穂乃果「最近海未ちゃんが叩いてくる……」 (63)

~~~~~


ことり「穂乃果ちゃん遅いね……」

海未「寝坊ですかね……?まったく穂乃果ときたら―――」

ことり「あ!ホノカチャン!」

穂乃果「うわわっ!ご、ごめんね!」タッタッタ

海未「穂乃果っ!」

穂乃果「はぁ……はぁ……え、えへへ!目覚ましが壊れたみたいで!」

海未「壊れてたみたいで……じゃありませんっ!」ぺちんっ

穂乃果「いたっ!?」

海未「そういう時はすぐに連絡をくださいと
毎回言ってるじゃないですかっ!」

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穂乃果「うぅ……だからって叩くことないじゃん……ことりちゃ~ん!」ウルウル

ことり「だ、大丈夫?穂乃果ちゃん」ナデナデ

穂乃果「うえ~ん!海未ちゃんが叩いたぁ……」ギューッ

海未「お、大げさすぎます!だ、大体穂乃果が悪いんじゃないですか
……穂乃果が……」モゴモゴ

穂乃果「ふーんだ!ことりちゃ~ん!」ハグーッ

ことり「あは、あははっ」アセアセ

海未「むぅ……」

――――
―――
――

放課後 部室

穂乃果「ってことが今朝あったんだ」

真姫「ふーん、いつもの登校風景じゃない」

穂乃果「いつものじゃないよ!真姫ちゃんのにぶちん!
絵里ちゃんなら気づいたよね!?」

真姫「なっ!にぶち……」ガーン

絵里「えっ?……そうね、悪いけど私にもいつもの登校風景としか……」

穂乃果「ええっ!絵里ちゃんまで!?」

真姫「ほら、エリーだって気づいてないでしょ?私が鈍いわけじゃないわよ」フフン

穂乃果「うぅ……頭のいい二人だったら
いい案出してくれると思ったんだけど……失敗だったかなぁ……?」

絵里「えっと、その今朝の話と私達を呼んだのは何か関係があるの?」

穂乃果「もちろん大有りだよ!」

真姫「相談に乗ってほしいなんて言うから何かと思えば……
目覚ましの直し方はなんて知らないわよ?」

穂乃果「もう目覚ましのことはいいから!
……ねえ、最近おかしいと思わない?」

絵里「おかしい?」

真姫「何がよ?」

穂乃果「もうっ!海未ちゃんの様子がだよ!」

真姫「海未の様子が?」

穂乃果「今朝の話をしたでしょ!明らかにいつもの海未ちゃんじゃないよっ」

真姫「はあ?どこがよ?」

穂乃果「よく思い出して!……海未ちゃんの怒り方とか!」

絵里「怒り方……?……あっ!」

『壊れてたみたいで……じゃありませんっ!』ぺちんっ

絵里「穂乃果のことを叩いてた……?」

穂乃果「そう!それだよっ
ちょっと前の海未ちゃんならこんなことくらいで叩かないもん」

真姫「そうだったかしら?穂乃果を叩く事は結構あった気も……」

穂乃果「むー……確かにあったかもしれないけど……
でも最近は明らかに多すぎだよ!ほらっ、練習のときだって―――」

――――
―――
――


海未「……何か言い訳はありますか?」

穂乃果「い、嫌ですねその……お饅頭が売れ残りすぎちゃって
……ほら、腐っちゃうとあれだし!」

海未「―――貴方は何回同じことをすれば気が済むんですかっ!」ぺちんっ

穂乃果「うぐっ!?」

海未「毎回毎回!なぜそんなにすぐ体重を増やしてしまうんですかっ!」

穂乃果「だ、だって……帰ると和菓子が用意されてるんだもん……」

海未「なら夕ご飯を減らせばいいでしょう!?」

穂乃果「ご、ご飯は別腹と言いますか……」

海未「何を言ってるんですか!」ぺちんっ

穂乃果「あいたっ!?」

海未「毎回毎回穂乃果ときたら……そんなに残ってるなら私のことを呼んでくれたって―――」ブツブツ

穂乃果「うぅ……二度もぶった……」

海未「―――もう!今日は徹底的に絞りますよっ!穂乃果は特別メニューです!」

穂乃果「げげっ!?」

海未「まずはマラソン100週からですっ!行きますよっ!」

穂乃果「ひゃ、100はさすがに多くない!?無理だよ!う、うみちゃああああああんっ!」

――――
―――
――


真姫「あー。そういえばやってたわね」

穂乃果「ここだけで二回だよ!そのあとも穂乃果がへばる度に叩いてくるし……」

絵里「で、でも悪いのは穂乃果みたいだし……海未なりの喝入れとかじゃないの?」

穂乃果「入れるにしてもほどがあるよ!だから思うんだ……
海未ちゃんは穂乃果のことが嫌いになったんじゃないかって……」

絵里「海未が穂乃果のことを嫌いねぇ……」

穂乃果「きっと穂乃果がダラしないから見放しちゃったんじゃないかって……」ブルブル

真姫「はぁ……考えすぎじゃないの?」ヤレヤレ

穂乃果「だって急にだよ!?きっともう嫌になっちゃったんだよ……穂乃果の事……」

絵里「ああもう、よしよし……」ポンポン

穂乃果「ぐっす……、ありがと……」

真姫「まったく見てられないわね……
で、私たちに海未の真意を確かめる案を出してほしいっところ?」

穂乃果「う、うん。色々考えたんだけどやっぱり原因がよくわからなくて……
二人に相談すれば原因がわかるかなって!ほらっ二人とも頭がいいし!」

真姫「まあ確かに頭は良いけど……
2人の事ならことりに相談したほうがいいんじゃないの?」

穂乃果「うっ……ことりちゃんには話しにくくて……」

絵里「まあそうよね……」

穂乃果「だからお願い二人とも!どうか穂乃果を助けると思って……!」

真姫「はぁ……まったく……しょうがないわね」

穂乃果「真姫ちゃん!」ぱあぁぁっ

絵里「悩んでる穂乃果をほっとけもおけないものね」

穂乃果「絵里ちゃんっ!」ぱあああっ!

絵里「ふふっ、お礼はジュースでいいわよ♪」

真姫「私はトマトジュースね」

穂乃果「うぅ……二人とも!ありがとうっ」もぎゅーっ

真姫「ちょ、ちょっとダキツカナイデ///」

絵里「もうっ、穂乃果ったら」クスクス



真姫「それでエリーは何かいい案はある?」

絵里「とりあえずぱっと思いついたのなら一つだけあるわね」

穂乃果「さ、さすが絵里ちゃん!その方法は!?」ウルウル

絵里「さっき自分でも言ってたでしょ?ダラしないから見放したってつまりは―――



~数十分後~

穂乃果「なるほどなー……じゃあその辺りを
明日から早速気を付けてみるね!」タッタッタ

絵里「ええ、その辺りを気をつければ
だらしなさが原因だとしたらマシになるとは思うけど……」

穂乃果「よし……これで海未ちゃんと……!
じゃあ2人とも今日はありがとう!また明日、お昼休みに報告するねっ!」タッタッタ



真姫「ふぅ……、何かと思えばあの二人がそんなことになってたなんてね
ねえ、エリーはどうおもうの?」

絵里「……そうね。海未が穂乃果を嫌ってるってのはありえないとして……
本当に何かあったのかしら?」

真姫「だらしなさに飽きれ、手が出た……ってんならいいんだけどね」

絵里「そうね……」

~~~~~
次の日 お昼休み

穂乃果「うわあああああんっ!絵里ちゃーんっ!真姫ちゃん!」ウルウル

真姫「で、こうなるのね……」

絵里「ちょ、ちょっと大丈夫?なにがあったの?」ヨシヨシ

穂乃果「う゛ん……ぞれ゛がね゛……」

真姫「ああもう、鼻くらいちゃんと拭いてから話しなさいよねっ!」ハイッ

穂乃果「うう……」チーンッ

――――
―――
――



穂乃果「ふふふっ……時刻は7時30分……いつもの待ち合わせの30分前!」

穂乃果「さすがにこの時間なら海未ちゃんも来てないよね!」エッヘン

穂乃果「昨日、絵里ちゃんに教えてもらったポイントその1
待ち合わせ場所には一番早く行くこと!まずは達成だねっ」

穂乃果「思えばいつも穂乃果が最後だったもんね~
でもこれならきっと海未ちゃんも……!」

穂乃果「早くこないかなっ!」ワクワク




~十数分後~

海未「ん……あれは……穂乃果!?」

穂乃果「あっ!海未ちゃーん!」ブンブン

海未「ど、どうしたんですかこんなに早く!?
今日は体育祭でも文化祭でもありませんよ!?」

穂乃果「こ、こんなにってもう約束の数十分前だよ?」

海未「い、いつもは大体5分前じゃないですか!
穂乃果が私より先に来るなんてイベントの日くらいしか……!」

穂乃果「むぅー!穂乃果だってたまには早い日だってあるもん!」

海未「あ……も、もしかして雪穂と喧嘩でもしたんですか?」

穂乃果「モー!穂乃果の事どういう目で見てるのさっ!
まったく、絵里ちゃんの言う通り早く来てよかった!」プンプン

海未「……絵里のですか?」

穂乃果「うん!昨日の放課後に絵里ちゃんに色々教えてもらってね!
それで今日は早くこようとね!」エッヘン

海未「……」ぺちんっ

穂乃果「あいたっ!?」

海未「……」

穂乃果「い、今なんで……?」

海未「甘いです!甘すぎますっ!」

穂乃果「う、うぅ……?」

海未「昨日の放課後に!絵里と二人きりで!何をしていたのかは知りませんがっ!
こういうのは一日で達成感を得てはいけないのです!」ぺちんぺちん

穂乃果「ええっ!?」

海未「明日も!明後日も!明々後日も!
きちんと続けてこそなんです!」ぺちんっぺちんっぺちんっ

穂乃果「ううぅ絵里ちゃぁぁぁんっ!」

海未「っ!」ぺちんっ




ことり(……なんだかすごいことになってる)

――――
―――
――


穂乃果「って感じだったんだよっ!全然ダメだったよぅ絵里ちゃん!」

絵里「う……どうやら完全な失敗だったみたいね……」

真姫「まあそんな気がしたけどね」

穂乃果「ふぇ?」

真姫「だって穂乃果と海未はずっと昔からの付き合いなんでしょ?
今更すぎるじゃない」

絵里「言われてみれば確かにそうね……」

穂乃果「絵里ちゃん……」ジトー

絵里「うっ……そ、それより真姫には何かいい考えはあるのかしら!?」

真姫「もちろんよ」フフンッ

穂乃果「おおっ!さすが真姫ちゃん!それでそれで?」

真姫「ふふっ、
要するに海未に嫌われてないかが知りたいってことなんでしょ?」 

穂乃果「うん……できれば原因も知りたいけど、一番はそこかな……」

真姫「それなら簡単よ。集団心理を利用するのよ!」

穂乃果「しゅうだんしんり?」




放課後 部室

ガチャッ

海未「失礼します……あれ、三人だけですか?」

穂乃果「う、海未ちゃん!」ドキッ

絵里「ああ、海未来たのね
希とにこならちょっと用事があって遅くなるらしいの」

真姫「凛と花陽も先生に呼び出されて少し遅くなるらしいわ」

海未「そうなんですか?あれ……
ことりは私より先に穂乃果と一緒に教室から出ましたよね?」

穂乃果「こ、ことりちゃんも委員の用事で遅くなるって!」

海未「そうだったんですか?ここまで被るのも珍しいですね……
まあ、もう少し揃うまで待っていましょうか」ストン

穂乃果「そ、そうだね!」ホッ


穂乃果(な、何とか誤魔化せたね)ひそひそ

真姫(ふふん、私が考えた計画よ?当然じゃない)

穂乃果(えへへ、本当はみんなもう屋上で練習中なんだよねっ)

絵里(じゃあここからがスタートよ。……じゃあ穂乃果、心の準備は平気?)

穂乃果(うん!)コクリ

絵里「それより穂乃果、またここの計算間違えてるわよ?」

穂乃果「うへぇ……」

海未「んっ……そういえば三人は何をしていたんですか?」

真姫「穂乃果の勉強を見てあげてるよの」

海未「そうだったんですね―――「ほら!また間違えてるわよ」ぺちんっ

海未「!?」

穂乃果「えっ、本当!?」

絵里「ええ、ここよ」

穂乃果「あっ、本当だ……」

真姫「ここも間違えてるじゃない」ペチンッ

穂乃果「あいたっ!」

海未「!?」

穂乃果「うぅ……真姫ちゃん一年生なのになんでこんなのわかるの……?」

真姫「このくらいなら簡単よ。穂乃果ができなさすぎなの」ペチンッ

絵里「くすくす、どっちが年上かわからないわね」ペチンッ

穂乃果「うー……」

海未「あ、あの……絵里、真姫……」

真姫「んっ、どうしたの?」

絵里「海未も穂乃果の勉強見てくれる?」

海未「い、いえ……私は歌詞を作らないといけないので……」

絵里「そう?じゃあ気が変わったらいつでも言ってね」ニッコリ

真姫「じゃあ続きね。……って、早速そこ間違えてるわよ」ぺちんっ

穂乃果「うぐぅ……」

海未「っ……」



~数十分後~

海未「……」ジーッ


真姫「だからここはこの公式を使うのよ!」ぺちんっ

穂乃果「は、はい……」

絵里(ねえ、もうそろそろいいんじゃないかしら?)ヒソヒソ

真姫(そうね……。もうそろそろ本当に嫌いなら一緒に乗って叩いてくる……
はずなんだけど……)ヒソヒソ

絵里(さっきから険しい表情でこっちを見てるけど……混じりたいって感じじゃないわね)ヒソヒソ

真姫(やっぱり海未は穂乃果のことが嫌いってわけでもないのかしら
じゃあこの辺りで―――(ま、待って!)ゴニョゴニョ

絵里(どうしたの穂乃果?あんまり長く話してると怪しまれちゃうわよ)ヒソヒソ

穂乃果(や、やっぱりまだ不安だよ
本当は混じりたくてタイミング見てるのかもしれないし……)ヒソヒソ

真姫(そんな風には見えないわよ?
まあ、なんかものすごいオーラ出してるけど……)ヒソヒソ

海未「……」じーっ

絵里(それにこれ以上続けると練習時間が取れなくなっちゃうわよ)

穂乃果(うー……じゃ、じゃあ最後にもっと……もっと強く叩いてみて!)

真姫(う゛ぇっ?これ以上強くするの?)

穂乃果(お願いっ、最後だから……)

絵里(……本当にあと一回でおしまいよ?)

穂乃果(うん……変なこと頼んじゃってごめんね)

絵里(真姫……)チラッ

真姫(ああもうっ……知らないわよっ?)

海未「……」じじーっ

穂乃果「ああん!もう難しいよぉ……
答えこうじゃないの?」

真姫「もうっ!何度も違うって言ってるでしょ?
ここはこの公式を―――」すぅーっ


真姫「使うのよっ―――!!!!」バチーンッ!

穂乃果「痛っ……」ぐすっ

ぷちーんっ

真姫「ん?今何か音がしたような……」

海未「……」スッ

絵里「何かが切れたような……えっ?」

海未「……」スタスタ

穂乃果「うぅ……さ、さすがにやりす……ぎ……ふぇ?」

海未「……穂乃果」ナデナデ

穂乃果「う、海未ちゃん?」キョトン

海未「大丈夫です。穂乃果は下がっていてください」スタッ

穂乃果「え?あ、あのぉ……」

海未「絵里、真姫……あなた達さっきから見ていれば
……何を、何をしているんですか?」ゴゴゴゴッ

真姫「う、海未?ど、どうしたの……?」

絵里「と、とりあえず落ち着きましょう?」

海未「落ち着く?何を言ってるんですか……私はとっても冷静ですよ?
とてもクールです……」ゴゴゴッ

真姫「う、嘘!とてもそんな風には見えないわよっ!」

絵里「ご、誤解してるみたいだけど!
穂乃果を叩いてたのには訳が―――「叩いてた自覚はあったんですね……?」

真姫「エ、エリー!それは地雷よ!」

絵里「あ……!」

海未「もしかしたら私の勘違い……ってことも考えてたんですが
やっぱりそうなんですね……とても残念です」ゴゴゴゴゴッゴゴ

真姫「ひいっ!は、話を聞きなさいっ!」

海未「大丈夫ですよ、ちょっとお灸をすえるだけですから」ゴゴゴゴゴッ

絵里「ち、違うの!私たちはただっ!」

海未「問答無用ですっ!園田流―――「だ、だめええええっ!」ギューッ

海未「なっ―――!?ほ、穂乃果!?」

穂乃果「誤解!誤解だよっ!」

海未「ご、誤解……?どういうことですか?」

真姫「まったく!話を聞いてって言ったでしょ!」

絵里「さっきまでのは全部お芝居だったの!」

海未「お、お芝居!?」

穂乃果「そうだよ……穂乃果二人に頼んでやってもらってたんだ……」

海未「ど、どういうことですかっ!?」

穂乃果「……あ、あのね」

――――
―――
――

~説明後~

海未「つ、つまり穂乃果は私に嫌われたと思って……?」

穂乃果「うん……だって突然だったんだもん……」

海未「う……ぁ……すみません……。まさか穂乃果がそこまで気にしていたなんて……」

穂乃果「ねえ、海未ちゃんは本当に穂乃果のことを嫌いになっちゃったの……?」

海未「っ!そ、そんなわけないじゃないですかっ!む、むしろ……」ゴニョゴニョ

真姫「はぁ……ならなんで急に叩き出したりしたの?」

海未「そ、それは……その……」

穂乃果「や、やっぱり穂乃果の事……」ウルッ

海未「ち、違います!り、理由は他にあって……」

絵里「ならそれをちゃんと言わないと、ね?」

海未「う……は、はい……で、ですが一つだけ約束してほしいんです
何を聞いても私の事、変に思わないでくれますか……?」

穂乃果「へっ?なんで?」

海未「そ、それだけは約束してくださいっ!変に思わないって!
そしたら……全部話しますから……」

穂乃果「……うん、約束するよ。ちょっと怖いけど……でも知らないままなんて嫌だもんっ!」


海未「……欲しかったんです」

真姫「欲しかった?どういうこと?」

海未「ほ、穂乃果との……特別な絆がですっ……」

絵里「特別な絆?それなら幼馴染だし十分以上にあると思うけど……」

海未「そ、そんなのことりだって同じじゃないですかっ!
そ、それに……μ'sの活動を始めて、色んな人が増えて……だからもっと特別が欲しかったんです!」

穂乃果「……」

真姫「でもそれが叩くこととどうつながるのよ?」

海未「……だって誰も穂乃果を叩いてないじゃないですかっ」

絵里「ど、どういうことなの?」

海未「……ハグなどのスキンシップは穂乃果は大勢の人としています
ですが、叩くという行為をしてる人は誰もいません……私以外には」

絵里「それが海未の言う特別な絆なの……?」

海未「はい……。私だけが穂乃果にする特別な行為
それが『叩く』ってことだったんです……」

真姫「な、何よそれ!意味わからないわよっ」

海未「……そうですよね
ですが、私だけがする特別な行為……私にはとても魅力的だったんです……」

絵里「で、でもそんなのってただの……」

海未「っ……ただの自己満足だってのは気づいていましたっ!独りよがりの……最低な……
……ですが止めれなかった……止めたくなかったんです」

穂乃果「……」

海未「そのせいで穂乃果を悩ませて……二人まで巻き込んでしまいました……
本当にごめんなさい……」

穂乃果「じゃあ……海未ちゃんは穂乃果のことが
嫌いになったわけじゃあないんだね?」

海未「当然ですっ!」

穂乃果「ねえ海未ちゃん……穂乃果を叩いて?」

海未「ほ、穂乃果!?」

穂乃果「あのね、難しい話はよくわからないけど……
でもね!海未ちゃんの話聞いてとっても嬉しく思ったんだ!」

海未「え……ええっ!?で、ですが叩くのは……もう……」

穂乃果「だって特別な絆でしょ?穂乃果だって海未ちゃんとの特別な絆欲しいもん!」

海未「……本当にいいんですか?」

穂乃果「うん!穂乃果を叩いていいのは海未ちゃんだけ!
海未ちゃん専用だよっ 」

海未「……」ごくりっ

穂乃果「……」スッ

海未「穂乃果……」ぺちんっ

穂乃果「えへへ、海未ちゃん!」

海未「穂乃果!」ぺちんっ

穂乃果「海未ちゃん!」

海未「穂乃果ぁ!」ぺちんっ

穂乃果「海未ちゃんっ!」モギューッ

海未「穂乃果ぁっ!」ぺちんっぺちんっぺちんっ




真姫「ねえエリー。結局これでいいの……?私達って……」

絵里「いいんじゃないかしら……幸せそうだし……
それより……早く帰りましょうか……」

真姫「そうね……なんだか疲れたわ……」

~~~~~
次の日

絵里「―――ということがあったのよ」

希「なるほどなぁ。それで今日はあんな感じなんやね」

<ぺちんっ

<ウミチャー!

<ホノカー!

絵里「ええ……。一時はどうなる事かと思ったわ」

希「くすくす、穂乃果ちゃんもとんだ人選したもんやね」

絵里「……何よ」ジトー

希「ふふっ、なんでもええやん?」

絵里「まあそうね……無事解決したことだし……」

希「解決……ねえ……」

絵里「どうしたの?」

希「んー。なんでもない!……それよりさっき凛ちゃんが呼んでたよ?
ダンス見て欲しいって」

絵里「本当?ちょっと行ってくるわね」スタスタスタ

希「ふふふっ」

希「ウチはね、えりちと真姫ちゃんの苦労はもうちょっと続く予感がするんよ」

希「あくまで予感やけどね♪くすくす」




海未「ほのかーっ!」ぺちんっ

穂乃果「うみちゃーん!」モギューッ


ことり(……)ジー


~~~~~
数日後 授業中


ことり(……)ゴシゴシ

ことり(はあっ……)ケシケシ

ことり(最近、穂乃果ちゃんと海未ちゃんの仲がいい)

ことり(もちろん前からとっても仲良しだったけど……もっと深くなったというか……うーん?)

ことり(最近海未ちゃんがよく『特別な絆』って言って穂乃果ちゃんを叩いてるけど……
それが関係してるのかな?)

ことり(羨ましいな……)

ことり(私も何か穂乃果ちゃんと何か特別な絆が欲しいよ……叩くのはさすがにだけど
何か……何か……)はっ

ことり(あっ!これ……)

ことり(これくらいだったらいいよね?痛くはないだろうし……
ちょっとだけ、ちょっとやってみるだけ……)

ことり(……えいっ!えいっ!)





穂乃果「……んっ?」こつんっ

穂乃果「何だろうこれ……消しかす?」

穂乃果「いったいどこから……」キョロキョロ

ことり「……」ササッ

穂乃果「……まさか、ね」

ことり「えいっ」ボソッ

穂乃果「!」ビクッ

ことり「……」ぷいっ

穂乃果(き、気のせいじゃない!絶対気のせいじゃない!)

――――
―――
――

数日後 

穂乃果(うー……実害はないけど……むしろ授業中寝なくなって
成績あがったけど……)こつん

ことり(えいっ!えいっ!)

穂乃果(休み時間とかいつも以上に優しいし
毎日手作りのお菓子くれるけど……でも……)こつんっ

ことり(……あはっ♪)

穂乃果(最近ことりちゃんが消しかす投げてくる……)こつんっ


おしまい

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