トランクス「のび太君とドラえもん君、おかげで助かったよ」(18)

時空間――

ドラえもん「もう少しで、のび太君の家に到着するよ」

のび太「白亜紀、楽しかったね。ピー助にもまた会えたし」

ドラえもん「だけど、あまりムチャしちゃダメだよ!」

ドラえもん「もう少しであの恐竜に食べられるところだったんだから!」

のび太「うん……とっさにショックガンを撃たなかったら危なかったよ」

のび太「でもあの時のぼく、かっこよかったろ? ワイアット・アープみたいでさ」

ドラえもん「もう! 全然反省してないんだから!」

のび太「!」ハッ

のび太「――ドラえもん! 前! 前っ! 他のタイムマシンがある!」

ドラえもん「うわっ!? ブレーキをかけても間に合わないっ!」キキッ

のび太「ショックガン!」サッ



ズバッ!



のび太「ふぅ……あっちのタイムマシンの動きを止めることができた……」

ドラえもん「危なかった……」

のび太「もう! なにやってんのさ、ドラえもん!」

ドラえもん「ごめん……」

トランクス「どういうことだ……!?」

トランクス「時間移動の途中で、タイムマシンがストップしてしまった……!」カチッカチッ

トランクス「くそっ、どうすればいいんだ……!」ガンッ



のび太「中の人が困ってるみたいだよ」

ドラえもん「ようし、ぼくのタイムマシンでぼくらの時代まで引っぱっていこう!」

……

……

のび太の家――

トランクス「えぇと、のび太君とドラえもん君、おかげで助かったよ」

トランクス「君たちがいなきゃ、俺はずっとあの空間に閉じ込められるところだった」

ドラえもん「いえいえ、とんでもない。トランクスさん」

のび太「そうそう。元はといえば、ドラえもんのせいなんだから!」

トランクス「え?」

ドラえもん「な、なんでもないんです! えへへ……」

ドラえもん「ところで、トランクスさんは地球人なんですか?」

トランクス「ああ、俺は地球人だよ。混血だけどね」

のび太「やっぱり22世紀の人なんですか?」

トランクス「22世紀? いや、俺はエイジ784年から……」

のび太「エイジ?」

ドラえもん「……そうか、そういうことか!」

のび太「え、どういうこと?」

ドラえもん「つまり、このトランクスさんがいる星も地球って名前なんだよ」

ドラえもん「ただし、ぼくらがいる地球とはまた別の地球なんだ」

のび太「ふうん……?」

ドラえもん「ま、分からないなら分からないでいいよ」

ドラえもん「とりあえず、ぼくらがいればトランクスさんは元の世界に帰れます」

ドラえもん「その点については安心して下さい」

トランクス「ありがとう……それを聞いてほっとしたよ」

ドラえもん「ところで、トランクスさんはどうしてタイムマシンに?」

のび太「ぼくらみたいに、昔の時代を旅行しようとしてたんですか?」

トランクス「いや……実は――」



――――――

――――

――

のび太「人造人間が地球をめちゃくちゃに!?」

ドラえもん「人類を全滅させるだなんてとんでもない!」

トランクス「怒ってくれてありがとう。それだけで嬉しいよ」

ドラえもん「いいえ、人造人間退治にぼくたちもぜひ協力させて下さい!」

トランクス「え!? いや、さすがにそれは……」

のび太「大丈夫、ドラえもんの道具はすごいんだから!」

トランクス「ううん……」

トランクス(さすがにこんな子供たちを巻き込むのはまずいよなぁ……)

トランクス(だけどタイムマシンに関しては彼らの物の方がはるかに優れているし……)

トランクス(頼りにしてみるのもありかもしれない……)

トランクス「ありがとう、よろしく頼むよ」

ドラえもん「任せて下さい!」

トランクスの地球――

ドラえもん「これは……どこもかしこも廃墟だ……」

のび太「ひどいなぁ……」

トランクス「まず、奴らを見つけなければ……」

トランクス「しかし、あいつらは気がないからな……。暴れ出すのを待つしかないか……」

ドラえもん「だったら……」ゴソゴソ…

ドラえもん「たずね人ステッキ~!」

<たずね人ステッキ>
探したい人や物の方向に倒れる杖。ただし的中率は70パーセント。

ドラえもん「これを10回倒して、多く倒れた方角に人造人間はいるはずです」

トランクス「こんな便利な道具があるなんて……」

……

……

トランクス「本当にいた! どうやら今は、廃墟でくつろいでるみたいだな……」

トランクス「しかし、見つけたはいいけど、俺で勝てるかどうか……」

ドラえもん「なら、トランクスさんをデラックスにしましょう」

トランクス「デラックス?」

ドラえもん「デラックスライト~!」

<デラックスライト>
照らした物をデラックスにする道具。物だけでなく生物にも効果がある。

ドラえもん「いきますよ」ピカーッ

ドラえもん「トランクスさん、力を入れてみて下さい」

トランクス「はあっ!!!」ボウッ

トランクス「なんだ!? 髪が伸びて、エネルギーが満ちあふれてくる!」バチバチ…

のび太「すっごーい!」

ドラえもん「さらに、時間も止めちゃえばこっちのもんだ」

ドラえもん「ウルトラストップウォッチ~!」

<ウルトラストップウォッチ>
時間を止める道具。使用者の近くにいれば、その人も時間停止の影響を受けない。

ドラえもん「さ、止まってるあの二人をやっつけて下さい」

トランクス「分かった!」ギュンッ

トランクス「消えろーっ!!!」ボボッ



ドォンッ! ズガァンッ!



トランクス「終わった……」

ドラえもん「ついでにソノウソホントで、全部元通りにしちゃいましょう」

<ソノウソホント>
クチバシのような道具。これを口につけて嘘をつくと、それが現実になる。

ドラえもん「のび太君もウソ800(エイトオーオー)を飲んで手伝って」

のび太「オッケー!」

<ウソ800>
液状の薬品。これを飲んで発言すると、その言葉は嘘になる。

ドラえもん「人造人間に壊された都市は全部元通りになる!」

のび太「人造人間に殺された人たちはみんな生き返らない!」



――――――

――――

――

トランクス「のび太君とドラえもん君、おかげで助かったよ」

トランクス「俺は強くなれたし、壊された都市は元通り、殺された人たちも生き返れた!」

ドラえもん「どういたしまして」

のび太「照れるなぁ」

トランクス「だけど……なんでだろう」

トランクス「俺の中で、本当にこれでいいのかな、って気持ちも残ってるんだ……」

トランクス「なにもかも君たちにやってもらっちゃって……」

ドラえもん「だったら、これでぼくたちのことは忘れて下さい」チョイッ

<ワスレンボー>
対象者の記憶を消すことができる。消す範囲は、タイマーで調節可能。

トランクス「――ん? 君たちは……誰?」

ドラえもん「さあさ、トランクスさん。平和になった世界を楽しんで下さい」

のび太「トランクスさんのお父さんやお師匠さんが、向こうで待ってますよ」

トランクス(あれ!? なんで父さんや悟飯さんが生き返ってるんだ!?)

トランクス(まあいいか……なぜか分からないけど、全ては終わったんだ……)

トランクス(これから先、たとえもっとすごい敵が出てきても、俺が倒してみせる!)



つらい未来を生きてきたトランクス……そしてブルマたちに、やっと真の平和が訪れた。
そしてその平和は、今後も大切にされていくだろう。

トランクスがいる限り……。





THE END

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