「友達になって、くれますか?」(26)
男 「………」ペラ
司書 「授業サボっちゃだめよ男君」
男 「はぁ……」ペラ
司書 「…まったく」ハァ
男 (……この本読んだなぁ)ガタッ
教室
男 「………」ペラ
モブ1 「また本読んでる……」ボソボソ
モブ2 「キモいってか不気味だよね……」ボソボソ
男 「………」ペラ
友 「やぁやぁ辛気臭い顔してますねぇ男君!」
男 「む……」ペラ
友 「うわー反応うすーい」
男 「そうだな」ペラ
モブ1 「なんか不良っぽいのと仲いいみたいだし……」ボソボソ
モブ2 「怖いよね~……」ボソボソ
友 「聞こえてるっての」
男 「気にするな」ペラ
友 「メンタル強いよなお前」
男 「そうか?」ペラ
友 「そうだ、今日帰りちょっと付き合えよ」
男 「む……?」ペラ
友 「漫画買いたいから本屋行こうぜ」
男 「悪くないな」ペラ
友 「ついでだから面白い本でも教えてくれよ」
男 「自分で探せ」ペラ
友 「えー」
女 「………」ボケー
モブ1 「どしたの女?」
女 「べつにー」ボケー
友 「てか読むのはえぇよお前」
男 「問題ない」ペラ
女 (変わった人だよなー男って)
男 「帰りと言わず今すぐにでも行ってもいいんだぞ」ペラ
友 「授業サボんなよ…」
男 「何故だ?」
友 「え、俺が間違ってんの?」
男 「うむ、授業等受けずとも普段から勉強しておけば全く問題ない」ペラ
友 「色々と大有りだよ寧ろ問題しかねぇ」
男 「不思議な事を言うなお前は」ペラ
友 「お前が不思議だよ」
男 (高2になって数ヵ月)
男 (俺たちは所謂、不良少年であった)
男 (正確には不良なのは俺だけなのだが)
友 「いやー俺お前と意志疎通出来てるか心配だわ」
男 (彼はその見た目、言動から不良のレッテルを貼られている)
男 「安心しろ、お前の言葉はしっかと俺の胸に響いている」
友 「安いお言葉ですねー」
男 「贅沢な奴だ」
友 「贅沢って君ねぇ…」
男 「うむ、贅沢だ」
友 「さいですか……」
女 (あの2人はいまいち関係が分からない)
女 (一見では男が友を軽くあしらっている)
女 (だけど友が怒るわけでもなく、男が本気で嫌がるわけでもなく)
女 (うん、私の少ないボキャブラリーでは表現しづらい雰囲気がある)
女 「うむぅ……」
女友 「どしたのうんうん唸って」
女 「青春の憂い」
女友 「いきなり深いわね。どう答えれば正解?」
女 「1、憂い? 2、青春? 3、鼻で笑う」
女友 「ハンッ!」
女 「はいデッドエンドかくてー」
女友 「ひでぇ」
女 「女友ちゃんは命の危機がやって来た時に私の好感度が低かったせいで見捨てられてしまいました」
女友 「流石に助けてよ」
女 「気が向いたらね」
女友 「私の命ってそんなにあっさり扱われるものなの?」
女 「そうなの」
女友 「逆の立場になった時助けてやんないかんねー」
女 「いえ別にいらないです」
女友 「なんでや」
男 (図書室行こう)ガタッ
女友 「おー、彼はまたおサボりみたいですねぇ」
女友 「頭のいい奴はサボっても点とれていいなぁ」
女 「そだね」
図書室
男 (この辺りはあらかた読んだ…)
男 (伊坂………陽気なギャング……む?)ヒョイ
男 (日常と活劇か……)
男 (読んでいなかったな)テクテク
司書 「またサボってー」
男 「うん……」ペラ
教室
教師 「であるからしてぇー」
友 「ふぁぁぁ」
教師 「あくびすんなー」
友 「すんませーん」
女 (つまんないなぁ……)
女 (私もサボってみようか……)
教師 「どうした女窓の外に黒板は無いぞー」
女 「すいません」
教師 「うーし、じゃ友に問3を答えて貰おう」
友 「x=3,5」
教師 「はい引っ掛かったなーここではxの範囲が4以上と最初に決まっているからだなー…」
女 (やっぱつまんない)
女 「すいません」
教師 「はい?」
女 「具合悪いんで保健室言ってきます」
教師 「おーう、キツかったら無理すんなよー」
女 「はーい」
女友 (あやつめサボりおったわ…)
女 (といっても私はおサボり初級編で)
女 (どこでどうやって時間を潰せばいいかよく分からない)
女 (漫画なんかだと安直に屋上という選択肢があるけど普通の学校であるうちは屋上は締め切られている)
女 「どうしたもんか……」
女 (校外に出るのは後々面倒そうだしな……)
女 (男っていつもどこでサボってるんだろ)
女 (ん、男……?)
図書室
女 (男といったら本……)
女 (といった安易な連想でやってきてみました)
司書 「ん?」
女 「あ……」
女 (司書のおねーさんいるじゃねーか!)
司書 「またサボりが増えた…」
司書 「次からはちゃんと授業受けなさいよ」
女 「あ、はい」
女 (え、それだけ?)
女 (しっかし……)
ガラーン
女 (人居ないなぁ……)
女 (おっ?)
男 「………」ペラ
女 (窓辺で本を読む青少年)
女 (なんか絵になってるなぁ……)
男 「………」ペラ
女 (熟読してる……)
男 「………」フッ
女 (あ、こっち見た)テクテク
女 「おっす」
男 「うむ」ペラ
女 「サボり?」
男 「そうだな」
女 「そっか、私もサボり」
男 「そうか」
女 「うん」
男 「………」ペラ
女 (会話が止まった!?)
男 「………」
女 「………」
男 「………」ペラ
女 「………」
男 「………?」
男 (なんだ、コイツは本を読みに来たのではないのか?)
男 「なぁ………」
女 「はい!?」
男 「本、読まないのか?」
女 「あーいやあんまり本読まないていうか……」
男 「? お前は何をしに来たんだ?」
女 (核心突いてきた!)
女 「いやサボるなら図書室かなーって!」
男 「……そうか」ペラ
女 (確かに図書室で本を読まないのはおかしいかな)
女 (何か読んでみようかな…)トテトテ
男 「………」ペラ
女 (とりあえずそれっぽい本の棚に来たけど……)
女 「じ、じごくへん?」
女 (意味が分からない……)
男 「ふむ………」パタン
男 (やはり久遠のキャラがいいな)
男 (中々面白かった)
男 「む……?」
女 「うーん……」
女 (読みたくなる本がねぇぇぇ!)
男 「余り本を読まないのならその辺りはオススメしないぞ」
女 「おう!?」
男 「あまり常人には理解できないような思考の人間の話が多いからな」
女 「そなんだ」
男 「うむ、読みたいなら何か見繕ってやろうか?」
女 「えっと、お願いしていい?」
男 「あぁ、これを読むといい」
女 「坊っちゃん……?」
男 「名前くらいは聞いたことがあるだろう。名作だ」
女 「じゃあこれ読んでみるよ」
女 「………」ペラ
男 (さて、何を読もうか…)
女 (無口な奴かと思っていたけど、どちらかと言えば堅物というかなんというか……)ペラ
女 (まぁみんなが言うような陰湿な印象はないけど……)
女 (なんか取っつきにくい感じはするかなぁ?)
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