キンコメ今野「あたたかいのだからぁ!」 (39)

某ライブ会場 関係者通用口

警備員(高橋)が立っている。
そこに学生(今野)がやってきた。



今野「すいませーん!」

高橋「? どうされましたか?」

今野「すいませーん!すいませーん!」

高橋「君?大丈夫かな?」

今野「すいませーん!すいませーん!すいませーん!(前進)」

高橋「ちょっと、ちょっと君!ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ!」

今野「すいませーん!(後退)」

高橋「聞き分けはいいんですね」

今野「あのー、ここで待ってたら今日のライブの出演者の方って会えますか?」

高橋「ああ、出待ちの人ですね?」

今野「チャーシュー麺お待たせしました!」

高橋「……出前の人ですか?」

今野「違います!」

高橋「芸人さんが出入りするのを待つ人でいいですか?」

今野「そうです!」

高橋「これは骨が折れそうな案件だ……」

今野「あの、それでここで待ってたら会えますか?」

高橋「……まあそうですね、芸人さんによっては出待ちを喜ぶ方もいらっしゃるので、そのような方はこちらを通ると思いますけど……」

今野「ほんとですか!?じゃああの人達もきますか!?」

高橋「どんな人達ですか?」

今野「あたたかいのだからぁ!」

高橋「……え?」

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今野「あたたかいのだからぁ!の人!」

高橋「……ちょつと私(ワタシ)の知っているのとは違う方なのかな?」

今野「ねぇ、こっち来ますか?あたたかいのだからぁ!の人!」

高橋「ちょっとその、あたたかいのだからぁ……と言うのが分からないんですけど」

今野「え!?知らないんですか!?あたたかいのだからぁ!の人!」

高橋「うーん、そうですね、私が知っているのとは少しだけ違いますね」

今野「なんで!?今日も出てるんじゃないんですか?」

高橋「似たようなことを言う人は出ますが、あたたかいのだからぁ、と言うネタをする人は出ませんよ」

今野「あんなに有名な歌なのに知らないんですか!?」

高橋(……これ十中八九、「あったかいんだからぁ!」のことだな……)小声

今野「歌を聞いたら知ってるはずですよ!」

高橋「じ、じゃあ聞かせてもらってもいいですか?」


今野「一晩じぃーっくり、にーこんだー、のみーものー」

今野「あたたかいのだからぁ!」

高橋「あんまり声出さないでくださいね、関係者通りますから」

今野「知りませんか?あたたかいのだからぁ!の人!」

高橋「……すみません、私にピンと来ないので、芸人さんのお名前を聞いてもいいですか?」

今野「長谷川!」

高橋「個人名じゃなくてコンビ名を」

今野「ダイオウグソクムシ!」

高橋「これ絶対にクマムシさんのことだ……」

今野「通らないんですか!?あたたかいのだからぁ!の人通らないんですか!?」

高橋「うーんと、通るかどうかは芸人さんによるので、私にも分からないんですよ」

がやがやわいわい

<お疲れさまでしたー!

今野「あ!誰か来たよね!」

高橋「警備員のお仕事しますからね、いいですね」


通用口の奥からクマムシが出てくる。

長谷川「ごめんごめんじゃねぇよ……」

佐藤「ごめんwwwセリフ噛んでwww」

今野「ダイオウグソクムシ!ダイオウグソクムシ!(前進)」

高橋「あっ、ダメです、やめてください!」

クマムシに体当たりしようとする今野を体で受け止めて押しとどめる高橋。

佐藤「あれ?出待ちしてくれたんですか?」

今野「はい!」

長谷川「警備員さん、僕達最近そう言うの無くて嬉しいんで……」

高橋「ですけど危ないですよこの人」

長谷川「写真でも握手でもサインでも、出来ることならします!」

佐藤「よっ!さすが!」

高橋「なぜあなたが傍観者の視点なのかが気になるんですが」

今野「じゃあ!じゃあ!」

高橋「はいはい落ち着いてください、クマムシさんにしてほしいことはありますか?」

今野「土下座」

高橋「逃げてください!逃げてくださいクマムシさん!」

そそくさと退場するクマムシ。

今野「あー!ダイオウグソクムシ!!」

高橋「あの人達はクマムシさんです!」

今野「……ソクムシ……」

高橋「そんな略し方もしませんから。……何なんですかあなた、通報しますよ」

今野「違うんです!僕、芸人さんに会いに来ただけなんです!」

高橋「それでやってほしいことが土下座ってどういう事なんですか」

今野「もう土下座させませんから!」

高橋「普通一回も土下座させようとしないんですよ」

今野「お願い!お願いケービ↓イン↑さん!」

高橋「なんですかその発音、「警備陰惨」って何ですか」

今野「お願い!お願いします!ここに来るのに早起きして来たんです!」

高橋「何時に起きたんですか」

今野「15時」

高橋「ライブは14時からですよ」

今野「ああーっ!じゃあ何人か帰っちゃってますよね!」

高橋「まず早起きではないところを改善すべきだと思います」

今野「じゃあじゃあ!あの人、あの人は来ますか?!」

高橋「通報しますよ」

今野「お願いします!会えたら帰りますから!」

高橋「………誰に会いたいんですか」

今野「つけ麺!」

高橋「………」

今野「つけ麺!つけ麺!」

高橋「……まさかと思うけど狩野英孝さんかな?」

一旦おわり、まだ続き書くかも

今野「ねぇつけ麺の人通りますか!?」

高橋「うーん、私が思っている人とあなたが思っている人が同じ人なら、あの人はつけ麺の人ではないですね」

今野「つけ麺!ソーメン!おいしい!の人!」

高橋「それはただの感想です」

今野「すぐおいしい!すごくおいしい!」

高橋「もう芸人さんじゃないです」

今野「チキンラーメン食べたい!」

高橋「………どうぞ、お帰りください」

今野「待って!つけ麺の人会いたい!」

高橋「つけ麺の人じゃ分からないので、名前を教えてもらっていいですか?」

今野「マセキ芸能社!」

高橋「所属事務所じゃなくて」

今野「かのう英孝さん!」

高橋「………あの方は狩野(かの)英孝さんですよ」

今野「すいません!」

高橋「なんですか」

今野「狩野さんをかのうさんと呼ぶことはかのうですかwww」

高橋「………お帰りください」

今野「待ってください!つけ麺の人に会いたいんです!」

がやがや

<お疲れさまでーす

今野「あ!もしかしてつけ麺の人ですか!?」

高橋「それ以上前に進まないでください、押さないでください」

なぜか胸板で高橋を押す今野。
通用口から狩野が出てくる。

狩野「お疲れっす」すたすた

今野「つけめーん!つけめーん!」

高橋「押さないでください、押さないでください」

今野「りこーん!りこーん!!」

狩野「!?」

高橋「弄らないでください!そこは!」

狩野「……何スか?出待ちですか?珍しいっすね」

今野「はい!つけ麺の人に会いたくて来ました!」

狩野「いや、つけ麺の人って言われたことはないんですけど……」

高橋「お気持ちお察しします」

今野「つけ麺!お願いしていいですか!」

高橋「狩野さんね」

狩野「つけ……僕……僕のこと……?(高橋と今野を交互に見ながら)」

高橋「た、多分狩野さんのことだと思います」

今野「つけ麺!握手して!」

高橋「態度が変わりすぎですよ」

狩野「握手くらいなら別に……いっすよ」

今野「やった!ありがとうつけ麺!」

高橋「さっき狩野さんって言えてたのにどうして突然言えなくなったんでしょう」

今野「握手しようつけ麺!」

今野に応じる狩野。
そのまま握手するが、今野の手に段々力が入ってくる。

狩野「ちょっ、離して」

今野「(真顔)」

狩野「はなイタタタタタタタタタ!!」

今野「(真顔)」

高橋「何してるんですか!!」

今野を引き剥がす高橋。

今野「手のひらを握りつぶす」

高橋「狩野さん!逃げてください!逃げて!今すぐ!」

慌てて走り去る狩野英孝。
今野が真顔で追いかけようとするが、高橋が制する。

高橋「……何してるんですか!今度こそ通報しますからね!」

今野「待ってください!まだ会いたい人がたくさんいるんです!」

高橋「なんで会いたかった人の手のひらを握りつぶそうとしてるんですか!?」

今野「ご、ごめんなさい……つい嬉しくて……」

高橋「……つい力が入りすぎちゃったと?」

今野「はい、もうさっきみたいなしませんから……もう少しだけいさせてください」

高橋「……」

今野「お願いします!今日の為に遠くから来たんです!」

高橋「どこから来たんですか?」

今野「代々木!」

高橋「ここ新宿ですよ」

今野「遠かった……」

高橋「一駅です」

今野「お願いしますよ!芸人さんに会うのが夢だったんです!」

高橋「……そう言いますけど、ライブはもう終盤です。ほとんどの芸人さんは帰っちゃってます」

今野「ええ!?じゃああの人も帰っちゃいました!?」

高橋「誰ですか?」

今野「切腹の人!」

高橋「呼ばれてないです」

今野「切腹の人出てないんですか!?おかしいな」

高橋「私の知っている切腹する人だとしたら、その方は呼ばれてないですね」

今野「そんな!何でですか!出演芸人一覧には名前載ってましたよ!?」

高橋「……何か違うものをご覧になられたんじゃないですか?」

今野「そんなことないですよ!このライブです!」

高橋「ですが切腹の方と言うのはちょっと……」


そこに通りかかるサンドウィッチマンのふたり。

伊達「いやー……ああ、お疲れさまでした」

富澤「あ、お疲れさまでーす」

今野「あ!切腹の人!」

高橋「………迷宮入り寸前でしたね」

伊達「? なんですかこの人」

今野「切腹!切腹して!」

高橋「押さないでください、押さないでください」

サンドに詰め寄る今野。それを止める高橋。
高橋の乳首らへんを押す今野。

高橋「押さないでください、そこも押さないでください」

今野「切腹の人!」

富澤「? 何の話?」

伊達「俺ら切腹のネタなんかやったことあったか?」

富澤「ちょっと何言ってるか分からないです」

高橋「初めて正しい使い方してるところを見ました」

今野「切腹の人ー!」

高橋「押さないでください」

今野を抑える高橋。

伊達「あのー、ちょっと、君、君ね」

今野「?! はい!」

伊達「俺らね、切腹の漫才とかコントはしたことないから、いい?切腹の人じゃないから」

今野「え!?でもファーストフードのネタで!」

伊達「やってねぇよ、何と見間違えてんだよ」

富澤「あれかなぁ、外国人が研修に来て間違えて「殺してください」って言っちゃうやつ」

今野「それー!」

高橋「よく導き出せましたね」

富澤「いやぁ……はい」

今野「切腹の人!切腹して!」

伊達「しねぇよ」

高橋「切腹の意味がね、ちょっと分かってないんですかね」

今野「じゃああれして!あれ!」

高橋から少し離れた今野が、どこかから『写ルンです』を取り出す。

高橋「まだ持ってる人いたんだ……」

今野「写真!写真撮って!」

伊達「……ああまぁ、写真くらいなら」

今野「僕とこの会場の写真撮って!」

高橋「それは私がやります」

今野「そしてフラッシュで目潰しする」

高橋「サンドウィッチマンさん逃げて!この人危ないです!逃げて!!」

言われるがままに逃げるサンド。

高橋「……何してるんですか!」

今野「目潰ししようとしました!」

高橋「だから何でですか!?」

今野「まぶしいかなと思って……」

高橋「……もうダメですね、通報します」

今野「待って!最後に!最後にあの人達にあわせて!」

高橋「え?誰ですか?」

今野「キングオブコメディ!」

高橋「それは言えるんですね」

ネタ尽きたので終わり




今野「うわぁー、すごいなぁーの人!」

高橋「……やっべぇぞですか?」


今野「2位!2位!!」

高橋「2位じゃなくてロッチさんだし、ロッチさんは3位です!」


ありがとうございました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年10月23日 (火) 18:03:41   ID: RRgRgXl2

なにこのクオリティ、、
もう無理だけど実際に見たいわこのコント

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