まどか「手段は問わないよ。とにかくベイスターズを優勝させて!」
qb「そっ、そんな願いが叶うとしたら、それはもう、ただの八百長なんてレベルじゃ……」
まどか「叶えてよ!」
qb「この願いはプロ野球の歴史に対する反逆だよ! 君は本当に独裁者にでもなるつもりなのか!?」
まどか「独裁者でもなんでもいい。ベイスターズが優勝しさえすればどうでもいい……」
qb「…………」
まどか「邪魔するルールなんて……。壊してやる! 変えてやる! それが私の願い!」
qb「…………」
まどか「さあ! 叶えてよ! インキュベーター!!!」
ゴオオォォーッ…………
………………………
……………
……
マミ「鹿目さん。それがどんなに恐ろしい願いか解っているの?」
まどか「……たぶん」
マミ「あなたは、数多くのプロ野球ファンを敵にまわしたのよ」
まどか「……」
マミ「広島ファンもロッテファンも、絶対にすごく怒ってるわよ」
まどか「……はい」
マミ「今あなたは、きっと横暴な独裁者と認識されているわよ……」
まどか「……いいんです。そのつもりです」
マミ「……そう……」
まどか「ベイスターズが勝ちさえすれば、他はどうでもいいんです」
マミ「…………」
まどか「何度でも言い返せます。いつまでも、言い張れます」
マミ「…………」
まどか「…………」
マミ「…………」
杏子「いいんじゃねぇの?」
マミ「…………」
杏子「もう始めちまったんだし。後はとことん突っ走ればさ……」
まどか「うん。ありがとう、杏子ちゃん」
杏子「まぁ、頑張れ」
まどか「うん」
マミ「ふぅ……。じゃあ、しばらく様子を見せてもらうわよ」
まどか「はい」
杏子「で、とりあえず、最初は何をするんだ?」
まどか「えーと……。とりあえず……」
マミ「とりあえず?」
まどか「……ダルビッシュかな?」
マミ「…………」
杏子「…………」
──数日後──
──横浜スタジアム──
ダルビッシュ「…………」(……俺は何故ここにいるんだ?)
中畑「よぉ。ダルビッシュ好調か?」
ダルビッシュ「……好調ですが……」
──レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン──
牛田成樹「…………」(……俺は何故ここにいるんだ?)
観客(女)「あの人誰?」
観客(男)「知らん……」
観客(子供)「ダルビッシュどこに行ったの?」
牛田成樹「…………」(泣いてもいいかな……)
まどか「これで、15勝くらいは確実に増えるよね」
さやか「牛田さんが、いつの間にメジャーリーガに……」
マミ「えーと。ダルビッシュさんの年棒は?」
まどか「6年総額で6000万だよ」
さやか「えっ、6000万? もしかして、ドルで払うの?」
まどか「円だよ。ここは日本だもん」
マミ「ダルビッシュさんが、1年で1000万円……」
杏子「ひでぇ……」
まどか「まー君もほしいな」
田中「あれ? なんで俺が横浜に……」
まどか「球児さんも欲しいよね」
藤川「……え? トレード?」
まどか「おかわり君も♪」
マミ「鹿目さん。やりすぎよ……」
杏子「2位に20ゲーム差つけて独走だろ? そろそろ手加減しろよ……」
まどか「うぇひひっ。楽しいなぁ�・」
…………………………
………………
……
──数日後──
ほむら「あなたは、どこまで愚かなの?」
まどか「ごめんなさい……」
ほむら「そんな理由で、もうqbと契約してたなんて……」
まどか「だって知らなかったんだもん。魔法少女が魔女になるなんて……」
マミ(……魔女になる……魔女になる……みんな魔女になる……)
ほむら「…………」
まどか「……ごめんなさい」
杏子「昨日もまた勝ったな。ベイスターズ……」
さやか「たぶん……。マジで優勝しちゃうね……」
ほむら「あら? 意外と落ち着いてるわね」
杏子「……半分は現実逃避だよ」
さやか「……ゾンビちゃんかぁ。……嫌だ。……残念すぎる……アハハ……ハハッ……」
マミ(魔女になっちゃう……魔女に……魔女に……あなたも私も……魔女に……魔女に……)
さやか「……んっ? マミさん?」
マミ「うふふっ……うふふっ……ウフフフフッ…………」
杏子「やべぇ。発作だ……」
マミ「みんな死ぬしかないじゃない!!!」
さやか「マミさん!」
杏子「ほむら! 足押さえろ!」
マミ「……何も怖くないわよ……アハハッ……アハハハッ……」
ほむら「暴れないで。……このまま縛ろうかしら?」
まどか「あぁっ、マミさんが……」
さやか「……はぁ」
マミ「うふふっ……ウフフッ……ウフフフッ……」
杏子「……ふぅっ。メンタルが弱いんだよ。マミ」
──数分後──
マミ「……ごめんなさい」
杏子「気にすんな」
ほむら「落ち着いたかしら?」
マミ「えぇ。少し落ち着いついたわ」
さやか「……よかった」
まどか「うん」
マミ「……///」
ほむら「……ところで、一つ質問があるのよ。まどか」
まどか「なあに? ほむらちゃん」
ほむら「あなた、まだ人間よね? まどか」
さやか「え?」
杏子「……人間?」
まどか「…………」
ほむら「qbと契約したらしいけど、あなたは、まだ人間よね?」
まどか「……うん。たぶん、そうだと思う……」
マミ「……鹿目さん?」
杏子「どう言う事だ? 説明しろよ」
ほむら「つまり、まどかはまだ魔法少女にはなっていないのよ」
さやか「えっ? でも……」
杏子「まどかは、もうqbと契約したはずだろ?」
ほむら「ええ。契約したみたいね」
まどか「……でも……」
マミ「もしかして、まだ契約条件が……」
ほむら「えぇ。私も、おそらくそれが理由だと思うわ」
杏子「……じゃあ、まどかにはまだ……」
ほむら「そうよ。まどかには、まだチャンスが残ってる」
まどか「……ほむらちゃん」
さやか「え? どゆこと?」
ほむら「協力してくれるかしら? 巴マミ。佐倉杏子」
マミ「えぇ。もちろんよ」
杏子「別にかまわないぜ」
ほむら「ありがとう。巴マミ。佐倉杏子……」
まどか「……ありがとう。マミさん。杏子ちゃん……」
さやか「あのね。……さやかちゃんもいるんだよ?」
ほむら「あら? いたのね」
さやか「ひどっ……。まぁいいけど……」
まどか「さやかちゃん。ごめん……」
さやか「……で、私達は何をするの?」
ほむら「ベイスターズの優勝を妨害するのよ」
さやか「え? 妨害?」
ほむら「そうよ。妨害よ」
まどか「…………」
さやか「なんで?」
マミ「鹿目さんの契約条件は、ベイスターズの優勝でしょ」
杏子「つまり、ベイスターズが優勝しなけりゃ、今回の契約は無効なんだよ」
さやか「あっ……。なるほど……」
ほむら「理解出来たみたいね」
まどか「…………」
ほむら「いいわね。まどか」
まどか「……えっ?」
ほむら「ベイスターズファンのあなたには、辛い現実でしょうけど……」
マミ「このままベイスターズを優勝させるわけにはいかないわね」
まどか「うっ……うん……」
さやか「まぁ、ゾンビになるよりは、ずっとマシだよね」
杏子「そうだな。せっかく首位を独走してるのに悪いけどな」
まどか「…………」(はぁ……。見たかったな。ベイスターズの優勝……)
さやか「……で、具体的に、どうやって横浜の優勝を妨害すんの?」
杏子「うーん……。このままだと、たぶんベイスターズが優勝しちまうからな……」
マミ「……どうしましょう?」
杏子「主力選手を暗殺でもするか?」
さやか「……え?」
まどか「……暗殺……するの?」
ほむら「確かに、試合中のベンチにミサイル一発撃ち込めば……わりと簡単に……」
さやか「…………」
…………………………
………………
……
──横浜スタジアム──
中畑清「絶好調♪」
三浦大輔「今日も勝つぞ!」
主力選手達「「おーっ!」」
ラミレス「ンッ? アレナニ?」
金城 龍彦「……何か飛んで来る?」
てぽどん『びゅーん・どっかーん!!!』
主力選出達「「わーっ!!!」」
…………………………
………………
……
──レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン──
牛田成樹「三浦さんも、金城さんも死んじゃった……」
…………………………
………………
……
マミ「えっと……もっと、穏便に……」
ほむら「まぁ、最後の手段として、一応ミサイルは用意しておくわ」
さやか「いや、用意しなくていいから……」
まどか「このルートだけは、絶対に回避したいよ……」
杏子「じゃあ、他の計画も考えるか?」
マミ「なるべく、平和的なプランの方が……」
ほむら「それじゃあ」
まどか「…………?」
ほむら「とりあえず、他球団から強引に引き抜いた選手を、元の球団に返しましょう」
さやか「あっ、それいいかも」
杏子「そうだな。一昔前の金満球団みたいで、評判悪かったしな」
まどか「えっ? せっかく集めたのに……」
ほむら「まどか……」
マミ「鹿目さん?」
まどか「あっ、ごめんなさい……」
…………………………
………………
……
ダルビッシュ「……え? 牛田さんとトレード?」
田中「はい。楽天に復帰ですね」
藤川「俺は阪神ですよね?」
中村剛也 「なんでこの時期に?」
鳥谷「はい」
長野「はい」
前田健太「はい」
浅尾「はい」
「はい」「はい」「はい」「はい」「はい」「はい」「ハーイ」
…………………………
………………
……
中畑清「……おかえり」
牛田成樹「……はい……」
ほむら「これで、もう大丈夫ね」
さやか「この後は?」
杏子「もう十分じゃねえか?」
まどか「……うん」
さやか「……え? え?」
マミ「これでおそらく、ベイスターズは順調に失速してくれるわ」
さやか「でも、まだメンバーを元に戻しただけだよ?」
まどか「……うん」
さやか「これだけでいいの? 2位に20ゲーム差つけて独走してるんでしょ?」
杏子「……あぁ。分かるだろ? これだけでいいんだよ……」
まどか「…………」クスン…
おわり
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