二宮飛鳥「今日は寒いね……」 (10)

※飛鳥っぽくないかもしれないです

「今日は寒いね……」
秋空の公園で一人佇んでいたら、口から自然とそうこぼれた。
けれど、今この公園にはボクしかいないので気にしない。
もっとも、誰かがいるからと言って言いたいことを我慢したりするのはボクの性に合わないので、誰かがいたとしてもそれほど気にするつもりもない。
もしそのせいで痛い奴だと思われても構わない。
人間、誰もが分かり合えるようにできてはいない。
もし本当にそうなら戦争なんて起きないし、いじめなんて起きない。
そこまで考えたが、それ以上この話をしないように空を見上げた。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445920519

「空はいいね、晴や曇り、雨といった様々な感情を素直に出せて、それをありとあらゆる人に理解してもらえて」
別に空のようになりたいわけではないのだけれど、なんとなく空がうらやましいと思った。

空は理解されるために、様々な人や動物に笑顔を与えています」
「えっ」
空を見上げていて気が付かなかったが、先ほどまで誰もいなかったこの公園にスーツを着た強面の男性が立っていた。
ボクは一瞬戸惑ったが、一度咳払いをして出来るだけ平静を装いつつ男性に言葉の意味を問う。

「空が笑顔を与えている?」
「はい、空は晴れることによって地球に光をもたらし、雨によって大地を潤してくれます」
「なるほど、けれどそのせいで困っている人も少なからずいると思う」
 ボクの反論に男性は首に手を当てて少し困ったような表情をする。

(あぁ、なんだ、彼も周りの大人と一緒か)
そう思い、立ち去ろうとしたとき、男性から言葉が返ってきた。
「確かに、晴で喜ぶ人もいれば雨で喜ぶ人もいます。そこは人それぞれなので何とも言えません」
「だろうね、人々が全員同じ感情なんてありえないからね」
「ですが」
 男性は低く渋い声だけど、どこか優しい声で続ける。

「空が嫌いな人なんていません。
 それはやはり、素直に全てをさらけ出し、そしてみんなを照らす光を届けてくれるからだと思います」

「……君はロマンチストだね」
 なんとかそう返しながらも、内心驚きを隠せなかった。
ボクの周りの人は、斜に構えたボクの話を聞くと困ったような顔をし、当たり障りない会話へ持っていこうとするか、適当に流されて終わってしまう。
しかしこの男性はボクの言葉を受け止め、それを返してきた。
当の本人は恥ずかしそうに首に手を当てているが……。

「あなたも、この空のように人々を照らすような存在になりたいとはおもいませんか?」
 そう言いつつ、男性は名刺を取り出した。
「美城プロダクション、シンデレラプロジェクト……?」
「はい」
「ボクが、アイドルに?」
「はい、あなたなら、きっと素晴らしいアイドルになれます」

普段のボクなら軽く流していたはずのスカウトだったが、きっと今のボクは少しどうかしている。
初めてボクと向き合ってくれる人を見つけて。
「わかったよ」
初めてボクを理解してくれそうな人を見つけて。
「君となら楽しくやっていける気がするよ」
「では、詳しい話をするために、一度事務所に来ていただけますか?」
「構わないよ」
「ありがとうございます」
 二人並んで公園を出ていくときには、先ほど感じた寒さは感じなくなっていた。

小ネタ
モバP「ねぇ、武内Pが美城常務を説得して落ち着いたアニメ最終話っていつだっけ?」

ちひろ「10月16日だね」

モバP「飛鳥がデレステに実装された日っていつだったっけ?」

ちひろ「……10月19日だね」

モバP「ちひろさん、もう一つ質問いいかな……デレステの飛鳥、誰がスカウトした?」

ちひろ「貴方のような勘の良いプロデューサーさんは嫌いです」

デレステの飛鳥が可愛すぎて書いてしまいました。
いやぁ、飛鳥かわいいですよね飛鳥。
武内P成分も補給できたのでこれでしばらく戦えます。
よろしければ私が書いた他のSSも読んでいただけたら嬉しいです。

美城常務「お久しぶりです」
美城常務「お久しぶりです」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439124366/)

【安価】モバP「持ち物検査をしよう」
【安価】モバP「持ち物検査をしよう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1440158840/)


それでは依頼出してきます。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom