ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

店員「ありがとうございましたー」

ｻﾞｻﾞｰｰ

男「・・・・さっきより強くなってる・・・だと」

男「・・・・この傘・・・大丈夫かな・・・・」

ﾄﾎﾞﾄﾎﾞﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

男「はーぁ・・・」

ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

男「・・・・・・・・・・・・」

男（ん？）

男「・・・・あれは・・・」

ｻﾞｰｻﾞｰ

？「・・・・・・・・・・・・」

男「女の子？」

ﾀｯﾀｯﾀ

男（・・・・拾ってください？）

？「・・・・・・・・・・・・あ」ﾋﾟｮｺ

男（あ、耳・・・・）

男「あの、きｍ・・・」

？「お、おかまいなく・・・」

男「いや・・・お構いなくって言っても・・・」

？「・・・・おかまいなく・・・です」

男「こんな雨の中で・・・・・・風引いちゃうでしょ」ｻｯ

？「・・・・・・っ！」ﾋﾞｸｯ！

男「はい。傘」

？「え？」

男「いや・・・ほうっても置けないでしょ」

？「あ、あの・・・・・」

男「俺は平気だから使って使って」

？「い、いえ・・ですから・・・」

男「俺んちすぐそこだから。ほら、立って立って」

？「え？え？」

男「さっきもいったでしょ。そんな格好じゃ風引いちゃうって」

？「い、いいんです。わ、私はここにいますので・・・・」

男「だからそんなんじゃ風引いちゃうってば」

？「お、お気持ちだけで十分ですから・・・・これもお返しします」ｻｯ

男「・・・・・・・・・・・・」

？「わ、私は大丈夫ですので・・・・」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

男「そう。わかったよ」

？「は、はい。ありがとうございました・・・へくちっ！」

男「それじゃあね」ﾀｯﾀｯﾀ

？「・・・・・・・・・・・・・」ｽﾞｽﾞｯ

ｻﾞｰｻﾞｰｻﾞｰ

？「・・・・・・・・・・・・・・」

？「・・・・・・・・はぁ」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

ｶﾞﾊﾞｯ

？「ひぇっ！？な、なに！？」

男「・・・・・・・・・・・・」

？「あ、あなたは先ほどの・・・！・・・・お、おろしてくださいぃ！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

男「はいはい。君は口で言っても聞いてくれなさそうだから」

ｼﾞﾀﾊﾞﾀｼﾞﾀﾊﾞﾀ

男「だぁから、落ち着いてってば」

？「い、いいですから。変な気を使わないでください・・・私は・・・」

男「問答無用。こんなに冷えて・・・体にいいわけないでしょ」

？「・・・・・・・・・」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

男「いくよ」

男「ただいまーっと。はい。立てる？」

？「・・・・・・」ﾌﾞﾙﾌﾞﾙﾌﾞﾙﾌﾞﾙ

男「というか、その格好はまずいな・・・とりあえず風呂に入ってきてよ」

？「・・・・・・い、いえ。お、おかまいなくでｓへくちっ！」

男「ほらほら。本当に風邪引いちゃうから。それともまたさっきみたいに連れて行く？」

？「・・・・お、お借りします・・・・」

ｶﾎﾟｰｰｰｰｰｰﾝ

？「ひろーーい・・・・・」

ざばー

？「・・・・あったかい・・・・」

？「・・・・・・・・・・・・・」

？「・・・・・・・・・うっ・・・」ﾎﾟﾛ

？「ひっ・・・・うぅ・・・・」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

男「しまったなぁ・・・ちょうどいい服がないぞ・・・・」

男「ぬぬぬ・・・・しょうがない。俺のtシャツに来客用の浴衣でいいか」

男「・・・・・・・・・」

ﾀｯﾀｯﾀ

ｺﾝｺﾝ

男「失礼するよー」

？「は、はい・・・！？」ｽﾞｽﾞｯ

男「着替えここにおいて置くからね。大きいと思うけど我慢してね」

？「そ、そんな・・・そこまで」

男「いいからいいから。」

？「す、すみません・・・・」

男「それじゃあちゃんとあったまってね」

？「・・・いい人・・・なのかな・・・・」

？「・・・・・でも・・・・」ﾁｬﾎﾟ

（この・・・・・・・・・・！！）

？「・・・・・・うぅ・・・・・」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

男「はぁー・・・・なんか疲れたなぁ」

ｺﾞﾛﾝ

男「ふぃー・・・・・」

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

男「お、あがったかな」

？「あ、ありがとうございました・・・・」

男「あーいいよ。あんだけずぶぬれになってる子をほうってなんか置けないよ」

？「・・・・・・は、はい」

男「それで・・・えーと」

？「な、なんでしょうか？」

男「まだ名前を聞いてなかったね。俺は男って言うんだ。君は？」

？「い、いえ！そんな・・・・私の名前なんて・・・・」

男「えー・・・それくらい教えてくれよー・・・・がっ！？」ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ

？「お、男さん！？だ、大丈夫ですか！？」

男「ぐぉぉぉぉぉお・・・！あたまがぁあぁああ・・・・！」

？「男さん！？しっかり！」

男「さ、最後に・・・・君の名前が知りたかった・・・・」

？「ね、猫娘です！猫娘ですよ！」

男「あ、そう。猫娘ちゃんね」ｽｯｸ

？「え？男さんお怪我は・・・・」

男「人間少しぶつけたくらいじゃ死にゃあしないよ」

猫娘「・・・・・あ・・・あぅ」

男「さて、猫娘ちゃん」

猫娘「・・・！」ﾋﾞｸｯ！

男「聞きたいことがあるんだけどいいかな？」

猫娘「な、なんでしょうか？」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

男「そんな硬くならないで・・・・何もしないよ」

猫娘「は、はい・・・・」

男「ちょっと失礼」

猫娘「ふぇ？」

モニュモニュ

猫娘「ふにゃっ！？」

男「・・・この耳・・本物なんだ・・・」

猫娘「う・・・うぅっ・・・・」

男「ご、ごめん。泣くほどいやだとは思わなくて」

猫娘「・・・・・・・・・・・」

男「でも・・・・・・ひとつ聞いていいかな？」

猫娘「な、なんですか？」

男「君って人間なの？」

猫娘「・・・・に、人間ではないです」

男「でもコスプレした人間にしか見えないんだけど」

猫娘「こすぷれ？」

男「あぁいや。こっちの話」

男「人間じゃないなら君は・・・」

猫娘「わ、私は、猫の幽霊です」

男「幽霊？」

猫娘「は、はい」

男「でも触れるよ？」ｻﾜｻﾜ

猫娘「ひゃっ・・！？」

猫娘「うぅ～・・・・」

男「あー、ごめん・・・で、幽霊ってどういうこと？」

猫娘「ゆ、幽霊というよりは化け猫のほうが正しい表現かもしれないです」

男「化け猫・・・・」

猫娘「お、男さんはつくも神をご存知ですか？」

男「つくも神って、長く使ったものとかがーってやつ？」

猫娘「はい。そのとおりです。現に私もそのうちの一人です」

男「なんかごめん。俺神様にいろいろ失礼なことしちゃったような・・・」

猫娘「き、気になさらないでください。神といっても私は信仰のある神ではありませんので」

猫娘「つくも神となった際に得られたのはこの体くらいですし・・・」

男「あれ？でもさ猫娘様ってもとは動物だったんでしょ？つくも神って生き物もなれるの？」

猫娘「さ、様づけで呼ばないでください・・・いやです・・・・」

男「はいはい。それでさっきの話はどうなの？」

猫娘「・・・生き物からでもなれます。だって生き「物」なんですから」

男「あー、なるほど」

男「それにしてもさ。何であの路地で・・・拾ってくださいなんて・・・」

猫娘「・・・・そ、それは・・・・」

猫娘「・・・ほかの猫さんたちが捨てられていたんです」

男「え？」

猫娘「みんな子供でした」

男「・・・・・・・・・・」

猫娘「親が隣にいないのならせめて私だけでもいてあげようと思って・・・」

男「その猫たちは！？」

猫娘「・・・・・・」ﾌﾙﾌﾙ

男「・・・・・・・・・・・」

猫娘「私にはどうにもできませんでした。おかしいですよね。私も一応神様なのに」

猫娘「・・だからあの場所で祈ってたんです。あの子たちがちゃんと天国にいけるように」

男「そっか。だからあの場所から動きたくなかったんだね」

猫娘「・・・・はい。男さんにはご迷惑をお掛けしました。すみません」

男「猫娘ちゃんって優しいんだね」

猫娘「・・・・・・そんなことないです。・・・・・ないですよ」

男「でもさ、それで猫娘ちゃんが病気になったらその猫たちも悲しむと思うよ」

猫娘「そう・・・でしょうか」

男「うん」

猫娘「・・・・・男さん助けていただいてありがとうございました。きっとあの子達も喜んでくれていると思います」

男「どういたしまして」

男「そうだ。お茶でも出すからすこしまっててよ」ﾀｯﾀｯﾀ

猫娘「そ、そんな、おかまいなくです・・・・」

男「いいからいいから！座ってくつろいでてよ」

男「おまたせー」

猫娘「す、すみません。お風呂をいただいてお茶まで・・・・」

男「気にしない気にしない」ｺﾄｯ

猫娘「・・・・・・・・・・・」

男「？　あ、もしかしてお茶は苦手だった？」

猫娘「い、いえ！ぜんぜんそんなことはないです。い、いただきます」

ｺﾞｸ

猫娘「・・・・・・っーーーーーー！」

男「えっ！？どうしたの？！大丈夫！？」

猫娘「・・・・ひっ、ひたがぁぁぁぁ・・・・」ﾋﾘﾋﾘ

男「えっ？舌？」

猫娘「ひたひへふぅぅぅ・・・」

男「ね、猫舌・・・・・・」

男「とりあえず、冷たい麦茶で大丈夫かな？」

猫娘「・・・ふみまへん」

男「いやいや、猫ってことを忘れてた俺が悪いよ」

猫娘「・・・・・・・・・」ﾁｭｰ

男「んー・・・。それで猫娘ちゃんはこれからどうするの？」

猫娘「私・・・ですか？」

男「うん」

男「さすがにあの路地にずっといるわけにも行かないでしょ」

猫娘「・・・・・・・・」ｶﾗﾝ

男「・・・・・・・・・」

猫娘「・・・・・・・・」

男「・・・・あ、あのさ、よかったら・・・・」

猫娘「・・・・・・・・・・」

男「う、うちにさ」

猫娘「・・・・・・・・・・・・・」

男「？　猫娘ちゃん？」

猫娘「・・・・・・・・・」ｶｸﾝ・・・ｶｸﾝ

男「寝てる・・・・」

男「・・・・・布団を敷いてくるか」

猫娘「すーすー・・・・すーすー・・・・」

鳴パパ「私だ。じゃんじゃん持ってきてくれ」ピッ

鳴「もぐもぐ」

鳴パパ「さぁ、恒一くんも遠慮せず食ってくれ」ジュー

恒一「ありがとうございます」うまうま

鳴パパ「いやー鳴に彼氏ができるなんてな」

鳴パパ「友達すら連れてこないから心配してたんだが」

鳴パパ「これなら安心だな」

鳴「もう、やめてよ」テレっ

鳴パパ「はっはっはっ」

恒一「はっはっはー」


望月「めっちゃいいにおいする」グー

赤沢「…………」ローキック

望月「ひどいたっ」

申し訳ないです誤爆

男「よいしょ・・・・」

猫娘「すー・・・・すー」

男（やっぱり軽いなぁ・・・・）

男「よっと・・・」

猫娘「・・・・・・・すー・」

男「おやすみ。猫娘ちゃん」

～深夜～

男「・・・・・・ん？あれ？」

がばっ

男「・・・・猫娘ちゃん？」

どたどた

男「・・・・茶の間？」

猫娘「・・・・・・・・・」ボー

男「猫娘ちゃん？」

猫娘「うわっ！？お、男さん！？お、おこしてしまいましたか？すみません！」

男「いやいや、大丈夫。トイレに行こうと思ったら猫娘ちゃんがいなかったからさ」

猫娘「そ、そうでしたか」

男「月？」

猫娘「はい。なんだか・・・見ているととっても落ち着くんです」

男「ふーん」

猫娘「・・・・・・・・・・」ボー

男「あ、そうだ。さっき言おうと思ってたことがあるんだ」

猫娘「なんでしょうか？」

男「猫娘ちゃん行くところってあるの？」

猫娘「・・・昔は帰るおうちもあったんですけどね」

男「ていうことはないんだね？」

猫娘「・・・・はい」

男「・・・今さ。親父は海外にいってて、姉ちゃんも一人暮らしで家にいないんだ」

猫娘「・・・そうなんですか？」

男「うん」

男「それで・・よかったら・・お手伝い兼話し相手として家に来ない？」

猫娘「・・・・・・・え？」

男「いやぁ、正直、家族が誰もいないってのはなかなかね。話し相手がいないのがこんなにきついと思ってなくてさ」

猫娘「・・・・一人・・・なんですか」

男「うん。どうかな？」

猫娘「・・・・・・・・」ﾌﾞﾗﾌﾞﾗ

男「・・・・・・・・・」

猫娘「・・私がいると男さんは楽しくなれるんですか？」

男「うん」

猫娘「・・・・・そうですか」ﾆﾊﾟｯ

男「それじゃあ、okってこと？」

猫娘「・・・私も・・・一人ですから・・・」

男「え？」

猫娘「い、いえ・・・男さん、これからお世話になりますね？」

男「うん。よろしくね」

男「ふぁぁー・・・」

猫娘「男さん。私はもう少し月を眺めていますね」

男「うん。それじゃあ悪いけど俺は先に寝るね」

猫娘「おやすみなさいです。男さん」

男「うん。それじゃあね」

猫娘「・・・・・・・・」

猫娘「・・・おじいさん・・・おばあさん・・・」

猫娘「・・・・また新しい家族ができましたよ？」

猫娘「・・・・・・・・・えへへ」

猫娘「・・・・・・・・・・・・」

猫娘「・・・・・・・・・・・・」ｸﾞｽｯ

～翌朝～

男「ふぁ～～・・・・」ﾖﾀﾖﾀ

ｶﾞﾗｯ

猫娘「あっ、男さん。おはようございます」ﾍﾟｺｯ

男「おはよー」

猫娘「もう少しで準備ができますから・・・」

男「準備って・・・朝ごはんつくってくれたの？」

猫娘「は、はい。その・・・お口にあうかわかりませんけど・・・」

男「ありがとう。ほかの人に作ってもらう飯なんて何年ぶりだろ」

猫娘「あ、あまり期待しないでくださいね？」

男「期待させていただきます」

猫娘「うぅー・・・・・・・」

男「おぉ～。味噌汁とご飯・・・・だけ？」

猫娘「え？こ、これだけじゃ足りなかったですか？」

男「い、いやいや。大丈夫！うん朝は味噌汁だよね！うん」

猫娘「・・・・・は、はい」

男「そ、それじゃあいただきます」

猫娘「いただきます」

ｽﾞｽﾞｰ・・・

男「・・・・うん。おいしいよ！」

猫娘「ほ、本当ですか？よかったです・・・」

猫娘「えいっ」

ｼﾞｬﾊﾞｯ

男（・・・ねこまんま？）

猫娘「・・・・・・」ｼｬﾊﾞｼｬﾊﾞ

男「おいしい？」

猫娘「は、はい」

男「朝は作ってもらっちゃったし、昼は俺が何か作ろうかな」

猫娘「よ、よろしいんですか？」

男「うん」

男（このままだと３食ご飯と味噌汁だけになりそうだしね）

男「今日はあとで買い物にいこうか」

猫娘「お買い物ですか？」

男「うん。昼の材料とかも買ってこないといけないし」

猫娘「はい。わかりました」

男「それと」

猫娘「？」

男「猫娘ちゃんのものもいろいろ買わないといけないし」

～商店街～

猫娘「うわぁ～～・・・」ｷﾗｷﾗ

男「猫娘ちゃん・・・・ここ魚屋だよ？」

猫娘「うわぁ～うわぁ～うわぁ～♪」

男「聞いてないし・・・・」