モバP「休職」 (243)
プロデューサーをやり始めたときは、やってやるぞという気持ちだった。
でもその気持ちはだんだんすり減っていき、消えていった。
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日々の激務、ないと言っていいレベルの休日、200人近いアイドル達をたった一人でのプロデュース、その状況でまともでいられるわけはなかった。
そして身体が壊れるより早く、心が荒んでいった。
ちひろ「プロデューサーさん、ありすちゃんの番組のロケなんですが…」
モバP「一人で向かわせてやってください。現場も近いですし、大丈夫でしょう。」
ちひろ「…最近そればっかりじゃないですか、行けるときは行ってくださいよ。」
モバP「無茶言わないでください。何人プロデュースしてると思ってるんですか」
ちひろ「そんなこと言ったって、みんなあなたのことを頼りにしてるんですよ、頑張ってください。」
モバP「!!」
モバP「そんなこと知ったこっちゃないですよ!!ふざけてるんですか!!!」
ちひろ「い、いやふざけてなんか」
モバP「そもそもなんで俺以外にプロデューサーがいないんですか!おかしいでしょ!」
ちひろ「それは…」
モバP「雇う金がないんだったらいらないアイドルクビにするか他所に移籍させればいい!!」
ちひろ「いや、それはひどいですよ!」
モバP「ひどいのはどっちだよ!!」
自分の口調がだんだん強くなっていくのがわかり、目の前の同僚に吐き出される。そしてそれに自らのブレーキがかけられることはなかった。
その後、偶然来た社長にとめられ、社長の命令でそのまま帰ることになった。
次の日、社長から1カ月の休職を言い渡された。
正直、クビでもよかったが、まあ次の仕事を探さなくていいと思うことにした。
休職している間は変わりのプロデューサーを他の芸能事務所から数人借りてくるそうだが、どうでもいい。俺は話が終わったあと、ちひろさんに謝罪した。
ちひろ「気にしないでください。私も悪かったですから」
ちひろさんはそう言った。その瞳には、怯えがあった。
そういえば、前鍵をかけていたはずなのに、うちにいたアイドルがいた。少し説教をした後、帰してやったが。
その時、まさかと思って部屋を探す。そしてすぐに
あるものが見つかる。
盗聴機。
それを見た瞬間、怒りが込み上げる。あの時、探しておけば今までの声やら会話やらが聞かれずに済んだのに。
俺はその盗聴機に思いっきり叫んだ。今までの怒りと悲しみ苦しみを込めて。
その次の日
加蓮「えっ、プロデューサーが休職!?」
ちひろ「そうなの。社長からの命令で今日から一カ月間は事務所に来ないわ。」
奈緒「じゃあ、プロデューサーが来ない間はどうすんだよ。」
ちひろ「他の事務所からプロデューサーが来るそうよ。」
卯月「そうなんですか…」
友紀「でも…最近のプロデューサー、怖かったよね」
未央「うん…」
ちひろ「ほんとに?」
菜々「私達は特にそういうことはなかったんですけど…」
友紀「例えば、留美さんはプロデューサーさんに婚姻届を渡したとき、婚姻届をぐしゃぐしゃに丸められて思いっきり投げ付けられたり」
未央「麗奈はちょっとしたイタズラをしただけでマジギレされて泣かされたり」
奈緒「時子さんと心さんとはガチの口論になってたし」
ちひろ(みんなも、プロデューサーさんの変化には気づいてたんだ)
卯月「そういえば、聞いた話なんですけど…」
ちひろ「卯月ちゃんもあるの?」
卯月「愛梨ちゃんから聞いた話なんですけど、この間の握手会でしつこいファンの人がいたそうなんですが、プロデューサーさんがその人を別の部屋に連れて行ったんです。」
未央「それで、どうなったの?」
卯月「…部屋からそのファンの人が血まみれで運び出されたそうなんです…。」
奈緒「ま、マジかよ…」
卯月「噂じゃあ、その人はストーカー行為もしてたらしくて、それを知ったプロデューサーさんが怒ったらしいんです。」
友紀「その人はどうなったの?」
卯月「片足が少し不自由になったって噂も聞きました。」
加蓮「いくらなんでも、やり過ぎだよ…」
ーモバPの部屋ー
今日から休職だ。昨日から何をしようか考えていたが、全く思いつかず、こうやってダラダラと過ごしている。酒を飲もうとも思ったが、何故か飲む気になれなかった。
今のこの状態は、杏と一緒だな。そう思って一人鼻で笑う。
そんな時、インターホンが鳴る。玄関に向かい、ドアの向こうの訪問者に会おうとすると、聞き慣れた声が聞こえる。
「Pさぁん」
まゆだった。
この間、部屋にいたのも、盗聴機を仕掛けたのもこの子だ。正直、一番会いたくないし、声も聞きたくない。だがこいつは勝手に入ってくるだろう、厄介だ。
まゆ「Pさんが休職してるって聞いて、来ちゃいましたぁ」
俺はまだ声も出していない。このまま黙ってやり過ごすことにする。
まゆ「Pさぁん?いないんですかぁ?入りますよぉ」
やっぱりこいつは勝手に入ってくる。常識というものがないのか、自分なら許されるとでも思っているのか、こっちが迷惑してるということがわかってないのか。
やめろ。来るな。そう思ってもこいつは来る。ドアノブが下に傾いた瞬間、俺は怒鳴った。
モバP「開けんな!」
まゆ「!!」
ドアノブが戻る。いきなり大きな声で怒鳴られて驚いたのだろう。
モバP「帰れ!」
まゆ「い、いるなら言ってくださいよぉ。びっくりしたじゃないですかぁ。」
しまった。怒鳴ってしまった。そう思って落ち着きを取り戻そうとする。少し経って、ドア越しのまゆに言う。
モバP「悪いな、今は誰とも会いたくないんだ。お前みたいな奴は特にな。」
まゆ「どうしてですかぁ?まゆはPさんのこと心配してるんですよ?」
モバP「勝手に部屋に入ったり、盗聴機仕掛けたりするような奴に心配されたってちっとも嬉しくないんだよ。」
まゆ「それは、Pさんのことが気になって…」
モバP「気になって?嘘つくなよ。どうせ、俺のことネタにして、みんなで馬鹿にしてるんだろ?」
まゆ「ち、違いますよ。そんな馬鹿にしてなんかいませんよ…」
モバP「信用出来ないね。お前はそんな奴なんだろ」
まゆ「違いますよ!信じてください!」
モバP「ふざけんな!正直嫌いなんだよ!」
まゆ「!!」
モバP「だからもう帰れ。他の住人にも迷惑だし、お前の顔なんか見たくないんだ。気持ち悪い。」
まゆ「…」
早く帰って欲しい。それだけだった。
まゆ「…ごめんなさい…まゆ、ひどいことしましたね…本当に…ごめんなさい…」
まゆはそう言って去って行った。その時、何の罪悪感も感じなかった。ただ、ざまあみろ、という気分だった。
俺は、ハァ、とため息をついて部屋に戻った。
ー事務所ー
ちひろ「新しいプロデューサーさん、どう?」
凛「新しいって言うか…あの人達、借りてきたんでしょ?」
ちひろ「モバPさんがいない間はあの人達にプロデュースしてもらうしかないわ。」
凛「そうなんだ…」
ちひろ「あと凛ちゃん、社長からなんだけど、モバPさんが復帰するまでは、モバPさんの自宅にいかないようにって」
凛「えっ…?」
ちひろ「モバPさん、精神的におかしくなってるようなの。だから、そっとしてあげて」
凛「うん…」
夜、何故か外を歩きたくなったので、今、暗い夜の道を歩いている。夜風が気持ちいい。
仕事が終わって夜道を歩いている時は早く帰って寝たいという気持ちしかなかったが、仕事を休んでいる今は新鮮な気分だ。でもその気分がすぐに壊された。
美優「モバPさん…?」
偶然にも、三船美優に遭遇してしまった。
モバP「…」
美優「モバPさん、休職したって聞いて驚きましたよ。大丈夫なんですか?」
モバP「…」
まさか、一日で2人のアイドルに会うとは思わなかった。本当に面倒くさい。
美優「あっ、そうだ、一緒にごはんを…」
美優がすべて言う前に、俺は来た道を戻った。
美優「ちょ、ちょっと、待って下さい!」
待つ気なんてない。そのまま止まることもなく歩くが、追いつかれた。
美優「お話しましょうよ。少しだけでもいいですから。」
モバP「ーッ!!」
俺は、美優を思いっきり突き飛ばした。美優はキャッ、という声をあげてそのまま倒れた。
美優「…モバPさん?」
俺は突き飛ばされた美優を一瞬見たあと。走って逃げた。なんなんだ今日は、ほんとについてない、といらだちながら。
次の日、俺の電話が鳴る。
モバP「もしもし」
友人P「もしもし、大丈夫か?」
友人からだった。彼とは、仕事先で知り合い、仲良くなった。今では、たまに連絡したりする仲である。
モバP「まあ、なんとか。どうしたんだ?」
友人P「いや、実はお前んとこの事務所で臨時でプロデューサーをやってる。」
モバP「それってまさか、お前一人でか?」
友人P「いやいや、俺含めて16人、それでなんとかなってる」
16人か…社長の奴、最初からそれくらい雇っておけば、こんなことにならずに済んだのに。
友人P「それにしても、お前よく今まで耐えられたな。」
モバP「何が?」
友人P「あれだけの数を一人でプロデュースするなんて、普通無理だろ。」
モバP「…まあ、確かに」
友人P「マスコミとかに叩かれなかったのが不思議だよ…まあ今は俺達がやってやるから、お前は休んどけよ。」
モバP「ありがとう、本当に助かるよ…」
その後、電話を切った。本当は愚痴とか、怒りとか辛さとか聞いて欲しかったが、言えなかった。それは同じプロデューサーだからなのか、俺が嫌い、憎み恨む対象じゃなかったからなのかはわからなかった。
それから3日経った。外をフラついたり、少し遠く、知らない場所まで行ってみたりした。とにかく、自宅にあまりいないようにした。アイドルがまた来るかもしれず、相手にしたくない 。
郵便受けにはアイドル達の手紙とか入っていた。
全く読まずに破り捨てた。
凛(ちひろさんはPに会っちゃあダメって言ったけど。会いたい。会って話がしたい。)
友人P「…渋谷さん?」
凛「…!あっ!ごめんなさい!なんですか?」
友人P「今日は○○でロケをやるから、準備してください」
凛「わかりました。」
凛(会いたいよ、プロデューサー)
ーロケ地ー
凛(なんとかロケは終わった。)
友人P「お疲れ様、渋谷さん。良かったよ。」
凛「お疲れ様でし…?」
凛(あれは、プロデューサー?)
モバP「!!」
友人P(あれは、モバP?)
凛「プロデューサー!」
友人P「ヤバい!待って!渋谷さん!」ガシッ
凛「離して!」
友人P「いいから!」
ー事務所ー
友人P「ちひろさんや社長から聞きませんでしたか?」
凛「…」
友人P「モバPに会わないこと、見かけても気にしないこと、自宅にはいかないこと、俺も言ったはずですよ。」
凛「…どうして?」
友人P「…彼の為です。彼は今、精神的に不安定なんだ。アイドルや仕事から離しておくべきなんだ…」
凛「だから何なの!私は心配なんだよ!私はプロデューサーに会いたいの!話がしたいの!」
ちひろ「凛ちゃん、気持ちは分かるけど、今は我慢して欲しいの。お願いだから」
凛「嫌よ!」ダッ
ちひろ「凛ちゃん!」
友人P「渋谷さん!」
凛(プロデューサー!今会いに行くから!)
ーモバPの自宅ー
なんてこった。今日は偶然にも、凛と目が合ってしまった。あの時、心臓を殴られたような気分だった。
凛は、俺が最初にプロデュースした子だ。だからお互いのこともよく知っている。
でも、俺は逃げた。会ったら必ずあいつは駆け寄ってくる。たとえ付き合いの長いアイドルでも、俺は今は会いたくなかった。
その時、インターホンが鳴る。誰だろう?事務所のアイドルには俺に構わないようにと言っているはずだったのに。
その時、たまたま鍵をかけていなかった。俺が玄関についた時にドアが開く。
凛だった。
俺は、少し黙った。頭の中で答えを出す前に凛が言葉を発した。
凛「…会いに来たよ。プロデューサー」
会いに来た。そう言われても何も話すことはない。だから、帰ってもらうことにした。
モバP「…悪いけど、帰ってくれないか。」
凛「嫌だよ。私はプロデューサーと前みたいに話がしたいよ。また一緒に仕事がしたいよ。」
モバP「…今は休職中なんだ…頼むから待ってく」
凛「戻ってきてよ!お願いだから!」
モバP「凛!」
凛「私はプロデューサーとじゃないと嫌!逃げないでよ!プロデューサー!」
モバP「ッ!!」
凛「私、プロデューサーのことが」
その時だった。
俺の無意識が、右手が、右腕が、俺を守りたいがために動く。
その右手は、彼女の頬をめがけて飛んでいき、そして、
バシッ!!
凛「!?」
モバP「…」
気がつけば、俺は息を荒くしていた。
凛「プロ…デューサー…?」
彼女は平手打ちを受けた頬を押さえ、驚きと怯えと悲しみが混じった表情をしていた。
俺はそんな彼女に容赦のない言葉を放った。
モバP「帰れ…帰れ!」
凛は、悲しみに満ちた顔をして、玄関から去っていった。
ただ一言、ごめん、と小さく呟いて。
彼女が去った後、力が抜け、その場に座り込んだ。
ふと、彼女を引っ叩いてしまった右手を見る。まるで、やってしまったと言わんばかりに震えていた。
その手には、感触が残っていた。
それから、罪悪感が襲ってきた。呼吸が荒くなる。そしてそのまま、頭を抱えてふざきこんだ。
それからだった。夢でアイドル達に強くあたってしまった記憶が蘇ってきた。
ーお前と結婚する気なんかねぇんだよ!ー
留美「きゃっ!ご、ごめんなさい、押し付けちゃったみたいで…」
ー重てぇんだよ!こっちはそんな気なんかねぇんだよ!ー
留美「…」
ーこっちは真面目に仕事してんのに邪魔してんじゃねぇよ!調子乗ってんのか!ー
麗奈「ご…ごめん…なさい。うっ…ひくっ…」
ー泣いたって許せるわけねぇんだよ!ー
ー無理無理言ってんじゃねぇ!ー
乃々「ひぃ!や、やめて、お願い」
ーだったらやめちまえ!ー
杏「ちょっ…蹴ることないじゃん!」
ーウチのアイドルに迷惑かけやがって…ー
ファン「」
愛梨「酷い…ここまでする必要ないじゃないですか…」
ーこういう奴はこうでもしないとまたやるんだよ。当然なんだよ。ー
それは数日続き、そのせいで眠りは浅く、起きた時には汗でビショビショで、呼吸も荒かった。
今まで封印されてきた罪悪感が解放され、一気に襲いかかった。
夢の中で見た彼女達は、皆、悲しい表情をしていた。
その悲しい表情が俺を苦しめる。俺は頭を抱えて下を向く。そして、あることを考える。
もし、謝ったら、許してくれるだろうか。
いや、許してくれなくても、謝らなきゃいけない。謝らなければ絶対ダメだ。
そうしよう、そう思った時、携帯が鳴る。友人Pからだ。
モバP「もしもし…」
友人P「もしもし、大変だ。事務所のことがマスコミにバレた。」
バレた!?
テレビではその情報は掴めなかったが、近くのコンビニに行くと、並べられた週刊誌にプロダクションのことが書かれていた。
〜○○プロダクションの恐るべき実態〜
〜200近くのアイドルを一人でプロデュース〜
〜プロデューサーは休職〜
週刊誌は、まるでプロダクションが悪者として書かれ、俺は被害者のような書かれ方だった。
その後、また友人Pから連絡があり、俺は自宅待機してくれと言われた。
それにしても、何故今頃バレたのだろうか?俺がまだプロデューサーをやっていた時は全くバレなかったのに。
おそらく誰かがバラしたに違いないが、一体誰なんだろうか?
アイドル、ちひろさん、プロデューサーの誰か、おそらくそのあたりなんだろう。
そして、その答えはテレビが映した。
ニュースはちょうど、プロダクションのことを報道していた。
いま、生放送で記者会見をするところだった。
誰がするのだろうか?やっぱり社長なのだろうか、そう考えていると、傍から一人の女性が現れた。
モバP「楓…さん?」
彼女は凛と同じく、最初にプロデュースしたアイドルの一人、高垣楓だった。
俺は、彼女がテーブルの前で記者達と向き合い、挨拶の言葉を話したあと、椅子に座る彼女を見つめるしか無かった。そして、記者会見が始まった。
記者「あの、今回の件なんですが、内部告発をしたのは高垣さんだと言われているのですが、そのあたりはどうなのでしょうか?」
モバP(楓が!?)
何故なんだ、何故彼女がこんなことをしたんだ。俺は彼女の返答を欲した。
楓「はい、私がプロダクションのことを話しました。間違いありません。」
記者「何故、今になって、内部告発をしたのでしょうか?」
楓「私は…アイドルを始めた頃から、プロデューサーさんと仕事をしていました。その頃の彼はとても優しくて、私達の為に一生懸命でした。でも日に日に彼は変わって、苦しんでいるように見えて、私は心配で見ていられませんでした。彼が休職したとき、私達が彼を壊してしまったと思いました。だから、その罪滅ぼしのつもりで、プロダクションのことを言いました。」
彼女は涙をこらえながら話していた。私達が、俺を苦しめたんだと、壊してしまったんだと。
俺は、全く気づかなかった。彼女が俺のことを心配していたことを。
記者「もし、休職しているプロデューサーに何か一言あれば、できればでいいのでお願いします。」
楓さんの目から涙が溢れた。彼女は少しうつむきながら話した。
楓「プロデューサーさん…本当に…ごめんなさい…何も…助けてあげられなくて…」
テレビ越しに謝られた。彼女は、何も悪くないのに。
次の日、俺は友人Pに連絡した。
今、事務所はどうなっているのか、高垣楓はどうなるのか、アイドル達はどうしているのか、友人Pは答えた。
今、事務所には取材の電話やらが殺到し、事務所の前には記者がいるらしい。
高垣楓は自分の意思で、他の事務所へ移籍するそうだ。
アイドルたちの反応も、ほとんどはやめるか移るか、らしい。
最後にもう一つ、聞きたいことがあった。
モバP「凛は、今どうなってる?」
あの時、引っ叩いてしまった凛はどうなっているのか、聞きたかった。
友人P「ああ、普通に仕事をしてる。事務所のことなんて知ったこっちゃないって感じだな。」
俺は、そうか、と一息ついた。
その後、友人Pからある話を切り出される。
友人P「お前、ウチの事務所に来ないか?」
友人Pは、俺を自分の事務所に入れたいらしい。
でも、俺のような、アイドルに暴言や暴力を振るう人間をいれて大丈夫なのだろうか。でも、今のプロダクションを見ていると、もう長続きはしないだろう。
俺は、その話を受けることにした。
俺はその時、こう思っていた。
俺には、もうアイドル達に会う資格はない。
罪悪感に悩まされ、悩んだ結果だった。もう謝ったってこれまでの関係にはもう戻れないだろうと。
このSSまとめへのコメント
ブラック企業で労働すると流石に病むでしょ
続きはまだか…
頑張って欲しい