その男、ハチマン (76)

原作は読みましたが、読んでからだいぶ日が経っているので正直流れしか覚えてません。誰が誰と面識があるのかとか、何て呼ぶのかとか細かい設定はあまり覚えていませんので、間違うところがあればご指摘よろしくお願いします。
あと便宜上、時系列やキャラの誕生日は完全無視でお願いします。

それぞれルート別に、短くまとめられたらなって思っています。まあ最初は自分の好きなキャラから……

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1445442077

【雪ノ下陽乃編】


雪ノ下陽乃が、いつからこんな甘えた態度をとるようになったのか、俺にはわからない。
しかし、一つわかったことがある。それは、彼女は案外、というよりめちゃくちゃ可愛い、ということだ。

アウトレットモール:日曜日



***「おにぃーちゃん、早くしてよ〜」

八幡「わるいわるい、今行く」

***「もぉ、さっきからずっとキョロキョロして……ここ、そんなに珍しい?」

八幡「ぼっちはこんなとこ、滅多に来ないんだよ」

***「ハァ〜、さすがゴミぃちゃん……」

八幡「……それより、次はどこ行くんだ?」

***「えーっと、たしか……」




陽乃「あら〜? 比企谷くんじゃん」




八幡「っ……」

***「ん?」

陽乃「久しぶり〜、元気だった?」

八幡「……まぁ」

陽乃「あはは、相変わらずだねー」

***「……」

陽乃「あら?」

***「?」

八幡「……」

陽乃「……比企谷くん〜。もしかして彼女? いけないな〜、君には雪乃ちゃんがいるのにー」

八幡「……違いますよ。妹です」

***「……い、妹の小町です。いつも兄がお世話になってます」ペコリ

八幡 (いや、別にお世話になってませんよ)

陽乃「あっ、妹ちゃんだったの! ごめんね〜、間違えちゃって。兄を彼氏と間違えられるのは流石に嫌だよね〜」

***「え、あはははー……」

八幡 (小町、顔! 顔笑ってないよ!)

陽乃「ふ〜ん……」

八幡「……だいたい彼女のことも冗談でいいましたよね?」

陽乃「まぁねー♪」

八幡「……」

陽乃「それで、二人でお買い物かな?」

八幡「はい。母の誕生日プレゼントを買いこようと思って」

陽乃「あーなるほどね〜。そっか、誕生日プレゼントかー」

八幡「――それじゃあ、俺たちはこれで……」

陽乃「あ、ちょっと待って比企谷くん!」

その男、ヴァンダム

>>4
ん〜、ヴァンダム (キリッ

学校:月曜日



***「どうしたのヒッキー? 顔色悪いよ?」

八幡「いや、別に……」

***「そうかしら。いつものことだと思うのだけど」

八幡「……それってつまり、いつも顔色が悪いということだよな」

***「あら、そんなこと言ってないわ……」

八幡「なんで最後だけ声のトーンが下がるんだよ。やめて、そういうの気にしちゃうから」

***「なーんだ、いつものヒッキーじゃん」

八幡「……ひとの気も知らないで……ビッチめ」ボソッ

***「なっ!? 今ビッチって言ったでしょ! 聞こえたよヒッキー!」プンスカ

ガラガラガラ

***「こんにちはー!」

***「あ! いろはちゃん!」

***「……」

八幡「……なんだ一色か」

***「なんだって、生徒会長に向かって失礼ですよ! 先輩!」

八幡「はいはい、こんにちは」

***「ふふーん、先輩もちゃんと挨拶できるんですねぇ〜」

八幡「……」

***「それで……何の用かしら、一色さん」

***「あ、はい。あの〜、別に大した用事ではないんですけど〜……」

***「?」

***「前に、海浜総合高校さんと合同でクリスマスパーティーをやったじゃないですかぁ〜」

八幡「あー、あれか」

***「で、向こうの生徒会長さんが、今更なんですけど、打ち上げ的なことをやりたいと言い出しまして〜」

八幡「パス」

***「私も遠慮しとくわ」

***「早っ! まあ、普通に考えてそうですよね〜……」

***「ちょっと二人とも! って言いたいところだけど、私もちょっとな〜……」

八幡「それ、別に行かなくてもいいんだろ?」

***「はい……でも『We wanna continue friends with you forever!』って、向こうの生徒会長さんが張り切ってるらしく……なんか断るのも悪いですし……」

***「相変わらずね、向こうの生徒会長も」

***「っていうか、ひどくなったよね……」

八幡「……まぁなんだ、頑張れ」

***「えーっ! 一人ぐらい、いいじゃないですかー!」

***「……」チラッ

***「……」チラッ

八幡「……無理」

***「そんなぁ〜……」

***「まあ、本人がそう言ってることだし。残念だけど……」

***「……ごめんね、いろはちゃん」

八幡「……悪いな一色」

***「せんぱぁ〜い……」ウルウル

八幡「……」

***「……」

***「……」

***「責任とるっていったじゃないですかぁ〜」

***「せきにん? なんの責任かしら」

***「?」

八幡「あ、いや――」

***「ほ、ん、も、の」ボソッ

八幡「っ!?」

***「……ふふ」ニヤニヤ

八幡「……わかりました行きます行かせてください」

***「え、いいんですかぁ〜!? 先輩、ありがとうございます!」

***「……よくわからないけど、あなたがそういうなら……私は止めないわ」

***「ヒッキーどうしちゃったの?」

八幡「いや、きゅ、急に行きたくなったんだ。別に深い意味はない、深い意味は。――それで、いつなんだ? その打ち上げは」

***「今週の土曜日です!」

八幡「……」

***「どうかしましたか、先輩」

八幡「今週の……土曜日?」

***「はい!」

八幡「……悪い。本当にごめん」

***「えっ、まさか用事とか? 先輩に限ってそんなこと――」

八幡「いや土曜日はマジで無理。本当にごめん。なんなら土下座でもなんでも」

***「ええっ!? いいですよー、そんなことしなくて。どうやら本当みたいですし……でも先輩が珍しいですね、用事なんて」

***「そうね。常日頃から暇なあなたが用事なんて……やっぱりあなたでも、地球が滅びる前は家族と過ごしたいのかしら?」

***「えっ! 地球滅びちゃうの!?」

***「……」

八幡「まあ、馬鹿はほっといてだな……」

***「ちょっ! 馬鹿っていうなし! 冗談だってぐらいわかるし!」

八幡「土曜日は本当にダメだ。サボったら殺されかねん」

***「……そんなやばい用事なんですか……土曜日のって……」

八幡「ああヤヴァイ。命に関わる」

***「……ハァ。わかりました、じゃあ今回は生徒会のメンバーで行ってきます」

八幡「ああ、悪いな」

***「いいですよ、いきなり誘った私が悪いんですし。その代わり今度埋め合わせして下さいねっ、先輩」

八幡「あ、ああ……」


ガラガラガラ

八幡「……」

***「ちょっと可愛そうだったかなぁ?」

***「まあ、私たちにも意思はあるんだし、しょうがないわ」

***「でもヒッキー、それって一体なんの用事なの?」

八幡「え、あ、まああれだ。家の用事ってやつだ……」

***「ふーん……もしかして、それが原因で、顔色が悪いとか」

八幡「あー……かもしれない」

***「……」

***「……」ジーッ

八幡「……」

今日はここまで
結構のんびり投下します

家:金曜日


八幡「……」

***「……お兄ちゃん、平気?」

八幡「まあなんだ、平気だと思う」

***「心配だから……付いて行ってあげたいんだけど……」

八幡「無理すんな、小町はああいうタイプ、苦手だろ」

***「……うん。でもお兄ちゃんもでしょ?」

八幡「……」

***「だ、だいじょぶだよお兄ちゃん! 普通のデートだと思えば! ねッ☆」

八幡「相手が普通の人ならな……」

***「お兄ちゃんの知り合いで、普通の人なんているの?」

八幡「……いる。戸塚とか彩加とか」

***「……まあ頑張ってよ、影で応援してるからさ」

八幡「……ああ」

雪ノ下陽乃編は全て書き溜め終わることができました
順に投下していきたいと思います

ショッピングモール:土曜日


八幡「……」

タッタッタ
陽乃「ごめーん、待たせちゃったかな?」

八幡「……いえ、俺も今きたとこです」

陽乃「そ? じゃあ行こっか♪」テクテク

八幡「はい……」トコトコ


八幡「……それで、なんで俺なんすか」

陽乃「え、なにがー?」

八幡「いえ、今日のことです」

陽乃「あー。私、雪乃ちゃんに何あげていいかわかんないんだよね、誕生日プレゼント」

八幡「……だからって、俺ですか?」

陽乃「あれ、もしかして嫌だったかな?」

八幡「……別にそういうわけじゃないですが……俺なんかがお役に立てるかどうか」

陽乃「えー、比企谷くんだからいーんだよ〜」

八幡「はぁ」

陽乃「いやぁ〜、ね。女友達とだったら、絶対私の方がセンスあるから、参考にならないし……」

八幡 (自分で言ったよこの人)

陽乃「男の子の友達とは、んーなんか……あっちが色目使ってきて疲れるし……」

八幡「……」

陽乃「その点、比企谷くんなら安心でしょ? 君、理性の化け物だし」

八幡「……そりゃどうも」

陽乃「それに比企谷くんも、雪乃ちゃんにあげたんだよね」

八幡「……ええ、まあ」

陽乃「なにあげたの?」

八幡「別に、大したものじゃないです」

陽乃「ふ〜ん……」

八幡「……」

陽乃「……」

八幡「……で、なんで今何すか?」

陽乃「ん? 何が?」

八幡「誕生日プレゼントですよ。あいつの誕生日、とっくに過ぎてるじゃないですか」

陽乃「あー、えーっと……渡しそびれちゃったっていうか……ちょうどその時ゴタゴタしてて、渡せなかったんだよね。でもお姉ちゃんなんだし、ちゃんとあげなきゃなーと思って」

八幡「……」

陽乃「なにその目は〜。なんか疑ってるでしょ」

八幡「いえ。あと目はもともとです」

陽乃「私だってお姉ちゃんらしい行動はしてるつもりよ〜」

八幡 (嘘つけ)

陽乃「とにかく、そういうことだから。今日1日よろしくね〜」

八幡「……はい、わかりました」

陽乃「んー、これなんてどうかな?」スッ

八幡「パンさんですか……それはやめといた方がいいですよ」

陽乃「え〜なんでー? 雪乃ちゃんって、こういうの好きじゃなかった?」

八幡「はい。好きすぎてほとんど持ってると思います」

陽乃「あー、かぶっちゃうってこと?」

八幡「はい」

陽乃「そっかー、じゃあどれがいいかな……」

八幡「日用品とかどうですか、食器とかグラスとか」

陽乃「ん〜……でも私、雪乃ちゃんに嫌われてると思うから、使ってくれなそうだし〜」

八幡「……じゃあ普段使わないもので、なおかつ大事にされるものってことですか?」

陽乃「うんうん、そうだね! そういうことっ!」

八幡 (要求高けぇ……)

陽乃「うーん、これじゃダメそうだし〜……良いのがなさそうね。ここって、ほかにはどんなお店があったっけ?」

八幡「そうですね……2階に雑貨屋さんがあります。目当てのものが見つかるんじゃないですかね」

陽乃「雑貨屋さんかぁ〜。うん、いいかも! じゃあ早速いき――」


***「おや、雪ノ下君の娘さんじゃないか」


陽乃「っ……」

八幡「ん?」

陽乃「……これはこれは、***さん。今日は奥様とお買い物で?」

***「いや、息子と一緒に家具を買いに来たんだ。運転できるのがうちには息子ぐらいしかいないからね」

八幡 (この人、どこかで見た気が……)

陽乃「そうでしたか。息子さんはお元気ですか?」

***「ああ、変わらないよ。……ちょっと待っててくれ、今連れてくるよ」

陽乃「あっ! いえいえ、お構いなく。お忙しいところ邪魔しては……」

***「いや、いいんだ。息子もその方が喜ぶ。――ところで、彼は?」

陽乃「え、あ……彼は妹の友人で、妹の誕生日プレゼントを一緒に選んでもらっているんです」

八幡「ひ、比企谷です。どうも……」

***「そうか、妹さんのご友人だったか。はっはは、陽乃ちゃんにも彼氏ができたと思って、冷や汗をかいてしまったよ」

陽乃「そんなまさか。ご冗談を」フフフ

八幡「あは、ははは……」(帰りたい)

***「そうか、でも妹さんの誕生日か……陽乃ちゃんは妹思いなんだね」

陽乃「いえ、そんな……」

八幡「……」

***「なら邪魔しちゃ悪い。誕生日プレゼントというのは、じっくり考えてあげるのが大事だからね。貴重な時間を奪って悪かった、私はこの辺で失礼するよ」

陽乃「はい、お会いできて良かったです。息子さんにもよろしくお伝えください」ニコ

***「ああ。ではまたね」スタスタ

陽乃「……」

八幡「……」

陽乃「……」

八幡「……雪ノ下、さん?」

陽乃「……え、あっ、ごめんね〜。なんか巻き込んじゃって」

八幡「いえ、それより今の……」

陽乃「えーっと、国会議員の***さん。聞いたことあるかな?」

八幡「あっ」(だから見覚えが……)

陽乃「お父さんの知り合いで、何度かお食事を一緒にしたんだけど……」

八幡「……」

陽乃「それから結構頻繁にお会いするようになって、親しくしてもらってるんだー」

八幡「へぇ……」

陽乃「エヘ……ビックリしたでしょ? 大事な人様と接するときは、いつもあんな感じなんだよ、わたし♪」

八幡「……」

陽乃「こらこら〜、感想とか言いなさいよー。大人っぽかったとか、お淑やかだったとかぁ〜」

八幡「……」

陽乃「まあ、あれが外面が良いってやつなんだけどぉー……」

八幡「……なんていうか、いつもと変わりませんでしたね」



陽乃「えっ」

八幡「え?」



陽乃「なにそれ、もうちょっと何かあるでしょ〜? お姉さん傷つくなー」

八幡「そんなこと言われても……」

陽乃「もぉ〜、比企谷は素直じゃないな〜。可愛くないぞー」

八幡 (……本当のこと言っただけだが)

陽乃「まあいいや。とりあえず、その雑貨屋さんに行ってみよっか。***さんの言った通り、時間は貴重だしね♪」

八幡「あ、はい」

残りは夜にでも

雑貨屋inショッピングモール


八幡「これなんかどうすか」

陽乃「ん、何これ? どりーむきゃっち?」

八幡 (なんですか、そのプリキュアみたいなネーミングは)「違います、ドリームキャッチャーです」

陽乃「ドリームキャッチャー?」

八幡「はい。どこかの先住民のお守りらしくて、魔除けとして部屋に飾ったりするらしいですよ」

陽乃「あ、聞いたことあるある! へぇ〜、これがドリームキャッチャーかぁ」

八幡「……これなら飾っておくだけだし、魔除け代わりにもなるんで、捨てられることもないと思いますよ。あいつ、案外そういうの信じてるんで」

陽乃「……うん、いいかも! じゃあこれにしよっかな!」

八幡「あ、はい」

陽乃「いや〜助かったよ。やっぱり比企谷くんがいて良かったー」

八幡「お役に立てなら光栄です……」

陽乃「またまたそんなこと〜。でも今日は比企谷くんのおかげで良いものが選べたよ。ありがとね!」

八幡「いえ、別に大したことは。――じゃあ、買い物も終わったわけですし、そろそろ俺も……」ソォ〜

陽乃「まぁまぁ比企谷くん。そう急がないでッ♪」ガッ

八幡「な!?」

陽乃「お礼ぐらいさせなさいよ、好きなもの奢ってあげるから。ねっ?」

八幡「……いえ、だいじょブガッ!」

陽乃「いいじゃない、いいじゃな〜い♪ 遠慮しないでぇ〜」ギュッ

八幡 (胸が当たって……当ててるんですか? あててんのよ、なんですか!?)

陽乃「ねえねえ、比企谷くんッ♪」

八幡「わ、わかりましたから……離れて……」

陽乃「それで〜、どこ行きたい?」スッ

八幡「……フゥ。じゃ、じゃあコーヒーをいっぱい」

陽乃「えー、そんなんでいいの〜?」

八幡「はい。腹も減ってないんで……」

陽乃「うーん……じゃあ、ちょっとここから離れてるけど、美味しくてゆっくりできるところを教えるよっ」

八幡「はぁ、ありがとうございます」

喫茶店


陽乃「ここのコーヒーはブラックが美味しいのに……カフェオレにまで、そんな砂糖入れるの?」

八幡「……まぁ、甘いの好きなんで」サッサッ

陽乃「ふ〜ん……」

八幡「……」マゼマゼ

陽乃「……」ジー

八幡「……」フーフー

陽乃「……」ジー

八幡「……」ゴクゴク

陽乃「……」ジッー

八幡「……なんすか」

陽乃「いや〜、比企谷くんを観察してると面白いなーって思って♪」

八幡「……」

陽乃「ねえねえ、雪乃ちゃんとは最近どうなの?」

八幡「っ……」

陽乃「あっははー、そうそう、その反応を期待してたんだよ〜」

八幡「……人で遊ばないで下さいよ」

陽乃「ごめんね〜、でも面白いからさー♪」

八幡 (疲れる……)

陽乃「で、雪乃ちゃんとはズバリどうなの」

八幡「別に、何もありませんよ」

陽乃「そーかな〜、比企谷くんの目にはそう映ってるだけかもよ?」

八幡「……そんなこと言われましても」

陽乃「じゃあ、ガハマちゃんとは?」

八幡「由比ヶ浜と? いえなにも……」

陽乃「えー、勿体無いな〜。両手に花だというのに〜」

八幡「……」

陽乃「でも、私は雪乃ちゃんとしか許さないからね」

八幡「……」

陽乃「わかってるの〜?」

八幡「……」

陽乃「ンッフフ♪」

八幡「……そろそろ夕飯なんで、帰ります。妹も待ってるんで」

陽乃「えっ、あー、うん」

八幡「では……」

陽乃「今日はありがとねー、また今度」

八幡「はい。カフェオレ、ご馳走様です」スタスタ


カランコロン

陽乃「……ちょっといじめすぎちゃったかな」

学校:月曜日



***「ヒッキー、今日は調子良かったね。先週はずっと、グダァ〜ってしてたのに」

八幡「そうか?」

***「うん、なんかシャキッとしてた」

***「比企谷くんが……シャキッと……プッw」

八幡 (何を想像したんですか、雪ノ下さん)

***「……由比ヶ浜さん。残念だけど、それはないわ」クスクス

***「え、そうかな〜」

***「そうよ。だって――」

ガラガラガラ



陽乃「ひゃっはろ〜」



八幡「んあ……」

***「あ、陽乃さん!」

***「……」

陽乃「来ちゃったー。どう? 元気にやってる〜?」

***「……あ、はい!」

八幡「……」

***「……何の用かしら、姉さん」

陽乃「もー雪乃ちゃんったら〜、すぐ邪険に扱うんだから」

***「いいから用を言って」

陽乃「はいはい……っと、はい雪乃ちゃん!」スッ

***「……何、かしら。これ」

陽乃「ちょっと遅めの誕生日プレゼント! 渡しそびれちゃったから」

***「……」

***「わぁ〜! 良かったね〜ゆきのん!」

八幡「……ふぁ〜」アクビ

陽乃「ほらほら開けてみてよ! 今回は結構自信あるのよ」

***「そうだよゆきのん! 開けて開けて!」

***「……え、ええ」ガサゴソ

パカッ

***「……」

***「……えっ」

八幡「なっ……」

陽乃「じゃじゃーん! どう? 喜んでもらえた?」

***「……鍵? だよね、これって」

八幡「……」

***「……姉さん、これ家の鍵よね」

陽乃「そうだよ〜」

***「帰ってこい、ということかしら?」

陽乃「そうだよ」

八幡「……」

***「……ゆきのん」

陽乃「♪」

***「出てって」

陽乃「?」

***「聞こえなかったのかしら。出てって」

陽乃「どうして?」

***「ここは本来、依頼のある人と部員、顧問の先生しか入室できない決まりよ。部外者は出てって」

陽乃「部外者じゃないよ、私もここの卒業生だもん」

***「今は部外者よ」

陽乃「じゃあ私も依頼主ってことでー。依頼の内容は――」

***「いいから出てって!」バンッ

***「!?」

八幡「……」

陽乃「……」

***「……」

陽乃「雪乃ちゃん、これだけは言っておくよ。――もうわがままはよしなさい」

***「……」

陽乃「あなたも子供じゃないはず。いつまでも、家族から逃げれると思わないで」

***「……」

陽乃「じゃ、私いくから。またね」


ガラガラガラ


***「ゆきのん……」

八幡「……」

***「……」

八幡「……」ガッ スタスタ

***「ちょっ! ヒッキーどこいく――」

八幡「トイレ。もう、ダメ、漏れる」

***「なっ!?」


ガラガラガラ
タッタッタ

校門*



陽乃「……」スタスタ

八幡「ちょっ、雪ノ下さん!」タッタッタ

陽乃「あれ〜、比企谷くん。どうしたの?」

八幡「どうしたのって……なんで……」

陽乃「なんでって、何が?」

八幡「……プレゼントですよ」

陽乃「あー……あのあとよく考えたんだけど、あっちの方がいいかな〜って思って」

八幡「雪ノ下が喜ぶとでも?」

陽乃「……喜ぶとか喜ばないとか、そういうのは関係ないんだよ。雪乃ちゃんのためになるか、ならないか」

八幡「じゃあ、今、雪ノ下が実家に帰ることは、あいつのためになると?」

陽乃「少なくとも、私はそう思うなー」

八幡「……」

陽乃「ん?」

八幡「俺は――」


***「陽乃」

八幡「っ……」

陽乃「あ、お母さん」

***「雪乃への用事は終わったの?」

陽乃「まあね」

***「それじゃあいくわよ……って、あなたはいつかの……」

八幡「あ、比企谷です。どうも」

***「雪乃のお友達ね。いつも雪乃がお世話になってるわ、どうもありがとう」

八幡「いえ……俺は別に……」

***「……えーっと、それで陽乃に何か用事でも?」

陽乃「ううん、お母さん。別に――」

八幡「はい。実はとても大事な用事が」

***「あら、そうだったの?」

陽乃「え、何――」

八幡「実は妹が、常日頃から陽乃さんと仲良くしてもらっていて……」

陽乃「ちょ、ちょっと比企谷くん?」

八幡「それで、今日が妹の誕生日なんです」

***「それはそれは……」

八幡「で、陽乃さんがうちに来て、一緒に誕生日会に参加する予定だったのですが……」

***「あら、そうだったの陽乃?」

陽乃「ちが――」

八幡「ですが、陽乃さんは忙しいみたいで……そのことで今、参加を断られていたんです」

***「そうだったの……妹さんはおいくつなの?」

陽乃「ちょ! お母――」

八幡「今年で、七歳になります……」

***「まあ……七五三の年ね。それは大事な年だわ……陽乃、なぜ黙ってたの?」

陽乃「な――」

八幡「いえ、俺が無理を言ったんです。妹はとても陽乃さんに懐いていて……兄の俺が嫉妬するほどです、はい」

***「ふふっ、陽乃にもそんな一面があったのね。驚きだわ」

八幡「はい、妹と接するときの陽乃さんは、そうですね……まさに聖母マリアといったところでしょうか」

***「あら、お世辞が上手のね」ウフフ

八幡「いえいえ、本心です」

***「……陽乃、そんな大事な用があったなら先にいえば良かったのに……今日は私とお父さんだけ行くから、あなたは比企谷さんの誕生日会に参加しなさい」

陽乃「お母さん!?」

***「いい? これは命令よ。わかった?」

陽乃「なっ!」

***「じゃあ、私はいくからね。陽乃、くれぐれも失礼のないように」

シュッパツシテ… ハイ、オクサマ

陽乃「ちょっ、お母さん!」

ブ━━━ン……


陽乃「……」

八幡「……」

陽乃「比企谷、くん」

八幡「……はい」

陽乃「これは、どういうことかな?」

八幡「……」

陽乃「……説明するまで、あなたも家には帰さないから。わかった?」

八幡「……はい」

ここから先、【雪ノ下陽乃編】終盤ですが、原作ファンからかなり批判を受ける気がします。まあ見てくれてたらの話ですが……悪しからず

微修正次第、投下します
一旦ここまで

投下します
若干ネタバレ、キャラ崩壊注意です
(てか姉のんキャラ崩壊しないと、落とせない気がするんですけどね……)

海岸




八幡「……」

陽乃「……」

八幡「……ぁ」

陽乃「それで比企谷くん、ここまで連れて来て、何か理由でもあるの?」

八幡「いえ、特にありません。ただ人気の少ない場所を選んだだけで……」

陽乃「……まあいいわ。で?」

八幡「で?」

陽乃「は?」

八幡「あ、いえ……」

陽乃「……私を引き止めたんだから、何か言いたいことがあるんでしょ?」

八幡「ええ……まあ」

陽乃「じゃあ、言って」

八幡「……わかりました。その前に、これから言うことで雪ノ下さんは傷つくと思います。悪く思わないで下さい」

陽乃「傷つく? 私が?」

八幡「ええ、もうボロボロじゃないですか」

陽乃「……」

八幡「……」

陽乃「……いいわよ、話して」

八幡「……雪ノ下さんって、外面で本心を隠すタイプですよね」

陽乃「え?」

八幡「本音と建前の関係でいうと、建前を表に出して、本音を隠すって感じです」

陽乃「……?」

八幡「簡単に言うと、素直じゃないってことになるんですかね、それだと説明不足だと思いますが……」

陽乃「……何、いきなり」

八幡「じゃあ順に説明します。まず最初に、なぜ雪ノ下にあんなことを?」

陽乃「あんなことって、プレゼントのこと? それはさっきも言ったけど、よ〜く考えてみたら、雪乃ちゃんにとってはそっちの方がいいかな〜と思って……」

八幡「嘘ですね」

陽乃「えっ?」

八幡「あなたはただの自己満足で、ああいった態度をとった」

陽乃「……どーいうこと、かな?」

八幡「日曜日の、あの買い物に付き合ったとき、わかったんです。今のあなたについて」

陽乃「……」

八幡「国会議員の***さんでしたよね、あの人と別れたあと、雪ノ下さん俺になんて聞きましたか?」

陽乃「……よくは覚えてないけどー、私の外面について、比企谷くんに感想を聞いたと思うな〜」

八幡「はい。それで俺は、いつもと変わらないと答えました」

陽乃「そうだったっけ。でもそれがどうかしたの?」

八幡「その時一瞬、雪ノ下さんの顔が強張ったのを、俺は見逃しませんでしたよ」

陽乃「……顔が? 私の?」

八幡「ええ、ほんの一瞬でしたが」

陽乃「……フフ、比企谷くんおもしろーい。そんなに私のことを見ててくれてたの?」

八幡「ぼっちはそういうのに敏感なんですよ。人の気持ちの変化とか」

陽乃「ふーん……それで?」

八幡「その時、俺に言われてあなた自身、気付いたはずです」

陽乃「気付いた?」

八幡「とにかく、考えましたよね。『あれ、私っていつもこんな感じなの?』って」

陽乃「……もしかして、それ私の真似? 似てないよー比企谷くん。○ッキーマウスみたい」

八幡「まあ、初めてあった日から、だいたいあなたの正体はわかっていました」

陽乃「正体? 私の?」

八幡「はい。さっきも言った通り、あなたは外面で本心を隠すタイプだ。だから人と接するとき、常に外面で接する」

陽乃「……」

八幡「けど、雪ノ下さんも人間です。本心がない、なんていうことはない」

陽乃「人間って……失礼だなぁ〜、当たり前でしょー」

八幡「あなたは、今までそれをうまくコントロールしてきたつもりだった。自分の中では、そう思っていたはずです」

陽乃「……」

八幡「でも、俺の何気ない言葉から、あなたは気付いた。自分では本音と思った行動も、他人から見たら建前に見えてしまう、ということに」

陽乃「……」

八幡「で、言われて焦ったあなたは、矛先を雪ノ下に変えた。なぜなら、雪ノ下だけには本心で接しているという、多大なる自信があったからだ」

陽乃「……」

八幡「それは、今までのあなたたち姉妹の関係を見れば、一目瞭然ですよ」

陽乃「……」

八幡「姉に依存する妹と、それを振り払おうとする姉。あなたが姉としての建前で雪ノ下に接していたなら、そんな複雑な関係にはならなかったはずだ……」

陽乃「……」

八幡「喫茶店に行った時、雪ノ下の話題を持ち出したのも、そのせいです。俺に本心を垣間見せることで、一時的に自身を安心させようとした」

陽乃「……」

八幡「そして今日、行動に移した。雪ノ下に本心をぶつけることで、自分の存在を確認するために」

陽乃「……」

八幡「確認の方法は……あいつを怒らせることですよね? 怒らせ嫌われることで、あなたは自分の存在を確かめることができた」

陽乃「……」

八幡「なぜなら、人当たりの良い外面だけのあなたを、怒り、嫌らう人間なんてそういませんから」

陽乃「……」

八幡「自分は外面だけの人間じゃないってことを、雪ノ下から嫌われることで確かめたんです、あなたは」

陽乃「……」

八幡「だから今回のそれは、ただの自己満足です。あなたは自分のために、雪ノ下を傷つけただけだ。あいつのためなんかじゃない」

陽乃「……」

八幡「もちろん、今までのあなたの態度は、雪ノ下を自分から離すためのものでもあった。でも今日のは明らかに違いました」

陽乃「……つまり、何が言いたいの?」

八幡「まあ、何というか……あなたの都合で、あいつらを傷つけないでやって欲しいというか……」

陽乃「……」

八幡「昔のことはわかりませんが、今の雪ノ下には、あいつを大事に思う人がいるんです。あなたは、同時に彼女たちも傷つけていることになる」

陽乃「……それは、君も含まれるの?」

八幡「……さあ。でも、他人ではないと思いますよ。もう」

陽乃「そう……」

八幡「……」

陽乃「……」

八幡「……」

陽乃「……ンフ♪ ヘぇー、そっか〜」

八幡「……」

陽乃「ふーん……」

八幡「……」

陽乃「……ねぇ、比企谷くん」

八幡「……はい」

陽乃「君、ムカつくね」

陽乃「たったそれだけで、私のことをわかっているつもりでいるのが、余計に腹たつよね」

八幡「……別に俺は」

陽乃「はぁ、比企谷くんのこと、結構気に入ってたんだけどな〜。残念」

八幡「……気に入って欲しいなんて、誰も言っていないですけどね」

陽乃「黙れウジ虫」

八幡「ウジ……って……」

陽乃「君に、私の気持ちがわかるの?」

八幡「……」

陽乃「私わね、今まで苦労してきたの。親の事情に無理矢理付き合わされたり、好きでもない人を許嫁にされたり……」

八幡「……」

陽乃「そんなことも知らない君が、私にとやかく言う筋合いがある?」

八幡「……いえ、それは」

陽乃「それに雪乃ちゃんだって……あの子は、私の苦労を知っている。なのに逃げて、そして私に依存した」

八幡「……」

陽乃「だから、そんなあの子を妬ましく思ったことはあるし、嫌だったこともある。私から逃げたくせに、後を追ってくるなんて、変でしょ?」

八幡「……」

陽乃「でも、恨んだことは一度もない。だって、私はお姉ちゃんだもん。妹のことを本心から嫌いになることは、絶対にない」

八幡「……じゃあどうして」

陽乃「あの子には、私みたいになって欲しくないし、今のままでいて欲しくもない。幸せになって欲しいとは思ってる。でも、そう思う反面、嫉妬して、邪魔したい自分もいる」

八幡「……だから雪ノ下にも、今までああいった態度を?」

陽乃「そうよ。私に依存しないでって素直に言えばよかったけど、それらがそうさせなかったの」

八幡「……」

陽乃「矛盾してるでしょ? 私って」

八幡「……まあ」

陽乃「それにあの子はね、親の付き合いを断ることができたの。長女の私がいたからね。しかもあの子の性格から、お母さんたちは、雪乃ちゃんが一緒に付いて来るなんて、考えてもなかった」

八幡「……」

陽乃「だけど私は長女という位置にいたから、断りたくても断れない。友達と遊びたい時も、どんな時もね」

八幡「……」

陽乃「だからそういうことは全部、私まかせ」

八幡「……」

陽乃「でもそのおかげで、誰にでも通用する外面を手に入れることができたの。そして、これこそ私の、最大の取り柄だった」

八幡「……」

陽乃「これを使えば、誰にでも好かれた。嫌われることもなく、恨まれることもない。常にクラスの人気者よ」

八幡「……」

陽乃「けどその取り柄を、昨日の君の一言で、逆に仇と思えるようになってしまった」

八幡「……」

陽乃「私の本心は元々、人と接するのには向いてない、性悪なものなの。だから比企谷くんの言った通り、それを外面で隠し続けてきた」

八幡「……」

陽乃「でも、その性悪な本心こそ、私だった。それだけは失いたくなかった。なぜかわかる?」

八幡「……いえ」

陽乃「それがなければ、私は雪ノ下家の、お母さんやお父さんの、道具にしかならないからよ。社交のために使われるだけの、ただの道具」

八幡「……」

陽乃「私の外面は、その本心を隠すためのものだったけど、守るためのものでもあったの」

八幡「……」

陽乃「けどあの時……比企谷くんに『いつもと変わらない』と言われた時、実感した。この外面のせいで、本心を見失いかけてるって」

八幡「……」

陽乃「私の外面は、強力すぎた。隠し続けた卑小な本心が、だんだんそれに飲み込まれていくのも、予想ができたわ」

八幡「……」

陽乃「だから私は今日、雪乃ちゃんにちょっかい出すことで、本心を取り戻そうとしたのよ」

八幡「……」

陽乃「これが今回の真実。ほぼ比企谷くんの言った通りだね」

八幡「そう……ですね」

陽乃「はぁ〜あ、まさか君に全部バラされるなんて。参ったな〜」

八幡「……」

陽乃「もうなんか、どうでもよくなってきた……」ボソ

陽乃「で、感想は? 何かある?」

八幡「いえ、特にな――」

陽乃「特に何もないって答えたら、殺しちゃうよ、比企谷くんのこと」

八幡「っ!」

陽乃「もちろん、社会的な意味だけど」

八幡「……」

陽乃「当たり前でしょ? 私の一番大事なところに踏み入るだけ踏み入って、逃げるつもり? そんな都合よくはいかせないよ」

八幡「……」

陽乃「で、感想は?」

八幡「そうです、ね……質問でもいいでしょうか」

陽乃「うん、いいよ」

八幡「じゃあ、一つ……雪ノ下さんはどうしたいんですか?」

陽乃「私? 私は別に……」

八幡「もし、改善しようと思わないなら、きっとまた同じことをするんじゃないすか」

陽乃「……」

八幡「雪ノ下に限らず、別の人が、あなたの当て馬の対象になるかもしれない」

陽乃「……」

八幡「そのうち、誰もいなくなりますよ」

陽乃「……」

八幡「……」

陽乃「……」

八幡「そうなったら、あなたはどうなるんですかね……」

陽乃「そんなの……っ…………」

八幡「……」

陽乃「……」

八幡「……」

陽乃「じゃあ、どうしろっていうの」ボソッ

八幡「え」

陽乃「じゃあ、どうしろっていうのよッ!?」

八幡「ッ!」

陽乃「素直になれっていうの!? 今までの友人や家族に? 包み隠さず話せっていうのッ!?」

八幡「いえ、別にそんな……」

陽乃「言ったでしょ? 私の本心は性悪なものなの! それを曝け出したら、それこそ私の今までが台無しになるッ!」

八幡「……」

陽乃「どうしろっていうのよッ!!!!!」








八幡「……一人ぐらい、そういう人がいたっても、いいんじゃないですか」

陽乃「……」

八幡「……」

陽乃「……えっ?」

八幡「いや、別に全員にさらけ出さなくても、一人いればだいぶ変わると思いますよ」

陽乃「……」

八幡「その人にだけ、いつも自分の本心だけを話すんです。そうすれば、きっと自分を見失う必要もなくなるんじゃないですかね」

陽乃「……」

八幡「今すぐってわけにもいかないかもしれませんが、雪ノ下さんのことをわかってくれる人も、中にはいますよ」

陽乃「……」

八幡「ぼっちの俺がいうのも、説得力がないと思いますが……」

陽乃「……」

八幡「……」

陽乃「……」

八幡「……雪ノ下さん?」

陽乃「……」

八幡「……」

陽乃「……フフッ、そうかもね」

八幡「?」

陽乃「比企谷くんの言う通りだよ。私としたことが、世界に目を向けてなかった」テヘペロ

八幡「まあ。でも世界って……」

陽乃「エッヘヘ……」

八幡「……」

陽乃「ふ〜ん、でもそっかぁ〜」

八幡「え……」

陽乃「……」ジー

八幡「……」

陽乃「うーん、でもそうだよねぇ〜」

八幡「……?」



陽乃「やっぱ雪乃ちゃんにはもったいないかも……うん、もったいない」

八幡「は?」

陽乃「……ねえ比企谷くん」

八幡「あ、はい」

陽乃「比企谷くんってさ、君ももう、その一人だってこと、自覚してるかな?」

八幡「……え、はい?」

陽乃「あー、やっぱり〜」

八幡「なんのことですか?」

陽乃「いやぁ〜だからさ、一人ぐらい本心を曝け出してもいいって言ったでしょ?」

八幡「はぁ……そうですが」

陽乃「でもよく考えたらさ、もう私、君に曝け出しちゃったでしょ?」

八幡「……え、なにをですか」

陽乃「……本心、私の」

八幡「……」

陽乃「♪」

八幡「……いやぁ〜、あれはどうなんすか?」

陽乃「どうって?」

八幡「ただの言い争いで、しょうがなくっていうか……成り行きでっていうか」

陽乃「でも私のこと、知っちゃったんでしょ?」

八幡「……まあ」

陽乃「じゃあ比企谷くんも、その一人ってことだよね?」

八幡「……」

陽乃「♪」

八幡「あの俺、小町が待ってるんで……あいつより、早く帰らないといけないんですよ……」

陽乃「七歳の妹さんのこと?」

八幡「え、あ……はい……」

陽乃「そっかぁ〜、じゃあ急がないとね」

八幡「はい。それでは……」

陽乃「行こっか!」ニコッ

八幡「え?」

陽乃「ん? 家に帰るんでしょ?」

八幡「はい……」

陽乃「じゃあ行こ♪」

八幡「……雪ノ下さんも、ですか?」

陽乃「ダメなの?」

八幡「え、だって……」

陽乃「今日、妹さんの誕生日会なんだよね」

八幡「え、あっ……」

陽乃「私を、無理言って誘ったんでしょ?」

八幡「……そうでしたっけ」

陽乃「うん、ちゃんと覚えてるよ?」

八幡「……」

陽乃「お姉さん悲しいな〜。誘ってくれたに、もう忘れたの〜?」ウリウリ

八幡「いえ、でもあれは……」

陽乃「はーい、じゃあ行こう!」ダキッ

八幡「なっ! 雪ノ下さん!?」

陽乃「行くったらいくんだよ〜」ギュッ

八幡「えっ、ちょ」

陽乃「ほーら、歩いて〜♪」

八幡「わ、わかりましたから……というか雪ノ下さん、いい加減――」





陽乃「離さないからねぇ〜、比企谷くんッ///」ギュッ



おしまい

雪ノ下陽乃編はここまで
後日談は希望があれば書きたいと思います
もし次書くなら、いろは編か葉山編です
ネタは考えてあるんで……一応

結局いろは雪乃結衣小町その他の名前が隠されてたのは何だったん?スレタイに元ネタがあってそれ関連ってこと?

>>45
いやスレタイの元はただの映画だよ
正直***を使ったのは、他にも複数ヒロインで書こうと思ったからと、俺がメイン以外のキャラに名前つけると、誰ルートなのか書いててわけわかんなくなるから
まあ読み手にとっては、ただ読みにくかっただけかな。もしそうだったらごめん。名前付きがメインってことを強調したかっただけだから、深い意味はないよ


『由比ヶ浜結衣』


八幡「なあ、由比ヶ浜」

結衣「ん〜、どうしたのヒッキー?」

八幡「結婚しないか?」

結衣「……えっ?」

八幡「だから、結婚しよう」

結衣「……」

八幡「……」

結衣「な、な、なななな何言ってんのヒッキー!! キモいキモいキモい!! ///」

八幡「え……」

結衣「そ、そういうのはちゃんと付き合ってから、時間を経て言うものだし! ヒッキーまじキモい!死ね!///」



八幡「クソビッチが……」ボソッ

『雪ノ下雪乃』


八幡「おい、雪ノ下」

雪乃「何かしら、ヒキガエルくん」

八幡「真面目な話をしようと思ったのに、そこは普通に返事してくれよ……」

雪乃「あら、そうだったの? で、何かしら」

八幡「俺と……結婚してくれないか?」

雪乃「……は?」

八幡「だから……俺と結婚してくれ」

雪乃「なっ……///」

八幡「……」

雪乃「……///」

八幡「?」

雪乃「はっ!」

八幡「……なんだよ」

雪乃「そういう冗談は、嫌いよ。やめてもらえるかしら」

八幡「冗談じゃない。本当だ」

雪乃「……そう///」

八幡「……」

雪乃「……///」




八幡「で……返事は?」


『比企谷小町』



八幡「なあ小町」

小町「ん? なに〜お兄ちゃん」

八幡「お兄ちゃんと結婚しよう」

小町「……はぁ?」

八幡「だから、お兄ちゃんと結婚しよう!」

小町「……」

八幡「……」

小町「ハァ……あのねゴミィちゃん。小町はね、そういう愛は望んでないの。冗談でもそれ、小町的にポイントと低いよ?」




八幡「ですよね」

『一色いろは』


いろは「あっ、せんぱ〜い!」フリフリ

八幡「お、一色か。丁度いいところに来たな」

いろは「え、何ですかー? なんかくれるんですかぁ〜?」

八幡「ちょっと伝えたいことがあってな」

いろは「伝えたいこと?」

八幡「ああ、まあな」

いろは「な、何ですか改まっちゃって。も、もしかして告白ですかっ!? ごめんなさいまだ心の準備が……///」

八幡「いや違う、告白じゃない」

いろは「え?」

八幡「え?」

いろは「……」

八幡「ん、どうした一色」

いろは「いえ、なんでもないです。これから用事あるんで、早めに済ましてもらえますか?」

八幡「え、ああ、わかった。じゃあ単刀直入に言う……」

いろは「はぁ……」

八幡「俺と結婚してくれ」

いろは「……」

八幡「……」

いろは「……」

八幡「……ダメ、か?」

いろは「……」

八幡「……」

いろは「……」

八幡「おい、一色?」ツンッ

いろは「」バタン



八幡「おい一色!」ユサユサ

【川……沙希】



沙希「あ」

八幡「ん」

沙希「……おは、よう」

八幡「お、おう」

沙希「……」

八幡「……」

沙希「……先、言ってるから」

八幡「ん……あ、ちょっと待て! 川……えーっとなんだっけ、たしか(小声)……さき!」

沙希「ちょっ! あんた名前で!///」

八幡「お前に言わなきゃいけないことがある」

沙希「……何よ」

八幡「……」

沙希「……だから何」

八幡「俺と、結婚してくれ」

沙希「なッ……///」

八幡「……」

沙希「なっ、なっ///」

八幡「ん? 聞こえなかったか? 俺と――」

バッ
タッタッタッ

八幡「ぁ……せめてなんか言えよ」


寝よ

『平塚静』



静「それで……用とはなんだ、比企谷」

八幡「あ、はい。それが……」

静「ッフ、珍しく真面目な顔だ。まあいい、かけたまえへ……」

八幡「はい」スッ

静「で?」

八幡「……まず、これから話すことは、全部冗談なしだと言うことを伝えときます」

静「ああ、わかった。話せ」

八幡「……平塚、先生。あの」

静「?」

八幡「俺と……」

静「俺と?」

八幡「……俺と、結婚して下さい」


静「」


八幡「……」

静「……ぁ」

八幡「……」

静「ほ……本気か?」

八幡「冗談なしと、言ったはずです」

静「……」

八幡「……」

静「……ゴホン、まあここではなんだ。ついてきなさい」スタスタ

八幡「ぁ、はい」トコトコ














静「……」

八幡「こんな人気のないところに、来る必要があったんですか?」

静「比企谷……」

八幡「はい」

静「お前と私は、生徒と教師の関係だ。わかるな?」

八幡「あ、はい」

静「だから、そのなんていうんだ? そこから恋愛関係へと発展するのは、難しいと思うんだ」

八幡「いえ、恋愛ではなく、夫婦です」

静「ふうふ?」

八幡「ふ、う、ふ、です」

静「そ、そそそそうか。まあどちらにせよな、難しいと思わないか?」

八幡「俺は、愛さえあれば関係ないと思います」

静「え、愛?」

八幡「はい。俺には先生への愛があります。あとは先生がそれを受け止め、返してくれることで、もう何も恐れることはありません。どんな障害も二人で乗り越えられます」

静「だ、だけどな、仮にも私は教員としてだな……」

八幡「教員のまえに、一人の女性です」

静「え……」

八幡「……」

静「で、でででもな、仮にそうだとしても、私とお前とじゃ年が……」

八幡「年なんて関係ありませんよ。そんなのも、愛さえあればなんとかなります」

静「でででで、でも……」

八幡「御託はいいんです。先生の気持ちはどうなんですか?」

静「……私は、重いぞ?」

八幡「体重は俺の方が重いです」

静「お前が私の年になる時、私はもうおばあちゃんだぞ?」

八幡「俺の中では、いつまでも若いままです」

静「顔だって、雪ノ下とかと比べると、可愛くないと思うぞ?」

八幡「綺麗ですよ、先生」

静「……」

八幡「……」

静「……うん、結婚する///」








『戸塚彩加』



戸塚「はちまん!」

八幡「お、戸塚」

戸塚「おはよう!」ニコッ

八幡「お、おはよう///」

戸塚「えっへへ、朝から八幡にあえて嬉しいな〜♪」

八幡「お、おお俺もだ戸塚」(結婚したい)

戸塚「……ん? どうしたのはちまん?」

八幡「え、いや……」

戸塚「?」

八幡「実は伝えなきゃいけないことがあるんだ……」

戸塚「僕に? なにはちまん! 相談ならいつでも聞くよっ!」

八幡「お、おう」(結婚したい)

戸塚「?」

八幡「それでだな……」

戸塚「うんうん、それでそれで?」

八幡「お、俺と……」

戸塚「俺と?」

八幡「けっ――」

戸塚「八幡、大変だ! 遅刻しちゃう!」

八幡「え、あ……」

戸塚「先生に怒られちゃうよ、続きは後でにしよっ、ね?」

八幡「あ、ああ……」






八幡「戸塚補正で、一生無理な気がする」

次は【一色いろは編】です
書き溜めはないんで、ペースは遅いと思います

【一色いろは編】



フードコートinショッピングモール



いろは「せんぱーい、ほらあ〜ん……」

八幡「なっ!」サッ

いろは「ちょっ、何よけてんですかッ! こっちだって恥ずかしいのに!///」

八幡「いや、だからって別にそこまでやらなくてもいいだろ……」

いろは「練習ですよ、練習! 付き合ってくれるって言ったんじゃないですかぁ〜!」

八幡「お前、初デートで葉山にアーンするのか?」

いろは「べ、別にそこまではやらないと思いますけど……いつかそうなったときのためです……」

八幡「でも、今日は初デートの練習だろ。ならいいんじゃ…………ッン」パクッ

いろは「……先輩はいちいちうるさいんですよ。ちょっと黙っててくださいっ」グイッ

八幡「っんンッンンんんっん゛!!!」

いろは「……///」フンッ

>>64
これ、別に八幡がイッてるわけじゃありません。
ご注意を

ショッピングモール



いろは「わ〜、これ可愛い!」

八幡「おっ、確かにいいな。これ」

いろは「先輩もそう思いますか!? なら!」

八幡「よし、小町に買って行こう」

いろは「……は?」

八幡「なんだ一色、お前も買うのか?」

いろは「先輩、今は私とデート……の練習をしてるんですよ?」

八幡「え、ああ、そうだったな」

いろは「なのに妹にお土産ですか?」

八幡「ん? ダメなの?」

いろは「……」

八幡「え、なに……?」

いろは「わぁー、先輩これ可愛いデスね〜!」

八幡「え、お、おう。可愛いな」

いろは「いいなー。これ、彼氏からプレゼントしてもらったら、すっごく嬉しいな〜!」

八幡「まあ人に買わせた方が得だよな。自分のお小遣いは減らないし」

いろは「ッ!」ガッ

八幡「痛ッ! 何だよ……」

いろは「フンッ、もう先輩なんて知りませんっ!」

八幡 (……ったく、あいつどこいったんだよ。なんか怒って先行っちゃったから、見失ったじゃねーか)トボトボ



***「なあいろはー、いいじゃんかよ〜」

***「一人なんだろ? 一緒に行こうぜ」

***「うんうん! いろはちゃんッ、一緒にまわろ!」

***「大丈夫、お金のことは心配しなていいよ。僕が全部、払うから」



八幡「あ……いた」



いろは「え〜、でも一応彼氏と来ててー」

***「えっ、いろはって彼氏いたの!?」

***「ちげーよ、遠回しに無理って言ってんだよ」

***「え〜、つれないなーいろはちゃんッ。楽しいよ? みんなと一緒なら」

***「ふふ、クラスのアイドル、学校の生徒会長であるいろは君に、彼氏なんているわけないじゃないか」

いろは「あはは〜……」



八幡 (あー、あれは……あれだ。クラスの奴とバッタリあって、流れで一緒に遊ぼう的なやつだ。ぼっちには絶対にない、混ざるってやつだ。……でもあれ、内心嫌に感じてる奴も、中にはいるんだよな)



いろは「でもほんと、ツレはいてさぁ〜。今ちょっとはぐれちゃっただけでー」

***「そっか〜。あ、じゃあ一緒に探そうぜ! なあみんな!」

***「おう、俺はいいぜ」

***「うん! 私もッ!」

***「僕もいいよ。じゃあ早速迷子センターへ……」

いろは「えっ、ほんと大丈夫だよ〜。一人で探せるからー」



八幡 (それで今度は、『頼まれてないけど、私良い人だから手伝ってあげるよ』パターンか。あれ、実際受けてる方から言わせると『頼んでないのに。迷惑な奴だ』って思われてるのが、ほとんどなんだよな)



いろは「……」


八幡 (そろそろ助けてやるか)

八幡「おー、一色。そこにいたか」トコトコ


いろは「あっ、せんぱ〜……い」

***「……え、マジで?(笑)」

***「……マジかw」

***「ちょ、いろはちゃんッ?笑笑」

***「おお、探し人が見つかったようだ。良かったね、いろは君」


八幡「……」

いろは「……先輩、すみません。なんかクラスの」ボソッ

八幡「いや、いい。お前は何も言うな」ボソッ

いろは「それって、どういう……」


***「ちょっ、いろは。もしかしてそいつが例のツレ?」


いろは「えっ、う――」

八幡「おー、そういえば一色。お前と一緒に買い物に来ていた葉山なんだがな、知り合いの叔母さんに捕まったらしく、なかなか抜け出せないみたいなんだ」

いろは「っ?」


***「え、葉山って……あの葉山先輩?」

***「いろはちゃん、葉山先輩と買い物に来てたのッ!?」


八幡「だから悪いけど、こっちに来て欲しいだってさ」

いろは「ちょっと、せんぱ――」

八幡「ああ、俺か? 俺は偶然そこで葉山に会ってな。一色にそのことを伝えてくれって頼まれたんだ」


***「マジか、あの葉山先輩と……」

***「さすがいろは君! 連れ添う男もまた人気者ということか!」


八幡「ってことで、お前を葉山のところまで連れてくけど……って、こいつらは? 一色の友達か?」

***「えっ」

***「あ……」

***「えーっと……」

***「Ya!」

いろは「あ、はい。クラスメイトです。今ちょうどそこで会って」

八幡「そうか。……一色を借りてもいいか?」

***「っえ、あ、はいはい全然。俺たちただ偶然会っただけなんで」

八幡「ならいくぞ一色。葉山が待ってる」スタスタ

いろは「……はい。――ごめんねみんな。また明日」タッタッタ


***「……」

***「……あの葉山先輩と」

***「すごいねー、いろはちゃん……」

***「この肉まん、中がジューシーでとても美味しいですね」モグモグ

八幡「……フゥ、ここまで来たらもう平気だろ」

いろは「……」

八幡「ん? どうかしたか、一色?」

いろは「……せんぱい、なんで」

八幡「?」

いろは「なんで、あんなことしたんですか」

八幡「あんなことって……ああ、あれはだな。もし気まずい奴と会ったときに使える、俺専用の――」

いろは「私の……ためですか」

八幡「……」

いろは「私の立場を守るために、ですか?」

八幡「いや、俺は別に……」

いろは「私って、まだ先輩の目に、そう映っていたんですね……」

八幡「っ……」

いろは「先輩。私、あれからちょっとは成長したんですよ?」

八幡「……」

いろは「生徒会長に選ばれてから、クリスマスパーティーを開いたり、バレンタインのイベントとか……それにディスティニーランドのことも……」

八幡「……」

いろは「辛かったこともありましたけど、それが私を成長させてくれました。まあ、でも先輩のおかげなんですけどね」

八幡「……」

いろは「そんな成長した私が、今さら評判なんて気にすると思いましたか?」

八幡「……いや」

いろは「確かに、私にも立場がありますが、でもそんなのどうだっていいんです」

八幡「……」

いろは「だって、それはホンモノじゃないですから……」

八幡「……」

いろは「だから先輩。もう、ああゆうことはやめてください」

八幡「……」

いろは「わかりましたか?」

八幡「……ああ、わかった」

いろは「……まあでも、先輩は私のためを思って、やってくれたんですよね。ありがとうございました」

八幡「いや……なんか、悪かったな」

いろは「フフッ、いいんですよ〜。てゆーか、巻き込んじゃったのは、こっちなんだし。先輩が謝る必要なんて、なかったんですけどね……」

八幡「でも確かに、今のお前ならあれぐらい、どうにかなったかもな」

いろは「そーでしょ? 私、成長したんですッ」エッヘン

八幡「じゃあ、成長祝いだ。ほれ」スッ

いろは「え……なんですか?」

八幡「見て分かれよ。プレゼントだ」

いろは「……私にですか?」

八幡「他に誰がいるんだよ」

いろは「……開けても、いいですか?」

八幡「ああ」

ガサゴソ

いろは「あっ……これ……」

八幡「さっきお前が欲しがってたやつだ。まあ、妹のついでだけどな」

いろは「……」

八幡「……」

いろは「……嬉しいな///」ボソッ

八幡「ん?」

いろは「最後の言葉を除けば、合格です。先輩のくせに、なかなかやりますね〜!」

八幡「え、あ、そりゃよかった……のか?」

いろは「でも、ありがとうございます。大事にしますね」

八幡「お、おう……」

いろは「……あ、もしかしてこの雰囲気から告白すればいけると思いましたか? ごめんなさいまだちょっと無理です」

八幡「俺はお前に何回振られればいいんだよ……」

いろは「ってことで、せーんぱい。まだデート練習は終わってないんですから、そろそろ行きますよ〜」

八幡「え、まだやるの。もういいんじゃ」

いろは「だーめです。ほら、次は映画です」グイッ

八幡「あー……わかったわかったから、引っ張るな」

いろは「……フフ♪」





一応、おしまい

一応、一色いろは編はおしまいです。(というのも、本編に入れるはずだったその後があったんで……)
次は個人的にも陽乃編の後日談を書きたかったんで、たぶんそれになると思います。
葉山編は最後です。海老名さんはもう少しお待ちください

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