方はチーズを敷いてその上にカットトマト、その上に鶏肉を乗せる……」
川内「で、エビの方はレタスを敷いてその上に具を載せればいいんだよね?」
那珂「そそ、手順確認完了っ。じゃあパーティの前夜祭も張り切っていこー!」
川内・神通「「了解(です)っ!」」
side:球磨型
木曾(拝啓、冬の寒さも厳しさを増す中、どのようにお過ごしているだろうか)
多摩「に゛ゃ゛っ゛、ぎに゛ゃーっ?!」
木曾(私は元気だ。四人の姉も元気すぎて困っているくらいだ)
球磨「ヴォーっ!やっぱりこの味付けも不味かったクマーっ!あっはっはっは!」
木曾(というより姉がヤンチャし過ぎて困っている、頼む助けてくれ)
大井「あぁ、北上さん……北上さんが……うふふ」
北上(膝枕で気絶中)
木曾(……さて、現実逃避も限界だな)チャキッ
ズドンっ!!!
球磨・多摩「(ビクゥッ)」
木曾「姉さん、美味しい料理を作ろうと努力するのは結構」
木曾「……だが、食材でお遊びが過ぎるのはいただけないな……ん?どうなんだ?」キッ
球磨・多摩「「ご、ごめんな(にゃ)さい(クマー)……」」
木曾「結構。姉さん、次は『真面目に』料理をしよう」
姉妹喧嘩のサーモンカルパッチョ
材料:サーモン、玉ねぎ、レタス、ニンニク、オリーブオイル、パルメザンチーズ
木曾「基本に忠実でいこう。球磨姉さん、サーモンを捌いて。ハネ切り(刺身切り)でも角切りでも好きな方で」
球磨「了解クマー」スッスッスッ
木曾「多摩姉さんは玉ねぎをスライサーで薄切りに、ついでにレタスも手のひら大にカットして玉ねぎと一緒に冷水でシメてくれ」
多摩「了解にゃ」シャッシャッシャッ
木曾「俺ははニンニクをスライサーで薄切りに、中火の油でガーリックスライスを作って粗めに砕く……」バリッゴリッパリッ
木曾「あとはサーモンと玉ねぎ、ガーリックをオリーブオイルで混ぜるだけで完成だ」
木曾「食べる時に適量のパルメザンチーズをかけてレタスで巻いて食べれば立食でもいけるだろ」
球磨「完成クマー!」
多摩「美味そうにゃー」
木曾「一応出来たが、まだまだ量が足りてないんだ。姉さん達も手を動かしてくれ、どんどん作らないとな」
side:妙高型
足柄「よぉーっし、カツ揚げるわよ~!」
那智「やれやれ……そこまで気合を込めずとも良いじゃないか?」
足柄「愚問ね!毎年私は“コレ”を出してるの!今年も私の“コレ”を待っている人が居るのよ!気合が入るに決まってるじゃない!」
妙高「昨年も人気だったものね、今年はもう少し増量したほうがいいかしら?」
羽黒「あ、そういえば……街のお肉屋さんも私達の分を別口で取り置きしてくれたみたい。足柄姉さんによろしくですって」
足柄「そうなの?大将太っ腹!後でお礼言いに行かないと!」
那智「だな。だがその前に作るとするか」
妙高「そうね、じゃあはじめましょう」
手のひらサイズの勝利と豚ヒレ一口カツ
材料:豚ヒレ肉、生姜、黒胡椒、小麦粉、卵、パン粉
足柄「まずは成形で白いスジを切り取っていきましょう!」
足柄「整形しなくとも美味しいし、少し勿体無いけどこの一手間が美味しくする秘訣よ!」シュッ、ズズズッ
那智「卵はいつも通り溶いておけばいいか?」カパッ
足柄「お願い。成形が終わったら厚さ1センチ位でカットするわ」シュッシュッシュッ
足柄「ヒレはじっくり火を通せば厚切りでも柔らかいから食べごたえ十分よ」
羽黒「小麦粉とパン粉、プレートに広げました!」カタンッ
足柄「ありがと。じゃ、カットしたヒレ肉におろし生姜と黒胡椒をすり込んで……羽黒、バトンタッチ!」パッパッ
羽黒「はいっ。小麦粉をつけて、卵をくぐらせて―――那智姉さんっ」トプンッ
那智「うむ、パン粉をたっぷりまぶして全体が馴染むまでゆっくり休ませる……妙高姉さん、油の具合は?」ッギュッギュッ
妙高「量も温度もばっちりよ。出来た端から揚げていくわね」ジュワーッ!
足柄「了解っ、私もカットが終わったらそっちに入るわ。さぁ、どんどんいくわよ~!」
side:利根型
利根「さて、どうするかの?」
筑摩「やはり私達は二人だけですからそこまで凝った物をたくさん作るのは難しいですね……」
筑摩「最上型の方々にもお手伝いお願いしましょうか?」
利根「それも良いのじゃが……儂は筑摩の料理が食べたいのじゃぁ……」
利根「他の子達の料理が不味いという訳ではないが、やはり筑摩の料理が舌に合うからのぅ……」
筑摩「……ふふっ、わかりました。では簡単な仕込みで量を確保できるパスタにしましょう」
利根「おぉ、そうか!筑摩がそういうのであれば間違いはないな!期待しておるぞ!」
利根姉さんのお願いパーティパスタ
材料:乾麺(パスタ各種)、各種ソース、香辛料等
筑摩「ではスタンダートな『ナポリタン』からいきましょう」
筑摩「玉ねぎ、ウインナー、ピーマン、マッシュルームを食べやすい大きさにカット、少ない水で茹でて火を通します」クツ クツ クツ
筑摩「出てきたアクを取り除いてコンソメを適量、ホールトマトを潰しながら入れればナポリタンソースの出来上がり……」
筑摩「あとは茹で上がったパスタに絡めて少しフライパンで炒めるだけ……次ですね」ジャッジャッ
筑摩「次は『クリームペンネ』、バターをフライパンに溶かして同量の小麦粉を弱火でじっくり炒めます」
筑摩「トロトロになってきたらコンソメと牛乳、溶けるチーズを足してホワイトソースを作ります」コトコト
筑摩「並行して別のフライパンで鶏肉を一口大にカットしたものをオリーブオイルで炒めます」
筑摩「軽く焼き目がついたらそこに玉ねぎ、人参、グリンピースを入れて熱を通してからホワイトソースへ」
筑摩「これをペンネやマカロニにかければ完成……チーズとパン粉をかけてグラタンにするのは時間が足りないですね……次」
筑摩「みじん切りにしたニンニクをオリーブオイルで輪切りの鷹の爪と一緒に弱火から中火位でフライパンを使って炒める」ジャッジャッ
筑摩「その間に玉ねぎ、ピーマン、ベーコンをカット。フライパンからピリッと辛い香りがしてきたら具材を入れて炒める……」
筑摩「そしてパスタをそこに入れて黒胡椒で調味すれば『ペペロンチーノ』完成ね」
筑摩「……あともう一品、『和風スパ』にしましょう」
筑摩「ほうれん草、しめじ、ベーコンをカットして食べやすく、これを醤油、みりん、鰹だしの汁で炒めます」
筑摩「好みで砂糖をちょっと足してもいいかしら?馴染んだらパスタを入れて絡めるだけ」
筑摩「食感と見た目にかいわれを刻んで絡めましょう。あとは盛り付けて刻み海苔をパラパラとかければ……うん、上出来です」
利根「いいにおいー……。ちくまー、お腹すいたのじゃー……」
筑摩「味見用の物をあげますから我慢してください、もう少しの辛抱ですからね」
side:軽空母選抜
隼鷹「クリスマスっていやぁシャンパンかワインだよなぁ……何がいいかねぇ?」
飛鷹「肉物、魚物、野菜にデザート……選択肢が多いわよね」
鳳翔「洋食は勉強中なので私は調理補助に徹しておきます」
隼鷹「鳳翔さん、勉強中といってもこういうのがいいってのはあるでしょ?」
鳳翔「無いことはないですが……」
鳳翔「提督から申請メンバーを確認したのですが、鶏肉はあっても牛肉……ローストビーフが無いかもしれません」
飛鷹「意外ね、大和さんの組か最上型の彼女が作ると思ったけど」
鳳翔「大和さんはスープにするそうですよ。最上型は今年はゆっくりしたいから参加を見合わせたみたいです」
隼鷹「なら決まったも同然だね、やろうよ」
飛鷹「そうね、やらない理由はないわね」
鳳翔「わかりました、ではそのように材料を集めてきますね」
隼鷹「よろしくねーん」
軽空母選抜
材料:牛肉(モモブロック)、ニンニク、生姜、玉ねぎ、ワイン
隼鷹「じゃ、始めっかね~……まずはブロック肉の成形だね」
隼鷹「焼き色を付けやすいようになるべく肉の一面一面が平らになるように刃を入れて……」
隼鷹「端材は青椒肉絲用に避けとくかね、っと。飛鷹?」
飛鷹「ニンニクと生姜、すりおろしてあるわ。こっちのパレット(受け皿)によろしく」カタンッ
隼鷹「おっけー。鳳翔さん、フライパンはどう?」
鳳翔「中火でひいてあるオリーブオイルもしっかりあったまってます。いつでも焼きに入れますよ」ジュー…
飛鷹「最初に塩、次に胡椒、その上からニンニクと生姜をすり込んで……こっちも良いわ」ペタペタ
隼鷹「あいよっ、じゃあ牛肉の一面一面を焼き目が付くように順番に焼いていくよ。……飛鷹」ジューッ!
飛鷹「オーブンの予熱、150℃だったわよね。準備できてるわ」カリカリ…
隼鷹「よきかなよきかな、焼き目が付いたらクッキングシートにくるんで竹串で数カ所に穴を開けてじっくり熱を通すよ」プスップスッ
隼鷹「鳳翔さん、フライパンの肉汁でソース作りお願いね」
鳳翔「はい、ではフライパンを拝借して……。みりんと醤油、日本酒で調味して……(ペロッ)ん、上出来です」
鳳翔「あとは薄くスライスした新玉ねぎを用意しましょう」シャッシャッシャッ
飛鷹「流石鳳翔さんね、ソツがないわ。……っと隼鷹、そろそろいいんじゃない?」
隼鷹「だねぇ。余熱が飛んだら一度冷蔵庫へ入れて、それから薄切りカットしていこうか。ふふん、我ながら上出来だねぇ」パタム
鳳翔「きっとみなさん喜んでくれますよ。ささ、私達も会場設置の手伝いに次に行きましょう」
side:正規空母後輩組
瑞鶴「うぐぐぐぐ……」
翔鶴「瑞鶴……そこまでこだわらなくてもいいんじゃないかしら?」
瑞鶴「それはそうだけどさぁ……無茶振りでも加賀さんに『出来ないの?』って鼻で笑われたら、出来ませんとは言いたくないもん!」
天城「ではお手伝いをお願いすればいいのでは……?加賀さんも押し付けて知らんぷり、なんてされないはずですし……」
瑞鶴「出来ないわけじゃないけど……あの人、和菓子専門なのよ」
瑞鶴「和風洋菓子ならともかく普通の洋菓子は興が乗らないって、だから私に押し付けてきたのよ」
葛城「瑞鶴先輩って加賀先輩の事、いろいろ知ってるんですねぇ」
瑞鶴「そりゃ、超えたい相手を知らなくちゃちゃんと超えられたか判らないじゃない。尊敬してるからこそ負けたくないのよ、私は」
雲龍「良い向上心ですね、私達も見習わなくては……」
瑞鶴「という訳で『足りなくなるであろう甘味を作りなさい』という無茶振りをこなすわよ!翔鶴姉ぇ、みんな、力を貸して!」
積み重ねのミルクレープ
材料:薄力粉、牛乳、卵、バター、砂糖、生クリーム、フルーツ(飾り、トッピング用)
瑞鶴「手順は簡単、材料を焼いて、クリームとフルーツをのせて重ねていくだけ!」
瑞鶴「まずクレープ生地。卵、バター、砂糖を混ぜてそこにふるいにかけた薄力粉を混ぜるの」
瑞鶴「全体的に馴染んだら、そこに牛乳を少しずつ足し足しで生地を伸ばして」
瑞鶴「大体牛乳:卵:薄力粉が3:1:1くらいになるのがちょうどいいわ。……雲龍、天城、生地の準備よろしく!」
雲龍「わかったわ」サラサラ…
天城「了解です」カッカッカッ
瑞鶴「次はクリーム……砂糖と生クリームを入れたボウルを冷やしながら泡立て器でひたすらかき混ぜるだけ。葛城、出来るわね?」
葛城「お任せあれっ!」カチャカチャカチャッ
瑞鶴「翔鶴姉ぇはトッピングと挟み込むフルーツのカットをお願い。薄めの方がいいわよね……スライサーってあったっけ?」
翔鶴「えっと……(ガチャガチャ)あ、あったわ。こっちは任せて」
瑞鶴「よろしくね。じゃ、私はクレープ生地を焼くフライパン準備しなきゃ。中火でバターを溶かして余分はキッチンペーパーで拭き取る……と」シュッ
雲龍「生地、第一陣できたわ」コトッ
瑞鶴「ありがと!じゃ、生地作りは天城に任せて雲龍は私とクレープ生地を焼きましょう。お玉で生地を流し込んで薄く広げる……と」
瑞鶴「焦げないように注意しつつ固まって焼きいろが付いたらひっくり返すの。生焼けだけは注意してね?」ジュー…ッ
瑞鶴「両面が焼き上がったら皿か……揚げ網があればそこで冷ましましょ」
瑞鶴「あとはフルーツと生クリームを載せながら一枚一枚重ねるだけ……そこは翔鶴姉ぇが受け持ってくれるから問題ないわ」
瑞鶴「―――さぁ、時間いっぱいまでやるわよっ!」
side:金剛型
金剛「―――クリスマス……、去年は辛酸を舐めたのデース……」
霧島「想定していたとはいえ、あそこまでズレがあるとは私も思っていませんでした……」
榛名「榛名もです。不味い不味いと言われていましたが、食べられる物になると……思ってました……」
比叡「いやー、凄かったですよね。“鰻のゼリーよせ”……。料理音痴の私でもアレは無いと言えます……」
金剛「そも、漣に誑かされたのが間違いだったのデース!」
金剛「『余った料理は作った者が責任を持って食すべし』、テートクがネタに走らぬように定めた条文が私達に牙を剥くとは……」
金剛「ウップス、思い出しただけで……バッド!去年があの有様だったからと料理の注目度が下位というのは許せないのデース!」
金剛「目にもの見せて上げマース!メニューはイギリス料理のフィッシュパイ!これで汚名返上を狙うネー!」
比叡「わかりましたっ!私も全力でサポートしますっ!」
榛名「同じく榛名、微力ながらサポートいたします!」
霧島「器具も材料も万全です。号令を」
金剛「オゥケーイ!レッツクッキンターイム!」
汚名返上のフィッシュパイ
材料:白身魚(何でもよし)、エビ、ジャガイモ、玉ねぎ、人参、ほうれん草、しめじ、卵、粒マスタード、ドライパセリ
金剛「榛名、下ごしらえを!玉ねぎ、人参、ジャガイモを5㍉サイズの角切りに!」
金剛「鍋は二つ、玉ねぎと人参で一つ、ジャガイモで一つで茹でるのデース!」
榛名「了解ですっ!」トントントンッ
金剛「ほうれん草としめじをザク切りにカットし、白身魚、エビと共にスチームで蒸し上げ火を通しマース!」ザクッザクッ
金剛「霧島、スチーマーの貸出は?」
霧島「残念ながら、ですが電子レンジでも代用できますのでそちらで熱を入れているので問題ないかと」
金剛「ナイス機転デース!比叡、ゆで卵は出来てますよネ?」
比叡「はい、固ゆでにしてぶつ切りカットまで出来てます!焼き皿も準備完了です!」トントントンッ
金剛「グッド!榛名、ジャガイモ鍋を比叡に引き継ぎを!もう一つの鍋に生クリーム、レモン汁、粒マスタードで味を調整!」
金剛「ピリッと爽やかにまとまったらチーズを足して焦がさないように煮込んでくだサーイ!」
金剛「比叡はワタシがオリーブオイルと塩コショウで味を調整するのでポテトをひたすら潰すのデース!」
榛名「お任せあれ!」コトコト…
比叡「気合っ、入れてっ、潰しますっ!」ギュムッギュムッ
霧島「金剛お姉さま、白身魚が蒸し上がりました。卵と一緒に焼き皿に盛り付けても?」
金剛「お願いするネー!榛名、クリームソースの具合はー?」
榛名「(ペロッ)ん、大丈夫です!イケます!」
比叡「こちらもマッシュポテト上がりましたっ!」
金剛「オゥケーイ!ではシーフードにソースをかけてその上からマッシュポテトで蓋をするように盛りつけをするのデース!霧島!」
霧島「220℃でオーブンの準備完了してます。いつでも焼けますよ」
金剛「エクセレント!では焼き色が付くまで片っ端からバーニングクッキンネー!」
side:超弩級戦艦
コンコンっ、ガチャッ
長門「―――待たせたな、クリスマスの申請用紙が出揃ったと聞いて来たぞ」
大和「あぁ、長門さん。お世話になりますね」
陸奥「いいのよ。料理のバランスとってくれる大和の手伝いをして欲しい、って提督からもお願いされてるし」
大和「もう……過保護ですね」
武蔵「もうちょっと素直に喜んでもいいんだぞ?」
陸奥「大和は提督のこと大好きだものね?ふふっ」
大和「ううっ……恥ずかしいです……」
長門「大和が可愛らしいのはわかった。で、料理は何にする予定なんだ?」
大和「んんっ、えっとですね……多かったのが鶏肉料理と濃厚な乳製品の系統ですね」
大和「なのでさっぱりしたスープ、お腹にたまるヘルシー野菜をたっぷり使ったミネストローネにします」
陸奥「ヘルシー……ね。気にする子は少ないけど、濃い味ばかりの料理だと箸休めが欲しくなるものね」
大和「新しくイタリア艦の子達も来ましたし、話のタネにしたり出来るようにと」
大和「……ホームシックはここに馴染むことで和らげてあげられますし……」
長門「うむ、同じ艦隊の仲間と親睦を深めるのは良い事だな」
武蔵「ならば我々も手を尽くそうか。味見はいくらでもするぞ」
大和「貴女もお手伝いしなさい!」
心も身体も温まるミネストローネ
材料:ホールトマト、ミックスビーンズ、ニンニク、玉ねぎ、白菜
大和「ニンニクをみじん切り、玉ねぎを角切りにします。それをフライパンにオリーブオイルをひいて弱火から中火で炒めます」トントントンッ
大和「長門さん、白菜のは部分をザク切りに、芯の部分は角切りにしてフライパンへ。ミックスビーンズは水で戻しておきましょう」
長門「心得た」ザクッザクッ
大和「陸奥さんはベースのブイヨンのお世話をお願いします。ブイヨンスープにホールトマトを入れて潰さず煮立てず混ぜてください」
大和「ブイヨンで味は十分、仕上げの微調整だけでも美味しい出来になりますからね……」
陸奥「了解、任せて」チャポン、クツクツ…
長門「大和、大分火が通ってきたが……どうだ?」スッ
大和「はい、玉ねぎも透明になってきてるので大丈夫ですね。ミックスビーンズと一緒に陸奥さんのブイヨン鍋に入れてください」
大和「あとはローリエを数枚入れてゆっくり煮込みつつ味を調整するだけですね」パラッ
武蔵「よし、味見はこの私に任せるがいい」
大和「それは仕上がりの粉チーズとドライパセリも含めて……ってお酒飲んでないで手伝いなさい!」
武蔵「目出度い日なんだ、細かいことは良いじゃないか」クイッ
大和「んもぅ……パーティで食べられなくなっても知らないからね?」
side:ドイツ組
レーべ「申請してきたよ。これでボク達もワインが飲めるね」
マックス「えぇ。やはり良い日には聖者の血は欠かせないわ」
レーべ「こっちに来た時はびっくりしたよ、ワインを飲んじゃダメってルールがあるなんて知らなかったし」
U-511「アルコールがダメ、って言ってた……。料理にもお酒使うのにね……?」
マックス「そうね、けどグリューワインもダメって言われなくてよかった。提督も寛容な人なのね」
プリンツ「あー、アレは建前上必要だからーって感じだったね?」
プリンツ「ココは個々の裁量で自己責任においてなら色々やってよし、ってスタンスみたいだし」
レーべ「許可が出るって事は信頼されてるんだよね。ならボク達も提督さんの信頼に答えないとね」
プリンツ「うんうん、そうだねー。じゃ、用意始めよっか?」
レーべ・マックス・U-511「ヤー!」
酒飲み候補生達へのグリューワイン
材料:ワイン、砂糖、オレンジピール、シナモン、スターアニス、クローブ
プリンツ「まずはスパイスから準備するよー!お鍋に水とシナモン、スターアニス、クローブ……」ザラザラ…
プリンツ「あ!オレンジピールって準備できてる?」
マックス「私がやっておいたわ、オレンジの皮を乾燥もしっかり終わって香りもいいわ」スッ
プリンツ「(クンクン)おぉー、良い仕事ですね!じゃ、それも入れてゆっくり煮込むーっと」
U-511「濾過器、準備できた……よ」スッ
プリンツ「ん、ありがとー!じゃ、お砂糖と赤ワインをいれて香りが馴染むまで弱火で温めましょう!」
プリンツ「あ、煮立てちゃうとアルコール飛んじゃうから気をつけてね?」
レーべ「ん、わかってるよ」クツクツ…
プリンツ「あとはスパイスを濾過器で取り除いて、っと。あ、レモンやベリージャムはどうしよっか?」
レーべ「卓上に添えておけばいいんじゃないかな?個々で好みがあるだろうから」
プリンツ「ん、そうだねー。じゃ、全部揃ったら会場にもっていこー!」
side:イタリア組
ローマ「……で、決まったの?」
リベ「うーん、うーん……アンティパスト、カンネッローニ、バッカラフリット……色々ありすぎて迷っちゃうよー……」
リットリオ「そんなに困るなら貴女の一番好きな料理にしましょう?悩んでも時間だけが過ぎちゃうわ。生誕祭までもう時間がないわ」
リベ「ワタシの一番……、一番は……うん、やっぱりパネットーネ!今年はニホンに来てたから食べられなかったから……」
ローマ「決まりね、じゃあ私は材料確保してくるわ。姉さんは準備、リベッチオはその補助をするように」
リットリオ「了解です。ささ、いきましょ」
リベ「あ、うん!ありがと!」
リットリオ「……ふふっ、実はローマも私もパネットーネが無くて寂しいって言ってたの。提督には内緒よ?」
リベ「そうなの?うん!内緒ね!」
ローマ「……姉さん、出来れば私の聞こえないところで言って欲しかったわ……恥ずかしい(///)」
突然参加のパネットーネ
材料:強力粉、アーモンドパウダー、卵、牛乳、バター、ドライフルーツ、ドライイースト(パネットーネ)
ローマ「戻ったわ。……残念だけどパネットーネ酵母がなかったわ、モドキになるのはしのびないけど我慢しましょう」
リットリオ「あらら、それは仕方ありませんね……ともかく始めましょう」
リットリオ「まずは生地作り……強力粉、アーモンドパウダー、ドライイーストをふるいにかけて、っと」
リットリオ「そこに卵、バター、牛乳、お砂糖を加えて練り上げます。リベッチオはドライフルーツを水で少し戻してくださいな」トントントンッ
リベ「はーいっ!」チャポンッ
ローマ「熟成室の場所確保も一晩分予約してあるわ、ドライフルーツと生地を混ぜたらそこに持っていきましょう」
ローマ「発酵途中のガス抜きも私がしておくから心配しないで」
リットリオ「わかった、お願いね」
――― 翌朝 ―――
リットリオ「―――ん、いい感じに発酵してるわ。ローマ、ありがとね」
ローマ「お礼なら美味しく出来上がってからよ。では生地を切り分けて型に入れましょう。リベッチオ?」
リベ「出来てるよ!型にちゃんとバターも塗って準備万端!」フフーン!
リットリオ「では詰めていきましょう。終わったらもう一度熟成庫で一時間休ませてから焼きあげましょう」
ローマ「オーブンの予熱をしておくわ。180℃で15分……これで良かったはず」
リットリオ「あぁ、ついでに霧吹きを借りてきて。オーブンに入れる前に少し湿らせておかないと」
ローマ「あぁ、そうでしたね。今からとってきますよ」
リベ「ねぇねぇ、他に何かお手伝い出来る事ない?」
リットリオ「そうね、じゃあ美味しくなりますようにって一つ一つ丁寧に詰めましょうね?」
リベ「うんっ!えへへ、楽しみ~♪」
提督「―――という事でみんなのおかげで今年も素敵なクリスマスパーティを開くことができた、ありがとう」
トウゼンノコトヨ!
ソリャエンカイヲタノシムタメダシ
オサケ、トリアゲルワヨ
提督「本来ならいくらか言葉を重ねたほうが良いんだろうが……料理の匂いが気になってな?気が気じゃないんだ。すまないね」
アラアラ
ジシンサクッポイ!
提督「なので口上はなし、今夜はゆっくり食べて笑って楽しむことだけを考えよう!飲み物は持ったか?では―――メリークリスマス!」
『メリークリスマース!』
終
某所で提案されたクリスマス企画に乗っかって書いた。反省はしていない、後悔はしている
時間が足りなすぎ…もっと時間かけて書けば良かった……パーティまで書くと年明けだよ!
ちなみに登場してない子達は会場準備に回ったりしてます。嫁がいなかった人はごめんなさい
多少の端折ってる部分はありますが、この通りに作ればちゃんと出来上がる程度のレシピにはなってますのでどうぞお試しあれ
では皆様、素敵はひと時を。ハッピーホリデー!
おまけ:レシピ目次
第六駆逐隊
レディ達のポテトチップス >>4
第七駆逐隊
至高のレモンジンジャー >>6
夕雲型選抜
ワンピースがつかみやすいミックスピザ >>8
白露型
会話も滑らかバタークッキー >>12
那珂ちゃんとお姉ちゃん☆
アイドルの嗜み、クラッカーカナッペ >>14
球磨型
姉妹喧嘩のサーモンカルパッチョ >>16
妙高型
手のひらサイズの勝利と豚ヒレ一口カツ >>18
利根型
利根姉さんのお願いパーティパスタ >>20
軽空母選抜
お酒の席にローストビーフ >>22
正規空母後輩組
積み重ねのミルクレープ >>24
金剛型
汚名返上のフィッシュパイ >>26
超弩級戦艦
心も身体も温まるミネストローネ >>28
ドイツ組
酒飲み候補生達へのグリューワイン >>30
イタリア組
突然参加のパネットーネ >>32
修正
>>22
料理名:×軽空母選抜 ○お酒の席にローストビーフ
材料:×ワイン ○日本酒
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